JP3997030B2 - 眼底血流計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドップラ現象を利用して、眼底上の血管内の血流速度を計測する眼底血流計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からドップラ方式の眼底血流計では、被測定血管に測定光を照射し、血管内を流れる赤血球等の粒子によってドップラシフトされた散乱信号光と、血管壁や周辺組織からのドップラシフトされていない散乱参照光とがミキシングされた光ビート信号を、2方向から2個の受光器により受光し、それらのFFT(高速フーリエ変換)波形の解析を行っている。このとき、図8に示すように血管内の血流の流れをポアゼイユの流れと仮定して、図9、図10に示すように、血管中心の最大流速に対応する最大ドップラシフト量であるカットオフ周波数Δfmax1、Δfmax2を求め、この値から最大血流速度を算出している。
【0003】
このカットオフ周波数の決定は、古くはオペレータが目視で判断して決定しているが、APPLIED OPTICS,Vol.27,No.6,pp.1126-1134(1988)「Retinal laser Doppler velocimetry:toward its computer-assisted clinical use」(B.L.P Petrig,C.E.Riva)には、FFT波形のパワースペクトルがカットオフ周波数のところで不連続に垂直に落ちる理想的なモデルを考慮し、カットオフ周波数を自動的に求める方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述の従来例において、実際のFFT波形のパワースペクトルはカットオフ周波数で不連続に垂直に落ちるのではなく、或る曲線で急激に変化するために、精度良くカットオフ周波数を決定することができず、高精度に血流速度を求めることができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、カットオフ周波数を精度良く求めることにより、正確な血流速度を算出する眼底血流計を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼底血流計は、測定光を被検眼の眼底上の血管に照射する測定光照射手段と、前記測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する受光手段と、該受光手段の受光瞳を形成する受光瞳形成部材と、前記受光手段からの出力信号を解析して血流速度を算出するデータ処理手段とを有する眼底血流計において、前記受光瞳の形状に関する情報又は前記受光瞳の形状を基に算出した受光信号の理論的パワースペクトル形状の情報を記憶する情報記憶手段を有し、該情報記憶手段に記憶した情報を前記データ処理手段により解析して血流速度を算出することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図7に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例の眼底血流計の構成図を示し、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2に至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ4、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット5、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板6、リレーレンズ7、孔あきミラー8、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー9が順次に配列されている。なお、リングスリット5は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであれば、その形状や数は問題とならない。
【0008】
孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、接眼レンズ13が順次に配列され検者眼eに至っている。
【0009】
バンドパスミラー9の反射方向の光路上には、イメージローテータ14、紙面に垂直な回転軸を有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー15が配置され、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ16が配置され、上側反射面15bの反射方向にはレンズ17、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット18が配置されている。
【0010】
なお、レンズ17の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に瞳孔上において非対称な形状とされたガルバノメトリックミラー15が配置されている。また、ガルバノメトリックミラー15の後方には凹面ミラー19が光軸上に同心的に配置され、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射されたレーザビームが、ガルバノメトリックミラー15の切欠部を通過するようにするために、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15aと下側反射面15bとを−1倍で結像するリレー光学系が構成されている。
【0011】
フォーカスユニット18においては、レンズ17と同一光路上にダイクロイックミラー20、集光レンズ21、レーザーダイオード等の測定用光源22が順次に配列され、ダイクロイックミラー20の反射方向の光路上にはマスク23、ミラー24が配置されており、このフォーカスユニット18は一体的に矢印で示す方向に移動可能とされている。更に、ミラー24の入射方向の光路上には、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色光を発するトラッキング用光源25が配列されている。
【0012】
ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aの反射方向の光路上には、第2のフォーカスレンズ16の後方に、ダイクロイックミラー26、拡大レンズ27、イメージインテンシファイヤ付の二次元撮像素子28が順次に配列され、血管検出系が構成されている。また、ダイクロイックミラー26の反射方向の光路上には、受光瞳を形成するミラー29a、29b、フォトマルチプライヤ30a、30bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー29a、29b、フォトマルチプライヤ30a、30bはそれぞれ紙面に直交した方向に配置されている。
【0013】
二次元撮像素子28の出力はトラッキング制御部31に接続されており、トラッキング制御部31の出力はガルバノメトリックミラー15に接続されており、更に装置全体の動きを制御するシステム制御部32に接続されている。また、システム制御部32にはフォトマルチプライヤ30a、30b、操作部33の出力が接続され、システム制御部32の出力はデータ処理部34に接続されている。
【0014】
観察用光源1から発した白色光はコンデンサレンズ3を通り、バンドパスフィルタ4により黄色の波長光のみが透過され、リングスリット5を通過した光束が透過型液晶板6を背後から照明し、リレーレンズ7を通って孔あきミラー8で反射される。その後に、黄色域の光のみがバンドパスミラー9を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板6には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。
【0015】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光光束として取り出され、孔あきミラー8の中心の開口部、フォーカスレンズ10、リレーレンズ11を通り、スケール板12で眼底像Eaとして結像した後に、検者眼eにより接眼レンズ13を介して観察される。この眼底像Eaを観察しながら、装置のアライメントが行われる。
【0016】
測定用光源22を発した測定光は集光レンズ21の上方を偏心して通過し、ダイクロイックミラー20を透過する。一方、トラッキング用光源25から発したトラッキング光はミラー24で反射された後に、マスク23で所望の形状に整形され、更にダイクロイックミラー20で反射されて、集光レンズ21によりマスク23の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と重畳される。測定光とトラッキング光はレンズ17を通り、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで一旦反射され、更に凹面ミラー19で反射され、再びガルバノメトリックミラー15の方へ戻される。ここで、リレー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー15の上側反射面15bで反射された両光束は、ガルバノメトリックミラー15の切欠部の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー15に反射されることなく、イメージローテータ14に向かう。
【0017】
イメージローテータ14を経て、バンドパスミラー9により対物レンズ2の方向に偏向された両光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このとき、トラッキング光はマスク23により、測定点を含みその血管をカバーする長方形の領域を照明するように、その大きさが血管走行方向300〜500μm程度、血管直角方向に500〜1200μm程度に整形されており、また測定光は測定する血管の太さ程度の50〜120μmの円形スポット、又は血管走行方向に長手方向を有する楕円形状とされている。
【0018】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ2で集光され、バンドパスミラー9で反射されてイメージローテータ14を通り、ガルバノメトリックミラー15の下側反射面15aで反射され、フォーカスレンズ16を通り、ダイクロイックミラー26において測定光とトラッキング光が分離される。
【0019】
そして、トラッキング光はダイクロイックミラー26を透過し、拡大レンズ27により二次元撮像素子28上で眼底観察光学系による眼底像Eaよりも拡大された血管像として結像する。このときの撮像範囲はトラッキング光の照射範囲とほぼ同一の大きさである。この血管像信号はトラッキング制御部31に入力され、血管の位置信号に変換される。トラッキング制御部31はこの信号を使用して、ガルバノメトリックミラー15の回転角を制御し血管のトラッキングを行う。
【0020】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部はバンドパスミラー9を透過し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光はスケール板12上に棒状のインジケータとして結像し、測定光はこのインジケータの中心部にスポット像として結像する。これらの像は接眼レンズ13を介して眼底像及び視標像と共に観察される。このとき、インジケータの中心には測定ビームのスポット像が重畳して観察される。インジケータは操作部33によってガルバノメトリックミラー15を回転することにより、眼底Ea上を一次元に移動することができる。
【0021】
測定に際して、検者は先ず眼底像のピント合わせを行う。操作部33のフォーカスノブを調整すると、駆動手段により透過型液晶板6、フォーカスレンズ10、16、フォーカスユニット18が連動して光路に沿って移動する。眼底像のピントが合うと、透過型液晶板6、スケール板12、二次元撮像素子28は同時に眼底Eaと共役になる。
【0022】
検者は眼底像のピントを合わせた後に、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evを適当な位置へ移動するために操作部33を操作する。システム制御部32は透過型液晶板6を制御し視標像を移動し、イメージローテータ14を回転して測定対象とする血管Evの走行方向に対して、フォトマルチプライヤ30a、30bの中心を結んだ線が平行になるように操作する。このとき、ガルバノメトリックミラー15を回転することにより、二次元撮像素子28の画素配列の垂直方向と測定ビームの移動方向は、同時にこれと直角の血管に対して垂直な方向に調整される。
【0023】
検者はトラッキングを開始してその良否を確認した後で、操作部33の測定スイッチを押して測定を開始する。この測定の間は、測定ビームはトラッキング制御部31の働きにより血管上に保持されるが、その散乱反射光はダイクロイックミラー26、ミラー29a、29bにより反射され、フォトマルチプライヤ30a、30bに受光される。フォトマルチプライヤ30a、30bの出力はそれぞれシステム制御部32に出力され、FFT処理などの周波数解析が行われる。これにより得られたFFT波形はデータ処理部34において解析され、眼底Eaの血流速度が求められる。
【0024】
図2はデータ処理部34の動作のフローチャート図を示し、先ずステップS1で、フォトマルチプライヤ30aからの信号をFFT処理したFFT波形に対して、スムージングなどの処理を行う。次にステップS2で、予め定められた周波数Nの範囲Fs〜Feの内の初めの周波数Fsを、仮に定めたカットオフ周波数とし、このときのFFT波形のモデル形状であるフィッティング曲線を求める。
【0025】
ここで受光瞳が点であれば、FFT波形の理想的なモデル形状は、図3の破線FLに示すような周波数Fsにおいてパワースペクトルが不連続に落ちる形状になるが、実際には受光瞳が面積を持っているために、周波数Fsで不連続にはならず、実線SLのFFT波形のように或る曲線で急激に落ちる形状となる。
【0026】
図4は測定対象とする血管Evの測定部位V、測定用光源22、フォトマルチプライヤ30a、30b、そしてミラー29a、29bが形成する受光瞳A1、A2の関係を示したものである。また、受光瞳A1、A2はミラー29a、29bに限らず、絞り或いはフォトマルチプライヤ30a、30bのセンサ部等で形成してもよい。眼底血流計の光軸Oと測定対象とする血管Evの走行方向との成す角をθ、光軸Oと測定用光源22の測定部位Vへの入射方向との成す角をγ、光軸Oと測定部位Vから受光瞳A1、A2への受光方向との成す角をβとすると、フォトマルチプライヤ30a、30bに受光されるビート信号のFFTのカットオフ周波数Δfと角度θ、γ、βとは、次の関係式が成立する。なお、これらの角度θ、γ、βは人眼中での角度に換算したものを使用する。
Δf∝cos(θ−β)+cos(θ−γ) ・・・(1)
【0027】
図5は受光瞳A1の位置関係の平面図を示し、本実施例では半円形のミラー29a、29bを使用し、受光瞳A1、A2は半径Rの半円形状とし、これら受光瞳A1、A2の形状に関する情報は、システム制御部32に記憶されている。受光瞳A1の内の角度βの部分から形成されるビート信号のFFTのパワースペクトルPは、その部分の面積に比例し、次の関係式が成立する。
P∝〔R2 −{L(tanβ−tanβ1)}2]1/2 ・・・ (2)
【0028】
受光瞳A1の右側から形成されるビート信号のFFTは、左側から形成されるビート信号のFFTと比較すると、周波数がより低くパワースペクトルPがより大きい。受光瞳A1の全体で形成されるビート信号のFFTのパワースペクトルPは、図5の角度β1からβ2までのパワースペクルPの重ね合わせとなり、FFT波形のパワースペクトルPがカットオフ周波数のところで連続的に落ちる曲線の形状、つまり理論カットオフ形状を求めることができる。なお、本実施例では計算により理論カットオフ形状を求めているが、理論カットオフ形状の数値を記憶しておく方法でもよい。また、本実施例では、角度β1〜β2の内の光軸Oと測定部位Vから受光瞳A1の重心Gとが成す角β0によるカットオフ周波数をΔfmax1として、以下の計算を行っている。
【0029】
図6の破線FL1は光軸Oと測定対象とする血管Evの走行方向との成す角θを90度とし、出力信号の周波数解析結果のフィッティングのために、周波数Fsを仮に定めたカットオフ周波数としたときのフィッティング曲線を計算により求めたものである。理論カットオフ形状の落ち始めの周波数をFaとすると、周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPS1は、実線SLに示す実際のFFT波形の周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPの平均値を使用している。また、理論カットオフ形状の終端の周波数をFbとすると、周波数Fbより高いところのパワースペクトルPS2は、実際のFFT波形の内の周波数の十分高いノイズによる部分の平均値を使用している。これらの平均値を求める方法は計算が単純なので、短時間で計算が可能である。
【0030】
このように、理論カットオフ形状の終端がPS2になるように理論カットオフ形状にノイズ成分としてPS2を上乗せし、更に理論カットオフ形状の高さが(PS1−PS2)になるように、拡大又は縮小を行ってフィッティング曲線を作成する。このフィッティング曲線のカットオフ周波数部は実際のFFT波形に近い形状であり、より精度良くカットオフ周波数を求めることができ、高精度の血流速度を得ることができる。
【0031】
図7はカットオフ周波数を求める他の方法を示し、周波数Faよりも低いところのパワースペクトルPS1を示したものである。ここでは、実線SLに示す実際のFFT波形のパワースペクトルPからノイズ成分と考えられるパワースペクトルPS2を差し引いた部分を全周波数に渡って積分した値と、フィッティング曲線のパワースペクトルPからパワースペクトルPS2を差し引いた部分を周波数Fbより低いところについて積分した値が等しくなるように、即ちパワースペクトルPの合計が等しくなるようにパワースペクトルPS1を決めたものである。
【0032】
この場合には、仮のカットオフ周波数Fsが実際のFFT波形のカットオフ周波数から離れていると、フィッティング曲線の形状は実際のFFT波形と大きく異なるが、実際のカットオフ周波数に近付くにつれてフィッティング曲線の形状も実際のFFT波形に近付く。即ち、この方法では図2のステップS4で数値が最小となる周波数を求める際に収束性が良くなり、より容易にカットオフ周波数を求めることができる。
【0033】
なお、本実施例では簡単のために角度θを90度としたが、特開平10−8039号公報に記載されているような方法で角度θを求め、その値を使用して計算するか、或いは角度θをパラメータとして同様にフィッティングが最適となる角度θを求めれば、より正確なフィッティング曲線を得ることができる。
【0034】
図2に戻り、ステップS3において上述のようにして求めたフィッティング曲線と、実際のFFT波形との値の差の二乗和Toを、Fs〜Fe間で予め定められた間隔の各周波数について求める。ステップS2、S3を予め定められた間隔で周波数Fsの次の周波数についても行い、最終の周波数Feまで繰り返して、周波数を変数とする二乗和Toの値が得られる。その後にステップS4で、二乗和Toが最小となる周波数を求める周波数軸に対するフィッティングを行い、その周波数をカットオフ周波数Δfmax1とする。このときのフィッティング曲線は、図6の実線FL0のようになり、カットオフ周波数が精度良く求められていることが分かる。
【0035】
次に、ステップS1からステップS4を、フォトマルチプライヤ3ObからのFFT波形、受光瞳A2によるフィッティング曲線についても行い、同様にカットオフ周波数Δfmax2を求め、ステップS5で次式により最大血流速度Vmax を求める。ここで、λは測定光束の波長、nは測定部位の屈折率、αは眼内での2つの受光光軸の成す角度である。
Vmax ={λ/(n・α)}・|Δfmax1−Δfmax2| ・・・ (3)
【0036】
このようにして、精度良くカットオフ周波数を求めることができるので、高精度に最大血流速度Vmax を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼底血流計は、受光手段の受光面積を制限するための受光瞳の形状に関する情報、又は受光瞳の形状を基に算出した受光信号の理論的パワースペクトル形状の情報を記憶し、その情報を使用して受光信号を解析することにより、実際の周波数解析結果に近い形状を使用した解析を行うことができるので、比較的単純な計算により短時間で精度良くカットオフ周波数を求め、正確な血流速度を算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の眼底血流計の構成図である。
【図2】データ処理動作のフローチャート図である。
【図3】受光瞳が点のときのフィッティング曲線のグラフ図である。
【図4】測定部位、測定用光源、フォトマルチプライヤ、受光瞳の関係の説明図である。
【図5】受光瞳の位置関係の説明図である。
【図6】受光瞳の面積の影響を考慮したフィッティング曲線のグラフ図である。
【図7】他の方法によるフィッティング曲線のグラフ図である。
【図8】ビート信号のFFT波形と血管内の流速分布の説明図である。
【図9】ビート信号のFFT波形のグラフ図である。
【図10】ビート信号のFFT波形のグラフ図である。
【符号の説明】
1 観察用光源
8 孔あきミラー
14 イメージローテータ
15 ガルバノメトリックミラー
18 フォーカスユニット
19 凹面ミラー
20、26 ダイクロイックミラー
22 測定用光源
25 トラッキング用光源
28 二次元撮像素子
30a、30b フォトマルチプライヤ
31 トラッキング制御部
32 システム制御部
33 操作部
34 データ処理部

Claims (5)

  1. 測定光を被検眼の眼底上の血管に照射する測定光照射手段と、前記測定光により血管内粒子から生ずる散乱光を受光する受光手段と、該受光手段の受光瞳を形成する受光瞳形成部材と、前記受光手段からの出力信号を解析して血流速度を算出するデータ処理手段とを有する眼底血流計において、前記受光瞳の形状に関する情報又は前記受光瞳の形状を基に算出した受光信号の理論的パワースペクトル形状の情報を記憶する情報記憶手段を有し、該情報記憶手段に記憶した情報を前記データ処理手段により解析して血流速度を算出することを特徴とする眼底血流計。
  2. 前記データ処理手段は前記情報記憶手段に記憶されている情報を使用して、前記受光手段からの出力信号の理論的パワースペクトルの具体形状を算出し、前記出力信号の周波数解析結果を周波数軸に対してフィッティングする請求項1に記載の眼底血流計。
  3. 前記データ処理手段は前記受光手段からの出力信号の周波数解析結果を周波数軸に対してフィッティングするために、仮に定めたカットオフ周波数よりも低い周波数でのパワースペクトルの平均値を求め、該平均値を前記仮のカットオフ周波数よりも低い周波数でのパワースペクトルの値として、前記理論的パワースペクトルの具体形状を算出する請求項2に記載の眼底血流計。
  4. 前記データ処理手段は前記受光手段からの出力信号の周波数解析結果の信号成分の積分値と、前記理論的パワースペクトルの具体形状の信号成分の積分値とが等しくなるように、前記理論的パワースペクトルの具体形状を算出する請求項2に記載の眼底血流計。
  5. 前記データ処理手段は前記受光手段からの出力信号の周波数解析結果の周波数が十分に高いノイズ部分のパワースペクトルの平均値を求め、該平均値を前記理論的パワースペクトル形状のノイズレベルとして、前記理論的パワースペクトルの具体形状を算出する請求項2に記載の眼底血流計。
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