JP3624071B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の眼底の動きをトラッキングする眼科装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被検眼の眼底上の血管の動きをトラッキングする眼科装置としては、例えば特開昭63−288133号公報に記載されているように、2個所の血管の動きを検出して二次元的にトラッキングを行うものや、特表平6−503733号公報に記載されているように、1個所の血管の走行方向と垂直な方向の動きを検出して一次元的にトラッキングを行うもの等が知られている。
【0003】
これらの眼科装置では、トラッキング光による眼底像を撮像する撮像手段として一次元CCDが使用されており、血管像の信号のレベルを最適化するために、トラッキング前に一次元CCDの出力信号のレベルを見ながら、一次元CCDの出力信号のレベルが設定範囲内となるように、手動又は自動で増幅器の増幅率を電気的に調整してトラッキングを行ったり、一次元CCDの前に配置したイメージインテンシファイアによる一次元CCDへの入射光量の増幅率を、同様の方法で調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例のように、トラッキング前に手動で一次元CCDの増幅器の増幅率、又はイメージインテンシファイアによる一次元CCDへの入射光量の増幅率を調整して行うトラッキングは操作が煩わしいために、少なくとも検者が2人必要となり、かつ時間が掛かって被検者に余計な光の照射を強いることになる。また、トラッキング前に自動的に一次元CCDの増幅器の増幅率、又はイメージインテンシファイアによる一次元CCDへの入射光量の増幅率を変える方法では、操作の煩わしさは軽減されるが、検者がトラッキングすべきターゲット部位を探しているときも不必要に自動調整が行われ、従って最終的には同様に時間が掛かって、被検者に余計な光の照射を行うことになる。
【0005】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、自動的に迅速に撮像手段の増幅率を調整して最小限の光照射により測定を行う眼科装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼科装置は、眼底血管に対してトラッキングを行うトラッキング手段と、該トラッキングの目標となる血管を含む眼底領域を照明光で照明するための照明手段と、前記照明光の光量を調整する調整手段と、該調整手段で第1の光量とした前記照明光による照射位置を変更する操作手段と、前記照明光を第2の光量に変更する変更手段と、前記トラッキングの開始信号を入力する信号入力手段と、眼底領域を撮像し映像信号に変換する映像手段と、前記開始信号が入力されたときに前記第1の光量で取得した映像手段による第1の映像信号に基づいて前記第2の光量に対応する前記映像手段の増幅率を決定する増幅率決定手段とを備え、前記トラッキング手段は前記変更手段で前記第2の光量とした照明光及び前記決定した増幅率で取得した第2の映像信号を用いてトラッキングを行うことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の眼底血流計の斜視図を示し、基台1上にはステージ固定部2とテレビモニタ3が載置され、ステージ固定部2には前後左右に移動自在のステージ可動部4と顎支持台5が固定されている。ステージ可動部4上には測定ヘッド6が載置され、可動台4の検者側には操作桿7、スイッチ8、操作リング9、測定モード選択スイッチ10、表示用LED11が取り付けられている。そして、測定ヘッド6には固視標移動手段である操作ノブ12、フォーカスノブ13、イメージローテータノブ14が設けられている。
【0008】
図2は測定ヘッド6に内蔵された眼底血流計の本体部の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源21から、被検眼Eと対向する位置の対物レンズ22に至る照明光路上には、コンデンサレンズ23、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付フィールドレンズ24、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役なリングスリット25、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な遮光部材26、リレーレンズ27、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板28、リレーレンズ29、被検眼Eの角膜近傍と共役な遮光部材30、孔あきミラー31、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー32が順次に配列され、照明光学系が構成されている。
【0009】
なお、リングスリット25、遮光部材26、30は、被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とならない。
【0010】
孔あきミラー31の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフオーカシングレンズ33、リレーレンズ34、スケール板35、光路中に挿脱自在な光路切換ミラー36、接眼レンズ37が順次に配列され、検者眼eに至っている。光路切換ミラー36が光路中に挿入されているときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ38、CCDカメラ39が配置されており、CCDカメラ39の出力はテレビモニタ3に接続されている。
【0011】
バンドパスミラー32の反射方向の光路上には、イメージローテータ40、紙面に垂直な回転軸を有し両面が研磨されたガルバノメトリックミラー41が配置され、ガルバノメトリックミラー41の下側反射面41aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ42が配置され、上側反射面41bの反射方向には、レンズ43、フォーカスユニット44が配置されている。なお、レンズ43の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係にあり、この焦点面にガルバノメトリックミラー41が配置されている。
【0012】
ガルバノメトリックミラー41の上方には、光路長補償半月板45、光路中に遮光部を有する黒点板46、凹面ミラー47が光路上に同心状に配列され、ガルバノメトリックミラー41の下側反射面41aにより反射されることなく通過する光束を、ガルバノメトリックミラー41の上側反射面41bへ導くリレー光学系が構成されている。なお、光路長補償半月板45は、ガルバノメトリックミラー41の上側反射面41b及び下側反射面41aの位置が、そのミラー厚によって生ずる図面上下方向へのずれを補正するためのものであり、イメージローテータ40に向かう光路中にだけ作用するようになっている。
【0013】
フォーカスユニット44においては、レンズ43と同一光路上にダイクロイックミラー48、集光レンズ49が配置され、ダイクロイックミラー48の反射方向の光路上にはマスク50、ミラー51が配置されており、このフォーカスユニット44は光路に沿って矢印で示す方向に一体的に移動できるようになっている。
【0014】
また、集光レンズ49の入射方向の光路上には、固定ミラー52、光路から退避可能な光路切換ミラー53が平行に配置され、光路切換ミラー53の入射方向の光路上には、コリメータレンズ54、コヒーレントな例えば赤色光を発する測定用のレーザーダイオード55が配置されている。更に、ミラー51の入射方向の光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ56、他の光源と異なる例えば緑色光を発する高輝度のトラッキング用光源57が配置されている。
【0015】
第2のフォーカシングレンズ42の後方の光路上には、ダイクロイックミラー58、フィールドレンズ59、拡大レンズ60、イメージインテンシファイア61を備えた一次元CCD62が順次に配列され、血管検出系が構成されている。また、ダイクロイックミラー58の反射方向の光路上には、結像レンズ63、共焦点絞り64、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役なミラー対65a、65bが配置され、ミラー対65a、65bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ66a、66bが配置されて、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、レーザーダイオード55からマスク50に至る光路、トラッキング用光源57の出射方向の測定光路、ミラー対65a、65bの反射光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0016】
更に、装置全体を制御するためのシステム制御部67が設けられ、このシステム制御部67には、スイッチ8、測定モード選択スイッチ10、操作ノブ12、フォトマルチプライヤ66a、66b、左右動検知手段68の出力がそれぞれ接続されており、一次元CCD62の出力は血管検出回路69と、A/D変換器70を介してシステム制御部67とに接続され、血管検出回路69の出力はシステム制御部67と、ガルバノメトリックミラー41を制御するガルバノメトリックミラー制御回路71とに接続され、システム制御部67の出力は表示用LED11、透過型液晶板28、光路切換ミラー53、ガルバノメトリックミラー制御回路71、D/A変換器72を介してイメージインテンシファイア61、トラッキング用光源57の駆動電源73にそれぞれ接続されている。
【0017】
図3は被検眼Eの瞳孔Ep上の各光束の配置を示し、Iは黄色の照明光により照明される領域でリングスリット25の像、Oは眼底観察光束で孔あきミラー31の開口部の像、Vは測定/血管受光光束でガルバノメトリックミラー41の上下側反射面41b、41aの有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光光束でそれぞれミラー対65a、65bの像である。また、P1、P1’ は測定光の入射位置で、光路切換ミラー53を切換えることによって選択される測定光の位置を示し、鎖線で示す領域Mはガルバノメトリックミラー41の下側反射面41aの像である。
【0018】
測定に際しては、検者は先ず顎支持台5に被検者の顔を固定し、測定モード選択スイッチ10により例えば乳頭付近の血管を計測する測定モードを選択する。左右動検知手段68によってステージ可動台3の左右の位置が検知されて、被検眼Eが左眼か右眼かが判別され、左右動検知手段68と測定モード選択スイッチ10からの信号がシステム制御部67に送られる。これらの信号に応じて、透過型液晶板28に予め定められた所定のドットパターンQが固視標として表示され、観察用光源21が点灯する。
【0019】
観察用光源21から発した白色光は、コンデンサレンズ23を通り、バンドパスフィルタ付フィールドレンズ24により黄色の波長光のみが透過し、リングスリット25、遮光部材26、リレーレンズ27を通って透過型液晶板28を背後から照明し、リレーレンズ29、遮光部材30を通って孔あきミラー31で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパスミラー32を透過し、対物レンズ22を通り、被検眼Eの瞳孔Ep上で眼底照明光光束像Iとして一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。
【0020】
このとき、透過型液晶板28にはドットパターンQの内の1つが表示されており、これが照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影されて、視標像Fとして被検眼Eに呈示される。検者は操作ノブ12を操作してシステム制御部67に信号を送り、呈示されたドットパターンQの位置を変更して、被検眼Eの視線誘導を行う。
【0021】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔Ep上から眼底観察光光束Oとして取り出され、孔あきミラー31の中心の開口部、フォーカシングレンズ33、リレーレンズ34を通り、スケール板35で眼底像Ea’ として結像した後に、光路切換ミラー36に至る。ここで、光路切換ミラー36が光路から退避しているときは、検者眼eにより接眼レンズ37を介して眼底像Ea’ が観察可能となり、一方で光路切換ミラー36が光路に挿入されているときは、スケール板35上に結像した眼底像Ea’ が、テレビリレーレンズ38によりCCDカメラ39上に再結像し、テレビモニタ3に映し出される。
【0022】
接眼レンズ37又はテレビモニタ3によりこの眼底像Ea’ を観察しながら、操作桿7、操作リング9を操作してステージ可動部4をX−Z平面内とY方向に摺動し、被検眼Eに対する位置合わせを行う。このとき、目的に応じて適切な観察方式を採用することが好適であり、接眼レンズ37による観察の場合は、一般的にテレビモニタ3等よりも高解像かつ高感度なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する場合に適している。一方、テレビモニタ3による観察の場合は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することができ、更にCCDカメラ39の出力を外部のビデオテープレコーダやビデオプリンタ等に接続することにより、眼底像Ea’ 上の測定部位の変化を逐次に電子的に記録することができるので、臨床上極めて有効である。
【0023】
次に、測定用レーザーダイオード55とトラッキング用光源57を点灯する。レーザーダイオード55を発した測定光は、コリメータレンズ54によりコリメートされ、光路切換ミラー53が光路に挿入されている場合には、光路切換ミラー53、固定ミラー52でそれぞれ反射され、集光レンズ49の下方を通過し、光路切換ミラー53が光路から退避している場合には、直接集光レンズ49の上方を通過して、ダイクロイックミラー48を透過する。
【0024】
一方、トラッキング用光源57から発したトラッキング光は、ビームエクスパンダ56により縦横異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー51で反射された後に、整形用マスク50で所望の形状に整形され、ダイクロイックミラー48に反射されて、マスク50の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と、集光レンズ49により重畳される。
【0025】
重畳された測定光とトラッキング光は、レンズ43を通り、ガルバノメトリックミラー41の上側反射面41bで一度反射され、黒点板46を通った後に、凹面鏡47により反射され、再び黒点板46、光路長補正用半月板45を通り、ガルバノメトリックミラー41の方へ戻される。
【0026】
凹面鏡47、黒点板46、光路長補正用半月板45から成るリレー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー41の上側反射面41bと下側反射面41aとは−1倍で結像されるので、光路切換ミラー53の光路中への挿入、退避により、ガルバノメトリックミラー41の像Mの裏側の図3の位置P1、P1’ で反射された両光束は、ガルバノメトリックミラー41の切欠部に位置するP2、P2’ の位置へ戻されることになり、ガルバノメトリックミラー41で反射されることなくイメージローテータ40へ向かう。そして、両光束はイメージローテータ40を経てバンドパスミラー32によって対物レンズ22の方へ偏向され、対物レンズ22を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。
【0027】
このように、測定光とトラッキング光はガルバノメトリックミラー41の上側反射面41b内で反射され、再び戻されるときには対物レンズ22の光軸から偏心した状態でガルバノメトリックミラー41に入射し、瞳孔Ep上で位置P1から位置P2を通った光束がスポット像Pとなり、位置P1’ から位置P2’ を通った光束がスポット像P’として結像し、その後に眼底Eaを点状に照射する。
【0028】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ22で集光され、バンドパスミラー32で反射されてイメージローテータ40を通り、ガルバノメトリックミラー41の下側反射面41aで反射されフォーカスレンズ42を通り、ダイクロイックミラー58において測定光とトラッキング光が分離される。
【0029】
トラッキング光はダイクロイックミラー58を透過し、フィールドレンズ59、結像レンズ60により、眼底観察光学系による眼底像Ea’ よりも拡大された血管像Ev’ として、イメージインテンシファイア61を通過後に一次元CCD62上に結像し、一方で測定光はダイクロイックミラー58により反射され、共焦点絞り64の開口部を経てミラー対65a、65bで反射され、それぞれフォトマルチプライヤ66a、66bに受光される。
【0030】
このとき、バンドパスミラー32の分光特性のために、観察用光源21からの照明光は一次元CCD62には到達せず、その上撮像範囲が狭く設定されているために、有害なフレア光も混入し難くなっている。その結果、一次元CCD62にはトラッキング光による血管像Ev’ のみが撮像されることになる。また、血中ヘモグロビンと色素上皮上メラニンとは、緑色の波長域においてその分光反射率が大きく異なるため、トラッキング光を緑色光にすることにより、血管像Ev’ をコントラスト良く撮像することが可能となる。
【0031】
一次元CCD62に受光される光束は、被検眼Eの瞳孔Ep上で測定/血管受光光束Vから取り出された光束であり、この光束からミラー対65a、65bにより測定受光光束Da、Dbを通る光束を取り出し、フォトマルチプライヤ66a、66bで受光する。眼底観察光光束Oに比べて測定/血管受光光束Vを大きくしているのは、一次元CCD62の方が眼底観察光学系のCCDカメラ39よりも眼底Eaの結像倍率が大きいので、一次元CCD62上での像面照度が確保し難いためである。一方、光束を大きくしたことによる被検眼Eの前眼部で発生するフレア光の影響は、その受像範囲が血管受像光学系の方が小さいために問題とならない。また、測定受光光束Da、Dbの瞳孔Ep上の間隔は、血流速度計測の分解能に直接影響するが、測定/血管受光光束Vを大きくすることによって、測定受光光束Da、Dbの間隔を十分に確保することができる。
【0032】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部は、バンドパスミラー32を透過し、孔あきミラー31の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板35上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの中心部にスポット像として結像する。図4はこのとき接眼レンズ37又はテレビモニタ3を介して観察される眼底像Ea’ 状態を示し、血管像Ev’ 、照明光により眼底に投影された視標像F、図示しないスポット像が重畳しているインジケータT、眼底Ea上に投影されたスケール板35に予め用意されている正円のスケールSが表示されている。検者はこの画像を観察しながらスイッチ8を回転して、インジケータTの中心がスケールS内に収まる範囲で、インジケータTを一次元的に移動することができる。
【0033】
検者が眼底像Ea’ のピント合わせを行うためにフォーカスノブ13を回転すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板28、フォーカシングレンズ33、42、フォーカスユニット44が連動して光路に沿って移動し、眼底像Ea’ のピントが合うと、透過型液晶板28、スケール板35、一次元CCD62、共焦点絞り64は共に眼底Eaと共役になる。
【0034】
ピント合わせが終了した後に、必要に応じて検者は操作ノブ12を操作して視標像Fを移動し、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板35のサークルS内へ移動する。そして、図5に示すようにイメージローテータノブ14によりイメージローテータ40を操作し、インジケータTを回転して測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
【0035】
このとき、眼底観察光はイメージローテータ40を通過していないので、インジケータTのみが回転するように認識される。従って、図3に示した瞳孔Ep上の各光学部材の像も原点を中心に同じ方向に同じ角度だけ回転し、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と、スポット像P、P’の中心を結んだ直線であるX軸は、血管Evの走行方向に一致する。血流速度は血管壁からの散乱反射光と、血液中の血球からの散乱反射光との干渉信号から求めているので、測定中にX軸方向に眼底Eaが移動しても、血管EvをX軸方向にほぼ平行にしておけば測定結果は影響されない。
【0036】
一方、X軸と直交するY軸方向に眼底Eaが移動した場合には、測定用のレーザーダイオード55からの光束が測定部位の血管Evから逸脱して測定値が不安定になるが、その場合はY軸方向についてのみ血管Evの移動量を検知すればよく、本実施例ではダイクロイックミラー58の背後の血管検出系とガルバノメトリックミラー41により、この一方向のみのトラッキングを行っている。
【0037】
一次元CCD62の素子はトラッキング光の長手方向に配列されているので、図5に示すように測定部位の角度合わせが終了している場合には、トラッキング光を示すインジケータTの長手方向は測定血管Evの走行方向と直交しており、従って血管検出系の一次元CCD62には、インジケータTで指示された眼底像Ea’ が拡大して撮像されている。ここで、緑色のトラッキング光は血管で吸収されるので、図6に示すように一次元CCD62の信号SGはインジケータTと血管Evとが交差する部分が落ち込んだ形状となっている。
【0038】
角度合わせが終了した後に、再びスイッチ8を回転操作して図7に示すようにインジケータTを矢印の方向に移動し、トラッキング光に重畳しているスポット像を測定部位に一致させて測定部位を選択する。そして、測定部位を決定した後にスイッチ8を押し込み、位置合わせ終了後のトラッキング開始のための信号を入力する。
【0039】
スイッチ8からシステム制御部67にトラッキング開始の信号が入力されると、システム制御部67は図8に示すフローチャート図に従って作動する。ステップS1でスイッチ8からトラッキング開始の信号入力があるかどうかを判断し、入力があった場合には、ステップS2で図6に示す一次元CCD62の信号SGをA/D変換器70でデジタル変換する。被検眼Eに照射するトラッキング光のパワーを高めた場合に、血管外からの信号S0の値が好ましいレベルに入ると予想される当初のパワーでの図6に示す設定値SAとSBの間に、信号SGが入っているかどうかを判断し、入っていない場合には、ステップS3で設定値SAとSBの間に入るようにイメージインテンシファイア61に印加する電圧を求め、D/A変換器72にデータを送って必要な電圧を印加する。なお、本実施例ではイメージインテンシファイア61にかける電圧を制御して血管像Ev’ の信号のレベルを最適化しているが、一次元CCD62の増幅器の増幅率を制御するようにしてもよい。
【0040】
ステップS3の後又は当初から、図9に示すように血管外からの信号S0の値が設定値SAとSBの間に入っていれば、イメージインテンシファイア61に印加する電圧は固定され、ステップS4でシステム制御部67から駆動電源73に、トラッキングを確実に行うために必要な設定パワーまで、トラッキング光のパワーを高くする指令が出力される。
【0041】
次に、ステップS5でシステム制御部67からガルバノメトリックミラー制御回路71にトラッキング開始信号が出力され、血管検出回路71において、一次元CCD62の受光信号に基づいて血管像Ev’の一次元基準位置からの移動量が算出される。そして、ガルバノメトリックミラー制御回路71によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー41が駆動され、一次元CCD62上の血管像Ev’の受像位置が一定になるように制御される。
【0042】
検者はトラッキング開始を確認した後に、スイッチ8を更に押し込み2段目のスイッチで測定を開始する。システム制御部67は図8に示すフローチャート図のステップS6でスイッチ8から測定を開始する信号入力がくるのを待ち、入力信号がきたらステップS7で血流速度測定を行い、ステップS8で測定を終了して、ステップS1に戻る。
【0043】
測定においては、先ずシステム制御部67により光路切換えミラー53が光路に挿入される。これにより、被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像Pの位置から入射した光束が、フォトマルチプライヤ66a、66bに受光され、この受光信号がシステム制御部67に取り込まれ、最大周波数シフト |Δfmax1|、 |Δfmax2|が求められる。ここで、 |Δfmax1|、 |Δfmax2|はそれぞれフォトマルチプライヤ66a、66bからの出力信号の処理結果である。
【0044】
このとき、入射する光束は測定受光光束Da、Dbに対し十分に変位したスポット像Pに位置しているために、通常は最大速度Vmaxは次式(1) によって求められる。なお、λは測定光束の波長、nは測定部位の屈折率、αは測定光束と受光光束のなす角度である。
Vmax={λ/(n・α)}・|| Δfmax1|− |Δfmax2||・・・(1)
【0045】
しかし、眼底Ea上の血管Evの位置によっては、真の最大速度Vmaxは次式(2) としなくてはならない場合も存在する。
Vmax={λ/(n・α)}・|| Δfmax1|+ |Δfmax2||・・・(2)
【0046】
この状態で仮測定を行って、式(1) による最大速度Vmaxを算出した後に、システム制御部67により光路切換ミラー53を光路中から退避させ、被検眼Eの瞳孔Ep上のスポット像P’の位置から光束を入射させて再び測定を行う。
【0047】
瞳孔Ep上のスポット像P’の位置は、図4に示すように他方のスポット像Pの中心を通り、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と平行な直線上に中心を持つように配置されるが、特に本実施例ではスポット像PとP’の間隔が測定受光光束Da、Dbの中心間の距離よりも大きく、かつ2つの直線の中点を結ぶ直線がそれぞれの中心を結んだ直線と直交するように選択されている。
【0048】
入射光位置をスポット像Pから、このように選択したスポット像P’に切換えた後に、再びシステム制御部67は2つのフォトマルチプライヤ66a、66bから信号を取り込み、それぞれの最大周波数シフト|Δfmax1’|、|Δfmax2’|を算出し、式(1) に従って最大速度Vmaxを算出する。システム制御部67はこの2つの最大速度VmaxとVmax’ を比較することにより、真の最大流速を求めるための適切な光束の入射方向を決定し、この情報に基づいて光路の切換えを適切な状態にして、適当な時間間隔で最大速度Vmax又はVmax’ の算出を繰り返しながら、継続的に本測定を行うように制御する。このようにして求められた血流最大速度Vmax又はVmax’ は、表示用LED11に表示され、乳頭右部の血管Evの測定が終了する。
【0049】
なお、本実施例では或る血管Evの一部を選択してそれをトラッキングしているが、複数の血管Evそれぞれからトラッキングの対象部位を選択したり、乳頭等の血管Ev以外で特長のある部分をトラッキング対象部位として選択してもよい。更に、特長のある部分をトラッキング対象部として選択するトラッキングではなく、眼底Eaの広い領域を対象とした画像処理によるトラッキングでもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼科装置は、選択された位置へのトラッキングの準備が終了した後でトラッキングを行う前に、自動的かつ迅速的に検出手段の増幅率を制御することにより、増幅率を調整する操作の煩わしさを伴わず、時間を掛けずに被検者に必要最小限の光の照射で測定を行うことができる。また、被検者に対してよりエネルギの少ないトラッキング光を照射することにより、トラッキング開始前とトラッキング時でトラッキング光の照射パワーを変える場合でも、それを考慮して検出手段の増幅率の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の斜視図である。
【図2】測定ヘッドの構成図である。
【図3】瞳孔上の光束配置の説明図である。
【図4】眼底像の説明図である。
【図5】インジケータの回転の説明図である。
【図6】増幅率制御前の一次元CCD信号のグラフ図である。
【図7】インジケータの移動の説明図である。
【図8】システム制御部のフローチャート図である。
【図9】増幅率制御後の一次元CCD信号のグラフ図である。
【符号の説明】
2 ステージ固定部
3 テレビモニタ
4 ステージ可動部
6 測定ヘッド
7 操作桿
8 スイッチ
12 操作ノブ
13 フォーカスノブ
14 イメージローテータノブ
21 観察用光源
28 透過型液晶板
39 CCDカメラ
40 イメージローテータ
41 ガルバノメトリックミラー
53 光路切換ミラー
55 レーザーダイオード
57 トラッキング用光源
61 イメージインテンシファイア
62 ー次元CCD
66a、66b フォトマルチプライヤ
67 システム制御部
71 ガルバノメトリックミラー制御回路
73 駆動電源

Claims (3)

  1. 眼底血管に対してトラッキングを行うトラッキング手段と、該トラッキングの目標となる血管を含む眼底領域を照明光で照明するための照明手段と、前記照明光の光量を調整する調整手段と、該調整手段で第1の光量とした前記照明光による照射位置を変更する操作手段と、前記照明光を第2の光量に変更する変更手段と、前記トラッキングの開始信号を入力する信号入力手段と、眼底領域を撮像し映像信号に変換する映像手段と、前記開始信号が入力されたときに前記第1の光量で取得した映像手段による第1の映像信号に基づいて前記第2の光量に対応する前記映像手段の増幅率を決定する増幅率決定手段とを備え、前記トラッキング手段は前記変更手段で前記第2の光量とした照明光及び前記決定した増幅率で取得した第2の映像信号を用いてトラッキングを行うことを特徴とする眼科装置。
  2. 前記増幅率決定手段は、前記血管影を除く領域に相当する映像信号が、一定値になるように前記増幅率を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記第2の光量は前記第1の光量に比較して増加していることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
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