JP4707804B2 - Uv放射線供給源用の反射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外放射線を供給する放射用の新規な反射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第5,786,598号はフラッシュランプシステムがコンタクトレンズおよび防腐性流体を収容する金属箔背面部材を備えるポリオレフィンコンテナを含むコンテナ内における微生物を不活性化するために使用できるという一般的な概念を開示している。さらに、この特許はコンテナ内の防腐性溶液中のコンタクトレンズを滅菌処理するためのフラッシュランプを使用する方法を開示しているが、当該方法は滅菌を行なう条件について何ら定めておらず、滅菌処理を行なう実施例を何ら示していない。
【0003】
また、米国特許第5,034,235号および同第4,871,559号は食物製品の表面上の微生物を不活性化するための光の極めて強度が高く極めて短い持続性のパルスの断続的な使用を開示しており、この方法がコンテナ、医療装置、およびパッケージ内の食品に使用できることを示唆している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
コンテナ内のコンタクトレンズの滅菌処理用のフラッシュランプシステムを使用する試みが今日まで行なわれてきたが、システム内において高信頼性の滅菌処理を継続的に行なえるシステムは依然として開発されていない。また、市販のシステムによる実験では、通常の動作条件下で全ての微生物に対する滅菌処理が実現されていない。コンテナに対する放射線強度を高めるためにフラッシュランプに供給する電圧を高める必要があるが、このことによりランプの寿命が短くなり、コンテナや製品の材料が損傷する。さらに、ランプの短縮化した寿命によりさらに高い頻度が必要となるランプの交換の度に、ランプ毎の放射線強度の変化により達成される滅菌度において変化が生じる。使い捨てコンタクトレンズの滅菌処理の場合に、USFDAは10-6(コンテナ当たりの微生物の数)の最小滅菌度保証値(SAL)を要求している。この10-6の滅菌度保証値は100万個のコンテナに1個の非滅菌状態のコンテナが存在する確率である。それゆえ、繰り返し使用可能で市販のものの使用を可能にするフラッシュランプシステムを用いる滅菌処理用の製品に対して均一に高エネルギーUV放射線を供給するための方法が依然として要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は高エネルギー放射線システム用の反射装置を提供し、当該反射装置はこの反射装置を照射する240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する拡散反射表面を有する反射性材料により構成される放射線供給源に少なくとも部分的に及ぶ。本発明の反射装置は標的物の面積または体積に対して均一なUV放射線を供給する。さらに、放射線をより均一にするだけでなく、この拡散反射装置は鏡面反射装置に比べた場合に当該反射装置を照射するランプからの放射線をさらに反射することができる。この均一なUV放射線は標的物の体積内の全ての場所に最小量の放射線を低電圧で供給するようにランプを使用して当該ランプの有効寿命を延長することができる。この結果、ランプ間の変異性がこの拡散反射装置により減少できる。
【0006】
また、本発明は楕円形状の単数または複数の反射装置を提供する。複数の楕円形状の反射装置を使用して反射性の空孔部を形成する場合に、好ましくはこの空孔部の表面のほぼ全体または全体が拡散性の反射表面であり、反射装置が交差して標的部により満たされる空間部を形成する場合にこれらの反射装置の基部が当該標的部に適合する大きさを有していて、不要な空間部が最小にできるように構成されている。この不要な空間部とは、放射線が標的物を照射することなく標的物のそばを通過することができる空間を意味する。このような反射装置の構成により、ランプから標的物への放射線の反射が最大にできる。
【0007】
本発明の新規な反射装置は薬剤、医療、および化粧用の製品を含む製品を滅菌処理するためにこれらの反射装置を有する好ましくはパルスフラッシュランプシステムのような放射線システムを使用可能にし、これらの製品の製造においてインラインモードで使用できる。さらに、この標的物に対して均一な放射線を供給する本発明に開示される反射装置は光重合化、表面処理およびレーザー用途等にも使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基いて説明する。
用語の「紫外放射線」または「UV放射線」とは、200nm乃至400nmの単一または複数の放射線を意味する。なお、「紫外放射線」または「UV放射線」において範囲を特定する場合は、放射線の比較的狭い範囲とは200nm乃至400nmの範囲内を意味する。さらに、特定された範囲は、特別な断りのない限り、この範囲内の単一または複数の波長を有する放射線を意味する。
【0009】
さらに、「幅広いスペクトルの放射線」とは、放射線の少なくとも一部分がUV放射線である20nm乃至1100nmの波長の少なくとも大部分を有している放射線を意味する。
【0010】
また、「放射線を標的物に向ける(照射する)」とは、反射、透過、または反射性発光により放射線を標的物に送給することを意味する。この照射される放射線は標的物に直接的または間接的に到達して、その幾分の量が意図的または偶然に減衰して減らされる。なお、この場合の「標的物」とは、医療装置、コンテナ、または放射線が照射される表面等である。
【0011】
本発明は高エネルギー放射線供給源用に使用するための反射装置を提供する。この本発明の反射装置と共に使用できる高エネルギー放射線供給源はフラッシュランプ、アークランプ、レーザー(連続式または不連続式)、重水素ランプ、またはキセノンガスまたは水銀蒸気光供給源等の連続波光供給源のような分離式または連続式の非干渉性ランプを含む。これらのUV放射線供給源は高エネルギー式であり、フラッシュランプの場合に0.1ジュール/cm2 または連続式放射線供給源の場合に20ワット/cm2 以上のエネルギーを発生して、好ましくは、240nm乃至280nmの放射線を少なくとも1%含んでいる。現在において好ましいと思われるUV放射線供給源は、1回のフラッシュ当たりの少なくとも10ミリジュール/cm2 がUV放射線である1回のフラッシュ当たりに少なくとも1ジュール/cm2 の幅広い放射線(100nm乃至3000nm)を生じる例えば1個乃至6個の任意数のランプを備えているフラッシュランプシステムである。本発明の好ましい用途はコンタクトレンズ(標的物)の滅菌処理用のフラッシュランプシステムにおける使用を含む。本明細書に参考文献として含まれる「滅菌処理の方法」と題する米国特許出願第09/259,758号(代理人整理番号:VTN−388)はコンタクトレンズを滅菌処理する方法をさらに詳細に説明している。この場合に、240nm乃至280nmの放射線が微生物の滅菌処理に最も有効な範囲であるが、多くの文献において254nmがこの範囲の最高値であることが示されている。
【0012】
上記の反射装置は反射性材料および拡散性の反射表面により構成されている。この反射装置は標的物を照射する240nm乃至280nmの放射線の50%以上、さらに好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上を反射する。本明細書に記載する材料を使用する本発明の反射装置の多くは240nm乃至280nmの放射線の95%以上を反射する。幾つかの実施形態の場合に、上記の反射性材料はは当該材料を照射する250nm乃至270nmの放射線の50%以上、さらに好ましくは75%以上、最も好ましくは90%以上を反射する。これらの240nm乃至280nmおよび250nm乃至270nmの範囲は所望の範囲と言われ、反射装置はこの特定の範囲外の付加的な放射線を反射してもしなくてもよいが、少なくとも当該所望の範囲内の特定の割合の放射線を反射する。反射される放射線の量には反射装置により吸収される放射線および所望の範囲内の異なる波長で再発光される放射線が含まれる。また、この反射装置は当該装置に照射する所望の放射線の全ての波長の少なくとも一部分を反射するのが好ましい。また、上記の反射性材料は単一の割合で所望範囲内の全ての波長を反射しなくてもよく、特定の反射性材料は用途により適したものを選ぶことができる。また、反射性材料の混合物を使用して所望範囲内の特定または全ての波長における反射性を改善することができる。
【0013】
本発明の反射装置は好ましくは1.7以上、さらに好ましくは2以上、最も好ましくは3以上の品質(Q)係数(Quality Factor)を有している。この品質係数は全ての放射線供給源および閉じた空孔部に構成されたそれらの反射装置からの標的物領域内において測定された全エネルギーを開口した空孔部における標的物の領域または空間内において個々に測定された各ランプおよび反射装置からのエネルギーで割った比率値として定義される。2個の反射装置および2個のランプにより構成される好ましい実施形態において、このQ係数は3以上であり、好ましくは4以上で、最も好ましくは5以上である。
【0014】
反射装置の一部分である上記の反射性材料は放射線供給源からの放射線を標的物に対して反射する。この標的物は、例えば、滅菌処理、光活性化、表面処理、光重合化等の目的のために放射線により影響を受ける任意の材料である。さらに、この標的物は、例えば、製品、特に医療製品、ポリマー、モノマー、レーザー媒体、および色素とすることができる。さらに好ましい標的物は滅菌処理用の医療製品である。また、本発明の反射装置は標的物に放射線を向けるような形状に形成されている。好ましくは、本発明の1個以上の反射装置が1個以上のランプを備えている放射線システム内において使用されている。好ましくは、上記の単一または複数の反射装置は単一または複数の放射線供給源をほぼ取り囲んでいるか、少なくとも部分的に取り囲んでいる。好ましくは、これらの反射装置はランプの中心線から少なくとも180°取り囲んでいる。加えて、本発明の単一または複数の反射装置は標的物をも取り囲んでいるのが好ましい。さらに、本発明の単一または複数の反射装置は標的物の寸法および形状とほぼ同じである大きさの標的物の領域または空間部を取り囲む空孔部、トンネル、中空球、またはチャンバーを形成していて、1個の反射装置から他の1個の反射装置または標的物の対向側に位置する反射面の1個の表面から他の1個の表面に標的物を通過またはこれに吸収されることなく通過できる放射線の量が最小になっているのが好ましい。好ましくは、各放射線供給源により発生する全放射線の好ましくは50%以下、さらに好ましくは25%以下、最も好ましくは10%以下の放射線が標的物を通過またはこれに吸収されることなく当該標的物のそばを通過するようになっている。また、標的物の領域または空間部は反射装置の焦点または焦点面に局在化している。反射装置は標的物に対して直接的または間接的に所望の放射線を反射して、所望の放射線が標的物を照射する前に、例えば単一または複数の反射装置の別の表面、ミラー、光ファイバー等の、他の装置を照射することがあり得る。
【0015】
本発明の拡散反射装置は標的物の領域または空間部に対して少なくとも所望の放射線の均一な量の放射線を供給する。この「均一な量の放射線」とは、標的物の領域または空間部内のエネルギーの高さにおける変化が8ミリジュール/cm2 以下、さらに好ましくは6ミリジュール/cm2 以下、最も好ましくは5ミリジュール/cm2 以下であることを意味する。また、この標的物の領域または空間部内のエネルギーの高さにおける変化は15%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。それゆえ、標的物の領域または空間部を有する処理空孔部を形成するために反射装置により囲まれた等価な放射線供給源を有する2個の放射線システムにおいて、唯一の差異が反射装置の種類である場合に、拡散反射装置を使用するシステムは標的物の領域または空間部に対して少なくとも等価な平均量の放射線を一般的に供給して、より均一な量の放射線を標的物の領域または空間部に供給できる。
【0016】
さらに、上記の反射装置は本発明において境界の角度領域に有効に放射線を供給して微生物の放射線から逃れる機会を少なくしている。鏡面反射装置を使用する場合は、放射線の入射角度はそれほど変化しないために、別の微生物、または屈折、回折、またはパッケージ内の反射性要素により微生物が放射線から遮蔽される可能性が増大する。すなわち、1個以上の鏡面反射装置を有するシステムの場合の標的物の領域または空間部に対する入射角度は0.5°乃至6°である。一方、本発明の1個以上の反射装置を有するシステムの場合は、この入射角度は40°乃至180°である。標的物に対する放射線の入射角度が大きくなるほど、微生物の滅菌度が高まり、その隠ぺい率値が大きくなる。すなわち、この「隠ぺい率値」とは、障害物のない(空の)標的物領域または空間部内における放射線の強度の障害物のある標的物領域または空間部内における放射線の強度の比率値である。さらに、障害物のある標的物の領域または空間部には吸収、反射、屈折、回折または分散により強度を低下する1種類以上の要素が存在している。このような要素の例として、レンズ、パッケージ材、微生物、気泡、表面形状等が含まれる。なお、放射線は本明細書に参考文献として含まれる「滅菌処理システム」と題するEbel他の米国特許出願題 号(代理人整理番号:VTN−443)に記載されるモニターシステムにより測定できる。また、障害物のある場合の放射線測定はパッケージ内にセンサーを配置することにより行える。本発明の反射装置は標的物の領域または空間部において1.5以下の隠ぺい率値を示す。この値は10以上の隠ぺい率値を示す鏡面反射装置に比べて相当の差がある。
【0017】
本発明の拡散反射装置用の好ましい反射性材料としては、アルカリ金属化合物(酸化物およびハロゲン化物)、重金属酸化物(例えば、バリウム)、2価金属酸化物(例えば、マグネシウム)、および多価金属酸化物(例えば、イッテルビウムまたはアルミニウム)等が含まれるがこれらに限らない。さらに、この反射性材料は組成式Ma b c d に従って選択することができ、この式において、Mは単一または混合の金属、好ましくは希土類金属であり、Oは酸素、Xは硫黄、窒素、およびリン等のヘテロ原子、およびHはハロゲン化物、好ましくはフッ素であり、aは1乃至20、好ましくは1乃至12、bは0乃至20、好ましくは0乃至12、cは0乃至20、好ましくは0乃至12、およびdは0乃至20、好ましくは0乃至12であり、少なくともb,cまたはdは1とする。これらの材料は不純物の量が反射装置の特性を低下しない程度に十分な純度を有する必要がある。好ましくは、これらの材料の純度は99.9%以上であり、さらに好ましくは99.99%以上である。表1に有用な固体の材料の例を示す。表1に有用な反射性材料を示しており、さらに当該反射性材料の平均の反射能の%値を示している。これらの屈折能の%値はキュベット内に固体材料サンプルの乾燥パウダーを詰めて、このキュベットをサンプルから反射した放射線を測定する一体の球面を有する分光光度計内に入れることにより決定した。
Figure 0004707804
Figure 0004707804
【0018】
上記の反射性材料の組成式において、aが1乃至6、bが2乃至11、およびcおよびdが0の場合に、この反射性材料は酸化カルシウム(CaO)、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化ランタン(La2 3 )、酸化テルビウム(Tb4 7 )、およびチタン酸バリウム(BaTiO3 )のような金属酸化物である。aが1で、dが2で、bおよびcが0である反射性材料の一例はフッ化マグネシウム(MgF2 )である。別の反射性材料として、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2 3 )、酸化バリウム(BaO)、チタン酸バリウム(BaTiO3 )、酸化ホルミウム(Ho2 3 )、酸化カルシウム(CaO)、酸化ランタン(La2 3 )、酸化ゲルマニウム(GeO2 )、酸化テルリウム(TeO2 )、酸化ユーロピウム(Eu2 3 )、酸化エルビウム(Er2 3 )、酸化ネオジミウム(Nd2 3 )、酸化サマリウム(Sm2 3 )、酸化イッテルビウム(Yb2 3 )、酸化イットリウム(Y2 3 )、フッ化マグネシウム(MgF2 )、硫酸バリウム(BaSO4 )および酸化ジスプロジウム(Dy2 3 )が含まれる。さらに別の例として、他の希土類元素の無反応性酸化物、希土類ハロゲン化物、および金属混合酸化物が含まれる。好ましい反射性材料は酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、および酸化イッテルビウムであり、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウムおよび硫酸バリウムが最も好ましい。
【0019】
上記の反射装置の好ましい形状は楕円形である。単一の楕円形状を有する反射装置の場合に、標的物の領域または空間部およびランプの位置はこの楕円の各焦点に配置されているのが好ましい。また、2個以上の反射装置を有する反射システムの場合は、これらが交差して空孔部を形成しているのが好ましく、標的物の領域または空間部が楕円形の焦点に位置するかこれを囲んでおり、1個以上のランプが当該楕円形の反対側の焦点に配置されている。2個の楕円形状の反射装置を有する好ましい構成において、各反射装置の焦点は標的の空間部内の異なる位置にある。このような好ましい構成(図1参照)において、下方の反射装置の焦点は標的物空間部の上部にあり、上方の反射装置の焦点は標的物空間部の底部にある。
【0020】
図1は例えばフラッシュランプシステム100(このようなフラッシュランプについてのさらに詳細な説明が本明細書に参考文献として含まれる米国特許第4,464,336号、同第5,034,235号および同第4,871,559号に記載されている。)等の放射線システム100において使用するための本発明の2個の拡散反射装置110および120を示している図である。この放射線システムは反射装置110および120、およびフラッシュランプ130および140により構成されている。反射装置110はフラッシュランプ130をほぼ囲んでいる。また、反射装置120はフラッシュランプ140をほぼ囲んでいる。各ランプ130,140は各反射装置120,130の一方の焦点にそれぞれ配置されている。さらに、反射装置110および120は標的物70が配置されている標的物空間部160(点線で示されている)を囲んでいる。反射装置120,130の他方の焦点(図示せず)はこの標的物空間部の内部に存在している。図示のように、反射装置は標的物を通過することなく一方の反射装置から他方の反射装置に至る放射線を最少にするように標的物空間部を構成する形状に形成されている。標的物170はコンタクトレンズ(図示せず)および溶液(図示せず)を収容しているコンタクトレンズコンテナである。この標的物170は標的物空間部160の底部を形成している標的物支持体150により保持されている。この標的物支持体150は透明ガラス、結晶材料、石英板等である。図1において、フラッシュランプ100は垂直形状を有して示されているが、このシステムはあらゆる回転角度で回転可能であり、標的物支持体150は例えば、標的物170に適応するフック、コンベア、または中空ブロック等に変更または交換できる。あるいは、標的物に放射線を照射するために任意数の反射装置を使用できる。好ましくは、これらの反射装置は閉じた空孔部を形成するように構成されており、この空孔部はドア等を介して開けることができて当該空孔部内に標的物を入れることができ、空孔部が閉じている時に放射線の処理を行なうことができ、その後、この空孔部を開いてまたは他の接近手段により処理した標的物を取り出す。また、空孔部が閉じている時に、光が漏れない状態になっている。
【0021】
これらの反射装置は同一の大きさおよび形状を有して示されているが、必要に応じてこれらを異なるものにすることも可能である。図示のように、反射装置110および120はそれぞれ反射装置支持体121,123および反射コーティング122,124を備えている。これらの反射コーティング122,124は拡散反射層を形成する任意の反射性材料により作成できる。さらに、これらの反射性コーティング122,124は単一の層として示されているが、必要に応じて、これらを種々の反射性材料から成る多数の層に構成できる。
【0022】
これらの反射性コーティング122,124は同一または異なっていてもよく、塗布、スプレー、浸漬、キャスティング、コンバージョンコーティング、ゲルコーティング、エッチング、化学蒸着、スパッタリング、プラズマスプレー、レーザー蒸着、または、例えば、反射性材料から成るフィルムの接着剤による化学的または機械的な結合により反射装置支持体121,123に対して適用できる。好ましい反射性コーティングの適用方法は反射性材料を反射装置支持体121,123上に塗布またはスプレーする方法である。反射性材料を支持体121,123上に塗布するために、好ましくは、反射性材料および結合剤から成る水性または非水性の懸濁液を形成する。有用な結合剤はポリマー、無機物またはゾル−ゲルであり、さらに好ましくは無機物またはゾル−ゲルであり、最も好ましくは無機物である。好ましい懸濁液は0.1重量%乃至50重量%の結合剤、0.1重量%乃至99.9重量%の反射性材料、および0.1重量%乃至90重量%のキャリヤにより構成されている。このキャリヤはコーティングを適用するための反射性材料および結合剤の希釈液を形成するために使用する液体である。有用なキャリヤの例は水、アルコール、アルカン、フレオン等であり、水が最も好ましい。
【0023】
さらに、反射性材料から成るコーティングを作成するのに有用なポリマー結合剤の例はポリビニルアルコール、シアノアクリレート、アクリル樹脂、およびシリコーンである。なお、現在においては、ポリマー結合剤は高エネルギーUV放射線において劣化しやすいのでその使用が制限されている。また、反射性材料から成るコーティングを作成するのに有用な無機物の結合剤の例はケイ酸ナトリウム、低温焼結ガラス、ナトリウム、カリウムおよびリチウムのケイ酸塩のようなアルカリ酸化物のケイ酸塩である。さらに、反射性材料から成るコーティングを作成するのに有用なゾル−ゲル結合剤前駆体の例はアルミニウムターシャリーブトキシド、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、金属イソプロポキシド、イソプロパノール中におけるジスプロジウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるジスプロジウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるジスプロジウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるジスプロジウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるエルビウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるエルビウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるエルビウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるホルミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるホルミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるホルミウム2−メトキシエトキシド、酢酸ランタン、ヘキサン中におけるランタン2−エチルヘキサノエート、ランタンイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるランタン2−メトキシエトキシド、エタノール中におけるマグネシウムエトキシド、メタノール中におけるマグネシウムメトキシド、2−メトキシエタノール中におけるマグネシウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるネオジミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるネオジミウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるネオジミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるネオジミウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド、ヘキサン中におけるサマリウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるサマリウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイッテルビウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるイッテルビウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、およびトルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド等がある。さらに、好ましいゾル−ゲル前駆体はイソプロパノール中におけるエルビウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるエルビウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるエルビウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるホルミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるホルミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるホルミウム2−メトキシエトキシド、酢酸ランタン、ヘキサン中におけるランタン2−エチルヘキサノエート、ランタンイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるランタン2−メトキシエトキシド、エタノール中におけるマグネシウムエトキシド、メタノール中におけるマグネシウムメトキシド、2−メトキシエタノール中におけるマグネシウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド、ヘキサン中におけるサマリウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるサマリウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイッテルビウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるイッテルビウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、およびトルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシドである。さらに好ましいゾル−ゲル前駆体は酢酸ランタン、ヘキサン中におけるランタン2−エチルヘキサノエート、ランタンイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるランタン2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイッテルビウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるイッテルビウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、およびトルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシドである。
【0024】
これらの結合剤の一部は反射性材料として単独で使用でき、特に懸濁液内において上述のように適用されるか、焼結されて反射性組成物、コーティングまたは固体ブロックのいずれかを形成するゾル−ゲルとして使用できる。このような反射性材料として単独で使用できる結合剤前駆体の例として、ジスプロジウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるジスプロジウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるジスプロジウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるジスプロジウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるジスプロジウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるエルビウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるエルビウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるエルビウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるホルミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるホルミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるホルミウム2−メトキシエトキシド、酢酸ランタン、ヘキサン中におけるランタン2−エチルヘキサノエート、ランタンイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるランタン2−メトキシエトキシド、エタノール中におけるマグネシウムエトキシド、メタノール中におけるマグネシウムメトキシド、2−メトキシエタノール中におけるマグネシウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるネオジミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるネオジミウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるネオジミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるネオジミウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド、ヘキサン中におけるサマリウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるサマリウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイッテルビウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるイッテルビウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、およびトルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド等が含まれる。
【0025】
あるいは、上記の反射性コーティングは上記反射性材料および結合剤の任意のものにより構成できてフィルムの形態に形成された後に反射装置支持体に化学的または物理的に結合できる。あるいは、上記の反射性材料を金属酸化物またはパウダー化したガラスと混合して焼結することにより反射装置支持体に化学的または機械的に結合できる反射性材料のフィルムを形成できる。既に述べたように、最も好ましい反射性材料は硫酸バリウム、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、および酸化マグネシウムである。
【0026】
上記の反射性コーティングは0.1ミクロン乃至2500ミクロンの厚さを有するコーティングを形成するのに適用されるのが好ましい。(2500ミクロンよりも厚いコーティングは材料のブロックと考えられる。)このコーティングは同一の反射性材料の多層構造に適用されるのが好ましく、同一のコーティング組成を用いるのが好ましい。
【0027】
上記の反射装置支持体121,123は上記の1種類以上の反射性コーティングを適用したフィルムまたは箔のような付加的なコーティングにより構成できる非反射性の反射装置支持体または反射性の反射装置支持体とすることができる。また、反射性支持体は拡散性または鏡面にできる。さらに、この反射性支持体を金属により構成してもよい。反射性の反射装置支持体の一例は固体の研磨処理したアルミニウムのような金属でその形状を維持できるのに十分な厚さを有するものでランプを囲む場所にボルト等で取り付けできるもの、あるいは、反射性の反射装置支持体を形成するための所望の反射装置の形状を有する別の部品に接着できる例えば蒸着した鏡面金属シートのようなフィルムである。この反射性の反射装置支持体は上記の反射性コーティングが適用できる反射性材料から成る固体ブロックにより作成することも可能である。このような反射性材料の固体ブロックから成る反射装置を以下に説明する。
【0028】
非反射性の反射装置支持体として木材、ポリマー、金属およびセラミックを含むほとんどあらゆる材料が使用できる。
【0029】
別の実施形態において、本発明の拡散反射装置は反射性材料から成る成形固体により構成できる。この成形固体は反射性材料と金属酸化物またはパウダー化したガラスを混合し、これらを焼結して反射装置を形成することにより形成できる。さらに、反射性材料および金属酸化物またはパウダー化したガラスは反射装置の形状に焼結できる。あるいは、反射装置は反射性材料と結合剤を混合して反射装置の形状またはそれ以外の形状に成形固体を形成した後にこの成形固体を機械加工して反射装置の形状にできる。あるいは、反射性材料を供給材料に調合剤として添加して反射装置の形状に石英、結晶材料、サファイア、またはUV放射線透過性ガラスを形成することによりガラス反射装置を作成できる。
【0030】
図2は本発明の別の実施形態を示している図である。この図2において、放射線システムは単一のランプおよび単一の反射装置220を示している。この反射装置220はランプおよび標的物の両方を囲っている。標的物空間部260は反射装置の焦点または焦点面に配置されており(点線で示されている)、この中に標的物270が配置される。この場合、標的物270はコンタクトレンズコンテナである。反射装置220は反射装置支持体221、材料層210、および透明支持体201により構成されている。この透明支持体201は当該支持体を照射する放射線、好ましくは、所望の放射線の少なくとも一部分に対して透明である。好ましくは、透明支持体201はガラス、石英、サファイア、結晶材料等により構成されている。また、反射装置支持体221は反射性または非反射性の支持体、または上記のような支持体上のコーティングの任意の組合せにより構成できる。さらに、材料層210は1種類以上の反射性材料および/または上記の反射性材料から成る任意の組成物により構成されているが、この実施形態は詰め込んだパウダーのような透明な支持体201の存在無しには状態が維持できない反射性材料の場合に特に適している。好ましくは、この材料層210は0.1ミクロン乃至2500ミクロンの厚さを有している。
【0031】
図2に示すように、放射線システム200は選択的な反射性遮断要素202を備えている。この反射性遮断装置202は特に放射線供給源から直接の放射線が不均一である場合に標的物の領域または空間部により均一な放射性を供給するために使用できる。放射線供給源からの放射線が標的物に直接に当たることを避けるために、反射性の遮断要素202が放射線供給源240および標的物270の間に配置されている。この反射性の遮断要素202は単純な形態をしているのが好ましく、さらに好ましくは光学的に集中性を有する形態であり、最も好ましくは反射性光学機器の一体の形態を有している。有用な形状としては三角形(図2参照)および半円形がある。この反射性遮断要素は本明細書において記載する反射性材料から成る拡散反射装置であるのが好ましい。また、この反射性遮断要素は本明細書において記載する反射性組成物のいずれかにより構成できる。好ましくは、この遮断要素は放射線供給源から直接に標的物に当たるあらゆる放射線を遮断する大きさである。
【0032】
本明細書に記載する全ての拡散反射装置は反射装置上のコーティングまたは反射装置の組成物に対する添加材としての選択的な光減衰性材料により構成できる。この光減衰性材料は放射線供給源により発生されて標的物に到達する放射線から不所望な放射線を減衰するために使用される。これらの光減衰性材料および当該光減衰性材料を放射線システムに添加するための方法については本明細書に参考文献として含まれる「放射線を選択的に減衰するための材料を有するUV放射線システム」と題する本出願と同時に出願されたKimble他の米国特許出願第 号(代理人整理番号VTN−0462)に記載および開示されている。この文献に開示される光減衰性材料および当該光減衰性材料を放射線システムに組み込むための方法のあらゆるものが本発明の反射装置と共に使用できる。実際に、上記参考文献の特許出願に開示される光減衰性材料の幾つかが本発明に有用な反射性材料である。すなわち、上記の反射性材料の幾つかが一部の放射線の波長を反射して他の部分の放射線を吸収するので、反射性材料を慎重に選択することにより不所望な放射線を減衰することができる。本発明の反射装置の好ましい使用の場合において、すなわち、コンタクトレンズを滅菌処理する放射線システムにおいて、コンタクトレンズポリマーを損傷する100nm乃至240nmの放射線を減衰するのが好ましい。さらに、このような放射線はコンタクトレンズポリマーに供給される放射線から好ましくは30%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好ましくは90%以上の不所望な放射線を減衰するのが好ましい。このような100nm乃至240nmの放射線を減衰する反射性材料の例は酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化イッテルビウム、よびび酸化イットリウムである。
【0033】
標的物の領域または空間部を照射する放射線の均一さは同一形状の鏡面反射装置に比して任意の形状の拡散反射装置により大幅に改善される。加えて、放射線の量は、1個以上の拡散反射装置により、1個以上のランプを少なくとも部分的に、さらに好ましくは、これらのランプおよび標的物を少なくともほとんど囲んで空孔部またはチャンバー、好ましくは、閉じた空孔部材を形成してこの中においてランプおよび当該空孔部の反射性表面により放射線を標的物に向けることにより増大できる。このような1個以上の反射装置は円筒形、多角形、放物線状または楕円形状を有することができるが、好ましい形状は楕円形状である。図1および図2に楕円形状の反射装置を示す。なお、従来技術の反射装置は鏡面であり、直線状の面を有していて、特に放射線が比較的小さい入射角度で直線状の面に照射する場合に放射線の損失が大きい。好ましい放射線システムは2個の楕円形状の反射装置を備えており、これらは反射装置の空孔部と標的物との間に最小の空間の標的物空間部を有していて標的物を照射することなく一方の反射装置から他方の反射装置に通過する放射線の量を最少にする。しかしながら、上記の1個以上の反射装置の任意の形状が本明細書に記載する利点を提供し得る。
【0034】
実施例および比較例
分光測光モニターシステムを使用して2個の従来技術の反射装置および本発明の反射装置が個別および対を成してパルス放射線システムにより標的物領域に照射した標的物領域における240nm乃至280nmの所望範囲内の放射線を測定した。このモニターシステムは既に述べた「滅菌処理システム」と題するEbel他の米国特許出願第 号(代理人整理番号:VTN−443)にさらに詳細に記載されている。このEbel他に開示されているモニターシステムは各フラッシュの分光測光出力を測定できる。上記の反射装置は同一の放射線システム内に対を成して取り付けられ、分光測光測定を行なった。これらの反射装置は同一の放物線形状をしている。また、放射線システムはPurePulse PBS 1-4システム(カリフォルニア州サンディエゴのPurePulse 社により製造される)であり、直列に接続した2個のフラッシュランプにより構成されていて、各フラッシュランプ組立体がランプを備えており、反射装置が部分的にこのランプを囲んでいる。このPBS1−4システムはその大容量(80μF乃至160μF)および高電位(6kV以上)の故に高エネルギーパルスを発生できるパルス発生装置と制御回路とにより構成されている。両方のランプは紫外光、赤外光、および可視光を含む幅広いスペクトルの放射線を発生する。以下に記載する反射装置を用いてこの実施例において行なった上記3種類の内の2種類の測定において、上記のランプ組立体の間にアルミニウムシートを使用することにより第2のランプおよび反射装置からの放射線を第1のランプおよび反射装置(これらのために測定を行なっている)から分離した。この第1の測定はランプ組立体の保護ウインドウから21mmの標的物領域における1個のランプおよび1個の反射装置(1個のランプ組立体)に対応する1回のフラッシュ当たりの放射エネルギーの等高線プロットを作成するために使用できる。
【0035】
この等高線プロットを作成した後に、ランプに対する電圧を変化しながら以下に説明する1個のランプおよび各反射装置の1個に対応してランプから21mm離れた1個の点(ここに一体の球面が置かれている)における放射エネルギーを測定した。さらに、240nm乃至280nmにおいて測定した合計の放射線エネルギーを電圧の関数としてプロットした。その後、それぞれ以下に説明するランプおよび反射装置から成る両方のランプ組立体を使用して同一点における合計の240nm乃至280nmの放射線エネルギーを測定するために上記の工程を繰り返した。(この場合に、ランプ組立体の間のアルミニウムシートを取り外した。)さらに、240nm乃至280nmの測定した放射線エネルギーの合計を1個のランプ組立体のみからの放射線エネルギーを測定した場合と同一のグラフ上に電圧の関数としてプロットした。
【0036】
遮断要素は放射線システムの一部として加えなかった。
従来技術の反射装置Aは上記のPBS1−4システムの製造者により提供される保護用のシリコンモノオキシドのコーティングを施したアルミニウムの蒸着層を有する整形アルミニウム反射装置である。この従来技術の反射装置Aを用いた放射エネルギーの等高線プロットを図3に示す。また、図6は従来技術の反射装置Aを用いた1個のランプ組立体の場合に測定した異なるランプ電圧における240nm乃至280nmの合計のエネルギーの曲線と、従来技術の反射装置Aを用いた両方のランプ組立体により形成されてランプ組立体の間に直線状の面を有する空孔部の中における全エネルギーの第2の曲線を示している図である。
【0037】
反射装置Bは従来技術の反射装置Aの上に酸化防止用の保護層をコーティングした鏡面アルミニウム箔の薄いシートを付着することにより従来技術の反射装置Aを改変して作成した。この使用した鏡面のアルミニウム箔材はライトシート(Light Sheet)と呼ばれる。この従来技術の反射装置Bを用いたランプの標的物領域内に照射した放射エネルギーの等高線プロットを図4に示す。また、図7は従来技術の反射装置Bを用いた1個のランプ組立体の場合に測定した異なるランプ電圧における240nm乃至280nmの合計のエネルギーの曲線と、従来技術の反射装置Bを用いた両方のランプ組立体により形成された空孔部の中における全エネルギーの第2の曲線を示している図である。反射装置Bは従来技術の反射装置Aよりもより均一なエネルギーレベルを示している。
【0038】
反射装置CはBaSO4をコーティングすることにより従来技術の反射装置Aを改変して作成した。この従来技術の反射装置Aの表面にまず小さなガラスビーズを吹付けた。また、硫酸バリウムコーティング組成物を1重量部のケイ酸ナトリウム(結合剤)、10重量部の硫酸バリウム(反射性材料)、および10重量部の水(キャリヤ)を混合することにより作成した。さらに、このコーティング組成物を20層に分けてアルミニウム基板上にスプレーした。これらのコーティング処理の間に各コーティングを空気乾燥した。この反射装置Cによるランプの標的物領域内に照射した放射エネルギーの等高線プロットを図5に示す。また、図8は反射装置Cを用いた1個のランプ組立体の場合に測定した異なるランプ電圧における240nm乃至280nmの合計のエネルギーの曲線と、反射装置Cを用いた両方のランプ組立体により形成された空孔部の中における全エネルギーの第2の曲線を示している図である。
【0039】
この結果、反射装置Cの等高線プロット(図5)は従来技術の反射装置Aおよび反射装置B(図3および図4)に比べてこの拡散反射装置が標的物領域に向けるエネルギーの均一さを高めていることが分かる。このように均一さを高めることにより、微生物が滅菌処理に必要な最少の線量から逃れる可能性を減少する。等高線プロット上の各円は標的物、すなわち、互いに取り外し可能に取り付けられた12個のコンタクトレンズコンテナを現している。これらの取り外し可能に取り付けたコンテナは一般にコンタクトレンズコンテナの多数個パックを構成するために使用される。
【0040】
図8は図6に比して本発明の好ましい拡散反射装置が、ランプおよび標的物の領域または空間部を少なくとも部分的に囲んでいる場合に、好ましくは空孔部、さらに好ましくはランプからの放射線が標的物に反射、再発光および照射される閉じた空孔部を形成するように用いられるのが好ましいが、より高いQ係数を示し、鏡面反射装置による同一のチャンバーよりも高いエネルギーを供給することを示している図である。
【0041】
以上本発明を特定の実施形態に基いて説明したが、当該技術分野における通常の熟練者であれば、これらの実施形態の種々の変形または変更が特許請求の範囲およびその実施態様に含まれることが理解できると考える。
【0042】
本発明の実施態様は以下の通りである。
(A)240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する拡散反射性の表面から成る放射線システム用の反射装置において、
前記拡散反射性の表面が、1.7以上の品質係数を有し、前記品質係数が、閉じた空孔部内の全ての放射線供給源および反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において測定した合計値を、開口した空孔部内の各ランプおよび反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において個々に測定した合計値で割った比率として定義され、
前記拡散反射性の表面が、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化ジスプロジウム、酸化エルビウム、酸化ユーロピウム、二酸化ゲルマニウム、酸化ハフニウム、酸化ホルミウム、酸化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化テルリウム、酸化テルビウム、二酸化チタン、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、および酸化亜鉛のうち1つ以上を含み、
前記反射装置が、閉じた空孔を形成するように構成されることにより、放射線供給源からの放射線が前記標的物に向けて反射および再反射され、前記品質係数を高める、反射装置。
(1)前記反射装置が240nm乃至280nmの放射線の75%以上を反射する実施態様(A)に記載の反射装置。
(2)前記反射装置が240nm乃至280nmの放射線の90%以上を反射する実施態様(A)に記載の反射装置。
(3)前記反射装置が250nm乃至270nmの放射線の90%以上を反射する実施態様(A)に記載の反射装置。
(4)前記反射装置が楕円形である実施態様(A)に記載の反射装置。
(5)前記反射装置が放射線エネルギーを標的物領域に供給し、当該エネルギーにおけるばらつきが8ミリジュール/cm2 以下である実施態様(A)に記載の反射装置。
【0043】
(6)前記反射装置が放射線エネルギーを標的物領域に供給し、当該エネルギーにおけるばらつきが15%以下である実施態様(A)に記載の反射装置。
(7)前記反射装置が放射線エネルギーを標的物領域に供給し、当該エネルギーにおけるばらつきが10%以下である実施態様(A)に記載の反射装置。
(8)前記反射装置が放射線エネルギーを標的物領域に供給し、当該放射線が40°乃至180°の入射角度により構成されている実施態様(A)に記載の反射装置。
(9)前記反射装置が1.5以下の隠ぺい率を有している請求項1に記載の反射装置。
(10)組成式Mabcd に従って選択される1種類以上の反射性材料から成り、当該組成式において、Mが単一または混合の金属であり、Oが酸素、Xがヘテロ原子、およびHがハロゲン化物であり、aが1乃至20、bが0乃至20、cが0乃至20、およびdが0乃至20であって、少なくともb,cまたはdが1である実施態様(A)に記載の反射装置。
【0044】
(11)前記1種類以上の反射性材料の純度が99.9%以上である実施態様(A)に記載の反射装置。
(12)前記1種類以上の反射性材料が酸化カルシウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化テルビウム、チタン酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、チタン酸バリウム、酸化ホルミウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化ゲルマニウム、酸化テルリウム、酸化ユーロピウム、酸化エルビウム、酸化ネオジミウム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、フッ化マグネシウム、硫酸バリウム、および酸化ジスプロジウムから成る群から選択される実施態様(A)に記載の反射装置。
(13)前記1種類以上の反射性材料が希土類金属酸化物、希土類金属ハロゲン化物、および金属混合酸化物から成る群から選択される実施態様(A)に記載の反射装置。
(14)前記1種類以上の反射性材料が酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、および酸化イッテルビウムから成る群から選択される実施態様(A)に記載の反射装置。
(15)前記1種類以上の反射性材料が酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化アルミニウム、および硫酸バリウムから成る群から選択される実施態様(A)に記載の反射装置。
【0045】
(16)支持体に取り付けた反射性コーティングまたはフィルムから成る実施態様(A)に記載の反射装置。
(17)塗布、スプレー、浸漬、キャスティング、コンバージョンコーティング、ゲルコーティング、エッチング、化学蒸着、スパッタリング、プラズマスプレー、レーザー蒸着から成る群から選択される方法により適用される反射性コーティングから成る実施態様(16)に記載の反射装置。
(18)前記反射性コーティングの厚さが0.1ミクロン乃至2500ミクロンである実施態様(16)に記載の反射装置。
(19)反射性材料の詰め込んだパウダーまたはブロックから成る実施態様(A)に記載の反射装置。
(20)ポリビニルアルコール、シアノアクリレート、アクリル樹脂、およびシリコーンから成る群から選択される材料から成る実施態様(A)に記載の反射装置。
【0046】
(21)ケイ酸ナトリウム、低温焼結ガラス、アルカリ酸化物のケイ酸塩から成る群から選択される材料から成る請求項1に記載の反射装置。
(22)アルミニウムターシャリーブトキシド、ケイ酸ナトリウム、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、金属イソプロポキシド、ジスプロジウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるジスプロジウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるジスプロジウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるジスプロジウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるジスプロジウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるエルビウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるエルビウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるエルビウムイソプロポキシド、イソプロパノール中におけるホルミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるホルミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるホルミウム2−メトキシエトキシド、酢酸ランタン、ヘキサン中におけるランタン2−エチルヘキサノエート、ランタンイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるランタン2−メトキシエトキシド、エタノール中におけるマグネシウムエトキシド、メタノール中におけるマグネシウムメトキシド、2−メトキシエタノール中におけるマグネシウム2−メトキシエトキシド、イソプロパノール中におけるネオジミウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、ヘキサン中におけるネオジミウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるネオジミウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるネオジミウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシド、ヘキサン中におけるサマリウム2−エチルヘキサノエート、トルエン−イソプロパノール中におけるサマリウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるサマリウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイッテルビウムイソプロポキシド、2−メトキシエタノール中におけるイッテルビウム2−メトキシエトキシド、トルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−ジイソプロポキシド、およびトルエン−イソプロパノール中におけるイットリウムエチルヘキサノ−モノイソプロポキシドから成る群から選択される材料から成る実施態様(A)に記載の反射装置。
(23)硫酸バリウム、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、および酸化マグネシウムから成る群から選択される反射性材料から成る実施態様(A)に記載の反射装置。
(B)少なくとも1個の放射線供給源および当該少なくとも1個の放射線供給源を部分的に囲む少なくとも1個の反射装置から成り、当該少なくとも1個の反射装置が拡散反射装置である放射線システムにおいて、
前記反射装置が、1.7以上の品質係数を有し、前記品質係数が、閉じた空孔部内の全ての放射線供給源および反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において測定した合計値を、開口した空孔部内の各ランプおよび反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において個々に測定した合計値で割った比率として定義され、
前記反射装置が、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化ジスプロジウム、酸化エルビウム、酸化ユーロピウム、二酸化ゲルマニウム、酸化ハフニウム、酸化ホルミウム、酸化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化テルリウム、酸化テルビウム、二酸化チタン、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、および酸化亜鉛のうち1つ以上を含み、
前記反射装置が、閉じた空孔を形成するように構成されることにより、放射線供給源からの放射線が前記標的物に向けて反射および再反射され、前記品質係数を高める、放射線システム。
(24)前記少なくとも1個の放射線供給源がフラッシュランプである実施態様(B)に記載の放射線システム。
(25)さらに、それぞれが多数個の反射装置により少なくとも部分的に囲まれる多数個の放射線供給源から成り、当該多数個の反射装置が拡散反射装置である実施態様(B)に記載の放射線システム。
【0047】
(26)前記拡散反射性の表面を有する少なくとも1個の反射装置が240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する実施態様(B)に記載の放射線システム。
(27)前記少なくとも1個の反射装置が前記少なくとも1個の放射線供給源を完全に囲んで閉じた空孔部を形成する実施態様(B)に記載の放射線システム。
(28)前記空孔部の全ての内面部が拡散反射性を有していて、240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する実施態様(27)に記載の放射線システム。
(29)さらに、それぞれが多数個の前記反射装置により少なくとも部分的に囲まれている多数個の放射線供給源から成り、当該反射装置が空孔部を形成していて、標的物領域が当該反射装置の焦点または焦点面に配置されている実施態様(B)に記載の放射線システム。
(30)前記反射装置が楕円形状をしており、前記放射線供給源が当該楕円形状の反射装置の対向する焦点に配置されている実施態様(29)に記載の放射線システム。
【0048】
(31)前記少なくとも1個の反射装置が楕円形状をしている実施態様(B)に記載の放射線システム。
(32)さらに、標的物空間部を備えており、当該標的物空間部がコンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズにより構成されている実施態様(B)に記載の放射線システム。
(33)滅菌処理に使用される請求項2に記載の放射線システム。
(34)各ランプが少なくとも1個の反射装置を有しており、当該少なくとも1個の反射装置が1.7以上の品質係数を示す実施態様(B)に記載の放射線システム。
(35)前記少なくとも1個の反射装置が2以上の品質係数を示す実施態様(34)に記載の放射線システム。
【0049】
(36)前記少なくとも1個の反射装置が3以上の品質係数を示す実施態様(34)に記載の放射線システム。
(37)前記標的物を通過することなく1個の反射装置から別の反射装置に到達できる放射線の量が50%以下である実施態様(29)に記載の放射線システム。
(38)さらに、反射性の遮断要素から成る実施態様(B)に記載の放射線システム。
(39)さらに、光減衰性の材料から成る実施態様(B)に記載の放射線システム。
(40)前記少なくとも1個の反射装置が純度99.9%以上の反射性材料から成る実施態様(B)に記載の放射線システム。
(41)前記少なくとも1個の反射装置が硫酸バリウム、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、および酸化マグネシウムから成る群から選択される反射性材料から成る実施態様(B)に記載の放射線システム。
【0050】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、放射線エネルギーを選択的かつ有効に利用するための反射装置および当該装置を用いた放射線システムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2個の本発明の反射装置を備える放射線システムの断面図である。
【図2】1個の本発明の反射装置を備える放射線システムの断面図である。
【図3】従来技術の反射装置による標的物の領域内における放射線エネルギーの等高線を示している図である。
【図4】図3に示す等高線を生じるために使用したものと同一の反射装置による標的物の領域内における放射線エネルギーの等高線を示しているが、反射装置の表面が拡散コーティングを備えている点が異なる図である。
【図5】図1に示す形状を有する反射装置による標的物の領域内における放射線エネルギーの等高線を示している図である。
【図6】図3に示す等高線を生じるために使用した2個の反射装置により形成される空孔部を有する放射線システムにおけるQ係数を示すグラフである。
【図7】図4に示す等高線を生じるために使用した2個の反射装置により形成される空孔部を有する放射線システムにおけるQ係数を示すグラフである。
【図8】図5に示す等高線を生じるために使用した2個の反射装置により形成される空孔部を有する放射線システムにおけるQ係数を示すグラフである。
【符号の説明】
100 放射線システム
110,120 拡散反射装置
130,140 フラッシュランプ
150 標的物支持体
160 標的物空間部
170 標的物

Claims (28)

  1. 240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する拡散反射性の表面から成る放射線システム用の反射装置において、
    前記拡散反射性の表面が、1.7以上の品質係数を有し、前記品質係数が、閉じた空孔部内の全ての放射線供給源および反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において測定した合計値を、開口した空孔部内の各ランプおよび反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において個々に測定した合計値で割った比率として定義され、
    前記拡散反射性の表面が、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化ジスプロジウム、酸化エルビウム、酸化ユーロピウム、二酸化ゲルマニウム、酸化ハフニウム、酸化ホルミウム、酸化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化テルリウム、酸化テルビウム、二酸化チタン、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、および酸化亜鉛のうち1つ以上を含み、
    前記反射装置が、閉じた空孔を形成するように構成されることにより、放射線供給源からの放射線が前記標的物に向けて反射および再反射され、前記品質係数を高める、反射装置。
  2. 前記反射装置が、240nm乃至280nmの放射線の75%以上を反射する、請求項1に記載の反射装置。
  3. 前記反射装置が、240nm乃至280nmの放射線の90%以上を反射する、請求項1に記載の反射装置。
  4. 前記反射装置が、250nm乃至270nmの放射線の90%以上を反射する、請求項1に記載の反射装置。
  5. 前記反射装置が、楕円形である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射装置。
  6. 前記反射装置が、放射線エネルギーを前記標的物領域に供給し、当該エネルギーのばらつきが、8ミリジュール/cm2以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射装置。
  7. 前記反射装置が、放射線エネルギーを前記標的物領域に供給し、当該エネルギーのばらつきが、15%以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射装置。
  8. 前記反射装置が、放射線エネルギーを前記標的物領域に供給し、当該エネルギーのばらつきが、10%以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反射装置。
  9. 前記反射装置が、放射線エネルギーを前記標的物領域に供給し、当該放射線が、40°乃至180°の入射角度により構成されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の反射装置。
  10. 前記反射装置が、1.5以下の隠ぺい率を有し、前記隠ぺい率が、障害物のない標的物領域または空間部内における放射線の強度の、障害物のある標的物領域または空間部内における放射線の強度に対する比率である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の反射装置。
  11. 組成式M a b c d に従って選択され、当該組成式において、Mが単一または混合の金属であり、Oが酸素、Xがヘテロ原子、およびHがハロゲン化物であり、aが1乃至20、bが0乃至20、cが0乃至20、およびdが0乃至20であって、少なくともb,cまたはdが1である、希土類、希土類ハロゲン化物、または金属混合酸化物の反射性材料を1つ以上含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の反射装置。
  12. 酸化カルシウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化テルビウム、チタン酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ホルミウム、酸化ゲルマニウム、酸化テルリウム、酸化ユーロピウム、酸化エルビウム、酸化ネオジミウム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、硫酸バリウム、または酸化ジスプロジウムの反射性材料を1つ以上含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の反射装置。
  13. 前記反射性材料の純度が、99.9%以上である、請求項11または12に記載の反射装置。
  14. 支持体に取り付けた反射性コーティングまたはフィルムから成る、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の反射装置。
  15. 前記反射性コーティングの厚さが、0.1ミクロン乃至2500ミクロンである、請求項14に記載の反射装置。
  16. 反射性材料の詰め込んだパウダーまたはブロックから成る請求項1乃至15のいずれか1項に記載の反射装置。
  17. 少なくとも1個の放射線供給源および当該少なくとも1個の放射線供給源を部分的に囲む少なくとも1個の反射装置から成り、当該少なくとも1個の反射装置が拡散反射装置である放射線システムにおいて、
    前記反射装置が、1.7以上の品質係数を有し、前記品質係数が、閉じた空孔部内の全ての放射線供給源および反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において測定した合計値を、開口した空孔部内の各ランプおよび反射装置からのエネルギーを標的物領域または空間内において個々に測定した合計値で割った比率として定義され、
    前記反射装置が、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化セリウム、酸化ジスプロジウム、酸化エルビウム、酸化ユーロピウム、二酸化ゲルマニウム、酸化ハフニウム、酸化ホルミウム、酸化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジミウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化テルリウム、酸化テルビウム、二酸化チタン、酸化イッテルビウム、酸化イットリウム、および酸化亜鉛のうち1つ以上を含み、
    前記反射装置が、閉じた空孔を形成するように構成されることにより、放射線供給源からの放射線が前記標的物に向けて反射および再反射され、前記品質係数を高める、放射線システム。
  18. 前記少なくとも1個の放射線供給源が、フラッシュランプである、請求項17に記載の放射線システム。
  19. 放射線供給源および反射装置をさらに備え、前記放射線供給源の各々が、前記反射装置により少なくとも部分的に囲まれる、請求項17または18に記載の放射線システム。
  20. 前記反射装置が、拡散反射性の表面を有し、前記拡散反射性の表面が、240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する請求項17乃至19のいずれか1項に記載の放射線システム。
  21. 前記反射装置が、前記放射線供給源を完全に囲んで前記閉じた空孔部を形成する、請求項17乃至20のいずれか1項に記載の放射線システム。
  22. 前記空孔部の全ての内面部が拡散反射性を有し、240nm乃至280nmの放射線の50%以上を反射する請求項21に記載の放射線システム。
  23. 前記反射装置が、楕円形状をしており、標的物領域または空間が、当該楕円形状の反射装置の焦点に配置され、前記放射線供給源が、当該楕円形状の反射装置の対向する焦点に配置されている請求項17乃至22のいずれか1項に記載の放射線システム。
  24. 前記標的物領域または空間部が、コンタクトレンズパッケージ内のコンタクトレンズを備える、請求項23に記載の放射線システム。
  25. 前記反射装置が、2以上の品質係数を示す請求項17乃至24のいずれか1項に記載の放射線システム。
  26. 前記反射装置が、3以上の品質係数を示す請求項17乃至24のいずれか1項に記載の放射線システム。
  27. 前記標的物を通過することなく1つの反射装置から別の反射装置に到達し得る放射線の量が、50%以下である、請求項17乃至26のいずれか1項に記載の放射線システム。
  28. 減衰性の材料をさらに含む、請求項17乃至27のいずれか1項に記載の放射線システム。
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