JP4544535B2 - 肥料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無機塩、無機酸化物又は有機塩を効率良く溶解して液状複合肥料を製造する方法に関する。
肥料は、農作物に養分を与え、収穫率を上げると共に地力の衰退を防ぐために用いられている。肥料には、窒素、リン、カリウムの三大要素が含まれ、これらは植物栽培の栄養に欠かせないものである。
窒素は植物の蛋白質合成、細胞の分裂および増殖、根の発育、葉茎の繁茂を促進し、また、養分の吸収を促進させる。リンは根の発育を促進させ根の養分吸収面を増大し、発芽を活発化させる。また、リンは植物の成熟を促進して実の収穫量を増大すると共に収穫物を良質化する。カリウムは炭水化物および窒素化合物を合成し、同化作用、根の発育、開花および結実を促進させる。
通常の液体肥料にはこれらの主要成分に加えてカルシウム、ホウ素などの微量無機成分及びブドウ糖、果糖などの糖類、蛋白質、蛋白質分解物、アミノ酸、発酵生成物やビタミン類などの有機成分が含まれる。
液体肥料はミネラル成分を溶解して製造されるが、肥料に必要とされるミネラル成分の中には難溶性の成分があり、所望の濃度でミネラル成分を溶解した液体肥料が得られないことが多い。
一方人類はその進化と共にその叡智によって近代文明を築き上げて来たが、それとは裏腹に、現代病と総称される病気の増加をもたらしている。その原因の一つとして、食生活の変化、つまりミネラルの不足がある。昔はミネラル成分の豊富な魚介類、海藻類を摂取していた。そしてこれらの摂取した食物のうち、未消化の養分を含む排泄物を肥料として野菜を生育させた。これ以外にも米、麦や果実は、油粕類、豆粕類、有機肥料を使用して栽培していた。従ってミネラル成分を多く含んだ食物を食し健康であったと言われている。
しかし現今では、化学肥料や農薬を主として農産物が栽培されるため、ミネラルを含む食品が減少している。多くの医師や臨床機関によりミネラルにより病気の改善回復が報告され、厚生労働省令により必須ミネラル、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、亜鉛、銅、クロム、セレン、マンガン、リン、ヨウ素等が栄養機能成分として認定されている。現代社会の精神的負担の増加等に対処するためにミネラル成分の補給は急務であるが、それを満たす食品は少なく、また天然物も少ない。健康補助食品として粉末ミネラルが使用されているが、鉱物のため消化吸収量が少なく、大量に摂取すると消火器障害が起こすことがある。
天然のミネラル水が多数販売されているが、天然水中のミネラル成分の濃度は非常に低く、十分なミネラル成分は摂取できない。従って比較的高濃度のミネラル成分を溶解したミネラル水が存在すれば、容易に適量のミネラル成分の摂取が可能になり、健康増進に寄与できるが、このようなミネラル水は知られていない。
これらとは別に、工業的に薬剤や化成品を製造する際に、原料の溶解が必要になるが、この原料として例えば無機酸化物を使用すると、この無機酸化物が溶媒に溶解しにくいため、固体のまま反応させたり、非常に長時間攪拌して溶解させたりする必要があった。
特開平7−24278号公報 特開平10−15369号公報
前述の肥料製造、ミネラル水製造及び原料溶解とも、難溶性の塩や酸化物の存在が障害となっている。
化合物の溶解を減圧下で行うことは特許文献1及び2などにより公知となっているが、これらはいずれも溶解する粉体中の気体を脱気し、かつ溶媒の脱気を行って前記粉状の溶解を促進する技術であり、溶解が促進されるにしてもその効果は飛躍的なものではない。
本発明は、上記に鑑みて提案されたものであって、従来の減圧による溶解促進を更に効率的に行い、塩類又は酸化物などの金属化合物を水に溶解する方法、及びこの方法を利用する液状複合肥料の製造方法、及び人体摂取用ミネラル水の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、カリウム化合物、亜鉛化合物、鉄化合物、銅化合物及びクロム化合物から選択される2種以上の粉状金属化合物を、減圧下で酸を添加した水に、加熱により当該水を沸騰させながら溶解し、溶解し、対応する金属イオンを含有する液状複合肥料を製造することを特徴とする方法である。
以下本発明方法を詳細に説明する。
本発明方法では、粉状の金属化合物である塩類又は酸化物等を水に溶解する際に、従来のように減圧で行うだけでなく、前記水に酸を添加して行うようにする。これにより粉状の前記金属化合物内の脱気と溶解させる水の脱気が行われる。酸添加により前記金属化合物の溶解が促進する理由は明確ではないが、減圧により脱気と水の循環が促進され、それに水素イオンの機能が相乗的に作用していると推測できる。
本発明方法の対象とする金属化合物は、無機塩や無機酸化物及び有機塩を幅広く含み、特に限定されない。
塩化ナトリウムなどの可溶性の無機塩も本発明方法により、従来より迅速に溶解でき、更に分子が十分に解離して単一のナトリウムイオンとしてあるいは水和して水中に存在できるようになると考えられる。
溶解する金属化合物は1種でも2種以上でも良く、2種以上の金属化合物を溶解する際に、一部の金属化合物のみを本発明方法で溶解するようにしても良い。
前記金属化合物には、塩化ナトリウムの他に、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化マンガン四水和物、塩化ルビジウム、塩化パラジウム、塩化リチウム、塩化ビスマス、塩化金、塩化白金、酸化亜鉛、酸化銀、酸化バナジウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、三酸化ホウ素、三酸化ヨウ素、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、クエン酸鉄、グルコン酸銅、三硫化ビスマス、三硫化アンチモン、二硫化テルル、タングステン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウムなどが含まれ、これらに限定されない。
本発明方法で使用する酸は特に限定されないが、クエン酸、乳酸、シュウ酸、酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸及び硝酸などが好適に使用できる。使用する酸と添加濃度は、溶解する金属化合物と溶解濃度に依存する。好適な酸添加濃度は、金属化合物全量に対して1/100から1/5(重量比)であるが、これに限定されない。
本発明方法で、減圧度を大きくする程効果は向上するが、500パスカル以下の減圧条件下では減圧程度に比し効果の向上が少なくなる。換言すれば、500パスカル程度の減圧によって、ほぼ目的を達成し得る。従って減圧度は望ましくは500〜2000パスカル、より望ましくは1000〜1500パスカルであるが、これに限定されない。
実際の溶解の際には、減圧容器内に、溶解用の水、原料である粉状の金属化合物及び酸を入れて減圧にして攪拌を行う。前記攪拌は攪拌器を使用して行っても良いが、減圧下で溶解を行う本発明方法の特性を利用して、加熱により溶媒である水を沸騰させてかつ還流させることにより攪拌を行わせることが好ましい。溶解を促進するためには、波動を加えても良い。
これにより金属化合物が溶解して金属イオン(ミネラル)を含む水(ミネラル水)が得られ、この水は液状複合肥料や健康増進のために摂取するミネラル水として使用できる。
この他、本発明方法は金属化合物を溶解する各種用途に使用でき、例えば工業的な薬剤や化成品の製造時に原料である金属化合物を円滑に溶解させるために使用することができる。
本発明方法では、得られるミネラル水に酸が残留する。この酸の残留が好ましくない場合は、炭酸ナトリウムなどのアルカリを使用して中和すれば良い。
本発明方法は液状複合肥料の製造に特に好適に使用できる。
液状複合肥料は、ミネラル成分として、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、亜鉛イオン、鉄イオン、銅イオンを含んでいることが望ましく、好適な1リットル当たりの含有量は順に、2500mg〜8000mg、3000mg〜8000mg、3000mg〜20000mg、30mg〜300mg、30mg〜300mg及び5mg〜50mgである。
通常、本発明方法で得られるミネラル水に、栄養補助剤を添加して液状複合肥料とする。この栄養補助剤には、海藻エキス、ビール酵母、各種アミノ酸、キトサン、糖蜜、光合成菌、中和菌、菌根菌、外微生物菌、核酸、光オーレス菌などがある。
本発明方法で得られるミネラル(金属イオン)を多く含む液状複合肥料を使用すると、農産物の増収、品質向上、及び糖度、酸度及び風味の改善を達成できる。原料を適切に選択すると、有害な化学物質を使用することなく液状複合肥料を製造できる。
近年の農業はハウス栽培が多くなっており、連続栽培のために土壌消毒が行われる。これによる土壌中の有益な微生物が死滅して作物が育たなくなることがある。このような土壌でも本発明方法で製造した液状複合肥料を使用すると、前記土壌に十分ミネラルが供給されて作物の生育に適した土壌にすることができる。
作物の良好な生育には、有益微生物と、太陽光を受け取る光合成菌、及び多数のミネラルのバランスが達成された土壌が不可欠である。本発明方法による液状複合肥料はこのような豊かな土壌を得るために最適である。
近年の燃料コストの上昇はハウス栽培を困難にしているが、前記液状複合肥料は、農産物の増収や品質向上を達成でき、燃料コストの上昇を補って余りある利益を生み出すことができる。
本発明方法による液状複合肥料は、土壌に植えられている農産物の周囲に散布して根から吸収させることが基本であるが、その他に野菜類、果樹類又は穀類の種子を前記液状複合肥料の希釈液に浸したり、苗の葉面に塗布又は散布しても良い。更に水耕栽培に使用することもできる。
本発明方法による液状複合肥料を農産物の栽培に使用すると、次のような効果が生じる。
[農産物全般]
本発明の液状複合肥料は光合成菌を含む有益微生物の発育を強めるミネラル成分を多く含み、天候不良や日照不足が生じてもその悪影響を最小限に抑制できる理想的な全天候型の優れた肥料である。従って野菜や果実以外の、例えば水稲、落花生及びそばなどの農産物や、梅や杏などの草花の育成にも有用である。
更に安全性が確認されている食品添加剤などを原料として使用すれば人体や環境への悪影響が生じない。
また肥料としての窒素は、栽培の前半では必須成分であるが、栽培の後半では殆ど不要で、窒素が多く残ると、糖度、酸度及び風味に悪影響が出ることがある。本発明方法で製造される液状複合肥料はミネラル成分を多く含み、窒素と他の成分のバランスが良くなるため、残留窒素による不都合を最小に抑え、更に当該液状複合肥料中の窒素含有量を少なくして、栽培後半用に適した肥料とすることもできる。
[玉葱]
玉葱の育成には水分や土壌成分が影響するが、栽培後半に窒素が土壌中に残存すると、収穫後、腐敗しやすくなる。窒素分を控えめにすると、収穫量が減少し、例えば10アール当たりの収穫量は4トンになる。
本発明の液状複合肥料を使用すると、窒素成分に影響されずに増収を図ることができ、6〜7トン収穫できる。
[キャベツ・ブロッコリー・白菜]
これらは天候に左右されやすく、年ごとに増産と減産を繰り返している。本発明の液状複合肥料を使用し、更に灌水などの生産条件を整備すると、生育が促進されて収穫時期が早まり、結球が硬く品質が良く、市場価値の高いものが得られる。
[ピーマン・パプリカ]
本発明の液状複合肥料を使用すると、花つきが増し、草丈の生長以上に育成し、大きな実が得られる。
[イチゴ]
イチゴは、通常9月に新しい苗を植え、12月中旬から翌年5月頃まで収穫する。本発明の液状複合肥料を10月頃から与えると、新しい苗を植えなくても、11月頃から花が咲き、実が成る。これは肥料との関係で窒素分を与えないと、古い株でも花が咲くからで、しかも新株より多く収穫できる。従って毎年の植替えが2年毎の植替えで済み、労力を減少できる。更にイチゴにとって最も重要な糖度上昇も大きく、高く評価される。
[サツマイモ]
サツマイモは土地を選ばないといわれるが、糖度については適地があり、窒素分の少ないミネラル成分の多い土地で栽培すると糖度が高くなる。本発明の液状複合肥料は窒素分が少なく、サツマイモ栽培用に適している。また干拓地はサツマイモの栽培に適さないと言われているが、本発明の液状複合肥料は干拓地における食用に向く中型のサツマイモ及び焼酎、アルコール、澱粉、干し芋、芋ペーストなどの工業原料としてのサツマイモの製造にも適している。
本発明方法で得られるミネラル水は、直接人間が摂取して人体にミネラル成分を供給することの他、食品製造用の水として使用できる。例えばパンや菓子、麺類、野菜などの食品の洗浄水として使用すると、ミネラル水に含まれるミネラル成分が前記食品中に浸透してミネラル成分を多く含む食品を提供できる。
更に調味液、果汁飲料、牛乳、ヨーグルトなどの希釈水として使用すると、ミネラル水自体が食品の一部になり、効果的に摂取、吸収される。
前記ミネラル水の効用は、例えば血糖値・血液粘度の低下、疲労回復、脳梗塞・心筋梗塞・ガンの予防、高血圧症・低血圧症・貧血症・アレルギー体質・リウマチ・便秘・不眠症・むち打ち症の改善、胃腸障害・糖尿病・更年期障害・自律神経失調症・前立腺失調・動脈硬化・耳鳴り・めまい・肩こり・花粉症・腰痛の予防・改善などがある。
このように本発明の溶解方法により、減圧下で酸を添加して金属化合物の溶解を行うと、難溶性の化合物でも比較的容易に金属イオンとして水に溶解する。これにより得られる金属イオン水(ミネラル水)は、液状複合肥料や人体摂取用ミネラル水として効果的に利用できる。更にこのミネラル水は各種食品の洗浄水や希釈水と使用して前記食品内にミネラル成分を取り込むことに使用しても良い。
前記液状複合肥料はこれからの農業の栽培形態を大きく変化させることができると期待される。
次に本発明に係る溶解方法を使用する液状複合肥料及びミネラル水の製造を実施例に基づいて詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[実施例1]
粉末状の塩化マグネシウム75gと粉末状の塩化カルシウム45gを水道水1リットルとともに、ローラリーエバポレター(東京理化器械株式会社製、高沸点タイプ)のフラスコに入れ、更にクエン酸9gを添加した。
ポンプを使用してこのローラリーエバポレター内を1300パスカル(約10トール)に減圧(真空)し、前記フラスコを回転させながら、80〜90℃で加熱したところ、約37分で粉末が完全に溶解した。その後放置しても沈殿は生じることがなく、均一に溶解していることが判った。
[比較例1]
クエン酸を添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ条件で粉末状の塩化マグネシウムと粉末状の塩化カルシウムの水道水への溶解を行った。粉末は約60分で溶解したが、溶解後、放置したところ、フラスコ底面の沈殿が生じ、不均一な溶解であることが推測できた。
[実施例2]
粉末状の酸化亜鉛200gを水道水10リットルとともに、ローラリーエバポレター(東京理化器械株式会社製、高沸点タイプ)のフラスコに入れ、更にクエン酸200gを添加した。
ポンプを使用してこのローラリーエバポレター内を1300パスカル(約10トール)に減圧(真空)し、前記フラスコを回転させながら、80〜90℃で加熱したところ、約45分で粉末が完全に溶解した。
[比較例2]
クエン酸を添加しなかったこと以外は、実施例2と同じ条件で粉末状の酸化亜鉛の水道水への溶解を行った。約45分経過後も、殆ど溶解は進行せず、粉末が残っていた。
[実施例3]
クエン酸の替わりに乳酸200gを使用したこと以外は実施例2と同じ条件で粉末状酸化亜鉛の溶解を行ったところ、約45分で粉末が完全に溶解した。
[実施例4]
クエン酸の替わりに市販の塩酸200mlを使用したこと以外は実施例2と同じ条件で粉末状酸化亜鉛の溶解を行ったところ、約45分で粉末が完全に溶解した。
[実施例5]
酸化亜鉛の替わりに粉末状の二酸化チタン200gを使用したこと以外は実施例2と同じ条件で粉末状の二酸化チタンの溶解を行ったところ、約45分で粉末が完全に溶解した。
[比較例3]
クエン酸を添加しなかったこと以外は、実施例5と同じ条件で粉末状の二酸化チタンの水道水への溶解を行った。約45分経過後も、殆ど溶解は進行せず、粉末が残っていた。
[実施例6]
酸化亜鉛の替わりに粉末状の塩化パラジウム200gを使用したこと以外は実施例2と同じ条件で粉末状に塩化パラジウムの溶解を行ったところ、約30分で粉末が完全に溶解した。
[実施例7]
塩化カルシウム45gを実施例1のローラリーエバポレターのフラスコに、水道水1リットルとともに入れこのフラスコにクエン酸9gを添加した。ポンプを使用してこのローラリーエバポレター内を1300パスカルに減圧し、前記フラスコを回転させながら、80〜90℃で加熱して塩化カルシウムを溶解し、カルシウム溶解水を得た。
同様に、塩化マグネシウム5000g、塩化カリウム3000g、クエン酸鉄1500g、酸化亜鉛320g、及びグルコン酸銅250gを、それぞれ別個に使用し、同じ条件で運転して、順に、マグネシウム溶解水、カリウム溶解水、鉄溶解水、亜鉛溶解水及び銅溶解水を得た。
各ミネラル溶解水を適量ずつ混合し、希釈して、ミネラル水を得た。当該ミネラル水100ml中のミネラル含有量は、カルシウム488mg、マグネシウム176mg、カリウム1060mg、鉄6.18mg、亜鉛6.16mg、銅1.32mgであった。
[実施例8、比較例4]
次のようにして、液状複合肥料を製造した。
粉状の塩化カリウム5500g、液体の75%リン酸8000g、粉状のクエン酸鉄900g、粉状のクエン酸900g、水道水50000gを、ローラリーエバポレター(東京理化器械株式会社製、高沸点タイプ)のフラスコに入れた。
ポンプを使用してこのローラリーエバポレター内を1300パスカルに減圧し、前記フラスコを回転させながら、80〜90℃で加熱したところ、約45分で粉末が完全に溶解した。その後炭酸ナトリウム2000gをフラスコ内に投入して中和した。室温で放置しても沈殿は生じることがなかった。このミネラル水を1液とする。
次いで、表1に示した物質の混合物を、同じ条件でローラリーエバポレターを使用して約45分で水道水21000gに完全に溶解させた。同様に表2に示した物質の混合物を水道水6000gに、更に表3に示した物質の混合物を水道水10000gにそれぞれ完全に溶解させた。
次いで表4に示した物質の混合物を常圧下で80〜90℃で加熱して溶解させた。
表1の溶解液35.2kg、表2の溶解液7.9kg、表3の溶解液0.3kg及び表4の溶解液23.6kgを混合した。この混合液を2液とする。
このように製造した溶解水を1液10kgに対し2液3kgの割合で混合し、水道水1トンで希釈して液状複合肥料とした。
平成18年6月10日に、広島県世羅郡世羅町の農業組合法人世羅大豊農園で新水梨(赤梨)の1反歩(約10アール)15本に前記液状複合肥料(1トン)を散布した(実施例8)。他の新水梨の木には、従来と同じ市販の肥料を散布した(比較例4)。
実施例8の梨は生育が速く、平成18年8月5日には十分に熟したので収穫を行った。一方比較例4の梨は例年通り8月10日に収穫した。収穫した実施例8の梨の糖度は13〜13.5°で、収穫した比較例4の梨の糖度は11.5〜12°であった。更に実施例8の梨と比較例4の梨を室内に放置したところ、比較例4の梨は5日後に腐り始めたが、実施例8の梨は20日経過後も外観の変化もなく、味も良く、糖度も14°と上昇していた。
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[実施例9、比較例5]
平成18年6月17日に、広島県福山市引野町の藤井守男方の白桃の木1本に、実施例8の液状複合肥料を100リットル散布した(実施例9)。他の木には従来通りの肥料を散布した(比較例5)。
平成18年は広島県の天候が不順で,多くの果実の3分の1〜3分の2が自然落果した。比較例5の桃の木でも3分の1強の桃の果実が落果したが、実施例9の桃の木では1個の落果もなかった。実施例9の桃は比較例5の桃より7日早い平成18年7月20日に収穫できた。収穫した実施例9の梨の糖度は12〜12.5°で、収穫した比較例4の梨の糖度は約10°であった。
[実施例10、比較例6]
平成18年9月30日に、岡山県笠岡市カブト町干拓地岡田農場のナス栽培農場のナス畑の10アールに実施例8の液状複合肥料(13トンを水道水3.9トンで希釈)を散布した(実施例10)。他のナスには従来通りの肥料を散布した(比較例6)。
平成18年11月1日から11月20日に掛けて実施例10のナスの収穫を行った。実施例10のナスの単位面積当たりの収穫量は比較例6のナスの約2倍であった。
[実施例11、比較例7]
広島県福山市松永町本郷の佐藤元彦方の富有柿の一部に平成18年8月30日に実施例8の液状複合肥料を100リットル散布した(実施例11)。他の柿には従来通りの肥料を散布し(比較例7)、平成18年11月2日に収穫した。
収穫した実施例11の柿の平均糖度は約16で、収穫した比較例7の柿の糖度は約14.5°であった。

Claims (2)

  1. ルシウム化合物、マグネシウム化合物、カリウム化合物、亜鉛化合物、鉄化合物、銅化合物及びクロム化合物から選択される2種以上の粉状金属化合物を、減圧下で酸を添加した水に、加熱により当該水を沸騰させながら溶解し、対応する金属イオンを含有する液状複合肥料を製造することを特徴とする方法。
  2. 栄養補助剤を添加する請求項記載の液状複合肥料の製造方法。
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