明 細 書
多肥料栽培における肥料吸収促進剤
技 術 分 野
本発明は、 肥料を多量に施した多量施月巴条件又は過剰施肥条件においても、 肥 料の多量残留の問題を解消し、 農作物の成長を促進することのできる肥料吸収促 進剤に関する。 背 景 技 術
5—アミノレブリン酸 (5— A L A) は、 農園芸分野において、 種々の目的で 使用されている。 例えば、 特閧平 5— 1 1 7 1 1 0号公報には、 5—A L Aを除 草剤成分として使用することが開示され、 特閧平 6— 2 7 1 4 0 5号公報には、 5— A L Aを植物成長調節剤として使用することが開示され、 特開平 8— 2 2 5 4 0 8号公報には、 5— A L Aを植物成長促進剤として使用することが開示され ている。
しかしながら、 5— A L Aは、 多量に使用したり、 多量施肥条件において施用 すると.、 除草剤としての作用が強くなり、 植物の成長を大幅に低下し、 例えば、 収穫量を低下させたり、 果実の肥大化率を低下させたり、 観葉植物等の花卉植物 の生存率を低下させたりする問題があつた。
ィンドール酢酸 ( 3 _インドリル酢酸) は、 植物の成長を促進する作用を有す ることは知られている。 また、 力イネチンは、 オーキシンとの共存により、 植物 培養組織の細胞分裂を促進する生理作用を有することが知られている。
しかしながら、 インドール酢酸及び力イネチンは、 それぞれ単独又は混合物と して使用しても、 多量施肥条件において、 農作物の成長を高める効果は知られて いない。
一方、 これまで、 多量施肥条件を採用すると、 農作物の生育を悪化させ、 農作
物の収量や、 得られる果実の大きさや糖度の低下などの障害が発生するため、 多 量施肥条件での栽培は行われていないの通常である。 また、 多量施肥条件での栽 培を行おうとすると、 生育不良を起こしたり、 枯死するなどの問題とともに、 土 壌又は液体培地等に多量の肥料が残留し、 連作障害を起こしたり、 地下水への富 栄養化を生じさせるなど大きな問題となる。 発明の開示
本発明は、 多量施肥条件又は過剰施肥条件においても、 農作物の生育又は成長 を促進することのできる肥料吸収促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、 予想外にも、 5— ALAと、 インドール酢酸と、 力イネチンと を併用すると、 多量施肥条件においても、 農作物の生育を大幅に増大できること を見出した。
即ち、 本発明は、 電気伝導度 (EC) が 1. 0〜5. OdSm— i(Sは、 ジ一 メンス単位である)の多量施肥条件で使用される肥料吸収促進剤であって、 5—ァ ミノレブリン酸、 インド一ル酢酸及び力イネチンを含有することを特徴とする月巴 料吸収促進剤に関するものである。 発明を実施するための形態
以下、 本発明について詳細に説明する。
本発明において、 多量施肥条件は、 通常の施肥量に比べて過剰の肥料を施肥す る条件を言う。 多量施肥条件であるか否かは、 例えば、 施肥された土壌又は液体 培地における電気伝導度 (EC) を測定することによって、 容易に評価すること ができる。
電気伝導度 (EC) (もしくは導電率又は比電気伝導度とも呼ばれる)の測定は、 従来より市販されている各種の電気伝導度 (EC) 測定器を使用することができ
る。 例えば、 東興化学研究所製のハンディ一 SCメ一夕 TCX— 90 i (0〜1 00°Cまでの自動温度補償機能付きマイコン導電率計) を簡便に使用することが できる。
電気伝導度 (EC) は、 断面積 1 cm2、 距離 1 cmの相対する電極間にある 溶液の 25°Cにおける電導度(d Sm—リをいい、 ここで、 Sは、 ジーメンスを示 す。
電気伝導度 (EC) は、 水中における陽イオン、 陰イオンの合計量に関係があ り、同一水系の水では、 p H 5〜 9の範囲で肥効成分などの溶解性物質( T D S: total dissolved solids) に近似的に比例し、 多くの場合電気伝導度 (EC) と、 溶解性物質との比は、 1:0.5から 0.8の範囲になる。
電気伝導度 (EC)の測定に使用される装置は、 通常、 距離 1 cmで隔てられ た、 断面積 1 cm2を有する 2つの電極板を有するセンサーを含み、 センサーの 電極板間に一定の交流電圧を負荷できるようになつている。 電気伝導度 (EC) は、 センサーの電極板を被験液中に浸潰して、 電極板間に電圧を負荷した時の電 圧の変ィ匕に基づいて測定される。
被験液は、 試料が土壌である場合には、 土壌を 60°Cで 24時間風乾した後、 容器に、 10g取り、 蒸留水 50 c cを追加して、 1時間撹拌した後得られる上 澄み液であり、 電気伝導度 (EC) は、 その上澄み液に、 センサ一を挿入して、 電気伝導度 (EC) を測定する。
試料が水耕栽培に使用される培養液である場合には、 その培養液をそのまま、 被験液として使用する。
本発明においては、 多量施肥条件は、 電気伝導度 (EC) 1. 0〜5. OdS m—1で示される状態を言う。 本発明は、 好ましくは、 電気伝導度 (EC) が、 2. 0〜5. 0 d Sm— 1のものである。 これに対して、 通常の肥料の施用の場合には、 電気伝導度 (EC) は、 せいぜい、 0. 5dSm— 1程度である。
多量施肥条件に使用される肥料として、 従来より使用されている各種の肥料が 特に制限なく使用することができる。このような肥料としては、化成肥料の他に、 有機質肥料等が好適に使用できる。
化成肥料は、 土壌又は液体培地に、 窒素、 リン酸又はカリウム、 若しくはこれ らの混合物を提供するための肥料であり、 各種の化成肥料が知られており、 市場 において容易に入手可能である。
有機質肥料としては、 例えば、 わらや、 もみ殻、 生草、 海草、 動物質の廃棄物 等の有機物質を主体とし、堆積、腐敗させた堆肥を好適に使用することができる。 また、 牛糞や、 鶏糞等の動物質の廃棄物を、 通常の完熟期間よりも短い期間で熟 成させた未完熟堆肥を施用してもよい。
本発明の肥料吸収促進剤については、 植物に対して過剰に堆肥を付与しても植 物の育成を大幅に改善することができる。 例えば、 土壌中に、 多量の堆肥を混合 したり、 植物の茎葉を覆うような高さで堆肥を施用しても、 植物は枯れることな く、 却って、 養分を速やかに吸収し、 著しい生育を達成できる。 従って、 これま で、 酪農分野において大きな問題となっていた、 家畜の糞尿処理の効率が大幅に 効率化されることが期待されている。
本発明の肥料吸収促進剤は、上記のように、 5— A L Aと、 インドール酢酸と、 力イネチンとを含むものである。
5一 A L Aは、 以下の式 ( 1 )、
で示される化合物である。 5— A L Aは、 塩やエステルとして使用することがで きる。 このような塩としては、 例えば、 ナトリウム塩や、 カルシウム塩、 力リウ ム塩、 マグネシウム塩等の金属塩等が挙げられる。 また、 エステルとしては、 例 えば、 炭素数 1〜 4程度の低級アルキルのエステルが好適なものとして挙げるこ とができる。 5— A L Aは、 市場において容易に入手可能な化合物である。 例え ば、 5— A L Aを含有する製品として、株式会社誠和製の「ペン夕キープ V」(「ぺ ン夕キープ」 は、 商標名である) が市販されている。
インドール酢酸は、 次式 (2 )、
で示される化合物である。 インドール酢酸は、 市場において容易に入手可能な化 合物である。 インドール酢酸は、 塩やエステルとしても使用することができる。 塩としては、 例えば、 ナトリウム塩や、 カルシウム塩、 カリウム塩、 マグネシゥ ム塩等の金属塩等が挙げられる。 また、 エステルとしては、 例えば、 炭素数 1〜
4程度の低級アルキルのエステルが好適なものとして挙げることができる。
特に、 ィンドール酢酸は、 ソラマメから抽出した天然ィンドール酢酸(遊離酸)
が好適である。
力イネチンは、 次式 (3 )、
で示される化合物である。 力イネチンは、 市場において容易に入手可能な化合物 である。 力イネチンは、 塩やエステルとしても使用することができる。 塩として は、 例えば、 ナトリウム塩や、 カルシウム塩、 カリウム塩、 マグネシウム塩等の 金属塩等が挙げられる。 また、 エステルとしては、 例えば、 炭素数 1〜4程度の 低級アルキルのエステルが好適なものとして挙げることができる。 力イネチンと しては、 トウモロコシから抽出した天然の力イネチン(遊離の酸)が好適である。 なお、 天然インドール酢酸と、 天然力イネチンとを含む混合物は、 有限会社ァ グロコンサルタント製バイオメジャー (商品名) として販売されている。 但し、 インドール酢酸と、 力イネチンとを、 上記 5— A L Aと併用しない限り、 多量施 肥条件における農作物の著しい生育を達成することはできない。
本発明の肥料吸収促進剤には、必要に応じて、植物成長調節剤や、 p H調節剤、 糖類、 アミノ酸、 有機酸、 アルコール、 ビタミン、 ミネラル等を適宜配合するこ とができる。
任意に配合される植物成長調節剤としては、 例えば、 ェピブラシノライ ド等の ブラシノライ ド類、 塩ィ匕コリン、 硝酸コリン等のコリン剤、 ェチクロゼ一ト剤、
1 _ナフチルァセトアミド剤、 イソプロチオラン剤、 ニコチン酸アミ ド剤、 ヒド ロキシイソキサゾール剤、 過酸化カルシウム剤、 ベンジルァミノプリン剤、 メタ スルホカルブ剤、 ォキシエチレンドコサノール剤、 ェテホン剤、 クロキンホナヅ ク剤、 ジベレリン、 ストレプトマイシン剤、 ダミノジヅト剤、 ベンジルアミノプ リン剤、 4一 C P A剤、 アンシミ ドール剤、 イナべンフイ ド剤、 ゥニコナゾール 剤、 クロルメコート剤、 ジケブラック剤、 ダミノジヅト剤、 メフルイジド剤、 炭 酸カルシウム剤、 ピぺロニルブトキシド剤等を挙げることができる。
p H調節剤は、 農作物の生育に好適な p Hに調整するために、 配合されるもの である。 農作物の生育に好適な p Hは、 農作物の種類によっても変動するが、 そ の範囲は、 当業者には公知である。 このような p H調節剤としては、 例えば、 苦 土石灰等のアルカリ剤や、 硫安や、 硝安、 ピートモス等の酸性成分が好適に使用 することができる。
糖類としては、 例えば、 グルコース、 シュクロース、 キシリ トール、 ソルビト —ル、 ガラクト一ス、 キシロース、 マンノース、 ァラビノース、 マジュロース、 スクロース、 リボース、 ラムノース、 フラクト一ス、 マルト一ス、 ラクト一ス、 マルト 卜リオース等が挙げられる。
アミノ酸としては、 例えば、 ァスパラギン、 グルタミン、 ヒスチジン、 チロシ ン、 グリシン、 アルギニン、 ァラニン、 トリプトファン、 メチォニン、 ノ リン、 プロリン、 ロイシン、 リジン、 イソロイシン等を挙げることができる。
有機酸としては、 例えば、 ギ酸、 酢酸、 プロピオン酸、 酪酸、 吉草酸、 シユウ 酸、 フ夕ル酸、 安息香酸、 乳酸、 クェン酸、 酒石酸、 マロン酸、 リンゴ酸、 コハ ク酸、 グリコール酸、 グルタミン酸、 ァスパラギン酸、 マレイン酸、 カブロン酸、 力プリル酸、 ミリスチン酸、 ステアリン酸、 ノ レミチン酸、 ピルビン酸、 ひ一ケ
トグル夕ル酸等を挙げることができる。
アルコールとしては、 例えば、 メタノール、 エタノール、 プロパノール、 ブ夕 ノール、 ペン夕ノール、 へキサノール、 グリセロール等が挙げられる。
ビタミン類としては、 例えば、 ニコチン酸アミ ド、 ビタミン B6、 ビタミン B 12、 ビタミン B5、 ビタミン(、 ビタミン B 13、 ビタミン B l、 ビタミン B3 、 ビタミン B2、 ビタミン K3、 ビタミン Α、 ビタミン D2、 ビタミン D3、 ビ夕 ミン K l 、 ひ一トコフエロール、 ?一トコフエロール、 ァ一トコフエ口一ル、 6 —トコフエロール、 ρ—ヒドロキシ安息香酸、 ピオチン、 葉酸、 ニコチン酸、 ノ ントテン酸、 ひ一リポニック酸等を挙げることができる。 ミネラルとしては、 例 えば、 窒素、 リン酸、 カリウム、 ホウ素、 マグネシウム (例えば、 水酸化マグネ シゥム等)、 マンガン、 亜鉛、 銅、 鉄、 モリブデン、 苦土等を挙げることができる。 本発明の肥料吸収促進剤の剤型としては、 粉末や、 粒剤、 液剤等が挙げられる が、 これらの剤型とするには、 溶剤や、 分散媒、 増量剤等を用いて、 常法に従つ て製造することができる。
本発明の肥料吸収促進剤の植物に対する適用方法は、 植物が有効成分を吸収で きるならばどのような処理方法を用いてもよく、 例えば、 茎葉に散布する茎葉処 理ゃ、 土壌中に灌注したり、 土壌上に散布したりする土壌処理や、 水耕栽培時に 水等の液体培地中に添加して根から吸収させる水耕処理等が挙げられる。 また、 植物を植え付けたり、 挿し木等する前に吸収させてもよい。
本発明の肥料吸収促進剤を用いて茎葉処理を行う場合は、 5— A L Aの濃度は、 例えば、 0 . 0 0 5〜 1 0 Oppm、 好ましくは、 0 . 0 5〜 5 0ppm となるよ うに調整するのが適当である。
また、 インド一ル酢酸の濃度は、 例えば、 0 . 0 1〜 1 0 0 ppm、 好ましく は、 0 . 1〜 5 Oppm となるように調整するのが適当である。
更に、 力イネチンの濃度は、 例えば、 0 . 0 0 1〜 1 0 0ppm、 好ましくは、
0 . 0 1〜5 0ppm となるように調整するのが適当である。
本発明の肥料吸収促進剤を使用して茎葉処理をする場合には、 上記濃度となる ように、 土地 1 0アール当たり、 例えば、 1 0〜 1 0 0 0リツトル、 特に 5 0〜 3 0 0リツトル使用するのが好ましい。 また、 葉面に薬剤が付着しにくい植物に 対して用いる場合には、 展着剤を併用することが望ましい。 用いる展着剤の種類 及び使用量については、 特に制限されない。
土壌処理を行う場合は、 本発明の肥料吸収促進剤の各有効成分の濃度が上記の 濃度範囲になるように施用するのが好ましい。 例えば、 予め所定の濃度で各成分 を配合した粉末や、 粒剤等を調製しておき、 施用時に、 水に希釈して、 土壌に適 用することができる。 従って、 これらの粉末や粒剤における各成分の濃度は、 施 用後に、 各成分の濃度が、 上記の濃度範囲になっていればよい。
水耕培地における場合も同様にして、 粉末や粒剤等を予め水等で溶解し、 水耕 培地の液体培地に、 得られた溶解液を、 各成分が、 上記濃度範囲になるように、 配合すればよい。
本発明の肥料吸収促進剤が、 また、 各成分の濃縮液として、 形成されていても よい。 この場合、 濃縮液は、 施用時に、 水に希釈して、 各成分の濃度が、 上記濃 度範囲となるように、 土耕栽培又は水耕培地に使用することができる。
更に、 本発明の肥料吸収促進剤を用いて植え付け又は挿し木等をする前につけ 込んで各有効成分を吸収させるような方法をとる場合、 つけ込む液の各有効成分 の濃度は、 上記のような濃度であることが好ましい。 つけ込み時間は 1分以上〜 1週間以内、 特に 3分以上 1日以内が望ましい。
レヽずれの処理も植物の成育のどの段階で行つても効果を得ることができる。 処 理は 1回処理でも充分な効果が得られるが、 複数回処理することにより、 更に効 果を高めることができる。 複数回処理する場合は、 先に述べた各方法を組み合わ せることもできる。 使用上の簡便性により、 他の農薬、 肥料等と混合して用いる
場合は、 本発明の肥料吸収促進剤の効果を失わしめるものでない限りどのような ものと混合してもよい。
本発明の肥料吸収促進剤は、各種の農作物に適用することができる。農作物は、 一般に、 人が栽培している植物を総称するものである。 従って、 農作物には、 普 通に田畑で栽培されるピーマンやトマト等の作物や、 庭園樹、 バラ等の花卉、 メ ロン等の果菜、 芝生、 街路樹等が含まれる。
具体的には、本発明の肥料吸収促進剤の適用対象となる植物としては、例えば、 イネや、 大麦、 小麦、 ヒェ、 トウモロコシ、 ァヮ等の穀物類; トマトや、 力ポチ ャ、 カブ、 キャベツ、 ダイコン、 ハクサイ、 ホウレンソゥ、 ピーマン等の野菜類; メロンや、 ミカン、 リンゴ、 カキ、 ウメ、 ナシ、 ブドウ、 モモ等の果樹類;バラ や、 キク、 ガーベラ、 パンジー、 ラン、 シャクャク、 チューリップ等の花卉類; サツキ、 クヌギ、 スギ、 ヒノキ、 ナラ、 ブナ等の樹木類;ァズキ、 インゲン、 大 豆、 ラッカセィ、 ソラマメ、 エンドゥ等の豆類;コゥライシバ、 ベントグラス、 ノシバ等の芝類;ジャガイモ、 サツマィモ、 サトイモ、 ャマイモ、 夕ロイモ等の ィモ類;ネギ、 夕マネギ、 ラツキヨウ等のネギ類;アルフアルファ、 クローバー、 レンゲ等の牧草類等が挙げられる。
本発明の肥料吸収促進剤を、 多量施肥条件において施用すれば、 農作物の生育 を大幅に向上させることができる。
従って、 本発明の肥料吸収促進剤を使用することにより、 例えば、 植物体の発 根促進、 成長促進、 収量向上(生産量の増大や花輪数の増大)、 生育に要する期間 の短縮(2年目球根生産の実現等)、 隔年による収量の低下防止、 その他、 日照不 良や、 低温、 塩害発生土壌等の条件下や、 砂漠地等の乾燥条件下での生育改善、 又は挿し木、 さし芽、 さし葉、 苗の定植、 移植もしくは接ぎ木における活着率向 上を目的として使用することができる。
以下、 これらの目的に応じた本発明の肥料吸収促進剤の使用方法、 適用対象等
について詳述する。
まず、 植物体の発根促進を目的とする場合、 本発明の肥料吸収促進剤の使用方 法は、 前述の茎葉処理、 土壌処理、 水耕処理及び浸漬処理のいずれでもよい。 本 発明の肥料吸収促進剤が、 茎葉処理でも発根促進効果を奏する。 発根促進を目的 とする処理は、根を有するすべての植物に適用可能であるが、特にスギ、 ヒノキ、 茶、 桑、 ィヌッゲ、 カイヅカイブキ、 キンポウジュ、 ヅッジ、 ドゥダンッッジ、 ヒマラヤシーダ、 カーネーション、 キク、 チューリップ、 芝、 イネ、 ツバキ、 マ メッゲ、 モクセィ、 メタセコイア、 マサキ、 ァォキ、 ジンチョウゲ、 ゼラニゥム、 タバコ、 ダリア、 バラ、 ラン、 マツ、 力ェデ、 力シヮ、 ナス、 キユウリ、 トマト、 レタス、 キャベツ等に適用するのが好適である。
植物体の成長促進を目的とする場合の本発明の肥料吸収促進剤の使用方法も前 述の茎葉処理、 土壌処理、 水耕処理及び浸漬処理のいずれでもよい。 この目的の ための好ましい適用対象としては、 例えば、 イネ、 コムギ、 ォォムギ、 ヒェ、 ト ゥモロコシ、 カブ、 カボチヤ、 キャベツ、 ダイコン、 ハクサイ、 ホウレンソゥ、 ビート、 ヮ夕、 インゲン、 ダイズ、 ラッカセィ、 ソラマメ、 エンドゥ等に適用す るのが好適である。
植物体の全部もしくは一部の収量を向上させることを目的とする場合の本発明 の肥料吸収促進剤の使用方法も、 前述の茎葉処理、 土壌処理、 水耕処理及び浸漬 処理のいずれでもよい。 このために好ましい適用対象としては、 例えば、 イネ、 ムギ、 夕マネギ、 ニンニク、 サヅマイモ、 ジャガイモ、 キャベツ、 レタス、 ホウ レンソゥ、 コマツナ等が挙げられる。 本発明の肥料吸収促進剤は、 広汎な農作物 の増収に有効であり、 穀物や、 ィモ類、 ネギ類、 豆類、 野菜類、 果実類等、 広範 囲の適用範囲を持つ点が特徴的である。特に、 ピーマンや、 トマト、 イネ、 大麦、 小麦、 サヅマイモ、 ジャガイモ、 大豆、 小豆、 インゲン豆、 サトイモ、 ャマイモ、 夕マネギ、 ネギ、 ニンニク、 キャベツ、 ホウレンソゥ、 レタス、 コマツナ、 モモ、
カキ、 ブドウ、 イチジク、 キウイ、 リンゴ、 バナナ、 パイナップノレ、 ナス、 シシ トウ、 オクラ、 カボチヤ、 イチゴ、 アスパラガス、 ダイコン、 ニンジン、 ブロッ コリー、 カリフラワー、 ゴボウ、 レンコン等の増収に好適である。 また、 本剤は、 コリン剤、 ブラシノライ ド剤等組み合わせて使用することもできる。
成育に要する期間の短縮を目的とする場合の使用方法、 使用時期も特に制限さ れず、 土壌処理、 茎葉処理のいずれでもよい。 この目的のための好ましい適用対 象としては、 水稲、 ムギ等の穀物類の他、 各種野菜、 メロン等の果樹類が挙げら れる。 特に、 冷害に弱い植物に対して用いれば、 成育期間を早めることにより、 冷害を防止することができる。 実 施 例
以下、 本発明について、 実施例及び比較例により、 更に詳細に説明するが、 こ れらの実施例及び比較例は、 本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例 1
通常施肥区の土壌の調製
化成肥料 (日産化学株式会社製千代田化成 (商品名) (N : P205 :K20=1 5 : 15 : 10))及びバーク堆肥とを、 1対 1の重量比で耕作用の土壌に対して 10重量%の割合で混合して、 通常施肥区の土壌を準備した。 通常施肥区の土壌 を 60°Cで 24時間風乾した後、 容器に、 1 Og取り、 蒸留水 50 c cを混合し、 1時間撹拌した後、 得られた上澄み液の電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所 製のハンディ一 SCメ一夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 0.5 dS m_1であった。 この時の pHは、 6であった。
多施条件区の土壌の調製
上記化成肥料及び堆肥とを同一の重量比で耕作用の土壌に対して 50重量%の 割合で混合して、 多施条件区の土壌を準備した。 上記と同様にして、 電気伝導度
( E C) を測定すると、 多施条件区の土壌の電気伝導度(E C) は、 2 . 0 d S m 一1であった。
実験区 1〜 2及び比較実験区 1〜 4の土壌の調製
通常施肥区又は多施条件区の土壌に対して、 以下の表 1に示す割合で、 5— A L A (略称として、 Aを使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネチン (略称として、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区 1〜2 及び比較実験区 1〜 4を準備した。
ピーマンの土耕栽培における一株あたりの根の乾燥重量の推移
ピーマンの株を、 通常施肥区、 多施条件区、 実験区 1〜3、 及び比較実験区 1 〜4に植え、 表 1に示す経過に日に各区より、 一調査時ごとに根を含む植物体全 体を 2 0個体引き抜き、 根を水洗し、 根部のみ切り取り、 8 0 °Cで 1日間、 乾燥 した後、 乾燥根の重量を測定し、 通常施肥区の一株平均値を 1 0 0とした場合の 割合で評価した。 結果を、 以下の表 1に併記した。
3
表 1
定植後経過日数ごとの発根量 (通常施肥区 試験区 EC =100%)
使用濃度 (dSm— 240日後
(ppm) 10日後 30日後 50日後 100日後 (栽培終 了時) 通常施肥区 0.5 100 100 100 100 100 多肥条件区 2.0 80 70 30 一 * -* 実験区 1 2.0 100 120 150 150 200
A0.5 + I1.0 + K0.1
実験区 2 2.0 120 150 200 250 300
A0.5 + I2.0 + K0.2
比較実験区 1 0.5 120 90 50 50 50
A0.5 + I2.0 + K0.2
比較実験区 2 2.0 80 80 40 -* 一 *
A0.5
比較実験区 3 0.5 100 100 110 110 120
A0.5
比較実験区 4 2.0 80 70 30 -* -*
I1.0+K0.2
比較実験区 5 0.5 100 110 110 120 130
I1.0+K0.2
* 枯死したため測定不可能となった。
上記表 1によれば、 多施条件区(ECS.O d S m—1 ) (実験区 1及び 2 )において、 5-ALA、 インドール酢酸及び力イネチンを併用する場合には、 根の成長が通常施 肥区の場合に比べて大幅に増大していることが分かる。 また、 本発明の成分を全 く使用しない多施条件区での育成の場合、 根の生育は、 5 0日目で停止又は植物 が枯死した。 更に、 本発明の 3種の成分を併用した場合においても、 施肥が通常 程度の比較実験区 1での育成の場合、 通常施肥区での育成の場合よりも、 却って 根の生育が劣っていた。 一方、 3つの成分の内、 インドール酢酸及び力イネチンの両者を使用しない比 較実験区 2及び 3での育成において、 多施条件での育成の場合 (比較実験区 4 )で は、 通常施肥区での育成に比べてかなり劣った結果となった。 また、 5— A L A
を使用しない通常施肥条件での育成の場合 (比較実験区 5)では、 通常施肥区で の育成の場合に比べて、 やや優れた育成結果となったが、 多肥料条件下では、 1 00曰以降、 ピーマンは枯死した。
実施例 2
通常施肥区の土壌の調製
化成肥料 (日産化学株式会社製千代田化成 (商品名) (N: P 205 : K20=1 5 : 15 : 10))及びバーク堆肥とを、 1対 1の重量比で耕作用の土壌に対して 10重量%の割合で混合して、 通常施肥区の土壌を準備した。 通常施肥区の土壌 を 60°Cで 24時間風乾した後、 容器に、 10g取り、 蒸留水 50c cを混合し、 1時間撹拌した後、 得られた上澄み液の電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所 製のハンディ一 SCメ一夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 0.5 dS m— 1であった。 この時の pHは、 6であった。
多施条件区の土壌の調製
上記化成肥料及び堆肥とを同一の重量比で耕作用の土壌に対して 50重量%の 割合で、 混合して、 多施条件区の土壌を準備した。 上記と同様にして、 電気伝導 度 (EC)を測定すると、 多施条件区の土壌の電気伝導度 (EC)は、 2.0dS m一1であった。 この時の pHは、 6であった。
未完熟堆肥施肥区
牛糞を半年の短期熟成を行って得られた未完熟堆肥を施肥し、 電気伝導度 (E C) を 2. OdSnT1の多量施肥条件としたことを除いては、 通常施肥区の土壌 の調製と同様にして、 未完熟堆肥施肥試験区の土壌を調製した。
実験区 3〜 5及び比較実験区 5〜 10の土壌の調製
通常施肥区又は多施条件区に対して、以下の表 2に示す割合で、 5— ALA (略 称として、 Aを使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネ
チン (略称として、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区 3〜4及び比 較実験区 5〜 1 0を準備した。 また、 未完熟堆肥施肥区の土壌に対して、 5— A L A (略称として、 Aを使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネチン (略称として、 Kを使用) とを所定量で配合して、 実験区 5を準備し た。
ビーマンの土耕栽培における収穫量の推移
ピーマンの株を、 通常施肥区、 多施条件区、 実験区、 及び比較実験区に植え、 表 2に示すように、 移植後の経過日毎に各区より、 通常施肥区の 1 0アール当た りにおける優秀果の収量を 1 0 0とした場合の収穫量を評価した。 ここで、 品質 は、 大きさ、 色及び形による秀果率で評価されるが、 優秀果は、 秀果率で秀以上 の評価を有するものを意味する。
実施例 1の場合と同様の結果が得られた。
表 2 ピーマンの土耕栽培における収穫量 (通常施肥区 = 100)
通常施肥区の水耕培地の調製
大塚化学株式会社製大塚ハウス 1号(商品名) (N:P 205 :K20= 10 : 8 : 27 )を 1500倍に希釈した希釈液 1と、同社製大塚ハウス 2号(商品名)(N: P205 : K20: CaO= 1 1 : 0 : 0 : 23) を 1000倍に希釈した希釈液 2とを、 水に対して、 それぞれ、 0. 0067%と、 0. 1%となるように混合 して、 通常施月巴区の水耕培地を準備した。 通常施月巴区の水耕培地を、 0. 1リツ トルの容器に取り、 電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所製のハンディー SC メ一夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 O. SdSm—1であった。 こ の時の pHは、 6であった。
多施条件区の水耕培地の調製
上記と同様にして、 大塚化学株式会社製大塚ハウス 1号 (商品名) (N: P20 5 : K20= 10: 8 : 27) を 1500倍に希釈した希釈液 1と、 同社製大塚ハ ウス 2号 (商品名) (N : P205 : K20 : CaO=l l : 0 : 0 : 23) を 10 00倍に希釈した希釈液 2とを、 水に対して、 それぞれ、 0. 4%と、 0. 6% となるように混合して、 多施条件区の水耕培地を準備した。 上記と同様にして、 電気伝導度 (EC) を測定すると、 多施条件区の水耕培地の電気伝導度 (EC) は、 3.0 d SnT1であった。 この時の pHは、 6であった。
実験区 6〜 7及び比較実験区 11〜 15の水耕培地の調製
通常施肥区又は多施条件区に対して、以下の表 2に示す割合で、 5— ALA (略 称として、 Aを使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネ チン (略称として、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区及び比較実験 区を準備した。
トマ卜の水耕栽培における収穫量の推移
トマトの株を、 通常施肥区、 多施条件区、.実験区、 及び比較実験区で水耕栽培 に付し、 表 3に示すように、 移植後の経過日毎に各区より、 通常施肥区の 10ァ —ル当たりにおける優秀果の収量 (トン) を 100とした場合の収穫量を評価し
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実施例 2の場合と同様の結果が得られた。 特に、 実験区 6及び 7では、 優れた トマトの収穫量が得られた。
表 3 ハウス内水耕栽培におけるトマトの収穫量 (通常施肥区 = 1 0 0 )
通常施月巴区及び多施条件区の土壌の調製
実施例 2と同様にして、 以下の表 4に記載されるように、 通常施肥区及び多肥 条件区の土壌を準備した。 この時の p Hは、 6であった。
実験区 8〜 9及び比較実験区 1 6〜 2 0の土壌の調製
通常施肥区又は多施条件区に対して、以下の表 4に示す割合で、 5— A L A (略 称として、 Aを使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネ チン (略称として、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区及び比較実験 区を準備した。 この時の p Hは、 6であった。
着果後のメ口ンの果実肥大率の推移
メロンの株を、 通常施肥区、 多施条件区、 実験区、 及び比較実験区に植え、 表 4に示すように、 経過日毎に各区より、 移植後の経過日毎に各区より、 1個当た
りのメロンの重量について、 通常施肥区のメ口ンの重量を 100とした場合の重 量比を評価した。
本発明の肥料吸収促進剤を使用する実験区 8及び 9において、 優れた肥大率と なった。
表 4 土耕栽培による着果後のメロンの果実肥大率 (通常施肥区 = 100)
実施例 5
通常施肥区の口ックウール水耕培地の調製
大塚化学株式会社製大塚ハウス 1号(商品名) (N:P2O5 :K2O= 10 : 8 : 27)を 1500倍に希釈した希釈液 1と、同社製大塚ハウス 2号(商品名)(N: P 205 : K20: CaO= 1 1 : 0 : 0 : 23) を 1000倍に希釈した希釈液 2とを、 水に対して、 それぞれ、 0. 050%と、 0. 075%となるように混 合して、 通常施肥区の水耕培地を準備した。 通常施月巴区の水耕培地を、 0. 1リ ットルの容器に取り、 電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所製のハンディ一 S
Cメ一夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 0.3d Sm—1であった。 この時の pHは、 6であった。
多施条件区の口ックウール水耕培地の調製
大塚化学株式会社製大塚ハウス 1号(商品名) (N:P2O5:K2O=10 :8 : 27)を 1500倍に希釈した希釈液 1と、同社製大塚ハウス 2号(商品名)(N: P 205 : K20: CaO= 11 : 0 : 0 : 23) を 1000倍に希釈した希釈液 2とを、 水に対して、 それぞれ、 0. 15%と、 0. 22%となるように混合し て、 多肥料条件の水耕培地を準備した。 多肥料条件の水耕培地を、 0. 1リット ルの容器に取り、 電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所製のハンディー SCメ —夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 1.0 d Sm—1であった。 この 時の pHは、 6であった。
実験区 10〜 11の水耕培地の調製
多施条件区に対して、 以下の表 2に示す割合で、 5— ALA (略称として、 A を使用) と、 インドール酢酸 (略称として、 Iを使用) と、 力イネチン (略称と して、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区 10及び 11を準備した。 バラ (ローテレーゼ) のロックウール水耕栽培における生産量の推移
バラの株を、 通常施肥区、 多肥条件区及び実験区でロックウール水耕栽培に付 し、 表 5に示すように、 経過日毎に各区より、 3. 3m2当たりの収穫花数 (本) について、 通常施肥区の収穫花数 (本) を 100とした場合の収穫花数 (本) を 評価した。
本発明の肥料吸収促進剤を使用した実験区 10及び 11において、 優れた収穫 花数 (本) が得られた。
バラ (ローテレーゼ) のロックウール水耕栽培における生産量の推移
通常のバラ栽培では、 花の収穫量が低下するため、 3〜4年毎の改植が必要と される。 これに対して、 本発明の肥料吸収促進剤 (実験区 10及び 11) を使用 する場合には、 8年間以上改植する必要がなく、 通常より明らかに多い収量を維 持している。 しかも、 この栽培方法を行った簡易ビニールハウスは、 8年間以上 ビニールの張り替えを行っておらず、 太陽光の遮光率は 70%を越えている。 こ のことは、 単に農作物の多収栽培法として有効であることを示すだけでなく、 産 業廃棄物や燃料の低減化に伴う環境問題の解決にも寄与する技術であることが分 かる。 実施例 6
通常施肥区の土壌の調製
化成肥料 (日産化学株式会社製千代田化成 (商品名) (N: P 205 : K20= 1 5 : 15 : 10))及びバーク堆肥とを、 1対 1の重量比で耕作用の土壌に対して 10重量%の割合で混合して、 通常施肥区の土壌を準備した。 通常施肥区の土壌 を 60°Cで 24時間風乾した後、 容器に、 10g取り、 蒸留水 50c cを混合し、 1時間撹拌した後、 得られた上澄み液の電気伝導度 (EC) を、 東興化学研究所 製のハンディー SCメ一夕 TCX— 90 iを使用して測定したところ、 0.5 dS m—1であった。 この時の pHは、 6であった。
多施条件区の土壌の調製
上記化成肥料及び堆肥とを同一の重量比で耕作用の土壌に対して 5 0重量%の 割合で混合して、 多施条件区の土壌を準備した。 上記と同様にして、 電気伝導度 ( E C ) を測定すると、 多施条件区の土壌の電気伝導度(E C ) は、 1 . 5 d S m _ 1であった。 この時の p Hは、 6であった。
実験区 1 2〜 1 3の土壌の調製
多施条件区の土壌に対して、 以下の表 6に示す割合で、 5— A L A (略称とし て、 Aを使用) と、 インドール酢酸(略称として、 Iを使用) と、 力イネチン (略 称として、 Kを使用) を、 各種の組合せで配合し、 実験区 1 2〜: L 3を準備した。 ゥンシユウミカン (宫本早生) のハウス土耕栽培における収量の推移
ゥンシユウミカンの株を、 通常施肥区、 多施条件区、 及び実験区 1 2〜1 3に 植え、 表 6に示す年度当たりの収穫量を測定した。 結果を、 以下の表 6に併記し た。 ゥンシユウミカン (宫本早生) のハウス栽培における収穫量の推移
果樹栽培において隔年結果 (隔年毎に収量が低下する現象) は重要な問題であ る。 特にゥンシユウミカンのハウス栽培においては、 設備の維持管理費を必要と するため、 隔年結果が発生すると、 深刻な経営難に陥ることがある。 しかし、 本
発明の肥料吸収促進剤を使用すると、 ゥンシユウミカンのハウス栽培において、 隔年結果を起こすことなく、毎年安定した高収量が得られることが分かる。また、 隔年結果の防止及び収量増加は、 ゥンシユウミカン以外の柑橘類や、 カキ、 リン ゴ、 ォゥトウ、 ブル一ベリーなどの小果類及びマンゴーなどの熱帯や亜熱帯果樹 でも確認されている。