JP4705616B2 - 植物における金属成分の吸収向上剤 - Google Patents
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R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とし、当該5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を1回あたり0.001〜20ppmの濃度で使用するための、植物における第3、第4周期の第2族から第12族までの元素から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分の吸収向上剤を提供するものである。
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を0.001〜20ppmの濃度で処理することを特徴とする、植物中の第3、第4周期元素の第2族から第12族までの元素から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分含量を向上させる方法を提供するものである。
一般式(1)中、R1及びR2で示されるアルキル基としては、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。アシル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルカノイル基、アルケニルカルボニル基又はアロイル基が好ましく、特に炭素数1〜6のアルカノイル基が好ましい。当該アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基が好ましく、特に炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基が好ましい。当該アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数6〜16のアリール基と上記炭素数1〜6のアルキル基とからなる基が好ましく、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜16のアルコキシ基、特に炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。当該アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルカノイルオキシ基が好ましく、特に炭素数1〜6のアルカノイルオキシ基が好ましい。当該アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、特に総炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。当該アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜16のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、前記アラルキル基を有するものが好ましく、例えば、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
ンB5、ビタミンC、ビタミンB13、ビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB2、ビタミンK3、ビタミンA、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK1、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、σ−トコフェロール、p−ヒドロキシ安息香酸、ビオチン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、α−リポニック酸等を挙げることができる。
処理濃度が0.001ppm未満の場合及び20ppmを超える場合、いずれの場合においても、金属成分吸収効果は十分ではない。特に好ましい処理濃度は、0.01〜10ppmである。
コンテナ2個を用意し、それぞれに土を入れ、ホウレンソウの種を均等に植えた。種苗した日から毎日1回じょうろで水を与えた。コンテナの一方に、5−アミノレブリン酸塩酸塩1ppmを溶かした水道水を霧吹きで1日1回、50mL程度を散布し、種苗から3週間後に間引きを、38日後に2つのコンテナの収穫を行った。収穫は地上より上の部分を切り取り、植物体の自然乾燥を行った。乾燥後、植物体を1つずつ乳鉢ですり潰し、乾燥重量中のカルシウムをICPを用いて測定し、その含有濃度を算出した。5−アミノレブリン酸を添加したもの、添加しなかったもののカルシウム濃度平均値を表1に示す。
試験例1と同様にしてホウレンソウ中のマンガン含有濃度を算出した。結果を表2に示す。
試験例1と同様にしてホウレンソウ中の鉄含有濃度を算出した。結果を表3に示す。
試験例1と同様にしてホウレンソウ中の銅含有濃度を算出した。結果を表4に示す。
試験例1と同様にしてホウレンソウ中の亜鉛含有濃度を算出した。結果を表5に示す。
オオムギ(品種:ファイバースノー)を川砂に播種、芽出しを行い、9日間生育を行なった。生育後、根を傷つけないように砂を洗い流し、長さ2cmになるように根を切りそろえた。これを水耕液Aに浸漬し、水耕栽培を行なった。水耕液Aの組成を表6に示す。
水耕液には5−アミノレブリン酸塩酸塩を溶解させないもの、0.1、0.3、1、30ppmの濃度になるように溶解させたものをそれぞれ作成した。水耕栽培開始13日後に水耕液を取り替え、更に6日間水耕栽培を行なった。水耕栽培後、植物を2晩50℃で乾燥させた後、ICP金属分析を行なった。結果を図1に示す。
5−アミノレブリン酸塩酸塩添加濃度を0、0.3、1、30ppmとする以外は試験例6と同様にしてオオムギ中のマンガン含有濃度を分析した。結果を図2に示す。
水耕液の組成を水耕液Aの2倍濃度にし、5−アミノレブリン酸塩酸塩添加濃度を0、1、3、30ppmとする以外は試験例6と同様にして、オオムギ中の鉄含有濃度を分析した。結果を図3に示す。
水耕液の組成を水耕液Aの2倍濃度にし、5−アミノレブリン酸添加濃度を0、0.1、0.3、30ppmとした以外は試験例6と同様にして、オオムギ中の銅含有濃度を分析した。結果を図4に示す。
水耕液Aに5−アミノレブリン酸塩酸塩添加濃度を0、0.1ppmとする以外は試験例6と同様にしてオオムギ中の銅含有濃度を分析した。
5−アミノレブリン酸塩酸塩添加濃度を0、0.1、0.3、30ppmとする以外は試験例6と同様にして、オオムギ中の亜鉛含有濃度を分析した。結果を図5に示す。
5−アミノレブリン酸塩酸塩添加濃度を0、0.1、0.3、1、3、30ppmとする以外は試験例6と同様にして、オオムギ中のマグネシウム含有濃度を分析した。結果を図6に示す。
ハツカダイコンを1/57000×10アールのポットにポット当たり6粒播種し、生育を行なった。土は黒ボク土を用い、水やりは適宜行なった。播種後11日(本葉2葉展開期)に、展着剤2000倍希釈液に5−アミノレブリン酸塩酸塩を0、1、10ppmの濃度に調製したものを茎葉処理した。また、この時、DTPA鉄、硫酸マグネシウムをそれぞれFe、MgO換算で1.8、4.5ppmの濃度にし、5−アミノレブリン酸塩酸塩とともに茎葉処理した。処理量は10アール当たり100Lとなるように行なった。1試験区のポット数は5個とし、播種後15日、20日に間引きを行ない、ポット当たりの植物数を4個体とした。播種後25日に収穫し、2晩50℃で完全に乾燥させた後、ミキサーで粉砕混合後、ICP金属分析を行なった。結果を図7に示す。
試験例13と同様にして、ハツカダイコン中の亜鉛含有濃度を分析した。結果を図8に示す。
ジャガイモの種芋を浴光育芽し、芽出しを行なった。1/20000×10アールのポットに芽出しを行なったジャガイモをポット当たり1個植え付けた。植付け後30日(地上部高さ約30cm)に、展着剤2000倍希釈液に5−アミノレブリン酸塩酸塩を0、1ppmの濃度に溶解させ、茎葉処理を行なった。5−アミノレブリン酸の茎葉処理は、その後1週間おきに計8回行なった。1試験区のポット数は3個とし、新芽は丈夫な太い芽を残して随時除げつし、ポットあたりの芽の数を1つとした。植え付け後105日に根塊であるジャガイモを収穫し、各試験区から合計重量が120±10gとなるように選抜した上、皮をむき、2晩50℃で完全に乾燥させた後、ミキサーで粉砕混合後、ICP金属分析を行なった。結果を図9に示す。
試験例15と同様にして、ジャガイモ中のマグネシウム含有濃度を分析した。結果を図10に示す。
Claims (2)
- 5−アミノレブリン酸又はその塩を有効成分とし、当該5−アミノレブリン酸又はその塩を、茎葉処理剤として1回あたり0.2〜5ppmの濃度で処理するための、ホウレンソウ、オオムギ又はジャガイモにおけるマンガン、鉄、銅及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分の吸収向上剤。
- ホウレンソウ、オオムギ又はジャガイモの茎葉に、5−アミノレブリン酸又はその塩を1回あたり0.2〜5ppmの濃度で処理することを特徴とする、ホウレンソウ、オオムギ又はジャガイモ中のマンガン、鉄、銅及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分含量を向上させる方法。
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