JP4560723B2 - 葉面散布剤とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、植物体内の窒素代謝を活性化させ、低硝酸化と高抗酸化活性を増収と同時にもたらす葉面散布剤とその製造方法に関するもので、本発明者(石川)が特許文献2において報告した葉面散布剤の改良発明に位置づけられる。
お茶、イネ科を除く全ての植物は、根から窒素源としてまず硝酸を取り込む。この根から吸い込まれた窒素源は、葉において光合成で作成された糖由来の炭素源と結合し、炭素と窒素の化合物であるアミノ酸となり生長する。従って、健康な植物体内には、常時、一定濃度の硝酸イオンが存在していて、ゼロにはできない。多肥栽培を行うと、植物の硝酸代謝能力以上に硝酸イオンが根から吸い込まれて、硝酸過多となって生長してしまう。結果的に増収となるが、未消化の残留硝酸の多さのため、腐敗が速く、食味も優れず、亜硝酸に変化すると発がん剤となったり、ヘム鉄と結び付きチアノーゼなどの症状を引き起こしてしまう。このため、農作物中の残留硝酸は、可能な限り低減する事が食の安心を求める市場から求められている。実際、EUでは葉野菜に含まれる硝酸濃度の基準値が、約3000ppm前後に定められている。
硝酸値の低減のためには、施肥量の制限が最も簡単な方法であるが、収穫量が低下し、作柄が小型化して農作物の生産性と商品性が低下してしまう。このように、農作物中の硝酸値低減と生産性向上とは、ジレンマの関係にあると従来は認識されていた。従って、農作物生産現場では、残留硝酸値を犠牲にして、生産性を優先する場合がほとんどである。収穫量や作柄の良さを犠牲にすることなく、硝酸値を低減し、さらなる高付加価値の品質が農作物には切望されている。
植物体内の硝酸は、亜硝酸を経てアンモニアへ還元され、それに続く炭素との結合による同化を受けアミノ酸へと代謝される。この窒素代謝回路を活性化させると、生育活性化につながるだけでなく、不要な硝酸値も代謝され、その濃度を低減できるはずである。実際に、本発明において窒素の代謝活性化が、低硝酸化に加え、葉や実の増収、可食部位の高抗酸化活性化をもたらす事を我々は確認した。
窒素の代謝反応も含めて、多くの生体反応は、リン酸化合物であるATPをエネルギー源とする多数の化学反応の連携に基づいている。このため、植物体液に溶解しているリン酸濃度の可逆的な制御も、窒素代謝の制御にとり有効である。当然、ATP作用の活性化は全代謝反応の向上につながる。ATPは、マグネシウムイオンと極めて親和性が強く、ATPの持つ高エネルギーはマグネシウムイオン存在下で効率的に取り出せる事か一般的に知られている。
植物の体内における上記の硝酸イオンの還元同化の代謝過程には、微量のモリブデン、マンガン、亜鉛、銅、鉄などの金属を含む酵素が作用している。これら必須だが微量で十分な金属(微量必須金属と以降省略)に加え、光合成に必要な葉緑素やエネルギー分子ATPに関連したマグネシウムと、細胞骨格の強化に使用されるカルシウムは、金属の中でも特に多量に必要となる。
硝酸濃度低減効果を示した例として特許文献1〜特許文献9がある。特許文献3〜特許文献8の各々に記載の葉面散布剤の共通点は、植物の代謝過程に必須の金属や光活性を持つ金属を補給する方策が活用されている点である。これらの中で特徴として紹介されている金属類は、モリブデン、チタン、カルシウム、カリウム、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、貝化石、そして海水塩を含む天然塩である。モリブデンとチタンによる硝酸の還元同化作用力は顕著であるが、後者のチタンは植物が元来保有する金属でないため「食用」としては疑問が残る。葉緑素やエネルギー生産に関連したマグネシウムを意識的に強化した葉面散布剤の報告は、本発明者(石川)が出願した特許文献2を除くと一例もない。
本発明者(原)が既に発明した特許文献1では、糖蜜を発酵させた有機酸水溶液を植物に葉面散布すると、硝酸が低減しタンパク質合成能が高まり、その結果、生育の促進と収穫量の増加につながる事を示している。発酵液の主成分は、有機酸と糖、即ち、「炭素源」である。この発酵液による生育活性化は、雨天や曇天が続くときなど光合成が制限される際に顕著に現れる。日照不足で光合成が制限されると、空気中からの二酸化炭素の固定量が低下し、葉の中の炭素量が低下する。必然的に、根から吸い込まれた窒素量の方が、窒素の同化に必要な葉の中の炭素量を上回り、多量の硝酸が残留することになる。この状況で、有機酸と糖の炭素源を葉から強制的に供給すると、根からの窒素と結びつき、代謝が活性化し、残留硝酸が低下する。この特許文献1と一見、類似しているようにみえる特許文献8がある。確かに、特許文献8では、有機酸水に、蜂蜜と海水を含む天然塩を溶解させ、成長補助剤を得ている。しかし、この成長剤に含まれるカルシウムやマグネシウムは天然塩と同じ濃度で微量である。カルシウムやマグネシウムを意図的に強化した散布ではない。また、未発酵の糖が残存するため、高温多湿時等に葉面散布すると虫、カビ、病気を呼び込む可能性がある。
本発明者(原)による特許文献1の糖を完全に酵母発酵させた有機酸水溶液は、硝酸低減に有効なモリブデンなどの微量必須金属も、また、生育に多量に必要なカルシウムやマグネシウムも十分には含んでいない。このため、糖蜜発酵液は、カビや虫などを呼び込まない炭素源の供給剤として光合成の生産物を補強できても、硝酸代謝の役目を担っている金属酵素の触媒機能を十分に補助できない。このため本発明者(石川)は、特許文献2において、糖蜜発酵有機酸液にマグネシウムを中心にした金属塩の補助を行った結果、特許文献1の硝酸低減能を凌ぐ葉面散布剤を提供した。これは、炭素供給能と金属酵素類補助機能の相乗効果を活用した硝酸削減剤として位置付けられる。
水素結合で水に溶解しやすい尿素は、水と変わらない速度で葉から吸収される。尿素分子中の炭素は無駄にされることなく、分子中の窒素と同調してアミノ酸の前駆体アルギニンの効率的な生成に転用される事が一般的に知られている。本発明者(石川)による特許文献2では、この尿素の特徴を特許文献1にさらに重ね合わせる事で、硝酸の代謝速度をより一層向上させるだけでなく、リン、カリの吸肥力の向上も達成している。即ち、特許文献2は、糖発酵有機酸液の炭素源補給能、マグネシウム塩添加による代謝活性化、そして、葉面から速やかに吸収された尿素性窒素の持つ効果、これらの三つの特性を重ね合わせた葉面散布剤である。
葉面からの窒素成分の補給は、尿素態のみでなくアミノ酸態窒素も使用されている。米国特許の特許文献9には、5−アミノレブリン酸散布による硝酸低減効果が述べられている。また、硝酸低減については言及されてないものの、特許文献10と特許文献11において、グルタミン酸から誘導されるγ−アミノ酪酸をグルタミン酸とカゼインタンパク質と一緒に葉面散布などで供与する事で植物の生育活性化がなされている。これら二つのアミノ酸(5−アミノレブリン酸とγ−アミノ酪酸)は、どちらも生体タンパク質を構成しているα−アミノ酸ではないが、植物活性の向上に効果がある。多くの特許文献でα−アミノ酸の植物生育に対する効用が実証なく記述されているが、特許文献12では、α−アミノ酸の中でメチオニンのみが根毛密度の増加に寄与している事が示されている。さらに、特許文献13は、メチオニンとトリプトファンを葉面散布することにより植物の糖の転流が促進される事を示している。植物活性に効果的に作用するα−アミノ酸と、そうでないα−アミノ酸がある事を特許文献12は示している。
高分子であるタンパク質を加水分解すると、その分子量が低下しペプチドを経て、最終的には最小構成単位のα−アミノ酸になる。大豆粕(特許文献12)、ゼラチン(特許文献14)由来のペプチドとアミノ酸、そして、動物性繊維(特許文献15)、米糠(特許文献16)由来のα−アミノ酸が、植物の生育促進をもたらす事が述べられている。α−アミノ酸の中でもメチオニンのみが根の生育活性に相関している事を踏まえると、特許文献12から特許文献16におけるタンパク質分解物の効果は、主に、α−アミノ酸態窒素よりはむしろ、ペプチド態窒素に由来していると考察するのが妥当であろう。これら四つの特許文献は、全て硝酸低減と抗酸化活性について言及してない。
空気中、太陽光紫外線のもと、即ち、酸化的条件下で生育する植物は、カテキンなどのポリフェノール、ビタミンC、リコピンなどの還元機能を持った抗酸化活性物質を本来携えている。植物が健康に生育する事で、本来防御機構として携えている抗酸化回路も活性化する事になる。従って、植物の窒素代謝の活性化は、硝酸濃度の低減と増収が同時に可能になるだけでなく、抗酸化活性も向上させると考えられる。
以上の事項を踏まえ、硝酸がアンモニアを経てアミノ酸になる硝酸代謝機能を活性化し、結果的に植物の生育を促進させる具体的な主要因は、次の項目群にまとめられる。
(1) 金属酵素機能の補強
モリブデン、マンガン、亜鉛など微量必須金属(鉄や銅なども)を特定成分に偏らずバランス良く、葉面散布など適切な方法で供給する事。
(2) カルシウム、マグネシウムの十分な供給
骨格を作るカルシウムとエネルギー分子ATPや葉緑素に関与するマグネシウムは、上記の金属よりも十分に多量に吸収させる事。
(3) 光合成機能の補強
紫外線領域の光を効果的に取り込む酸化チタン投与などのように光合成機能そのものを補助する事。
(4) 光合成産物、炭素源の補強
糖発酵液中の有機酸と糖のように光合成産物を強制的に直接補給する事。
(5) 成長ホルモンの補強
藻類などに含まれているオーキシン、ジベレリン、サイトカニン、ベタインなどの成長ホルモンを活用する事。
(6) 尿素態窒素の葉面散布による補給
土壌に散布された尿素は、バクテリアで硝酸に酸化されてしまう。これに対し、葉面から取り込まれた尿素はオルニチン酸回路を活性化し、生育を促す。
(7) 多様なアミノ酸誘導体とペプチド態窒素の補給
5−アミノレブリン酸とγ−アミノ酪酸などの非α−アミノ酸、メチオニンやトリプトファンなどのα−アミノ酸の供与。また、ペプチド態窒素の供給は、植物の生育を活性化する。
硝酸低減と抗酸化活性向上を同時に行う事を示した特許文献は無いが、硝酸削減剤に関する特許文献を分類すると以下のようになる:前記(1)を鍵にする設計、前記(5)と(1)の組み合わせ、もしくは前記(5)と(1)と(4)の組み合わせを鍵にする設計、前記(4)を鍵にする設計、前記(4)の機能を(2)や(6)の機能と組み合わせ、それらの相乗効果により、増収と同時に植物の抗酸化活性向上を図った系に分類できる。ペプチド態窒素とアミノ酸態窒素の補給である(7)を、炭素源の補給である(4)とマグネシウム塩の補給の(2)に組み合わせた葉面散布剤に関しては一切報告がない。
特許文献10から特許文献16におけるペプチド態窒素とアミノ酸が、植物の生育促進に与える効果を判断すると、これらの成分の添加は非常に優れている事が推察される。しかしながら、糖蜜発酵有機酸液を母液とした特許文献2は、特許文献1の欠点であるミネラル成分の補給を補い、さらに尿素態窒素の添加で、より効果的な、生育促進、硝酸削減、抗酸化活性の向上を達成しているものの、尿素態窒素を用いているのみで、ペプチド態窒素による補強はなされていない。本発明は、ペプチド態窒素に富んだ糖蜜発酵有機酸液にマグネシウム塩を混在させた相乗効果を植物の生育、硝酸値、抗酸化活性値に反映させたものである。
特開2003-146786号公報 (糖蜜発酵液) 特願2004-21836 (糖蜜発酵液+マグネシウム塩等) 特許第2793583号公報(褐藻成分) 特開2000-26183号公報(紅藻、緑藻成分) 特開平10-218713号公報(Mo、キトサン) 特開2003-180165号公報(Mo、アミノ酸、核酸) 特開2003-192513号公報(酸化チタン、光捕集) 特開2001-2517号公報(蜂蜜と海水を含む天然塩) United States Patent 5,489,572(5-aminolevulinic acid) 特許公表2003-525202、2003-12389 (GABA, CASカゼイン, GLU) 特許公開2003-12389 (GABA GLU) 特許公開2003-73210 (大豆粕分解物またはメチオニン) 特許公開2005-15438(メチオニン、トリプトファン、糖転流促進剤) 特許公開2003-12389 (ゼラチン、ニカワ由来のペプチド類、アミノ酸) 特許公開2003-160391(動物性繊維を硫酸で加水分解 方法) 特許公開平710670 (米糠エキスに黒砂糖で発酵)
食の安心、安全を意識した農作物の市場性を高めるには、作物の「残留硝酸の低下」と同時に、健康性能を示す「抗酸化活性の向上」と云った高品質化が有効な事は明らかである。しかも、農作物生産現場では、増収など生産性向上と同時に、食の安心を満足させる植物の高品質化が切望されている。増収と併行して、硝酸低減と抗酸化活性向上を同時に葉面散布剤は本発明者(石川)の特許文献2(未公開)を除いて見当たらない。食品由来のタンパク質と糖、有機認証のマグネシウム塩を素材とする水溶液を用いて、特許文献2を凌駕する、増収能、硝酸低減能、抗酸化活性増を同時に与える葉面散布剤の提供が本発明の課題である。
本発明は、植物に対して発育障害などを生じさせず、植物の可食部位における抗酸化活性値を高め、増収をもたらし、同時に残留硝酸濃度を低減させる葉面散布剤とその製造方法を開発し、併せて一切の合成化学物質の使用を認めていない有機JAS法にも適合可能としたものである。
本発明の特徴とする手段は次の(1)〜(4)のとおりである。
(1).発明1
可溶性総ペプチドと可溶性総アミノ酸を含む糖類発酵有機酸水溶液にマグネシウム塩、カルシウム塩や酸化チタン、モリブデン塩、亜鉛塩、マンガン塩など必須微量金属塩を溶解させてなることを特徴とする葉面散布剤。
(2).発明2
水溶性タンパク質を糖類水溶液に溶解させて酵母発酵させ、可溶性総ペプチドと可溶性総アミノ酸を含む糖類発酵有機酸水溶液を母液とし、この母液にマグネシウム塩又はカルシウム塩や酸化チタン、モリブデン塩、亜鉛塩、マンガン塩など必須微量金属塩を溶解させることを特徴とする葉面散布剤の製造方法。
最も好ましい具体的な諸成分の濃度を、以下の2通りで詳述する。
1)炭素濃度が25〜35重量%の糖水溶液と、水溶性タンパク質源濃度が7〜26重量%のタンパク質水溶液を、体積比で4(糖水溶液):6(タンパク質水溶液)から3(糖水溶液):7(タンパク質水溶液)の割合で混合溶解させる。この混合液を酵母種菌により糖の有機酸への発酵と同時にタンパク質をペプチドとアミノ酸へ分解して、トリクロロ酢酸処理後の可溶ペプチドがLOWRY法による定量値で30〜60g/L濃度含まれる糖類発酵有機酸水溶液にし、この糖類発酵有機酸水溶液100重量%に、酢に溶解した濃度2〜4重量%のマグネシウム天然鉱石及び又は貝殻由来のカルシウムを2〜7重量%溶解させることを特徴とする葉面散布剤の製造方法。
2)もしくは、炭素濃度として10〜14重量%の糖と、4〜16重量%の水溶性タンパク質源を含む水溶液を調整する。その混合水溶液を酵母種菌により糖の有機酸への発酵と同時にタンパク質をペプチドとアミノ酸へ分解して、トリクロロ酢酸処理後の可溶ペプチドがLOWRY法による定量値で30〜60g/L濃度含まれる糖類発酵有機酸水溶液にし、この糖類発酵有機酸水溶液100重量%に、酢に溶解した濃度2〜4重量%のマグネシウム天然鉱石及び又は貝殻由来のカルシウムを2〜7重量%溶解させることを特徴とする葉面散布剤の製造方法。
そしてこのようにして製造して得た葉面散布剤において、植物に散布する際の希釈程度は、通常は水で100〜1500倍に希釈し、より好ましくは水で300〜750倍に希釈すれば後述の所期の各種効果が確実に得られるものである。
(3).発明3
水溶性タンパク質源として卵類、乳類、豆乳、血液素材から一つ以上の使用を特徴とする発明2に記載の植物の葉面散布剤の製造方法。
(4).発明4
マグネシウム塩の対陰イオンは、カルボキシレート(-CO2-)である事を特徴とする発明3に記載の植物の葉面散布剤の製造方法。
本発明の葉面散布剤は、前記の如くペプチド態窒素に富む糖類発酵有機酸水溶液にマグネシウム塩を溶解させることにより、次の項目1から10までの効果を特許文献2でもたらされる効果以上に得る事ができる。また、これら性能向上効果に加えて、葉面散布剤の製造においても本質的な経済効果(項目11)を得る。
1.農作植物内の残留硝酸を大幅に確実に低減する。
2.窒素に加え、リン酸の代謝も向上し、増収と栽培期間の短縮設計が可能になる。
3.体内の窒素代謝が活性化されるため、ポリフェノール、ビタミンC、リコピン等の抗酸化物質が増える。これと同時に、脳内精神安定作用をもつGABA(4-アミノ-1-ブタン酸)の含有量が増加する。
4.葉緑素を増やし、光合成能力を高める。
5.土壌に蓄積した肥料を旺盛に吸収し土壌のEC(電気伝導度)値を低下させ、肥料過剰土壌の新しい改善策となる。
6.多肥料施肥の残留硝酸過多によるツルボケ(花芽が流れ果実が付かない症状)状態を速やかに解消する。
7.リン酸代謝促進により、花弁類の花芽分化が促進し、花付きが改良する。特に、果菜類では身付きが生産的になり増収につながる。具体的には、果采類では果実数と一固体当たりの重量の増加、および開花後から収穫までの期間の短縮を、根菜類では根と葉の双方の収穫重量の増加を、葉采類では葉面積と葉重量の増加を意味する。特に、花芽分化に必要なリン成分の吸収が活発になるので、開花量の増加と早期化が可能となる。
8.これらの栽培上の優れた効果に加え、高い抗酸化力と低い残留硝酸の農作物は、安心健康性能が高まっているため、他生産者作物との差別化をつける事が可能になる。
9.有機JAS法にも適合しうる事も、商品価値を向上させる。
10.植物謝回路の活性化に加えて、これらの糖類発酵有機酸水溶液は、糖が発酵し尽くされて生成したものであるため、散布した葉面上でカビ等の発生となりにくい利点を持つ。また、発酵で生成したアルコールとカルボン酸が、芳香性エステルに自発的に化学変化する事により、虫やカビなどの誘因を防いでいる。
11.特許文献1と特許文献2で示した糖水溶液のみで十二分に酵母発酵させるには、室温で10ヶ月以上の熟成期間が必要である。これに対し、水溶性タンパク質を含む糖水溶液の発酵は、同じ条件下、約3ヶ月で完了する。酵母菌の増殖がタンパク質由来の成分で活性化するためである。即ち、葉面散布剤製造の期間短縮による製造コスト削減につながる利点を持つ。
本発明は、既に本発明者等が発明し出願した技術(特許文献2)を土台にして葉面散布剤の作成試行を行い、圃場試験結果をフィードバックしながら研究を繰り重ねた結果完成したものである。即ち、本発明は、まず、卵白や粉乳などタンパク質源を糖蜜水溶液に溶解させ、酵母種菌により糖の有機酸への発酵と同時に、タンパク質をペプチドとアミノ酸へ分解する(表1と図1)。ついでこのペプチド態窒素を豊富に含む糖類発酵有機酸水溶液に、食用酢に溶解したマグネシウム天然鉱石と貝殻由来のカルシウムを飽和溶解させる(表2)。この水溶液が、植物の窒素、リン酸、マグネシウムイオンの代謝を全て活性化し(表3、表4、図2)、その結果として収量増(表3と表6)と同時に、残留硝酸を低減しながら(表3〜表5、表7、表8)、抗酸化活性の向上をもたらした(表3、表5、表7〜表9)ものである。
これらの実証事実に加えて、根から吸い込まれた硝酸がアンモニアへ還元される過程の代謝活性化を表3および表4で示している。炭素源である有機酸とマグネシウム塩を共存させる本質的な効果、さらに、尿素態窒素よりもペプチド態窒素の共存が一層の相乗効果を硝酸低減と抗酸化活性向上に対して行う事を表5で示している。また、一般に、収穫された作物は、大気(嫌気でない)条件下で保存されると、ゆっくりと自動酸化を受け、抗酸化値で低下する。表9では、収穫したミニトマトを大気室温下で放置した際の抗酸化物質であるリコピン含有量の減少に与える散布効果も示している。これら表1〜表9、並びに、図1、図2の事実を基に発明1から発明4を確立した。
ペプチド態窒素に富む糖類発酵有機酸水溶液にマグネシウム塩や貝殻由来のカルシウム塩を組み合わせた発明1〜発明3の葉面散布剤の製造とその特性については、従来の葉面散布剤では全く言及されていないものである。特に、本発明で使用される原料は、全て有機認証の規制範囲内の天然物質であるが、合成化学物質であっても機能点の分子構造が同一であれば使用可能である。
本発明で使用されるタンパク質源には、卵類、乳類、血液由来物質、豆乳類など水に分散もしくは溶解が容易なものが好ましい。
また、糖類としては、廃糖蜜がコスト面から優れているが、精製した砂糖、黒砂糖、蜂蜜、果糖、乳糖など食品用の糖が好ましい。もちろん、化学試薬レベルにまで生成したグルコース、マルトース、スクロースも使用できる。マグネシウム塩は、酢酸マグネシウムやアミノ酸マグネシウム錯体塩が好ましいが、苦汁や硫酸マグネシウムなどその他のマグネシウム塩でも構わない。カルシウム塩は、貝殻由来のカルシウム塩の方が、モリブデンなど生育必須微量金属を含んでいるため、純度の高い石灰石由来よりも望ましい。
葉面散布は、ケールなどの葉野菜、大根などの根菜、トマトなどの果菜からブドウや梨などの果樹に対して使用できる。露地栽培の場合、葉面散布の好ましい時期は、植物の生長が大きく制限される厳寒期以外が好ましい。厳寒期では、表1から表9の優れた結果が発現しにくい。
以下、本発明の実施例を説明する。
尚、本実施例において、成分の割合、混合手順、操作手順は、適時入れ替えと変量できる。また、タンパク質源として卵白と脱脂粉乳を例にとっているが、水溶性のタンパク質であれば、全て同等の効果を得ることができる。
(植物の残存硝酸量を低減させる葉面散布剤の製造)
図1に本発明の葉面散布剤の製造手順を流れ図としてまとめている。
まず、タンパク質水溶液に糖類を添加し、酵母発酵させる。糖が発酵により有機酸になり、タンパク質は主にペプチドとアミノ酸に変化する。この有機酸とペプチド、アミノ酸に富む糖類発酵有機酸水溶液を母液として、所定量の酢酸または酢を添加し、最後にマグネシウム塩やカルシウム塩を飽和溶解させる。マグネシウムイオンとカルシウムイオンを単独に溶解させても良いし、混在させる事もできる。
マグネシウム塩の代わりにカルシウム塩や酸化チタン、モリブデン塩、亜鉛塩、マンガン塩など必須微量金属塩の添加も可能である。但し、モリブデン塩やマンガン塩の添加では、タンパク質由来成分と複合化し沈殿物を形成するのでこれら金属塩と仕込み成分の濃度比との調整が必要になる。
これらの操作により、炭素源および代謝活性剤としての有機酸、窒素源としてのアミノ酸とペプチド、そしてマグネシウムやカルシウムを中心とした金属イオンが含まれた水溶液が得られる。
以下に、糖類として廃糖蜜液、タンパク質源として卵白と脱脂粉乳を用いた具体例を示す。
卵白18L(リットル以下同じ)を激しい撹拌で室温で水に溶解させ、60Lの水溶液とした。均一溶解が困難な場合には、加熱により殺菌処理した海水(イオン強度が高い水)を室温で1Lほど添加し溶解させる。脱脂粉乳の場合は、市販牛乳とほぼ同じ濃さを目安に、4.6kgの粉乳を温水に撹拌しながら溶解させ60Lの水溶液とする。これら水溶液と廃糖蜜液(炭素28wt%、比重1.39、Brix度82%)40Lを混合し、十分に撹拌して100Lのタンパク質と糖蜜の混合水溶液を得る。これに種菌液を1Lほど混合し、外気の流入を遮断した上で、恒温相中で33℃前後に撹拌する事無く静置する。一週間に一度の割合で撹拌を兼ねた空気吹き込みを実施し、糖度計による糖度を追跡する。糖度が、一定値に収束するまで、静置を続ける。仕込み後、1−2週間は、発酵に基づく激しい二酸化炭素の発泡が認められ、その後、上記の条件で数ヶ月発酵を継続させると「醤油」臭の黒色水溶液が得られる。発酵度合いを屈折率型糖度計で追跡した場合、卵白の場合は、仕込み直後 41.0±0.5 Brix %の糖度が、次第に減少し、30.5±0.5Brix %で一定値を示すようになる。糖度の値は、もちろん仕込み濃度によって変化する。
Figure 0004560723
表1には、糖蜜水溶液への卵白および脱脂粉乳の添加が、酵母発酵前後の総タンパク質由来物質量、総ペプチド量、および、総アミノ酸量におよぼす影響をまとめている。卵白や脱脂粉乳を添加した直後の糖蜜水溶液1番と2番は、BSA(牛血清アルブミン)換算で83〜87g/Lのタンパク質由来物質を含有している。十分な発酵後の総タンパク質由来化合物の濃度(3番〜5番)は、72〜75g/Lと、仕込み時から11〜15g/Lの濃度低下が認められる。この減少は、発酵に伴う酸変性による沈殿形成に基づく。即ち、仕込み時点では均一に溶解し沈殿物は一切ないが、発酵の進展に伴い糖が有機酸に変化して、酸性となる。このため、溶解しているタンパク質が酸で変性して不溶化し、発酵液下部に滞積してくる。葉面散布剤として沈殿物は利用できないため、表1の分析では、発酵液の上澄みに対して分析を行った。従って、発酵液の上澄みに溶解しているタンパク質由来物質の総量は、沈殿物形成の分、低下する事になる。
卵などのタンパク質源を全く混入していない糖蜜水溶液のみの発酵液(3番)と、タンパク源を混合した糖蜜発酵液(4と5番)に溶解している総タンパク質由来物量は、大差なく72〜76g/Lである。これとは対照的に、ペプチド量とアミノ酸量は、タンパク質源の添加の有無で大きく異なる。卵を混入して糖蜜発酵を行った4番は3番よりも、そのペプチド濃度で約15g/L高く、アミノ酸濃度は約10g/Lほど低い。粉乳を混入した発酵液も卵の場合とほぼ同様であるが、卵の方が、より顕著にその差が開いている。これらをまとめると、タンパク質を糖蜜水溶液に添加する効果は、発酵後における上澄み溶液中のペプチド量の多さとアミノ酸量の少なさに特徴づけられる。
卵白や粉乳などのタンパク質源を溶解した糖蜜水溶液を酵母発酵させる事で、タンパク質源を含まない糖蜜発酵液に比べて、総アミノ酸の含有量が低く、総ペプチド含有量が増加した糖類発酵有機酸水溶液である点が本発明の葉面散布剤の大きな特徴の一つである。
これら総タンパク質由来物質濃度、ペプチド濃度、総アミノ酸の定量は、文献(J.Biol. Chem.,193, 265-275, 1951.)に従い、次に示す方法で行った。変性処理を行っていない試料液を直接LOWRY法により分析し、試料単位体積当たりに含まれる「タンパク質、ペプチド、アミノ酸」の総量を牛血清アルブミン換算量の「A(g/L)」値として決定した。一方、別の試料溶液に対し、トリクロロ酢酸水溶液を混合後0.22Mになるように添加した。酸の添加による変性で生じた沈殿物を遠心分離(4000rpm、5分間)により分別した。遠心分離の上清2mLに対し、LOWRY分析を実施し、「B(g/L)」値を決定した。これとは別に、遠心分離の上清2mLに対し、1%ニンヒドリン水溶液2〜3滴を添加後、ガスバーナーで穏やかに加熱し、吸収極大波長である570nmの吸光度を測定した。このニンヒドリン反応から総アミノ酸量「C(g/L)値」を決定した。「B(g/L)」値から「C(g/L)値」を差し引き、ペプチド量「D(g/L)」値と定義した。D値およびC値が、A値に対する割合を表1にまとめている。厳密には、D値は、酸による変性処理でも水に溶解できるタンパク質量がペプチド量と重なっている事になるが、ここではD値をペプチド量として取り扱う。
LOWRY法の手順は、以下の通りである:試料を2mL分取し、アルカリ性銅溶液(A:B:C=49:1:1、A:2(W/V)%Na2CO3/0.1M・NaOH、B:0.5(W/V)%CuSO4・5H2O、C:1(W/V)%KNaC4H4O6・4H2O)10mLを添加混和させた。室温で10分間静置した後、1Mフォリン-チオカルト試薬1mLを添加し、混和後、室温で30分間静置させた。時間経過後、750nmの吸光度を測定した。750nmにおける濃度は、次式によって、算出した。
濃度750nm[mg/mL]=[(A750−0.0931)÷0.1663]÷2×(希釈倍率)。
また、570nmにおける濃度は、次式によって、算出した。
濃度570nm[mg/mL]=[(A570−0.0398)÷0.1402]÷2×(希釈倍率)。
Figure 0004560723
(本発明とその対照となる葉面散布剤の仕込み組成)
表2に表1で得られた糖類発酵有機酸水溶液を母液とした葉面散布剤の仕込み成分をまとめている。所定量の食酢を発酵液に添加し、さらに硫酸マグネシウムもしくは酢酸マグネシウム、貝殻由来の酢酸マグネシウムを飽和溶解させる。表2には、また、これら一連の葉面散布剤の略称も併記している。酢酸マグネシウムは、固体の水酸化マグネシウム天然鉱石を酸度15度の醸造酢でpHが7から8になるまで溶解させ、不溶物を濾別後、濾過液を加熱乾燥させて得た。貝殻由来の酢酸カルシウムは、そのままでは醸造酢には溶解しにくいので、炭酸カルシウム源である産業廃棄物としてのホタテの貝殻や蛎殻を1000℃で2時間焼成後、上記醸造酢で中和し、加熱乾燥させ粉末化させた。この加熱方は広く使用されている方法である。貝殻由来の酢酸カルシウムは、貝に含まれるモリブデンなどの成長必須微量金属も含まれる長所を持つ。また、有機認証からは外れるが、リンモリブデン酸アンモニア、酢酸マンガン、酢酸亜鉛などの塩も1.0g/Lを上限として添加する事も可能である。
表2に示す葉面散布剤を、500倍に水で希釈して植物の葉面に散布処理した。散布頻度は、収穫までの週1ないし2回の散布で効果が得られる。これよりも多く用いる場合は、吸肥が旺盛になるため、土壌中の肥料残量を追跡しながら散布することが好ましい。
(農作物評価方法)
測定対象とした農作物を同一の条件(温度、日照、水分)で複数固体生育させた。本例の葉面散布剤を用いる区(散布区)と用いない区(対照区)を同数用意した。これらの試験場での評価に加えて、本発明の機能の普遍性を高めるために、市場へ農作物商品を生産している農場での試験を行った。
評価対象の農作物は、水などの媒体を一切添加する事なく、作物そのものをすり鉢で十分に破砕後、水溶液と不溶繊維物をポリエチレンの不織布で濾別し、濾過液の分析を行った。ビタミンCは、呈色法を活用したRQフレックス(メルク社製)を用い標準液で補正後に定量した。硝酸、リン酸、マグネシウムイオン、カルシウムイオンは、イオンクロマトグラフ(Metrohm 761 Compact IC)を用い標準液検量線法から濃度を求めた。糖度はBrix屈折値を糖度計RA-250(京都電子工業製)で、葉緑素はSPAD規格値を葉緑素計SPAD-502(ミノルタ社製)で決定した。
ポリフェノールの含有量は、文献(Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol.41, No.9, 611-618, 1994.)に従い、Folin-Ciocalteu 液による呈色度分析により決定した。ポリフェノールの一つである没食子酸の検量線を作成し、作物中のポリフェノール総量を没食子酸換算量で表記した。具体的な操作は以下の通りである。無作為に葉をとり、20gはかりとる。これをすり潰した後、メタノールで抽出し、100mLにメスアップする。抽出液を吸引濾過した。濾液0.5mL、純水2mL、2倍希釈のフェノール溶液2.5mL、10倍希釈の炭酸ナトリウム水溶液2.5mLの順に攪拌しながら加えた。30℃の恒温槽で30分間浸し、吸光光度計で760nmの吸光度を測定する。この吸光度を事前に用意した没食子酸濃度と吸光度との検量線に適用する事で作物の没食子酸換算量を決定した。
トマトのリコピンは、文献(日食工誌,39,925-928,1992)に従い、それに固有な可視光吸収帯から決定した。具体的な操作は、以下の通りである。すり潰したトマト試料を10.0gはかりとった。抽出溶媒としてアセトンーヘキサン(体積比4:6)30mLを加え、10分間攪拌し、10分間静置した。上層の濁りが無い溶液をとり、吸光度を測定した。吸収極大波長663nm、645nm、505nm、453nmでの吸光度と溶液に含まれる色素の濃度との関係式(1)によってリコピン量を算出した。
リコピン(mg/100mL)=―0.0458Abs(663nm)+0.204Abs(645nm)+0.372Abs(505nm)−0.0806Abs(453nm)(1)
農作物のサンプリング時間は、数時間おきに測定する分析を除いて、サンプリング時刻を分析作物毎に固定した。葉の分析では、葉柄と葉部位を一緒にしている。
(散布による植物体内の主要成分濃度経時変化−散布後何日待つと良いのか?)
卵白、脱脂粉乳由来の成分を含む、アミノ(卵)Mg酢糖およびアミノ(乳)Mg酢糖をバジルに葉面散布し、葉中の硝酸、リン酸、カルシウム、マグネシウム濃度の経時変化を以下の手順で追跡し、表3と図2にその結果をまとめている。大分県日田地区(大山町)において、2004年夏に育苗したバジルを9月にハウス定植した。11月28日、12月1日、4日、7日、10日、13日に本発明で開発した水溶液を水で500倍(体積比)に希釈し、霧吹きを用い葉面の裏表に散布した。バジルは、株根を残し活かしたまま、一株から数枚の葉をサンプリングした。同じ試験区内で異なる株から集めた20枚の葉全てをホモジナイズし、不溶物をろ過した。バジルの収穫量は、ホモジナイズする前の20葉の表面積をスキャナーでコンピューターに取り込み計測し、その平均値を葉の大きさとした。
Figure 0004560723
表3で対照区の硝酸値は、計測開始初日から最終日まで3100-3200ppmの一定値を示している。これに対して、本発明で開発した卵白を用いたアミノ(卵)Mg酢糖を散布すると、散布三日後に硝酸値は半減し、8日後には初期の値よりも高い硝酸値を示している。このように一端低下して、最終的には初期の値よりも大きな値を示す現象は、硝酸値だけでなく、リン酸値、マグネシウムイオンの値も全く同様な挙動を示すことが図2から明らかである。対照区は、試験期間を通じて、大きな数値の増減が無い図2(B)。これに対して、散布区は、硝酸、リン酸、マグネシウム量が一端減少し増加する極小値を持つ図2(A)。葉に取り込まれた硝酸濃度が代謝により低下し、それを補うために根から再度硝酸が吸い込まれて初期の値以上の濃度になり、さらに生育する事が結論できる。ATPの働きや遺伝子の複製において大量に必要となるリン酸とマグネシウムもこの硝酸濃度の変化と同調している。これと同じ現象は、タンパク質源を卵白から脱脂粉乳に変えたアミノ(乳)Mg酢糖でも観察される。このように、本発明の処理により、植物体内の硝酸代謝が活発化するが、散布により低減した硝酸を補うために根から硝が吸収されるトレードオフの関係がある。従って、本発明品を硝酸低減の目的で使用する場合は、散布からの待ち時間の設定が重要となる。この待ち時間は、植物の品種、地温、降雨、日照時間などで変化すると考えられる。
二種のアミノ(卵)Mg酢糖散布区は双方共に、バジルのポリフェノール値を増加させている。また、葉面積も散布区の方が広く、一回り大きな葉になるように同じ生育時間で育っている事が明確である。
(硝酸態窒素の代謝活性)
根から取り込まれた硝酸は、亜硝酸を経てアンモニアへと還元され、炭素源と同化してアミノ酸へと代謝される。表3のバジルにおいて、散布翌日のアンモニア量を比較すると、散布処理区のアンモニア量が、対照区よりも約30ppmほど高いことが判る。アンモニアは、バジルの根からは取り込まれない要素であるため、体内の硝酸が還元されアンモニアに変化したことが結論される。即ち、硝酸代謝が散布により活性化している。ここでは、硝酸とアンモニアの関係を追跡しているが、その一つ前の過程、硝酸から亜硝酸への変化を追跡するには、葉野菜では生長が速過ぎ採取タイミングが難しい。そこで、葉野菜に比較すると緩慢な生長速度をもつと考えられる果樹の葉に対する散布試験をおこなった。
Figure 0004560723
西南暖地における9月期のブドウ(ピオーネ)の葉への散布が、硝酸値と亜硝酸値の均衡に与える結果を表4にまとめている。対照区、散布区、各々5つの樹を選定し、その樹から20葉の葉を採取した。それらの平均、即ち、100葉の平均値は、散布による典型的な窒素代謝促進効果を示している。アミノ(卵)Mg酢糖散布区と対照区の間で、硝酸値と亜硝酸値の大小関係が逆転している。散布区は、硝酸値が亜硝酸に変化し、前者が減り、後者が増加している。バジルに比較して代謝が緩やかなため、幸運にも、亜硝酸がアンモニアへと還元されてしまう前に採取した結果と表4はなっている。このように、アミノMg酢糖散布処理は、根から吸い込まれた硝酸態窒素の代謝を促進する事が明らかである。
Figure 0004560723
(炭素源と窒素源およびマグネシウムイオンを共存させる相乗効果)
窒素源として尿素やアミノ酸、ペプチド水溶液を葉面散布する農業技術は一般に知られている。また、マグネシウムイオンの葉面散布や土壌への施肥も、生育活性化に有効であるとして広く圃場で使用されている。本発明は、マグネシウムイオンと窒素源としてのペプチドおよびアミノ酸を、炭素源としての糖蜜発酵液と共存させる事を特徴としている。表5には、炭素源と窒素源およびマグネシウムイオンを共存させる効果をケールへの葉面散布試験から例証している。
表5は、西南暖地(大分県佐伯市)8月上旬のケールに対し朝葉面散布を行い、夕方採取したケールの硝酸値とポリフェノール値を相対値として示している。炭素源を含まない、尿素とマグネシウム水溶液を散布すると、硝酸値は上昇し、ポリフェノール値は低下する。これに対して、炭素源として糖蜜発酵水溶液に尿素とマグネシウムを添加した系は、散布により、硝酸値を低下させ、ポリフェノール値はわずかに増加させている。尿素の代わりにタンパク質分解ペプチドとアミノ酸が、マグネシウムイオンや貝カルシウムイオンを含む糖蜜発酵液(炭素源)に混在していると、さらに硝酸値は低下し、ポリフェノール値はより増加している。貝殻カルシウムイオンよりもマグネシウムイオンの散布剤の方が、わずかに硝酸低減能力と抗酸化活性増強能が高い。
これらの結果は、水溶性窒素源ならびにマグネシウムイオンやカルシウムイオンが、炭素源としての糖蜜発酵液と共存することにより、はじめて効果的に低硝酸化と高抗酸化活性化につながっている事を意味している。葉から、窒素源、金属イオン、そして炭素源を有機酸として供給する事の重要性がわかる。また、窒素源として広く使用されている尿素よりもペプチド、アミノ酸の優秀性も表5は意味している。
Figure 0004560723
(収穫量への効果−ケール)
表6は、葉菜であるケールの平均収穫量に与える散布剤の効果をまとめている。ケールの栽培条件は、以下の通りである。大分県直川において畝幅60cmの四つの試験区(対照区、Mg酢糖区、Mg酢糖N区、アミノMg酢糖区)を設けた。元肥として、ぼかし肥料830kg/10aとバーク堆肥8ton/10aを5月1日に畝幅1m畝幅12mの畝立てに施した。これは、N(20kg/10a)、P(24kg/10a)、K(14kg/10a)を含んでいる。2004年5月2日に株間60cmでキューサイ(株)より購入の苗を定植した。6月12日、14日、28日、29日、7月15日の合計5回、本発明で開発した硝酸削減剤を水で500倍(体積比)に希釈し、霧吹きを用い葉面の裏表に早朝散布した。収穫量は、最終散布後数時間おきに朝から夕方まで5回の採取を行い調査した。平均収穫量は、畝の中から5株を固定し、各株から一葉、最も下位にある活動葉から順番に採取した。5葉の合計重量を平均化して採取時刻毎の収穫重量とした。これら5回の平均値を試験日一日の葉の収穫量平均値とした。
5回の散布を行ったケールと全く散布を行っていない対照区の生育度合いが全く異なる。対照区の平均収量に対して、四つの散布区は2.0倍から2.3倍の収量を示している。最も生産性が高いのはアミノ(卵)Mg酢糖散布区で、それに続いてアミノ(卵)Ca酢糖散布区であった。ペプチドとアミノ酸の混在の有効性が判る。
Figure 0004560723
(硝酸値と抗酸化活性値への効果−ケール)
硝酸値低減と抗酸化活性値増加を、表3にまとめたバジルに限らず、他の葉野菜に対しても可能であることを確認するためケールに対して葉面散布試験を行った。表7にその結果をまとめている。曇天が続き降雨量も多い梅雨時期と真夏の晴天時期に対して散布を行っている。光合成が不活発な梅雨時期は、真夏の時期に比較して硝酸値は高く、ポリフェノール値は低い。これは、曇天で光合成が弱まり根から吸い込まれた硝酸が代謝されていない事と、低い紫外線量がポリフェノール量を増加させていないと考えられる。時期によらず、硝酸値は散布により低下し、ポリフェノール値は増加する。硝酸を代謝するために体内の炭素が主に使用されるため、低硝酸化が生じている株では糖度が低下している。即ち、糖度の低下は代謝活性化を意味している。
ケール、バジルの葉菜に加えて、果菜類に対する葉面散布試験を行った。表8にナスに対する結果を、表9にミニトマトに対する結果をまとめている。
Figure 0004560723
(果菜類への散布試験−ナス)
ナスの栽培条件は、以下の通りである。大分県直川において畝幅60cmの三つの試験区(対照区、Mg酢糖区、アミノ(卵)Mg酢糖区)を設けた。元肥として、ぼかし肥料800kg/10aとバーク堆肥8ton/10aを5月1日に畝幅2m畝幅12mの畝立てに施した。これは、N(19kg/10a)、P(23kg/10a)、K(13.6kg/10a)を含んでいる。2004年4月10日に株間85cmで新長崎長ナス苗を定植した。4月22日から6月29日まで、合計8回、本発明で開発した硝酸削減剤を水で500倍(体積比)に希釈し、霧吹きを用い葉面の裏表に早朝散布した。6月29日の最終散布から採取日の7月3日まで無散布期間をとった。
葉物に比較すると散布の効果は小さいが、ナス果実の硝酸値は散布区の方が低下し、抗酸化活性のポリフェノール値とビタミンC含有量は増加している事が判る。ポリフェノール値と硝酸値の変動は、アミノ(卵)Mg酢糖区が最も優れている。
Figure 0004560723
(果菜類への散布試験−ミニトマト)
果菜類への葉面散布による果実の抗酸化活性の増加は、ナスに限らずハウス栽培のミニトマトにおいても認められる。表9には、梅雨時期と厳寒期における散布試験の結果をまとめている。絶対値は異なるが、アミノ(卵)Mg酢糖散布により、ポリフェノール値とリコピン値、双方共に季節によらず増加している。また、これらの値は、収穫してから室温で放置されると酸化劣化して、抗酸化活性値が低下してくる。表9の下段には、リコピンの劣化に与える散布の効果をまとめている。収穫から室温で5日放置した対照区のリコピンは半減している。これに対してアミノ(卵)Mg酢糖散布処理をしたミニトマトは、わずか5%の劣化にすぎない。即ち、農作物の日持ちが向上している事が判る。
イタリアで始まった「スローフード運動」は単にゆっくり食べるという意味でなく、画一化された味や大量生産による食品を見直す運動で、ゆとりある生き方や自然食品、有機農業と相まって、米国はもとより中国の裕福層を含め世界中に浸透してきている。そこでは、当然の事として、科学的に健康と安全、安心が保証される高品質の食品が要求される。今後の農作物市場は、世界の急激な人口増が要求する安価で大量生産の作型と、スローフード等に求められる健康安心など品質を最優先に保証した作型に二極分化すると考えられる。
人工の化学物質を一切使用しない「有機農作物」は、消費者への安心を与えやすく、スローフード市場に効果的である。しかし、有機認証栽培では、化学肥料を使用できないため、収穫量の低減が深刻な問題として実在する。また、有機認証作物であっても、その安全性や高品質の度合いを定量的に評価する尺度が欠如した現況であり、有機作物間の品質比較が定量的に可能な状況ではない。糖度や作物の色合いの良さに加えて、全ての植物体内に必ず残存する硝酸や、カテキン、リコピン、タンニンなどのポリフェノール類に基づく抗酸化力は、作物間の品質付けに利用しやすく、市場に対しても宣伝効果が優れていよう。
本発明は、スローフード等に求められる健康安心など品質を最優先に保証した作型の農業形態マーケットの活性化に貢献できる先導的な農作物の葉面散布剤(硝酸削減剤)である。有機農業の生産性向上に加え、高品質を定量的にPR可能で、差別化された有機作物として経済効果を生み出せるはずである。
タンパク質源を溶解しマグネシウム塩を含む糖蜜発酵液−葉面散布剤「アミノMg酢糖」の作成手順 ハウス栽培バジル葉面内の硝酸、リン酸、マグネシウム濃度に与える散布の効果。各成分濃度の時間変化。A:アミノ(卵)Mg酢糖の散布、B: 純水の散布。
符号の説明

Claims (2)

  1. ペプチド類の濃度が30〜60g/Lで、アミノ酸類の濃度が3〜14g/Lである糖と水溶性タンパク質の糖類発酵有機酸水溶液100重量%に、マグネシウム塩を2〜4重量%溶解させてなる葉面散布剤。
  2. 水溶性タンパク質が卵白と粉乳の一つ以上である請求項1に記載の葉面散布剤。
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