JP4703069B2 - 剥離ライナー、及び感圧性両面接着テープ又はシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感圧性両面接着テープ又はシートに用いられる剥離ライナーと、それを用いた感圧性両面接着テープ又はシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
感圧性接着テープに用いられる剥離ライナーとしては、剥離ライナー用基材上に剥離剤層を設けたものからなっており、ここに用いる剥離剤層として、シリコーン系の剥離処理剤を塗布し、硬化させたものが知られている。例えば、感圧性両面接着テープなどでは、シリコーン系剥離剤を塗布した剥離ライナーを用い、このライナー上にアクリル系感圧性接着剤からなる接着剤層を設けている。
【0003】
他方、上述のようなシリコーン系剥離剤を用いずに、剥離機能を付与させる例として、例えば、剥離ライナー用基材上に、低密度ポリエチレン樹脂層からなる剥離層を、該層における表面の酸化を抑制しながら押出し積層したもの(特公昭51−20205号公報、実開昭63−85642号公報)や、剥離ライナー用基材上に、低密度ポリエチレンと低結晶性エチレン−プロピレン共重合体又は低結晶性エチレン−1−ブテンランダム共重合体との混合樹脂による剥離層を押出し積層したもの(特公昭57−45790号公報、特開平6−155687号公報)などが知られている。これらの剥離ライナーは、次工程で感圧性接着剤層を設け、感圧性接着シートあるいはテープとして用いられる。さらに、ポリオレフィン系樹脂をフィルム状に成形する際、表裏の冷却速度の差を利用して剥離性能に差をつけ、両面接着テープの剥離ライナーとしたもの(特開平8−27441号公報)なども提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような、シリコーン系剥離剤を塗布した剥離ライナーでは、感圧性接着テープを使用する際に、接着剤層側へ剥離ライナー中のシリコーン化合物の一部が付着するため、接着剤層を汚染し、接着性能が著しく損なわれてしまうという問題点がある。
【0005】
また、この種の剥離シートを使用した感圧性接着テープを電子機器の固定用途などに使用すると、電子機器内部の腐食や誤動作を引き起こすという問題がある。これは、剥離ライナー中のシリコーン化合物に由来する接着剤層の汚染が、HDD(磁気記録装置)など、特に電子機器内部に使用される場合に、シロキサンガスの発生源となるためである。
【0006】
一方、剥離ライナー用基材上に、低密度ポリエチレン樹脂層からなる剥離層を、該層における表面の酸化を抑制しながら押出し積層したものの場合、高粘着性を有する感圧接着剤に対しては良好な剥離機能を示さず、剥離時に接着剤が取られたり、パルス状の剥離(いわゆるスティックスリップ)となったりして、接着剤層表面が荒れるため、本来の性能を発揮できないという問題点を有していた。また、フィルム成形時に表裏の冷却速度差を利用したものの場合、表裏に十分な剥離力の差がないため、展開時に剥離面が常に片側とならず、不所望な剥離を引き起こす問題や、補強層を持たないため形状の維持ができないなどの問題があった。
【0007】
また、感圧性接着シートの接着剤層がその用途に応じて性能を異にするのと同様に、剥離剤層に関してもその要求性能は用途に応じて異なる。特に剥離性能に関しては、簡単に展開できるものが要求されたり、ある程度の力をかけないと剥離できないものを要求されたりとまちまちである。そしてこれら多岐にわたる要求に対して応えようとするとき、上記に例示されるような従来技術の場合、各々の要求に対して全く別の素材を適用しなければならない。すなわち、各用途に対し別の素材あるいは配合を使用して剥離層を形成する必要がある。このことは剥離フィルムの製造工程において、その樹脂層を変更しなければならず、非常に重要な問題である。なぜならば、例えばインフレーション成形法やTダイ成形法など公知の押出しフィルム成形法の場合、使用する樹脂の種類を変更する際には、前工程で使用した材料との混合を避ける目的で、生産活動に寄与しない長時間の樹脂入れ替えを余儀なくされるからであり、これによる損失やコストアップは計り知れない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を克服し、感圧性接着剤層を汚染せず、感圧性接着剤層に対して良好な剥離性を有する感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーと、該剥離ライナーを用いた感圧性両面接着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、表面と裏面との間に十分な剥離力の差があり、感圧性両面接着テープ又はシートの展開時に、確実に感圧性接着剤層から剥離可能であって、しかも形状の維持が可能な感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーと、該剥離ライナーを用いた感圧性両面接着テープ又はシートを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、基材シートの両側の剥離フィルム層を構成する素材が同一であっても、剥離フィルム層と感圧性接着剤層との間の剥離力を自由に制御できる感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーと、該剥離ライナーを用いた感圧性両面接着テープ又はシートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、基材シートの両面に剥離フィルム層が設けられた感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーにおいて、前記両剥離フィルム層の少なくとも外側表面を特定の樹脂で構成すると共に、両剥離フィルム層の表面の剥離力が一定の関係となるように調整すると、感圧性両面接着テープ又はシートの感圧性接着剤層を汚染せず、しかも該感圧性接着剤層に対して良好な剥離性を示すことを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、基材シートの両面に剥離フィルム層が設けられた感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーであって、前記両剥離フィルム層の少なくとも外側表面が何れも主モノマー成分を共通とする同種のポリオレフィン系樹脂で構成されており、前記両剥離フィルム層が、互いに異なる延伸倍率で延伸された剥離性フィルムにより形成されていると共に、感圧性接着剤層に対する剥離ライナーの背面側における剥離力(Fa)と主面側における剥離力(Fb)との比がFb/Fa=1.5〜25の関係を充足していることを特徴とする感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーを提供する。
【0011】
前記ポリオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン−α−オレフィン共重合体、これらの混合物などが挙げられる。
【0012】
両剥離フィルム層は、互いに異なる大きさの張力が付与された剥離性フィルムにより形成されていてもよい。
【0013】
本発明は、また、感圧性接着剤層上に、上記の剥離ライナーが、該剥離ライナーの剥離フィルム層と前記感圧性接着剤層とが接するように積層されている感圧性両面接着テープ又はシートを提供する。
なお、本明細書では、上記発明のほか、
基材シートの両面に剥離フィルム層が設けられた感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーであって、前記両剥離フィルム層の少なくとも外側表面が何れもポリオレフィン系樹脂で構成されていると共に、感圧性接着剤層に対する剥離ライナーの背面側における剥離力(Fa)と主面側における剥離力(Fb)との比がFb/Fa=1.5〜25の関係を充足していることを特徴とする感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナー、についても説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーの一例を示す概略断面図であり、図2はこの剥離ライナーを用いた本発明の感圧性両面接着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。
【0015】
図1の剥離ライナー1では、基材シート2の両面に剥離フィルム層4a,4bがそれぞれ接着剤層3,3を介して設けられている。また、図2の感圧性両面接着テープ又はシート6では、感圧性接着剤層5の上に、前記の剥離ライナー1が、剥離フィルム層4bが感圧性接着剤層5に接するように積層されている。
【0016】
基材シート2としては、剥離ライナー1全体の補強層の役割を担うものであればいずれも好適に使用することができ、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレンや、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド(ナイロン)、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム;アルミ箔、ステンレス箔などの金属箔;和紙、クラフト紙、上質紙、クレープ紙などの紙が用いられる。また、これらの積層物であってもよい。基材シート2の厚みは、用途などに応じて適宜選択できるが、一般には30〜200μm程度である。
【0017】
前記両剥離フィルム層4a,4bの少なくとも外側表面はポリオレフィン系樹脂で構成されている。ポリオレフィン系樹脂としては、本質的に剥離機能を有する材料であれば何れも使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレンと、1種又は2種以上の炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体等)などが挙げられる。これらの中でもより好ましいのはポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体であり、さらに好ましくは前記エチレン−α−オレフィン共重合体である。
【0018】
このようなポリオレフィン系樹脂は公知の方法により製造できる。その際、製造条件や、製造後の精製、分別条件などを適宜選択することにより、種々の物性を有するポリオレフィン系樹脂を容易に得ることができる。また、ポリオレフィン系樹脂としては市販品をそのまま使用してもよい。
【0019】
剥離フィルム層4a,4bを形成するための剥離性フィルムは、上述のようなポリオレフィン系樹脂、又は必要に応じて該ポリオレフィン系樹脂に剥離性や成膜性などを損なわない範囲で少量の他の成分(例えば、樹脂成分や添加物)を加えた混合物を、インフレーション成形法や、Tダイ押出し成形法などにより成膜化して単層のシート形状とすることにより製造できる。また、前記剥離性フィルムは複数のフィルムで構成されていてもよい。このような複層の剥離性フィルムは、例えば、複数種の熱可塑性樹脂組成物を共押出し成形(インフレーション法でもTダイ法でも可)に付したり、予め相異なる熱可塑性樹脂組成物から得た複数種のフィルムをドライラミネート法や熱ラミネート法により貼り合わせることにより製造できる。前記熱可塑性樹脂としては、前述のポリオレフィン系樹脂のほか、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはそのけん化物、エチレン−アクリル酸共重合体などのエチレン共重合体などが挙げられる。この場合、複数種の熱可塑性樹脂のうち少なくとも1種はポリオレフィン系樹脂を用い、且つ該ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム層が最外層となるように作製する。剥離性フィルムの厚みは用途などに応じて適宜選択できるが、一般には15〜100μm程度であり、好ましくは20〜40μmである。
【0020】
本発明における剥離ライナー1は、例えば、上記の基材シート2と剥離性フィルムとをドライラミネート法という従来公知の方法を用いて貼り合わせることにより得ることができる。より具体的には、基材シート2の両側の面に、厚さが0.5〜30μm、好ましくは1〜15μmの接着剤層3,3を、溶剤系、エマルション系又はホットメルト系などの接着剤を塗布し、乾燥することにより設け、この上に前記剥離性フィルムを貼り合わせて剥離フィルム層4a,4bとすることにより製造できる。なお、前記剥離性フィルムが複層である場合には、ポリオレフィン系樹脂フィルム層が外側に位置するように貼り合わせる。
【0021】
接着剤層3,3を構成する接着剤としては、基材シート2と剥離性フィルムとの間の接着性が十分得られるものであればいかなるものも使用できるが、一般にはエステルウレタン系やエーテルウレタン系の接着剤がより好適に使用できる。なお、基材シート2と剥離性フィルムのうち基材シート2側の面が互いに接着しやすい素材の組み合わせであれば、必ずしも接着剤を使用しなくてもよい。また、剥離性フィルムや基材シート2の該接着剤と接する面には、予めコロナ処理や火炎処理などの易接着性処理を施しておくこともできる。
【0022】
本発明の剥離ライナー1の重要な特徴は、感圧性接着剤層5に対する剥離ライナー1の背面側(例えばロール形状の感圧性両面接着テープ又はシート6とした場合に初めに展開する第1剥離面の側;相対的に剥離しやすい側)における剥離力(Fa)と主面側(前記感圧性両面接着シートを一旦被着体などに接着した後に剥離ライナーを除去する際の第2剥離面の側;相対的に剥離しにくい側)における剥離力(Fb)との比がFb/Fa=1.5〜25の関係を充足している点にある。前記Fb/Faは、好ましくは2.0〜15程度であり、さらに好ましくは2.5〜10程度である。また、前記剥離力Faは、好ましくは0.2N/50mm幅〜5N/50mm幅、さらに好ましくは0.3N/50mm幅〜2N/50mm幅程度である(剥離力の測定方法は後述の方法による)。
【0023】
剥離ライナー1の剥離機能の制御、すなわち前記背面側における剥離力(Fa)と主面側における剥離力(Fb)の制御は、例えば、上記ドライラミネート法による貼り合わせ工程において、接着剤を塗布した基材シート2に貼り合わせる剥離性フィルムにかかる張力を制御することにより行うことができる。より具体的には、剥離性フィルムが繰り出されてから貼り合わせロールで基材シート2と貼り合わされるまでのパスラインにおける張力を設定し、その張力を変化させることにより、所望の剥離力を有する剥離ライナー1を得ることができる。設備的には、貼り合わせロールから剥離性フィルムの繰り出されてくる方向へパスラインをさかのぼり、そのはじめに到達する張力制御ロール(いわゆるダンサーロール)との間の張力を設定すればよい。ダンサーロールがない設備であっても、剥離性フィルムの繰り出し機によって張力設定が可能なので、それを利用することもできる。
【0024】
本発明者らは、この張力設定値が高いほど感圧接着剤層5に対する剥離ライナーの剥離時の抵抗力(すなわち、剥離力)が増大するということをつきとめた。そして、それは剥離性フィルムが受けた張力に対する伸びの度合い(すなわち延伸倍率)に由来するということも発見した。すなわち、ある所望の剥離力を得ようとした場合、前述の剥離性フィルムに対して予めその応力と伸び(延伸倍率)の関係、及び延伸倍率に対する剥離力の関係を調べておくことで検量線を作成することができ、この検量線から貼り合わせ工程における張力値を決定することができる。この方法によれば、貼り合わせ機の張力設定を変えるのみで剥離力を自由に調整できるので、剥離力の調整のために剥離性フィルムの構成材料を変える必要がない。
【0025】
一方、剥離力調整のための延伸の操作は、延伸による剥離性フィルムの破断や、極端な幅方向収縮を伴う領域、さらには剥離性フィルム自身の剛性が高すぎて延伸するための張力が高くなりすぎるような領域では使用できないが、この領域に達すると延伸倍率に伴う剥離力の変化が見られなくなるため、実質はこのような領域に条件を設定することがない。また、ドライラミネート法においては貼り合わせ工程における張力が0になることは原理上ないので、本発明において好適に剥離力を調整できる延伸倍率は通常1.001〜1.800倍(延伸を行わないフィルムを1とした場合)の範囲であり、好ましくは1.002〜1.600倍、さらに好ましくは1.003〜1.300倍である。
【0026】
本発明の剥離ライナー1は、前記のように基材シート2の両面に剥離フィルムを貼り合わせることで製造できる。この場合、背面側における剥離力Faと主面側における剥離力Fbとに差をつけるには、例えば、まず基材シート2の片側の面に前記方法により剥離性フィルムを貼り合わせ、次いで、基材シート2のもう一方の側の面に最初に貼り合わせた剥離性フィルムと異なる延伸倍率で延伸された剥離性フィルムを貼り合わせればよい。このとき、基材シート2の両面に貼り合わせる2つの剥離性フィルムの貼り合わせ時における延伸倍率が同じであると、2つの剥離性フィルムの材料が同一の場合には、背面側(第1剥離面側)の剥離力と主面側(第2剥離面側)の剥離力に差がなくなるため、展開面がまちまちになるという不具合が生じる。
【0027】
ロール形状の感圧性両面接着テープ又はシート6を作製する場合に良好な展開を行うための具体的な延伸倍率としては、剥離性フィルムの構成成分によっても異なるが、前記の設定範囲内で、剥離ライナー1の背面側の剥離性フィルムの貼り合わせ時における延伸倍率(Ra)と主面側の剥離性フィルムの貼り合わせ時における延伸倍率(Rb)とが、例えば以下の関係を満たしているのが好ましい。
3≦{(Rb−1)/(Ra−1)}≦20
【0028】
このように、基材シート2の両面の剥離フィルム層を、互いに異なる延伸倍率で延伸された剥離性フィルム(或いは、互いに異なる大きさの張力が付与された剥離性フィルム)により形成することにより、FaとFbとの比を前記特定の範囲に調整する方法によれば、両剥離フィルム層4a,4b(或いは、それらの少なくとも外側表面)を、あえて異なる材料からなる剥離性フィルムで形成する必要が無く、主モノマー成分を共通とする同種のポリオレフィン系樹脂(好ましくはモノマー成分が同一のポリオレフィン系樹脂、さらに好ましくはモノマー成分及びその割合が同一のポリオレフィン系樹脂)で構成することが可能となる。そのため、剥離ライナー1の製造工程において、両剥離フィルム層4a,4bを構成する樹脂の入れ替え作業を簡略化又は省略でき、効率よく剥離ライナー1を製造することができる。
【0029】
本発明の感圧性両面接着テープ又はシート6は、例えば、上記の剥離ライナー1の一方の側の剥離フィルム層4b上に、溶剤系、エマルション系、ホットメルト系などの接着剤を塗布、乾燥して、厚さ10〜200μm、好ましくは20〜150μmの感圧性接着剤層5を設け、必要に応じてロール状に捲回することにより製造できる。なお、感圧性接着剤層5は、中間層として、厚さが10〜100μm程度の薄葉体(例えば、紙、布、不織布などの多孔質基材、プラスチックフィルムやシート、又はその発泡体、金属箔など)を含んでいてもよい。
【0030】
このような種々の形態の感圧性両面接着テープ又はシート6において、感圧性接着剤層5を構成する接着剤としては、種々の接着剤を適宜選択して使用できる。該接着剤は単独で用いてもよく、また2種以上を混合、攪拌等によりブレンドして使用することもできる。好ましい接着剤にはアクリル系粘着剤が含まれる。このアクリル系粘着剤は、溶液重合法、エマルション重合法などの重合法により得られるアクリル系ポリマーを主剤とし、これに必要により、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤などの各種の添加剤を加えて調製される。
【0031】
上記アクリル系ポリマーは、通常、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートを主モノマー成分とし、これに必要により、共重合可能な改質用モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマー、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、酢酸ビニルなどのビニルエステル類等の他のモノマーを加えたモノマー混合物を共重合することにより得られる。このようなアクリル系ポリマーを主剤とするアクリル系粘着剤により感圧性接着剤層5を構成すると、前記剥離ライナー1の剥離性能制御に一段と良い結果が得られる。
【0032】
本発明の感圧性両面接着テープ又はシート6は、例えば電子材料分野などの広範な分野で使用できるが、特にコンピュータのハードディスク装置用のシリコーンフリー粘着テープ又はシートなどとして有用である。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
【0034】
実施例1
エチレン−1−ヘキセン共重合体である線状低密度ポリエチレン樹脂(商品名「ジェイレクス LLAC41SA」、日本ポリオレフィン社製)100部と、ブロッキング防止剤(商品名「BB−32」、出光石油化学社製)2.5部との混合樹脂を、インフレーション成形に付し、押出し温度220℃、ブロー比1.38、ダイ口径500mmφ、ダイギャップ2mm、折り径1065mm、引き取り速度25m/minの条件にて、シート厚さ25μmの剥離性フィルムを作製した。
エステルウレタン系アンカーコート剤(商品名「AD−527」、東洋モートン社製)100部に硬化促進剤(商品名「CAT HY−91」、東洋モートン社製)7部を配合し、その後固形分濃度が30重量%となるように酢酸エチルを加えて、接着剤溶液を調製した。この接着剤溶液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラー S−27−50」、東レ社製;基材シート)の一方の面に、マイヤーバー♯6により塗布し、80℃で90秒乾燥させた。この接着剤塗布面に、上記で得た剥離性フィルムを延伸倍率1.005倍に引き伸ばしながら貼り合わせた。次に、上記ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面に、上記と同様な方法にて接着剤を塗布、乾燥させた。この接着剤塗布面に、上で得た同じ剥離性フィルムを延伸倍率1.050倍に引き伸ばしながら貼り合わせることにより、感圧性両面接着シート用の剥離ライナーを作製した。
一方、n−ブチルアクリレート100部とアクリル酸5部を、トルエンを溶媒とし、ベンゾイルパーオキサイドを開始剤として常法により溶液重合させて、重量平均分子量が50万のアクリル系ポリマーの溶液(固形分30%)を得た。これに、アクリル系ポリマー100部あたり、メラミン系架橋剤を1.5部、イソシアネート系架橋剤を3部配合して、アクリル系感圧性接着剤を調製した。得られたアクリル系感圧性接着剤を、乾燥後の厚さが30μmとなるように前記剥離ライナーの剥離フィルム層上に塗工して感圧性接着剤層を設け、捲回することにより感圧性両面接着テープを作製した。
【0035】
比較例1
ポリエチレンテレフタレートフィルム(基材シート)の両面に剥離性フィルムをそれぞれ貼り合わせる際の剥離フィルムの延伸倍率を、両面とも1.005倍とした以外は実施例1と同様にして、感圧性両面接着テープを作製した。
【0036】
剥離性試験
(感圧性両面接着テープにおける剥離ライナーの背面側及び主面側の剥離力)
実施例及び比較例で作製した感圧性両面接着テープを、感圧性接着剤層の両側に剥離ライナーが積層された状態となるように、50mm幅に切断し、剥離ライナーの背面側及び主面側の各々について、剥離ライナー側を23℃、60%RHの雰囲気中で、万能引張試験機にて180°方向に、クロスヘッドのスピード300mm/minの速度で引き剥がした時の抵抗(剥離力)を調べた。
【0037】
(感圧性両面接着テープの展開性)
感圧性両面接着テープを展開したときの状態を調べ、下記の基準で展開性(剥離性)を評価した。
○:片側にきれいに剥がれ、うまく展開できた。
×:互い違いに剥がれるなど不具合が発生した。
これらの剥離性試験の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1より明らかなように、本発明の感圧性両面接着テープに該当する実施例1では、基材シートの両面に異なる延伸倍率で延伸された剥離フィルムを貼り合わせることにより、剥離ライナーの両側の表面の剥離力の比が特定の範囲内に調整されているため、良好な剥離性が得られる。これに対して、比較例1の感圧性両面接着テープでは、剥離ライナーの両側の表面の剥離力がほぼ等しいため、良好な剥離性が得られない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、剥離ライナーの両表面がポリオレフィン系樹脂で構成されているので、感圧性接着剤層が汚染されず、しかも剥離ライナーを感圧性接着剤層から円滑に剥離できる。また、剥離ライナーの表面と裏面との間に十分な剥離力の差があるため、感圧性両面接着テープ又はシートの展開時には、円滑に接着剤層から剥離できる。さらに、剥離ライナーは基材シートを有しているため、形状の維持が可能である。また、基材シートの両面の剥離フィルム層を延伸倍率の異なる剥離性フィルムで形成する場合には、剥離フィルム層の素材が同種又は同一であっても、延伸倍率を調整することにより剥離ライナーの両側の面の剥離力を自由に制御できるので、生産効率の向上及び生産コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の感圧性両面接着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 剥離ライナー
2 基材シート
3 接着剤層
4a 剥離フィルム層
4b 剥離フィルム層
5 感圧性接着剤層
6 感圧性両面接着テープ又はシート
Claims (4)
- 基材シートの両面に剥離フィルム層が設けられた感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナーであって、前記両剥離フィルム層の少なくとも外側表面が何れも主モノマー成分を共通とする同種のポリオレフィン系樹脂で構成されており、前記両剥離フィルム層が、互いに異なる延伸倍率で延伸された剥離性フィルムにより形成されていると共に、感圧性接着剤層に対する剥離ライナーの背面側における剥離力(Fa)と主面側における剥離力(Fb)との比がFb/Fa=1.5〜25の関係を充足していることを特徴とする感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナー。
- ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、エチレン−α−オレフィン共重合体、又はこれらの混合物である請求項1記載の感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナー。
- 両剥離フィルム層が、互いに異なる大きさの張力が付与された剥離性フィルムにより形成されている請求項1又は2に記載の感圧性両面接着テープ又はシート用剥離ライナー。
- 感圧性接着剤層上に、請求項1〜3の何れか1項に記載の剥離ライナーが、該剥離ライナーの剥離フィルム層と前記感圧性接着剤層とが接するように積層されている感圧性両面接着テープ又はシート。
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