JP4706144B2 - 荷役車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マストに沿って昇降動作する荷役物保持手段を有する荷役車両に係り、詳しくは、荷役物保持手段により保持された荷役物を該荷役物保持手段に対し固定ないし固定解除する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業員が昇降部に乗り込んで走行及び荷役作業を行う昇降部乗り込み型荷役車両、例えばオーダーピッカーにおいては、フォークを差し込んだパレットをフォーク側に固定して荷役作業の安定化を図っている。このようなオーダーピッカーが例えば特開平8−165096号公報に記載されている。この公報に記載の荷役車両のように、荷役作業に際しては、フォークをパレットに差し込んでから、作業者がレバーやペダル等の操作部材を操作することでパレット固定装置を作動させ、パレットの固定や固定解除を行うのが一般的であった。
しかしながら、上記従来の荷役車両では、パレット固定装置の作動、すなわちパレットの固定作動や固定解除作動が作業者に依存する構成ゆえ、作業者にその操作を行ってもらわなければならず、作業者にとっては実作業以外の作業を強いられることになる。そこで、作業者に頼ることなく、例えばフォークの昇降動作に基づいて自動で固定作動や固定解除作動ができるようなパレット固定装置に対する要請がある。そして、このようにパレットの固定作動や固定解除作動を自動で行う構成とした場合には、パレットの固定あるいは固定解除が作業者の意思に反して不用意に行われるのを回避する構成が不可欠なものとなる。
【0003】
本発明では、マストに沿って昇降動作する荷役物保持手段に保持された荷役物を、荷役物保持手段の昇降動作に基づいて該荷役物保持手段に対し固定する構成の荷役車両につき、荷役物の固定ないし固定解除を確実に行うのに有効な技術を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の荷役車両は、請求項1、2に記載の通りに構成される。なお、これら請求項に係る発明は、マストに沿って昇降動作する荷役物保持手段と、荷役物保持手段に保持された荷役物を、昇降動作に基づいて該荷役物保持手段に対し固定する固定手段とを有する荷役車両につき、固定手段による固定状態ないし固定解除状態を維持することにより、荷役物の固定ないし固定解除を確実に行うことができるようにした技術である。
【0005】
請求項1に記載した荷役車両では、荷役物保持手段と、固定手段が設けられている。荷役物保持手段は、荷役物を保持した状態でマストに沿って昇降動作可能になっている。ここでいう「荷役物保持手段」は、荷役物を保持可能な一対のフォークにより構成される。また、ここでいう「荷役物」は、荷役物保持手段に対応した形態ものであり、多くの場合、荷役物保持手段としてのフォークを介して保持されるパレットが荷役物となる。
固定手段は、荷役物保持手段に保持された荷役物を、昇降動作に基づいて該荷役物保持手段に対し固定及びその固定を解除するものである。また、ここでいう「固定手段」とは、荷役物保持手段である一対のフォークと、固定手段が備える一対の固定アームとの協働によって荷役物をフォークに固定する。
更に、本発明の荷役車両には維持手段が設けられている。この維持手段は、固定手段が荷役物を固定する固定状態、あるいは荷役物の固定を解除する固定解除状態になると、これら設定状態を維持する構成になっている。維持手段は、一対の固定アームに所定の設定方向へ付勢力を付与する。このような維持手段を用いることで、固定手段が一旦固定状態や固定解除状態に設定されると、これら設定が作業者の意思に反して不用意に変更されるのが阻止されることとなる。従って、固定手段の設定状態を確実に維持することができる。
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、荷役物の固定ないし固定解除を確実に行うことができる。
また、マストには、荷役物保持手段の昇降領域に対応する固定作動用のドッグ部材と、その下方に位置する解除作動用のドッグ部材とが上下方向に間隔を開けて設けられており、荷役物保持手段の昇降動作に伴う各ドッグ部材との当接により作動される作動アームの動作を利用して、維持手段の付勢する方向が切り換えられる。
なお、本発明でいう「荷役車両」には、フォークを介して荷役作業を行う各種の車両、例えばオーダーピッカー等のフォークリフト車両等を広く含むものとする。
【0008】
また、請求項2に記載の荷役車両では、維持手段は、一対の固定アームに付勢力を付与するバネ部材を備えて構成され、バネ部材は、圧縮コイルバネであり、固定アーム側の部材と作動アーム側の部材との間に自然長から所定量圧縮させた状態で介在されている。このため、維持手段としてのバネ部材の弾性付勢力によって一対の固定アームを付勢することで、一対の固定アームの設定状態が維持されることとなる。バネ部材としては、圧縮コイルバネを用いることができる。また、バネ部材を用いることによって、一対の固定アームに付与する付勢力を簡単な構成で確実に得ることができる。また、バネ部材としての圧縮コイルバネが固定アーム側の部材と作動アーム側の部材との間に自然長から所定量圧縮させた状態で介在されているので、圧縮コイルバネが収縮する際に即座に強い弾性付勢力を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、本発明をオーダーピッカーのような昇降部乗り込み型フォークリフトに適用したものである。ここで、図1は本発明の荷役車両の一実施の形態のフォークリフト1の斜視図である。図2はパレット固定装置10の構成を示す斜視図である。図3はフォークリフト1の底面を示す図である。図4はアーム作動機構30の構成を示す斜視図である。図5〜図7はいずれも固定アーム付勢機構20の動作を示す部分拡大図である。図8は解除ペダル41の構成を示す部分拡大図である。なお、図1〜図4において、図中の矢印RRは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示している。
【0013】
図1に示すように、本発明の荷役車両としてのフォークリフト1は、車体2、車体2の前方に設置された荷役用マスト3、荷役用マスト3に沿って昇降動作する昇降台4を有する。なお、荷役用マスト3は、具体的図示については省略するが、固定マスト(アウタマスト)と、その固定マストに沿って昇降動作する可動マスト(インナマスト)とから構成される。昇降台4は可動マストに対し昇降動作可能なリフトブラケット9に固定され、リフトシリンダ及びリフトチェーンを介して昇降される。
【0014】
昇降台4あるいはリフトブラケット9には、該昇降台4に搭乗した作業者によって操作可能な昇降操作用及び走行操作用の操作部5が備えられている。また、昇降台4の上面に設けられた解除ペダル41、また昇降台4の前端4aから前方に向かって延出された左右一対の固定アーム11は、後述する固定装置10を構成する。また、昇降台4には左右一対のフォーク6が備えられている。フォーク6は、昇降台4の下面にボルト7によって着脱可能に固着(図3参照)されるとともに、昇降台4の前端4aから前方に向かって延出されており、その延出部分をパレット8の差込口8aに差し込んでパレット8を保持する。このパレット8が本発明における荷役物に対応しており、パレット8を保持するフォーク6が本発明における荷役物保持手段に対応している。
【0015】
昇降台4の下面側には、フォーク6によって保持されたパレット8を該フォーク6に固定するパレット固定装置10が設けられている。このパレット固定装置10が本発明における固定手段に対応している。このパレット固定装置10は、図2に示すように、相互に所定間隔を置いて配置される左右一対の固定アーム11を有する。両固定アーム11は、その基部側に固着された基部側部材12を連結部材13を介して相互に連結することで一体化されている。また、基部側部材12は孔12aを介して回動軸14に挿入され、両固定アーム11は回動軸14によって支持されている。この回動軸14は、昇降台4に固着された左右のブラケット15に固定されている。したがって、両固定アーム11は、回動軸14を中心に回動可能になっている。
【0016】
左右の固定アーム11は、図3に示すように、フォーク6の内側面に沿うように配置され、フォーク6と共にパレット8内に差し込まれる。パレット8をフォーク6に固定する場合、フォーク6にてパレット8の上板8bを下側から支えた状態で、固定アーム11を下向きに回動させてこの固定アーム11の先端をパレット8の下板8cの上面に当接させ、この下板8cを上方から押さえ込む(図7参照)。このようにフォーク6と固定アーム11との協働によって、パレット8がフォーク6に固定されることとなる。
【0017】
図3に示すように、基部側部材12と連結部材13とは固定ボルト50を介して互いに固定されている。すなわち、基部側部材12に形成されたボルト孔(図示省略)と、連結部材13に形成された貫通孔13aの位置を合わせた状態で、貫通孔13aに挿通した固定ボルト50を基部側部材12のボルト孔に螺合させることにより、固定アーム11は連結部材13に対して固定される。貫通孔13aは、各固定アーム11に対応して、連結部材13の長手方向の複数箇所(本実施の形態では3箇所)に形成されている。従って、固定ボルト50を挿通する貫通孔13aの位置を変えることにより、連結部材13に対する各固定アーム11の固定位置を3段階で変更することができる。すなわち、本実施の形態では、固定アーム11とフォーク側部材との相対位置が段階的に可変となっている。なお、貫通孔13aを設ける位置は、フォーク6の幅を変更した場合でも、固定アーム11がフォーク6の内側面に沿うように配置されるべく設定されている。
【0018】
次に、本発明の特徴部分である、固定アーム付勢機構20の構成、動作等について説明する。
図2に示すように、パレット固定装置10には、左右の固定アーム11を、パレット8を固定する固定方向(パレット8を押さえ込むロック方向)、ないしパレット8の固定を解除する固定解除方向(アンロック方向)へ付勢する付勢機能付きリンク機構20(以下、固定アーム付勢機構20という)が設けられている。固定アーム付勢機構20は、作動レバー17に連結されたロッド21、そのロッド21に連結されたUリンク22、ロッド21とUリンク22との間に介在された圧縮コイルバネ23(本発明におけるバネ部材に対応している)によって構成されている。この固定アーム付勢機構20が本発明における維持手段に対応している。
【0019】
この固定アーム付勢機構20の一端は、連結ピン25を介して連結部材13の立設部16に接続されることで、固定アーム側の部材と連結されている。固定アーム付勢機構20の他端には作動レバー17が設けられており、この作動レバー17は、昇降台4にブラケット18を介して回動可能に取り付けられた回動軸19に固着されている。この作動レバー17が回動軸19を中心にして回動することで、固定アーム11は固定アーム付勢機構20を介して固定方向(ロック方向)ないし固定解除方向(アンロック方向)へ回動する。例えば、作動レバー17が回動軸19を中心にして所定の方向へ回動することで、固定アーム11が固定方向へ回動され、作動レバー17が反対の方向へ回動することで固定アーム11が固定解除方向へ回動されるように構成されている。そして、固定アーム11が固定方向へ回動されるときには、圧縮コイルバネ23を介して固定方向の付勢力が付与されることで固定状態が維持されることとなる。一方、固定アーム11が固定解除方向へ回動されるときには、圧縮コイルバネ23を介して固定解除方向の付勢力が付与されることで固定解除状態が維持されることとなる。
【0020】
図5〜図7に示すように、ロッド21は作動レバー17に対して連結ピン24にて上下方向に回動可能に連結され、Uリンク22は、固定アーム11の連結部材13に連結ピン25にて上下方向に回動可能に連結される。そして、ロッド21の一端は、Uリンク22の基部を摺動可能に貫通するとともに、その貫通端に取り付けられた前部フランジ21aによりUリンク22に対して抜け止めされている。すなわち、ロッド21と作動レバー17との連結ピン24と、Uリンク22と連結部材13との連結ピン25とを結ぶ連結点間距離Lは、図5に示す状態を最長として収縮が可能になっている。
【0021】
圧縮コイルバネ23は、ロッド21の軸線上に固着された後部フランジ21bとUリンク22との間に介在され、自然長から所定量圧縮させた状態で組み付けられている。このとき、固定アーム付勢機構20が最も伸長した状態となっている。前部フランジ21aと後部フランジ21bとの間の距離は一定であるため、固定アーム付勢機構20が最も伸長した状態では、固定アーム付勢機構20自体が剛体化している。このように、圧縮コイルバネ23を、その自然長から所定量圧縮させた状態で組み付けるため、この状態から更に収縮方向の力が作用する際に、自然長で組付ける場合に比して即座に強い弾性付勢力を得ることができる。
【0022】
作動レバー17が回動軸19を中心として回動されるとき、作動レバー17とロッド21とを連結する連結ピン24の位置は、回動軸19と連結ピン25とを結ぶ基準線Pを挟んで上下に変位する。すなわち、連結ピン24の位置が基準線P上に一致したときが、前記連結点間距離Lが最短(図6参照)となり、圧縮コイルバネ23の弾性付勢力(バネ力)が最大になる。このときが、圧縮コイルバネ23の上死点(中立位置)となる。
一方、連結ピン24の位置が基準線Pの上側へ変位したときに、連結点間距離Lが中間長さ(図7参照)になり、このときが固定アーム11の固定状態である。このときの、固定アーム11の押さえ込みは、圧縮コイルバネ23を押し潰すことによって発生する。また、連結点が基準線Pの下側へ変位したときには、連結点間距離Lが最長(図5参照)になり、このときが固定アーム11の固定解除状態である。なお、この固定解除状態では、固定アーム11はフォーク6に対して平行となり、かつフォーク6の厚さ(高さ)の範囲内に納まり、パレット8に対するフォーク6の差し込み作業の支障にならない。
このように、固定アーム11が固定状態と固定解除状態とに設定される間で、圧縮コイルバネ23の上死点を通過し、作動レバー17に作用する圧縮コイルバネ23の弾性付勢力(バネ力)の作用方向が切り換わる(逆転する)。従って、圧縮コイルバネ23の弾性付勢力(バネ力)は、固定アーム11が前記中立位置から固定状態までの間では固定アーム11を固定方向へ回動させる付勢力となり、固定アーム11が前記中立位置から固定解除状態までの間では固定アーム11を固定解除方向へ回動させる付勢力となる。
【0023】
また、固定アーム11と昇降台4との間には、該固定アーム11を固定解除方向に付勢するリターンバネ26が設けられている。このリターンバネ26は、固定アーム11の固定解除方向への回動動作を助勢すると共に、固定アーム11を解除位置に維持するものであり、その弾性付勢力(バネ力)は、圧縮コイルバネ23に比べて遙かに小さい。
【0024】
次に、昇降台4の昇降動作に基づいて、パレット固定装置10の固定アーム11を固定作動又は解除作動させるアーム作動機構30を説明する。このアーム作動機構30は、図4に示すように、作動レバー17の回動軸19上に固着された作動アーム31及び荷役用マスト3の外側面に設置された上下2個のドッグ部材32,37によって構成されており、その作動態様が図5〜図7に示されている。作動レバー17に対して回動軸19を介して一体化された作動アーム31は、その先端が昇降台4の後面から突設されている。そして、作動アーム31の突出先端部の昇降領域(軌跡)に対応して、荷役用マスト3(固定マスト)の外側面に、固定作動用のドッグ部材32と、解除作動用のドッグ部材37が上下方向に所定間隔を置いて設定されている。
【0025】
固定作動用のドッグ部材32は、昇降台4が一定高さ位置、すなわち基準高さ位置まで上昇されたとき、作動アーム31の先端に当接することによって、これを下方へ回動させる。これにより回動軸19を介して作動レバー17が上向きに回動され、固定アーム11を固定方向へ回動させる(図6参照)。なお、上記の基準高さ位置は、例えば2〜3個のパレット8を積み重ねたときの上段のパレット高さに対応するような位置に設定される。この場合、固定作動用のドッグ部材32については、昇降方向に可変、つまり高さ位置調整可能に構成することが好ましい。
【0026】
また、固定作動用のドッグ部材32は、荷役用マスト3の側面にピン33によって回動可能に取り付けられたレバー状部材からなり、図示の略水平状態において上方向への回動についてはストッパピン34にて規制されるが、下方への回動については許容されている。すなわち、固定作動用のドッグ部材32は可動式であり、昇降台4の下降時には、作動アーム31の先端によって押されたときは、下方へ退避回動できる構成となっている。なお、ドッグ部材32は常には戻しバネ35にて上向きに付勢されるとともにストッパピン34にて規制される作動可能位置に保持される。また、ドッグ部材32の先端には、ローラ36が取り付けられ、作動アーム31との当接に伴う摩耗の軽減が図られている。
【0027】
解除作動用のドッグ部材37は、荷役用マスト3に固着されており、昇降台4の下降時において、作動アーム31の先端に当接することによって、これを上方へ回動させる。これにより回動軸19を介して作動レバー17が下向きに回動され、固定アーム11を固定解除方向へ回動させる(図5参照)。
【0028】
このように、作動アーム31と、固定作動用のドッグ部材32あるいは解除作動用のドッグ部材37とは、相互の当接に伴う作動アーム31の回動動作を利用して固定アーム11を固定方向又は固定解除方向へ回動させるものである。
【0029】
上記のように構成されたパレット固定装置10においては、昇降台4の下降端付近において、フォーク6をパレット8に差し込んでから昇降台4の上昇を開始すると、昇降台4が基準高さ位置に達した時点で、作動アーム31が固定作動用のドッグ部材32に当接して下向きに回動され、それに伴い作動レバー17から固定アーム付勢機構20を介して固定アーム11が固定方向へ回動される。これにより、パレット8は上板8bの下面を左右2本のフォーク6によって保持された状態で、下板8c上面は左右2本の固定アーム11の先端で押さえ込まれる(図7参照)。その結果、パレット8は平面的にぐらつきのない安定状態に固定される。このとき、前述したように、固定アーム付勢機構20における圧縮コイルバネ23のバネ力は、固定アーム11に対して固定方向に有効に作用し、所定の押さえ込み力を発揮する。
【0030】
なお、作動アーム31が固定作動用のドッグ部材32との当接により下向きに回動されるとき、該作動アーム31の先端は、図7に示すように、昇降台4の後面側へ引っ込み、該ドッグ部材32に当接しない領域へ変位する。従って、昇降台4を下降操作したときは、作動アーム31は固定作動用ドッグ部材32に当接することなく該ドッグ部材32の横を通り抜けて下降する。そして、下降端において解除作動用のドッグ部材37に当接することで解除方向へ回動される。すなわち、本実施の形態に係るパレット固定装置10は、昇降台4の上昇時には、基準高さ位置でパレット8を固定し、下降時にはパレット8の固定を維持した状態で下降端まで下降し、下降端でその固定を解除する。
【0031】
このように、本実施の形態によれば、昇降台4を昇降操作するだけで、パレット固定装置10を基準高さ位置及び下降端位置で自動的に固定作動又は解除作動することができる。このため、作業者はフォーク6に差し込まれたパレット8の固定作動あるいは解除作動をする必要がなくなり、実作動に専念できる。これに伴い、作業者の操作に依存する従来タイプであれば必要とされる安全装置、警告装置といった付帯設備が不要になり、荷役車両のコスト低減が可能になる。
【0032】
パレット固定装置10には、パレット8の固定を強制的に解除するための解除操作機構40が備えられている。この解除操作機構40は、図2及び図8に示すように、足踏み式の解除ペダル41を主体に構成されている。この解除ペダル41は昇降台4の上面に形成された矩形状の開口部4aに配置される。
解除ペダル41は昇降台4に支軸42を介して回動可能に取り付けられ、前記作動レバー17が固定方向へ回動されるとき、該作動レバー17によって先端部を押し上げられ、開口部4aから昇降台4の上面へ突出する(図8実線参照)。作業者は解除ペダル41の突出状態を目視することで、パレット固定装置10の固定作動を確認することができる。
【0033】
パレット8が固定されている位置において、解除ペダル41を踏み込むと、図9中に二点鎖線で示す如く、該解除ペダル41によって作動レバー17が固定解除方向へ回動される。これにより、固定アーム付勢機構20を介して固定アーム11が固定解除方向へ回動され、フォーク6に対するパレット8の固定が解除される。なお、作動レバー17が固定解除方向へ回動された状態では、解除ペダル41は自重で下がり、図示はしないが、例えばその下面の一部が昇降台4のフロア面に引っ掛かることで、上面が昇降台4の上面と面一になる位置で保持されるように設定されている。
【0034】
上記のような人手による解除操作機構40を備えることによって、必要に応じてフォーク6に対するパレット8の固定を解除することができる。従って、例えば、パレット8を高所に積み付ける作業、あるいは高所のパレット8を取り降ろす作業等に対応することができる。
なお、作動レバー17が解除位置へ回動されたとき、作動アーム31の先端が固定作動用のドッグ部材32に当接可能な領域へ入り込む。このため、解除ペダル41を踏み込んで固定アーム11を固定解除方向へ操作後、昇降台4を下降させたときは、該昇降台4が基準高さ位置を通過するときに、作動アーム31の先端がドッグ部材32に当接する。このとき、前述したように、下方への回動が許容された構成のドッグ部材32は、図7中に二点鎖線で示すように、作動アーム31によって押されて退避し、その損傷が防止される。
このように、本実施の形態によれば、任意の揚高でパレット8の固定を解除できるため、パレットの積み付けあるいは取り降ろし作業を支障なく実施することができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態によれば、固定アーム11を付勢するパレット固定装置10を用いることにより、固定アーム11が一旦固定状態や固定解除状態に設定されると、これら設定が作業者の意思に反して不用意に変更されるのが阻止され、固定アーム11の設定状態を確実に維持することができる。
また、本実施の形態によれば、固定アーム11の位置に対応して圧縮コイルバネ23を介して固定アーム11を付勢する方向を切り換えることができるため合理的である。
また、本実施の形態によれば、圧縮コイルバネ23を用いてパレット固定装置10を構成したため、固定アーム11に付与する付勢力を簡単な構成で確実に得ることができる。とりわけ、圧縮コイルバネ23を、その自然長から所定量圧縮させた状態で組み付ける構成としたため、この組付け状態から更に収縮方向の力が作用する際に、自然長で組付ける場合に比して即座に強い弾性付勢力を得ることができる。
【0036】
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0037】
(A)上記実施の形態では、圧縮コイルバネ23を用いたパレット固定装置10について記載したが、圧縮コイルバネ23にかえて板バネ等のバネ部材を用いることもできる。また、バネ部材以外を用いたパレット固定装置であってもよい。別の実施の形態のパレット固定装置110を図9を参照しながら説明する。なお、図9では、図2に示す要素と同一の要素には同一の符号を付している。
図9に示すパレット固定装置110では、本実施の形態の圧縮コイルバネ23等にかえてダンパ123が設けられている。すなわち、連結部材13の立設部16と作動レバー17とがダンパ123を介して連結されている。ダンパ123は圧縮コイルバネ23と同様に作動し、パレット固定装置110は本実施の形態のパレット固定装置10と同様の効果を奏する。このダンパ123としては、各種の流体の減衰力を用いた構成のものを用いることができる。
【0038】
(B)また、上記実施の形態では、パレット固定装置10は固定アーム11をパレット8の下板8cの上面に当接させることでパレット8をフォーク6に固定する構成について記載したが、パレット固定装置の構成はこれに限定されず必要に応じて種々変更可能である。例えば、固定アームをパレット8の上板8bの上面に当接させてフォーク6との協働によってパレット8をフォーク6に固定する構成であってもよい。
【0039】
(C)また、上記実施の形態では、フォーク6にパレット8が保持され、固定される場合について記載したが、フォーク6によって保持可能な荷役物であれば、パレット8以外の保持、固定について本発明を適用することができる。
【0040】
(D)また、上記実施の形態では、オーダーピッカーのような昇降部乗り込み型のフォークリフト1について記載したが、オーダーピッカー以外に、フォークを介して荷役作業を行う各種の車両に本発明を適用することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マストに沿って昇降動作する荷役物保持手段に保持された荷役物を、荷役物保持手段の昇降動作に基づいて該荷役物保持手段に対し固定する構成の荷役車両につき、荷役物の固定ないし固定解除を確実に行うのに有効な技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の荷役車両の一実施の形態のフォークリフト1の斜視図である。
【図2】パレット固定装置10の構成を示す斜視図である。
【図3】フォークリフト1の底面を示す図である。
【図4】アーム作動機構30の構成を示す斜視図である。
【図5】固定アーム付勢機構20の動作を示す部分拡大図である。
【図6】固定アーム付勢機構20の動作を示す部分拡大図である。
【図7】固定アーム付勢機構20の動作を示す部分拡大図である。
【図8】解除ペダル41の構成を示す部分拡大図である。
【図9】別の実施の形態のパレット固定装置110の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…フォークリフト
3…荷役用マスト
4…昇降台
6…フォーク
8…パレット
10,110…パレット固定装置
11…固定アーム
12…基部側部材、12a…孔
13…連結部材、13a…貫通孔
17…作動レバー
20,120…固定アーム付勢機構
21…ロッド
21a…前部フランジ
21b…後部フランジ
22…Uリンク
23…圧縮コイルバネ
26…リターンバネ
30…アーム作動機構
31…作動アーム
41…解除ペダル
123…ダンパ
L…連結点間距離
P…基準線
Claims (2)
- マストに沿って昇降動作する荷役物保持手段と、前記荷役物保持手段に保持された荷役物を、前記昇降動作に基づいて該荷役物保持手段に対し固定する固定手段とを有する荷役車両において、
前記固定手段に前記荷役物を固定する固定方向の付勢力を付与する状態と該固定手段に前記荷役物の固定を解除する固定解除方向の付勢力を付与する状態とに切り換え可能な維持手段を、前記荷役物保持手段に設け、
前記マストには、前記荷役物保持手段の昇降領域に対応する固定作動用のドッグ部材と、その下方に位置する解除作動用のドッグ部材とを上下方向に間隔を開けて設け、
前記荷役物保持手段の昇降動作に伴う前記各ドッグ部材との当接により作動される作動アームの動作を利用して、前記維持手段の付勢する方向の切り換えを行なうように構成され、
前記荷役物保持手段は一対のフォークにより構成されるとともに、前記固定手段は前記一対のフォークとの協働によって前記荷役物を固定する一対の固定アームを備えて構成されている
ことを特徴とする荷役車両。 - 前記維持手段は、前記一対の固定アームに付勢力を付与するバネ部材を備えて構成され、
前記バネ部材は、圧縮コイルバネであり、前記固定アーム側の部材と前記作動アーム側の部材との間に自然長から所定量圧縮させた状態で介在されている
ことを特徴とする請求項1に記載の荷役車両。
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