JP4697836B2 - チタン酸バリウムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン酸バリウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで積層コンデンサーや電子デバイスの原料となるチタン酸バリウム粒子は以下の方法で作製されてきたが、将来的に原料の微粒化が進む中で問題点を持っている。
【0003】
まず、固相法は、酸化チタンと炭酸バリウムを秤量し、1000℃以上の高温で熱処理することでチタン酸バリウム粒子を作製する。この方法では不純物や欠陥のない粒子が得られるが、高温で反応させるため粒径が数μm程度の粗大粒子になり、微粒子の生成には不適当という問題点がある。
【0004】
つぎに、液相法は、Ba及びTiイオン等から溶液中で成長させるため、数nmから数100nmまでチタン酸バリウム粒子の粒径の制御が容易である。しかし、溶液中の水酸基(OH)や炭化水素などの不純物もチタン酸バリウム粒子の生成中に結晶内に取り込まれること、また得られた微粒子のBa/Ti比において必ずBaイオンが不足してしまい欠陥濃度が高くなるという問題点がある。従って、これらの粒子を電子デバイスの原料としたとき粒子内に多数の空洞を持った組織が生成し、良好な電気特性を得ることができない。
【0005】
つぎに、蓚酸バリウムチタニルの通常の熱分解法は、蓚酸バリウムチタニルを空気中で熱分解することでチタン酸バリウム粒子を作製する。この方法ではチタン酸バリウム粒子を合成するのに850℃以上の熱処理温度を必要とする。本方法では固相法の特徴である不純物や欠陥のないチタン酸バリウム粒子が得られるものの、その粒径は最低でも150nmまで成長するためこの粒径以下の微粒子を作製できないという問題点がある。
従って、100nm以下の粒径を持ち、不純物や欠陥のないチタン酸バリウム粒子を合成する手法の開発が期待されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、通常の空気中での熱分解では、中間反応物として炭酸バリウムと酸化チタンを経由するため850℃以上の高温が必要となることが問題点となる。従って、中間反応物として炭酸バリウムと酸化チタンを経由しないチタン酸バリウム粒子の合成法を確立することが必要である。
【0007】
そのため、従来の合成法の中で、不純物や欠陥のないチタン酸バリウム粒子を合成できる蓚酸バリウムチタニルの熱分解法を改良し更に発展させ、10〜100nmのチタン酸バリウム粒子を合成する方法を検討する必要があると思われる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、100nm以下の粒径を持ち、不純物や欠陥のない正方晶又は立方晶構造を有するチタン酸バリウム粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のチタン酸バリウムの製造方法は、次の工程よりなる方法である。(イ)蓚酸バリウムチタニル4水和物を酸素雰囲気で加熱する第1の工程。(ロ)上記第1の工程により得られた生成物を、減圧下で加熱する第2の工程。
【0010】
ここで、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱温度は300〜500℃の範囲にあり、第2の工程の加熱温度は550〜800℃の範囲にある場合がある。また、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱温度は360〜400℃の範囲にあり、第2の工程の加熱温度は600〜720℃の範囲にある場合がある。
【0011】
また、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程では酸素を流し、第2の工程では10-3Torr以下に減圧する場合がある。また、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱は、1〜5時間の範囲にあり、第2の工程の加熱は、0.5〜5時間の範囲にある場合がある。また、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第2の工程により得られた生成物の平均粒径は、10〜100nmの範囲にある場合がある。また、上述のチタン酸バリウムの製造方法において、第2の工程により得られた生成物のBa/Tiは、0.98〜1.02の範囲にある場合がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、チタン酸バリウムの製造方法にかかる発明の実施の形態について説明する。
【0013】
我々の以前の研究で、蓚酸バリウムチタニルを真空中で排気しながら熱分解させると、粒径が大きくならず微細なチタン酸バリウム粒子が得られることがわかっている。しかし、得られたチタン酸バリウムは電子材料として有用な正方晶又は立方晶ではなく、六方晶構造をとる。六方晶構造のチタン酸バリウムは電子材料としては有用ではなく、このため六方晶の生成を抑制し、正方晶又は立方晶構造のチタン酸バリウム粒子をいかに得ることができるかということが問題となった。
【0014】
そこで、六方晶の生成機構について調べたところ、真空中での熱分解による炭素化合物の脱離の際に酸素が余分に引き抜かれ、その結果チタンの価数が通常の4価から3価に還元されて生成する欠陥を出発点にして六方晶構造が生成することがわかってきた。そこで、欠陥を生成させないため、炭素化合物の熱分解による脱離の際には雰囲気中に多量の酸素がある状態にすることでチタンの価数変化による欠陥生成を抑制すること、そして熱分解が終了した時点で排気し、真空中で熱処理することで正方晶又は立方晶構造の微細なチタン酸バリウム粒子を得ることを検討した。
【0015】
本発明のチタン酸バリウムの製造方法は、以下に示す第1の工程、および第2の工程よりなるものである。
【0016】
まず、第1の工程について説明する。第1の工程は、蓚酸バリウムチタニル4水和物(BaTiO( C2 O4 ) ・4H2 O、以下「蓚酸塩水和物」と呼ぶ)を酸素雰囲気で加熱する工程である。
なお、第1の工程に用いる原料は、上述の蓚酸塩水和物に限定されるわけではない。第1の工程に用いる原料は、このほかバリウム及びチタンアルコキシドの混合物などを挙げることができる。
【0017】
第1の工程では、酸素雰囲気にするために酸素を流している。ここで、酸素の流量は50〜600ml/分の範囲にすることが望ましい。酸素の流量をこの範囲内にすると酸化が十分に行なわれるという利点があるからである。
【0018】
次に、第1の工程における温度条件について説明する。第1の工程では、所定の速度で温度を上昇させ、その後に所定の温度で所定の時間維持する。そして、所定の速度で温度を降下させる。
ここで、昇温速度は1〜10℃/分の範囲にあることが望ましい。昇温速度をこの範囲内にすると酸化が十分に行なわれるという利点があるからである。
【0019】
また、昇温後に所定の温度に維持する場合、この加熱温度が300〜500℃の範囲にあることが望ましく、また加熱温度が360〜400℃の範囲にあることがさらに望ましい。加熱温度をこの範囲内にすると炭酸バリウムの結晶化を抑制できるという利点があるからである。
【0020】
また、所定の温度に維持する場合、加熱時間は、1〜5時間の範囲にあることが望ましい。加熱時間をこの範囲内にすると炭酸バリウムの結晶化を抑制でき、かつ酸化が十分に行なわれるという利点があるからである。
【0021】
所定の温度に維持した後に、所定の速度で温度を降下させる。ここで、降温速度は1〜10℃/分の範囲にすることが望ましい。降温速度をこの範囲内にすると炭酸バリウムの結晶化を抑制できるという利点があるからである。
【0022】
つぎに、第2の工程について説明する。第2の工程は、上述の第1の工程により得られた生成物を、減圧下で加熱する工程である。
第2の工程では、10-3Torr以下に減圧することが望ましい。真空度をこの範囲内にすると炭酸バリウムの分解温度を低下できるという利点があるからである。
【0023】
次に、第2の工程における、温度条件について説明する。第2の工程では、所定の速度で温度を上昇させ、その後に所定の温度で所定の時間維持する。そして、温度を降下させる。
ここで、昇温速度は1〜10℃/分の範囲にすることが望ましい。昇温速度をこの範囲内にすると炭酸バリウムの分解温度を低下できるという利点があるからである。
【0024】
また、昇温後に所定の温度に維持する場合、加熱温度が550〜800℃の範囲にあることが望ましく、また加熱温度が600〜720℃の範囲にあることがさらに望ましい。加熱温度をこの範囲内にするとnmサイズのチタン酸バリウム微粒子を得られるという利点があるからである。
【0025】
また、所定の温度に維持する場合、加熱時間は、0.5〜5時間の範囲にあることが望ましい。加熱時間をこの範囲内にするとnmサイズのチタン酸バリウム微粒子を得られるという利点があるからである。
【0026】
所定の温度に維持した後に、温度を降下させる。ここで、温度を降下させる方法としては、急冷するか所定の速度で降下させるかの2つがある。
急冷するのはチタン酸バリウム微粒子の粒径の増大を抑制するという利点があるからである。
【0027】
また、所定の速度で温度を降下させる場合は、降温速度を1〜10℃/分の範囲にすることが望ましい。降温速度をこの範囲内にするとチタン酸バリウム微粒子の粒径の精密な制御が可能になるという利点があるからである。
【0028】
つぎに、第2の工程により得られる生成物について説明する。
第2の工程により得られた生成物の平均粒径は、10〜100nmの範囲にある。平均粒径がこの範囲内にあると通常の1000nm以上の粒径よりも、数百度ほど低い温度で焼結できる。又は、積層コンデンサーの原料として使用できるという利点がある。
【0029】
また、第2の工程により得られた生成物のBa/Ti比は、0.98〜1.02の範囲にある。Ba/Tiがこの範囲内にあると本来の誘電体としての性能を発揮できるという利点がある。
【0030】
なお、上述の実施の形態では、第1の工程および第2の工程において、それぞれ独立に、昇温・所定温度維持・降温を行ったが、加熱の方法はこれに限定されるわけではない。このほか、第1の工程で昇温して所定の温度に維持した後に、雰囲気を変えながら第2の工程で維持すべき温度まで昇温して所定の温度に維持し、その後降温する方法も採用することができる。
【0031】
また、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0032】
【実施例】
次に、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
ここでは、2工程加熱法による微粒子の作製について説明する。
【0033】
本実施例では、2工程加熱法でBaTiO3 微粒子を作製する為に、以下のような装置を作製した。すなわち、本装置では、試料室のふたにガスを通すための配管をした。試料室には、試料の温度が測定できるように熱電対を取り付けた。
【0034】
第1の工程では、流量計で酸素の流量を調節し、出口は大気中に開放して試料室を大気圧に保つようにした。第2の工程では真空ポンプで排気し、ピラニーゲージで圧力を確認した。
【0035】
最初に、第1の工程について説明する。
ここでの目的は、第1の工程における、酸素中の熱処理によって生成する物質を調べることである。
まず、実験方法について説明する。
第1の工程においては、蓚酸塩水和物として市販のもの(商品名:HPBTO−1、富士チタン(株)製)を用いた。この蓚酸塩水和物は、純度が99.8重量%である。
【0036】
最初に、蓚酸塩水和物を秤量し、白金るつぼへ入れ、石英ガラスウールを適量詰めた。電気炉で酸素を流しながら、これを熱処理した。昇温・降温は10℃/分で行い、1時間保持した。熱処理の保持温度と酸素流量の条件を表1にまとめた。
【0037】
【表1】
【0038】
保持温度の変化による違いを条件(1)と(2)で、酸素流量による違いを条件(2)と(3)で比較した。加熱後、室温に戻ってから秤量し、加熱前後の質量変化を求めた。
【0039】
まず、保持温度による比較を行う。質量変化を計算したものを、表2にまとめた。
【0040】
【表2】
【0041】
減量(%)に注目すると、温度が高い(2)が、(1)よりも減量が多かった。また、蓚酸塩水和物が完全に等モルのTiO2 とBaCO3 に分解したと仮定した時の減量を計算したところ、36.020%となり、今回の熱処理の減量とほぼ一致した。これより、酸素中で熱処理した試料の組成は、等モルのTiO2 とBaCO3 の混合物と同じであると考えられた。
【0042】
つぎに、酸素流量による比較を行った。質量変化を計算したものを、表3にまとめた。
【0043】
【表3】
【0044】
減量(%)に注目すると、酸素流量が多い(3)が、(2)よりもわずかに減量が多かった。また、(3)も蓚酸塩水和物が完全に等モルのTiO2 とBaCO3 に分解したと仮定した時の減量である36.020%と熱処理後の減量がほぼ一致した。これより、酸素中で熱処理した試料の組成は、等モルのTiO2 とBaCO3 の混合物と同じであると考えられた。
【0045】
つぎに、(3)の試料について、更に構造を調べる為に、XRDとRAMANで評価した。
図1に条件(3)で熱処理した試料のXRDの測定結果を示す。XRDチャートは、非常にブロードなピークが観察され、秩序だった構造ではないことがわかった。
【0046】
XRDから結晶構造が観察されなかった為、更に微細な範囲での構造を調べる為に、RAMAN分光法による評価を行った。この評価は、(3)の条件で作製した試料のみ行った。図2に条件(3)で熱処理した試料のRAMAN測定結果を示す。RAMANスペクトルからはブロードなピークの重なりのような線しか見られず、微細な範囲でも秩序だった構造を持たないことがわかった。
【0047】
以上をまとめると、第1の工程の酸素中の熱処理では、等モルのTiO2 とBaCO3 の混合物と同じ組成のアモルファスが生成することがわかった。
【0048】
つぎに、第2の工程について説明する。ここでの目的は、第2の工程における、真空中の熱処理によって生成する物質を調べることである。
【0049】
実験方法について説明する。上述の第1の工程で作製した、条件(3)(酸素流量100ml/分・400℃・1時間保持)で熱処理した試料を用いた。
最初に、試料を秤量し、白金るつぼに入れ、石英ウールを適量詰めた。予備排気を行ってから電気炉による加熱を行った。昇温は10℃/分で行った。熱処理の保持温度と保持時間の条件を表4にまとめた。
【0050】
【表4】
【0051】
冷却条件による違いを(1)と(2)で、保持温度による違いを(2)〜(4)で比較した。加熱後、室温に戻ってから秤量し、質量変化を求めた。いずれもXRDによる評価を行った。
【0052】
まず、冷却条件による比較を行った。いずれも白い粉末が得られた。(1)と(2)の質量変化を表5にまとめた。
【0053】
【表5】
【0054】
減量(%)に注目すると、保持時間の長い(1)の方が減量は多かった。また、TiO2 とBaCO3 の等モル混合物からBaTiO3 が生成する反応(式1)が完全に進んだと仮定した時の質量変化は15.9%で、2つの試料の減量はこれとほぼ一致した。これより、いずれもBaTiO3 が生成しているとわかった。
TiO2 +BaCO3 →BaTiO3 +CO2 (↑) ・・・(式1)
【0055】
図3〜4に条件(1)と(2)で熱処理した試料のXRD測定結果を示す。いずれのXRDチャートからも、第1相に立方晶BaTiO3 、第2相に非常にブロードな26°付近と41°付近の六方晶BaTiO3 特有のピークが確認できた。これより、どちらもBaTiO3 が生成していることがわかった。
【0056】
次に、これらのXRDチャートの立方晶(111)ピーク(38°〜40°)の半価幅から結晶子径を計算した。結晶子径の計算には、式2を用いた。
Dhkl=(Kλ)/(βcosθ) ・・・(式2)
ここで、
Dhkl:(hkl)に垂直な結晶子サイズ(m)
K:定数 0.9
λ:X線の波長(m)
β:半価幅(rad)
θ:回折角(rad)
【0057】
半価幅はXRD測定結果の38°〜40°のピーク部分にガウス関数でフィッティングを行って、ガウス曲線から求めた。また、半価幅βは光学系の補正をした。外部標準法で、標準試料にはSrTiO3 単結晶の粉末を用いた。補正式を式3に示す。
β=B−b ・・・(式3)
ここで、
β:補正値(rad)
B:試料の測定値(rad)
b:標準試料の測定値(rad)
結晶子径の計算結果を表6にまとめた。
【0058】
【表6】
【0059】
結晶子径Dhklに注目すると、(2)の方が微細な結晶子径を持ち、保持時間の短い(2)の方が微細なBaTiO3 微粒子を作製出来ると言うことがわかった。これは、核成長する温度域に長時間存在しないためと考えられた。
【0060】
つぎに、保持温度による比較を行った。いずれも白い粉末が得られた。条件(2)、(3)および(4)の質量変化を表7にまとめた。
【0061】
【表7】
【0062】
減量(%)に注目すると、保持温度が高い程、わずかながら減量が多いことがわかった。また、TiO2 とBaCO3 の等モル混合物からBaTiO3 が生成する反応が完全に進んだと仮定した時の質量変化は15.9%で、3つの試料の減量はこれとほぼ一致した。これより、いずれもBaTiO3 が生成しており、保持温度が高い程反応が進んでいると考えられた。
【0063】
図4〜6に条件(2)〜(4)で熱処理した試料のXRD測定結果を示す。いずれのXRDチャートからも、第1相に立方晶BaTiO3 、第2相に非常にブロードな26°付近と41°付近の六方晶BaTiO3 特有のピークが確認できた。また、六方晶のピークは保持温度が高い程、ブロードになる傾向を示しており、六方晶の除去には保持温度を高くすることが有効であることがわかった。
【0064】
次に、これらのXRDチャートの立方晶(111)ピーク(38°〜40°)の半価幅から結晶子径を計算した。結晶子径の計算には、式2および式3を用いた。結晶子径の計算結果を表8にまとめた。
【0065】
【表8】
【0066】
結晶子径Dhklに注目すると、保持温度の最も高い(4)が一番大きく、(2)と(3)はほぼ同じであった。また、これらの結晶子径が温度依存を持つことより、この2工程加熱法で作製したBaTiO3 微粒子には焼結性があると考えられた。
【0067】
以上をまとめると、真空中の熱処理によって、第1の工程ではアモルファスであった試料が結晶化し、2工程加熱法で結晶子径が17〜25nm程度のBaTiO3 を生成できることがわかった。結晶構造はほぼ立方晶BaTiO3 であり、ごく僅かに六方晶BaTiO3 が確認された。
【0068】
上述の結果から、2工程加熱法でBaTiO3 微粒子を作製できることがわかった。そこで、更にこのBaTiO3 微粒子についてキャラクタリゼーションを行うこととした。
【0069】
ここで、実験方法について説明する。評価はRAMAN・TEM・IR・TG−DTA・BETを用いた。評価方法および試料を表9にまとめた。試料の番号と条件は表4に準拠した。表4における条件(2)(3)および(4)の試料を用いた。
【0070】
【表9】
【0071】
評価結果について説明する。
図7〜9に(2)(3)および(4)のラマンスペクトルをしめす。いずれも立方晶BaTiO3 と六方晶BaTiO3 のピークが確認できた。また、保持温度が高い程、六方晶BaTiO3 のピークはブロードになる傾向を示し、XRDの結果と一致した。ここからも、六方晶BaTiO3 の除去に保持温度を高くすることが有効であることがわかった。
【0072】
図10〜11は(2)の粒子を観察したTEM写真である。TEM観察からは六方晶BaTiO3 と見られる粒子は発見されなかった。
【0073】
図10では、いくつの粒子が重なっている様子が観察された。粒と粒の間にははっきりとした粒界は無く、しかしながら隙間も存在しておらず、かなり強い力で凝集していると考えられた。
【0074】
図11は、一つの粒子だけに分散した状態の粒子である。はっきりとした格子面が観察でき、その方向が一つであることから、単結晶粒子であると考えられた。格子面を示す線の本数は41本であった。
【0075】
この粒子について電子線回折を行った結果、図12に示すようなはっきりとしたスポットが観察された。これらのスポットの並び方より、この格子面が面心構造の(001)であることがわかった。これより、この格子面は立方晶(001)であると考えられた。
【0076】
試料(2)を立方晶と仮定し、XRD測定結果の(111)ピークから格子定数を求め、格子定数と(001)の数から図11の粒子の<001>の粒子径を計算した。(2)の格子定数は0.4031nmであった。格子面の本数は41本であった。
【0077】
(格子定数((001)の面間隔))×(格子の数)
=0.4031×41
=16.53
【0078】
これより、この粒子は16.5nmであった。この粒径は表8の(2)の結晶子径とほぼ一致した。このことからも、この粒子は単結晶粒子であると考えられた。
【0079】
図13〜15に(2)(3)および(4)のIRスペクトルを示す。また、比較の為に市販の水熱法で合成された粒径約100nmのBaTiO3 微粒子(商品名:BTO1、境化学社製)のIRスペクトルを図16に示す。
【0080】
いずれも1500cm-1と3500cm-1付近に吸収ピークが見られた。これは、炭酸基と水酸基の吸収である。炭酸基の吸収は表面の炭酸化によるものと考えられた。市販の微粒子が一番吸収が少なく、2工程加熱法の試料では熱処理の保持温度が低い程ピークがシャープになっており、保持温度が低いほど表面積が大きいと考えられた。
【0081】
水酸基の吸収に着目すると、2工程加熱法で作製した試料はいずれもブロードなピークであった。これに対し、市販の微粒子はシャープなピークで、これは格子内水酸基が存在する為であると考えられた。格子内水酸基は酸素と水素の位置が決まっており、振動が限られピークがシャープになる。これに対し、ブロードなピークは吸着水によるもので、振動が格子内水酸基と比較して自由な為、ピークはブロードとなる。
【0082】
また、2工程加熱法の微粒子間での比較では、保持温度が高い程、水酸基のピークはブロードであった。これは、保持温度が高い程、表面積が小さくなり、吸着水が少なくなった為と考えられた。
【0083】
試料(2)について、TG−DTAを測定した。室温から1000℃まで、10℃/分で加熱し、試料室には空気を流した。測定結果を図17に示す。TG曲線は100℃付近に急な減量があり、400℃から600℃にかけて緩やかな減量が見られた。全体の減量は5%程度となった。
室温で測定前後の質量変化を計算した結果を表10にまとめた。
【0084】
【表10】
【0085】
図17の測定後の減量(%)と表10の減量(%)に大きな差が見られた。室温での質量変化は、加熱後に室温で質量を秤量した為、水が表面に吸着しており、この為にTG−DTAの1000℃での質量よりも増量したと考えられた。また、TG−DTA測定の加熱の際に微粒子は粒成長していると考えられ、TG−DTAの減量の半分程度は吸着水によると考えられた。
【0086】
BETによる表面積の測定を行った。予備脱気は2.5時間150℃で行った。吸着ガスには窒素を用いた。測定の結果、表面積は22.24m2/gであった。
【0087】
上述のBaTiO3 微粒子についてのキャラクタリゼーションを行った結果から、2工程加熱法で作製した微粒子の長所を以下にまとめた。
まず、六方晶BaTiO3 が存在するものの、保持温度が高い程減少する傾向にあり、焼結体の原材料としては有望である。
また、単結晶粒子である。
また、粒径が小さい微粒子である。
また、反応時に液相を経由しない為に格子内水酸基が少ない。
このように、2工程加熱法は良質な微粒子作製に有効であることがわかった。
【0088】
以上、本実施例についてまとめる。本実施例の2工程加熱法は先に酸素中・低温で熱処理し、後に真空中・高温で熱処理する方法である。まず、第1の工程として酸素中で熱処理し、Cの残留とそれに伴う還元雰囲気を防ぐ。また、TiとBaがより密接な配置になるようにし、原子スケールでの混合を狙った。第2の工程として、真空中で排気しながら熱処理し、CO2 分圧を下げて、BaCO3 の生成を防ぎながらBaTiO3 を生成出来ないか検討した。
【0089】
実験の結果、第1の工程における、酸素中の熱処理では、等モルのTiO2 とBaCO3 の混合物と同じ組成のアモルファスが生成することがわかった。第2の工程では、真空中の熱処理によって、第1の工程ではアモルファスであった試料が結晶化し、2工程加熱法で結晶子径が17〜25nm程度のBaTiO3 を作製できることがわかった。結晶構造はごく僅かに六方晶BaTiO3 が確認されたものの、ほぼ立方晶BaTiO3 であった。
【0090】
更にこのBaTiO3 微粒子についてキャラクタリゼーションを行った。その結果、六方晶BaTiO3 が存在するものの、保持温度が高い程減少する傾向にあり、焼結体の原材料としては有望な単結晶粒子であることがわかった。また、反応時に液相を経由しない為に格子内水酸基が少ないという特徴を持つことがわかった。このように、2工程加熱法は良質な微粒子作製に有効であった。
【0091】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
蓚酸バリウムチタニルの2工程熱分解法を開発した結果、立方晶構造を持つチタン酸バリウム微粒子の合成に成功した。また、得られたチタン酸バリウム微粒子は粒子内部には不純物がなく、また得られたBa/Ti比もほぼ1 であり、欠陥のない粒子が得られることを確認した。またこのチタン酸バリウム微粒子は72 0℃以上で急激に粒成長することから、1000℃以下でチタン酸バリウムセラ ミックスやセラミックス膜を得ることができる。これによって従来1200℃以 上で焼成されてきたセラミックスプロセスにおいて、エネルギーを節約でき、装 置を小型化できる。このような観点からも、このチタン酸バリウム微粒子は将来 の積層コンデンサーや電子デバイスの原料として有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理したときのXRDプロファイルを示す図である。
【図2】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理したときのRAMANスペクトルを示す図である。
【図3】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中600℃で1時間熱処理したときのXRDプロファイルを示す図である。
【図4】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理したときのXRDプロファイルを示す図である。
【図5】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中680℃で0.5時間熱処理したときのXRDプロファイルを示す図である。
【図6】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中720℃で0.5時間熱処理したときのXRDプロファイルを示す図である。
【図7】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理したときのRAMANスペクトルを示す図である。
【図8】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中680℃で0.5時間熱処理したときのRAMANスペクトルを示す図である。
【図9】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中720℃で0.5時間熱処理したときのRAMANスペクトルを示す図である。
【図10】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理して得られた微粒子生成物の凝集状態を示すTEM写真である。
【図11】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理して得られた生成物の粒子状態を示すTEM写真である。
【図12】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理して得られた微粒子生成物の電子線回折図形を示すものである。
【図13】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理したときのIRスペクトルを示す図である。
【図14】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中680℃で0.5時間熱処理したときのIRスペクトルを示す図である。
【図15】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中720℃で0.5時間熱処理したときのIRスペクトルを示す図である。
【図16】市販の水熱法で合成された微粒子のIRスペクトルを示す図である。
【図17】蓚酸塩水和物を酸素中400℃で熱処理した後に、真空中620℃で0.5時間熱処理して得られた生成物についてのTG−DTA曲線を示す図である。
Claims (6)
- 次の第1及び第2の工程よりなるチタン酸バリウムの製造方法であり、
(イ)蓚酸バリウムチタニル4水和物を酸素雰囲気で加熱する第1の工程。
(ロ)上記第1の工程により得られた生成物を、減圧下で加熱する第2の工程。
上記のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱温度は300〜500℃の範囲にあり、第2の工程の加熱温度は550〜800℃の範囲にあるチタン酸バリウムの製造方法。 - 次の第1及び第2の工程よりなるチタン酸バリウムの製造方法であり、
(イ)蓚酸バリウムチタニル4水和物を酸素雰囲気で加熱する第1の工程。
(ロ)上記第1の工程により得られた生成物を、減圧下で加熱する第2の工程。
上記のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱温度は360〜400℃の範囲にあり、第2の工程の加熱温度は600〜720℃の範囲にあるチタン酸バリウムの製造方法。 - 請求項2記載のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程では酸素を流し、第2の工程では10-3Torr以下に減圧する。
- 請求項3記載のチタン酸バリウムの製造方法において、第1の工程の加熱は、1〜5時間の範囲にあり、第2の工程の加熱は、0.5〜5時間の範囲にある。
- 請求項4記載のチタン酸バリウムの製造方法において、第2の工程により得られた生成物の平均粒径は、10〜100nmの範囲にある。
- 請求項5記載のチタン酸バリウムの製造方法において、第2の工程により得られた生成物のBa/Tiは、0.98〜1.02の範囲にある。
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