JP4704407B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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    • F02M37/0011Constructional details; Manufacturing or assembly of elements of fuel systems; Materials therefor
    • F02M37/0023Valves in the fuel supply and return system
    • F02M37/0029Pressure regulator in the low pressure fuel system

Description

本発明は、自動車の内燃機関へ燃料を供給する燃料供給装置に関し、特に、燃料ポンプから圧送される燃料の圧力をプレッシャーレギュレータを用いて調圧する燃料供給装置に関する。
この種の燃料供給装置として特許文献1や特許文献2がある。特許文献1の燃料供給装置は、燃料を内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、該燃料ポンプから吐出される燃圧を調整するプレッシャーレギュレータ(調圧弁)とがモジュール化されて燃料タンク内に内蔵されており、燃料ポンプから圧送される燃圧を高圧レベルと低圧レベルとの2段階に調圧可能となっている。具体的には、燃料ポンプとプレッシャーレギュレータとは、エンジンへ燃料を噴霧するインジェクタと燃料ポンプとを連通する燃料供給管から分岐した連通管によって連通されており、燃料ポンプから吐出される燃料の一部をプレッシャーレギュレータへ供給して燃圧を調整している。プレッシャーレギュレータは、燃料タンク内へ燃料を返送するリターン管を有する第1の圧力室と、導入された燃料の出口がない袋状となっている第2の圧力室とからなり、第1の圧力室と第2の圧力室とは、リターン管の開口を開閉する弁体を開閉自在に保持するダイヤフラムで区画されている。燃料供給管から分岐する分岐管は2方向へ分岐しており、第1の圧力室へは第1の導入管を介して燃料ポンプからの燃圧が直接作用し、該第1の圧力室へ供給された燃料はリターン管から燃料タンク内へ返送される。一方、第2の圧力室へは第2の導入管を介して燃料が供給されるが、当該第2の導入管にもリターン管が分岐状に連通しており、燃料供給管から供給される燃料の一部を絞りを介して燃料タンク内へ返送する構成とすることで、第2の圧力室へは燃料ポンプの吐出圧と燃料タンク内の圧力との中間圧力が作用するようになっている。
特許文献2の燃料供給装置では、燃料ポンプとプレッシャーレギュレータが燃料タンク外に配されており、燃圧と共に大気圧及び吸気ポートからの負圧とを利用して燃圧を調圧している。具体的には、プレッシャーレギュレータは、第1の負圧室と第2の負圧室と燃料室の3室からなり、第1の負圧室と第2の負圧室とは第1のダイヤフラムによって区画されており、第2の負圧室と燃料室とは、第1のダイヤフラムより受圧面積が小さな第2のダイヤフラムによって区画されている。第1・第2の負圧室には、それぞれ3方弁からなる第1・第2の切換手段によって、吸気ポートからの負圧導入管、吸気ポートの負圧を貯圧しておく負圧タンクとの連通管、又は大気圧導入管と連通するよう切り換えられる。そして、燃料室には常時燃料ポンプから圧送される燃料の一部を分岐供給しながら、燃料温度が高温のときに燃圧を高圧にする場合は、第1の負圧室に大気圧を導入し、第2の負圧室に負圧タンクからの負圧を導入する。燃料温度が中温の時に燃圧を中圧にする場合は、第1の負圧室と第2の負圧室との双方に、大気圧を導入する。燃料温度が低温の時に燃圧を低圧にする場合は、第1の負圧室と第2の負圧室との双方に吸気ポートの負圧を導入している。これにより、燃料ポンプからら圧送される燃圧を高圧・中圧・低圧の3段位階で調圧可能となっている。
特開2002−235622号公報 特開昭64−32066号公報
特許文献1の燃料供給装置では、燃料ポンプからの燃圧のみを利用して調圧する構成としているので、プレッシャーレギュレータと燃料ポンプとをコンパクトにモジュール化でき、このモジュールを燃料タンク内に内蔵することで省スペース化を達成できる。しかし、プレッシャーレギュレータは1つのダイヤフラムで区画された第1の圧力室と第2の調圧の2室しか形成されていないので、燃圧も高圧と低圧との2段階でしか調圧できない。しかも特許文献1のプレッシャーレギュレータでは、第2の圧力室へは燃料ポンプの吐出圧と燃料タンク内の圧力との中間圧力が作用するようになっているが、この中間圧力は第2の導入管とリターンとの分岐点を挟んで設けられた絞りによって生じさせており、第2の圧力室は燃料出口のない袋状となっているので、燃料内に発生したベーパーが第2の圧力室内に溜まって的確な調圧を行えなくなるおそれがある。
これに対し特許文献2のプレッシャーレギュレータは、受圧面積の異なる2つのダイヤフラムでそれぞれ区画された、燃料室と第1の負圧室と第2の負圧室との3室に区画していることで、高圧・中圧・低圧の3段階で燃圧を調整可能となっている。しかし、特許文献2の燃料供給装置は、燃圧に加えて大気圧と吸気管負圧とを利用して燃圧を調整する構成となっていることで、燃料ポンプとプレッシャーレギュレータとをモジュール化することはできないことからこれらを燃料タンク外に配設しており、装置が大型化する。また、第1の負圧室と第2の負圧室とには大気圧と吸気管負圧とを選択的に導入する必要があるため、第1の切換手段、第2の切換手段、及び負圧タンクなどの構成部材が必須となり、部品点数が増大すると共に配管経路が複雑となる。しかも、高圧時には燃料室に燃圧を作用させながら、第1の負圧室に大気圧を、第2の負圧室に負圧を、それぞれ作用させているが、これでは通常圧力時+大気圧を少し超える程度の圧力が限界である。また、特許文献2には、第1のダイヤフラムよりも第2のダイヤフラムの受圧面積が小さな場合しか開示されていない。
そこで本発明の目的は、燃料ポンプとプレッシャーレギュレータとをモジュール化しながら、燃料ポンプから吐出される燃圧を利用した簡単な構成により燃圧を確実に3段階に調圧できる燃料供給装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関たるエンジンへ燃料を圧送する燃料供給管が連接された燃料ポンプと、燃料供給管内を圧送される燃料の圧力を調圧するプレッシャーレギュレータとがモジュール化されて、車両の燃料タンク内に内蔵された燃料供給装置であって、前記プレッシャーレギュレータは、導入された燃料を燃料タンク内へ返送するリターン口を有する第1の圧力室と、第2の圧力室と、第3の圧力室と、前記リターン口を開閉する弁体と該弁体に連結された連結杆を介して前記弁体と一体的に連動する受圧体とからなる弁部材と、を有する。前記第1の圧力室と第2の圧力室とは、前記リターン口を開閉する弁体を弾性的に支持する第1のダイヤフラムで区画されており、前記第2の圧力室と第3の圧力室とは、前記受圧体を弾性的に支持し、前記第1のダイヤフラムの受圧面積とは異なる受圧面積を有する第2のダイヤフラムで区画されている。前記プレッシャーレギュレータの第1〜第3の圧力室には、それぞれ燃料ポンプからの燃圧を導入する第1の導入管、第2の導入管、第3の導入管が連接されている。そして、前記第2の圧力室及び第3の圧力室へは、前記第2の導入管と第3の導入管の連通・非連通状態を選択的に切り換える切換手段によって、選択的に燃料ポンプからの燃圧を導入することで、燃料ポンプから圧送される燃圧を3段階に調圧する。
前記第2のダイヤフラムの受圧面積が前記第1のダイヤフラムの受圧面積より大きい場合は、前記第1の圧力室には前記燃料ポンプの吐出圧をそのまま導入し、第2の圧力室と第3の圧力室のうち、少なくとも第3の圧力室に前記燃料ポンプの吐出圧よりも低い燃圧が導入するとよい。そして、前記燃料供給管内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第3の圧力室に燃圧を導入する。前記燃料供給管内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、前記第1の圧力室のみに燃圧を導入する。前記燃料供給管内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第2の圧力室とに燃圧を導入する。
一方、前記第2のダイヤフラムの受圧面積が前記第1のダイヤフラムの受圧面積より小さい場合は、前記燃料供給管内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第3の圧力室に燃圧を導入し、前記燃料供給管内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、前記第1の圧力室及び第2の圧力室に燃圧を導入し、前記燃料供給管内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、前記第1の圧力室のみに燃圧を導入すればよい。
前記第1の導入管は前記燃料供給管と連通させ、前記第2の導入管と第3の導入管は、前記切換手段を介して前記第1の導入管と分岐状に連通させる。この場合、前記第2の圧力室及び第3の圧力室には、それぞれ導入された燃料を燃料タンク内へ返送する返送口を形成したうえで、前記第2の導入管及び第3の導入管に絞りを設けると共に、前記第2の圧力室及び第3の圧力室の返送口の下流側にも、前記第2の導入管及び第3の導入管に設けた絞りよりも絞り量の大きい絞りを設けておくとよい。
または、前記燃料供給管へは前記燃料ポンプにおける昇圧過程の末端部から燃料が圧送されるが、さらに前記燃料ポンプに、該燃料ポンプにおける昇圧過程の中途部から燃料が圧送される中圧管が連接する。そして、前記第1の導入管を前記燃料供給管と連通させ、前記第2の導入管及び第3の導入管を、前記切換手段を介して分岐状に前記中圧管と連通させることもできる。
本発明の燃料供給装置は、燃料ポンプとプレッシャーレギュレータとがモジュール化されてコンパクトになっているので、燃料タンク内に内蔵することができ省スペース化が可能である。そのうえで、プレッシャーレギュレータを受圧面積の異なる第1・第2のダイヤフラムによって第1〜第3の圧力室に区画し、燃料ポンプの燃圧を利用して高圧・中圧・低圧の3段階に調圧しているので、大気圧や負圧を利用した場合よりも調圧範囲を大きくできる。また、1つの切換手段のみによって第2の導入管と第3の導入管の連通・非連通状態を選択的に切り換えるだけで燃圧を調圧していることから、部品点数が少なくかつ配管経路も簡素化することができる。
第2のダイヤフラムの受圧面積が第1のダイヤフラムの受圧面積より大きい場合に、第2の圧力室と第3の圧力室のうち、少なくとも第3の圧力室に燃料ポンプの吐出圧よりも低い燃圧を導入していれば、確実に弁部材を開弁方向へ移動させながら高圧状態を確保できる。すなわち、第3の圧力室内の圧力が大きくなり過ぎて、第1の圧力室のリターン口を開弁できないような作動不良を避けられる。
一方、第2のダイヤフラムの受圧面積が第1のダイヤフラムの受圧面積より小さい場合にも燃圧の導入先を的確に選択することで、上記と同様に燃料供給管内を圧送されていく燃圧を高圧・中圧・低圧の3段階に調圧可能であり、燃料供給装置の設計自由度を高められる。
第1の導入管を燃料供給管と連通し、かつ第2・第3の導入管を切換手段を介して第1の導入管と分岐状に連通させれば、配管経路を簡素化できる。また、第2・第3の圧力室の上流側と下流側とに絞りを設けていれば、簡単な構成によって第2・第3の圧力室に燃料ポンプの吐出圧よりも低い燃圧を導入できると共に、その絞り量を適宜調整することで、第2・第3の圧力室へ導入される燃圧も容易に変更設定できる。また、第2・第3の圧力室にも返送口を設けていれば、当該第2・第3の圧力室内を燃料が流動することができるので、燃料内に発生したベーパーなどが第2・第3の圧力室内に溜まることがない。
燃料ポンプでは、外周縁に複数の羽根溝の形成されたインペラを回転させたときの昇圧作用を利用して燃料が圧送される。したがって、燃料ポンプ内ではインペラを囲む燃料流露の下流にいくにしたがって燃圧が高くなる。すなわち、インペラの昇圧過程の末端部における燃圧が最も高くなっている。そこで、燃料供給管へは燃料ポンプにおける昇圧過程の末端部から燃料が圧送されるように連接したうえで、中圧管へは燃料ポンプにおける昇圧過程の中途部から燃料が圧送されるような構成としていれば、燃料ポンプの昇圧作用をうまく利用した簡素な構成によって、効率的に吐出圧より低い燃圧を第2・第3の圧力室に導入できる。
以下、本発明の実施例につき適宜図面を参照しながら説明するが、これに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。まず、本発明の燃料供給装置の基本的構成について概説する。
図1〜図5を参照しながら、燃料供給装置1は、燃料を圧送する燃料ポンプ2と、該燃料ポンプ2から圧送されていく燃料の燃圧を調圧するプレッシャーレギュレータ3とを有し、これらがサブタンクとなるリザーブカップ(図示せず)内にモジュール化された状態で、自動車などの車両の適所に設けられた燃料タンク(図示せず)に内蔵されている。燃料ポンプ2には、内燃機関たるエンジン側へ繋がる燃料供給管5が連接されており、図示していないが、燃料ポンプ2の燃料吸込口の上流側にはサクションフィルタが、燃料ポンプ2の吐出口の下流にはフューエルフィルタがそれぞれ配されている。燃料ポンプ2を駆動させると、当該燃料ポンプ2内のインペラが回転することで昇圧作用が発生し、燃料が圧送されていく。具体的には、燃料タンク内の燃料はサクションフィルタを介して燃料吸込口から燃料ポンプ2内へ吸入され、インペラの昇圧作用を受けて燃料吐出口から燃料が吐出される。燃料吐出口から吐出された燃料は、フューエルフィルタを介して燃料供給管5内を圧送されていき、インジェクタからエンジンへ噴霧供給される。インジェクタからの燃料の噴霧供給量は、これに導入された燃圧によって大きく作用される。そこで、燃料供給装置1に設けたプレッシャーレギュレータ3によって、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧・中圧・低圧の3段階に調圧している。なお、燃料供給管5へは、燃料ポンプ2における昇圧作用の末端部から燃料が圧送されるようになっている。
プレッシャーレギュレータ3の内部には、下から第1の圧力室7、第2の圧力室8、第3の圧力室9の3室が区画形成されている。第1の圧力室7には、燃料導入口11と、導入された燃料を燃料タンク内へ返送するリターン口12とが内外貫通状に開口しており、燃料導入口11に第1の導入管13が連接されている。第1の導入管13の他端は燃料供給管5と連接しており、燃料ポンプ2から吐出され燃料供給管5内を圧送される燃料の一部が、第1の導入管13を通して燃料導入口11からの第1の圧力室7に導入される。第2の圧力室8及び第3の圧力室9にも、それぞれ別個燃料導入口15・16が内外貫通状に開口しており、第2の圧力室8の燃料導入口15に第2の導入管17が、第3の圧力室9の燃料導入口16に第3の導入管18がそれぞれ連接されている。第2の導入管17と第3の導入管18の他端は、当該第2の導入管17と第3の導入管18の連通・非連通状態を選択的に切り換える1つの切換手段共19に繋がっており、当該切換手段19の連通方向を適宜切り換えることによって、第2の圧力室8と第3の圧力室9とへ燃料が選択的に導入されるようになっている。なお、後述の各実施例では、切換手段として三方弁を用いた。
第1の圧力室7と第2の圧力室8とは第1のダイヤフラム20で区画されており、第2の圧力室8と第3の圧力室9とは第1のダイヤフラム20の受圧面積とは異なる受圧面積を有する第2のダイヤフラム21で区画されている。また、プレッシャーレギュレータ3の内部には、第1の圧力室7のリターン口12を開閉する弁体23と、該弁体23に連結された連結杆24を介して弁体23と一体的に上下連動する受圧体25とからなる弁部材が内蔵されている。弁体23は、第1のダイヤフラム20によって上下動自在に弾性的に支持されており、受圧体25は、第2のダイヤフラム21によって上下動自在に弾性的に支持されている。これにより、第1の圧力室7と第2の圧力室8とは、第1のダイヤフラム20と弁体23とによって燃料の相互流動不可状に区画されており、第2の圧力室8と第3の圧力室9とは、第2のダイヤフラム21と受圧体25とによって燃料の相互流動不可状に区画されている。また、受圧体25と第3の圧力室9(プレッシャーレギュレータ3)の天壁との間には圧縮コイルバネ26が配されている。これにより、圧縮コイルバネ26によって弁部材が常時下方側へ付勢されており、燃料供給装置1の非稼動状態では第1の圧力室7のリターン口12が弁体23で閉弁されている。
本発明の燃料供給装置1はこのような基本的構成となっており、切換手段19によって第2の圧力室8と第3の圧力室9とに選択的に燃料ポンプ2からの燃圧を導入することで、弁体23によるリターン口12の開弁量が段階的に異なり、燃料ポンプ2から燃料供給管5内を圧送され、エンジン(正確にはインジェクタ)へ供給される燃圧を、高圧・中圧・低圧の3段階に調圧できるようになっている。このとき、第1の圧力室7に導入された燃圧をP1、第2の圧力室8に導入された燃圧をP2、第3の圧力室9に導入された燃圧をP3、第1のダイヤフラム20の受圧面積をA1、第2のダイヤフラム21の受圧面積をA2とすると、弁体23を上方へ持ち上げる力、すなわち第1の圧力室7のリターン口12を開弁させる力Fは、
F=(P1×A1)−(P2×A1)+(P2×A2)−(P3×A2)・・・式(1)となる。なお、+が開弁方向、−が閉弁方向の力である。
ここで、燃料タンク内に貯留された燃料は、自動車のエンジン停止時において外気環境によって高温となったり低温となったりする。例えば、夏季や熱帯地域では燃料タンク内の燃料は80℃以上に上昇することがあり、逆に冬季や冷寒帯地域では−10℃以下にまで低下することもある。このように燃料が高温又は低温の状態でエンジンを再始動させると、高温の場合は燃料内に発生したベーパーにより、低温の場合は燃料霧化不良などによってエンジンの始動不良や始動困難となることがある。そこで、このような不具合を是正するため、エンジンの再始動時にはエンジン(正確にはインジェクタ)へ供給される燃圧を高圧状態にすることが好ましい。しかし、高燃圧を維持した状態で継続運転すると、燃料ポンプの消費電力が増大して燃費が悪化するなどの問題が生じる。そこで、エンジン再始動後に高燃圧状態をある程度維持させた後は、低燃圧状態とすることが好ましい。しかし、高圧状態から一気に低圧状態へ移行されると、急激な空燃費変動によってエンジンの作動不良を生じるおそれがあるので、高圧状態から低圧状態へ移行する際は、その間の中圧状態を介在させることが好ましい。つまり、エンジン再始動時は燃圧を高圧とし、その後一旦中圧としたうえで、最終的に燃圧を低圧として通常運転を行うよう設定しておく。このように燃圧を調圧する基準としては特に限定されず種々のタイミングで行うことができるが、代表的には燃料タンク内の燃料温度やエンジン冷却水温度を検知することで行うことができる。例えば、エンジン再始動時の燃料タンク内の燃料温度が、−5℃程度以下又は50℃程度以上の時に高圧状態とする。これを前提として、以下に本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1に、実施例1に係る燃料供給装置1を示す。なお、図1(A)が高圧状態であり、図1(B)が中圧状態であり、図1(C)が低圧状態である。図1に示されるように、実施例1の燃料供給装置1では、上記基本構造に加えて、プレッシャーレギュレータ3の第2の圧力室8及び第3の圧力室9には、導入された燃料を燃料タンク内へ返送する返送口31・32が内外貫通状にそれぞれ形成されており、両返送口31・32にはそれぞれ燃料タンクの内部空間と連通する返送管33・34が連接されている。そして、第2の圧力室8及び第3の圧力室9の上流側にそれぞれ連接されている第2の導入管17及び第3の導入管18には、燃料の流動量を制御する絞り35及び絞り36が設けられている。また、第2の圧力室8及び第3の圧力室9の下流側にそれぞれ連接されている返送管33及び返送管34にも、同じく燃料の流動量を制御する絞り37及び絞り38が設けられている。第2・第3の圧力室8・9の下流側の絞り37・38の絞り量は、第2・第3の圧力室8・9の上流側の絞り35・36よりも大きく設定されている。また、第2のダイヤフラム21の受圧面積A2は、第1のダイヤフラム20の受圧面積A1より大きく形成されており、第2の導入管17と第3の導入管18は、三方弁19を介して第1の導入管13から分岐状に連通している。これにより、第1の圧力室7には燃料ポンプ2の吐出圧がそのまま導入され、第2の圧力室8と第3の圧力室9とには、燃料ポンプ2の吐出圧よりも低い燃圧が導入される。
まず、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、図1(A)に示すごとく、第2の導入管17を非連通状態とし、第3の導入管18を連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料を導入する。このとき、第1の圧力室7には燃料ポンプ2からの吐出圧がそのまま導入されるが、第3の圧力室9には、これの上流と下流に設けた絞り36、38によって燃料ポンプ2からの吐出圧よりも低い燃圧が導入される。第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)−(P3×A2)となる。すなわち弁体23には、第1の圧力室7に作用する開弁方向の力(P1×A1)と共に、第3の圧力室9からの閉弁方向の力(P3×A2)の力が作用することでリターン口12の開弁量が僅かとなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が高圧となる。このとき、A1<A2であるが、P1>P3なので、F>バネ付勢力となる。このことから、第3の圧力室9の上流側の絞り36及び下流側の絞り38の絞り量、並びに第1のダイヤフラム20の受圧面積A1及び第2のダイヤフラム21の受圧面積A2の関係は、少なくとも(P1×A1)>(P3×A2)の関係を満たすように設計し、この範囲内で適宜変更可能である。第1のダイヤフラム20の受圧面積A1と第2のダイヤフラム21の受圧面積A2との関係に着目すれば、A2がA1の1/2より大きくA1より小さい範囲が好ましい。(P3×A2)が(P1×A1)に近ければ、燃料供給管5内を圧送される燃圧を超高圧に設定することができ、(P3×A2)と(P1×A1)との差が大きくなる程、燃料供給管5内を圧送される燃圧の高圧レベルを下げることができる。
燃料供給管5内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、図1(B)に示すごとく、第2の導入管17及び第3の導入管18を共に非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7のみに燃料を導入する。第1の圧力室7のみに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)となる。すなわち弁体23には、第1の圧力室7に作用する開弁方向の力(P1×P2)のみが作用することで、上記高圧状態よりもリターン口12の開弁量が大きくなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が中圧となる。
燃料供給管5内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、図1(C)に示すごとく、第2の導入管17を連通状態とし、第3の導入管18を非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料を導入する。このときも、第1の圧力室7には燃料ポンプ2からの吐出圧がそのまま導入されるが、第2の圧力室8には、これの上流と下流に設けた絞り35、37によって燃料ポンプ2からの吐出圧よりも低い燃圧が導入される。第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=((P1−P2)×A1)+(P2×A2)となる。すなわち弁体23には、第1の圧力室7に作用する開弁方向の力(P1×A1)及び(P2×A2)と共に、第2の圧力室8からの閉弁方向の力(P2×A1)の力が作用する。このとき、A1<A2であると共にP1>P2なので、(P1×A1)及び(P2×A2)に対する(P2×A1)の大きさは極僅かであるため、リターン口12の開弁量が大きくなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が低圧となる。このことから、第2の圧力室9を挟んで上流側の絞り35及び下流側の絞り37の絞り量は、(上流側の絞り35<下流側の絞り37)の関係が満たされてさえいれば、これによる第2の圧力室8内へ導入される燃圧P2の大きさは限定されない。第2の圧力室8内の導入燃圧P2が第1の圧力室7内の導入燃圧P1に近づく程、燃料供給管5内を圧送される燃圧を超低圧に設定することができ、第2の圧力室8内の導入燃圧P2と第1の圧力室7内の導入燃圧P1との差が大きくなる程、燃料供給管5内を圧送される燃圧の低圧レベルを上げて中圧レベルに近づけることができる。このような関係が満たされている範囲であれば、第2の圧力室8を挟んで設けられる上流側絞り35と下流側絞り37とによる第2の圧力室8へ導入される燃圧と、第3の圧力室9を挟んで設けられる上流側絞り36と下流側絞り38とによる第3の圧力室9へ導入される燃圧とは、同じであってもよいし異ならせてあってもよい。
(実施例2)
図2に、実施例2に係る燃料供給装置1を示す。なお、図2(A)が高圧状態であり、図2(B)が中圧状態であり、図2(C)が低圧状態である。本実施例2は、先の実施例1の変形例であって、図2に示されるように、実施例1と同じくプレッシャーレギュレータ3における第2のダイヤフラム21の受圧面積A2が、第1のダイヤフラム20の受圧面積A1より大きく形成されている。そして実施例2の燃料供給装置1では、上記基本構造に加えて燃料ポンプ2には、該燃料ポンプ2における昇圧過程の中途部から燃料が圧送される中圧管40が連接されており、第2の導入管17及び第3の導入管18は、三方弁19を介して分岐状に中圧管40と連通している。これにより、第2の圧力室8と第3の圧力室9とに導入される燃圧は常に同じであり、第2・第3の圧力室8・9には燃料ポンプ2の吐出圧よりも低い燃圧が選択的に導入される。つまり、実施例1における絞りに代えて中圧管を利用している。
したがって、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧・中圧・低圧の3段階に調圧する機構は、先の実施例1と同様である。具体的には、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、図2(A)に示すごとく、第2の導入管17を非連通状態とし、第3の導入管18を連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力も、F=(P1×A1)−(P3×A2)である。燃料供給管5内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、図2(B)に示すごとく、第2の導入管17及び第3の導入管18を共に非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7のみに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力も、F=(P1×A1)である。燃料供給管5内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、図2(C)に示すごとく、第2の導入管17を連通状態とし、第3の導入管18を非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力も、F=((P1−P2)×A1)+(P2×A2)である。
本実施例2での第3の圧力室9に導入される燃圧も、少なくとも(P1×A1)>(P3×A2)の関係を満たす範囲内で適宜変更可能である。第3の圧力室9に導入される燃圧調整は、燃料ポンプ2内における昇圧過程のどの部位から燃料を中圧管40へ圧送するかで変更できる。燃料ポンプ2内における昇圧過程の上流寄り部位から圧送されるように設計すれば、中圧管40内を圧送される燃圧すなわち第3の圧力室9へ導入される燃圧は小さくなる。逆に、燃料ポンプ2内における昇圧過程の下流寄り部位から圧送されるように設計すれば、第3の圧力室9へ導入される燃圧は比較的大きくなる。第2の導入管17と第3の導入管18とは、共に三方弁19を介して中圧管40と連通しているので、第2の圧力室8に導入される燃圧は、自ずと第3の圧力室9に導入される燃圧の調整によって同じ燃圧に決定される。その他は実施例1と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例3)
図3に、実施例3に係る燃料供給装置1を示す。なお、図3(A)が高圧状態であり、図3(B)が中圧状態であり、図3(C)が低圧状態である。本実施例3は、先の実施例1や実施例2の別形態であって、図3に示されるように、プレッシャーレギュレータ3における第2のダイヤフラム21の受圧面積A2が、第1のダイヤフラム20の受圧面積A1より大きく形成されている点が大きく異なる。また、第1〜第3の圧力室7・8・9は、それぞれ燃料導入口11・15・16以外には開口を有さず、袋状となっている。第2の導入管17と第3の導入管18は、三方弁19を介して第1の導入管13から分岐状に連通している。これにより、第1・第2・第3の圧力室7・8・9にはそれぞれ燃料ポンプ2の吐出圧がそのまま導入されるようになっている。そして、第1のダイヤフラム20の受圧面積A1と第2のダイヤフラム21の受圧面積A2との相対関係の違いから、実施例1や実施例2とは異なる機構によって高圧・中圧・低圧状態が設定される。
まず、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、図3(A)に示すごとく、第2の導入管17を非連通状態とし、第3の導入管18を連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料を導入する。第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)−(P3×A2)となる。すなわち弁体23には、第1の圧力室7に作用する開弁方向の力(P1×A1)と共に、第3の圧力室9からの閉弁方向の力(P3×A2)の力が作用することでリターン口12の開弁量がごく僅かとなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が高圧となる。本実施例3ではA1>A2であり、かつ第1の圧力室7内に導入される燃圧P1と、第3の圧力室9に導入される燃圧P3と、燃料ポンプ2の吐出圧Pとがそれぞれ同一なので、弁体23を開弁させる力は、実際にはF=P×(A1−A2)となり、確実にF>バネ付勢力となる。このことから、第2ダイヤフラム21の受圧面積A2は、少なくとも第1のダイヤフラム20の受圧面積A1よりも小さければ、その大きさは特に限定されない。A1とA2との差が小さくなる程、燃料供給管5内を圧送される燃圧を超高圧に設定することができ、A1とA2との差が大きくなる程、燃料供給管5内を圧送される燃圧の高圧レベルは下がることになる。
燃料供給管5内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、図3(B)に示すごとく、第2の導入管17を連通状態とし、第3の導入管18を非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料を導入する。第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=((P1−P2)×A1)+(P2×A2)となる。このときも、第1の圧力室7と第2の圧力室8とには、共に燃料ポンプ2からの吐出圧Pがそのまま導入されるので、実際にはF=P×A2となる。したがって、弁体23には高圧時のP×(A1−A2)より大きな開弁方向の力が作用するため、リターン口12の開弁量が高圧時よりも大きくなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が中圧となる。
燃料供給管5内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、図3(C)に示すごとく、第2の導入管17及び第3の導入管18を共に非連通状態とするように三方弁19を切り換えて、第1の圧力室7のみに燃料を導入する。第1の圧力室7のみに燃料が導入されると、上記式(1)から弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)=(P×A1)となる。ここで、A1>A2なので、(P×A1)は中圧時の(P×A2)よりも大きいことから、中圧時よりもリターン口12の開弁量が大きくなり、燃料供給管5内を圧送される燃圧が低圧となる。このように、プレッシャーレギュレータ3における第2のダイヤフラム21の受圧面積A2が、第1のダイヤフラム20の受圧面積A1より大きく形成されている実施例3では、第3の圧力室9内に導入される燃圧P3の大きさによって燃料供給管5内を圧送される燃圧の高圧レベルが規定される。したがって、エンジンの再始動時に超高圧とするためには、実施例3のように第3の圧力室9内に導入される燃圧P3と第1の圧力室7内に導入される燃圧P1とは同等であることが好ましい。一方、超高圧レベルにまで設定する必要がない場合は、実施例3を実施例1や実施例2と同様の機構に変形して、第2の圧力室8及び/又は第3の圧力室9に、燃料ポンプ2からの吐出圧Pよりも小さい中間圧を導入することもできる。
(実施例4)
例えば、図4に示すような燃料供給装置1とすることができる。なお、図4(A)が高圧状態であり、図4(B)が中圧状態であり、図4(C)が低圧状態である。本実施例4は、実施例3に実施例1の構成を適用した変形例であって、上記基本構造に加えて、プレッシャーレギュレータ3の第2の圧力室8及び第3の圧力室9には、導入された燃料を燃料タンク内へ返送する返送口31・32が内外貫通状にそれぞれ形成されており、両返送口31・32にはそれぞれ燃料タンクの内部空間と連通する返送管33・34が連接されている。そして、第2の圧力室8及び第3の圧力室9の上流側にそれぞれ絞り35及び絞り36が、下流側にそれぞれ絞り37及び絞り38が設けられており、下流側の絞り37・38の絞り量は、上流側の絞り35・36よりも大きく設定されている。また、第2の導入管17と第3の導入管18は、三方弁19を介して第1の導入管13から分岐状に連通されており、第1の圧力室7には燃料ポンプ2の吐出圧がそのまま導入され、第2の圧力室8と第3の圧力室9とには、燃料ポンプ2の吐出圧よりも低い燃圧が導入される。
この場合でも、燃料供給管5内を圧送される燃圧の調圧機構は実施例3と同様であり、燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、図4(A)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)−(P3×A2)となる。本実施例4では、第3の圧力室9に導入される燃圧P3が、燃料ポンプ2の吐出圧Pすなわち第1の圧力室7に導入される燃圧P1より小さいので、(P3×A2)も実施例3でのそれより小さくなっているので、実施例3と比べて高圧レベルは低い。燃料供給管5内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、図4(B)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力は、F=((P1−P2)×A1)+(P2×A2)である。ここでもP>P2なので、本実施例4における中圧レベルは、実施例3における中圧レベルよりも低い。燃料供給管5内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、図4(C)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7のみに燃料を導入する。このときの弁体23を開弁させる力は、F=(P1×A1)=(P×A1)である。その他は実施例3と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(実施例5)
図5に、実施例5に係る燃料供給装置1を示す。なお、図5(A)が高圧状態であり、図5(B)が中圧状態であり、図5(C)が低圧状態である。本実施例5も実施例4と同様に、第2・第3の圧力室8・9に燃料ポンプ2の吐出圧Pよりも低い中間圧が導入されるようにした、実施例3の変形例であって、実施例2の中間圧導入機構が採用されている。具体的には、図5に示されるように、上記基本構造に加えて燃料ポンプ2には、該燃料ポンプ2における昇圧過程の中途部から燃料が圧送される中圧管40が連接されており、第2の導入管17及び第3の導入管18は、三方弁19を介して分岐状に中圧管40と連通している。これにより、第2の圧力室8と第3の圧力室9とに導入される燃圧は常に同じであり、第2・第3の圧力室8・9には燃料ポンプ2の吐出圧よりも低い燃圧が選択的に導入される。
この場合も、燃料供給管5内を圧送される燃圧の調圧機構は、実施例3や実施例4と同様である。すなわち燃料供給管5内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、図5(A)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7と第3の圧力室9とに燃料を導入し、燃料供給管5内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、図5(B)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7と第2の圧力室8とに燃料を導入し、燃料供給管5内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、図5(C)に示すごとく、三方弁19を切り換えて第1の圧力室7のみに燃料を導入すればよい。その他は実施例3と同様なので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
(その他の変形例)
実施例1において、第2の圧力室8には、返送口31及び絞り35・37を設けなくても良い。これによれば、(第2の圧力室8内の導入圧力P2=第1の圧力室7内の導入圧力P1=燃料ポンプ2の吐出圧P)となる。この場合、弁体23に作用する力は、上記式(1)からF=P×A2となるので、実施例1における低圧時の開弁量よりもリターン口12の開弁量が大きくなり、超低圧状態を達成することができる。また、実施例4において、返送口は第2・第3の圧力室8・9のうち、どちらか一方のみに設けてもよい。
実施例1〜実施例5において、高温時の設定燃圧と低温時の設定燃圧とを異ならせることもできる。例えば、低温時は中圧に、高温時は高圧にそれぞれ設定してもよく、この逆でもよい。また、通常運転時の燃圧を低圧以外とすることも可能である。燃料ポンプの燃料吐出量すなわちエンジンの最大消費可能量は、燃圧が高いと少なく燃圧が低いと多くなる反比例の関係にある。そこで、例えばエンジン始動時は高圧とし、一般的な通常運転時のエンジンが低負荷状態では中圧とし、加速時のようなエンジンが多量の燃料を必要とする高負荷状態には低圧に設定してもよい。この場合、燃料などの温度ではなく、エンジンの要求消費燃料量によって燃圧が変更されるシステムとなる。したがって、各燃圧状態への切り換えは、スロットル開度、エンジン回転数、吸気量、吸気管負圧、インジェクタの噴射基本パルスなどを基準として行うことができる。
実施例1の燃料供給装置の概略構成図である。 実施例2の燃料供給装置の概略構成図である。 実施例3の燃料供給装置の概略構成図である。 実施例4の燃料供給装置の概略構成図である。 実施例5の燃料供給装置の概略構成図である。
符号の説明
1 燃料供給装置
2 燃料ポンプ
3 プレッシャーレギュレータ
5 燃料供給管
7 第1の圧力室
8 第2の圧力室
9 第3の圧力室
11・15・16 燃料導入口
12 リターン口
13 第1の導入管
17 第2の導入管
18 第3の導入管
19 三方弁(切換手段)
20 第1のダイヤフラム
21 第2のダイヤフラム
23 弁体
26 バネ
31・32 返送口
35・36・37・38 絞り
40 中圧管
A1 第1のダイヤフラムの受圧面積
A2 第2のダイヤフラムの受圧面積
F 弁体に作用する開弁方向の力
P 燃料ポンプの吐出圧
P1 第1の圧力室に導入される燃圧
P2 第2の圧力室に導入される燃圧
P3 第3の圧力室に導入される燃圧


Claims (5)

  1. 内燃機関へ燃料を圧送する燃料供給管が連接された燃料ポンプと、燃料供給管内を圧送される燃料の圧力を調圧するプレッシャーレギュレータとがモジュール化されて、燃料タンク内に内蔵された燃料供給装置であって、
    前記プレッシャーレギュレータは、導入された燃料を燃料タンク内へ返送するリターン口を有する第1の圧力室と、第2の圧力室と、第3の圧力室と、前記リターン口を開閉する弁体と該弁体に連結された連結杆を介して前記弁体と一体的に連動する受圧体とからなる弁部材と、を有し、
    前記第1の圧力室と第2の圧力室とは、前記リターン口を開閉する弁体を弾性的に支持する第1のダイヤフラムで区画されており、前記第2の圧力室と第3の圧力室とは、前記受圧体を弾性的に支持し、前記第1のダイヤフラムの受圧面積とは異なる受圧面積を有する第2のダイヤフラムで区画されており、
    前記プレッシャーレギュレータの第1〜第3の圧力室には、それぞれ燃料ポンプからの燃圧を導入する第1の導入管、第2の導入管、第3の導入管が連接されており、
    前記第2の圧力室及び第3の圧力室へは、前記第2の導入管と第3の導入管の連通・非連通状態を選択的に切り換える切換手段によって、選択的に燃料ポンプからの燃圧を導入することで、燃料供給管内を圧送される燃圧を3段階に調圧する燃料供給装置。
  2. 前記第2のダイヤフラムの受圧面積は、前記第1のダイヤフラムの受圧面積より大きく形成されており、
    前記第1の圧力室には前記燃料ポンプの吐出圧がそのまま導入され、第2の圧力室と第3の圧力室のうち、少なくとも第3の圧力室には前記燃料ポンプの吐出圧よりも低い燃圧が導入され、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第3の圧力室に燃料を導入し、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、前記第1の圧力室のみに燃料を導入し、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第2の圧力室とに燃料を導入する請求項1に記載の燃料供給装置。
  3. 前記第2のダイヤフラムの受圧面積は、前記第1のダイヤフラムの受圧面積より小さく形成されており、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を高圧に設定するときは、前記第1の圧力室と第3の圧力室に燃料を導入し、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を中圧に設定するときは、前記第1の圧力室及び第2の圧力室に燃料を導入し、
    前記燃料供給管内を圧送される燃圧を低圧に設定するときは、前記第1の圧力室のみに燃料を導入する請求項1に記載の燃料供給装置。
  4. 前記第1の導入管は前記燃料供給管と連通しており、前記第2の導入管と第3の導入管は、前記切換手段を介して前記第1の導入管と分岐状に連通しており、
    前記第2の圧力室及び第3の圧力室には、それぞれ導入された燃料を燃料タンク内へ返送する返送口が形成されており、
    前記第2の導入管及び第3の導入管に絞りが設けられていると共に、前記第2の圧力室及び第3の圧力室の返送口の下流側にも、前記第2の導入管及び第3の導入管に設けた絞りよりも絞り量の大きい絞りが設けられている請求項2または請求項3に記載の燃料供給装置。
  5. 前記燃料供給管へは、前記燃料ポンプにおける昇圧過程の末端部から燃料が圧送され、さらに前記燃料ポンプには、該燃料ポンプにおける昇圧過程の中途部から燃料が圧送される中圧管が連接されており、
    前記第1の導入管は前記燃料供給管と連通しており、
    前記第2の導入管及び第3の導入管は、前記切換手段を介して分岐状に前記中圧管と連通している請求項2または請求項3に記載の燃料供給装置。





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