JP2012246845A - 圧力調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】設定圧の切替えが可能であり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供する。
【解決手段】導入側の燃料通路37と排出側の燃料通路32hが形成されたハウジング21と、導入燃料圧力に応じて燃料通路37,32hを連通させるよう開弁可能な隔壁状の調圧部材22と、調圧部材22を閉弁方向に付勢可能な圧縮コイルばね27とを備え、導入燃料圧力に応じて燃料供給通路15内の燃料圧力を通常設定圧レベルに調圧する圧力調整装置であって、排出側の燃料通路32hからの燃料排出流量が絞り設定流量以上になると排出側の燃料通路32hの特定位置より上流側で絞り作用を生じる絞り要素39と、特定位置より上流側の燃料圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力に高められたとき、特定位置より上流側の燃料圧力をリリーフ設定圧レベルに保持するリリーフ弁として機能する通路制御弁45とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力調整装置に関し、特に内燃機関の燃料を燃料ポンプから燃料噴射弁に供給するときにその燃料圧力を調整するのに好適な圧力調整装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関の燃料供給システムにおいては、一般に、燃料ポンプからインジェクタ(燃料噴射弁)に燃料を供給するとともに、その燃料供給通路内の燃料圧力をプレッシャレギュレータと呼ばれる圧力調整装置により調整するようになっている。この圧力調整装置は、ハウジング内をダイヤフラムによって調圧室と背圧室とに区画したもので、その調圧室内の燃料圧力による開弁方向の付勢力と背圧室側からの閉弁方向の付勢力とをダイヤフラムに作用させるようになっている。そして、そのダイヤフラムの変位に応じて調圧室内の燃料の一部を排出させることで、調圧室内の燃料圧力を背圧室側からの付勢力に基づく所定の設定圧(調圧すべき燃料圧力の設定値)に調圧する構成となっている。
従来のこのような圧力調整装置としては、例えばハウジング内を3つの圧力室に区画する第1、第2のダイヤフラムを有し、調圧室の他の2室への供給圧力をそれぞれ制御することにより、調圧レベルを3段階に切替え可能にしたものが知られている。この圧力調整装置は、第1のダイヤフラム側で調圧用の排出口を開閉する弁体と、両ダイヤフラムの間の連結杆を介して弁体に連結された受圧体と、第2のダイヤフラム側で受圧体を閉弁方向に付勢するスプリングとを併有している(例えば、特許文献1参照)。
また、背圧室側に接続されたリターン配管に電磁式の遮断弁を装着し、燃料ベーパが発生可能であると判定したときに、燃料ベーパの発生を抑え得る程度にインジェクタへの燃料供給圧力を高めるよう背圧室側の圧力を高める圧力調整装置も知られている。この装置では、エンジンの高温再始動時に燃料ベーパの発生に起因してアイドリング回転数が不安定になるのを防止できるようになっている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−108684号公報 特開2007−218222号公報
しかしながら、背圧室側にプランジャや第2のダイヤフラムを設ける従来の圧力調整装置にあっては、ハウジング内を3室に区画するために装置のコンパクト化が困難となり、その搭載上の困難さが生じていた。そればかりか、第1〜第3の圧力室のそれぞれについて流体の入口と出口がそれぞれ必要になることから、配管が複雑でコスト高になってしまうという問題があった。
また、背圧室側に流体圧が導入される従来の圧力調整装置では、高圧調圧時に調圧室以外にも流体圧が必要となるため、余計な燃料が必要になったり高シール性能の要求される部位が増えてしまうことで、コスト高を招いてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、設定圧の切替えが可能であり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供するものである。
本発明に係る圧力調整装置は、上記課題を解決するために、(1)燃料消費部への燃料供給通路に接続される導入側の燃料通路と前記燃料が排出される排出側の燃料通路とが形成されたハウジングと、前記燃料供給通路から前記導入側の燃料通路に導入される燃料の圧力に応じて前記導入側の燃料通路と前記排出側の燃料通路とを連通させるよう開弁方向に変位可能な隔壁状の調圧部材と、前記調圧部材を前記導入側の燃料通路と前記排出側の燃料通路とを遮断する閉弁方向に付勢可能な付勢機構と、を備え、前記付勢機構の付勢力および前記導入側の燃料通路に導入される燃料の圧力に応じて前記燃料供給通路内の燃料の圧力を第1の設定圧レベルに調圧する圧力調整装置であって、前記排出側の燃料通路からの前記燃料の排出流量が予め設定された絞り設定流量以上になるとき、前記排出側の燃料通路の特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力を上昇させるよう絞り作用を生じる絞り要素と、前記絞り要素により前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力が前記通常設定圧レベルを超える高圧力に高められたとき、前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力を前記高圧力に対し一定圧力範囲内のリリーフ設定圧レベルに保持するよう、前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力に応じて開弁するリリーフ弁と、を有することを特徴とする。
この構成により、排出側の燃料通路からの燃料の排出流量が絞り設定流量未満である段階では、付勢機構の付勢力および導入側の燃料通路に導入される燃料の圧力に応じて燃料供給通路内の燃料の圧力が通常設定圧レベルに調圧される。一方、燃料の排出流量が絞り設定流量以上になるほど導入燃料の流量が多くなると、絞り要素より上流側の燃料通路内の燃料の圧力が高められる。そして、絞り要素より上流側の燃料通路内の燃料の圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力になると、リリーフ弁が作動し、その燃料の圧力がリリーフ設定圧レベルに保持される。したがって、配管を増設することなく、圧力調整装置の設定圧を通常設定圧レベルとそれより高圧のリリーフ設定圧レベルとに切替え可能となり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置となる。
上記構成を有する本発明の圧力調整装置においては、(2)前記導入側の燃料通路および前記排出側の燃料通路が、前記調圧部材によって相互に接続および遮断される3つ以上の燃料通路によって構成されるとともに、前記3つ以上の燃料通路のうちいずれか1つの特定の燃料通路上に、該特定の燃料通路を通した前記燃料の導入または排出の状態を可変制御する通路制御弁が設けられ、前記特定の燃料通路を通した前記燃料の導入または排出の状態が前記通路制御弁により可変制御されるとき、前記設定圧レベルが低圧側の設定圧レベルと高圧側の設定圧レベルとのうち任意の一方から他方に切り替えられることが望ましい。
この構成により、3つ以上の燃料通路が調圧部材の一面側に配置されることになり、コンパクト化が容易になる。しかも、特定の燃料通路を通した燃料の導入または排出の状態が通路制御弁により可変制御されることで、設定圧レベルが低圧側の設定圧レベルと高圧側の設定圧レベルとに切り替えられる。したがって、多段の燃料圧力調整が可能なコンパクトな燃料圧力調整装置を実現できる。
上記(2)に記載の構成を有する圧力調整装置は、好ましくは、(3)前記導入側の燃料通路が、前記燃料供給通路からの燃料が常時導入されるメイン燃料通路と、前記通路制御弁が配置されたパイロット圧燃料通路と、によって構成され、前記通路制御弁は、前記パイロット圧燃料通路を通して導入される前記燃料の圧力を前記隔壁状の調圧部材に受圧させるよう第1の弁座孔を開くとともに第2の弁座孔を閉じる第1の制御状態と、前記隔壁状の調圧部材に受圧させた前記燃料の圧力を解放するよう前記第1の弁座孔を閉じるとともに前記第2の弁座孔を開く第2の制御状態とに切替え可能な三方弁で構成されるとともに、前記第1の制御状態下で前記パイロット圧燃料通路に導入される前記燃料の圧力が前記予め設定された高圧力に達したとき、前記パイロット圧燃料通路内の燃料の一部を前記第2の弁座孔を通して漏出させるよう、前記三方弁に、前記リリーフ弁として機能する弁体および弾性部材が組み込まれているものである。
この圧力調整装置では、三方弁の部品の一部にリリーフ弁の機能を持たせることができ、部品点数を増加させることなく調整圧力の多段化が可能となるので、多段の燃料圧力調整が可能なコンパクトで低コストの燃料圧力調整装置となる。
上記(3)に記載の構成を有する圧力調整装置においては、(4)前記通路制御弁の前記第1の弁座孔と前記第2の弁座孔とが共軸的に配置されるとともに、前記通路制御弁の前記弁体が、軸方向一端側から前記第1の弁座孔を閉止する第1弁体部と、軸方向他端側から前記第2の弁座孔を閉止する第2弁体部と、該第1弁体部および第2弁体部を連結する連結部とを有し、前記通路制御弁が、前記弁体の第1弁体部によって前記第1の弁座孔を閉止させるよう前記弁体を軸方向の一方側に付勢する電磁付勢部と、前記弁体の第2弁体部によって前記第2の弁座孔を閉止させるよう前記弁体を軸方向の他方側に付勢する弾性部材と、を有することが好ましい。
この場合、導入側の燃料通路内の圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力となったとき、通路制御弁の弾性部材が、第2の弁座孔の開放側への弁体の変位を許容するリリーフ弁用の弾性部材として利用されることとなる。したがって、通路制御弁の弁体および弾性部材によって、部品を増設することなくリリーフ弁を併設可能となる。
上記(4)に記載の構成を有する圧力調整装置においては、(5)前記第1の弁座孔および前記第2の弁座孔が、前記弁体の前記連結部を貫通させた貫通孔の両端部を構成しており、該貫通孔の中間部には、前記特定の燃料通路のうち前記燃料の圧力を前記隔壁状の調圧部材に受圧させることができる調圧部材側の通路部分が開口しているのがよい。
これにより、調圧部材側の通路部分によって弁座孔形状等が制限されることがなく、リリーフ弁の設定の自由度が十分に担保されるし、ハウジングの加工も容易になる。
上記(2)〜(5)のいずれかに記載の構成を有する圧力調整装置においては、(6)前記リリーフ設定圧レベルが、前記低圧側の設定圧レベルおよび前記高圧側の設定圧レベルのいずれよりも高圧に設定されていることが好ましい。これにより、一時的に高圧が必要な場合には、その高燃料圧力を得ることができ、通常は、リターン流量を調圧部材の動作を安定させる程度の少流量範囲内に抑えて、燃料ポンプの消費エネルギを抑えることができる。
上記(2)〜(5)のいずれかに記載の構成を有する圧力調整装置においては、(7)前記リリーフ設定圧レベルが、前記低圧側の設定圧レベルおよび前記高圧側の設定圧レベルの間に設定されていてもよい。これにより、通常は、リターン流量を調圧部材の動作を安定させる程度の少流量範囲内に抑えて燃料ポンプの消費エネルギを抑えることができ、一時的に中間燃料圧力が必要な場合には、リターン流量の増加量を抑えつつ、その燃料圧力を得ることができる。
本発明によれば、燃料の排出流量が絞り設定流量以上になると、絞り要素によってその上流側の燃料通路内の燃料の圧力を高め、その圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力になると、リリーフ弁によってその燃料の圧力をリリーフ設定圧レベルに保持する。したがって、配管を増設することなく、圧力調整装置による圧力調整の設定圧を通常設定圧レベルとそれより高圧のリリーフ設定圧レベルとに切り替えることができる。その結果、設定圧の切替えが可能であり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る圧力調整装置を備えた燃料供給システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る圧力調整装置のリリーフ弁を内蔵する三方通路制御弁の断面図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る圧力調整装置におけるリターン流量の変化に応じた調圧出力としてのシステム圧の変化を示すグラフであり、(b)は、その調圧時の背圧用ばねの撓みおよびリリーフ用ばねの撓み量の変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る圧力調整装置を備えた燃料供給システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力調整装置の通路制御弁の模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力調整装置におけるリターン流量の変化に応じた調圧出力としてのシステム圧の変化を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に係る圧力調整装置を備えた内燃機関の燃料供給システムを示している。
この第1実施形態は、本発明を、車両用内燃機関(以下、エンジンという)の供給燃料の圧力を予め設定された圧力に調整する圧力調整装置に適用したものであり、いわゆるインタンク式の燃料供給システムの一部として構成されている。すなわち、本実施形態は、燃料タンク内のサブタンクに収納された燃料ポンプおよびプレッシャレギュレータを具備し、さらに、サブタンク内への燃料移送用のジェットポンプ等を備えている。
まず、本実施形態の構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の燃料供給システムは、エンジン1(燃料消費部)で消費される燃料を貯留する燃料タンク2と、その貯留燃料をエンジン1のインジェクタ3(燃料噴射弁)に圧送・供給する燃料圧送回路10とを備えている。この燃料供給システムは、さらに、インジェクタ3への供給燃料を調圧するプレッシャレギュレータ20と、プレッシャレギュレータ20の設定圧を高・低に異なる複数の設定圧のうち任意の設定圧に可変制御する設定圧可変制御機構40と、を備えている。
エンジン1は、例えば多気筒の4サイクルガソリンエンジンであり、このエンジン1の複数の気筒に対応して設けられたインジェクタ3は、例えばその噴孔側端部3aを複数の気筒の吸気ポート(図示せず)内に露出している。また、燃料圧送回路10からの燃料は、デリバリーパイプ4を介して各インジェクタ3に分配されるようになっている。
燃料圧送回路10は、燃料タンク2内の燃料、例えばガソリンを汲み上げるとともに加圧して吐出する燃料ポンプ11と、燃料ポンプ11の吸入口側で異物の吸入を阻止するサクションフィルタ12と、燃料ポンプ11の吐出口側で吐出燃料中の異物を除去する図示しない燃料フィルタおよび逆流防止用のチェック弁と、を含んで構成されている。なお、逆流防止用のチェック弁は、第2分岐通路16より下流側であって第1分岐通路15aより上流側に設置されてもよい。
燃料ポンプ11は、詳細を図示しないが、例えばポンプ作動用の羽根車を有するポンプ作動部分11pとそのポンプ作動部分11pを駆動する直流の内蔵モータ11mとを有しており、燃料タンク2内から燃料を図1中に仮想線で示すように汲み上げて加圧し、吐出することができる。この燃料ポンプ11は、内蔵モータ11mの回転速度[rpm]を変化させることで、その単位時間当りの吐出量を可変制御することができるようになっている。なお、前述の逆流防止用のチェック弁は、燃料ポンプ11からインジェクタ3側への燃料供給方向に開弁する一方、インジェクタ3側から燃料ポンプ11側への燃料の逆流方向には閉弁し、加圧された供給燃料の逆流を阻止するようになっている。
また、燃料ポンプ11は、後述する電子制御ユニット(以下、ECUという)41により内蔵モータ11mへの通電を制御されることで、駆動および停止されるとともに、単位時間当りの燃料吐出量を要求燃料量を所定量だけ上回る目標流量に制御すべく回転制御されるようになっている。ここにいう所定量とは、例えば調圧動作の安定性確保等のためにプレッシャレギュレータ20の機能面から要求される第1流量範囲Z1(図3(a)参照)内のリターン流量[L/h]であるが、本実施形態では、リターン流量はECU41により燃料噴射賞とポンプ吐出量を制御することによりエンジン1の運転状態に応じて第2流量範囲Z2に変更され得る。
プレッシャレギュレータ20は、一対の凹状のハウジング部材18,19をかしめ結合して構成されたハウジング21を備えている。このハウジング21には、半径方向外側の燃料導入側の連通孔21aと、半径方向内側の燃料排出側の連通孔21cと、半径方向で両連通孔21a,21cの間に位置する中間の連通孔21bとが形成されている。ここで、燃料導入側の連通孔21aおよび中間の連通孔21bは、それぞれハウジング21の円周方向に等間隔に離間する位置にあるいはハウジング21の外周方向のいずれかの位置に少なくとも1つ形成されており、それぞれの開口形状は任意である。また、ハウジング部材18,19は、例えば鋼板やステンレス鋼板を凹状にプレス加工したものであるが、図示する形状に成型したものであってもよい。
図1および図2に示すように、ハウジング21の内部には、ハウジング21の内部を2室に区画する隔壁状の調圧部材22が設けられている。この調圧部材22は、ハウジング21の内部にあって、このハウジング21との間に連通孔21aに連通する調圧室23を形成している。また、調圧部材22は、調圧室23内に導入される燃料圧力を受けるとき、その燃料圧力および受圧面積に応じた開度で、燃料導入側の連通孔21aを燃料排出側の連通孔21cに連通させる開弁方向に変位するようになっている。さらに、調圧部材22は、可撓性の環状膜部材24とその環状膜部材24の中央側に位置する略円板状の板状部材25とを一体的に組み付けた構成となっている。環状膜部材24は、その一面側で燃料導入側の連通孔21aから調圧室23内に導入される燃料の圧力を常時受圧するようになっている(詳細は後述する)。
また、調圧部材22は、その他面側でハウジング21との間に背圧室26を形成しており、この背圧室26内には、調圧部材22の板状部材25を閉弁方向に付勢する付勢機構としての圧縮コイルばね27(弾性部材)が設けられている。また、調圧部材22と共に背圧室26を形成する一方のハウジング部材19には、少なくとも1つの大気圧導入穴19aが形成されている。
調圧部材22の環状膜部材24は、具体的には、例えば基布材料層(例えば、ポリアミド合成繊維等)に燃料に対し劣化し難いゴム層(例えば、水素添加ニトリルゴムやフッ素ゴム等)を一体的に接着した可撓性のダイヤフラムで構成されている。また、調圧部材22の板状部材25は、環状膜部材24の中央部に支持された例えば金属(例えば、工具鋼、ステンレス鋼等)製の略円板状のプレートで構成されている。
また、ハウジング21の内部には、調圧室23の内部で調圧部材22の板状部材25に対向する複数の環状弁座部材として、外側の環状弁座部31および内側の環状弁座部32が略同心に配置されている。これら環状弁座部31,32と円板状の板状部材25とは、導入側から排出側への折返し部分を、互いの相対変位により開閉する調圧バルブ機構を構成している。
より具体的には、外側の環状弁座部31および内側の環状弁座部32は、互いに径が異なるとともにハウジング21の内部に同軸に配置された大径の外側筒状部材35および小径の内側筒状部材36によって構成されている。そして、外側筒状部材35と内側筒状部材36との間には、中間の連通孔21bに連通する筒状の特定の燃料通路31h(パイロット圧燃料通路)が形成されている。また、外側の環状弁座部31に対応する外側筒状部材35とハウジング21および調圧部材22との間には、燃料導入側の連通孔21aに連通する環状の導入側の燃料通路37が形成されている。
内側の環状弁座部32に対応する内側筒状部材36の内周側には、特定の燃料通路31hより径方向の内側で連通孔21cに連通する円柱状の排出側の燃料通路32hが形成されている。この排出側の燃料通路32hは、連通孔21cを通して燃料タンク2内に常時開放されており、調圧室23内の燃料をハウジング21の外部に排出することができる排出通路21dの一部を構成している。
さらに、外側の環状弁座部31および内側の環状弁座部32に対し板状部材25が変位するとき、その変位量に応じ、特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32hは、調圧室23の内部に開口するそれぞれの内端側で開度を変化させるようになっている。
これら特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32hと導入側の燃料通路37とは、ハウジング21に設けられた複数の環状弁座部31,32によって径方向の内外に区画されるとともに、パイロット圧燃料通路としての特定の燃料通路31hとメイン燃料通路としての導入側の燃料通路37とが環状弁座部31を間に挟んで隣り合うように配置されている。
なお、本実施形態では、プレッシャレギュレータ20の設置位置あるいは設置姿勢に応じて、排出側の燃料通路32hの内部に排出された燃料が大気圧あるいは燃料タンク2の内圧に相当する低圧状態で充満するようになっている。
調圧部材22の板状部材25は、一面側のバルブシール面部分25aが外側の環状弁座部31に着座するとき、その環状弁座部31と共に環状のシールを形成して、導入側の燃料通路37と特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32hとの間を仕切るようになっている。この板状部材25は、また、バルブシール面部分25aが外側の環状弁座部31に着座するとき、内側の環状弁座部32との間で特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32hの間を仕切る環状シールを形成するか、もしくは、環状オリフィスとなる微小隙間を形成するようになっている。
すなわち、板状部材25は、調圧室23内の燃料の圧力に基づく開弁方向(図1中の上側向き)の付勢力と圧縮コイルばね27からの閉弁方向(図1中の下側向き)の付勢力と応じて、少なくとも導入側の燃料通路37と排出側の燃料通路32hを含む排出通路21dとの間を連通および遮断させるようになっている。
一方、調圧部材22の環状膜部材24は、内周側で板状部材25の外周部に液密的に結合する一方、外周側でハウジング21に液密的に支持されており、導入側の燃料通路37の内部の燃料圧力(残圧保持区間内の燃料圧力)を常時受圧するようになっている。
このように、プレッシャレギュレータ20は、ハウジング21内に複数の燃料通路37,31h,32hを互いに連通させる開弁方向に変位可能な隔壁状の調圧部材22と、調圧部材22を閉弁方向に付勢可能な圧縮コイルばね27とを備えている。そして、圧縮コイルばね27の付勢力と導入側の燃料通路37および特定の燃料通路31h内の燃料の圧力とに応じて、燃料供給通路15内の燃料の圧力を図1中に示すシステム圧P1に調圧するようになっている。このプレッシャレギュレータ20は、本実施形態に係る圧力調整装置の主要部をなしている。なお、ここにいう特定の燃料通路31hとは、プレッシャレギュレータ20の設定圧を切り替えるために、その通路内への燃料圧力の供給と排出が切り替えられる通路である。したがって、特定の燃料通路31hは、その配設位置がプレッシャレギュレータ20の半径方向の中間位置に限定されるものではなく、半径方向の任意の位置に配置可能である。また、特定の燃料通路31hは、燃料供給通路15と常時連通する導入側の燃料通路37でも、下流端部が燃料タンク2内に開放される排出側の燃料通路32hでもない、他の燃料通路のいずれかとなる。
図1に示すように、特定の燃料通路31hに中間の連通孔21bを介して接続する燃料供給通路15の第1分岐通路15aの途中には、プレッシャレギュレータ20と共に本実施形態の圧力調整装置を構成する電磁式の通路制御弁45が設けられている。
この通路制御弁45は、燃料ポンプ11からの燃料の圧力を、調圧部材22を操作するパイロット圧P2として特定の燃料通路31hに導入させるOFF状態と、その特定の燃料通路31h内の燃料の圧力を燃料タンク2内に解放させることができるON状態とに切替え可能になっている。すなわち、通路制御弁45は、3つの燃料通路37,31h,32hのうちいずれか1つの特定の燃料通路31h上に、その特定の燃料通路31hを通した燃料の導入または排出の状態を可変制御するように設けられている。また、通路制御弁45は、ECU41によりそのON状態とOFF状態との切替えを制御されるようになっている。
具体的には、図2に示すように、通路制御弁45は、バルブハウジング51を有している。このバルブハウジング51には、第2分岐通路16の上流側部分を介して燃料供給通路15に接続された第1ポート45aと、燃料タンク2の内部に開放されたリターンポート45cとが、共軸的に、すなわち、同一直線上にそれらの軸心位置を有するように形成されている。また、第2分岐通路16の下流側部分および燃料排出側の連通孔21bを介して特定の燃料通路31hに接続された第2ポート45bが、両ポート45a,45cの中心軸線に対して直角に交差する方向に延在するように、バルブハウジング51に形成されている。
通路制御弁45の第2ポート45bがバルブハウジング51の内部に開口する開口位置の近傍には、第1の弁座孔S1と第2の弁座孔S2とが、互いに共軸的に、かつ、第1ポート45aおよびリターンポート45cに対して同一軸線上に位置するよう配置されている。
通路制御弁45は、また、スプール状の弁体55と、弁体55を常に図2中の左側(軸方向の他方側)に付勢する圧縮コイルばね57(弾性部材)と、弁体55を電磁力により図2中の右側(軸方向の一方側)に付勢可能な電磁操作部58と、を備えている。
バルブハウジング51には、第1ポート45aに連通する第1弁体収納室51aと、リターンポート45cに連通する第2弁体収納室51cと、両弁体収納室51a,51cの間に位置する中間貫通孔51bとが、それぞれ円形断面の連続通路として形成されている。また、中間貫通孔51bは、第1弁体収納室51aおよび第2弁体収納室51cより小径であり、この中間貫通孔51bは、バルブハウジング51の環状内突部51dによって形成されている。
弁体55は、バルブハウジング51の内部に、第1ポート45aおよびリターンポート45cの軸線方向に往復移動可能に収納されている。この弁体55は、軸方向一端側から第1の弁座孔S1を閉止することが可能な第1弁体部55aと、軸方向他端側から第2の弁座孔S2を閉止することが可能な第2弁体部55bと、第1弁体部55aおよび第2弁体部55bを同一軸線上に連結する連結部55cと、を有している。また、第1弁体部55aおよび第2弁体部55bには、互いに対向する円錐面状のシール面Vf1,Vf2が形成されており、連結部55cは円柱状に形成されている。
バルブハウジング51の環状内突部51dは、その軸方向両端内周部が弁体55の第1弁体部55aおよび第2弁体部55bに対応する弁座として機能する。そして、中間貫通孔51bの両端部が、弁体55のシール面Vf1,Vf2に対応する第1の弁座孔S1および第2の弁座孔S2となっている。また、バルブハウジング51の中間貫通孔51bの軸方向中央部(中間部)に、第2ポート45bが開口している。
電磁操作部58は、図示しない電磁コイルを含んで構成されており、通電によりその電磁コイルが励磁されるとき、弁体55を圧縮コイルばね57の付勢力に抗して軸方向の他方側(図2中の右側)に移動させる電磁駆動力を発生するようになっている。この電磁操作部58は、ECU41側から励磁駆動電流が供給されるON状態(励磁状態)では、弁体55を電磁駆動力によって図2中の仮想線位置に付勢して、第2ポート45bを第1ポート45aから遮断するとともにリターンポート45cに連通させる。また、電磁操作部58は、OFF状態(非励磁状態)では、弁体55が圧縮コイルばね57の付勢力によって図2中の実線位置に復帰するのを許容し、第2ポート45bを第1ポート45aに連通させるとともにリターンポート45cから遮断するようになっている。
ところで、プレッシャレギュレータ20において、調圧部材22は、背圧室26側では常に圧縮コイルばね27からの付勢力と背圧室26内の圧力(大気圧または燃料タンク2内の圧力)とを閉弁方向の付勢力として受ける。また、調圧部材22は、特定の燃料通路31hが通路制御弁45によって燃料供給通路15に接続されるときには、調圧室23側で導入側の燃料通路37と特定の燃料通路31hの双方に対応する広い受圧面積(例えば、A1+A2)で供給燃料の圧力を受圧する。一方、特定の燃料通路31hが燃料タンク2内に開放されるときには、調圧部材22は、導入側の燃料通路37のみに対応する狭い受圧面積(例えば、A1)で燃料圧力を受圧する。したがって、通路制御弁45のON/OFFにより調圧部材22の調圧室23側での受圧面積が変化することで、調圧部材22を介して圧縮コイルばね27により背圧加圧される導入側の燃料通路37内の燃料の圧力が低圧側の設定圧と高圧側の設定圧とに変化する。このプレッシャレギュレータ20の低圧側の設定圧をPL、高圧側の設定圧をPHとするとき、両設定圧の比PL/PHは、通路制御弁45のON/OFFによる受圧面積の可変比である受圧面積比(例えば、A1/(A1+A2))に対応するものとなる。このように、プレッシャレギュレータ20は、特定の燃料通路31hを通した燃料の導入または排出の状態が通路制御弁45により可変制御されるとき、その調圧の設定圧レベルが低圧側の設定圧レベルと高圧側の設定圧レベルとのうち任意の一方から他方に切り替えられるようになっている。
一方、プレッシャレギュレータ20の排出側の燃料通路32hを形成する内側筒状部材36の下流側の端部には、排出側の燃料通路32hの延在方向における特定位置で排出側の燃料通路32hの通路断面積を狭める環状の絞り要素39が装着されている。
この環状の絞り要素39は、排出側の燃料通路32hからの燃料の排出流量が予め設定された絞り設定流量(例えば、図3(a)中の絞り設定流量Qth)以上になるとき、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力を上昇させる所定の絞り作用(オリフィス効果)を生じさせるものである。ここにいう所定の絞り作用とは、絞り要素39を通って排出側の燃料通路32hから排出される燃料の排出量(排出流量)が絞り設定流量以上になるとき、特定位置より上流側の排出側の燃料通路32h(以下、単に、上流側の燃料通路32hともいう)内の燃料の圧力を、調圧部材22を開弁方向に変位させる程度に上昇させ、上流側の燃料通路37内の燃料圧力をも上昇させ得る絞り作用である。なお、前述の絞り作用が得られるものであれば、絞り要素39のオリフィス孔39aの開口形状や孔径、長さ等は、特に限定されるものではない。
また、通路制御弁45は、そのOFF状態で、絞り要素39により特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が低圧側の設定圧PL(通常設定圧レベル)を超える所定の高圧力に高められるとき、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力に応じて開弁するリリーフ弁として機能する。これにより、通路制御弁45は、そのOFF状態で、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力をその高圧力に対し一定圧力範囲内のリリーフ設定圧レベルに保持するようになっている。
具体的には、絞り要素39により特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料圧力が所定の高圧力(例えば、図3(a)中のPs)に高められるとき、調圧部材22が開弁方向に変位し、特定位置より上流側の燃料通路32hと特定の燃料通路31hおよび導入側の燃料通路37とが連通する。したがって、高リターン流量で上流側の燃料通路32h内の燃料圧力が所定の高圧力に高められる状態では、調圧室23内の全域で燃料の圧力が所定の高圧力に保持される。また、絞り要素39によって特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が低圧側の設定圧を超える所定の高圧力に高められるとき、弁体55に軸方向一方側への液圧推力を生じさせる第1弁体収納室51a内の燃料の圧力は、所定の高圧力に達し得る。
一方、通路制御弁45の圧縮コイルばね57は、第1弁体収納室51a内の燃料の圧力が所定の高圧力に達したときに弁体55に作用する軸方向一方側への液圧推力よりも、わずかに小さい組込み荷重(図2中の実線位置での予圧荷重)に設定されている。そして、導入側の燃料通路37内の燃料圧力の上昇によって第1弁体収納室51a内の燃料圧力が上昇するとき、その燃料圧力に応じた推力を受けて、弁体55が圧縮コイルばね57のばね荷重に打ち勝って第2の弁座孔S2を閉止状態から開く方向に変位する。このとき、第1弁体収納室51a内の燃料圧力に応じて、第2ポート45bと第1ポート45aの連通が制限されるとともに、第2ポート45bとリターンポート45cの連通が可能になり、排出側の燃料通路32hおよび導入側の燃料通路37に連通した状態にある特定の燃料通路31hの燃料の圧力が低下する。したがって、絞り要素39により特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が所定の高圧力に高められるとき、その燃料の圧力がリリーフ設定圧レベル(例えば、図3(a)中のPR)に保持されるように、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力に応じて通路制御弁45の第2の弁座孔S2が開放される。すなわち、第2の弁座孔S2を有するバルブハウジング51と、第2の弁座孔S2を開閉可能な第2弁体部55bを有する弁体55と、第2弁体部55bを所定の荷重で第2の弁座孔S2の閉止側に付勢する圧縮コイルばね57とによって、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力をリリーフ設定圧レベルに保持するリリーフ弁が構成されている。
このように、通路制御弁45には、バルブハウジング51内にリリーフ弁として機能する弁体55と、その弁体55と共にリリーフ設定圧レベルを決定する圧縮コイルばね57とが組み込まれている。そして、通路制御弁45は、そのOFF状態下でプレッシャレギュレータ20のリターン流量が増加し、絞り要素39の作用により特定の燃料通路31h内の燃料圧力が所定の高圧力に達したとき、特定の燃料通路31h内の燃料の一部を第2の弁座孔S2を通して漏出させることで、特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32h内の燃料の圧力をリリーフ設定圧レベルに保持させるようになっている。
本実施形態においては、リリーフ設定圧レベルは、プレッシャレギュレータ20の低圧側の設定圧レベルおよび高圧側の設定圧レベルのいずれよりも高圧に設定されているが、リリーフ設定圧レベルが、低圧側の設定圧レベルおよび高圧側の設定圧レベルの間に設定されていてもよい。
なお、プレッシャレギュレータ20の低圧側の設定圧は、例えばエンジン1の通常運転時の燃料供給圧に相当するものであり、プレッシャレギュレータ20の高圧側の設定圧は、低圧側の設定圧より高圧で、例えばアイドリングストップ時に後述する残圧保持区間内に保持される燃料圧力あるいは高負荷時に必要な燃料供給圧力に相当する。
具体的には、高圧側の設定圧は、例えば400[kPa](ゲージ圧;以下、同様)であり、エンジン停止直後等にデリバリーパイプ4内の燃料温度が高温になっても、燃料ベーパが生じ難い燃料圧力(通常、324kPa以上)の設定値となっている。また、低圧側の設定圧は、例えば200[kPa]であり、走行中にデリバリーパイプ4内の燃料温度が比較的低温になっても、燃料ベーパが生じ難い燃料圧力設定値となっている。
本実施形態においては、所定の高圧力およびリリーフ設定圧レベルは、エンジン1の始動時やフュエルカット運転からの復帰時等に一時的に要求される高い燃料圧力であり、高圧側の設定圧よりも更に高圧に設定されている。
ECU41は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリからなるバックアップメモリに加えて、入力インターフェース回路および出力インターフェース回路等を含んで構成されており、このECU41には車両のイグニッションスイッチのON/OFF信号が取り込まれるとともに、バッテリからの電源供給がなされるようになっている。さらに、ECU41の入力インターフェース回路には、各種センサ群が接続されており、これらセンサ群からのセンサ情報がA/D変換器等を含む入力インターフェース回路を通してECU41に取り込まれるようになっている。ECU41の出力インターフェース回路には、インジェクタ3、燃料ポンプ11および通路制御弁45等のアクチュエータ類を制御するため、リレースイッチやスイッチング素子、駆動回路等が設けられている。
また、ECU41は、ROM内に格納された制御プログラムを実行することで、各種センサ群からのセンサ情報、ROMやバックアップメモリに予め格納された設定値やマップ情報等に基づき、エンジン1の始動のために燃料供給を開始する直前に通路制御弁45をON状態に切り替えたり、エンジン1の停止直前に通路制御弁45をON状態に切り替えたりするようになっている。さらに、ECU41は、エンジン1の運転中にその負荷状態を繰返し判定し、専ら部分負荷運転となる通常運転の領域では通路制御弁45をOFF状態に切り替え、燃料ポンプ11からインジェクタ3への供給燃料圧を調圧室23内で低圧側の設定圧に調圧させるようになっている。そのため、ECU41のROMおよびバックアップメモリに格納される設定値には、燃料圧力の高圧側の設定値および低圧側の設定値がそれぞれ含まれ、ROMやバックアップメモリに格納されるマップ情報には、運転負荷の判定とその判定結果に応じた燃料圧力の切替え制御のための運転領域判定マップ等が含まれている。
ここにいう始動時とは、イグニッションキーがスタート位置に操作されてイグニッションONの要求が発生するときの他、例えば公知のアイドリングストップを実行する車両でエンジン1を一時停止させた後に再始動させる場合、あるいは、ハイブリッド方式のパワーユニットを搭載する車両でそのパワーユニットの効率を高めるためにエンジン1を一時停止させた後に再始動する場合に、その始動のためのイグニッションON要求が発生したとき等を含む意である。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の圧力調整装置では、プレッシャレギュレータ20の排出側の燃料通路32hからのリターン流量(燃料の排出流量)が予め設定された絞り設定流量未満である段階、例えばリターン流量が図3(a)に示す第1流量範囲Z1に入る段階においては、通路制御弁45がON状態となるかOFF状態となるかによって、高圧側の設定圧PHとなるか低圧側の設定圧PLとなるかが切り替えられる。
例えばエンジン1の高負荷運転時には、要求される燃料消費量の増加に対してインジェクタ3からの十分な燃料噴射が可能になるよう、通路制御弁45がON状態となってプレッシャレギュレータ20の設定圧が高圧側の設定圧レベルPHに切り替えられる。
一方、専ら部分負荷運転となるエンジン1の通常運転時には、通路制御弁45がOFF状態となって低圧側の設定圧レベルPLに切り替えられることで、インジェクタ3からのきめ細かな燃料噴射量制御と燃料ポンプ11の消費電量の抑制とが可能となる。
通常の運転状態等のように通路制御弁45がOFF状態に制御されるとき、プレッシャレギュレータ20は、圧縮コイルばね27の付勢力と導入側の燃料通路37に導入される燃料の圧力とに応じて、あるいは、圧縮コイルばね27の付勢力と導入側の燃料通路37および特定の燃料通路31hに導入される燃料の圧力とに応じて、調圧部材22を変位させる。
このとき、プレッシャレギュレータ20のリターン流量は、エンジン1の燃料消費量と燃料ポンプ11の吐出量とに応じて変化し、リターン流量の増加に応じて背圧用の圧縮コイルばね27の撓み(図3(b)中の背圧用ばねの撓み)が増加するが、リターン流量が第1流量範囲Z1内に入るように、ECU41により燃料ポンプ11の吐出量が制御される。したがって、プレッシャレギュレータ20の安定した調圧動作が可能となる。
ところで、通路制御弁45がOFF状態となっている条件下で、例えばエンジン1の燃料消費量が少ない運転状態で燃料ポンプ11の吐出量を大流量にすると、排出側の燃料通路32hからのリターン流量が絞り設定流量Qthにまで達する状態となり得る。ECU41は、例えばエンジン1の始動時あるいはフュエルカット運転状態から通常の燃料噴射状態への復帰時等に、そのような状態となるように、ROM内に格納された制御プログラムに従って燃料ポンプ11の吐出量を制御するようになっている。
リターン流量が絞り設定流量Qthにまで達するような状態では、絞り要素39が排出側の燃料通路32h内でそのリターン流量に応じた絞り作用を生じ始める。そして、リターン流量が絞り設定流量Qth以上の第2流量範囲Z2に入ると、例えばプレッシャレギュレータ20の導入燃料の流量が大流量であって燃料消費量が小流量になると、絞り要素39の絞り作用より調圧室23内に低圧側の設定圧レベルPLを超える圧力の燃料が充満し、プレッシャレギュレータ20に接続する燃料供給通路15側のシステム圧P1が高められる。
このとき、リターン流量が増加するにつれて絞り要素39の絞り作用が強まり、システム圧P1は、低圧側の設定圧レベルPLから高圧側の設定圧レベルPHを超える高圧力Ps程度にまで高められる。
そして、システム圧P1および絞り要素39より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が所定の高圧力Psに達すると、通路制御弁45のリリーフ弁機能が発揮される。すなわち、図3(b)に示すように、絞り要素39より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力Ps程度に達すると、弁体55に作用する軸方向一方側への液圧推力が圧縮コイルばね57の予圧荷重を超えて、弁体55が第2の弁座孔S2を閉止状態から開放し始めるとともに第1の弁座孔S1を閉じ始める。これにより、特定の燃料通路31h内に供給される燃料の流量が減少するとともに、特定の燃料通路31h内が燃料タンク2内に開放され、燃料供給通路15側の燃料圧力であるシステム圧P1がリリーフ設定圧レベルPRに保持される。
したがって、通常の低圧側の設定圧レベルPLと高圧側の設定圧レベルPHとの切替え機能を有するプレッシャレギュレータ20に、専用の配管を増設することなく、通路制御弁45のOFF状態下でプレッシャレギュレータ20の設定圧を通常より高圧のリリーフ設定圧レベルPRに切替え可能となる。その結果、燃料ポンプ11を大型化したりすることなく、高負荷運転時の高圧の燃料供給圧力とエンジン1の始動時等におけるより高圧な燃料供給圧力とを設定することができる。
しかも、プレッシャレギュレータ20の3つの燃料通路37,31h,32hが調圧部材22の一面側に配置されることに加えて、通路制御弁45を構成する三方弁の部品の一部にリリーフ弁機能を持たせることができるので、部品点数を増加させることなく調整圧力の多段化が可能となる。その結果、多段の燃料圧力調整が可能なコンパクトで低コストの燃料圧力調整装置となる。
さらに、導入側の燃料通路37内の圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力となったとき、通路制御弁45の圧縮コイルばね57が、第2の弁座孔S2の開放側への弁体55の変位を許容するリリーフ弁用の弾性部材として機能することとなる。したがって、弁体55および圧縮コイルばね57によって、部品を増設することなく通路制御弁45にリリーフ弁を併設できる。
本実施形態では、また、調圧部材22側の通路部分となる通路制御弁45の第2ポート45bによって弁座孔S1,S2の形状等が制限されることがないので、通路制御弁45に併設するリリーフ弁の設定の自由度が十分に担保されるし、そのバルブハウジング51の加工も容易になる。
加えて、リリーフ設定圧レベルPRが、低圧側の設定圧レベルPLおよび高圧側の設定圧レベルPHのいずれよりも高圧に設定されているので、エンジン1の始動時のように一時的に高圧が必要な場合に、その高燃料圧力をリリーフ設定圧レベルPRとして、通常は、リターン流量を調圧部材22の動作を安定させる程度の少流量の第1流量範囲Z1内に抑えて、燃料ポンプ11の消費エネルギを抑えることができる。勿論、通常は、リターン流量を調圧部材22の動作を安定させる程度の少流量範囲内に抑えて燃料ポンプの消費エネルギを抑え、一時的に中間燃料圧力を得ることが必要となるような場合には、リリーフ設定圧レベルPRを低圧側の設定圧レベルPLおよび高圧側の設定圧レベルPHの間に設定することで、リターン流量の増加量を抑えつつ、その燃料圧力を得ることもできる。
このように、本実施発明によれば、プレッシャレギュレータ20のリターン流量が予め設定された絞り設定流量以上になると、絞り要素39によってその上流側の燃料通路32h内の燃料圧力を高め、その圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力Psになると、リリーフ弁機能を有する通路制御弁45によってその燃料圧力をリリーフ設定圧レベルPRに保持するので、配管を増設することなく、通路制御弁45のOFF状態下でプレッシャレギュレータ20による圧力調整の設定圧を通常設定圧レベルである低圧側の設定圧レベルPLとそれより高圧のリリーフ設定圧レベルPRとに切り替えることができる。その結果、設定圧の多段切替えが可能であり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供することができる。
(第2実施形態)
図4〜図6は、本発明の第2実施形態に係る圧力調整装置を備えた内燃機関の燃料供給システムを示している。
なお、本実施形態は、リリーフ弁の設置形態が上述の第1実施形態とは異なるものの、他の基本的な構成については第1実施形態と同様のものである。したがって、上述の第1実施形態と同一の構成要素については、図1および図2に示した対応する構成要素と同一の符号を用いて説明する。
図4および図5に示すように、本実施形態では、三方弁からなる通路制御弁75と、これとは別体のリリーフ弁61とを設けたものであり、このリリーフ弁61の開弁圧力となるリリーフ設定圧を予め設定したリリーフ設定圧レベルPR内に設定したものである。
リリーフ弁61は、リリーフ通路62、環状の弁座63、弁体65、ハウジング66および圧縮コイルばね67を含んで構成されており、リリーフ通路62は、その上流端で排出側の燃料通路32h内に連通するとともに下流端で燃料タンク2内に開放されている。また、環状の弁座63は、リリーフ通路62の途中に位置するようハウジング66に設けられており、球状の弁体65は、この弁座63に着座するときリリーフ通路62を閉止するようになっている。また、ハウジング66は、少なくともリリーフ通路62の一部を形成するとともに内側筒状部材36と一体的に構成されており、圧縮コイルばね67は、弁体65を弁座63に着座する方向に付勢している。
図6に示すように、リリーフ弁61は、リターン流量の増加時に絞り要素39の絞り作用によって、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が低圧側の設定圧レベルPLより高圧の中間圧力Pmにまで高められたとき、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力を中間圧力Pmに対し一定圧力範囲内のリリーフ設定圧レベルPRに保持するようになっている。
具体的には、リリーフ弁61の圧縮コイルばね67は、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が所定の中間圧力Pmに達したときに弁体65に作用する開弁方向の液圧推力よりも、わずかに小さい組込み荷重(予圧荷重)に設定されている。そして、特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料圧力が所定の中間圧力Pmまで上昇するとき、弁体65が圧縮コイルばね67のばね荷重に打ち勝って弁座63から離脱し、リリーフ通路62を開くようになっている。したがって、絞り要素39によって特定位置より上流側の燃料通路32h内の燃料の圧力が所定の中間圧力Pmに高められるとき、リリーフ弁61によってその燃料の圧力がリリーフ設定圧レベルPRに保持されるようになっている。
一方、リリーフ弁61と別体の通路制御弁75は、リリーフ弁機構が要求されないものとなるので、パイロット圧の供給と排出を行うことができる小型で簡素なものにできる。
図5に示すように、この通路制御弁75は、例えばハウジング75h内に、リターンポート75cの内端を開閉可能な弁体75vと、この弁体75vをリターンポート75cの閉止方向に付勢する圧縮コイルばね75kとを設けたものである。そして、この通路制御弁75では、電磁操作部75dにより弁体75vを開弁駆動するON状態でのみ、リターンポート75cが開く。また、通路制御弁75は、通常のOFF状態では、リターンポート75cを閉止させつつ、燃料供給通路15側に接続する第1ポート75aと特定の燃料通路31h側に接続する第2ポート75bとを連通させる。
本実施形態においては、リリーフ設定圧レベルPRは、プレッシャレギュレータ20の低圧側の設定圧レベルPLおよび高圧側の設定圧レベルPHの間の中間圧力Pmに対して一定誤差範囲内に設定されている。勿論、リリーフ設定圧レベルPRは、上述の第1実施形態の場合と同様に、低圧側の設定圧レベルPLおよび高圧側の設定圧レベルPHより高圧側に設定されていてもよい。
本実施形態においても、プレッシャレギュレータ20のリターン流量が予め設定された絞り設定流量Qth以上になると、絞り要素39によってその上流側の燃料通路32h内の燃料圧力を高め、その圧力が通常設定圧レベルである低圧側の設定圧PLを超える中間圧力Pmになると、リリーフ弁61によってその燃料圧力をリリーフ設定圧レベルPRに保持するようにしているので、プレッシャレギュレータ20に配管を増設することなく、通路制御弁75のOFF状態下でプレッシャレギュレータ20による圧力調整の設定圧を通常設定圧レベルである低圧側の設定圧レベルPLとそれより高圧のリリーフ設定圧レベルPRとに切り替えることができる。その結果、設定圧の多段切替えが可能であり、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供することができる。
なお、上述の各実施形態においては、特定の燃料通路31hをパイロット圧が選択的に導入される燃料通路とした、通路制御弁45によって選択的に閉止されるときに、導入側の燃料通路37から溢れる余剰燃料の圧力を特定の燃料通路31hの開口範囲内で調圧部材22に受圧させる通路として構成されてもよい。また、導入側の燃料通路37、特定の燃料通路31hおよび排出側の燃料通路32hは、調圧室23内で半径方向の内外に区画される3つ以上の燃料通路のうち、任意の流体通路の位置に設定でき、調圧室23内で半径方向の内外に区画される燃料通路の数が3つを超えるときに、特定の燃料通路を例えば内外に区画される複数の燃料通路として、設定圧をより多段に切り替えるようにすることが考えられる。
また、通路制御弁45は、弁体が直動する電磁弁となっていたが、三方弁がそのようなタイプに限定されないことはいうまでもない。
また、上述の各実施形態では、調圧部材22は、可撓性の環状膜部材24とプレート状の板状部材25を有する構成としたが、環状膜部材24はハウジング21内に摺動可能に保持されたピストン状のもので、板状部材25の背面を支持するようなものであってもよい。さらに、上述の各実施形態においては、インタンク式の燃料供給システムとしたが、デリバリーパイプの近傍にプレッシャレギュレータが配置されるものでもよい
加えて、上述の各実施形態においては、燃料消費部がガソリンを消費する車両用ガソリンエンジンであったが、本発明が他の燃料を用いるエンジンにも使用できることは勿論である。また、燃料を消費して何らかの出力をなす各種の燃料消費部において、燃料圧力を少なくとも高圧/低圧の2段に切り替える場合にも、本発明を適用できる。
以上説明したように、本発明は、燃料の排出流量が絞り設定流量以上になると、絞り要素によってその上流側の燃料通路内の燃料の圧力を高め、その圧力が通常設定圧レベルを超える高圧力になると、リリーフ弁によってその燃料の圧力をリリーフ設定圧レベルに保持するようにしているので、配管を増設することなく、圧力調整装置による圧力調整の設定圧を通常設定圧レベルとそれより高圧のリリーフ設定圧レベルとに切り替えることができ、その結果、設定圧の切替えが可能で、かつ、コンパクトで配管の簡素な低コストの圧力調整装置を提供することができるという効果を奏するものであり、内燃機関の燃料を燃料ポンプから燃料噴射弁に供給するときにその燃料圧力を調整する圧力調整装置全般に有用である。
1 エンジン(内燃機関、燃料消費部)
2 燃料タンク
10 燃料圧送回路
11 燃料ポンプ
15 燃料供給通路
20 プレッシャレギュレータ
21 ハウジング
21a,21b,21c 連通孔
22 調圧部材
23 調圧室
25a バルブシール面部分
26 背圧室
27 圧縮コイルばね(付勢機構、弾性部材)
31 外側の環状弁座部
31h 特定の燃料通路
32 内側の環状弁座部
32h 排出側の燃料通路
37 導入側の燃料通路
39 絞り要素
45 通路制御弁(三方弁、リリーフ弁)
45c リターンポート
51 バルブハウジング
51b 中間貫通孔(中間部)
55 弁体
55a 第1弁体部
55b 第2弁体部
55c 連結部
58 電磁操作部
61 リリーフ弁
75 通路制御弁
P1 システム圧(燃料の圧力、システム供給圧)
S1 第1の弁座孔
S2 第2の弁座孔
Z1 第1流量範囲
Z2 第2流量範囲

Claims (7)

  1. 燃料消費部への燃料供給通路に接続される導入側の燃料通路と前記燃料が排出される排出側の燃料通路とが形成されたハウジングと、前記燃料供給通路から前記導入側の燃料通路に導入される燃料の圧力に応じて前記導入側の燃料通路と前記排出側の燃料通路とを連通させるよう開弁方向に変位可能な隔壁状の調圧部材と、前記調圧部材を前記導入側の燃料通路と前記排出側の燃料通路とを遮断する閉弁方向に付勢可能な付勢機構と、を備え、前記付勢機構の付勢力および前記導入側の燃料通路に導入される燃料の圧力に応じて前記燃料供給通路内の燃料の圧力を通常設定圧レベルに調圧する圧力調整装置であって、
    前記排出側の燃料通路からの前記燃料の排出流量が予め設定された絞り設定流量以上になるとき、前記排出側の燃料通路の特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力を上昇させるよう絞り作用を生じる絞り要素と、
    前記絞り要素により前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力が前記通常設定圧レベルを超える高圧力に高められたとき、前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力を前記高圧力に対し一定圧力範囲内のリリーフ設定圧レベルに保持するよう、前記特定位置より上流側の燃料通路内の燃料の圧力に応じて開弁するリリーフ弁と、を有することを特徴とする圧力調整装置。
  2. 前記導入側の燃料通路および前記排出側の燃料通路が、前記調圧部材によって相互に接続および遮断される3つ以上の燃料通路によって構成されるとともに、
    前記3つ以上の燃料通路のうちいずれか1つの特定の燃料通路上に、該特定の燃料通路を通した前記燃料の導入または排出の状態を可変制御する通路制御弁が設けられ、
    前記特定の燃料通路を通した前記燃料の導入または排出の状態が前記通路制御弁により可変制御されるとき、前記設定圧レベルが低圧側の設定圧レベルと高圧側の設定圧レベルとのうち任意の一方から他方に切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整装置。
  3. 前記導入側の燃料通路が、前記燃料供給通路からの燃料が常時導入されるメイン燃料通路と、前記通路制御弁が配置されたパイロット圧燃料通路と、によって構成され、
    前記通路制御弁は、前記パイロット圧燃料通路を通して導入される前記燃料の圧力を前記隔壁状の調圧部材に受圧させるよう第1の弁座孔を開くとともに第2の弁座孔を閉じる第1の制御状態と、前記隔壁状の調圧部材に受圧させた前記燃料の圧力を解放するよう前記第1の弁座孔を閉じるとともに前記第2の弁座孔を開く第2の制御状態とに切替え可能な三方弁で構成されるとともに、
    前記第1の制御状態下で前記パイロット圧燃料通路に導入される前記燃料の圧力が前記予め設定された高圧力に達したとき、前記パイロット圧燃料通路内の燃料の一部を前記第2の弁座孔を通して漏出させるよう、前記三方弁に、前記リリーフ弁として機能する弁体および弾性部材が組み込まれていることを特徴とする請求項2に記載の圧力調整装置。
  4. 前記通路制御弁の前記第1の弁座孔と前記第2の弁座孔とが共軸的に配置されるとともに、前記通路制御弁の前記弁体が、軸方向一端側から前記第1の弁座孔を閉止する第1弁体部と、軸方向他端側から前記第2の弁座孔を閉止する第2弁体部と、該第1弁体部および第2弁体部を連結する連結部とを有し、
    前記通路制御弁が、前記弁体の第1弁体部によって前記第1の弁座孔を閉止させるよう前記弁体を軸方向の一方側に付勢する電磁付勢部と、前記弁体の第2弁体部によって前記第2の弁座孔を閉止させるよう前記弁体を軸方向の他方側に付勢する弾性部材と、を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力調整装置。
  5. 前記第1の弁座孔および前記第2の弁座孔が、前記弁体の前記連結部を貫通させた貫通孔の両端部を構成しており、該貫通孔の中間部には、前記特定の燃料通路のうち前記燃料の圧力を前記隔壁状の調圧部材に受圧させることができる調圧部材側の通路部分が開口していることを特徴とする請求項4に記載の圧力調整装置。
  6. 前記リリーフ設定圧レベルが、前記低圧側の設定圧レベルおよび前記高圧側の設定圧レベルのいずれよりも高圧に設定されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の圧力調整装置。
  7. 前記リリーフ設定圧レベルが、前記低圧側の設定圧レベルおよび前記高圧側の設定圧レベルの間に設定されていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の圧力調整装置。
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