JP2010255458A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Yasushi Yoshida
耕史 吉田
Hideaki Suzuki
英昭 鈴木
Susumu Suda
享 須田
Kazuyuki Tokuda
和行 徳田
Masahide Kobayashi
奨英 小林
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Abstract

【課題】プレッシャレギュレータの背圧室に燃料を導入する背圧導入通路に係る配管を省略し、システム燃圧の変更時の応答性を向上することのできる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料ポンプ18は、燃料タンク12内の燃料をエンジン14へ供給する。プレッシャレギュレータ38は、可動隔壁67により画成された調圧室44及び背圧室45を有し、燃料ポンプ18により昇圧された燃料の一部が導入された調圧室44内の燃圧を背圧室45内の圧力に応じて調整しかつ調圧室44で余剰となった燃料を排出する。可動隔壁67に両室44,45を連通する連通孔70を形成する。背圧室45内の燃料を排出する背圧排出通路72を開閉する開閉手段(40,78)を設ける。開閉手段による背圧排出通路72の開閉によってエンジン14へ供給される燃料のシステム燃圧を可変する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に車両用エンジン(内燃機関)に用いられる燃料供給装置に関する。
燃料供給装置の従来例(特許文献1参照)を述べる。なお、図7は従来例に係る燃料供給装置を示す構成図である。
図7に示すように、燃料供給装置112は、燃料タンク(図示省略)内の燃料をエンジン106の各気筒毎に対応する燃料噴射弁104に供給する燃料ポンプ120を備えている。各燃料噴射弁104は、デリバリパイプ102に取付けられている。燃料ポンプ120は、燃料吸入口121から吸入した燃料を昇圧し、燃料吐出口122から吐出する。燃料ポンプ120が吐出する燃料の圧力は、プレッシャレギュレータ140により調整され、配管300を介してデリバリパイプ102に供給される。配管300とプレッシャレギュレータ140の背圧室310とは配管302により接続されている。配管302には絞り部303が設けられている。また、配管302における背圧室310と絞り部303の間には排出管308が接続されている。排出管308には絞り部309が設けられている。また、配管302における絞り部303の上流側には開閉弁130が設置されている。開閉弁130が開弁すると、燃料ポンプ120の吐出燃料は、配管302を介して背圧室310に導入される。また、配管300とプレッシャレギュレータ140の調圧室312とは配管304により接続されている。ECU(エンジン制御装置)200は、燃料ポンプ120への通電をオン・オフし、また、エンジン106の運転状態に応じて開閉弁130への通電をオン・オフする。
燃料ポンプ120が駆動されると、配管300から燃料噴射弁104に供給される燃料の圧力(燃圧)が上昇する。このとき、開閉弁130が閉弁している状態では、燃料ポンプ120の吐出燃料はプレッシャレギュレータ140の背圧室310に導入されない。また、背圧室310が大気に開放されているので、背圧室310の圧力は大気圧相当である。また、プレッシャレギュレータ140の調圧室312には、配管300、304を介して燃料ポンプ120の吐出燃料が導入される。したがって、プレッシャレギュレータ140のダイアフラム350が背圧室310で受ける力(背圧)F1と、調圧室312で受ける力(燃圧)F2との差により、ダイアフラム350が変位する。そして、F1≧F2ならば、調圧室312の燃料が排出されない。また、F1<F2になると、調圧室312の燃料が余剰燃料として排出される。その結果、調圧室312の燃圧すなわち燃料ポンプ120から燃料噴射弁104に供給される燃料の圧力(システム燃圧という)は低圧に調整される。
また、燃料ポンプ120が駆動されている状態で開閉弁130が開弁されると、燃料ポンプ120の吐出燃料が配管302からプレッシャレギュレータ140の背圧室310内に導入される。このため、背圧室310内に燃圧が作用するため、背圧室310内が大気圧よりも高い圧力となる。これにともない、調圧室312の燃圧すなわちシステム燃圧は高圧に調整される。このように、エンジン106の運転状態に応じてECU200が開閉弁130を開閉制御することによりシステム燃圧が可変される。
また、エンジン停止時において、ECU200は、開閉弁130が閉弁している場合に燃料ポンプ120を停止させ、また、開閉弁130が開弁している場合には開閉弁130を閉弁させてから燃料ポンプ120を停止させる。これにより、開閉弁130の閉弁、燃料噴射弁104の閉弁、及び、燃料ポンプ120の燃料吐出口122内に設置されている逆止弁(図示しない)の閉弁によって、配管300内に残圧を保持することによって、エンジン高温時における配管300内でのベーパの発生を抑制して再始動性を向上させるようにしている。
特開2007−278113号公報
前記従来例(図7参照)では、プレッシャレギュレータ140の背圧室310には、燃料ポンプ120からデリバリパイプ102につながる配管300から分岐した配管302を介して、燃料ポンプ120の吐出燃料が導入されている。このため、配管302に係る配管容積が増加することにより、システム燃圧の変更時の応答性の悪化を招くという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、プレッシャレギュレータの背圧室に燃料を導入する背圧導入通路に係る配管を省略し、システム燃圧の変更時の応答性を向上することのできる燃料供給装置を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲の各請求項に記載された構成を要旨とする燃料供給装置により解決することができる。
すなわち、請求項1に記載された燃料供給装置によると、燃料ポンプにより昇圧された燃料の一部がプレッシャレギュレータの調圧室内に導入されるとともに、調圧室から可動隔壁の連通路を介して背圧室内にも導入される。開閉手段により背圧排出通路を閉じたときには、背圧室内に導入された燃料による燃圧が作用するため、背圧室内が大気圧よりも高い圧力となるにともない、調圧室の燃圧すなわちシステム燃圧が高圧に調整される。また、開閉手段により背圧排出通路を開いたときには、背圧室内に導入された燃料が背圧排出通路を介して排出されることにより、背圧室内が大気圧相当となるにともない、システム燃圧が低圧に調整される。このように、開閉手段による背圧排出通路の開閉によってシステム燃圧を可変することができる。ところで、プレッシャレギュレータの調圧室内に導入された燃料が可動隔壁の連通路を介して背圧室内に導入されるから、背圧導入通路に係る配管(従来例における配管302(図7参照))を省略し、システム燃圧の変更時の応答性を向上することができる。
また、請求項2に記載された燃料供給装置によると、可動隔壁により調圧排出通路とともに連通路が開閉される構成としたものである。したがって、燃料ポンプの停止時において、可動隔壁により調圧排出通路とともに連通路が閉じられることにより、調圧室内から背圧室内への燃料のリークを防止し、調圧室内の燃圧を保持することができる。
また、請求項3に記載された燃料供給装置によると、調圧室に対して背圧室を下方に配置したものである。したがって、調圧室内の燃料中のエアー(ベーパを含む)が調圧室内の天井部に浮上することにより、可動隔壁の周辺部にエアーが溜まりにくく、エアーダンパ作用によるシステム燃圧の変動を抑制することができる。
また、請求項4に記載された燃料供給装置によると、背圧室内の背圧を設定値に制御する背圧制御手段を備えたものである。したがって、背圧制御手段によりプレッシャレギュレータの背圧室内の燃圧を設定値に制御することができる。
実施例1に係る燃料供給装置を示す構成図である。 プレッシャレギュレータを示す断面図である。 リリーフ弁を示す断面図である。 実施例2に係るプレッシャレギュレータを示す断面図である。 実施例3に係るリリーフ弁を示す断面図である。 燃圧の変化を示すタイムチャートである。 従来例に係る燃料供給装置を示す断面図である。
次に、本発明を実施するための形態について実施例を参照して説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。本実施例では、車両用エンジンに用いられる燃料供給装置について例示する。説明の都合上、燃料供給装置の全体的構成を説明した後で、要部の構成について説明する。図1は燃料供給装置を示す構成図である。
燃料供給装置の全体的構成を説明する。図1に示すように、燃料供給装置10は、車両に搭載された燃料タンク12内の燃料をエンジン14の各気筒毎に対応する燃料噴射弁(インジェクタ)16に供給する燃料ポンプ18を備えている。燃料噴射弁16はデリバリパイプ20に装着されている。また、燃料ポンプ18は、例えば電気駆動部であるモータによりポンプ部内のインペラを回転し、吸入した燃料を昇圧するタービン式の電動ポンプである。また、燃料ポンプ18は、燃料タンク12内の燃料を燃料吸入口22から吸入して昇圧した後、燃料吐出口23から吐出する。また、燃料吸入口22には、燃料タンク12内から燃料ポンプ18内に吸入される燃料を濾過する吸入フィルタ25が接続されている。また、燃料ポンプ18には、昇圧途中の燃料に含まれるベーパ(燃料が気化することにより生じる気泡)をポンプ部内の通路から分流して排出するためのベーパ排出口27が設けられている。なお、吸入フィルタ25を設けた燃料ポンプ18は、燃料タンク12内、例えば燃料タンク12内のリザーブカップ(図示省略)内に設置されている。
前記燃料ポンプ18の燃料吐出口23から吐出された燃料は、燃料タンク12内外を貫通する燃料供給通路30を介して前記デリバリパイプ20に供給される。デリバリパイプ20に供給された燃料は、前記各燃料噴射弁16からエンジン14の各気筒毎に噴射される。また、燃料供給通路30の上流部すなわち燃料吐出口23側寄りには、燃料を濾過する燃料フィルタ32が介装されている。燃料フィルタ32は、燃料タンク12内に配置されている。なお、燃料ポンプ18の燃料吐出口23には、燃料の逆流を防止するボール弁式の逆止弁(図示省略)が内蔵されている。
前記エンジン14の燃料噴射弁16に供給される燃料のシステム燃圧は、燃圧可変装置36により可変されるようになっている。燃圧可変装置36は、プレッシャレギュレータ38、開閉弁40及びリリーフ弁42等を備えて構成されている。プレッシャレギュレータ38は、ダイアフラム43により区画された調圧室44及び背圧室45を有し、背圧室45の背圧に応じて調圧室44の燃圧を調整しかつ調圧室44で余剰となった燃料(余剰燃料、リターン燃料という)をリターン燃料通路としての調圧排出通路46を介して室外へ排出する。また、調圧室44には、前記燃料供給通路30における燃料フィルタ32の下流側近くの分流部47から分岐された調圧導入通路48が連通されている。これにより、前記燃料ポンプ18からエンジン14の燃料噴射弁16に供給される燃料の一部が、調圧導入通路48を介して調圧室44内に導入される。なお、燃料供給通路30における分流部47よりも上流側通路部分(燃料フィルタ32を含む)を上流側通路部30aといい、その分流部47よりも下流側通路部分を下流側通路部30bという。また、下流側通路部30bには、分流部47の下流側の近くに位置するボール弁式の逆止弁49が設けられている。なお、図2はプレッシャレギュレータ38を示す断面図である。
図2に示すように、前記プレッシャレギュレータ38は、前記ダイアフラム43の他、ケーシング51、弁体53を備えている。ケーシング51は、プレッシャレギュレータ38の外殻をなすもので、有底円筒状をなす下側の背圧側ケース55と、有天円筒状の上側の調圧側ケース57とを結合してなる。ダイアフラム43は、両ケース55,57の間に挟持されており、ケーシング51内を上側の調圧室44と、その調圧室44の下方に配置される背圧室45とに区画している。ダイアフラム43は、可撓性を有する弾性材により形成されている。また、背圧側ケース55の底壁には、中空円筒状の背圧排出管58が同心状に設けられている。背圧排出管58内が、前記背圧室45の燃料を排出する背圧排出口59となっている。また、前記調圧側ケース57の上端部には、前記調圧室44に連通しかつ側方(図2において左方)に開口する燃料導入口61が形成されている。燃料導入口61には、前記調圧導入通路48の下流端が連通されている。また、調圧側ケース57の上壁には、中空円筒状のバルブシート63が同心状に設けられている。バルブシート63内が調圧排出口64となっている。調圧排出口64には、前記調圧排出通路46の上流端が連通されている。
前記ダイアフラム43の中央部に、円板状の弁体53が同心状に設けられている。弁体53は、前記ダイアフラム43の撓み変形にともない軸方向(上下方向)に変位することにより、前記バルブシート63の下端面を開閉し、調圧室44内と調圧排出口64とを連通又は遮断する。また、背圧室45内において、背圧側ケース55の底壁と弁体53との対向面間には、コイルスプリングからなるバルブスプリング65が介装されている。バルブスプリング65は、常に弁体53をバルブシート63に着座する方向いわゆる閉弁方向(図2において上方)へ付勢している。なお、ダイアフラム43と弁体53とによって可動隔壁67が構成されている。
前記プレッシャレギュレータ38は、前にも述べたように、ダイアフラム43が背圧室45で受ける力(背圧)F1と、調圧室44内で受ける力(システム燃圧)F2との差により変位する。そして、F1≧F2ならば、弁体53がバルブシート63に着座して調圧排出口64が閉じられるため、調圧室44の燃料は調圧排出通路46を介して排出されない。また、F1<F2になると、弁体53がバルブシート63から離座して調圧排出口64が開かれるため、調圧室44の燃料が調圧排出通路46を介して排出される。このようにして、システム燃圧が設定値に制御される。
前記可動隔壁67の弁体53には、前記調圧室44と前記背圧室45とを連通する連通孔70が形成されている。連通孔70は、弁体53における外周部に設けられており、バルブシート63の閉鎖部分よりも径方向外方に位置している。これにより、調圧室44内の燃料の一部が連通孔70を介して背圧室45内に導入される構成となっている。なお、連通孔70は本明細書でいう「連通路」に相当する。また、前記背圧側ケース55の背圧排出口59には、背圧室45内の燃料を燃料タンク12内へ排出する背圧排出通路72が接続されている。
前記開閉弁40は、前記背圧排出通路72の途中に介装されている。すなわち、背圧排出通路72は、上流側通路部72aと下流側通路部72bとに分断されている。また、開閉弁40は、電磁弁からなり、通電のオフ時には開弁され、また、通電のオン時には閉弁される。また、開閉弁40への通電のオン・オフは、電子制御装置(「ECU」という。)78(図1参照)によって制御されるようになっている。ECU78は、CPU、ROMおよびRAMから構成されている。ECU78は、ROMに記憶されている制御プログラムをCPUが実行することにより、エンジン14の運転状態に応じて、燃料ポンプ18への通電をオン・オフすることにより燃料ポンプ18の駆動を制御し、また、開閉弁40への通電をオン・オフすることにより開閉弁40を開閉制御する。なお、ECU78は本明細書でいう「制御装置」に相当する。また、開閉弁40とECU78とにより、本明細書でいう「開閉手段」が構成されている。
前記背圧排出通路72の上流側通路部72aの分流部73から背圧逃がし通路75が分流されている。背圧逃がし通路75には前記リリーフ弁42が配置されている。なお、図3はリリーフ弁を示す断面図である。
図3に示すように、リリーフ弁42は、弁ハウジング80と弁本体82とスプリング84とを備えている。弁ハウジング80には、有底円筒状の弁室86が形成されている。弁室86の底壁には、小径の接続口87が同心状に開口されている。接続口87には、背圧逃がし通路75の下流端が接続されている。弁本体82は、弁室86内に軸方向(図3において上下方向)に移動可能に設けられている。弁本体82は、弁軸部82aと、弁軸部82aの一端部(図3において下端部)にフランジ状に形成された円板状の弁板部82bとを有している。弁本体82が軸方向(上下方向)に変位することにより、弁板部82bが弁室86の下端面(底面)すなわち接続口87の上端面をバルブシート63として開閉し、接続口87と弁室86内とを連通又は遮断する。弁板部82bの下面には、接続口87の開口端面を取り囲む円環状のシール部82cが突出されている。
前記弁室86の上端面には、ストッパプレート90が開口端面を閉鎖するように取付けられている。ストッパプレート90には、弁室86内外を連通する燃料逃がし孔90aが形成されている。また、スプリング84は、コイルスプリングからなり、弁室86内においてストッパプレート90と弁本体82の弁板部82bとの対向面間に介装されている。スプリング84は、常に弁本体82を閉方向(図3において下方)へ付勢している。このように構成されたリリーフ弁42は、前記プレッシャレギュレータ38(図2参照)の背圧室45(背圧排出通路72の上流側通路部72a及び背圧逃がし通路75を含む)内の背圧がスプリング84の弾性力(すなわち設定値)よりも高くなると、弁本体82がスプリング84の弾性力に抗して開かれることにより、背圧室45内の燃料を背圧排出通路72の上流側通路部72aから背圧逃がし通路75、接続口87、弁室86、燃料逃がし孔90aを介して室外へ逃がす。また、背圧室45内の背圧が設定値に低下すると、スプリング84の弾性力により弁本体82が閉じられる。したがって、リリーフ弁42により、背圧室45内の背圧が設定値に制御すなわち調圧される。なお、リリーフ弁42は本明細書でいう「背圧制御手段」に相当する。
次に、前記燃料供給装置10の作動について説明する。
〔エンジン始動時および通常運転時〕
エンジン始動時および通常運転時について説明する。ECU78は、エンジン14の運転状態に応じて、燃料噴射弁16が噴射する燃料の圧力(システム燃圧)を高圧又は低圧のいずれにするかを設定する。例えば、エンジン14を始動するときすなわちエンジン始動時において、低温時には燃料噴霧の微粒化を促進するために、また、高温時には燃料噴霧の微粒化を促進するとともに燃料中にベーパが発生することを防止するために、システム燃圧を高圧にすることが望ましい。また、車両の定速走行時のようにエンジン14の負荷が低い場合には、システム燃圧は低圧にしてもよい。そして、ECU78が開閉弁40を開閉制御することによって、システム燃圧の高低の切替えがなされる。
すなわち、エンジン始動時において、開閉弁40への通電がオフされた状態で燃料ポンプ18が駆動されると、燃料供給通路30を介して燃料噴射弁16に供給されるシステム燃圧が上昇される。また、プレッシャレギュレータ38の調圧室44には、燃料ポンプ18から吐出された燃料が燃料供給通路30から分流された調圧導入通路48を介して導入される。これとともに、調圧室44内の燃料の一部が可動隔壁67の連通孔70を介して背圧室45内にも導入される。このとき、開閉弁40への通電がオフされている状態では、開閉弁40が開弁しており、背圧排出通路72の上流側通路部30aと下流側通路部30bとが連通されているので、背圧室45に導入された燃料が背圧排出通路72を介して排出されることにより、背圧室45内が大気圧相当となる。このとき、プレッシャレギュレータ38内のダイアフラム43が背圧室45で受ける力(背圧)F1と、調圧室44内で受ける力(システム燃圧)F2との差により変位する。そして、F1≧F2ならば、調圧室44の燃料は調圧排出通路46を介して排出されない。また、F1<F2になると、調圧室44の燃料が余剰燃料いわゆるリターン燃料として調圧排出通路46を介して排出されることにより、調圧室44の燃圧すなわちシステム燃圧が設定値に低下される。その結果、システム燃圧は低圧に調整される。
また、燃料ポンプ18が駆動されている状態で、開閉弁40への通電がオンされると、開閉弁40が閉弁することにより、背圧排出通路72の上流側通路部30aと下流側通路部30bとが遮断されるので、背圧室45内の燃料は背圧排出通路72を介して排出されない。したがって、背圧室45内に導入された燃料による燃圧が作用するため、背圧室45内が大気圧よりも高い圧力となる。これにともない、調圧室44の燃圧すなわちシステム燃圧が高圧に調整される。このとき、背圧室45内の背圧は、リリーフ弁42によって設定値に制御される。
続いて、開閉弁40への通電がオフされると、前に述べたように、背圧排出通路72の下流側通路部30bと下流側通路部30bとの間が連通されるため、背圧室45内の燃料が背圧排出通路72を介して排出されることにより、背圧室45の圧力は大気圧相当に低下する。その結果、システム燃圧は低圧に調整される。このように、エンジン14の運転状態に応じてECU78が開閉弁40を開閉制御することにより、システム燃圧を高圧又は低圧に切替えるすなわち可変することができる。
前記した燃料供給装置10によると、前に述べたように、開閉手段(開閉弁40及びECU78)による背圧排出通路72の開閉によってシステム燃圧を可変することができる。ところで、プレッシャレギュレータ38の調圧室44内に導入された燃料が可動隔壁67の連通孔70(図2参照)を介して背圧室45内に導入されるから、背圧導入通路に係る配管(従来例における配管302(図7参照))を省略し、システム燃圧の変更時の応答性を向上することができる。また、背圧導入通路に係る配管の省略によって、燃料供給装置10の構成が簡素化されるのでコストの低減にも有効である。
また、プレッシャレギュレータ38の調圧室44に対して背圧室45を下方に配置したものである(図2参照)。したがって、調圧室44内の燃料中のエアー(ベーパを含む)が調圧室44内の天井部に浮上することにより、可動隔壁67の周辺部にエアーが溜まりにくく、エアーダンパ作用によるシステム燃圧の変動を抑制することができる。
また、プレッシャレギュレータ38の背圧室45内の背圧を設定値に制御するリリーフ弁42を備えたものである。したがって、リリーフ弁42によりプレッシャレギュレータ38の背圧室45内の燃圧を設定値に制御することができる。
[実施例2]
次に、実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1におけるプレッシャレギュレータ38に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。なお、図4はプレッシャレギュレータを示す断面図である。
図4に示すように、前記実施例1におけるプレッシャレギュレータ38のバルブシート63の下端部に外周部に、前記弁体53の連通孔70上に対応するフランジ状の弁部63aを形成したものである。したがって、可動隔壁67の弁体53によりバルブシート63の調圧排出通路46が開閉されるとともに、弁体53の弁部63aにより連通孔70が開閉される。したがって、燃料ポンプ18の停止時において、可動隔壁67の弁体53によりバルブシート63の調圧排出口64が閉じられるとともに、弁体53の弁部63aにより連通孔70が閉じられることにより、調圧室44内から背圧室45内への燃料のリークを防止し、調圧室44内の燃圧を保持することができる。
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。本実施例は、前記実施例1におけるリリーフ弁42に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明を省略する。なお、図5はリリーフ弁を示す断面図である。
図5に示すように、本実施例におけるリリーフ弁(符号、42Aを付す)は、前記実施例1におけるリリーフ弁42(図3参照)によるシステム燃圧及び背圧のさらなる過剰な上昇を防止することを目的として、弁本体82に補助的なリリーフ弁92を組込んだものである。なお、説明の都合上、弁本体82を主体とするリリーフ弁を第1のリリーフ弁91といい、弁本体82に組込まれた補助的なリリーフ弁92を第2のリリーフ弁92という。
前記第2のリリーフ弁92は、弁部材93とスプリング(「第2のスプリング」という)94とを備えている。第1のリリーフ弁91の弁本体82の弁軸部82aには、有底円筒状の弁室(「第2の弁室」という)95が形成されている。第2の弁室95の底壁には、弁板部82bを貫通する小径の連通口96が同心状に開口されている。連通口96は、前記弁ハウジング80の接続口87と連通している。また、弁部材93は、球弁からなり、第2の弁室95内に軸方向(図3において上下方向)に移動可能に設けられている。弁部材93は、軸方向(上下方向)に変位することにより、連通口96を開閉し、連通口96と第2の弁室95内とを連通又は遮断する。また、第2の弁室95の上端面には、ストッパプレート(「第2のストッパプレート」という)97が開口端面を閉鎖するように取付けられている。第2のストッパプレート97には、第2の弁室95内外を連通する燃料逃がし孔97aが形成されている。また、第2のスプリング94は、コイルスプリングからなり、第2の弁室95内において第2のストッパプレート97と弁部材93との対向面間に介装されている。第2のスプリング94は、常に第1のリリーフ弁91のスプリング(「第1のスプリング」という)84のスプリング荷重によりも所定量大きいスプリング荷重をもって弁部材93を閉方向(図5において下方)へ付勢している。したがって、第2のリリーフ弁92の作動圧は、第1のリリーフ弁91の作動圧よりも所定量高く設定されている。
このように構成されたリリーフ弁42Aにおいて、第1のリリーフ弁91の作動は、前記実施例1のものと同様である。なお、図6は燃圧の変化を示すタイムチャートである。なお、図6において横軸は時間を示し、縦軸は上から下へ順に、開閉弁40のオン・オフ状態、システム燃圧の状態、背圧室45の背圧の状態を示している。すなわち、開閉弁40が通電のオフにより開弁されているときは、プレッシャレギュレータ38の背圧室45の背圧が大気圧相当であり(実線a1参照)、システム燃圧が低圧となる(実線A1参照)。また、開閉弁40が通電のオンにより閉弁されると、背圧室45の背圧が第1のリリーフ弁91で制御される設定値に高圧化される(実線a2参照)。これにともない、システム燃圧が高圧となる(実線A2参照)。
ところで、前記実施例1のリリーフ弁42(図3参照)において、弁ハウジング80と弁本体82との間に燃料中の粘着成分が溜まる等により、弁ハウジング80に弁本体82が閉弁状態のまま固着することが予測される。この状態では、リリーフ弁42によるプレッシャレギュレータ38の背圧の制御が不能であるため、開閉弁40が通電のオンにより閉弁されると、背圧室45の背圧が設定値以上に高圧化される(点線a3参照)とともにシステム燃圧がポンプ締切圧に至るまで過剰に高圧化されてしまうおそれがある(点線A3参照)。
しかしながら、本実施例のリリーフ弁42A(図5参照)によれば、弁ハウジング80に弁本体82が閉弁状態のまま固着したときに、開閉弁40が通電のオンにより閉弁されると、背圧室45の背圧が設定値以上に高圧化されるものの、第2のリリーフ弁92の弁部材93が第2のスプリング94の設定荷重にて規定される作動圧(第1のスプリング84による弁本体82の作動圧より所定量高い作動圧)で開弁される。これにより、背圧室45の背圧が第2のリリーフ弁92で制御される設定値に高圧化される(点線a4参照)とともにシステム燃圧が一段高い高圧となる(点線A4参照)。このため、システム燃圧がポンプ締切圧に至るまで過剰に高圧化されることを防止することができる。このことは、燃料供給装置10の耐久性、燃料ポンプ18(図1参照)の消費電流増加の防止等に有効である。また、本実施例では、第1のリリーフ弁91に第2のリリーフ弁92を組込んだことにより、搭載上のレイアウトの変更を不要とすることができる。なお、弁部材93は、球弁以外の弁部材で構成することもできる。また、第1のリリーフ弁91とは別個に第2のリリーフ弁92を構成してもよい。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。
10…燃料供給装置
12…燃料タンク
14…エンジン
18…燃料ポンプ
38…プレッシャレギュレータ
40…開閉弁
42,42A…リリーフ弁(背圧制御手段)
44…調圧室
45…背圧室
46…調圧排出通路
67…可動隔壁
70…連通孔(連通路)
72…背圧排出通路
78…ECU(制御装置)

Claims (4)

  1. 燃料タンク内の燃料をエンジンへ供給する燃料ポンプと、
    可動隔壁により画成された調圧室及び背圧室を有し、前記燃料ポンプにより昇圧された燃料の一部が導入された調圧室内の燃圧を背圧室内の圧力に応じて調整しかつ調圧室で余剰となった燃料を調圧排出通路から排出するプレッシャレギュレータと
    を備え、
    前記可動隔壁に前記調圧室と前記背圧室とを連通する連通路を形成し、
    前記背圧室内の燃料を排出する背圧排出通路を設け、
    前記背圧排出通路を開閉する開閉手段を設け、
    前記開閉手段による前記背圧排出通路の開閉によって前記エンジンへ供給される燃料のシステム燃圧を可変する構成とした
    ことを特徴とする燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給装置であって、
    前記可動隔壁により前記調圧排出通路とともに前記連通路が開閉される構成としたことを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項1又は2に記載の燃料供給装置であって、
    前記調圧室に対して前記背圧室を下方に配置したことを特徴とする燃料供給装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料供給装置であって、
    前記背圧室内の背圧を設定値に制御する背圧制御手段を備えたことを特徴とする燃料供給装置。
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