JP4194187B2 - 眼底血流計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドップラ現象を利用して眼底上の血管内の血流速度を計測する眼底血流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からドップラ方式の眼底血流計では、例えば米国特許第5106184号公報に示されているように、被測定血管に測定光を照射し、血管内を流れる赤血球等の粒子によってドップラシフトされた散乱信号光と、血管壁や周辺組織からのドップラシフトされていない散乱参照光とがミキシングされた光ビート信号を、2方向から2個の受光器により受光して、FFT(高速フーリエ変換) 波形の解析を行っている。このとき、図8に示すように血管内の血流の流れをポアゼイユの流れと仮定して、図9、図10に示すように、血管中心の最大流速に対応する最大ドップラシフト量であるカットオフ周波数Δfmax1、Δfmax2を求め、この値から最大血流速度を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例においては、2個の受光器を使用しているために、1個の受光器に対する受光瞳の面積が小さくなり、受光器に入る光ビート信号量が少なくなって、受光器の出力信号のSN比が悪化し測定精度が低下する。また、この受光器として高価なフォトマルチプライヤを2個使用しているために価格が高騰するという問題点がある。
【0004】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、1個の受光器を使用しその出力信号のSN比を向上して高測定精度を得ると共に安価な眼底血流計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼底血流計は、測定光を被検眼の眼底上の血管に照射することにより、血管内粒子から生ずる散乱光を受光する受光手段と、該受光手段の受光瞳を形成する受光瞳形成部材と、前記受光手段からの受光出力信号を解析して血流速度を算出するデータ処理手段と、前記受光手段の受光瞳の形状に関する情報に基づいて、受光出力信号の理論的パワースペクトル形状の情報を取得する取得手段とを有し、前記データ処理手段は装置の基準軸と前記血管とが成す角度及び周波数を変化させたときの前記受光手段から得られる受光出力信号のパワースペクトルの値を、前記取得手段によって取得された理論的パワースペクトル形状にフィッティングさせたときの差の二乗和T o をそれぞれ求め、前記二乗和T o が最小となるときにおける前記基準軸と測定部位の血管とが成す角度をθv、前記基準軸と前記測定部位の血管から前記受光瞳への受光方向とのなす角度β o におけるカットオフ周波数をΔ fmax 、前記測定光の波長をλ、前記測定部位の屈折率nとすると、次式の
Vmax =λ・Δ fmax { n| cos( θ v +β o) cos( θ v −γ o)|}
により、最大血流速度 Vmaxを算出することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明を図1 〜図7に図示の実施例に基づいて詳細に説明する
図1は実施例の眼底血流計の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2に至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ4 、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット5、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板6、リレーレンズ6、孔あきミラー8、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー9が順次に配列されて、眼底照明光学系が構成されている。なお、リングスリット5は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであれば、その形状や数は問題とならない。
【0007】
孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、接眼レンズ13が順次に配列され検者眼eに至っている。
【0008】
バンドパスミラー9の反射方向の光路上には、イメージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー15が配置され、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ16が配置され、上側反射面15bの反射方向にはレンズ17、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット18が配置されている。
【0009】
なお、レンズ17の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に瞳孔上において非対称な形状とされたガルバノメトリックミラー15が配置されている。また、ガルバノメトリックミラー15の後方には凹面ミラー19が光軸上に同心的に配置され、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射されたレーザービームが、ガルバノメトリックミラー15の切欠部を通過するようにするために、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bと下側反射面15aとを−1倍で結像するリレー光学系が構成されている。
【0010】
フォーカスユニット18においては、レンズ17と同一光路上にダイクロイックミラー20、集光レンズ21、レーザーダイオード等の測定用光源22が順次に配列され、ダイクロイックミラー20の反射方向の光路上にはマスク23、ミラー24が配置されており、この点線で囲んだフォーカスユニット18は一体的に矢印方向に移動可能とされている。更に、ミラー24の入射方向の光路上には、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発するトラッキング用光源25が配列されている。
【0011】
ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向の光路上には、第2のフォーカスレンズ16の後方にダイクロイックミラー26、拡大レンズ27、イメージインテンシファイヤ付の二次元撮像素子28が順次に配列され、血管検出系が構成されている。また、ダイクロイツクミラー26の反射方向の光路上には、円形の孔により受光瞳を形成する絞り29、フォトマルチプライヤ30が配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、絞り29、フォトマルチプライヤ30はそれぞれ紙面に直交した方向に配置されている。
【0012】
二次元撮像素子28の出力はトラッキング制御部31に接続されており、トラッキング制御部31の出力はガルバノメトリックミラー15に接続されており、更に装置全体を制御するシステム制御部32に接続されている。また、システム制御部32にはフォトマルチプライヤ30、操作部33の出力が接続され、システム制御部32の出力はデータ処理部34に接続されている。
【0013】
観察用光源1から発した白色光はコンデンサレンズ3を通り、バンドパスフィルタ4により黄色の波長光のみが透過され、リングスリット5を通過した光束が透過型液晶6を背後から照明し、リレーレンズ7を通って孔あきミラー8で反射される。その後に、黄色域の光のみがバンドパスミラー9を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板6には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。
【0014】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光束として取り出され、孔あきミラー8の中心の開口部、フォーカスレンズ10、リレーレンズ11を通り、スケール板12で眼底像Ea' として結像した後に、検者眼eにより接眼レンズ13を介して観察されるので、この眼底像Ea' を観察しながら装置のアライメントを行ううことができる。
【0015】
測定用光源22を発した測定光は集光レンズ21の上方を偏心して通過し、ダイクロイックミラー20を透過する。一方、トラッキング用光源25から発したトラッキング光はミラー24で反射された後に、マスク23で所望の形状に整形され、更にダイクロイックミラー20で反射されて、集光レンズ21によりマスク23の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と重畳される。
【0016】
この測定光とトラッキング光はレンズ17を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで一旦反射され、更に凹面ミラー19で反射され、再びガルバノメトリックミラー15の方に戻される。ここで、リレー光学系の機能によりガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射された両光束は、ガルバノメトリックミラー15の切欠部の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー15に反射されることなくイメージローテータ14に向かう。
【0017】
イメージローテータ14を経て、バンドパスミラー9により対物レンズ2の方向に偏向された両光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このときトラッキング光はマスク23により、測定点を含みその血管をカバーする長方形の領域を照明するように、その大きさが血管走行方向に300 〜500μm程度、血管直角方向に500〜1200μm程度に整形されており、また測定光は測定する血管の太さ程度の50〜120μmの円形スポット、又は血管走行方向に長手方向を有する楕円形状とされている。
【0018】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2で集光され、バンドパスミラー9で反射されてイメージローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aで反射され、フォーカスレンズ16を通り、ダイクロイックミラー26において測定光とトラッキング光とが分離される。
【0019】
そして、トラッキング光はダイクロイックミラー26を透過し、拡大レンズ27により二次元撮像素子28上で眼底観察光学系による眼底像Ea'よりも拡大された血管像として結像する。このときの撮像範囲はトラッキング光の照射範囲とほぼ同一の大きさである。この血管像信号はトラッキング制御部31に入力され、血管の位置信号に変換される。トラッキング制御部31はこの信号を使用して、ガルバノメトリックミラー15の回転角を制御し血管のトラッキングを行う。
【0020】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー9を透過し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板12上に棒状のインジケータとして結像し、測定光はこのインジケータの中心部にスポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ13を介して眼底像Ea’及び視標像と共に観察される。このとき、インジケータの中心には測定ビームのスポット像が重畳して観察される。インジケータは操作部33によってガルバノメトリックミラー15を回転することにより、眼底Ea上を一次元に移動することができる。
【0021】
測定に際して、検者は先ず眼底像のピント合わせを行う。操作部33のフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板6、フォーカスレンズ10、16、フォーカスユニット18が連動して光路に沿って移動する。眼底像のピントが合うと、透過型液晶板6、スケール板12、二次元撮像素子28は同時に眼底Eaと共役になる。
【0022】
検者は眼底像のピントを合わせた後に、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管を適当な位置へ移動するために操作部33を操作する。システム制御部32は透過型液晶板6を制御して視標像を移動し、イメージローテータ14を回転して測定対象とする血管の走行方向に対して、眼底血流計の光軸とフォトマルチプライヤ30の中心を結んだ線が平行になるように操作する。このとき、ガルバノメトリックミラー15を回転することにより、二次元撮像素子28の画素配列の垂直方向と測定ビームの移動方向は、同時にこれと直角の血管に対して垂直な方向に調整される。
【0023】
検者はトラッキングを開始してその良否を確認した後に、操作部33の測定スイッチを押して測定を開始する。この測定の間は測定ビームはトラッキング制御部31の働きにより血管上に保持されるが、その散乱反射光はダイクロイックミラー26により反射され、絞り29を通ってフォトマルチプライヤ30に受光される。フォトマルチプライヤ30の出力はシステム制御部32に出力され、FFT処理などの周波数解析が行われる。これにより得られたFFT波形は、データ処理部34において解析され、眼底Eaの血流速度が求められる。
【0024】
図2はデータ処理部34の動作のフローチャート図を示し、先ずステップS1で、フォトマルチプライヤ30からの信号をFFT処理したFFT波形に対してスムージングなどの処理を行う。
【0025】
図3は測定対象とする血管Evの測定部位V、測定用光源22、フォトマルチプライヤ30、そして絞り29が形成する受光瞳Aの関係を示したものである。受光瞳Aは絞り29に限らず、ミラー又はフォトマルチプライヤ30のセンサ部等により形成してもよい。角度の基準とする眼底血流計の光軸Oと測定対象とする血管Evの走行方向との成す血管角度をθ、光軸Oと測定用光源22の測定部位Vへの入射方向との成す入射角度をγ0、光軸Oと測定部位Vから受光瞳Aへの受光方向との成す受光角度をβとする。
【0026】
図4は受光瞳Aの位置関係と平面図を示し、受光瞳Aは半径Rの円形状とし、またβ0は受光瞳Aの中心Cの受光角度である。ここで、図3の血管角度θは血管Evの走行方向によって異なる変数であり、図3の受光角度βは図4のβ1〜β2までの角度の中で受光方向によって異なる変数である。なお、これらの角度θ、γ0、βは人眼中での角度に換算したものを使用する。
【0027】
次に、図2において例えば75〜105度のような取り得る角度範囲θs 〜θe の内、初めの角度θs を仮に定めた血管角度θとし、予め定めた周波数Nの範囲Fs〜Feの内、初めの周波数Fsを仮に定めたカットオフ周波数とし、ステップS2でこのときのFFT波形のモデル形状であるフィッテイング曲線を求める。
【0028】
ここで受光瞳Aが点であれば、FFT波形の理想的なモデル形状は、図5の破線FLに示すような周波数Fsにおいてパワースペクトルが不連続に落ちる形状になるが、実際には受光瞳Aが面積を持っているために、周波数Fsで不連続にはならず、実線SLのFFT波形のように或る曲線で急激に落ちる形状となる。
【0029】
フォトマルチプライヤ30で受光される光ビート信号の内、受光角度βの受光方向の光ビート信号によるFFTのカットオフ周波数Δfは、受光角度β0におけるカットオフ周波数Δf0と角度θ、γ0、β、β0によって、次式のように表される。
Figure 0004194187
【0030】
また、受光瞳A内の受光角度βの部分から形成される光ビート信号のFFTのパワースペクトルP は,その部分の面積に比例し、Lを受光瞳Aが作る平面と測定部位Vとの距離として、次の関係式が成立する。
P∝[R2-{L(tanβ-tanβ0)}2]1/2 …(2)
【0031】
受光瞳A全体で形成される光ビート信号のFFTのパワースペクトルP は、図4の受光角度β1〜β2までのパワースペクトルPの重ね合わせとなり、FFT波形のパワースペクトルPがカットオフ周波数のところで連続的に落ちる曲線の形状、つまり理論カットオフ形状を求めることができる。なお、本実施例では計算により理論カットオフ形状を求めているが、各血管角度に対する理論カットオフ形状の数値を記憶しておく方法でもよい。
【0032】
図6に示す破線FL1 は、受光出力信号の周波数解析結果のフイッテイングのために、仮に定めた血管角度θs、仮に定めたカットオフ周波数Fsとしたときのフイッテイング曲線を計算により求めたものである。理論カットオフ形状の曲線部は、上述の重ね合わせにより求めた。理論カットオフ形状の落ち始めの周波数をFaとすると、この周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPS1は、実線SLに示す実際のFFT波形の周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPの平均値を使用している。また、理論カットオフ形状の終端の周波数をFbとすると、この周波数Fbよりも高いところのパワースペクトルPS2は、実際のFFT波形の内の周波数の十分高いノイズによる部分の平均値を使用している。これらの平均値を求める方法は計算が単純なので、短時間で計算が可能である。
【0033】
このように、理論カットオフ形状の終端がPS2になるように理論カットオフ形状にノイズ成分としてPS2を上乗せし、更に理論カットオフ形状の高さがPS1-PS2になるように、拡大又は縮小を行ってフィッティング曲線を作成する。このフィッティング曲線のカットオフ周波数部は、実際のFFT波形に近い形状であり、より精度良くカットオフ周波数を求めることができ、高精度の血流速度を得ることができる。
【0034】
図7はフィッティング曲線を求める他の方法を示したものである。理論カットオフ形状の曲線部と周波数Fbよりも高いところのパワースペクトルPS2の求め方は図6と同様であるが、周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPS1の求め方が異なる。ここでは、実線SLに示す実際のFFT波形のパワースペクトルPからノイズ成分と考えられるパワースペクトルPS2を差し引いた部分を全周波数に渡って積分した値と、フィッティング曲線のパワースペクトルPからパワースペクトルPS2を差し引いた部分を、周波数Fbよりも低いところについて積分した値が等しくなるように、即ちパワースペクトルPの合計が等しくなるようにパワースペクトルPS1を決めたものである。
【0035】
この場合には、仮のカットオフ周波数Fsが実際のFFT波形のカットオフ周波数から離れていると、フィッティング曲線の形状は実際のFFT波形と大きく異なるが、実際のカットオフ周波数に近付くにつれて、フィッティング曲線の形状も実際のFFT波形に近付く。即ち、この方法では図2のステップS4で数値が最小となる周波数を求める際に収束性が良くなり、より簡便にカットオフ周波数を求めることができる。
【0036】
図2のステップS3において、上述のようにして求めたフィッティング曲線と、実際のFFT波形とのパワースペクトルPの値の差の二乗和T0を求める。ステップS2、S3を予め定められた間隔で周波数Fsの次の周波数についても行い、最終の周波数Feまで繰り返して周波数に対するフィッティングを行う。次に、予め定められた間隔で血管角度θsの次の血管角度についても同様にFs〜Fe間で予め定められた間隔の各周波数についてステップS2、S3を行い、最終の血管角度θeまで繰り返して、血管角度θに対するフィッティングを行う。最終的に血管角度θと周波数Nを変数とする二乗和T0の値が得られる。
【0037】
その後に、ステップS4で二乗和T0の最小値を求め、そのときの血管角度θを測定部位Vの血管角度θv 、周波数Nを受光角度β0におけるカットオフ周波数Δfmaxとする。このときのフィッティング曲線は、図6の実線FL0 のようにFFT波形により近い形状となり、カットオフ周波数が精度良く求められていることが分かる。
【0038】
次に、ステップS5で次式により最大血流速度Vmaxを求める。ここで、λは測定光束の波長、nは測定部位の屈折率である。
【0039】
Figure 0004194187
このようにして、精度良くカットオフ周波数を求めることができるので、高精度に最大血流速度Vmaxを得ることができる。なお、受光器を2個使用しても受光出力信号のSN比が十分に良好な場合には、それぞれの受光出力信号について上述の血管角度と周波数とに対するフイッテイングを行うことにより、等しくなる2個の最大血流速度を求めることになるので、それらを平均するなどしてより精度良く最大血流速度を求めることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼底血流計は、受光手段の受光面積を制限するための受光瞳の形状に関する情報、又は受光瞳の形状を基に算出した受光出力信号の理論的パワースペクトル形状の情報を記憶し、その情報を使用して受光出力信号の周波数解析結果を装置の基準軸と血管とが成す角度と周波数とに対してフィッティングして、カットオフ周波数を求めることにより、1個の受光器により血流速度を算出することができる。その結果、1個の受光器についての受光瞳の面積が大きく取れるので、受光出力信号のSN比が良くなってより正確な血流速度を簡便に算出することが可能となる。また、この受光器として高価なフォトマルチプライヤを使用しても、その使用個数を1個に減らせるので、安価で小型化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の眼底血流計の構成図である。
【図2】データ処理動作のフローチャート図である。
【図3】測定部位、測定用光源、フォトマルチプライヤ、受光瞳の関係の説明図である。
【図4】受光瞳の位置関係の説明図である。
【図5】受光瞳が点のときのフイッテイング曲線のグラフ図である。
【図6】受光瞳の面積の影響を考慮したフイッティング曲線のグラフ図である。
【図7】他の方法によるフイッテイング曲線のグラフ図である。
【図8】血管内の流速分布の説明図である。
【図9】光ビート信号のFFT波形のグラフ図である。
【図10】光ビート信号のFFT波形のグラフ図である。
【符号の説明】
1 観察用光源
4 バンドパスフィルタ
5 リングスリット
6 透過型液晶板
8 孔あきミラー
9 バンドパスミラー
14 イメージローテータ
15 ガルバノメトリックミラー
18 フォーカスユニット
19 凹面ミラー
20、26 ダイクロイックミラー
22 測定用光源
25 トラッキング用光源
28 二次元撮像素子
29 絞り
30 フォトマルチプライヤ
31 トラッキング制御部
32 システム制御部
33 操作部
34 データ処理部

Claims (1)

  1. 測定光を被検眼の眼底上の血管に照射することにより、血管内粒子から生ずる散乱光を受光する受光手段と、
    該受光手段の受光瞳を形成する受光瞳形成部材と、
    前記受光手段からの受光出力信号を解析して血流速度を算出するデータ処理手段と、
    前記受光手段の受光瞳の形状に関する情報に基づいて、受光出力信号の理論的パワースペクトル形状の情報を取得する取得手段とを有し、
    前記データ処理手段は装置の基準軸と前記血管とが成す角度及び周波数を変化させたときの前記受光手段から得られる受光出力信号のパワースペクトルの値を、前記取得手段によって取得された理論的パワースペクトル形状にフィッティングさせたときの差の二乗和T o をそれぞれ求め、
    前記二乗和T o が最小となるときにおける前記基準軸と測定部位の血管とが成す角度をθv、前記基準軸と前記測定部位の血管から前記受光瞳への受光方向とのなす角度β o におけるカットオフ周波数をΔ fmax 、前記測定光の波長をλ、前記測定部位の屈折率nとすると、次式の
    Vmax =λ・Δ fmax { n| cos( θ v +β o) cos( θ v −γ o)|}
    により、最大血流速度 Vmaxを算出することを特徴とする眼底血流計。
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