JP4700203B2 - 蓋体付き容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スナック菓子やインスタント麺等の食品等の被収容物を収容する蓋体付き容器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の蓋体付き容器としては、上方に開口する有底円筒状の紙製又はプラスチック製の容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞する可撓性を有するシート材からなる蓋体とを備えたものが公知である。そして、容器本体に例えばスナック菓子を収容し、容器本体の上端部に周設されたフランジ部の上面に前記蓋体をヒートシールにより剥離可能に接着している。
【0003】
収容されたスナック菓子を食する場合には、蓋体の一部分を摘んで引き上げながら略半分まで蓋体を剥離して部分開封し、それにより略半分開口した開口部からスナック菓子を取り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記容器は、蓋体を一旦剥離すると、シール性が喪失するため、閉塞性に劣る欠点があった。スナック菓子等は、一度に全部を食するとは限らず、所望する分だけ適宜食べて残しておきたい場合もある。かかる場合には、蓋体は閉塞性に劣るため、不用意にこぼしてしまうおそれがあり、携帯するのに非常に不便であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされ、簡易な構成で確実且つ容易に蓋体の閉塞状態を維持することが可能な蓋体付き容器を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る蓋体付き容器は、上方に開口する有底筒状の容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞すべく、その上面に剥離可能に接着されている可撓性を有するシート体からなる蓋体とを備えている蓋体付き容器において、前記容器本体には、閉塞手段が設けられ、該閉塞手段は、熱収縮性フィルムによって形成されるとともに、容器本体に装着される筒状の保持部と、前記蓋体の全周縁部を被覆する全周被覆部とを備え、前記蓋体の周方向の一部分を露出するべく、該全周被覆部から保持部の周方向にわたって切除手段が形成され、該切除手段に沿って閉塞手段を破断することにより、前記蓋体の剥離された周縁部を被覆すべく、蓋体の周方向に回転自在部分被覆部を形成できるようにしたことにある。
【0007】
更に、前記容器本体の外周に装着される、熱収縮性フィルムからなる筒状のラベルを備えており、前記ラベルは、蓋体の上面から容器本体の下面にわたって設けられ、前記ラベルには、上部材と下部材とに分離するための切除手段が周方向に形成されており、前記上部材が前記閉塞手段となることにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蓋体付き容器の実施の形態について図面を参酌しつつ、説明する。
図1〜図4は、本発明の第一実施の形態を示し、前記容器は、上方に開口する有底筒状の容器本体1と、該容器本体1の開口部を閉塞する蓋体2と、再閉用の閉塞手段7とを備えている。
【0009】
前記容器本体1は、紙、合成紙やこれらとプラスチックフィルムやアルミニウム箔を積層したシートから胴部と底部を形成したもの。又は例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン及びそれらの発泡樹脂等の合成樹脂を射出成形等することにより形成されたものが使用される。容器本体1の上端部には、外方に向けて突出するフランジ部3が全周に亘って形成されている。尚、容器本体1の外周には、熱収縮性フィルムからなる筒状のラベル5が装着されている。
【0010】
前記蓋体2は、例えば二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ポリアミドフィルム、紙、合成紙、アルミ箔等の単層又は複層の厚さが20乃至200μm程度のシート材から形成されており、本実施形態では、ヒートシールによりフランジ部3の上面に剥離可能に接着されている。そのため、蓋体2は、最下層に例えばポリエチレン系やポリプロピレン系のイージーピールシーラント層(ヒートシール後に剥離可能あるいは破壊可能となるシーラント層)を有する多層シート材から構成されている。
【0011】
前記閉塞手段7は、前記筒状のラベル5と同様に熱収縮性のフィルムから筒状に形成されている。熱収縮性のフィルムとしては、厚さ30〜100μm(好ましくは40〜80μm)のポリエステル系、ポリスチレン系のものが好ましく、内側の略全面に印刷が施されている。また、閉塞手段7は、容器本体1の上部に位置し且つ、前記ラベル5の外周(容器本体の上部)及びフランジ部の外周に回転自在に装着されている。
【0012】
前記閉塞手段7は、容器本体1に装着される筒状の保持部8と、前記蓋体の周縁部の全周を被覆するように、環状に屈曲形成された全周被覆部9とを備えている。該全周被覆部9は、筒状の熱収縮フィルムを容器本体1に外嵌させた後、閉塞手段7を熱収縮させることにより、容器の胴部、フランジ部及び蓋体の周縁部に沿うように形成することができる。これによって、容器は流通時の封緘性が維持される。
【0013】
前記全周被覆部9から保持部8の周方向にわたって切り込み11を起点としてミシン目(切除手段)10が形成され、該ミシン目10に沿って閉塞手段7を破断することにより、蓋体2の周方向の一部に部分被覆部12を残存できるようにしている。ここで、部分被覆部12の周方向の長さは、切断により除去されるスクラップ部分15の周長さよりも長く設定するのが好ましい。
【0014】
次に、前記容器内のスナック菓子を食する場合について説明する。
先ず、切り込み11からミシン目10に沿って閉塞手段7を破断すると、全周被覆部9の略半分と保持部8の上部が除去される(図3(イ)参照)。次に、露出する蓋体2の一部分2aを剥離するのであるが、蓋体2の剥離は、部分被覆部12の先端により規制されるため、所定の一部分2aが剥離されることとなる(図3(ロ)参照)。そして、容器本体1の開口1aから被収納物であるスナック菓子を取り出すことができる。
【0015】
その後、閉塞手段7を略180°(閉塞位置まで)回転させることにより、蓋体2の剥離された一部分2aを被覆する(図4(イ)及び(ロ)参照)。蓋体2の剥離された一部分2aは、閉塞手段7の部分被覆部12で順次押えられながら閉塞され且つその状態を維持されるため、被収納物がこぼれ落ちることはない。また、部分被覆部12の周方向の長さは、切断により除去されるスクラップ部分15の周長さよりも長く(容器本体1のフランジ部の半周よりも長く)設定していることから、蓋体2の剥離された一部分2aの全周長にわたって部分被覆部12で覆うため、衛生的でもある。
尚、図4(ロ)に示すAは剥離された一部分2aの容器本体1の径方向の長さを示す。
本第一実施の形態は、開封する以前の閉塞手段7の全周被覆部9が、蓋体2と容器本体1のフランジ部3とのシール部分全周を覆うため、フランジ部周縁の汚れ等が防止できることとなり、容器本体1の全体を別途ほこり等の汚れ防止用に熱収縮フィルムでオーバーラップする必要がない。
【0016】
図5は本発明の第二実施の形態を示す。本実施の形態は、前記筒状のラベルが閉塞手段を兼用する場合である。即ち、蓋体2の上面から容器本体1の下面にわたって設けられた筒状のラベル5には、上部材5aと下部材5bとを分離するためのミシン目17が周方向に形成されている。
【0017】
また、下部材5bは容器本体1に対して回転しないように接着剤を介して容器本体1に固着されている。従って、上部材5aを回転させることにより、ミシン目17に沿って筒状のラベル5が二分割され、上部材5aが閉塞手段となる。以下、前記第一実施の形態で示した如くミシン目10に沿ってスクラップ部分15を除去し、蓋体2の一部を剥離して被収納物を取り出した後に、上部材5aを閉塞位置まで回転させる。
【0018】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、前記閉塞手段は、図3(イ)に示す如く前記スクラップ部分が除去されたのと同じ形態に予め設定しておいても良く、かかる場合には、熱収縮性フィルムでオーバーラップして容器本体1及び蓋体2の全体を被覆するのが好ましい。
【0019】
また、前記筒状の熱収縮フィルムではなく、真空成形等のシート成形や射出成形によって容器本体1上部のフランジ部等に嵌合される閉塞手段(図6参照)を形成することもできる(参考形態)。このような成形品からなる閉塞手段7は、フランジ部3に嵌合させる嵌合部7aを備え、フランジ部3の周方向に沿って回転可能になっている。また、閉塞手段7が容器本体1のフランジ部の半円よりも長く設定されているのが好ましいのは、前記同様である。
【0020】
また、前記成形品からなる閉塞手段7は、図7に示す如く、例えば摘み15aを引き上げミシン目等によって切除可能なスクラップ部分15を有するものでも良い(他の参考形態)。かかるスクラップ部分15側には、前記嵌合部7aは設けておらず、容易にフランジ部3から離脱できるようになっている。
【0021】
更に、容器本体1の形状もテーパー状に限定されるものではなく、茶筒のように円柱状または角筒状で合っても良く、特に限定されるものではない。
【0022】
また、被収容物は、前記スナック菓子に限定されるものではなく、湯を注いで食することができるインスタント麺で合っても良く、かかるインスタント麺の場合には、湯で調理する際に、蓋体を容易に閉塞できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明の蓋体付き容器は、以上のように構成したので、閉塞手段を回転させるという簡単な操作により、簡易な構成で確実且つ容易に部分的に剥離された蓋体の閉塞状態を維持することができ、シート状の蓋体に再閉性を持たせることが可能となる。
【0024】
従って、被収納物が例えばスナック菓子の場合には、所望する分だけ食した後に、残りのものを容器本体に収納した状態で携帯するのに非常に便利である。また、被収納物が例えばインスタント麺のように湯を容器本体に注いだ後に、蓋体を所定時間閉塞しておくのに非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態の蓋体付き容器を示す一部破断を含む全体斜視図。
【図2】同要部を示す断面正面図。
【図3】(イ)は閉塞手段のからスクラップ部分を除去した状態を示す要部斜視図、(ロ)は蓋体を開封した状態の要部斜視図。
【図4】(イ)は閉塞手段で蓋体の剥離した部分を閉塞した状態の要部斜視図、(ロ)は、同要部を示す断面正面図。
【図5】第二実施の形態における蓋体付き容器を示す斜視図。
【図6】参考形態における蓋体付き容器を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は断面図正面。
【図7】他の参考形態における蓋体付き容器を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は断面図正面。
【符号の説明】
1…容器本体、2…蓋体、3…フランジ部、7…閉塞手段、8…保持部、9…全周被覆部、12…部分被覆部

Claims (2)

  1. 上方に開口する有底筒状の容器本体と、該容器本体の開口部を閉塞すべく、その上面に剥離可能に接着されている可撓性を有するシート体からなる蓋体とを備えている蓋体付き容器において、
    前記容器本体には、閉塞手段が設けられ、該閉塞手段は、熱収縮性フィルムによって形成されるとともに、容器本体に装着される筒状の保持部と、前記蓋体の全周縁部を被覆する全周被覆部とを備え、前記蓋体の周方向の一部分を露出するべく、該全周被覆部から保持部の周方向にわたって切除手段が形成され、該切除手段に沿って閉塞手段を破断することにより、前記蓋体の剥離された周縁部を被覆すべく、蓋体の周方向に回転自在な部分被覆部を形成できるようにしたことを特徴とする蓋体付き容器。
  2. 更に、前記容器本体の外周に装着される、熱収縮性フィルムからなる筒状のラベルを備えており、
    前記ラベルは、蓋体の上面から容器本体の下面にわたって設けられ、
    前記ラベルには、上部材と下部材とに分離するための切除手段が周方向に形成されており、
    前記上部材が前記閉塞手段となる、請求項に記載の蓋体付き容器。
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