JP4698178B2 - 被研磨物保持用キャリア - Google Patents

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本発明は、研磨布を貼付した上下定盤の間にシリコンウェーハを挟持し圧接しながら、該上下定盤および該シリコンウェーハの少なくとも一つを回転させ該シリコンウェーハの両面を同時に鏡面研磨する両面ポリッシング装置に用いるシリコンウェーハ保持用キャリアであって、被シリコンウェーハ保持孔の内縁部に樹脂製の枠を設けた該シリコンウェーハ保持孔を1つまたはそれ以上有し、さらに金属製キャリア基材の表面に、該キャリア基材と同一もしくはより硬度の高い材料で被覆を施されたシリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法に関する。
シリコンウェーハ、化合物半導体ウェーハ、アルミ製磁気ディスク基板、ガラス製磁気ディスク基板あるいはフォートマスク用ガラス、水晶発振子、金属等からなる被研磨物の研磨加工において、被研磨物は、その被研磨物の形状に合わせた保持孔を有してなりかつその外周縁部に、両面研磨装置のインターナルギアおよびサンギアに噛合する外周歯を有するように切断成型されたキャリアにて保持され、駆動される。このキャリアは、主にシリコンウェーハや磁気ディスク基板等を両面同時にラッピング加工や鏡面研磨加工を行なうための研磨装置の部材として使われる。よって、このキャリア材の厚みは通常ウェーハ等被研磨物の厚みよりやや薄く、あるいはほぼ同じ厚みに作られている。
従来これらキャリアは、スチール、ステンレススチール等の金属材料、ガラス繊維を製織したガラスクロスや有機繊維クロスにエポキシ樹脂やフェノール樹脂、その他熱硬化樹脂を含浸させ、所定の厚みになるよう数枚重ねプレス機で圧縮し加熱硬化して出来た所謂FRP等を素材として用い、それを使用目的に合わせワークピースが保持出来る大きさに切断加工し、さらに外周を歯車形状に合わせ切断加工するという方法で製造されるのが一般的である。
これらキャリアは、研磨装置の中でシリコンウェーハや磁気ディスク基板等と一緒に回転され、また、内外周歯を介してインターナルギア、サンギアにより強制駆動されるのであるから、表面が多少は研磨されて強度が低下したり、形状精度が劣化したりして耐久性が経時的に低下し、また、ギア部が磨滅して、研磨装置から外れたり、研磨条件が不安定となるため、その都度あるいは定期的に新しいキャリアに交換される。従って、少しでも長く使用出来る耐久性のあるキャリアの開発が強く望まれており、例えば特許文献1に示されるようなFRP系キャリアも提案されている。
従来、シリコンウェーハや化合物ウェーハの場合、ラッピングもしくはグラインディングにより厚みを整え、酸ないしアルカリエッチングの後、鏡面研磨(ポリッシング)という工程を経て、その片面もしくは両面が鏡面に仕上げられる。この中で、シリコンウェーハのように、以前は片面のみ鏡面研磨を行っていたが、現在は面精度の向上および、ダスト汚染の防止を目的に両面の鏡面研磨が実施されている被研磨物もあり両面鏡面研磨の需要が増大している。両面の鏡面研磨(ポリッシング)を施す場合は被研磨物保持用キャリアの使用が必須条件であり、その場合、キャリア自体の耐磨耗性、耐久性の有無が重要な要素となる。耐磨耗性、および耐久性という観点からは、例えば硬質樹脂あるいはFRP等の非金属材料を素材としたものはやはりキャリアとして十分なものとは言えない。
また、近年シリコンウェーハのサイズが大型化すると同時に、一枚のウェーハからのチップの収率を向上させるために、ウェーハ外縁部の面ダレを極力抑制し、被研磨物の平坦度を向上させ、エッジエクスクルージョンの幅を少なくすることが求められている。そのため、被研磨物とキャリアの厚みの差を極力少なくすることが多く試みられており、例えば、特許文献5、特許文献6では、被研磨物とキャリアの厚みをほぼ同一にして被研磨物の平坦度を向上させる技術が開示されている。このような、被研磨物とキャリアの厚みをほぼ同一にする研磨では、キャリアの厚みが徐々に薄くなり、経時的に平坦度の低下を招く問題を擁している。そこで、これらの問題を同時に解決するキャリアの開発が待たれていた。
金属材料基材の耐磨耗性と耐久性を向上させる方法としては、その表面を何らかの材料で被覆することが考えられ、その一例として、例えば特許文献2に示されるようなセラミックコーティング金属キャリアも提案されているが、これは耐磨耗性に関してはきわめて高い性能を示すが、表面に付着させたセラミックス粒子が脱落し、被研磨物にスクラッチを生じさせるという問題を有し両面の鏡面研磨加工には使用できない。また、特許文献3には、アルミニウムよりなるキャリア表面に金属めっきを施したリサイクル可能なキャリアが開示されているが、キャリアを再生使用する方法ではない。また、特許文献4には上下表面に形成した凸凹面にセラミックス粒子を融着し、さらに凸凹面の表面をダイヤモンドライクカーボンで被覆したドレッシング機能を付与したキャリアが開示されており、ダイヤモンドライクカーボンの効果により耐久性、耐磨耗性の向上を述べているが、これはドレッシング用に機能するセラミックス粒子の脱落等を防止するものであって、通常のキャリアとは異なるものである。
さらに特許文献7では、シリコンウェーハの両面研磨に用いる被研磨物保持用ダイヤモンドライクカーボンコーティングキャリア、該キャリアの製造方法および該キャリアを用いた研磨方法が開示されている。
本発明者は、シリコンウェーハ等の半導体材料の両面鏡面研磨における、耐久性および耐磨耗性の問題を解決すべく鋭意検討を行ない、キャリア基材に耐磨耗性と耐久性に優れた金属材料を用い、該キャリア基材もしくは該キャリア基材より硬度が高い材料で該キャリア基材表面を被覆した被研磨物保持用キャリアが、高い耐久性を有し、厚みの低下が少ないと考え検討を実施した。
しかしながら、高い厚み精度、正確度で該キャリア基材を製造し、かつ、該キャリア基材表面を特定の材料で被覆する費用も発生することから、該被研磨物保持用キャリアは従来の製品に比べ、きわめて高価になることが判明した。そこで、繰り返し使用により磨耗し被覆が一定の厚み以下になった該被研磨物保持用キャリアの表面に、該キャリア基材もしくは該キャリア基材より硬度の高い材料を再度被覆して再生使用できる被研磨物保持用キャリアについて検討を行った。さらに該被研磨物保持用キャリアを用いて被研磨物を高い平坦度で両面研磨する方法について検討を行った。
特開2001-38609 特開平4−26177 特開2002-18707 特開平11-10530 特開11-347926 特開2000-235941 特願2004-66013
本発明の目的は、耐久性、耐磨耗性にすぐれ、被研磨物であるシリコンウェーハに対する汚染やスクラッチ等研磨面の欠点の発生を最小限に止めた両面ポリッシング装置に用いるシリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法を提供することにある。
上述の目的は、内縁部に樹脂製の枠を設けたシリコンウェーハ保持孔を1つまたはそれ以上有する両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法であって、金属よりなるキャリア基材を、両面ラッピングあるいは両面ポリッシング又は両面ラッピング後の両面ポリッシングにより該キャリア基材の面内の厚みを均一に調整した後、その表面を該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施して、被覆後のキャリアの厚みが、シリコンウェーハの仕上がり厚みと同等になるように調整し、繰り返し使用により該キャリアの厚みが減少した時点で前述の材料で再度被覆を行ない再生することを特徴とする両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法によって達成できる。さらにシリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が1.22μm以下であることが好ましく、該キャリア基材の表面を被覆する高硬度材料は周期律表の4A族、5A族に属する金属、あるいはその窒化物またはその炭化物あるいはその複合物、もしくはダイヤモンドライクカーボンであることが好ましい。
本発明において使用される研磨装置は、研磨布を貼付した上下定盤の間に被研磨物を挟持し圧接しながら、前記上下定盤および前記被研磨物の少なくとも一つを回転させ前記被研磨物の両面を同時に研磨(ポリッシング)する、所謂両面研磨(ポリッシング)装置である。
本発明において、金属よりなる部分のキャリア基材表面を、該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施し、かつシリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が1.22μm以下であるシリコンウェーハ保持用キャリアで、使用により被覆層の厚みが減少したシリコンウェーハ保持用キャリアの表面に、再び該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施すことにより厚みを付与して再生することができる。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアは、次のように使用される。即ち、研磨布を貼付した該上下定盤の間に本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアを装着し、該シリコンウェーハ保持用キャリア内の保持孔にシリコンウェーハを保持した後、加工面に研磨スラリを供給しつつ研磨布を貼付した該上下定盤および該シリコンウェーハの少なくとも一つを回転させ該シリコンウェーハの両面を鏡面研磨する。
本発明により、シリコンウェーハの重金属汚染が少なく、耐久性、耐磨耗性に優れたシリコンウェーハ保持用キャリアを容易に提供できるようになった。即ち、従来のキャリアの有する問題点を一気に解決できたのである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の肝要は、被研磨物であるシリコンウェーハの端面部分に生じるスクラッチを防止するため、該シリコンウェーハ保持用キャリアのシリコンウェーハ保持孔の内縁部に樹脂製の枠を設け、さらに、キャリア基材に耐磨耗性と耐久性に優れた金属材料を用い、該キャリア基材と同一もしくはより硬度の高い材料で該キャリア基材表面に被覆を施すことにある。
前述の如く、本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアの実際の使用形態においては、その厚みを被研磨物であるシリコンウェーハと同等、いわゆるキャリア定寸の状態で使用されるものであるから、キャリア自体の減耗も激しく、そのためキャリア基材の表面を特定の材料で被覆することが必要である。また、被研磨物であるシリコンウェーハの端面部分に生じるスクラッチを防止する目的で該シリコンウェーハ保持用キャリアのシリコンウェーハ保持孔の内縁部に樹脂製の枠を設けることが必要である。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアを用いて、両面ポリッシング装置にて高い平坦度で該シリコンウェーハを研磨するためには、該シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みと、該シリコンウェーハの仕上がり厚みがほぼ同一である必要があると同時に、該シリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が少ないほうが好ましい。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が大きいと以下の不具合を生じる。まず第一に、シリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が大きいことにより、ポリッシング終了時の終点検出が不正確となること、および厚みの標準偏差が直接、仕上がった該シリコンウェーハの平坦度に影響を及ぼし平坦度の悪化をもたらす。第二に、該シリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が大きいとキャリアの厚い部分が優先的に研磨され、その部分の被覆層が除去され、キャリア基材が露出する。
本発明において、キャリア基材を被覆する方法は特に限定されないが、CVD法、PVD法などが好ましい。CVD法、PVD法で被覆を施す場合、被覆層の厚みは、時間により制御される。被覆層の厚みを増やそうとすると、被覆に要する時間が増加するため、製造コストが増加する。また、被覆層の厚みを増やすと、シリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差がわずかではあるが増加する傾向がある。シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みの標準偏差は1.22μm以下であることが好ましい。
本発明において、キャリア基材の表面に施す被覆層の厚みは、通常、片面0.5〜3μm程度、両面の被覆層の厚みの計は1〜6μm程度である。このように該キャリア基材の表面に施す被覆層の厚みはきわめて薄いため、厚みの標準偏差が1.22μm以上あるシリコンウェーハ保持用キャリアでは、キャリアの厚い部分が優先的に研磨され、きわめて短時間でキャリア基材が露出する。さらに、上述のように終点の前にキャリアを研磨しているため、研磨終了時の終点検出が不正確となり、仕上がったシリコンウェーハの平坦度の悪化をもたらす。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアの厚みの標準偏差は1.22μm以下であればシリコンウェーハの仕上がりの平坦度は良好な結果を与える。さらに、被覆層がほぼ均一に除去されるため、長期間にわたり使用でき、また、厚みが均一であるため、再生を実施し易い。
本発明において、シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みとは、シリコンウェーハ保持用キャリア全面より偏りなく12箇所を選定し、その箇所の厚みを測定し、その平均値をいうものである。また、シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みの標準偏差とは、12箇所の厚み測定結果の数値を用いそれにより計算した標準偏差の値を用いた。
該キャリア基材の表面を被覆する高硬度材料は周期律表の4A族、5A族に属する金属、あるいはその窒化物またはその炭化物あるいはその複合物、もしくはダイヤモンドライクカーボンであることが好ましい。周期律表の4A族、5A族に属する金属、あるいはその窒化物またはその炭化物あるいはその複合物、もしくはダイヤモンドライクカーボンは耐薬品性に優れ、かつ前述の耐磨耗性と耐久性を兼ね備えており本発明に用いる該キャリア基材の表面を被覆する高硬度材料としては最適である。さらに、周期律表の4A族、5A族に属する元素とカーボンはシリコンウェーハに対する汚染元素とされておらず、本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアがシリコンウェーハと直接あるいは間接的に接触することによるシリコンウェーハの汚染の危険も少ない。
また、本発明になるシリコンウェーハ保持用キャリアのシリコンウェーハ保持孔の内縁部には、シリコンウェーハの端面部分に生じるスクラッチや欠け等の欠点の発生を防止する目的で樹脂製の枠を設ける。樹脂製の枠の材質は特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリサルホン、ポリカーボネートなどの高融点熱可塑性樹脂が使用できる。更に、上述の熱硬化性樹脂または高融点熱可塑性樹脂と繊維を複合したFRPなども使用できる。FRPに使用する繊維は、特に限定されないがアラミド繊維、ポリエステル繊維など、有機繊維が好ましい。
キャリア基材として用いる金属は、特に限定されないが、被研磨物であるシリコンウェーハの重金属汚染を低減させる目的で、該高度材料と同じ周期律表の4A族、5A族に属する金属もしくはその合金であることが好ましい。周期律表の4A族に属する金属とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムを指し、周期律表の5A族に属する金属とは、バナジウム、ニオブ、タンタルを指す。
更に、本発明において、金属よりなる部分のキャリア基材表面を、該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施し、かつシリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差が1.22μm以下であるシリコンウェーハ保持用キャリアを繰り返し使用することにより、被覆の厚みが減少した該シリコンウェーハ保持用キャリアの表面に、再び該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施すことにより厚みを付与して再生することができる。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアは、前述の如くその厚みが被研磨物であるシリコンウェーハの仕上がり厚みとほぼ一致するため、耐磨耗性は高いものの、ポリッシング加工においては繰り返し使用により徐々に磨耗しその厚みが薄くなる。従来のシリコンウェーハ保持用キャリアは、この時点で使用不能となり廃棄される。本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアは使用不能となったその時点で、その使用不能のシリコンウェーハ保持用キャリアの表面に該キャリア基材に使用していると同一の硬度の材料、もしくは該キャリア基材より高硬度の材料を施与し、再度被覆することによって、再生使用が可能となる。再度被覆を行なうタイミングについては、シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みが、被研磨物であるシリコンウェーハの仕上がり厚みより1μm以上薄くなった時点で行なうことが好ましい。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアは、前述の如く、厚みの標準偏差が1.22μm以下で製造されていることが好ましい。また、本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアの基材を被覆する材料の好ましい厚みは0.5から3μm程度であり、繰り返し使用による偏磨耗の発生は小さく、該シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みの標準偏差は大きく変動しない。そこで、減少した厚みの量だけ再度シリコンウェーハ保持用キャリア表面に被覆することにより、再生使用が可能となる。使用後、シリコンウェーハ保持用キャリアの厚みの標準偏差が1.22μmを超えている場合、被覆の前工程もしくは後工程で、ラッピング、あるいは研削等による厚みの標準偏差を修正する工程を設けても良い。また、シリコンウェーハの端面部分に生じるスクラッチを防止する目的で該シリコンウェーハ保持用キャリアのシリコンウェーハ保持孔の内縁部に樹脂製の枠を設ける。
本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアは、次のように使用される。即ち、研磨布を貼付した該上下定盤の間に本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアを装着し、該シリコンウェーハ保持用キャリア内の保持孔にシリコンウェーハを保持した後、加工面に研磨スラリを供給しつつ研磨布を貼付した該上下定盤および該シリコンウェーハの少なくとも一つを回転させ該シリコンウェーハの両面を鏡面研磨する。研磨布スエード調、ポリウレタンもしくは、不織布をポリウレタンで結合した複合物より選ばれる一つである。
以下実施例と比較例をもって、本発明方法を具体的に説明するが、これにより限定を受けるものではない。
本実施例と比較例に用いた研磨装置、研磨条件を表1および表3に示す。研磨装置は、DSM-9B両面研磨装置(スピードファム社製)を使用した。研磨布はSUBA800及びMHS-15A(Rodel社製)を使用した。研磨剤であるRodel2371(Rodel社製)は原液1部に対し純水10部を加え攪拌して調製した。
<被覆キャリアの製造>
SUS304製キャリア基材のシリコンウェーハ保持孔の周囲にアラミド繊維をエポキシ樹脂で結合したFRPの枠を挿入する。この樹脂枠を挿入したキャリア基材をラッピングで厚み550μm、厚みの標準偏差0.72μmに整えた。ラッピング後、DSM−9B両面ポリッシング装置にこのキャリア基材を装着し、研磨布にMHS−15A、研磨剤に酸化セリウムスラリを用いて、表面のひずみ層を除去する目的でポリッシュを行った。ポリッシュ後のキャリア基材は、厚み547μm、厚みの標準偏差0.86μmであった。ポリッシュ後のキャリア基材表面に窒化チタン(TiN)をPVD法により被覆した。TiNを被覆し完成したシリコンウェーハ保持用キャリアは厚み550μm、厚みの標準偏差1.22μmであった。
<磨耗試験と耐久性試験>
得られた被覆キャリアに被研磨物を保持させず、表1の条件で研磨を実施した。希釈した研磨剤は循環使用した。磨耗速度は、研磨前後のキャリアの厚みをマイクロメーターで測定し、その差より求めた。耐久性は外観検査で確認した。
〔比較例1〜4〕
キャリアとしてTiN被覆を施していないアルミ製、SUS製、ガラスエポキシ樹脂(EG)製およびFR-ビニロン製の4種を用いた。
4種とも厚みはおおよそ550μmであった。実施例1と同様キャリアに被研磨物を保持させず、表1の条件で研磨を実施した。希釈した研磨剤は循環使用した。実施例1および比較例1〜4での研磨試験の結果を表2に示す。
Figure 0004698178
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*1窒化チタンは、SUS304の表面に厚さ1.5μmで被覆した
*2ガラスエポキシ樹脂
*3歯の付け根にクラック発生
実施例で製造した被覆キャリアに、被研磨物として6インチシリコンウェーハを保持させ表3に示す条件で研磨を実施した。6インチシリコンウェーハの目標厚みを550μmとし研磨を実施した。研磨後、平坦度(TTV)を測定した。TTVはULTRAGAGE9700(ADE社製)を使用した。結果を表4に示す。
〔比較例5〕
厚み450μmのSUS製のキャリアを用い、実施例2と同一の条件で6インチシリコンウェーハの目標厚みを550μmとし研磨を実施した。研磨後、平坦度(TTV)を測定した。TTVはULTRA GAGE 9700(ADE社製)を使用した。結果を表4に示す。
Figure 0004698178
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実施例1の磨耗試験に用い磨耗した本発明のキャリアの再生を試みた。
磨耗試験前の本発明のキャリアの厚みは550μm、厚みの標準偏差1.22μmであった。磨耗試験後のキャリアは厚み547μm、厚みの標準偏差1.2μmであった。磨耗試験によりキャリアの厚みは3μm減少したものの、厚みの標準偏差に変化はなかった。
このキャリアに実施例と同じ条件でTiNの被覆を行った。
被覆後、キャリアの厚みを測定すると、厚み550μm厚みの標準偏差1.5μmであった。この再生を行ったキャリアを用い実施例2と同一条件で研磨試験を実施した。研磨後、平坦度(TTV)を測定した。結果を表4に示す。
実施例、比較例の説明
実施例1と比較例1〜4を比べると、磨耗速度は、実施例1が際立って良好で、ガラス繊維をビニロンで結合したFR−ビニロン(比較例4)が次に良好な結果を得た。試験終了後、各キャリアの破損状態を外観検査にて調べたところ、10時間試験した実施例1には変化がなかった。1時間試験した比較例1、2、3には変化がなかった。しかし、比較例4はキャリアの歯の付け根部分にクラックが生じた。
実施例2と比較例5の評価
実施例で製造した厚み550μmの被覆キャリアに、被研磨物として6インチシリコンウェーハを保持させ表3に示す条件でポリッシングを実施した。6インチシリコンウェーハの目標厚みを550μmとしポリッシングを実施した。比較例5では、厚み450μmのSUSキャリアに、被研磨物として6インチシリコンウェーハを保持させ表3に示す条件でポリッシングを実施した。実施例2と比較例5のTTVを比較すると、実施例2のTTVは比較例5に比べて半分以下の結果が得られた。
実施例1に示す本発明のキャリアは、耐磨耗性、耐久性、の項目できわめて良好な結果を得た。また、実施例2に示す通り本発明のシリコンウェーハ保持用キャリアの厚みを、被研磨物の目標厚み550μmとほぼ同一にすることにより、TTVが、比較例に比べて良好な研磨が達成できた。
実施例3では、磨耗試験により厚みが3μm減少したキャリアに対しTiNを3μm新たに被覆した。被覆後厚みの標準偏差はわずかに増加したが使用可能な範囲であった。この再生を行ったキャリアを用い実施例2と同一条件で研磨試験を実施し、研磨後のウェーハの平坦度(TTV)を測定した。結果を表4に実施例3として示す。実施例3の結果を見ると実施例2と遜色ない結果であった。すなわち、繰り返し使用により厚みが減少したシリコンウェーハ保持用キャリアの表面に該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくは該キャリア基材より硬度の高い材料を再度被覆して再生使用できることが確認された。
上述の通り、本発明の両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアを用いることにより、消耗品であるキャリアの耐久性、耐磨耗性を向上し、また繰り返し使用により厚みが一定以下となった該シリコンウェーハ保持用キャリアの表面に該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくは該キャリア基材より硬度の高い材料を再度被覆して再生使用できるため、その及ぼす効果は経済的にも、また品質的な観点からも極めて大である。さらに、該シリコンウェーハ保持用キャリアの面内の厚みの標準偏差を1.22μm以下とすることにより被研磨物を高い平坦度に研磨する研磨方法も提供できるようになり、シリコンウェーハ等の収率向上など、実生産においては、その資する所極めて大である。

Claims (2)

  1. 内縁部に樹脂製の枠を設けたシリコンウェーハ保持孔を1つまたはそれ以上有する両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法であって、金属よりなるキャリア基材を、両面ラッピングあるいは両面ポリッシング又は両面ラッピング後の両面ポリッシングにより該キャリア基材の面内の厚みを均一に調整した後、その表面を該キャリア基材と同一の硬度の材料もしくはより硬度の高い材料で被覆を施して、被覆後のキャリアの厚みが、シリコンウェーハの仕上がり厚みと同等になるように調整し、繰り返し使用により該キャリアの厚みが減少した時点で前述の材料で再度被覆を行ない再生することを特徴とする両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法
  2. 該キャリア基材の表面を被覆する高硬度材料が周期律表の4A族、5A族に属する金属、あるいはその窒化物またはその炭化物あるいはその複合物、もしくはダイヤモンドライクカーボンであることを特徴とする請求項第1項に記載の両面ポリッシング装置用シリコンウェーハ保持用キャリアの製造方法
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