JP3604836B2 - 眼科計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼底の血流状態を計測する眼底血流計又は眼底や角膜の凹凸を計測するトポグラフィなどに使用される眼科計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、眼底血流計は被検眼の眼底の被測定血管にレーザービームを照射し、その散乱反射光を光検出器により受光し、血流からの散乱反射光であるドップラシフトした成分と静止している血管壁からの散乱反射光との干渉信号を検出し、このデータを周波数解析して血流速度を求める装置であり、次式によって血流速度(最大速度Vmax)を求めている。
Vmax= {λ/(n・α)}・|| Δfmax1 | − |Δfmax2 ||/ cosβ・・・(1)
【0003】
ここで、2つの受光器で受光した受光信号から算出した周波数の最大シフトをそれぞれΔfmax1 、Δfmax2 、レーザーの波長をλ、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼内で2つの受光光軸がつくる平面と血流の速度ベクトルとのなす角度をβとしている。
【0004】
このように2方向から計測を行うことによって測定光の入射方向の奇与が相殺され、眼底上の任意の部位の血流を計測することができる。また、2つの受光光軸がつくる平面と眼底の交線と、血流の速度ベクトルとのなす角βを一致させることにより、β=0°となって真の最大血流速度を測定することができる。
【0005】
更に、眼底血流計で測定を行う際に、被検眼の固視微動などによって装置の光学系と被測定部との相対位置が変化すると、正確な測定が困難になるので、この解決手段として、被測定血管にトラッキング用光源からの光束を照射してその血管像をCCDカメラで撮像し、被検眼の動きに応じて血管像がCCDカメラ上の固定位置に安定化するように、トラッキング用光源からの光束を走査してトラッキングを行う装置が特開昭63−288133号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上述の従来例の眼底血流計の場合には、受光器で検出した信号を周波数解析して血流速度の例えば1つの測定値を得るために、2つのチャンネルの信号それぞれに対して、512点のデータをFFT処理によって周波数解析し、その結果を波形解析することによりそれぞれのカットオフ周波数を求め、その差分を求める演算が行われている。これは時間分解能を50点/秒とすると、動脈の計測を3秒間行う場合にその150倍の演算を行わなくてはならないので、解析の処理内容によっては測定後の信号解析に多大な時間を要し、1セットの最終結果を得るまでに数分の演算時間が掛かり、次の測定を前回の測定終了後に直ちに行うことができないために、次の測定まで患者と検者を長時間待たせることになる。
【0007】
従って、演算処理をデータ取り込み終了直後ではなく、終了後の任意の時点で行いことができるように、受光器からの出力を保存し直ちに次の測定に備えることが考えられる。しかし、この場合にはデータ取り込みが正しく行われたかどうかを判断する基準を検者に提示する手段がないために、データ取り込み時間に数秒を要し、この間に被検眼の固視微動などによって装置の光学系と被測定部との相対位置が変化した場合には、正確な測定が困難になり、データ取り込みの正否が確認できないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、直ちにデータ取り込みのの正否が判断でき次の測定の準備を迅速に行うことができる眼科計測装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼科計測装置は、測定光を被検眼の被測定部に導光する照射光学系と、測定光による被検眼からの反射光を受光する受光光学系と、該受光光学系内の受光器からの出力を取り込んで演算処理しその結果に基づいて被検眼の所定情報を算出するデータ処理手段と、該データ処理手段の所定情報を表示する表示手段と、全体の動きを制御する制御手段とを有する眼科計測装置において、前記受光光学系の出力又は前記受光光学系の出力の演算結果を保存する記憶手段を有し、前記制御手段は、データ取り込み中又は直後に前記受光光学系の出力又は前記受光光学系の出力を前記データ処理手段により演算した中間結果を前記記憶手段に保存する第1のステップと、データ取り込み中又は直後に前記記憶手段に保存されたデータを前記データ処理手段の第1の処理手順によりデータ取り込みの正否を判断する情報に加工してその結果を前記表示手段に表示する第2のステップと、データ取り込み終了後に前記記憶手段に保存されたデータを前記データ処理手段の第2の処理手順により前記所定情報に加工しその結果を前記記憶手段に保存する第3のステップとを含む制御を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は眼底血流計へ応用した第1の実施例の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2へ至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付のフィールドレンズ4、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役なリングスリット5、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な遮光部材6、リレーレンズ7、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板8、リレーレンズ9、被検眼Eの角膜近傍と共役な遮光部材10、孔あきミラー11、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー12が順次に配列され、照明光学系が構成されている。
【0011】
孔あきミラー11の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカシングレンズ13、リレーレンズ14、スケール板15、光路に挿脱自在な光路切換ミラー16、接眼レンズ17が順次に配列され、検者眼eに至っている。光路切換ミラー16が光路に挿入されているときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ18、CCDカメラ19が配置されており、CCDカメラ19の出力は液晶モニタ20に接続されている。
【0012】
バンドパスミラー12の反射方向の光路上には、イメージローテータ21、紙面に垂直な回転軸を有し両面が研磨されたガルバノメトリックミラー22が配置され、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aの反射方向には、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ23が配置され、上側反射面22bの反射方向にはレンズ24、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット25が配置されている。なお、レンズ24の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔Epと共役関係にあり、その焦点面にガルバノメトリックミラー22が配置されている。
【0013】
また、ガルバノメトリックミラー22の図面上方には、光路長補償半月板26、光路中に遮光部を有する黒点板27、凹面ミラー28が光路上に同心に配列され、これらは共働してガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aにより反射されることなく通過する光束を、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bに戻るように導くリレー光学系を構成している。なお、光路長補正用半月板26はガルバノメトリックミラー22の上側反射面22b、下側反射面22aの位置がそのミラー厚によって生ずる図面上下方向へのずれを補正するためのもので、イメージローテータ21へ向かう光路中にのみ作用するものである。
【0014】
フォーカスユニット25においては、レンズ24と同一光路上にダイクロイックミラー29、集光レンズ30が順次に配列され、ダイクロイックミラー29の反射方向の光路上には、マスク31、ミラー32が配置されており、このフォーカスユニット25は一体的に矢印で示す方向に移動ができるようになっている。
【0015】
集光レンズ30の入射方向の光路上には、固定ミラー33、光路から退避可能な光路切換ミラー34が平行に配置され、光路切換ミラー34の入射方向の光路上には、コリメータレンズ35、コヒーレントな例えば赤外光を発する測定用のレーザーダイオード36が配列されている。
【0016】
また、ミラー32の入射方向の光路上には、部分的に透過率の異なるグラデーションNDフィルタ37、シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ38、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発するトラッキング用光源39が配列されている。また、グラデーションNDフィルタ37は、ギアを介してモータなどの駆動手段37aにより光軸に対して垂直な面内で移動するようになっており、これらによりトラッキング光調光手段が構成されている。
【0017】
ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aの反射方向の光路上には、フォーカシングレンズ23、ダイクロイックミラー40、フィールドレンズ41、拡大レンズ42、イメージインテンシファイヤ付の一次元CCD43が順次に配列され、血管検出光学系が構成されている。また、ダイクロイックミラー40の反射方向の光路上には、結像レンズ44、共焦点絞り45、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役に設けられたミラー対46a、46bが配置され、ミラー対46a、46bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ47a、47bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー対46a、46bの反射光路、トラッキング用光源39の出射方向の測定光路、レーザーダイオード36からマスク31に至る光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0018】
更に、装置全体を制御するためのシステム制御部48が設けられ、このシステム制御部48には、検者が操作する入力手段49、フォトマルチプライヤ47a、47bの出力がそれぞれ接続されており、システム制御部48の出力は、ガルバノメトリックミラー制御回路50を介してガルバノメトリックミラー22に接続され、また光路切換ミラー34、外部記憶装置51、表示装置であるCRT52にそれぞれ接続されている。また、一次元CCD43の出力は血管位置検出回路53を介してガルバノメトリックミラー制御回路50に接続されている。
【0019】
測定に際して観察用光源1から発した白色光は、コンデンサレンズ3を通り、フィールドレンズ4により黄色の波長光のみが透過し、リングスリット5、遮光部材6、リレーレンズ7を通り、透過型液晶8を背後から照明する。更に、この光束はリレーレンズ9、遮光部材10を通って孔あきミラー11で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパスミラー12を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔Ep上で眼底照明光光束像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板8には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影されて、視標像として被検眼Eに呈示される。なお、リングスリット5、遮光部材6、10は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とならない。
【0020】
眼底Eaからの反射光は、瞳孔Ep上から眼底観察光光束として取り出されて同じ光路を戻り、孔あきミラー11の中心の開口部、フォーカシングレンズ13、リレーレンズ14を通り、スケール板15に眼底像Eaとして結像した後に、光路切換ミラー16に至る。ここで、光路切換ミラー16が光路から退避しているときは、検者眼eにより接眼レンズ17を介して眼底像Ea’が観察可能となり、一方で光路切換ミラー16が光路に挿入されているときは、スケール板15上に結像された眼底像Ea’がテレビリレーレンズ18によりCCDカメラ19上に再結像され、液晶モニタ20に映出される。検者は接眼レンズ17又は液晶モニタ20によりこの眼底像Ea’を観察しながら装置のアライメントを行う。
【0021】
レーザーダイオード36を発した測定光はコリメータレンズ35によりコリメートされ、光路切換ミラー34が光路に挿入されている場合は、光路切換ミラー34、固定ミラー33でそれぞれ反射され、集光レンズ30の下方を通過し、光路切換ミラー34が光路から退避している場合は、直接集光レンズ30の上方を通過し、共にダイクロイックミラー29を透過する。
【0022】
一方、トラッキング用光源39から発したトラッキング光は、ビームエクスパンダ38により縦横異なる倍率でビーム径が拡大され、グラデーションNDフィルタ37を透過することにより所望の光量となり、ミラー32で反射された後に、整形用マスク31で所望の形状に整形され、ダイクロイックミラー29で反射されて、集光レンズ30によりマスク31の開口部中心と共役な位置へスポット状に結像している測定光と重畳される。
【0023】
重畳された測定光とトラッキング光はレンズ24を通り、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bで一度反射され、黒点板27を通った後に凹面鏡28で反射され、再び黒点板27、光路長補正用半月板26を通り、ガルバノメトリックミラー22の方へ戻される。
【0024】
ここで、ガルバノメトリックミラー22は被検眼Eの瞳孔Epと共役な位置に配置されており、その形状は被検眼Eの瞳孔Ep上において光束が通過可能な切欠きを有している。そして、凹面鏡28、黒点板27、光路長補正用半月板26は共働して、ガルバノメトリックミラー22の上側反射面22bと下側反射面22bとを−1倍に結像する機能が与えられているので、光路切換ミラー34の光路中への挿入、退避により、ガルバノメトリックミラー22の裏側面で反射された光束は、ガルバノメトリックミラー22の切欠き部へ戻されることになり、ガルバノメトリックミラー22で反射されることなくイメージローテータ21へ向かう。そして、イメージローテータ21を経てバンドパスミラー32により対物レンズ2の方向へ偏向された光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。
【0025】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2で集光され、バンドパスミラー12に反射されてイメージローテータ21を通り、ガルバノメトリックミラー22の下側反射面22aに反射され、フォーカシングレンズ23を通り、ダイクロイックミラー40において測定光とトラッキング光が分離される。
【0026】
トラッキング光はダイクロイックミラー40を透過し、フィールドレンズ41、結像レンズ42により、一次元CCD43上に眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像Ev’ として結像する。そして、一次元CCD43に撮像された血管像Ev’ に基づいて、血管位置検出回路53において血管像Ev’ の移動量を表すデータが作成されて、ガルバノメトリックミラー制御回路50に出力される。ガルバノメトリックミラー制御回路50はこの移動量を補償するようにガルバノメトリックミラー22を駆動する。
【0027】
一方、測定光はダイクロイックミラー40により反射され、レンズ44、共焦点絞り45の開口部を経て、ミラー対46a、46bで反射され、それぞれフォトマルチプライヤ47a、47bに受光される。フォトマルチプライヤ47a、47bの出力はそれぞれシステム制御部48に出力され、これらの受光信号は従来例と同様に周波数解析されて眼底Eaの血流速度が求められる。
【0028】
このとき、バンドパスミラー12の分光特性のために、観察用光源1からの照明光は一次元CCD43には到達せず、更に撮像範囲が狭く設定されているために、有害なフレア光も混入し難くなっており、この結果、一次元CCD43にはトラッキング光による血管像Ev’だけが撮像されることになる。また、血中ヘモグロビンと色素上皮上メラニンとは、緑色の波長域においてその分光反射率が大きく異なるために、トラッキング光を緑色光にすることにより、血管像Ev’をコントラスト良く撮像することが可能となる。
【0029】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部は、バンドパスミラー12を透過し、孔あきミラー11の背後の眼底観察光学系に導かれ、図2に示すようにトラッキング光はスケール板15上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの中心部にスポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ17又は液晶モニタ20を介して眼底像Ea’、視標像Fと共に観察され、このときインジケータTの中心には図示しないスポット像が重畳して観察されており、インジケータTは入力手段49の操作桿等の操作部材により、眼底Ea上を一次元に移動することができる。なお、視野の中心の正円はスケール板15に予め用意されているスケールSで、インジケータTを移動できる範囲を示している。
【0030】
検者は先ず眼底像Ea’のピント合わせを行う。入力手段49のフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板8、フォーカシングレンズ13、23、フォーカスユニット25が連動して光路に沿って移動する。そして、眼底像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板8、スケール板15、一次元CCD43、共焦点絞り45は同時に眼底Eaと共役になる。
【0031】
ピント合わせが終了した後に、検者は入力手段49を操作して視標像Fを移動し、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板15のサークルS内へ移動する。更に、入力手段49の操作桿によりイメージローテータ21を操作してインジケータTを回転し、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
【0032】
このとき、眼底観察光はイメージローテータ21を通過していないために、インジケータTのみが回転するように認識される。この操作は従来例で述べた速度算出のための(1) 式において、β=0°としたことに相当する。
【0033】
角度合わせが終了した後に、更に入力手段49の操作桿を操作してインジケータTを移動し、トラッキング光に重畳しているスポット像を測定部位に合致させて測定部位を選択する。そして、測定部位を決定した後に再び入力手段49を操作して、トラッキングの開始を入力する。
【0034】
入力手段49からシステム制御部48を介してトラッキング開始の指令がガルバノメトリックミラー制御回路50に入力されると、血管像Ev’のコントラストが所望な値を越えている場合には、血管位置検出回路53において、一次元CCD43の受光信号に基づいて血管像Ev’の一次元基準位置からの移動量が算出される。そして、ガルバノメトリックミラー制御回路50によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー22が駆動され、一次元CCD43上の血管像Ev’の受像位置が一定になるように制御される。
【0035】
一方、システム制御部48に入力されたフォトマルチプライヤ47a、47bの出力はA/D変換された後に、一旦外部記録装置51に逐次に保存されてゆく。そして、所定のデータ取り込み時間が経過した後にトラッキング及び保存動作は終了し、その直後にシステム制御部48は記録されたフォトマルチプライヤ47a、47bの出力の内の一方のチャンネルだけを呼び出してFFT(Fast Fourier Transform)処理を行う。その後に、内蔵する演算回路によって波形解析を行って、仮のカットオフ周波数を求める第1の処理を行う。
【0036】
例えば、図3は数ミリ秒間のフォトマルチプライヤ47a、47bからの出力をFFT処理した結果であり、太線は本来の波形処理を行った結果で、太点線で示したfmaxが本来のカットオフ周波数である。これは最終的な測定値を求めるための第2の処理の内容であるが、このような波形処理を行う工程は過大な時間が掛かるために、第1の処理では例えば閾値P0を超える最大の周波数fmax’ を仮のカットオフ周波数と定める。
【0037】
そして、最終的な測定値を求めるためには、この第2の処理をフォトマルチプライヤ47a、47bの両方のチャンネルの出力に対して行わなければならないが、ここでは何れか一方のチャンネルの出力に対してのみ簡易処理を行う。例えば、この簡易の第1の処理が本来の第2の処理の60%の時間で可能であるとすれば、この片チャンネルの簡易処理では、本来の処理の30%の時間で仮の結果を出すことが可能となる。
【0038】
この簡易処理の結果を全ての生データに施こし、その処理が終了した後に、その結果をCRT52に出力すると同時に、例えば今計算したチャンネルの途中経過であるFFT処理した結果を外部記録装置51に再度保存する。なお、ここでデータの書換えを行わなくてもよいが、第2の処理で同一の計算を行う場合には、このような途中経過を再度保存した方が、後の計算時間を短縮することができるので効率的である。また、このとき読み出したデータ領域に上書きを行えば、そのメモリ領域を効率的に利用することができる。更に、FFT処理がDSPなどを利用して非常に高速に行うことができる場合には、上述のように最初にデータを保存してからFFT処理を行うのではなく、FFT処理まで行ってからその結果を保存するようにしてもよい。
【0039】
以上の簡易的な第1の処理では血流速度の絶対値を得ることはできないが、ほぼ血流速度に対応したデータが得られるので、これを図4、図5に示すように時系列にグラフ表示すれば、トラッキングの不良や被検者の瞬きなどによって、データ取り込みが正常に完了しなかったことが容易に理解できる。図4はデータの取り込みが正しく行われた場合で、図5はトラッキングが不良で血流の拍動を正しく捉えていない場合のグラフ図である。なお、矢印の部分は被検者の瞬きによりデータが欠落した部分を示している。
【0040】
検者はこれらの表示からデータ取り込みの正否を確認して、次の測定の準備をする。データ取り込みが失敗に終わっている場合は、同一の個所を再度測定し、成功している場合は別の個所の測定を行う。システム制御部48はその間の空時間に取り込んだデータに対し、最終結果を得るための第2の処理を開始する。この処理は検者の装置の操作に対する処理に対して、バックグラウンドで処理されることが望ましい。
【0041】
図6はシステム制御部48の動作のフローチャート図を示し、システムが立ち上がるとデータ取り込み開始かどうか、装置のデータ取り込み以外の操作がされたかどうか、最終結果を求める第2の処理が終了していないデータが残っているかどうかを判断するチェックループに入る。ここで、データ取り込みが開始されたと判断されると、上述のデータ取り込み処理が行われて、データ取り込みが終了するまで継続される。その後に、簡易処理である第1のデータ処理が行われてその処理結果が表示される。次に、検者の正否を判断を受け取ると、正の場合はそのデータを保存し、否の場合はデータを捨ててチェックループに戻る。
【0042】
また、他の操作がなされた場合はその処理を行い再びチェックループに戻る。既に、何回かのデータ取り込みが終了し、最終処理である第2のデータ処理が終了せずにデータが存在する場合には第2のデータ処理を行うが、この処理は極く短時間で終了する細切れのブロックに分解されており、その1つのブロックの処理を行ってチェックループに戻る。
【0043】
従って、特に操作が行われていない時は、第2のデータ処理がブロック単位で逐次に進行してゆき、一旦何らかの操作が行われると第2のデータ処理は中断され、その他の処理が優先的に実行される。
【0044】
以上の説明では、最終処理をバックグラウンドジョブとして処理する実施例を挙げたが、例えばこのデータを呼び出したときにデータ処理を行うようにしてもよいし、所定のタイミングで未処理のデータを一括して処理を行うようにしてもよい。更に簡易処理としては、時間分解能を下げたり速度の分解能を下げるなどして、データを必要最小限の量としたり、より高速な処理としては自己相関をとるなどの方式も考えられる。
【0045】
また、簡易処理として例えば図3に示したスペクトルを十分に平滑化し、このスペクトルの減衰の仕方からその測定時点の信頼度を求め、その上で測定時間中の平均をとって全体の信頼度とするような、正否の判断を数値化した情報にすることも可能である。このように数値化した場合には、その数値を基にデータ取り込みの正否を自動的に判断し、成功した場合には自動的にデータの保存を行ったり、失敗した場合にはエラー表示を行うなども可能であり、更にこのような情報を最終処理結果と共に記憶することもできる。
【0046】
以上の説明では眼底血流計を例にしたが、例えば眼底のトポグラフィ装置の場合であれば、深さ方向の分解能を下げた仮処理を行ってもよいし、データ取り込み直前、及び直後の眼底像の2枚のみを同時表示して、アライメント不良のみのチェックを行うこともできる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼科計測装置は、簡易の第1の処理手順が本来の第2の処理手順に比べて短時間で終了するので、検者は直ちにデータ取り込みの正否を理解することができ、次の測定の準備を迅速に行うことができる。そして、最終的な結果は第3のステップにおいて時間的余裕のあるときに演算されるが、この第3のステップはデータ取り込み動作以外のときにバックグラウンド処理することができるので、データ取り込みはその演算を意識せずに自由に行うことが可能となる。
【0048】
このようにして、患者を必要以上に待たせることがなくなり、測定の失敗のために後日改めて測定を行うなどの不要な手続きの発生を防止し、かつこの種の検査の所要時間を大幅に短縮することができるので、日常診療において非常に有効である。更に、第1の処理で得られた結果から保存すべきデータとそうでないデータの判別を自動的に行うことができるので、装置の使い勝手を向上することができ、この結果を最終的な測定値と共に記憶することにより、後でそれぞれの測定値の信頼性を比較検討する上で極めて有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成図である。
【図2】眼底像の説明図である。
【図3】スペクトル密度のグラフ図である。
【図4】相対血流速度のグラフ図である。
【図5】相対血流速度のグラフ図である。
【図6】フローチャート図である。
【符号の説明】
1 観察用光源
8 透過型液晶板
12 バンドパスミラー
25 リングスリット
19 CCDカメラ
20 液晶モニタ
21 イメージローテータ
22 ガルバノメトリックミラー
25 フォーカスユニット
36 レーザーダイオード
37 グラデーションNDフィルタ
38 ビームエクスパンダ
39 トラッキング用光源
43 一次元CCD
47a、47b フォトマルチプライヤ
48 システム制御部
49 入力手段
50 ガルバノメトリックミラー制御回路
53 血管位置検出回路
52 外部記憶装置
52 CRT

Claims (5)

  1. 測定光を被検眼の被測定部に導光する照射光学系と、測定光による被検眼からの反射光を受光する受光光学系と、該受光光学系内の受光器からの出力を取り込んで演算処理しその結果に基づいて被検眼の所定情報を算出するデータ処理手段と、該データ処理手段の所定情報を表示する表示手段と、全体の動きを制御する制御手段とを有する眼科計測装置において、前記受光光学系の出力又は前記受光光学系の出力の演算結果を保存する記憶手段を有し、前記制御手段は、データ取り込み中又は直後に前記受光光学系の出力又は前記受光光学系の出力を前記データ処理手段により演算した中間結果を前記記憶手段に保存する第1のステップと、データ取り込み中又は直後に前記記憶手段に保存されたデータを前記データ処理手段の第1の処理手順によりデータ取り込みの正否を判断する情報に加工してその結果を前記表示手段に表示する第2のステップと、データ取り込み終了後に前記記憶手段に保存されたデータを前記データ処理手段の第2の処理手順により前記所定情報に加工しその結果を前記記憶手段に保存する第3のステップとを含む制御を行うことを特徴とする眼科計測装置。
  2. 前記第2の処理手順は、前記データ処理手段の空時間にバックグラウンドジョブとして処理するようにした請求項1に記載の眼科計測装置。
  3. 前記データ取り込みの正否を判断する情報によりデータ取り込みの正否を自動判別するようにした請求項1に記載の眼科計測装置。
  4. 前記データ取り込みの正否を判断する情報を前記測定情報と共に前記記憶手段に記憶するようにした請求項1に記載の眼科計測装置。
  5. 前記データ取り込みの正否を判断する情報は測定の信頼度を表す数値として表示するようにした請求項1に記載の眼科計測装置。
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