JP2005087547A - 眼底血流計 - Google Patents

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Abstract

【課題】更に使い勝手が良く、そして間違いなく、視神経乳頭、眼底血管毎に最適の測定ができる眼底血流計を提供すること。
【解決手段】測定光を被検眼の眼底に照射する照射手段と、前記測定光により眼底から生ずる散乱光を受光する受光手段と、少なくとも前記測定光の照射位置近傍を照明する照明手段と、眼底の電子画像を撮像する撮像手段と、全体の動きを制御し且つ前記受光手段からのドップラー信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有し、該制御手段が検者からの測定部位選択終了の入力を受けて前記眼底の電子画像を基に測定対象が眼底血管か視神経乳頭かを判別し、該判別された測定対象の種類に応じた測定方法によって前記血流に関する情報の算出を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検眼の眼底部に測定光を照射し、眼底部からの散乱反射光を受光し、この受光信号を解析して血流に関する情報を算出する眼底血流計に関するものである。
眼底の血管内の血流を計測することについては、一般的な眼底カメラに機能追加した眼底血流計が特許文献1に開示されている。
一方、視神経乳頭部内の血流を計測することについては、被検眼にレーザ光を照射し、視神経乳頭内の毛細血管内粒子から生ずる散乱光を受光してそのドップラー信号から視神経乳頭内の血流を求める方法、測定例が非特許文献1に説明されている。
又、特許文献2には眼底の血管内の血流と視神経乳頭内の血流を選択して測定できる眼底血流計が開示され、特許文献3には測定時間を短縮して被検者への負担を減らし、且つ、精度の良い測定を行うために、検者が測定する血管が動脈か静脈かを選択することによって、測定条件や解析条件を切り替える眼底血流計が開示されている。更に、特許文献4には、精度良く視神経乳頭内の血流を測定するために、測定部位の近傍での血管の存在を検出する眼底血流計が開示されている。
米国特許第5,106,184号公報 特開平7−136141号公報 特開平10−80398号公報 特開2000−197613号公報 Sebag J, etal., Investigative Ophthalmology & Visual Science, Vol 26, No.10, Oct.1985,pp.1415-1422
しかしながら、上述の従来技術では、1台の眼底血流計で眼底の血管内の血流と視神経乳頭内の血流、或は眼底の動脈と静脈とを異なる測定条件や解析条件で測定できるものの、測定条件や解析条件を間違える、或は使い勝手が悪いという問題が生じていた。
そこで、検者が動脈、静脈、視神経乳頭から測定対象を選択するとそれに応じた測定条件や解析条件で測定が行われる眼底血流計が提案され、又、測定対象が動脈か静脈かを自動的に判別して測定条件や解析条件を切り替える眼底血流計が提案されている。
本発明の目的は、上述の問題点を解決し、更に使い勝手が良く、そして間違いなく、視神経乳頭、眼底血管毎に最適の測定ができる眼底血流計を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、測定光を被検眼の眼底に照射する照射手段と、前記測定光により眼底から生ずる散乱光を受光する受光手段と、少なくとも前記測定光の照射位置近傍を照明する照明手段と、眼底の電子画像を撮像する撮像手段と、全体の動きを制御し且つ前記受光手段からのドップラー信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有し、該制御手段が検者からの測定部位選択終了の入力を受けて前記眼底の電子画像を基に測定対象が眼底血管か視神経乳頭かを判別し、該判別された測定対象の種類に応じた測定方法によって前記血流に関する情報の算出を行うことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段が測定対象が眼底血管であると判断した場合に該眼底血管が動脈か静脈かを判別することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段が前記撮像手段の出力から前記測定光の照射位置とその近傍に眼底血管があるか否かを判断し、あると判断した場合は前記測定対象が眼底血管、否と判断した場合は前記測定対象が視神経乳頭であると判断することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段が前記判別した測定対象に応じて受光絞りを挿脱或は変更することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記判別した測定対象の種類を表示する手段と、該種類を訂正する測定対象訂正手段とを有することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、眼底血流計は、検者が測定部位を選択するだけで測定対象が眼底血管か視神経乳頭かを判別し、該判別された測定対象の種類に応じた最適の測定方法を自動的に選択するので、使い勝手が良く、そして間違いなく、視神経乳頭、眼底血管毎に最適の測定ができ、測定時間も短縮できる。
請求項2記載の発明によれば、測定対象が眼底血管であると判断した場合に該眼底血管が動脈か静脈かを判別し、該判別された測定対象の種類に応じた最適の測定方法を自動的に選択するので、使い勝手が良く、そして間違いなく、視神経乳頭、動脈、静脈毎に最適の測定ができ、測定時間が短縮できる。
請求項3記載の発明によれば、撮像手段の出力から測定光の照射位置とその近傍に眼底血管があるか否かを判断し、あると判断した場合は測定対象が眼底血管、否と判断した場合は測定対象が視神経乳頭であると判断するので、簡単な構成で測定対象が眼底血管か視神経乳頭かを判別することができる。
請求項4記載の発明によれば、判別した測定対象に応じて受光絞りを挿脱或は変更するので、測定対象の解析に最適な散乱反射光を受光することができ、測定精度が高まる。
請求項5記載の発明によれば、判別した測定対象の種類を表示する手段と、その種類を訂正する測定対象訂正手段とを有するので、制御手段が判断した測定対象の種類が誤っていた場合でも測定が無駄になることがなく、被検者に苦痛を与えることなく短時間で測定ができる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は実施の形態の眼底血流計の構成図を示し、非コヒーレント光の白色光である観察用照明光を発するハロゲンランプ等から成る観察用光源1から被検眼Eと対向する対物レンズ2に至る照明光路上には、コンデンサレンズ3、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ4、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット5、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板6、リレーレンズ7、孔あきミラー8、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射する波長選択ミラー9が順次に配列されている。尚、リングスリット5は被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであれば、その形状や数は問題とならない。
孔あきミラー8の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカスレンズ10、リレーレンズ11、スケール板12、カメラリレーレンズ13が順次に配列され、CCDカメラ14に至っている。
波長選択ミラー9の反射方向の光路上には、イメージローテータ15、紙面に垂直な回転軸を有する両面研磨されたガルバノメトリックミラー16が配置され、ガルバノメトリックミラー16の下側反射面16aの反射方向には、光路に沿って移動自在な第2のフォーカスレンズ17が配置され、上側反射面16bの反射方向にはレンズ18、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット19が配置されている。
尚、レンズ18の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に瞳孔上において非対称な形状とされたガルバノメトリックミラー16が配置されている。又、ガルバノメトリックミラー16の後方には凹面ミラー20が光軸上に同心的に配置され、ガルバノメトリックミラー16の上側反射面16bで反射されたレーザビームがガルバノメトリックミラー16の切欠部を通過するようにするために、ガルバノメトリックミラー16の上側反射面16bと下側反射面16aとを−1倍で結像するリレー光学系を構成している。
フォーカスユニット19においては、レンズ18と同一光路上にダイクロイックミラー21、集光レンズ22が順次に配列され、ダイクロイックミラー21の反射方向の光路上にはマスク23とミラー24が配置されており、このフォーカスユニット19は一体的に矢印で示す方向に移動可能とされている。集光レンズ22の入射方向の光路上には、赤色のコヒーレント光を発するレーザダイオード等から成る測定用光源25が配置され、ミラー24の入射方向の光路上には、他の光源と異なる高輝度の例えば緑色のコヒーレント光を発するヘリウムネオンレーザから成るトラッキング用光源26が配列されている。
ガルバノメトリックミラー16の下側反射面16aの反射方向の光路上には、第2のフォーカスレンズ17の後方に、ダイクロイックミラー27、拡大レンズ28、イメージインテンシファイヤ付の一次元CCD29が順次に配列され、血管検出系が構成されている。
又、ダイクロイックミラー27の反射方向の光路上には、結像レンズ30、光路に挿入と離脱が可能な共焦点絞り31、受光瞳を形成するミラー対32a,32bが配置され、ミラー対32a,32bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ33a,33bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。尚、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー32a,32b、フォトマルチプライヤ33a,33bはそれぞれ紙面に直交した方向に配置されている。
一次元CCD29の出力はトラッキング制御部34に接続されており、トラッキング制御部34の出力はガルバノメトリックミラー16に接続されており、更に装置全体を制御するシステム制御部35に接続されている。又、システム制御部35にはフォトマルチプライヤ33、操作部36の出力が接続されている。更に、システム制御部35の出力は記憶手段37、透過型液晶板6、モニター38に接続されている。
観察用光源1から発した白色光は、コンデンサレンズ3を通り、バンドパスフィルタ4により黄色の波長光のみが透過され、リングスリット5を通過した光束が透過型液晶6を背後から照明し、リレーレンズ7を通って孔あきミラー8で反射される。その後に、黄色域の光のみが波長選択ミラー9を透過し、対物レンズ2を通り、被検眼Eの瞳孔上でリングスリット像として一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。このとき、透過型液晶板6には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに提示される。
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光光束として取り出され、孔あきミラー8の中心の開口部、フォーカスレンズ10及びリレーレンズ11を通り、スケール板12で眼底像Ea’として結像した後に、カメラリレーレンズ13を通り、CCDカメラ14に結像し、モニター38上で観察される。この眼底像Ea’を観察しながら、装置のアライメントが行われる。
測定用光源25を発した測定光は、集光レンズ22の上方を偏心して通過し、ダイクロイックミラー21を透過する。一方、トラッキング用光源26から発したトラッキング光は、ミラー24で反射された後に、マスク23で所望の形状に整形され、更にダイクロイックミラー21で反射されて、集光レンズ22によりマスク23の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像している測定光と重畳される。
重畳された測定光とトラッキング光は、レンズ18を通り、ガルバノメトリックミラー16の上側反射面16bで一旦反射され、更に凹面ミラー20で反射され、再びガルバノメトリックミラー16の方へ戻される。ここで、リレー光学系の機能により、ガルバノメトリックミラー16の上側反射面16bで反射された両光束は、ガルバノメトリックミラー16の切欠部の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー16に反射されることなく、イメージローテータ15に向かう。
イメージローテータ15を経て、波長選択ミラー9により対物レンズ2の方向に偏向された両光束は、対物レンズ2を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。このとき、トラッキング光は、マスク23により、測定点を含みその血管をカバーする長方形の領域を照明するように、その大きさが血管走行方向300〜500μm程度、血管直角方向に500〜1200μm程度に整形されており、又、測定光は測定する血管の太さ程度の50〜120μmの円形スポット又は血管走行方向に長手方向を有する楕円形状とされている。
眼底Eaでの散乱反射光は、再び対物レンズ2で集光され、波長選択ミラー9で反射されてイメージローテータ15を通り、ガルバノメトリックミラー16の下側反射面16aで反射され、フォーカスレンズ17を通り、ダイクロイックミラー27において測定光とトラッキング光とが分離される。
そして、トラッキング光は、ダイクロイックミラー27を透過し、拡大レンズ28により一次元CCD29上で眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像として結像する。このときの撮像範囲は、トラッキング光の照射範囲とほぼ同一の大きさである。この血管像信号は、トラッキング制御部34に入力され、血管の位置信号に変換される。トラッキング制御部34は、この信号を使用してガルバノメトリックミラー16の回転角を制御し血管のトラッキングを行う。
又、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部は、波長選択ミラー9を透過し、孔あきミラー8の背後の眼底観察光学系に導かれ、トラッキング光は、スケール板12上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光は、このインジケータTの中心部にスポット像として結像する。これらの像は、CCDカメラ14を介してモニター38上に図2に示すように眼底像Ea’及び視標像Fと共に観察される。このとき、インジケータT(トラッキング光)の中心には、図示しない測定ビームのスポット像が重畳して観察される。インジケータT(トラッキング光)は、操作部36によってガルバノメトリックミラー16を回転させることにより、スケール板12上のスケールSの範囲を一次元に移動することができる。
検者は、観察を始めるために操作部36を操作して観察用照明光を照射し、更に操作部36を操作してトラッキング光を眼底Eaに照射すると、インジケータTが被検眼Eの眼底Eaに投影される。検者は、図示しない操作桿を操作して被検眼Eの光軸と対物レンズ2の光軸が一致するように位置合わせを行い、次に眼底像のピント合わせを行う。操作部36のフォーカスノブを調整すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板6、フォーカスレンズ10,17、フォーカスユニット19が連動して光路に沿って移動する。
眼底像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板6、スケール板12、一次元CCD29は同時に眼底Eaと共役になる。検者は、眼底像のピントを合わせた後に、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする部位をスケール板12のスケールS内へ移動するために操作部36を操作する。システム制御部35は、透過型液晶6を制御して視標像Fを移動する。
検者は、次に操作部37を操作して“測定部位選択終了”を入力する。図3はシステム制御部35の「測定対象が動脈血管、静脈血管、視神経乳頭の何れであるかを自動判別する」ことに関わる動作を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、システム制御部35は、操作部36から“測定部位選択終了”の入力がされたか否かを判断する。“測定部位選択終了”の入力がされていない場合(NO)には、予め定めた時間経過の後にステップS1が繰り返され、“測定部位選択終了”の入力待機状態となる。そして、測定部位選択終了の入力がされる(YES)と、システム制御部36はステップS2で測定光を眼底に照射する。
上記“測定部位選択終了”の入力待機状態の間に、血管を測定する場合、検者は操作部36を操作してイメージローテータ15を回転させることにより、図4に示すようにインジケータT(トラッキング光)を回転させて、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
すると、血管Wvの走行方向に対してフォトマルチプライヤ33a,33bの中心を結んだ線が平行になる。このとき、操作部36によってガルバノメトリックミラー16を回転させることにより、一次元CCD29の画素配列の方向と測定ビームの移動方向は、同時にこれと直角の血管に対して垂直な方向に調整される。この後に、検者は操作部37を操作して図5に示すようにインジケータTの中心付近を測定部位に移動する。視神経乳頭の測定の場合は図4及び図5の操作は不要である。
その後、システム制御部35は、ステップS3で、CCDカメラ14の観察領域内で赤色の光強度が最も大きい位置Orを求める。この位置は検者が測定を行おうとしている測定部位である。次に、直ちにステップS4で測定光、トラッキング光をオフし、ステップS5でOrを中心にした所定の画素数Bを一辺とする正方形の領域内に血管があるかどうかを判断する。その方法は、血管が領域内に存在しない場合にはほぼ均一な光強度となり、存在する場合には、血管部分の光の反射が血管以外の部分と比べて少なくなっていることを利用する。以下にその手順を説明する。
図6は血管が存在しない時の処理の説明図を示し、CCDカメラ14の観察領域内のうちの上記正方形領域SAにおいて、矢印は観察される複数ライン内の1ラインを示し、グラフLSはそのラインでの位置を横軸、光強度に相当する電気信号を縦軸に表したもので、このラインでは光強度の大きい明るい部分と光強度の小さい暗い部分の差は小さくなっている。
第1のステップとして、図3に示す正方形領域SAの上部ラインから下方に、順次に各ライン上での電気信号の最大値と最小値を求め、その差(最大値−最小値)から電気信号の幅を求める。
第2のステップとして、それぞれの電気信号の振幅が、上記正方形領域SA内の最も明るいレベルと無信号であるゼロレベルとの差の半分に満たないかどうかを比較していく。図6の場合は、それぞれの矢印に対する電気信号の幅は、上記正方形領域内の最も明るいレベルとゼロレベルとの差の半分に満たないと判断される。このようにして、正方形領域SA内の最大値と最小値の幅を求めていき、幅が小さいときは正方形領域SA内の光強度がほぼ均一であり、血管が存在しない場所に測定ビームが照射されている、即ち検者が視神経乳頭部を測定しようとしていると判断することができる。
次に、正方形領域SA内に血管が存在するときは、図7に示すように血管部分の光強度が小さくなっている部分Hが存在する。図8(a)は図7の矢印の1ラインを左方向より走査したときの拡大図を示す。
正方形領域SA全体の光強度の最も大きい明るいレベルMaxと無信号であるゼロレベルMinの中間値Midより光強度が小さくなっている部分Hが存在する。そして、光強度の小さい部分が存在する領域を計数する図示しないカウンタが設けられ、このカウンタは、既に求めてある中間値Midよりも光強度の小さい部分が存在した場合には、図8(b)に示すように、カウンタをインクリメントしていき、途中に光強度の大きい部分が存在するとリセットされるようになっている。このカウンタの値が所定値Thを越えたときに、血流測定が可能な血管径の血管が存在すると判断し、血管が存在する場所に測定ビームが照射されている、即ち検者が血管を測定しようとしていると判断することができる。
尚、正方形領域SAの映像信号を複数使用して判断すると判別精度がより高くなる。
図3のフローチャートに戻り、システム制御部35がステップS5で血管があると判断(YES)した場合は、次にステップS6でその血管が動脈か静脈かを判別する。図8でのカウンタの値が所定値Thを越えたときに相当する走査領域の場所を求めることにより血管の位置が分かり、CCDカメラ14の信号のうち、血管に相当する部分の信号から、赤色の光強度(R)と緑色の光強度(G)を求め、R/(R+G)を算出する。
次に、この血管のR/(R+G)と所定の値Lとを比較し、値Lよりも大きければ静脈、小さければ動脈と判別している。このように、動脈が静脈よりも赤色の度合いが強いことを利用し、色の度合いを数字で表すことにより、動脈か静脈かの判断を行っている。
尚、本実施の形態においては、L=0.75としているが、この値は検者が変更可能としても良い。又、256階調で赤色の光強度を算出しているが、階調の分解能を変えても良い。更には、眼底写真から被検眼毎にLの値を算出して動脈か静脈かの判断を行う方法や、RGB全ての光強度を考慮する方法も考えられる。
システム制御部35は、ステップS6で動脈と判断(NO)した場合と静脈と判断(YES)した場合とで、それぞれステップS7,S15で共にトラッキング光をオンにして、ステップS8,S16でモニター38にそれぞれ“A”,“V”と表示し、ステップS9,S17で検者からの操作部36によるトラッキング開始の入力を待ち、入力があったらステップS10,S18で共焦点絞り31を光路に挿入する。動脈の場合と静脈の場合で、それぞれステップS11,S19で共に測定光をオンにし、次にそれぞれステップS12,S20で眼底の動きに伴う血管の動きの追尾、即ちトラッキングを開始する。
検者は、トラッキングの良否を確認した後で、操作部36の測定スイッチを押す。システム制御部35は、ステップS13,S21で共に検者からの、その測定開始の入力を待ち、入力があるとステップS14,S22でそれぞれ2秒間の動脈での測定、静脈での測定を行う。勿論、静脈の場合は、拍動の影響が少なく血流の変動が少ないので、1秒間の測定に設定しても良い。
ここで、トラッキングの動作について説明する。
トラッキング制御部35において、一次元CCD29の受光信号に基づいて血管像の一次元基準位置からの移動量が算出される。そして、トラッキング制御部34によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー16が駆動され、一次元CCD29上の血管像の受像位置が一定になるように制御される。
次に、血管での血流の測定方法について説明する。
被検眼の眼底血管からの測定光の散乱反射光を2個のフォトマルチプライヤ33a,33bにより受光し、血流からの散乱反射光であるドップラーシフトした成分と静止している血管壁からの散乱反射光との干渉信号を検出し、このデータを周波数解析して、次式によって血流速度(最大血流速度Vmax)を求める。
Vmax={λ/(n・α) }・ ||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||/cosβ …(1)
ここで、2個のフォトマルチプライヤ33a,33bで受光した受光信号から算出した周波数の最大シフトをそれぞれΔfmax1 ,Δfmax2 、レーザの波長をλ、測定部位の屈折率をn、眼内での2つの受光光軸のなす角度をα、眼内で2つの受光光軸が作る平面と血流の速度ベクトルとのなす角度をβとしている。
このように2方向から計測を行うことによって測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底上の任意の部位の血流を計測することができる。そして、ステップS1の“測定部位選択終了”の入力待機状態の間での検者の操作について説明したように、検者が操作部36を操作してイメージローテータ15を回転させると、2つの受光光軸が作る平面と眼底の交線と血流の速度ベクトルとのなす角βを一致させることになり、β=0°となって真の最大血流速度を測定することができる。
求められた最大血流速度Vmaxを記憶手段37に記憶し、又、モニター38にその数値を表示する。
次に、動脈と静脈との解析での異なる部分について説明する。
ドップラーシフト信号の周波数解析には一般的にFFT(Fast Fourier Transform) 処理が用いられるが、このとき周波数の分解能を上げるために多くの時系列のデータが必要となる。しかし、動脈は周期的に変化し収縮期には急激に血流速度が速くなるので、余り多くの時系列データを用いて周波数解析を行うと、本来の変動を見失う可能性がある。
一方、静脈は殆ど変動がないために、多くの時系列のデータを用いれば周波数分解能を上げて周波数解析を行うことができる。従って、動脈の変動を見失わない程度の時間でデータを取って周波数解析を行うように調整する必要が生ずる。このように、精度良く測定するには、測定対象の血管が動脈か静脈かに応じて最適な解析方法が異なる。
尚、本実施の形態では、最大血流速度までしか求めていないが、一次元CCD29上の血管像等から血管径を求めて血流量を算出しても良い。
ステップS5に戻り、血管がないと判断(NO)した場合は、システム制御部35はステップS23でモニター38に“D”と表示し、ステップS24で検者からの測定開始の入力を待つ。入力があるとステップS25で共焦点絞り31を光路から外し、ステップS26で測定光をオンにし、ステップS27で1秒間の視神経乳頭の測定を行う。
尚、本実施の形態では、共焦点絞り31を光路から外しているが、血管での測定を行うときの共焦点絞り31とは形状や大きさが異なる受光絞りと切り替える構成にしても良い。又、本実施の形態では、測定対象が血管と視神経乳頭とで、測定光の形状、大きさや光量は変わらないが、絞りを挿脱、或は異なる絞りを切り替えることにより、測定光の形状、大きさが変更できる構成にしたり、測定光の光量を測定対象に応じた最適な光量に変更するようにしても良い。
測定光の眼底での散乱反射光は2個のフォトマルチプライヤ33a,33bに受光され、システム制御部35は、この受光出力信号をシステム制御部35に取り込み、FFT処理等の周波数解析を行い、以下のようにして視神経乳頭部の血流速度を求める。
図9は視神経乳頭部内の血流からの受光信号を周波数解析した結果の一例であり、横軸は周波数Δf、縦軸はその出力S0を示している。周波数の低い部分は、図中に示す滑らかな曲線で近似することができ、その曲線の周波数Δfと出力Sとの関係は定数K,αを用いて、
S0(Δf)=−K・ log(Δf/α) …(2)
という近似式で表すことができる。ここで、αは横軸との切片となる。
測定光の波長λを用いて式(2)を変形すると、視神経乳頭部内の血流の相対平均速度は、次式で与えられる。
V=α・λ/2 …(3)
そして、システム制御部35は、2個のフォトマルチプライヤ33a,33bの受光信号を用いて以上のようにして求めた視神経乳頭部内の血流の2個の相対平均速度を平均した相対平均速度Vmを記憶手段37に記憶し、又、モニター38にその数値を表示する。
尚、本実施の形態では、2個のフォトマルチプライヤ33a,33bの受光信号を用いているが、それらは同じ信号であるため、簡略化のために片方のフォトマルチプライヤの受光信号のみを用いても良い。
又、ステップS8,S16,S23でモニターに表示される測定部位の種類の識別が間違っていた場合は、図3のフローチャートには示していないが、検者は操作部36から正しい種類を選択することができる。
本発明は、被検眼の眼底部に測定光を照射し、眼底部からの散乱反射光を受光し、この受光信号を解析して血流に関する情報を算出する眼底血流計に対して適用可能である。
実施の形態の眼底血流計の構成図である。 モニター上の眼底観察画像の説明図である。 「測定対象が動脈血管、静脈血管、視神経乳頭の何れであるかを自動判別する」ことに関わる動作を示すフローチャート図である。 検者視野の説明図である。 検者視野の説明図である。 測定部位とCCDカメラ正方形領域の信号の説明図である。 測定部位とCCDカメラ正方形領域の信号の説明図である。 CCDカメラ正方形領域の信号のグラフ図である。 視神経乳頭部内の血流からの受光信号を周波数解析した結果を示す図である。
符号の説明
1 観察用光源
2 対物レンズ
6 透過型液晶板
8 孔あきミラー
9 波長選択ミラー
12 スケール板
14 CCDカメラ
15 イメージローテータ
16 ガルバノメトリックミラー
19 フォーカスユニット
25 測定用光源
26 トラッキング用光源
29 一次元CCD
31 共焦点絞り
33a,33b フォトマルチプライヤ
34 トラッキング制御部
35 システム制御部
36 操作部
37 記憶手段
38 モニター

Claims (5)

  1. 測定光を被検眼の眼底に照射する照射手段と、前記測定光により眼底から生ずる散乱光を受光する受光手段と、少なくとも前記測定光の照射位置近傍を照明する照明手段と、眼底の電子画像を撮像する撮像手段と、全体の動きを制御し且つ前記受光手段からのドップラー信号成分を解析して血流に関する情報を算出する制御手段とを有し、該制御手段が検者からの測定部位選択終了の入力を受けて前記眼底の電子画像を基に測定対象が眼底血管か視神経乳頭かを判別し、該判別された測定対象の種類に応じた測定方法によって前記血流に関する情報の算出を行うことを特徴とする眼底血流計。
  2. 前記制御手段が測定対象が眼底血管であると判断した場合に該眼底血管が動脈か静脈かを判別することを特徴とする請求項1記載の眼底血流計。
  3. 前記制御手段が前記撮像手段の出力から前記測定光の照射位置とその近傍に眼底血管があるか否かを判断し、あると判断した場合は前記測定対象が眼底血管、否と判断した場合は前記測定対象が視神経乳頭であると判断することを特徴とする請求項1記載の眼底血流計。
  4. 前記制御手段が前記判別した測定対象に応じて受光絞りを挿脱或は変更することを特徴とする請求項1記載の眼底血流計。
  5. 前記判別した測定対象の種類を表示する手段と、該種類を訂正する測定対象訂正手段とを有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の眼底血流計。
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