JP2007238482A - 植物の特定元素の吸収向上剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物に必要とされる第1属及び第15族から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とする、植物における第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤。
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とする、植物における第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤。
【選択図】なし
Description
本発明は植物が生育する際に第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収を向上させる吸収向上剤に関する。
植物の生育にとって必須な元素のうち、炭素、水素、酸素は大気、水から供給される。一方、第1族元素及び第15族元素は、植物の吸収量に比較して土壌中での存在量が比較的少ないため欠乏しやすく、外部から補給したときの効果が現れやすい。また、特に、第1族元素及び第15族元素の中で、窒素、リン及びカリウムは、肥料3要素という。
植物は根の代謝と密接に結びついた機構によって、土壌溶液中に低濃度で存在するリン酸イオンを吸収し、多くをリン酸イオンのまま代謝活動が活発な生長部位などへ導管を通じて移動し、液胞中に蓄積する。液胞中のリン酸イオンは必要に応じて細胞質内でエステル化され、DNAなどの遺伝情報伝達物質、リン脂質などの生体膜構成成分、ATPなどの高エネルギー物質などの生成に使用される。植物中にリンが欠乏する場合には全体的な生育不良がおこる。特に、極端なリン酸欠乏の場合には、初期生育後の生長はきわめて劣り、草丈、分げつ、葉数、葉面積が減少し、生育が停止する。わが国の耕地土壌の約20%を占める火山灰土壌は植物にリン欠乏が発生しやすく、リン欠乏による有用植物の収量低下は重要な問題である。リンは土壌に固定されやすく、施肥したリン酸の10〜20%程度しか作物に吸収されない。よってリンの吸収を向上させることは植物の成長にとって有用であり、有用植物の収量低下を防ぐことができる。
植物におけるカリウムの生理的役割は大きく3つに分けることができる。第1は細胞の浸透圧の維持調節、第2は細胞のpH調節、そして第3は酵素タンパクのコンフォーメーションへの影響を介しての、色々な酵素の活性化である。このような役割をするカリウムの欠乏症には、大きく分けると2つのタイプがある。1つは下位葉の先端から黄化がはじまって葉縁に及び、さらに褐色の斑点を生じるタイプ(イネ、トウモロコシ、トマト、タバコ、ダイズなど)、いま1つは緑色の葉に鮮明な白ないし灰白色の斑点が現れるもので、これも古い葉に発生しやすい(ハダカムギ、イタリアンライグラス、ソルゴー、クローバー、アルファルファなど)。カリウムが欠乏するような土壌条件とは、例えば、野菜畑などで堆きゅう肥の施用が少なく、窒素に対してカリウムを同程度しか施用していないような条件では、カリウム欠乏を誘発する可能性がある。また、砂質土壌では土壌によるカリウムの吸着が弱く、そのため雨水などによって著しく流亡しやすい。時期としては、作物の生育量が著しく増大する生育の後期や、果実の肥大期などでカリウムの吸収が増大するので、元肥を多量に施してもこの時期になると不足しやすい。このようなことから、植物のカリウム吸収を向上させることは有用植物の収量低下を防止する効果が見込まれる。
植物の特定元素の吸収を向上させる技術として、安息香酸及び/又は安息香酸誘導体がカリウムイオンの吸収を向上させることが報告されている(特許文献1)。また、アミノ酸の水溶液と共に葉の表面に散布することで、カルシウムイオンの吸収を向上させることが報告されている(特許文献2)。
一方、5−アミノレブリン酸は、微生物・発酵分野においては、VB12生産、ヘム酵素生産、微生物培養、ポルフィリン生産など、動物・医療分野においては、感染症治療(非特許文献1)、殺菌、ヘモフィラス診断、誘導体原料、除毛、リウマチ治療(非特許文献2)、がん治療(非特許文献3)、血栓治療(非特許文献4)、癌術中診断(非特許文献5)、動物細胞培養、UVカット、ヘム代謝研究、育毛、重金属中毒ポルフィリン症診断、貧血予防などに、植物分野においては植物成長調節作用を有し農薬などに有用なことが知られている。しかしながら、5−アミノレブリン酸が、植物の特定元素の吸収を促進させることは知られていない。
特開2002−284607号公報
特開2001−192310号公報
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Kenneth T., United States Patent 5, 368, 841(1994)
Hillemanns P. et. al., Int. J. Cancer, 85, 649-653(2000)
山田一郎 et. al., 日本形成外科学会要旨集(1988)
Kamasaki N. et. al., 日本レーザー医学会誌 22, 255-262(2001)
したがって、本発明は、植物に必要とされる第1属及び第15族から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤を提供することを目的とする。
かかる実状において、本発明者らは、種々研究を重ねた結果、5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩が優れた植物における特定元素の吸収向上作用を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とする、植物における第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤を提供するものである。
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とする、植物における第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤を提供するものである。
また、本発明は、植物の根、茎葉又は周囲の土壌を、下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を含有する組成物で処理することを特徴とする、植物中の第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の含量を向上させる方法を提供するものである。
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を含有する組成物で処理することを特徴とする、植物中の第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の含量を向上させる方法を提供するものである。
本発明の吸収向上剤は、植物における、第1族及び第15族の元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上により、植物の特定元素の欠乏症を防ぐと共に、植物中の第1族及び第15族の元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素を増やすことで、人間が食事を通して植物から得られる特定元素を増やすことができる。
本発明の植物の特定元素の吸収向上剤の有効成分は、5−アミノレブリン酸、その誘導体(前記一般式(1))又はそれらの塩である。
一般式(1)中、R1及びR2で示されるアルキル基としては、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。アシル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルカノイル基、アルケニルカルボニル基又はアロイル基が好ましく、特に炭素数1〜6のアルカノイル基が好ましい。当該アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基が好ましく、特に炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基が好ましい。当該アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数6〜16のアリール基と上記炭素数1〜6のアルキル基とからなる基が好ましく、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
一般式(1)中、R1及びR2で示されるアルキル基としては、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、特に炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。アシル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルカノイル基、アルケニルカルボニル基又はアロイル基が好ましく、特に炭素数1〜6のアルカノイル基が好ましい。当該アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基としては、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニル基が好ましく、特に炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基が好ましい。当該アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。アリール基としては、炭素数6〜16のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数6〜16のアリール基と上記炭素数1〜6のアルキル基とからなる基が好ましく、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
R3で示されるアルコキシ基としては、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜16のアルコキシ基、特に炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。当該アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルカノイルオキシ基が好ましく、特に炭素数1〜6のアルカノイルオキシ基が好ましい。当該アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。アルコキシカルボニルオキシ基としては、総炭素数2〜13のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましく、特に総炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。当該アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、炭素数6〜16のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。アラルキルオキシ基としては、前記アラルキル基を有するものが好ましく、例えば、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
一般式(1)中、R1及びR2としては水素原子が好ましい。R3としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はアラルキルオキシ基が好ましく、より好ましくはヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基、特にメトキシ基又はヘキシルオキシ基が好ましい。
5−アミノレブリン酸誘導体としては、5−アミノレブリン酸メチルエステル、5−アミノレブリン酸エチルエステル、5−アミノレブリン酸プロピルエステル、5−アミノレブリン酸ブチルエステル、5−アミノレブリン酸ペンチルエステル、5−アミノレブリン酸ヘキシルエステル等が挙げられ、特に5−アミノレブリン酸メチルエステル又は5−アミノレブリン酸ヘキシルエステルが好ましい。
5−アミノレブリン酸およびその誘導体の塩としては、例えば塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の酸付加塩及びナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の金属塩が挙げられる。なお、これらの塩は使用時において水溶液として用いられ、その作用は5−アミノレブリン酸の場合と同一である。5−アミノレブリン酸とその塩はそれぞれ単独でも、これらの2種以上を混合して用いることもできる。
5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩は、公知の化合物であり、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの方法によっても製造することができる。微生物又は酵素による生産方法を用いる場合、その生産物は、植物に対して有害な物質を含まない限り分離精製することなく、そのまま用いることができる。
本剤の適用対象となる植物としては、特に限定されず、農業分野で広く栽培されている植物が挙げられるが例えばイネ、オオムギ、コムギ、ヒエ、トウモロコシ、アワ等の穀物類;カボチャ、カブ、キャベツ、ダイコン、ハクサイ、ホウレンソウ、コマツナ、ミツバ、アスパラガス、ブロッコリー、ニラ、セロリ、レタス、シュンギク、キョウナ、チンゲンサイ、ピーマン、トマト、ナス、キュウリ、オクラ等の野菜類;ミカン、リンゴ、カキ、ウメ、ナシ、ブドウ、モモ、イチゴ、スイカ、メロン等の果実類;キク、ガーベラ、パンジー、ラン、シャクヤク、チューリップ等の花卉類;サツキ、クヌギ、スギ、ヒノキ、ナラ、ブナ等の樹木類;アズキ、インゲン、ダイズ、ラッカセイ、ソラマメ、エンドウ等の豆類;コウライシバ、ベントグラス、ノシバ等の芝類;ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ヤマイモ、タロイモ等のイモ類;ネギ、ワケギ、タマネギ、ラッキョウ等のネギ類;アルファルファ、クローバー、レンゲ等の牧草類;ニンジン、ダイコン、カブ、ゴボウ等の根菜類が挙げられ、ミツバ等の野菜類が好ましい。
本発明において、金属成分は、第1族から第15族中のリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスが挙げられる。好ましくは、ナトリウム、カリウム、窒素、リンであり、より好ましくは、カリウム、リンであり、特に好ましくはカリウムである。
本発明において、吸収向上剤には、5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩単独でもよいが、これ以外に、植物成長調節剤、糖類、アミノ酸、有機酸、アルコール、ビタミン、ミネラル等を配合することができる。ここで用いられる植物成長調節剤としては、例えば、エピブラシノライド等のブラシノライド類、塩化コリン、硝酸コリン等のコリン剤、インドール酪酸、インドール酢酸、エチクロゼート剤、1−ナフチルアセトアミド剤、イソプロチオラン剤、ニコチン酸アミド剤、ヒドロキシイソキサゾール剤、過酸化カルシウム剤、ベンジルアミノプリン剤、メタスルホカンブ剤、オキシエチレンドコサノール剤、エテホン剤、クロキンホナック剤、ジベレリン、ストレプトマイシン剤、ダミノジット剤、ベンジルアミノプリン剤、4−CPA剤、アンシミドール剤、イナペンフィド剤、ウニコナゾール剤、クロルメコート剤、ジケブラック剤、メフルイジド剤、炭酸カルシウム剤、ピペロニルブトキシド剤等を挙げることができる。
糖類としては、例えばグルコース、シュクロース、キシリトール、ソルビトール、ガラクトース、キシロース、マンノース、アラビノース、マジュロース、スクロース、リボース、ラムノース、フラクトース、マルトース、ラクトース、マルトトリオース等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えばアスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、チロシン、グリシン、アルギニン、アラニン、トリプトファン、メチオニン、バリン、プロリン、ロイシン、リジン、イソロイシン等を挙げることができる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、フタル酸、安息香酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、グリコール酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸、カプロン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、レブリン酸等を挙げることができる。
アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、グリセロール等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えばニコチン酸アミド、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンB5、ビタミンC、ビタミンB13、ビタミンB1、ビタミンB3、ビタミンB2、ビタミンK3、ビタミンA、ビタミンD2、ビタミンD3、ビタミンK1、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、σ−トコフェロール、p−ヒドロキシ安息香酸、ビオチン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸、α−リポニック酸等を挙げることができる。
ミネラルとしては、例えばチッソ、リン、カリウム、カルシウム、ホウ素、マンガン、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄、及びモリブデン等を挙げることができる。特に、第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素を共存させることで、効率よく共存させた元素の吸収量を増大させることができる。
本発明の吸収向上剤は、根、茎葉又は周囲の土壌を処理することにより使用される。具体的には、茎葉処理用(茎葉処理剤)として使用してもよいし、土壌処理用(土壌処理剤)として使用してもよい。また、植物を植えつけたり、挿し木等する前に吸収させてもよい。さらに、水耕栽培時に水中に添加しておいてもよい。
本剤を茎葉処理剤として用いる場合、5−アミノレブリン酸又はその塩を1〜1000ppm、特に10〜500ppmの濃度で含有せしめ、これを10アール当たり10〜1000L、特に50〜300L使用するのが好ましい。単子葉植物等葉面に薬剤が付着しにくい植物に対して用いる展着剤の種類及び使用量については、特に制限されない。
本剤を土壌処理剤として使用する場合、5−アミノレブリン酸又はその塩として10アール当たり1〜1000g、特に10〜500g用いるのが好ましい。なお、水耕栽培時も、ほぼ同量用いるのが好ましい。
本剤を用いて植つけ前につけ込んで5−アミノレブリン酸又はその塩を吸収させるような方法をとる場合、つけ込む液の5−アミノレブリン酸又はその塩の濃度は0.001〜10ppm、特に0.01〜5ppmであることが望ましく、つけ込み時間は1時間以上1週間以内特に3時間以上1日以内が望ましい。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、これらは単に例示の目的で掲げられるものであって、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕5−アミノレブリン酸のカリウム吸収向上効果
市販のミツバ(水耕)をスポンジに植えた。市販液体肥料(ハイポネクス「ハイポネクス ジャパン」社製)1000倍に5−アミノレブリン酸塩酸塩を1mg/Lとなるように加えたものと加えてないものをそれぞれ用意し、それぞれ250mLを1日1回スポンジに吸収させ、室温で3日間生育させた。収穫したミツバの乾重量に対するカリウム含有量をICPを用いて測定し、その含有濃度を算出した。結果を表1に示す。
市販のミツバ(水耕)をスポンジに植えた。市販液体肥料(ハイポネクス「ハイポネクス ジャパン」社製)1000倍に5−アミノレブリン酸塩酸塩を1mg/Lとなるように加えたものと加えてないものをそれぞれ用意し、それぞれ250mLを1日1回スポンジに吸収させ、室温で3日間生育させた。収穫したミツバの乾重量に対するカリウム含有量をICPを用いて測定し、その含有濃度を算出した。結果を表1に示す。
表1に示した通り、5−アミノレブリン酸塩酸塩の散布によりミツバにおいてカリウムの含有率向上効果が認められた。
〔実施例2〕5−アミノレブリン酸のリン吸収向上効果
実施例1と同様にしてミツバ中のリン含有濃度を算出した。結果を表2に示す。
実施例1と同様にしてミツバ中のリン含有濃度を算出した。結果を表2に示す。
表2に示した通り、5−アミノレブリン酸塩酸塩の散布によりミツバにおいてリンの含有率向上効果が認められた。
Claims (4)
- 下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を有効成分とする、植物における第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の吸収向上剤。 - 第1族元素及び第15族元素から選ばれる元素がナトリウム、カリウム、窒素又はリンである請求項1記載の吸収向上剤。
- 第1族元素及び第15族元素から選ばれる元素がカリウム又はリンである請求項1又は2記載の吸収向上剤。
- 植物の根、茎葉又は周囲の土壌を、下記一般式(1)
R2R1NCH2COCH2CH2COR3 (1)
(式中、R1及びR2は各々独立に、水素原子、アルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基又はアラルキル基を示し;R3はヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基又はアミノ基を示す。)で表される5−アミノレブリン酸、その誘導体又はそれらの塩を含有する組成物で処理することを特徴とする、植物中の第1族元素及び第15族元素から選ばれる少なくとも1種以上の元素の含量を向上させる方法。
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