JP4703903B2 - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、半導体素子を収容するケース内に液状の樹脂を充填することにより、上記半導体素子の樹脂封止を行なったタイプの半導体装置およびこれを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置の一例としては、たとえば図12に示すように、8セグメントタイプの表示装置Bがある。この表示装置Bは、ケース90内に計8つのLEDチップ(同図では図示略)が収容されたものであり、ケース90の外部には、面実装用の複数の端子部92が形成された複数本のリード91が突出している。
【0003】
この表示装置Bの製造に際しては、まず図13(a),(b)に示すように、ケース90内に液状の樹脂93を充填する。次いで、同図(c)に示すように、所定数のLEDチップ94とこれらのLEDチップ94に導通する複数本のリード91の一部分とを樹脂93内に浸漬させる。樹脂93は、その後硬化させる。この硬化により、LEDチップ94および複数本のリード91をケース90に固定させることができる。また、LEDチップ94と各リード91との接続部分の絶縁保護を図ることもできる。各リード91のうち、樹脂93から突出した突出部91aには、フォーミング加工や切断加工を施し、これにより面実装用の複数の端子部92をつくる。
【0004】
このような製造方法によれば、LEDチップ94の封止を液状の樹脂93を用いて行なうために、たとえば金型を用いた樹脂成形手段によって半導体素子を封止する場合と比較すると、その製造が容易となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手段においては、次のような不具合を生じる場合があった。
【0006】
すなわち、図13(c)に示したように、各リード91の一部を液状の樹脂93内に浸漬させたときには、この樹脂93の一部が各リード91の突出部91aに昇っていく現象を生じる場合がある。より具体的には、各リード91は、たとえば図14(a)に示すように、適当な厚みtの金属板95の両面にレジスト層96を形成してから、同図(b)に示すように、この金属板95をその両面からエッチングする工程を経て製造される場合がある。異方性をもたないウェットエッチングを採用した場合、上記工程により形成されたリード91の側部には、凹溝部91cが形成される。リード91に凹溝部91cがあると、図15に示すように、リード91が液状の樹脂93に浸漬されたときに、樹脂93の一部が毛細管現象によって凹溝部91c内を上昇する。
【0007】
従来においては、上記のような現象を生じる場合に、これを抑制するための手段がなんら講じられていないのが実情であり、樹脂93の一部は、リード91の突出部91aの先端に向けてかなり長い距離を昇っていく。このため、従来においては、突出部91aのかなり広い領域が、樹脂によって覆われてしまう場合があった。その結果、リード91の突出部91aへのハンダ付けを適正に行なうことが困難となって、表示装置Bの実装作業に支障をきたす場合があった。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、ハンダ付けなどの対象となる複数のリードの突出部に半導体素子封止用の樹脂が広い領域にわたって付着しないようにすることができる半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面によって提供される半導体装置の製造方法は、複数のリードに電気的に接続された半導体素子を、正面壁とこの正面壁の周囲から延出する側壁とをもつケース内に収容する工程と、上記半導体素子を封止するための液状の樹脂を上記ケース内に充填する工程と、を有しており、かつ、上記各リードには、上記樹脂内に埋没した埋没部と上記樹脂の外部に突出し、少なくとも上記埋没部から所定長さの樹脂寄り部は上記ケースの上記側壁の延びる方向と平行に延びている突出部とを形成する、半導体装置の製造方法であって、上記ケースとしては、上記側壁が、第1部分と、この第1部分よりもさらに上記リードの上記突出部が突出する方向に延出する第2部分とを有するものを用い、上記各リードとしては、上記樹脂寄り部とされる部分に、幅および厚みの少なくともいずれかが上記樹脂に近い他の一部分よりも拡張されていることによって、上記樹脂の方向を向く面を有する拡張部が設けられ、この拡張部の上記各リードの延び方向の位置が、上記ケースの上記第1部分の延出方向端部と、上記ケースの上記第2部分の延出方向端部との間に設定されているものを用いることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、上記液状の樹脂の一部がたとえば毛細管現象に起因して上記各リードの突出部に伝わろうとする現象を生じる場合であっても、この樹脂の一部が上記拡張部の所定の面に到達すると、この面が上記樹脂の流れを阻止することとなる。したがって、従来とは異なり、上記各リードの突出部が広い領域にわたって樹脂によって覆われないようにすることができる。その結果、各リードの突出部へのハンダ付けを適切に行なうことができる品質の良い半導体装置が得られる。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各リードは、金属板をエッチングすることにより形成され、かつ幅を規定する両側面がエッチング処理面とされたものであり、上記拡張部は、上記各リードの幅を拡張することにより形成されている。
【0013】
このような構成によれば、上記各リードのエッチング処理面とされた両側面に上記樹脂の一部が伝わり易くなるのに対し、上記拡張部の所定の面については、上記各リードの幅方向に張り出した面となるために、この面によって上記樹脂の流れを適切に止めることが可能となる。
【0014】
本願発明においては、上記各リードは、金属板を打ち抜き加工することにより形成されたものである構成とすることもできる。金属板を打ち抜き加工したときには、いわゆるダレを生じ、このダレが毛細管現象を生じさせる凹溝を形成することによって樹脂の一部が上記各リードを伝わる虞れがあり、このような場合にも本願発明は好適となる。
【0015】
本願発明の第2の側面によって提供される半導体装置は、複数のリードに電気的に接続された半導体素子と、この半導体素子を内部に収容し、正面壁とこの正面壁の周囲から延出する側壁とをもつケースと、上記半導体素子を封止するように上記ケース内に充填された樹脂と、を有しており、かつ、上記各リードは、上記樹脂内に埋没した埋没部と上記樹脂の外部に突出した突出部とを有し、上記突出部における少なくとも上記埋没部から所定長さの樹脂寄り部は、上記ケースの上記側壁の延びる方向と平行に延びている、半導体装置であって、上記ケースの上記側壁は、第1部分と、この第1部分よりもさらに上記リードの上記突出部が突出する方向に延出する第2部分とを有しており、上記各リードの上記突出部における上記樹脂寄り部には、幅および厚みの少なくともいずれかが上記樹脂に近い他の一部分よりも拡張された拡張部が設けられており、かつこの拡張部は、上記樹脂の方向を向く面を有しており、上記拡張部の上記各リードの延び方向の位置は、上記ケースの上記第1部分の延出方向端部と、上記ケースの上記第2部分の延出方向端部との間に設定されていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、半導体装置の製造過程において、上記樹脂が上記各リードの突出部に対して広い領域にわたって伝わることを上記拡張部の所定の面によって阻止することができ、本願発明の第1の側面によって得られるのと同様な効果が期待できる。
【0017】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記各リードの突出部のうち、上記拡張部の上記面よりも先端寄りの部分は、実装用の端子部とされている。
【0018】
このような構成によれば、樹脂の一部が上記端子部まで到達しないようにすることが確実化される。
【0019】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記端子部は、上記拡張部よりも幅が小さくされている。
【0020】
このような構成によれば、互いに隣り合う端子部どうしの間の寸法を大きくとることができる。したがって、たとえば複数の端子部を所望の箇所にハンダ付けした場合に、それらの間に電気的な短絡などを生じにくくすることができる。
【0021】
本願発明の他の好ましい実施の形態においては、上記半導体素子が発光素子であるとともに、上記ケースが上記発光素子から発せられた光を上記正面壁から外部に進行させることが可能とされた表示装置または発光装置として構成されている。
【0022】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0024】
図1〜図4は、8セグメントタイプの表示装置として構成された本願発明に係る半導体装置の一例を示している。図1および図2によく表われているように、本実施形態の表示装置Aは、ケース1、封止用の樹脂2、複数(計8個)のLEDチップ3、および複数のリード4を具備して構成されている。
【0025】
ケース1は、たとえば金型を用いて樹脂成形されたものであり、その正面壁(上面壁)には、8の字と1つのドットとを表わす複数の開口部10a,10bが設けられている。このケース1の一対の側壁11は、その一部分が下方に延びた形態とされている。このようにすれば、この表示装置Aを所望の部分に実装する場合に、各側壁11をその実装部分に当接させることによって、この表示装置Aを安定させることが可能となる。
【0026】
樹脂2は、透光性を有しており、ケース1内に充填されている。ケース1の開口部10a,10b内にもこの樹脂2が行き渡っている。この樹脂2としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられており、この樹脂2は、後述するように、ケース1内への充填は液状でなされ、かつその後に熱硬化したものである。ただし、本願発明はこれに限定されず、自然放置により硬化するタイプの樹脂を用いることもできる。
【0027】
複数のリード4は、後述するように、リードフレームと称される金属製の製造用フレームFから形成されたものである。これら複数のリード4は、複数のLEDチップ3と電気的に接続されている。より具体的には、図4によく表われているように、複数のリード4としては、グランド接続用の1つのリード4(4A)と、正の電圧印加用の8つのリード4(4B〜4I)とがあり、複数のLEDチップ3は、8つのリード4(4B〜4I)上にボンディングされ、かつその片面(下面)の陽極がそれらのリード4(4B〜4I)と電気的に導通している。各LEDチップ3の反対面の陰極は、ワイヤWを介してリード4(4A)と電気的に接続されている。各LEDチップ3は、本願発明でいう半導体素子の一例に相当し、ケース1の開口部10a,10b内に配置されている。各LEDチップ3および各ワイヤは、樹脂2によって封止されている。
【0028】
複数のリード4は、図2および図3によく表われているように、樹脂2内に埋没している埋没部4aと、樹脂2の外部に突出した突出部4bとを有しており、複数の突出部4bは、ケース1の両側方に計5本ずつ振り分けられている。図4によく表われているように、リード4(4B〜4I)のそれぞれは、1つの突出部4bを有するのに対し、リード4(4A)は、ケース1の両側方に振り分けられた2つの突出部4b(4b') を有している。このような構成によれば、複数の突出部4bを5本ずつ対称な配置にすることができるため、この表示装置Aの実装対象となる部材に導通接続用の複数の端子部を設ける場合には、これらの端子部も対称な配置にすればよいこととなり、好都合となる。また、リード4(4A)は、2つの突出部4bによって両端支持されることとなるため、強度的にも好ましいものとなる。
【0029】
図2によく表われているように、複数のリード4の突出部4bは、適宜屈曲されており、その先端部には、各底面が互いに同一平面に位置するように揃えられた面実装用の端子部40が形成されている。図3によく表われているように、各突出部4bの各端子部40よりも突出部4bの基端41寄りの部分には、拡張部42が設けられている。この拡張部42は、その幅waを突出部4bの他の部分の幅wbよりも大きくした部分であり、樹脂阻止用の一対の面43を有している。これら一対の面43は、突出部4bの基端41の方向を向いた面であり、拡張部42の基端近傍部分の側面よりもこの拡張部42の幅方向に突出している。これらの面43は、本実施形態においては曲面状とされているが、本願発明はこれに限定されず、たとえば平面状に形成してもよい。
【0030】
上記した構成の表示装置Aは、たとえばハンダリフローの手法を利用して所望の箇所に面実装することが可能である。また、複数のリード4の端子部40を介して複数のLEDチップ3への電力供給を選択的に行なうことにより、0〜9までの数字の選択的な表示とこれに付随するドットのオン・オフ表示とを行なうことできる。LEDチップ3を発光させた場合、このLEDチップ3から発せられた光の一部をケース1の窓部10a,10bの周壁面によって高い反射率でこの表示装置Aの正面に向けて反射させることが可能であり、これにより表示を明るくすることが可能である。
【0031】
次に、上記構成の表示装置Aの製造方法の一例について説明する。
【0032】
表示装置Aの製造に際しては、たとえば図5に示すような製造用フレームFを用いる。この製造用フレームFは、適当な厚みを有する金属板をエッチングすることによって製造されたものである。エッチングの手法としては、たとえば図14を参照して説明したのと同様な手法が用いられている。したがって、この製造用フレームFの各リード4の側面がエッチング処理面となっており、この部分に図14および図15を参照して説明した従来技術と同様な凹溝部が形成されている。この製造用フレームFは、図5の左右方向に延びる一対の帯状のサイドフレーム49どうしの間に、複数のリード4のグループが各サイドフレーム49の長手方向に適当な間隔で複数並べられ、かつ各サイドフレーム49と一体に繋がって設けられた構成を有している。むろん、各リード4には、拡張部42が設けられている。複数のリード4のグループどうしの間には、一対のサイドフレーム49どうしを繋ぐクロスメンバ48が設けられている。このクロスメンバ48は、製造用フレームFの機械的強度を高めて、製造用フレームFの形態を安定させるのに役立つ。
【0033】
図6に示すように、各リード4および各クロスメンバ48については、断面略コ字状に折り曲げる。折り曲げ位置は、たとえば図5の仮想線L1で示す箇所である。また、各リード4上の所定箇所には、複数のLEDチップ3と複数本のワイヤWのボンディング作業を行なう。
【0034】
次いで、図7に示すように、ケース1を図1〜図3に示す姿勢とは上下反対の姿勢にして、その内部に液状の樹脂2を充填するとともに、この樹脂2内に各リード4の一部と一緒に各LEDチップ3を浸漬させる。樹脂2の充填時には、ケース1の開口部10a,10bを塞いでおき、この部分から樹脂2が外部に流出しないようにしておく。各リード4の一部を樹脂2に浸漬させる際には、各リード4の拡張部42については、樹脂2内に埋没させないようにする。その後は、樹脂2を加熱により硬化させてから、各リード4をたとえば図7の仮想線L2で示す箇所において切断する切断作業と、各リード4を図1〜図3で示した形状に整えるフォーミング加工とを施す。これにより、上記した構成の表示装置Aが得られる。製造用フレームFは、その長手方向にリード4のグループを複数備えているために、製造用フレームFをその長手方向に搬送することにより上記した一連の作業を連続して行い、複数の表示装置Aを効率良く製造することが可能である。
【0035】
図7に示したように、液状の樹脂2に各リード4の一部を浸漬させたときには、図15を参照して説明した従来技術と同様に、毛細管現象の原理によって、図7の矢印N1に示すように、樹脂2の一部が各リード4の突出部4bの両側面を上昇しようとする。ところが、各突出部4bには、樹脂2の一部が進行する方向に対して交差する方向に張り出した拡張部42の一対の面43が存在するために、樹脂2の一部がそれ以上に上昇することが有効に阻止される。したがって、各リード4の突出部4bのうち、一対の面43よりも先端寄りの部分(同図の上方寄りの部分)に液状の樹脂2が付着することが防止される。その結果、表示装置Aの面実装用の各端子部40が樹脂2によって不当に覆われないようにし、たとえば表示装置Aを所望の箇所に面実装する場合には、各端子部40に対してハンダを適切に付着させることができる。
【0036】
図8〜図11は、本願発明の他の実施形態を示している。ただし、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0037】
図8に示す表示装置Aaは、各リード4の突出部4bのうち、基端41の近傍部分は幅wbの細幅状に形成されているのに対し、それよりも先端寄りの部分の全域は、幅wbよりも大きな幅waを有する拡張部42とされている。このような構成によっても、上記実施形態と同様に、各拡張部42は、各突出部4bの基端方向を向く一対の面43を有しているために、樹脂2が各頂部42の先端に向けて伝うことをそれらの面43が有効に阻止する。このように、本願発明においては、各リード4の突出部4bの一部分を除き、その大部分が拡張部42とされた構成にしてもかまわない。ただし、図8に示す実施形態においては、面実装用の端子部40が幅広状とされているために、端子部40どうしの間の寸法Sが小さくなり易い。これに対し、先に説明した表示装置Aの場合には、各端子部40を幅狭に形成できるために、端子部40どうしの間の寸法を大きくし、たとえば互いに隣り合う端子部40にハンダが跨がって付着するといった事態を生じにくくすることができる利点が得られることとなる。
【0038】
図9に示す構成においては、各リード4の拡張部42が互いに一連に繋がっている。このような構成においても、拡張部42には、各突出部4bの基端方向を向く複数の面43を設けることができ、これらの面43によって樹脂2の上昇を阻止することができる。各拡張部42については、樹脂2を硬化させた後の各リード4の切断およびフォーミング工程において、同図の仮想線L3で示す箇所において切断すればよい。これにより、複数のリード4どうしが電気的に短絡しない構成とされた表示装置を得ることができる。このように、本願発明においては、複数の拡張部が一連に繋げられた構成とすることもできる。
【0039】
図10に示す構成においては、各リード4の拡張部42は、その厚みt1が突出部4bの他の部分の厚みt2よりも大きなものとして形成されている。このような構成によれば、樹脂2の一部が矢印N2に示すように、各リード4の拡張部42の厚み方向に対向する2つの面を伝って上昇してくる場合に、この樹脂2の上昇を拡張部42の一対の面43によって阻止することができる。各リード4は、既述したように、金属板にエッチング処理を施すことにより形成することが可能であるが、これに限らず、たとえば金属板に打ち抜きプレス加工を施すことによって形成することもできる。打ち抜きプレス加工により各リード4を形成する場合には、各リード4のエッジに「だれ」を生じて厚み方向に対向する表裏面部が凹状に形成される場合があり、この場合にはこの表裏面部を樹脂2の一部が上昇してくる可能性がある。上記構成によれば、そのような場合に好適に対処することができる。このように、本願発明でいう拡張部とは、各リードの幅と厚みとのいずれが拡張されていてもかまわない。もちろん、幅と厚みとの双方が拡張されていてもかまわない。
【0040】
図11に示す構成においては、各リード4にその一部分を細幅にする凹部47を設けており、このことによって樹脂止め用の一対の面43が設けられている。凹部47よりも同図の上方部分が拡張部42である。このような構成においても、各リード4を樹脂2が伝って上昇することを各面43によって阻止することができる。図1〜図3に示した先の実施形態においては、各リード4の突出部の一部分を幅広にすることにより樹脂止め用の面を形成したが、図11に示したように、各リードの一部に凹部を設けた構成も実質的には各リードに拡張部を設けた構成となっており、本願発明においてはこのような構成にすることもできる。凹部47は、種々の形状に形成することが可能である。
【0041】
本願発明は、上述した実施形態に限定されない。本願発明に係る半導体装置の製造方法の各作業工程の具体的な構成は、種々に変更自在である。たとえば、ケース内に樹脂を充填する作業は、ケース内に半導体素子やリードを収容する収容工程の前に行なうのに代えて、その収容工程の後に行なってもよい。本願発明に係る半導体装置の各部の具体的な構成も、種々に設計変更自在である。
【0042】
本願発明に係る半導体装置は、8セグメントタイプあるいは7セグメントタイプの表示装置に限定されない。たとえば、LEDを1つしか有しない照明用などの発光装置として構成したり、表示装置や発光装置とは異なる種類の半導体装置として構成することもできる。したがって、本願発明でいう半導体素子の具体的な種類や数は限定されるものではなく、またリードの本数やケースの具体的な形状、ならびに封止用の樹脂の具体的な成分なども問わない。リードに形成される実装用の端子部は、面実装用に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】8セグメントタイプの表示装置として構成された本願発明に係る半導体装置の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】図1に示す半導体装置の平面断面図である。
【図5】図1に示す半導体装置の製造に用いられる製造用フレームを示す要部正面図である。
【図6】(a)は、図1に示す半導体装置の製造方法の一工程を示す要部正面図であり、(b)は、(a)のVI−VI断面図である。
【図7】図1に示す半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。
【図8】本願発明に係る半導体装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図9】本願発明に係る半導体装置の製造方法の他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本願発明に係る半導体装置の製造方法の他の実施形態を示す断面図である。
【図11】本願発明に係る半導体装置の他の実施形態を示す要部断面図である。
【図12】従来の半導体装置の一例を示す斜視図である。
【図13】(a)〜(c)は、図12に示す半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図14】(a),(b)は、リードを作製する工程の一例を示す断面図である。
【図15】樹脂がリードに伝って上昇する状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
A 表示装置(半導体装置)
F 製造用フレーム
1 ケース
2 樹脂
3 LEDチップ(半導体素子)
4 リード
4a 埋没部(リードの)
4b 突出部(リードの)
41 基端(突出部の)
42 拡張部
43 面(拡張部の)

Claims (9)

  1. 複数のリードに電気的に接続された半導体素子を、正面壁とこの正面壁の周囲から延出する側壁とをもつケース内に収容する工程と、
    上記半導体素子を封止するための液状の樹脂を上記ケース内に充填する工程と、を有しており、かつ、
    上記各リードには、上記樹脂内に埋没した埋没部と上記樹脂の外部に突出し、少なくとも上記埋没部から所定長さの樹脂寄り部は上記ケースの上記側壁の延びる方向と平行に延びている突出部とを形成する、半導体装置の製造方法であって、
    上記ケースとしては、上記側壁が、第1部分と、この第1部分よりもさらに上記リードの上記突出部が突出する方向に延出する第2部分とを有するものを用い、
    上記各リードとしては、上記樹脂寄り部とされる部分に、幅および厚みの少なくともいずれかが上記樹脂に近い他の一部分よりも拡張されていることによって、上記樹脂の方向を向く面を有する拡張部が設けられ、この拡張部の上記各リードの延び方向の位置が、上記ケースの上記第1部分の延出方向端部と、上記ケースの上記第2部分の延出方向端部との間に設定されているものを用いることを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  2. 上記各リードは、金属板をエッチングすることにより形成され、かつ幅を規定する両側面がエッチング処理面とされたものであり、
    上記拡張部は、上記各リードの幅を拡張することにより形成されている、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 上記各リードは、金属板を打ち抜き加工することにより形成されたものである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 複数のリードに電気的に接続された半導体素子と、この半導体素子を内部に収容し、正面壁とこの正面壁の周囲から延出する側壁とをもつケースと、上記半導体素子を封止するように上記ケース内に充填された樹脂と、を有しており、かつ、
    上記各リードは、上記樹脂内に埋没した埋没部と上記樹脂の外部に突出した突出部とを有し、上記突出部における少なくとも上記埋没部から所定長さの樹脂寄り部は、上記ケースの上記側壁の延びる方向と平行に延びている、半導体装置であって、
    上記ケースの上記側壁は、第1部分と、この第1部分よりもさらに上記リードの上記突出部が突出する方向に延出する第2部分とを有しており、
    上記各リードの上記突出部における上記樹脂寄り部には、幅および厚みの少なくともいずれかが上記樹脂に近い他の一部分よりも拡張された拡張部が設けられており、かつこの拡張部は、上記樹脂の方向を向く面を有しており、
    上記拡張部の上記各リードの延び方向の位置は、上記ケースの上記第1部分の延出方向端部と、上記ケースの上記第2部分の延出方向端部との間に設定されていることを特徴とする、半導体装置。
  5. 上記各リードの突出部のうち、上記拡張部の上記面よりも先端寄りの部分は、実装用の端子部とされている、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 上記端子部は、上記拡張部よりも幅が小さくされている、請求項5に記載の半導体装置。
  7. 上記半導体素子が発光素子であるとともに、上記ケースが上記発光素子から発せられた光を上記正面壁から外部に進行させることが可能とされた表示装置または発光装置として構成されている、請求項4ないし6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 上記ケースの上記側壁の上記第2部分の延出方向端部位置は、上記各リードの突出高さ位置と略等しい、請求項4ないし7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 上記樹脂は、上記ケースの上記側壁の上記第1部分まで充填されている、請求項4ないし8のいずれかに記載の半導体装置。
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