JP4732425B2 - 燃料供給装置 - Google Patents
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Description
本発明は、システム燃圧の昇圧状態における燃料ポンプの負荷を低減するとともに、ジェットポンプによる燃料汲み上げ量を安定化することのできる燃料供給装置を提供することを課題とする。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記載された燃料供給装置によると、エンジンの始動直後のように、ベーパの発生しやすいとき、燃料ポンプの低電圧での昇圧時等の運転領域で、余剰燃料通路における絞り部より上流側の通路部内の余剰燃料圧が閾値未満のときは、切替弁によりベーパ燃料通路が開かれてジェットポンプ用燃料通路が閉じられる。したがって、ベーパ燃料通路を通じてベーパ燃料を排出する一方、ジェットポンプ用燃料通路の遮断によりジェットポンプが停止されるため、エンジン側への加圧燃料の供給燃料量を増加することができる。このため、燃料ポンプのポンプサイズを律速すなわち規定する運転領域でジェットポンプを停止することで、ポンプサイズを抑制し、燃料ポンプの消費電流を低減することができる。
また、燃料ポンプが通常に機能し、システム燃圧に達した昇圧状態のように、ベーパがほとんど発生しないとき、余剰燃料量が増えたとき等の運転領域で、前記余剰燃料圧が閾値以上のときは、切替弁によりベーパ燃料通路が閉じられてジェットポンプ用燃料通路が開かれる。したがって、ベーパ燃料通路の遮断によりベーパジェットからの加圧燃料の排出を防止することにより、システム燃圧の昇圧状態における燃料ポンプの負荷を低減することができる。これとともに、ジェットポンプ用燃料通路を介して導入される加圧燃料の流れによりジェットポンプを作動させることができる。このように、ジェットポンプの駆動用燃料として燃料ポンプから吐出される加圧燃料を用いることにより、ジェットポンプを作動する加圧燃料量がほぼ一定となるため、ジェットポンプによる燃料汲み上げ量を安定化することができる。
よって、システム燃圧の昇圧状態における燃料ポンプの負荷を低減するとともに、ジェットポンプによる燃料汲み上げ量を安定化することができる。
また、燃料ポンプが通常に機能し、システム燃圧に達した昇圧状態のように、ベーパがほとんど発生しないとき、余剰燃料量が増えたとき等の運転領域で、前記余剰燃料圧が閾値以上のときは、第1の開閉弁によりベーパ燃料通路が閉じられるとともに、第2の開閉弁によりジェットポンプ用燃料通路が開かれる。したがって、ベーパ燃料通路の遮断によりベーパジェットからの加圧燃料の排出を制限することにより、システム燃圧の昇圧状態における燃料ポンプの負荷を低減することができる。これとともに、ジェットポンプ用燃料通路を介して導入される加圧燃料の流れによりジェットポンプを作動させることができる。このように、ジェットポンプの駆動用燃料として燃料ポンプから吐出される加圧燃料を用いることにより、ジェットポンプを作動する加圧燃料量がほぼ一定となるため、ジェットポンプによる燃料汲み上げ量を安定化することができる。
よって、システム燃圧の昇圧状態における燃料ポンプの負荷を低減するとともに、ジェットポンプによる燃料汲み上げ量を安定化することができる。
本発明の実施例1を説明する。本実施例では、車両用エンジンに用いられる燃料供給装置について例示する。なお、図1は燃料供給装置を示す構成図である。
図1に示すように、燃料供給装置10は、図示しない車両に搭載されておりかつ燃料を貯蔵する燃料タンク12内に設けられている。なお、燃料タンク12は複数のタンク室を備える形式のものであって、本燃料供給装置10は、メインタンク室内(例えば、メインタンク室内に設けられるリザーバカップ内)に配置されている。
燃料ポンプ14を説明する。なお、図3は燃料ポンプを示す断面図である。
図3に示すように、燃料ポンプ14は、電動式のモータ部20と、モータ部20の下端部に設けられたインペラ式のポンプ部21とを備えるモータ一体型のインタンク式燃料ポンプであって、前記燃料タンク12内の燃料をエンジン側へ供給するものである。ポンプ部21は、モータ部20の駆動によりポンプハウジング22内のインペラ23が回転されることにより、前記燃料タンク12内の燃料を吸入しかつ昇圧してモータ部20内に吐出する。また、ポンプハウジング22内には、インペラ23の外周部に沿って形成されたC字状のポンプ通路24が形成されている。また、ポンプハウジング22の下面側には、ポンプ通路24の始端部に連通しかつ燃料を吸入する燃料吸入口25が設けられている。燃料吸入口25には、燃料を濾過する吸入フィルタ26が管接続されている。また、ポンプハウジング22の上面側には、ポンプ通路24の始端部に連通しかつ燃料をモータ部20のモータハウジング27内に吐出する流出口28が設けられている。また、モータハウジング27の上面側には、モータハウジング27内を流通した燃料を吐出する燃料吐出口29が設けられている。
図4に示すように、調圧弁15は、ケーシング36、ダイヤフラム37、弁体38、バルブスプリング39等を主要構成部品として構成されている。ケーシング36は、下面開口状をなす上側のケース部41と、その上側のケース部41の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部42とからなる。上側のケース部41の上壁部には連通口43が設けられている。また、下側のケース部42は、その側壁部に設けられた燃料導入管44と、その底壁部に設けられた燃料排出管45とを有している。燃料導入管44には、前記燃料タンク12内で前記燃料供給通路34から分岐された加圧燃料導入通路47が連通されている(図1参照)。このため、下側のケース部42内には、燃料供給通路34内を流れる加圧燃料の一部が導入されかつその燃圧が作用する。
また、前記弁体38は、ダイヤフラム37の中央部に設けられており、該ダイヤフラム37の撓み変形により前記燃料排出管45の上端面を弁座として開閉する。
また、前記バルブスプリング39は、上側のケース部41と弁体38との対向面間に介装されており、常に弁体38を閉じる方向に付勢している。
図2に示すように、切替弁17は、ケーシング58、弁部材59、ダイヤフラム60、バルブスプリング61等を主要構成部品として構成されている。ケーシング58は、上下に並ぶ第1のケース体63と第2のケース体64とを備えている。第1のケース体63は、下面開口状をなす上側のケース部66と、その上側のケース部66の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部67とからなる。また、第2のケース体64は、下面開口状をなす上側のケース部68と、その上側のケース部68の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部69とからなる。第1のケース体63において、上側のケース部66の上壁部に余剰燃料導入口70が設けられ、また、下側のケース部67の側壁部にベーパ燃料排出口71が設けられている。また、第2のケース体64において、下側のケース部69の側壁部に加圧燃料導出口72が設けられている。
また、前記ベーパ燃料導入口75には、前記燃料ポンプ14のベーパジェット30がベーパ燃料導入通路88を介して連通されている。なお、ベーパ燃料導入通路88、上側の連通路82(図2参照)、ベーパ燃料室85、ベーパ燃料排出口71は、一連のベーパ燃料通路89を構成している(図1参照)。
なお、前記した燃料ポンプ14、調圧弁15、切替弁17、弁装置18、圧力リリーフ弁100は、前記燃料タンク12内に固定的に配置されている。
弁装置18による燃圧可変機能を説明する。エンジンが始動を開始すると、ECU98から出力される制御信号により弁装置18がオンされる。すると、弁装置18の第1の接続口91と第2の接続口92が連通されるため、背圧燃料通路95内に付与される加圧燃料圧が調圧弁15の背圧室49内に作用する。また、弁装置18の第3の接続口93が遮断されるため、背圧室49内の燃料の流出が制限される。
前記調圧弁15から燃料排出管45を介して余剰燃料通路52に排出された余剰燃料は、絞り部53の絞り作用により、燃料タンク12内に排出される量が減少されるため、上流側の通路部52a内に余剰燃料圧が発生する。この余剰燃料圧は、余剰燃料導入通路87を通じて、切替弁17の背圧室84に導入される。
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1の一部を変更したものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。なお、図5は燃料供給装置を示す構成図である。
図5に示すように、本実施例は、前記実施例1の燃料供給装置10における切替弁17(図1参照)に代えて、ベーパ燃料通路89を開閉する第1の開閉弁110と背圧燃料通路95を開閉する第2の開閉弁123とを併用するものである。なお、両開閉弁110,123は、前記燃料タンク12内に固定的に配置されているものとする。
図6に示すように、第1の開閉弁110は、ケーシング111、ダイヤフラム112、弁体113、バルブスプリング114等を主要構成部品として構成されている。ケーシング111は、下面開口状をなす上側のケース部115と、その上側のケース部115の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部116とからなる。上側のケース部115の上壁部に余剰燃料導入口117が設けられている。また、下側のケース部116の底壁部にベーパ燃料導入管118が設けられている。また、下側のケース部116の側壁部にベーパ燃料排出口119が設けられている。
また、前記弁体113は、ダイヤフラム112の中央部に設けられており、該ダイヤフラム112の撓み変形により前記ベーパ燃料導入管118の上端面を弁座として開閉する。
また、前記バルブスプリング114は、下側のケース部116と弁体113との対向面間に介装されており、常に弁体113を前記ベーパ燃料導入管118の上端面から離れる方向いわゆる開弁方向に付勢している。
また、前記ベーパ燃料導入管118には、前記燃料ポンプ14のベーパジェット30が前記ベーパ燃料導入通路88を介して連通されている。なお、ベーパ燃料導入通路88、ベーパ燃料導入管118、ベーパ燃料室121、ベーパ燃料排出口119は、一連のベーパ燃料通路89を構成している。
図7に示すように、第2の開閉弁123は、ケーシング124、弁部材125、ダイヤフラム126、バルブスプリング127等を主要構成部品として構成されている。ケーシング124は、上下に並ぶ第1のケース体128と第2のケース体129とを備えている。第1のケース体128は、下面開口状をなす上側のケース部131と、その上側のケース部131の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部132とからなる。また、第2のケース体129は、下面開口状をなす上側のケース部133と、その上側のケース部133の下面側に接合された上面開口状をなす下側のケース部134とからなる。第1のケース体128において、上側のケース部133の上壁部に余剰燃料導入口135が設けられ、また、下側のケース部134の側壁部に開口孔136が設けられている。また、第2のケース体129において、下側のケース部134の側壁部に加圧燃料導出口137が設けられている。
また、加圧燃料導入口140には、ジェットポンプ用燃料通路56における上流側の通路部56aの下流端が連通されている。また、加圧燃料導出口137には、ジェットポンプ用燃料通路56における下流側の通路部56bの上流端が連通されている。なお、上流側の通路部56a、連通路145(図7参照)、第2のケース体129の内部空間129a、下流側の通路部56bは、一連のジェットポンプ用燃料通路56を構成している(図5参照)。
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1の一部を変更したものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。なお、図8は燃料供給装置を示す構成図である。
図8に示すように、本実施例は、前記実施例1(図1参照)の燃料供給装置10における弁装置18による燃圧可変機能に変更を加えたものである。なお、実施例1における弁装置18、燃料ポンプ14の第2の燃料取出口32、背圧燃料通路95、圧力リリーフ弁100が省略されている。
本発明の実施例4を説明する。本実施例は、前記実施例1の一部を変更したものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。なお、図9は燃料供給装置を示す構成図である。
図9に示すように、本実施例は、前記実施例1(図1参照)の燃料供給装置10における弁装置18による燃圧可変機能を省略したものである。このため、弁装置18の他、燃料ポンプ14の第2の燃料取出口32、背圧燃料通路95、連絡通路96、圧力リリーフ弁100が省略されている。本実施例によると、燃料供給通路34内の燃圧を定常値に一定化することができる。
12 燃料タンク
14 燃料ポンプ
15 調圧弁
16 ジェットポンプ
17 切替弁
18 弁装置
30 ベーパジェット
49 背圧室
50 調圧室
52 余剰燃料通路
52a 上流側の通路部
53 絞り部
56 ジェットポンプ用燃料通路
89 ベーパ燃料通路
95 背圧燃料通路
110 第1の開閉弁
123 第2の開閉弁
150 背圧燃料通路
152 弁装置
154 上流側の絞り部
155 下流側の絞り部
Claims (4)
- 燃料タンク内の燃料をエンジン側へ供給しかつベーパ燃料を排出するベーパジェットを有する燃料ポンプと、
前記燃料ポンプのベーパジェットから排出されるベーパ燃料が流れるベーパ燃料通路と、
前記燃料ポンプから吐出される加圧燃料を導入する調圧室内の燃圧を背圧室内の圧力に応じて調整しかつ余剰となった余剰燃料を排出する調圧弁と、
前記調圧弁から排出される余剰燃料が流れる余剰燃料通路と、
前記余剰燃料通路に設けられた絞り部と、
前記燃料ポンプから吐出される加圧燃料がジェットポンプ用燃料通路を介して導入され、前記加圧燃料の流れにより作動されるジェットポンプと、
前記余剰燃料通路における絞り部より上流側の通路部内の余剰燃料圧に応じて前記ベーパ燃料通路と前記ジェットポンプ用燃料通路とを背反的に開閉する切替弁と
を備え、
前記切替弁により、前記余剰燃料圧が閾値未満のときは前記ベーパ燃料通路を開いて前記ジェットポンプ用燃料通路を閉じ、また、前記余剰燃料圧が閾値以上のときは前記ベーパ燃料通路を閉じて前記ジェットポンプ用燃料通路を開く構成とした
ことを特徴とする燃料供給装置。 - 燃料タンク内の燃料をエンジン側へ供給しかつベーパ燃料を排出するベーパジェットを有する燃料ポンプと、
前記燃料ポンプのベーパジェットから排出されるベーパ燃料が流れるベーパ燃料通路と、
前記燃料ポンプから吐出される加圧燃料を導入する調圧室内の燃圧を背圧室内の圧力に応じて調整しかつ余剰となった余剰燃料を排出する調圧弁と、
前記調圧弁から排出される余剰燃料が流れる余剰燃料通路と、
前記余剰燃料通路に設けられた絞り部と、
前記ベーパ燃料通路を開閉する第1の開閉弁と、
前記燃料ポンプから吐出される加圧燃料がジェットポンプ用燃料通路を介して導入され、前記加圧燃料の流れにより作動されるジェットポンプと、
前記ジェットポンプ用燃料通路を開閉する第2の開閉弁と
を備え、
前記余剰燃料通路における絞り部より上流側の通路部内の余剰燃料圧に応じて前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁とを背反的に開閉作動させ、前記余剰燃料圧が閾値未満のときは前記第1の開閉弁が前記ベーパ燃料通路を開いて前記第2の開閉弁が前記ジェットポンプ用燃料通路を閉じ、また、前記余剰燃料圧が閾値以上のときは前記第1の開閉弁が前記ベーパ燃料通路を閉じて前記第2の開閉弁が前記ジェットポンプ用燃料通路を開く構成とした
ことを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項1又は2に記載の燃料供給装置であって、
前記調圧弁の背圧室に前記加圧燃料を導入する背圧燃料通路、及び、前記背圧燃料通路を開閉する弁装置を設けたことを特徴とする燃料供給装置。 - 請求項3に記載の燃料供給装置であって、
前記背圧燃料通路に上流側の絞り部と下流側の絞り部とを設け、その上流側の絞り部と下流側の絞り部との間の中間通路部を流れる燃料を前記調圧弁の背圧室に導入する構成としたことを特徴とする燃料供給装置。
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