JPH0783688B2 - 味醂風調味料 - Google Patents
味醂風調味料Info
- Publication number
- JPH0783688B2 JPH0783688B2 JP62250235A JP25023587A JPH0783688B2 JP H0783688 B2 JPH0783688 B2 JP H0783688B2 JP 62250235 A JP62250235 A JP 62250235A JP 25023587 A JP25023587 A JP 25023587A JP H0783688 B2 JPH0783688 B2 JP H0783688B2
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- JP
- Japan
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- mirin
- seasoning
- acid
- style
- fumaric acid
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Description
本発明は、開栓しても長期間変敗し難い味醂風調味料に
関する。
関する。
(背景) 「みりん(味醂)風調味料」は、味醂の風味を有しなが
ら殆ど酒精分を含有しない調味料の総称であって、酒税
法上の酒類に該当しないため価格が本味醂より安価であ
り、このため、今日料理用に広く用いられている。しか
しその反面、本調味料は殆ど酒精分含有していないた
め、開栓後、黴、酵母等の微生物により汚染され易く、
仮令冷蔵保存した場合でも、長期に亙り当初の風味を維
持させるのは困難である。
ら殆ど酒精分を含有しない調味料の総称であって、酒税
法上の酒類に該当しないため価格が本味醂より安価であ
り、このため、今日料理用に広く用いられている。しか
しその反面、本調味料は殆ど酒精分含有していないた
め、開栓後、黴、酵母等の微生物により汚染され易く、
仮令冷蔵保存した場合でも、長期に亙り当初の風味を維
持させるのは困難である。
(従来の技術) 以上の事情に鑑み、本発明者らは先に特許第1261964号
に係る発明をし、味醂風調味料をリン酸を用いてpH2.7
未満、好ましくは2.5前後に調整することにより、酵母
による変敗を事実上阻止できることを見出した。そして
この方法は、今日も出願人の日の出印製品に実施されて
いる。 (従来技術の問題点) しかしながら、リン酸は固有の渋みを有するので、実質
的にその存在を味覚させないとは云いながら必ずしも理
想的な対策ではない。のみならず、このものは微生物や
藻類の栄養源であるので、その使用は生活排水へのリン
酸排出の一因となるが、これは環境保全上好ましいこと
ではない。
に係る発明をし、味醂風調味料をリン酸を用いてpH2.7
未満、好ましくは2.5前後に調整することにより、酵母
による変敗を事実上阻止できることを見出した。そして
この方法は、今日も出願人の日の出印製品に実施されて
いる。 (従来技術の問題点) しかしながら、リン酸は固有の渋みを有するので、実質
的にその存在を味覚させないとは云いながら必ずしも理
想的な対策ではない。のみならず、このものは微生物や
藻類の栄養源であるので、その使用は生活排水へのリン
酸排出の一因となるが、これは環境保全上好ましいこと
ではない。
そこで本発明は、味醂風調味料に対し、リン酸を使用せ
ずに酵母の増殖を阻止する手段を提供するのを目的とす
る。
ずに酵母の増殖を阻止する手段を提供するのを目的とす
る。
(概要) 本発明に係る味醂風調味料は、以上の目的を達成するた
め、フマル酸によりpH2.7未満、好ましくはpH2.5付近に
調整されていることを特徴とする。 (味醂風調味料) 本発明において、「味醂風調味料」というのは、糖を主
成分としてアルコールを1v/v%未満含有するもの、及び
アルコールを1v/v%以上含有するものでは、食塩の添加
等による相応の不可飲処置が施された結果、酒税法上の
酒類に該当しないとされるものであって、その主要な効
果として、味醂と同様に食物に対し甘味や光沢を与える
調味料を総称する概念である。 (発明完成の経過) 本発明者らは、当初食品添加物として使用可能な種々の
抗菌性物質、例えばビタミンB1ラウリル硫酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、庶糖脂肪酸エ
ステル、グリシン等を用いて味醂風調味料に対する抗菌
性の付与を試みたが、異味、異臭、液の濁り等の点で実
用的なものはなかった。 (1)そこで先発明と同じく各種有機酸によるpH低下法
を再検討した。下表−1は、各種可食性有機酸溶液のpH
低下効果を示す。 (2)そこで、残る乳酸、酒石酸及びフマル酸に対照と
してリン酸を加え、味醂風調味料をpH2.5付近まで調整
したときの酸度を測定した結果は下表−2の通りであっ
た。表から明らかな如く、フマル酸の酸度は最低の価を
示した。 (3)以上の結果から、フマール酸及び先発明のリン酸
がpH低下剤として優れていることが判ったので、両者に
より夫々pH2.45に調整された味醂風調味料を滅菌後、開
栓し、3ケ月間種々の温度下に放置して菌の発生を検査
した。結果を下表−3として示す。表示の通り、両酸間
には差異が認められない。 (4)更に、リン酸無添加味醂風調味料(pH3.5)及び
各種有機酸でpH2.5に調整された味醂風調味料を室温で
放置して微生物の増殖を調べた結果は下表−4の通りで
あった。この結果から見ると、リン酸、酒石酸、乳酸及
びフマル酸は、何れも3ケ月目迄は同等の増殖抑制効果
を示すことが窺われる。 (官能検査) 以上の通り、風味及び抗菌力の何れの点でもフマル酸の
実用性が推定されたので、リン酸を用いた従来の味醂風
調味料とフマル酸を使用した新味醂風調味料とをパネル
に比較させた結果は下記の如くであった。結論として、
リン酸使用の従来品と、フマル酸使用の発明品との間に
調味効果の点では差異が認められないが、調味料自体の
酸味はフマル酸使用のものの方が円やかである。 (1)フマル酸使用味醂風調味料とリン酸使用味醂風調
味料との三点識別試験較 パネル数:29,正解数:8 両者間に有意差なし (2)フマル酸使用味醂風調味料とリン酸使用味醂風調
味料の酸化比較試験((1)の正解者8名につき実施) ○フマル酸使用味醂風調味料の方が酸味が強いとした人
数 0名 ○リン酸使用味醂風調味料の方が酸味が強いとした人数
8名 (3)料理におけるフマル酸使用味醂風調味料とリン酸
使用味醂風調味料の比較 さば煮つけ パネル数:20,正解数:5 切り干し大根煮つけ パネル数:20,正解数:6 (その他) 本発明の要旨は、上述の如く味醂風調味料がフマル酸に
よりpH2.7未満、好ましくはpH2.5付近に調整されている
ことを要旨とするものであるが、実際上酒石酸その他の
有機酸類の併用を妨げるものではなく、殊に加塩発酵型
の味醂風調味料では、必然的に乳酸、クエン酸、リンゴ
酸、コハク酸等の有機酸を含有するから、この場合、フ
マル酸は調味料のpHを2.7未満、好ましくは2.5付近にま
で低下させるため添加される。それ故、本発明の趣旨
は、味醂風調味料を主としてフマル酸を用いてpH2.7未
満、好ましくはpHが2.5付近に調整する点に在るものと
理解されるべきである。
め、フマル酸によりpH2.7未満、好ましくはpH2.5付近に
調整されていることを特徴とする。 (味醂風調味料) 本発明において、「味醂風調味料」というのは、糖を主
成分としてアルコールを1v/v%未満含有するもの、及び
アルコールを1v/v%以上含有するものでは、食塩の添加
等による相応の不可飲処置が施された結果、酒税法上の
酒類に該当しないとされるものであって、その主要な効
果として、味醂と同様に食物に対し甘味や光沢を与える
調味料を総称する概念である。 (発明完成の経過) 本発明者らは、当初食品添加物として使用可能な種々の
抗菌性物質、例えばビタミンB1ラウリル硫酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、庶糖脂肪酸エ
ステル、グリシン等を用いて味醂風調味料に対する抗菌
性の付与を試みたが、異味、異臭、液の濁り等の点で実
用的なものはなかった。 (1)そこで先発明と同じく各種有機酸によるpH低下法
を再検討した。下表−1は、各種可食性有機酸溶液のpH
低下効果を示す。 (2)そこで、残る乳酸、酒石酸及びフマル酸に対照と
してリン酸を加え、味醂風調味料をpH2.5付近まで調整
したときの酸度を測定した結果は下表−2の通りであっ
た。表から明らかな如く、フマル酸の酸度は最低の価を
示した。 (3)以上の結果から、フマール酸及び先発明のリン酸
がpH低下剤として優れていることが判ったので、両者に
より夫々pH2.45に調整された味醂風調味料を滅菌後、開
栓し、3ケ月間種々の温度下に放置して菌の発生を検査
した。結果を下表−3として示す。表示の通り、両酸間
には差異が認められない。 (4)更に、リン酸無添加味醂風調味料(pH3.5)及び
各種有機酸でpH2.5に調整された味醂風調味料を室温で
放置して微生物の増殖を調べた結果は下表−4の通りで
あった。この結果から見ると、リン酸、酒石酸、乳酸及
びフマル酸は、何れも3ケ月目迄は同等の増殖抑制効果
を示すことが窺われる。 (官能検査) 以上の通り、風味及び抗菌力の何れの点でもフマル酸の
実用性が推定されたので、リン酸を用いた従来の味醂風
調味料とフマル酸を使用した新味醂風調味料とをパネル
に比較させた結果は下記の如くであった。結論として、
リン酸使用の従来品と、フマル酸使用の発明品との間に
調味効果の点では差異が認められないが、調味料自体の
酸味はフマル酸使用のものの方が円やかである。 (1)フマル酸使用味醂風調味料とリン酸使用味醂風調
味料との三点識別試験較 パネル数:29,正解数:8 両者間に有意差なし (2)フマル酸使用味醂風調味料とリン酸使用味醂風調
味料の酸化比較試験((1)の正解者8名につき実施) ○フマル酸使用味醂風調味料の方が酸味が強いとした人
数 0名 ○リン酸使用味醂風調味料の方が酸味が強いとした人数
8名 (3)料理におけるフマル酸使用味醂風調味料とリン酸
使用味醂風調味料の比較 さば煮つけ パネル数:20,正解数:5 切り干し大根煮つけ パネル数:20,正解数:6 (その他) 本発明の要旨は、上述の如く味醂風調味料がフマル酸に
よりpH2.7未満、好ましくはpH2.5付近に調整されている
ことを要旨とするものであるが、実際上酒石酸その他の
有機酸類の併用を妨げるものではなく、殊に加塩発酵型
の味醂風調味料では、必然的に乳酸、クエン酸、リンゴ
酸、コハク酸等の有機酸を含有するから、この場合、フ
マル酸は調味料のpHを2.7未満、好ましくは2.5付近にま
で低下させるため添加される。それ故、本発明の趣旨
は、味醂風調味料を主としてフマル酸を用いてpH2.7未
満、好ましくはpHが2.5付近に調整する点に在るものと
理解されるべきである。
フマル酸はTCAサイクル上の生理物質であるから衛生的
に無害である。しかも酸味の点においてリン酸より優れ
ているので、従来のリン酸添加味醂風調味料に比し味覚
的により優れた製品を提供しうるのみでなく、公害予防
の見地でも勝っている。
に無害である。しかも酸味の点においてリン酸より優れ
ているので、従来のリン酸添加味醂風調味料に比し味覚
的により優れた製品を提供しうるのみでなく、公害予防
の見地でも勝っている。
以下実施例により発明実施の態様を述べるが、これは勿
論例示であって、発明精神の限定を意味するものではな
い。 味醂風調味料原液(Bx58,直接還元糖40%,発酵調味液
5.6%及びアルコール0.9%)10lにフマル酸10gを加え、
均一に溶解させた後、120℃で30秒間加熱、滅菌し、味
醂風調味料約10lを得た。
論例示であって、発明精神の限定を意味するものではな
い。 味醂風調味料原液(Bx58,直接還元糖40%,発酵調味液
5.6%及びアルコール0.9%)10lにフマル酸10gを加え、
均一に溶解させた後、120℃で30秒間加熱、滅菌し、味
醂風調味料約10lを得た。
以上説明した通り、本発明は、リン酸を使用せずに開栓
後も長期に亙り変敗の恐れのない味覚の優れた味醂風調
味料を提供し得たことにより、民生上及び環境保全上寄
与しうる。
後も長期に亙り変敗の恐れのない味覚の優れた味醂風調
味料を提供し得たことにより、民生上及び環境保全上寄
与しうる。
Claims (1)
- 【請求項1】フマル酸によりpH2.7未満、好ましくはpH
2.5付近に調整されていることを特徴とする味醂風調味
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62250235A JPH0783688B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 味醂風調味料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62250235A JPH0783688B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 味醂風調味料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0191756A JPH0191756A (ja) | 1989-04-11 |
JPH0783688B2 true JPH0783688B2 (ja) | 1995-09-13 |
Family
ID=17204844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62250235A Expired - Lifetime JPH0783688B2 (ja) | 1987-10-02 | 1987-10-02 | 味醂風調味料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0783688B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4700203B2 (ja) * | 2001-02-13 | 2011-06-15 | 株式会社フジシールインターナショナル | 蓋体付き容器 |
JP2003095334A (ja) * | 2001-09-19 | 2003-04-03 | Toyo Ekco Kk | 包装用蓋材及び包装容器 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5758902A (en) * | 1980-09-27 | 1982-04-09 | Kawasaki Steel Corp | Simultaneous manufacture of multiple billets |
JPS5914761A (ja) * | 1982-07-16 | 1984-01-25 | Higeta Shoyu Kk | 酸性液体調味料 |
-
1987
- 1987-10-02 JP JP62250235A patent/JPH0783688B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5758902A (en) * | 1980-09-27 | 1982-04-09 | Kawasaki Steel Corp | Simultaneous manufacture of multiple billets |
JPS5914761A (ja) * | 1982-07-16 | 1984-01-25 | Higeta Shoyu Kk | 酸性液体調味料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0191756A (ja) | 1989-04-11 |
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