JP4724320B2 - 眼血流計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼の血管内の血流速度をドップラ方式で計測する眼血流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ドップラ効果を利用した眼血流計は、被検眼の被測定血管にレーザービームを照射し、その散乱反射光を光検出器で受光し、血流からの散乱反射光であるドップラシフトした成分と静止している血管壁からの散乱反射光との干渉信号を検出し、周波数解析して血流速度を求める装置であり、次式によって血流速度(最大速度Vmax)を求めている。
【0003】
Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1|−|Δfmax2||/cosβ …(1)
【0004】
ここで、2つの受光器で受光した受光信号から算出した周波数の最大シフトをそれぞれΔfmax1、Δfmax2、レーザービームの波長をλ、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼内で2つの受光光軸がつくる平面と血流の速度ベクトルとのなす角度をβとしている。
【0005】
このように2方向から計測を行うことによって、測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底上又は強膜上の任意部位の血流を計測することができる。また、2つの受光光軸がつくる平面と眼底又は強膜の交線と、血流の速度ベクトルとのなす角度βを一致させることにより、β=0°となって真の最大血流速度を測定することができる。
【0006】
更に、眼血流計で測定を行う際に、被検眼の固視微動などによって装置の光学系と被測定部との相対位置が変化すると、正確な測定が困難になる。この解決手段として、被測定血管にトラッキング用光源からの光束を照射してその血管像をCCDカメラで撮像し、被検眼の動きに応じて血管像がCCDカメラ上の固定位置に安定化するように、トラッキング用光源からの光束を走査してトラッキングを行う装置が、特開昭63−288133号公報に開示されている。
【0007】
また、特開平7−31596号公報には、求めた血管像を利用して同時に血管径を求め、血流速度と血管径から血流量を求める方式が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例においては、血流速度測定用には照射にレーザービームを使用し、その散乱反射光を2個のフォトマルチプライヤなどの光検出器で受光する。そして、トラッキングと血管径測定用には照射に別のレーザービームを使用し、その反射光をイメージインテンシファイア付きの一次元CCDなどの光検出器で受光しているために、血流計が高価な装置になる。
【0009】
この問題をドップラ方式の血流計で解決するための可能な方法の1つとしては、レーザービームや受光器を兼用することが考えられる。特開昭56−125033号公報には、血流速度測定用のレーザービームを走査して、トラッキングと血管径及び血流速度の測定を行う方式が開示されており、また1つのレーザービームをトラッキングと血管径測定、及び酸素飽和度測定に使用している方式が、APPLIED OPTICS、 Vol.27、 No.6、 pp.1113-1125 (1988)「Noninvasive technique for oximetry of blood in retinal vessels」(F.C.Delori)に開示されている。
【0010】
しかし、これら2つの方式は、レーザービームが血管を横切るときの反射光の光量変化で血管を識別して測定を行っているが、この方式で血管径を精度良く測定するためには、レーザービームのスポット幅を狭くしなければならない。一方、これによって被測定血管からのドップラ信号が十分ではなくなり、血流速度の測定精度が悪くなるという問題点が生ずる。
【0011】
更に、眼血流計では通常血流速測定用に赤色のレーザービームを使用するが、赤色光では血管のコントラストが悪いために、レーザービームが血管を横切るときの反射光の光量変化で血管を識別しようとすると精度が悪化するという問題点がある。
【0012】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、安価でありながら良好なトラッキングを行い、高い測定精度で血管径及び血流速度を測定するドップラ方式の眼血流計を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼血流計は、測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、測定光を血管の走行方向と垂直な方向に偏向する測定光偏向手段と、全体の動きを制御しかつ前記測定光受光手段からのドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、前記制御手段は、前記測定光偏向手段により血管上の走査をしながら前記測定光受光手段で散乱光を受光し、その血流情報に基づいて血管径と血管内粒子の流速の算出を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る眼血流計は、測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、測定光を血管の走行方向と垂直な方向に偏向する測定光偏向手段と、全体の動きを制御し前記測定光受光手段からのドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、前記制御手段は、前記測定光偏向手段により血管上の走査をしながら前記測定光受光手段で散乱光を受光し、その血流情報に基づいて血管の位置を検出して、前記測定光偏向手段により血管上に測定光を保持するトラッキングを行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明を眼底血流計に応用した実施の形態の構成図を示す。被検眼Eに対向した位置に対物レンズ1を配置し、対物レンズ1の透過方向の照明光路上に、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー2、孔あきミラー3、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ4、リレーレンズ5、スケール板6、接眼レンズ7を順次に配列し、検者眼eに至る。
【0016】
孔あきミラー3の反射方向には、リレーレンズ8、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板9、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けたリングスリット10、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ11、コンデンサレンズ12、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源13を順次に配列する。
【0017】
バンドパスミラー2の反射光路上には、イメージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー15を配置する。そして、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ16を配置し、上側反射面15bの反射方向には、レンズ17、及び光路に沿って移動自在なフォーカスユニット18を配置する。
【0018】
ここで、レンズ17の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に瞳孔上において非対称な形状のガルバノメトリックミラー15を配置する。また、ガルバノメトリックミラー15の透過方向の後方には、凹面ミラー19を光軸上に同心的に配置し、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射されたレーザービームが、ガルバノメトリックミラー15の切欠部を通過するようにするために、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bと下側反射面15aとを−1倍で結像するリレー光学系を構成する。
【0019】
フォーカスユニット18はレンズ17と同一光路上に集光レンズ20、レーザーダイオード等の測定用光源21を順次に配置して構成し、一体的に矢印に示す方向に移動可能とする。
【0020】
また、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向の第2のフォーカスレンズ16の後方に、受光瞳を形成するミラー22a、22b、及びフォトマルチプライヤ23a、23bを順次に配置して、測定用受光光学系を構成する。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に表示したが、ミラー22a、22b、及びフォトマルチプライヤ23a、23bはそれぞれ紙面に直交した方向に配置する。
【0021】
装置全体を制御するシステム制御部24を設け、このシステム制御部24にはフォトマルチプライヤ23a、23b、操作部25の出力を接続し、システム制御部24の出力は、透過型液晶板9、記憶手段26、トラッキング制御部27を介してガルバノメトリックミラー15に接続する。
【0022】
観察用光源13から発した白色光はコンデンサレンズ12を通り、バンドパスフィルタ11により黄色の波長光のみが透過し、更にリングスリット10を通過した光束が透過型液晶板9を背後から照明し、リレーレンズ8を通って孔あきミラー3の反射面で反射する。その後に、黄色域の光のみがバンドパスミラー2を透過し、対物レンズ1を通り、被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板9には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。
【0023】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光光束として取り出され、孔あきミラー3の中心の開口部、フォーカスレンズ4、リレーレンズ5を通り、スケール板6で眼底像として結像した後に、接眼レンズ7を介して検者眼eにより観察される。検者はこの眼底像を観察しながら、装置のアライメントを行う。
【0024】
測定用光源21を発した測定光は、集光レンズ20の上方を偏心して通過してレンズ17を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで一旦反射し、更に凹面ミラー19で反射して、再びガルバノメトリックミラー15の方へ戻される。ここで、リレー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射した光束は、ガルバノメトリックミラー15の切欠部の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー15で反射することなく、イメージローテータ14に向かう。
【0025】
イメージローテータ14を経て、バンドパスミラー2により対物レンズ1の方向に偏向した光束は、対物レンズ1を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このときの光束は、測定する血管の太さと同程度の50〜120μmの円形スポットか、又は血管走行方向に長手方向を有する楕円形状とされている。
【0026】
眼底Eaでの測定光による散乱反射光は再び対物レンズ1で集光し、バンドパスミラー2で反射し、イメージローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aで反射する。また、測定光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー2を透過し、孔あきミラー3の背後の眼底観察光学系に導かれて、スケール板6上にスポット像として結像する。
【0027】
測定開始前には、ガルバノメトリックミラー15は測定光が眼底上で1000μm程度の振幅になるように周波数10Hz程度で揺動しており、このときの像は接眼レンズ7を介して、図2に示すように眼底像Ea’及び視標像Fと共に矩形状の像であるインジケータMとして観察される。MSはガルバノメトリックミラー15が揺動していないときの測定光のスポット像である。インジケータMは操作部25により、揺動の中心を変更するようにガルバノメトリックミラー15を回転することによって、スケール板6上のスケールSCの範囲を一次元に移動することができる。
【0028】
測定に際して、検者は先ず眼底像のピント合わせを行う。操作部25のフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板9、フォーカスレンズ4、16、フォーカスユニット18が連動して光路に沿って移動する。眼底Eaにピントが合うと、透過型液晶板9、スケール板6は同時に眼底Eaと共役になる。
【0029】
検者は眼底Eaに対するピントを合わせた後に操作部25を操作して、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板6のスケールSC内へ移動する。システム制御部24は透過型液晶板9を制御し視標像Fを移動する。検者は操作部25を操作してイメージローテータ14を回転することにより、図3に示すようにインジケータMを回転し、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータMの長手方向が直交するようにする。これによって、血管Evの走行方向に対してフォトマルチプライヤ23a、23bの中心を結んだ線が平行になる。
【0030】
角度合わせが終了した後に、検者は操作部25を操作してガルバノメトリックミラー15を回転することにより、図4に示すようにインジケータMを測定部位に移動する。そして、測定部位を決定した後に再び操作部25を操作して、眼底Eaの動きに伴う血管Evの動きを追尾するトラッキングの開始を入力する。これにより、システム制御部24は血管Evの位置の検出を行う。
【0031】
図5はシステム制御部24による測定動作のフローチャート図である。先ずステップS1で、システム制御部24は操作部25でトラッキング開始が入力されたか否かを判断する。トラッキング開始が入力されていない場合(NO)には、ステップS1が繰り返されてトラッキング開始の入力待機状態となる。そして、トラッキング開始が入力される(YES)と、システム制御部24はステップS2で、測定光のスポット像MSを振幅1000μm程度で揺動させるために、ガルバノメトリックミラー15をその回転角度Xの範囲Xs〜Xe内の初期値である値Xsになるように回転制御する。
【0032】
測定光のスポット像MSの眼底Eaでの散乱反射光は、ミラー22a、22bで反射し、フォトマルチプライヤ23a、23bで受光する。そして、フォトマルチプライヤ23a、23bの出力はそれぞれシステム制御部24に出力し、ステップS3でFFT処理などの周波数解析を行った後に、そのFFT波形からFFT波形の良否の程度、即ち受光出力信号の良否の程度を表す信号良否評価値ESを算出する。
【0033】
図6は信号良否評価値ESを求めるためのパワースペクトルのグラフ図を示し、PSは実際のFFT波形の一例である。このFFT波形を高周波側から積分して得られる曲線の始点と終点を結んだ直線から、その曲線の値を引いた値は曲線ipoとなる。また、Lsは曲線ipoが最大ピークとなる周波数fpよりも低い周波数の部分で曲線ipoを直線近似した直線である。受光瞳の大きさを無視すると、理論的に求められるFFT波形は矩形形状となり、曲線opに相当する部分は直線となる。そこで、周波数0からfpまでの間で近似直線Lsと曲線ipoとの残差を算出し、この残差と十分大きな基準値との差により信号良否評価値ESとすることができる。即ち、信号良否評価値ESが大きいほど信号が良いことになる。
【0034】
実際には、2個のフォトマルチプライヤ23a、23bの受光出力信号のそれぞれに対して、この方法で求めた2個の値を平均して信号良否評価値ESとする。そして、ステップS4で記憶手段26にガルバノメトリックミラー15の回転角度Xと信号良否評価値ESを記憶する。
【0035】
次に、ステップS5でガルバノメトリックミラー15の回転角度Xが最終の角度Xeかどうかを判断し、最終でなければ(NO)、予め定められた間隔、例えば眼底Ea上で50μm程度になる回転角度の間隔で、次の角度XについてステップS2からステップS4を行い、最終の角度Xeまで繰り返す。その後に、ステップS6で信号良否評価値ESが最大になる回転角度Xの値Xmを求める。この角度で測定光を照射した場所に測定対象とする血管Evがあると判断される。なお、本実施の形態では最終の角度Xeまで繰り返すために掛かる時間は約100m秒である。
【0036】
また、ステップS2〜ステップS6の測定対象血管Evの位置を検出する別の方法として、ガルバノメトリックミラー15の揺動の中心から始めて、予め定められた間隔で両回転方向に徐々に回転角度を増加してゆき、信号良否評価値ESが或る閾値を越えると、そこが血管Evであると判断する方法でもよい。この方法では、インジケータMの中心に近い血管を優先的に検出するので、隣接して血管Evがある場合でも測定対象とする血管Evの認識が容易になるが、検者がインジケータMを測定部位に移動する際に、インジケータMの中心を測定部位に移動する必要がある。
【0037】
この後に、システム制御部24はステップS7〜ステップS11においてトラッキングを行う。先ずステップS7において、測定光のスポット像MSが値Xmを中心に両回転方向に、眼底Ea上で片側250μm程度となるガルバノメトリックミラー15の回転角度XをXm±Wとしたときの初期値、例えばXm−Wになるようにガルバノメトリックミラー15を回転制御する。
【0038】
このように、トラッキングを開始した後で走査幅を1000μm程度から500μm程度に狭めることにより、走査時間を極端に長くすることなく、各回転角度Xで十分な量の受光出力信号が得られると共に、トラッキングする血管Evの周辺にある別の血管に誤ってトラッキングすることを防止することができる。そして、ステップS3、ステップS4と同様にステップS8で信号良否評価値ESを算出し、ステップS9で記憶手段26にガルバノメトリックミラー15の回転角度Xと信号良否評価値ESを記憶する。
【0039】
次に、ステップS10でガルバノメトリックミラー15の回転角度Xが最終の角度Xm+Wかどうかを判断し、最終でなければ(NO)、予め定められた間隔、例えば眼底上で5μm程度になる回転角度の間隔で、次の角度XについてステップS7からステップS10を行い、最終の角度Xm+Wまで繰り返す。これで1回の走査が終了し、その後にステップS11で信号良否評価値ESが最大になる回転角度Xの値Xmを求める。この角度で測定光を照射した場所に、測定対象とする血管Evがあると判断される。なお、1回の走査の所要時間は本実施の形態では約200m秒である。
【0040】
検者はトラッキングの良否を確認した後に、操作部25の測定スイッチを押して測定を開始する。このときのシステム制御部24は、先ずステップS12で操作部25から測定開始の入力がされたか否かを判断する。測定開始が入力されていない場合(NO)には、ステップS7〜S11が繰り返される。即ち、1回の走査毎に血管Evの場所を探す動作を繰り返し、トラッキングを継続して行った状態で測定開始の入力待機状態となる。
【0041】
そして、測定開始が入力される(YES)と、システム制御部24はステップS13で、直前のステップS11で血管Evがあると判断した回転角度Xmを、中心に測定光のスポット像MSが両回転方向に眼底Ea上で、片側250μm程度となるガルバノメトリックミラー15の回転角度XをXm±Wとしたときの初期値、例えばXm−Wになるようにガルバノメトリックミラー15を回転制御する。そして、ステップS3と同様にステップS14で信号良否評価値ESを算出し、ステップS15で記憶手段26にガルバノメトリックミラー15の回転角度Xと信号良否評価値ESとFFT処理した受光出力信号を記憶する。
【0042】
次に、ステップS16でガルバノメトリックミラー15の回転角度Xが最終の角度Xm+Wかどうかを判断する。最終でなければ(NO)、予め定められた間隔、例えば眼底上で5μm程度になる回転角度の間隔で、次の角度XについてステップS13からステップS15を行い、最終の角度Xm+Wまで繰り返す。
【0043】
これで1回の走査が終了し、ステップS17で測定終了、即ち本実施の形態では測定開始後2秒を経過したかどうかを判断し、終了でなければ(NO)、ステップS18で信号良否評価値ESが最大になる新たな回転角度Xの値Xmを求め、ステップS13〜ステップS16を繰り返す。即ち、1回の走査毎に血管Evの場所を探す動作を繰り返し、トラッキングを継続して行った状態で測定を行う。測定が終了(YES)の場合には、ステップS19で血管径及び血流速度を算出する。
【0044】
図7は測定光のスポット像MSの位置が測定対象とする血管Evからずれている場合を示し、図8はこのときの受光出力信号のFFT波形の一例で、低周波部分にしかパワースペクトルがなく、信号良否評価値ESは低くなる。
【0045】
図9はスポット像MSが血管Evに一部がかかっている場合で、図10はこのときの受光出力信号のFFT波形の一例を示し、周波数の高いところにもパワースペクトルが現れ、信号良否評価値ESは上がってくる。
【0046】
図11はスポット像MSが血管Evの中心にある場合を示し、図12はこのときの受光出力信号のFFT波形の一例を示し、周波数の高いところにも十分なパワースペクトルが現れ、信号良否評価値ESは最大になる。
【0047】
図13はこのような測定光のスポット像MSの位置と信号良否評価値ESの関係を示すグラフ図である。予め実験で、血管Evの縁と血管Evの中心との信号良否評価値ESの比を求めておく。測定で得られた眼底Ea上でのスポット像MSの位置と信号良否評価値ESの関係から、その比を用いて最大の信号良否評価値ESの値MAXから血管の縁における信号良否評価値ESの閾値THを求め、信号良否評価値ESが閾値THとなる2個所のスポット像MSの位置の距離を求めると、その値が血管径Dとなる。1回の走査について1個の血管径が求まり、各走査から得た各血管径Dの値を統計処理し、例えば標準偏差から外れたものを除いて残りの平均値を求めるなどして、最終的な血管径Dを算出する。
【0048】
なお本実施の形態では、1回の走査毎の全ての血管径Dを算出して統計処理を行っているが、各走査からの測定光のスポット像MSの位置と信号良否評価値ESの関係を示す全てのグラフ図を重ね合わせて1個の代表的なグラフ図を求め、血管径を算出してもよい。
【0049】
一方、血流速度は記憶手段26に記憶されたFFT処理した受光出力信号の内、測定光のスポット像MSが血管の中心にあって、信号良否評価値ESが各走査の中で最大になったときの受光出力信号を用い、2個のフォトマルチプライヤ23a、23bの受光出力信号から算出した周波数の最大シフトをそれぞれΔfmax1、Δfmax2として、式(1)により最大血流速度Vmaxを求める。
【0050】
1回の走査について1個の血流速度が求まり、上述の血管径Dの値とから血流量を算出する。1回の走査の所要時間は、本実施の形態では約200m秒であり、全走査についての解析から10個の血流速度及び血流量が算出されて、拍動に伴うそれらの時間変動の様子が分かる。
【0051】
なお本実施の形態では、眼底Eaが動いても測定光を血管Ev上に保持するためのトラッキングを行いながら、その測定光を走査して血管径及び血流速度を測定しているが、トラッキングを行わない場合でも応用可能である.また、上述の実施の形態では、眼底Eaの血管Evの血流状態を測定する眼底血流計を示したが、光学系を多少変更して、強膜上の血管Evの血流状態を測定する装置にも応用可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼血流計は、ドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出して血管径と血管内粒子の流速の算出を行うので、血管径計測用の光源と受光器が不要になって、安価でありながら血管径及び血流速度を測定精度良く測定することができる。
【0053】
また、本発明に係る眼血流計は、ドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出して血管の位置を検出して血管上に測定光を保持するトラッキングを行うので、トラッキング用の光源と受光器が不要になり、安価でありながら良好なトラッキングを行って、測定精度良く血流速度を測定することができる。
【0054】
更に、トラッキングの開始後に走査の幅を狭めるので、走査の時間を極端に長くすることなく、各位置で十分な量の受光出力信号が得られると共に、トラッキングする血管の周辺にある別の血管に誤ってトラッキングすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の眼底血流計の構成図である。
【図2】検者視野の説明図である。
【図3】検者視野の説明図である。
【図4】検者視野の説明図である。
【図5】測定動作のフローチャート図である。
【図6】信号良否評価値の求め方の説明図である。
【図7】測定光の位置の説明図である。
【図8】FFT波形のグラフ図である。
【図9】測定光の位置の説明図である。
【図10】FFT波形のグラフ図である。
【図11】測定光の位置の説明図である。
【図12】FFT波形のグラフ図である。
【図13】測定光のスポット像の位置と信号良否評価値との関係のグラフ図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 バンドパスミラー
3 孔あきミラー
6 スケール板
9 透過型液晶板
13 観察用光源
14 イメージローテータ
15 ガルバノメトリックミラー
18 フォーカスユニット
21 測定用光源
23a、23b フォトマルチプライヤ
24 システム制御部
25 操作部
26 記憶手段
27 トラッキング制御部

Claims (3)

  1. 測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、測定光を血管の走行方向と垂直な方向に偏向する測定光偏向手段と、全体の動きを制御し前記測定光受光手段からのドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、前記制御手段は、前記測定光偏向手段により血管上の走査をしながら前記測定光受光手段で散乱光を受光し、その血流情報に基づいて血管径と血管内粒子の流速の算出を行うことを特徴とする眼血流計。
  2. 測定光を被検眼の血管に照射する測定光照射手段と、測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する測定光受光手段と、測定光を血管の走行方向と垂直な方向に偏向する測定光偏向手段と、全体の動きを制御し前記測定光受光手段からのドップラ信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有する眼血流計において、前記制御手段は、前記測定光偏向手段により血管上の走査をしながら前記測定光受光手段で散乱光を受光し、その血流情報に基づいて血管の位置を検出して、前記測定光偏向手段により血管上に測定光を保持するトラッキングを行うことを特徴とする眼血流計。
  3. 前記制御手段は、トラッキングを開始した後に走査幅を狭める制御を行う請求項2に記載の眼血流計。
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