JP2007308434A - 植物生長促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】原材料が入手容易で、安全・安価であり、かつ少量の使用で植物生長の促進、発芽の促進、鮮度保持等効果の高い植物生長促進剤を提供する。
【解決手段】原材料がもともと植物中に存在し、人体に極めて安全なトレハロースとクエン酸又はその塩を含有した植物生長促進剤である。クエン酸の塩は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウムの1種又は2種以上の混合物が有用で、トレハロースとクエン酸又はその塩との含有重量割合が1:0.1〜1:20であるときに、優れた植物生長促進効果を発現する。
【選択図】なし
【解決手段】原材料がもともと植物中に存在し、人体に極めて安全なトレハロースとクエン酸又はその塩を含有した植物生長促進剤である。クエン酸の塩は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウムの1種又は2種以上の混合物が有用で、トレハロースとクエン酸又はその塩との含有重量割合が1:0.1〜1:20であるときに、優れた植物生長促進効果を発現する。
【選択図】なし
Description
本発明は、植物生長促進剤に関し、とりわけ、トレハロースとクエン酸又はその塩とを含有した植物の生長、発芽等を促進する植物生長促進剤に関する。
植物の生長を促進する物質として各種の植物ホルモンが知られている。例えば、オーキシンは発根促進、細胞伸長、細胞分裂の促進を引き起こすホルモンとして知られ、植物ホルモンの中でも最も多く利用されている。ジベレリンは、細胞伸長、発芽促進ホルモンとして、エチレンは、ある種の植物、例えば、パイナップルでは花芽形成促進ホルモンとして、また、果実の「色づき」、「軟化」等成熟ホルモンとして知られている。ジャスモン酸も近年、ある種の植物の着色を促進するホルモンとして知られるようになり、また、サイトカイニンは、カルスの形成、側芽の生長、細胞の拡大、クロロフィル合成促進、種子発芽の促進作用がある植物ホルモンとして知られている。これらの植物ホルモンを中心に、新規の植物生長促進剤の研究が盛んに行われている。しかし、一部の植物ホルモンを除き、一般に使用するには、入手が困難であることや、高価である等の問題があり、商業的利用は行われていない。
植物ホルモン以外にも化学合成物質や植物含有成分を抽出利用したものなど各種の新規植物生長促進剤の研究が盛んに行われているが、対象作物が限定されたり、使用方法が複雑・面倒であったり、安全性が懸念されたり、高価であったり、また作用効果も限られたものが多いなど種々の課題がある。このため幅広い植物に生長、発芽、植物活性等を促進させる効果を示し、安全・安価で入手安易な植物生長促進剤の実現が強く望まれている。
トレハロースを植物生長促進剤として利用することは、特許文献1に記載が見られる。ここでは、トレハロース、トレハロース−6−リン酸、セラギノースから選択される少なくとも一種を好ましくは組成物全体に対して0.01〜30質量%、硝酸カルシウムなどの水溶性カルシウムを好ましくは組成物全体に対して0.1〜20質量%を主成分として含有する植物保護用組成物を用いる。この植物保護用組成物を10,000体積倍を上限として水に希釈して植物の茎葉および/または果実に散布するようにしている。
特許文献2には、体内樹液濃度のコントロールに関与する資材の提供を目的として、基材に「カンスイ」を使用し、これに微量要素の供給源として鉱物を添加し、所望により、微量要素の溶解を促進するために、有機酸を添加し、かくして微量要素のイオン効果を高めることにより、植物体内樹液の活性化をはかり発育促進効果を発揮させる、とある。ここで有機酸には、植物の生育に必要な微量要素の溶解を促進する目的で、酢酸やクエン酸などを添加するとある。
特許文献3には、食酢にオリゴ糖類及び植物抽出成分を配合してなり、病害虫防除効果等の作物機能性を有する植物活力剤を用いた作物栽培方法の提供を目的とするもので、食酢に分岐オリゴ糖含有糖類及び/又はトレハロース含有糖類と、ヒノキチオール、クマザサエキス、茶ポリフェノール、モウソウチクエキスの中から選ばれる植物抽出成分を配合するものである。この作物機能性は、雑草抑制、発芽抑制、倒伏軽減、病害防除、害虫防除、連作障害防止等である。特許文献4には、食酢にオリゴ糖類及び米糠抽出成分を配合してなり、病害虫防除効果等の作物機能性を有する植物活力剤を用いた作物栽培方法の提供を目的とするもので、食酢に分岐オリゴ糖含有糖類及び/又はトレハロース含有糖類と、フェルラ酸、ガンマーオリザノール、イノシトール、フィチン酸、フィチンの中から選ばれる米糠抽出成分を配合することが記載されている。
クエン酸を植物生長剤として用いることにつき、特許文献5にこの記載がみられる。すなわち、グルコースポリマーをクエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、エチレンジアミン四酢酸及び酒石酸からなる群から選ばれる多価カルボン酸でエステル化したカルボキシル基含有グルコースポリマーのカルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、鉄及びマンガン等の金属塩を含有するものが提案されている。
本発明の目的は、安全・安価であり、入手安易でかつ少量の使用で植物生長等促進効果の高い植物生長促進剤を提供することにある。そのため、本発明者らは係る現状に鑑み、自然界に存在し、後述する如く食品にも利用され人体への悪影響のおそれの全くない、入手容易なトレハロースに着目し、更にこれとクエン酸等の多価カルボン酸との併用効果について検討した。
上述の従来技術においては、特許文献5にみられるように、多価カルボン酸も単体では用いられてはおらず、しかも、グルコースポリマーをクエン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、エチレンジアミン四酢酸及び酒石酸等の多価カルボン酸でエステル化したカルボキシル基含有グルコースポリマーのカルシウム塩の形態での利用である。また、トレハロースとの併用であっても、上記特許文献2〜4にみられるように、トレハロースと植物の生育に必要な微量要素の溶解を促進する目的で、酢酸やクエン酸などを添加するものや、雑草抑制、発芽抑制、倒伏軽減、病害防除、害虫防除、連作障害防止等を目的に、クエン酸に限らず一般的な食酢にトレハロース含有糖類と、ヒノキチオール、クマザサエキス、茶ポリフェノール、モウソウチクエキスなどの植物抽出成分を配合したもの、あるいは同様に病害虫防除効果等の作物機能性を有する植物活力剤として、食酢にトレハロース含有糖類と、米糠抽出成分を配合したものはみられる。このように、クエン酸成分は有機酸の1種として選択されているに過ぎず、また、本発明の植物生長促進とは異なる作物機能性を求めているものである。本発明は従来のこれらの成分組成とは相違し、かつ、更なる植物生長促進効果がある組成物の開発につき鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものである。
本発明の植物生長促進剤は、主成分にトレハロースとクエン酸又はその塩とを含有したことを特徴とする。
ここでトレハロースと混合して用いるのは、TCAサイクルの中心的物質であるクエン酸又はクエン酸の塩であり、クエン酸の塩としては、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウムの1種又は2種以上の混合物である。
トレハロースとクエン酸又はその塩との混合比は、その比を1:0.1〜1:20の間の重量割合であり、好ましくは1:0.2〜1:15の範囲である。
本発明に使用するトレハロースは、ブドウ糖2分子がα、α−1、1で結合した、非還元性の糖質で、きのこ類に多く含まれ、豆類、えび類、海藻類にも含まれているが、澱粉の微生物酵素分解法による工業製品が好ましい。
このトレハロースは、甘味料、澱粉老化防止剤、タンパク変質防止剤、味や臭いを引き立てたり、抑えたりする矯味・矯臭剤、吸湿防止剤等として、多くの食品に利用されている。そして、また、このトレハロースは細胞やタンパク質を凍結や乾燥による障害から保護する作用を有していることが知られており、また、ある種の植物においては、発根を促進し、植物生長促進効果のあることも知られている。
しかし、後述するように、本発明者らが、実験した結果では、植物生長促進効果は必ずしも満足できるものではなかった。そこで、本発明者らはトレハロースの植物生長等促進効果を高めるべく、研究した結果、クエン酸又はその塩と併用したときに著しく植物生長等促進効果が高まることを発見し、かかる知見に基づき本発明の上記の手段を完成したものである。
本発明に係る植物生長促進剤は、少量の使用で優れた植物生長等促進効果を発現し、また植物全体を健全化し、特に農業生産上優れた効果を発揮する。そして、本発明植物生長促進剤は、自然界に存在するトレハロースとクエン酸を主成分としていることから、人体に対し極めて安全で、これら主成分は安価に、かつ容易に入手することができ、また、本発明の植物生長促進剤は製造も甚だ容易であるという、優れた効果を有する。
以下に本発明を実施するための最良の形態について説明する。ここで使用するトレハロースは、ブドウ糖2分子がα、α−1、1で結合した、非還元性の糖質で、きのこ類に多く含まれ、豆類、えび類、海藻類にも含まれているが、近年、澱粉を微生物酵素で分解することにより工業的に製造され、安価で、容易に入手することができる。
このトレハロースは、細胞やタンパク質を凍結や乾燥による障害から保護する作用を有しており、また、ある種の植物においては、発根を促進し、植物生長促進効果のあることは知られている。トレハロースが特に乾燥した生物、例えば、絶乾状態に近いイワヒバの水分付与による蘇生に有効であることに注目してなされたものである。トレハロースのこの性能は、(1)植物細胞表面のたんぱく質と水素結合することによって、細胞を保護する。あるいは(2)細胞表面で、ガラス構造のようなものを形成し、それにより細胞内物質を保護するために発現すると考えられる。しかし、トレハロース単独ではその植物生長促進効果が必ずしも満足できるものではないことが判明し、種々検討の結果、トレハロースの植物生長等促進効果がクエン酸又はその塩と併用したときに著しく向上することを見いだした。
本発明に使用するクエン酸は植物に存在し、TCAサイクルの中心的物質であって、代謝、エネルギーに影響を与えることは良く知られ、清涼飲料水をはじめ、加工食品の原料、医薬品原料、試薬等として幅広い分野に使用されている。このクエン酸は工業的には、澱粉あるいは糖をクロカビで発酵させて造られることから、人体への悪影響が全くなく、安全・安価でかつ容易に入手することができるものである。
驚くべきことに、TCAサイクルを構成するリンゴ酸では、トレハロースと併用しても全く植物生長促進効果が認められず、乳酸、酒石酸等他の有機酸においても全く同様に効果の度合いが低く、クエン酸又はその塩の併用によってのみ顕著な植物生長促進効果がみられたのである。
本発明で使用するクエン酸の塩としては、好例としてクエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウム等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
次に、トレハロースとクエン酸又はその塩の使用割合について言えば、植物の種類、施用方法、施用時期、クエン酸の塩の種類等により異なり一概に規制することはできないが、重量で1:0.1〜1:20、好ましくは1:0.5〜1:15の範囲が良い。すなわち、クエン酸又はその塩が0.1以下では本発明の効果を期待することができず、20を大きく上廻ると生長等抑制に作用する場合があり好ましくない。
トレハロースとクエン酸又はその塩の使用方法について言えば、トレハロースとクエン酸又はその塩の粉状物を上記割合で混合し、これをそのまま散布、施用等しても良いが、この混合物を水に溶解し、水溶液として使用することが好ましい。この場合の濃度としては、水溶液安定性や輸送上の経済性等の観点からも、合量で1から30質量%とすることが好ましい。
本発明の植物生長促進剤の使用形態としては、前記の如く粉状物原体をそのまま利用することもできるが、粉状物にあっては、粉状物原体を水溶液とし、シリカ、ケイ藻土、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト等を担体として、常法によりこれを粉状物として使用することが好ましい。
しかし、本発明者らが、最も推奨する使用形態は液状である。液状として葉面、茎、根元等に散布する場合、本発明の植物生長促進剤は植物に対して最も有効に作用し、その効果を良く発揮する。これを液状として使用する場合には、他の肥料成分、例えば硫安、塩安、燐安、塩加硫加等の水可溶性肥料塩類、あるいは展着剤を加え使用することもできる。
更には、カルシウム、亜鉛、鉄、硼酸、銅等の微量要素、あるいは、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等の各種栄養剤を含有させることもできる。また、バリン、リジン、アラニン、シスチン、グリシン、イソロイシン、プロリン等のアミノ酸、シトシン、チミン、アデニン、ウラシル等の核酸を含ませることもできる。
液状として使用する場合の使用濃度は、植物の種類、施用方法、施用時期、クエン酸の塩の種類等により異なり一概に規制することはできないが、上記濃度の水溶液を10〜10,000倍、好ましくは、200〜5,000倍に希釈して散布、施用する。また、散布、施用回数も適用作物種に合わせて適宜決定すれば良い。
本発明の植物生長促進剤は、芝、花卉、野菜、果樹、具体的には、コウライ芝、ベントグラス芝、シクラメン、ユリ、バラ、カーネーション、イチゴ、ナス、トマト、スイカ、キャベツ、ブロッコリー、さつまいも、ハクサイ、ニンジン、豆類、メロン、ナシ、ブドウ、ミカン、リンゴ、シイタケ、エノキダケ、ナメコ、キクラゲ、シメジダケ等のキノコ類に対して有用であるが、これらに限定されるものではない。
本発明の植物生長促進剤については、これまで、主に植物の土壌中での生育促進について述べてきたが、このほか、生け花、切り花、各種野菜の長期間に亘る鮮度保持に対しても優れた効果を発揮する。生け花、切り花等の鮮度保持剤としては各種鮮度保持剤が開発され、その一つとして抗菌剤と炭酸塩と有機酸と必要に応じ蔗糖、ブドウ等、果糖等の糖類を含有した鮮度保持剤が開示されているが安定性が悪く、しかも高価である。
根を切除した生け花、切り花等に使用する場合にあっては、花の種類、環境等によっても異なるが、概ねトレハロースとクエン酸又はその塩をそれぞれの0.001〜10質量%及び0.001〜15質量%の低い濃度範囲から使用することが好ましい。また本発明植物生長促進剤をレタス、キャベツ、ネギ、チンゲンサイ、エンドウ、キュウリ、トマト等採取した後の野菜等の鮮度保持に使用する場合にあっては、本発明植物生長促進剤を採取野菜に水溶液として散布するか、又は水溶液に浸漬すれば良い。浸漬は5分以内で十分である。この場合の濃度も野菜等の種類により異なるが、概ねトレハロースとクエン酸又はその塩をそれぞれ0.01〜20質量%及び0.01〜25質量%の濃度範囲で使用することが好ましい。
また、本発明植物生長促進剤は、各種種子に使用して、発芽率を高め、発芽を促進することもできる。この場合の使用態様としては、ハクサイ、ホウレンソウ、キクナ、レタス、キャベツ等の種子を本発明植物生長促進剤の水溶液に浸漬すれば良い。浸漬時間に関して言えば、種子の種類、環境温度等により異なるが10分〜1時間程度で良い。また濃度に関してはこれも種子の種類により異なるが、概ねトレハロースとクエン酸又はその塩をそれぞれ0.01〜5質量%及び0.01〜10質量%の濃度範囲で使用することが好ましい。
更に、本発明植物生長促進剤は、キュウリ、トマト、ナス、スイカ、シシトウ、キャベツ、イチゴ、レタス等野菜、各種花卉の市販されているポット苗を、そのまま水溶液に1〜10分浸漬することにより、植物の根を活性化させ、生長を促進させることもできる。この場合の濃度としては、植物の種類、生長ステージ等により異なるが、野菜の鮮度保持と同じで良く、概ねトレハロースとクエン酸又はその塩をそれぞれ0.01〜20質量%、0.01〜25質量%の濃度範囲で使用することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の最良の結果をもたらす実施の形態を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
各試験区に対して、同量の市販複合肥料(成分14−14−14)を元肥として施用した露地に、市販ブロッコリーの幼苗15本を約50cm間隔で定植した。定植後、2週間に1回(合計3回)、本発明区には本発明の植物生長促進剤の水溶液(トレハロース:2.6g/L,クエン酸:1.5g/L)を、対照区1にはトレハロースの水溶液(トレハロース:4.0g/L)を、対照区2にはクエン酸の水溶液(クエン酸:4.0g/L)をそれぞれ1,000倍に希釈して、各区5本のブロッコリーに1回に40mL/本散布し、約2月後に生育状態を観察した。その結果を表1に示す。
各試験区に対して、同量の市販複合肥料(成分14−14−14)を元肥として施用した露地に、市販ブロッコリーの幼苗15本を約50cm間隔で定植した。定植後、2週間に1回(合計3回)、本発明区には本発明の植物生長促進剤の水溶液(トレハロース:2.6g/L,クエン酸:1.5g/L)を、対照区1にはトレハロースの水溶液(トレハロース:4.0g/L)を、対照区2にはクエン酸の水溶液(クエン酸:4.0g/L)をそれぞれ1,000倍に希釈して、各区5本のブロッコリーに1回に40mL/本散布し、約2月後に生育状態を観察した。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、トレハロースとクエン酸を含有した本発明区は、トレハロースのみの対照区1、クエン酸のみの対照区2に比べて、ブロッコリーの生育が著しく良好であることが判る。
実施例2
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分8−8−8)を元肥として施用した露地に、市販トマト苗20本を約70cm間隔で平成17年4月25日に定植した。定植後2週間に1回(合計5回)、下記の散布剤を700倍に希釈し根元に1回30mL/本散布(各区5本)して、同年7月18日に収穫し、収量を調査したところ次の通りであった。ここで、平均重の値は上位5個の平均重である。
1.本発明区(トレハロース:1.8g/L,クエン酸:2.0g/L含有水溶液)・・・・・平均重136g
2.対照区1(トレハロース:3.5g/L含有水溶液)・・・・・平均重112g
3.対照区2(クエン酸:3.5g/L含有水溶液)・・・・・平均重108g
4.対照区3(トレハロース:1.8g/L,リンゴ酸:2.0g/L含有水溶液)・・・・・平均重116g
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分8−8−8)を元肥として施用した露地に、市販トマト苗20本を約70cm間隔で平成17年4月25日に定植した。定植後2週間に1回(合計5回)、下記の散布剤を700倍に希釈し根元に1回30mL/本散布(各区5本)して、同年7月18日に収穫し、収量を調査したところ次の通りであった。ここで、平均重の値は上位5個の平均重である。
1.本発明区(トレハロース:1.8g/L,クエン酸:2.0g/L含有水溶液)・・・・・平均重136g
2.対照区1(トレハロース:3.5g/L含有水溶液)・・・・・平均重112g
3.対照区2(クエン酸:3.5g/L含有水溶液)・・・・・平均重108g
4.対照区3(トレハロース:1.8g/L,リンゴ酸:2.0g/L含有水溶液)・・・・・平均重116g
実施例3
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分10−10−10)を施用した培土を6鉢に充填し、これに市販ナデシコ苗6本を平成17年9月13日に鉢植し、10日に1回(合計5回)、下記の散布剤を500倍に希釈し根元に1回10mL/鉢散布(各区2本)して、同年11月18日に花色、樹勢等を観察したところ次の通りであった。
1.本発明区(トレハロース:1.3g/L,クエン酸ナトリウム:0.8g/L含有水溶液)・・・・・鮮やかなピンクの花で樹勢も良く、花輪も大きかった。
2.対照区1(トレハロース:2.0g/L含有水溶液)・・・・・本発明区に比べ花色が鮮やかでなく、樹勢も少し悪かった。
3.対照区2(トレハロース:1.3g/L,乳酸:0.8g/L含有水溶液)・・・・・花色、樹勢共に対照区1よりも悪かった。
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分10−10−10)を施用した培土を6鉢に充填し、これに市販ナデシコ苗6本を平成17年9月13日に鉢植し、10日に1回(合計5回)、下記の散布剤を500倍に希釈し根元に1回10mL/鉢散布(各区2本)して、同年11月18日に花色、樹勢等を観察したところ次の通りであった。
1.本発明区(トレハロース:1.3g/L,クエン酸ナトリウム:0.8g/L含有水溶液)・・・・・鮮やかなピンクの花で樹勢も良く、花輪も大きかった。
2.対照区1(トレハロース:2.0g/L含有水溶液)・・・・・本発明区に比べ花色が鮮やかでなく、樹勢も少し悪かった。
3.対照区2(トレハロース:1.3g/L,乳酸:0.8g/L含有水溶液)・・・・・花色、樹勢共に対照区1よりも悪かった。
実施例4
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分15−15−15)を元肥料として施用した畑に、平成17年5月10日にさつまいも苗9本を60cm間隔で定植し、定植後2週間に1回(合計3回)、下記の散布剤を500倍に希釈し、1回70mL/本散布(各区3本)して、同年11月8日に収穫し、収量を調査したところ次の通りであった。なお、追肥は同年6月5日と7月15日の2回行った。
1.本発明区1(トレハロース:3.5g/L,クエン酸銅:1.5g/L含有水溶液)・・・・・3本で29個(大小合わせて)、平均重261g
2.対照区1(トレハロース:5.0g/L含有水溶液)・・・・・3本で22個(大小合わせて)、平均重212g
3.対照区2(トレハロース:3.5g/L,フマル酸:1.5g/L含有水溶液)・・・・・3本で24個(大小合わせて)、平均重234g
各試験区に対して同量の市販複合肥料(成分15−15−15)を元肥料として施用した畑に、平成17年5月10日にさつまいも苗9本を60cm間隔で定植し、定植後2週間に1回(合計3回)、下記の散布剤を500倍に希釈し、1回70mL/本散布(各区3本)して、同年11月8日に収穫し、収量を調査したところ次の通りであった。なお、追肥は同年6月5日と7月15日の2回行った。
1.本発明区1(トレハロース:3.5g/L,クエン酸銅:1.5g/L含有水溶液)・・・・・3本で29個(大小合わせて)、平均重261g
2.対照区1(トレハロース:5.0g/L含有水溶液)・・・・・3本で22個(大小合わせて)、平均重212g
3.対照区2(トレハロース:3.5g/L,フマル酸:1.5g/L含有水溶液)・・・・・3本で24個(大小合わせて)、平均重234g
実施例5
同量の市販複合肥料(成分8−8−8)を元肥として施用した畑土壌充填の4鉢を用意し、これに、小松菜の種を20粒/鉢播種して屋内に放置した。本発明区2鉢には本発明剤(トレハロース:1.0g/L,クエン酸:0.5g/L含有水溶液)を、対照区2鉢には対照剤(トレハロース:1.0g/L,酒石酸:0.5g/L含有水溶液)をそれぞれ1,000倍に希釈して、播種3日後と10日後の2回、1回に10mL/鉢散布し、播種20日経過後小松菜の生体重(g/鉢)を測定した。その結果本発明区は9.7g/鉢で、対照区は6.4g/鉢であった。
同量の市販複合肥料(成分8−8−8)を元肥として施用した畑土壌充填の4鉢を用意し、これに、小松菜の種を20粒/鉢播種して屋内に放置した。本発明区2鉢には本発明剤(トレハロース:1.0g/L,クエン酸:0.5g/L含有水溶液)を、対照区2鉢には対照剤(トレハロース:1.0g/L,酒石酸:0.5g/L含有水溶液)をそれぞれ1,000倍に希釈して、播種3日後と10日後の2回、1回に10mL/鉢散布し、播種20日経過後小松菜の生体重(g/鉢)を測定した。その結果本発明区は9.7g/鉢で、対照区は6.4g/鉢であった。
実施例6
兵庫県内のゴルフ場で芝生育試験を行った。市販有機質肥料を施用した後、1ヶ月後コウライ芝の芝張りを行った。2.8m2芝区4区を用意し、本発明区には本発明剤(トレハロース:1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)を対照区には対照剤1(蔗糖:1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)、対照剤2(ブドウ糖1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)、対照剤3(トレハロース:2.0g/L含有水溶液)をそれぞれ1,000倍に希釈して、100mL/m2、20日に1回(合計5回)散布し、6月育成した。この間約1ヶ月に1回芝を刈り取り、これを50℃で乾燥した後、重量を測定した。その結果本発明区の合計乾燥芝重量は33.5g/m2であり、対照区の対照剤1は22.7g/m2、対照剤2は24.1g/m2、対照剤3は25.3g/m2であった。
兵庫県内のゴルフ場で芝生育試験を行った。市販有機質肥料を施用した後、1ヶ月後コウライ芝の芝張りを行った。2.8m2芝区4区を用意し、本発明区には本発明剤(トレハロース:1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)を対照区には対照剤1(蔗糖:1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)、対照剤2(ブドウ糖1.5g/L,クエン酸:0.7g/L含有水溶液)、対照剤3(トレハロース:2.0g/L含有水溶液)をそれぞれ1,000倍に希釈して、100mL/m2、20日に1回(合計5回)散布し、6月育成した。この間約1ヶ月に1回芝を刈り取り、これを50℃で乾燥した後、重量を測定した。その結果本発明区の合計乾燥芝重量は33.5g/m2であり、対照区の対照剤1は22.7g/m2、対照剤2は24.1g/m2、対照剤3は25.3g/m2であった。
実施例7
4個のガラス瓶を用意し、これに本発明植物生長促進剤(濃度 トレハロース:0.5g/L,クエン酸:0.3g/L含有水溶液)、対照液1(濃度 トレハース:0.8g/L含有水溶液)、対照液2(濃度 クエン酸:0.8g/L含有水溶液)、対照液3(水)をそれぞれ200mLと発育状態が良くそろった菊の切り花(各瓶3本)を入れ、20日間屋内に放置し、10日目と20日目に観察し評価した。評価方法及び評価結果は次のとおりである。
[評価方法]
A・・・・・全体的にほぼ萎えた状態
B・・・・・観賞に堪える限界
C・・・・・僅かな萎れが全体に認められる状態
D・・・・・部分的に萎れがある状態
E・・・・・健全な状態
[評価結果]
本発明植物生長促進剤・・・・10日目はE、20日目はD
対照液1・・・・・・・・・・10日目はD、20日目はC
対照液2・・・・・・・・・・10日目はCとDの中間、20日目はC
対照液3・・・・・・・・・・10日目はB、20日目はA
4個のガラス瓶を用意し、これに本発明植物生長促進剤(濃度 トレハロース:0.5g/L,クエン酸:0.3g/L含有水溶液)、対照液1(濃度 トレハース:0.8g/L含有水溶液)、対照液2(濃度 クエン酸:0.8g/L含有水溶液)、対照液3(水)をそれぞれ200mLと発育状態が良くそろった菊の切り花(各瓶3本)を入れ、20日間屋内に放置し、10日目と20日目に観察し評価した。評価方法及び評価結果は次のとおりである。
[評価方法]
A・・・・・全体的にほぼ萎えた状態
B・・・・・観賞に堪える限界
C・・・・・僅かな萎れが全体に認められる状態
D・・・・・部分的に萎れがある状態
E・・・・・健全な状態
[評価結果]
本発明植物生長促進剤・・・・10日目はE、20日目はD
対照液1・・・・・・・・・・10日目はD、20日目はC
対照液2・・・・・・・・・・10日目はCとDの中間、20日目はC
対照液3・・・・・・・・・・10日目はB、20日目はA
実施例8
比較的大きさの良く揃った市販イチゴを、本発明植物生長促進剤(濃度 トレハロース:0.4g/L,クエン酸:0.5g/L含有水溶液)の5倍希釈液と対照液(水)各500mLの入った2個のトレイに、各10個ずつ入れ、約1分後に取出し、これをお皿に入れ、上からプラスチックシートで軽く封じた後、室温で保管した。本発明植物生長促進剤で浸漬処理したイチゴのうち8個は1週間後でも外観の変化は見られず、また、食味も浸漬処理前とほとんど変わらなかった。一方、対照液で浸漬処理したイチゴは3日後には4個外観が崩れ、1週間後には全て外観が崩れていた。
比較的大きさの良く揃った市販イチゴを、本発明植物生長促進剤(濃度 トレハロース:0.4g/L,クエン酸:0.5g/L含有水溶液)の5倍希釈液と対照液(水)各500mLの入った2個のトレイに、各10個ずつ入れ、約1分後に取出し、これをお皿に入れ、上からプラスチックシートで軽く封じた後、室温で保管した。本発明植物生長促進剤で浸漬処理したイチゴのうち8個は1週間後でも外観の変化は見られず、また、食味も浸漬処理前とほとんど変わらなかった。一方、対照液で浸漬処理したイチゴは3日後には4個外観が崩れ、1週間後には全て外観が崩れていた。
Claims (3)
- トレハロースとクエン酸又はその塩とを含有した植物生長促進剤。
- クエン酸の塩は、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸銅、クエン酸鉄アンモニウムの1種又は2種以上の混合物である請求項1記載の植物生長促進剤。
- トレハロースとクエン酸又はその塩との含有重量割合が1:0.1〜1:20である請求項1記載の植物生長促進剤。
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- 2006-05-19 JP JP2006140671A patent/JP2007308434A/ja active Pending
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