JP4697407B2 - キャンセルプレートの支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の油圧クラッチにおけるキャンセルプレートの支持構造に関する。
図4は、従来技術によるキャンセルプレートの支持構造を、自動車の油圧クラッチの一部と共にその軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図5は、従来技術における不具合発生の要因を説明するための図である。
図4において、参照符号1は、不図示の駆動軸に取り付けられて環状の作動空間Sを有するクラッチシリンダ、参照符号2は、前記作動空間S内に軸方向移動可能に配置されてクラッチシリンダ1との間に加圧室S1を画成する環状のクラッチピストン、参照符号3は、このクラッチピストン2に対する加圧室S1と反対側に平衡油室S2を画成するキャンセルプレート、参照符号4は、クラッチシリンダ1の内周部1aに形成された環状溝11に嵌着されて、キャンセルプレート3の内周部を支持するスナップリング、参照符号5は、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号6は多板クラッチである。
クラッチピストン2は、その内外周に、クラッチシリンダ1の内周部1a及び外周部1bと摺動可能に密接されたゴム状弾性材料からなるシールリップ21,22を一体に有し、キャンセルプレート3は、その外周縁に、クラッチピストン2の外周筒部の内周面と摺動可能に密接されたゴム状弾性材料からなるシールリップ31を一体に有する。また、クラッチシリンダ1の内周部1aには、クラッチシリンダ1とクラッチピストン2の間に画成された加圧室S1に油圧を導入するための油通路12と、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間に画成された平衡油室S2に臨む油通路13が開設されている。
多板クラッチ6は、クラッチシリンダ1に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート61と、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ7に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート62が軸方向交互に配置された構造を有する。また、クラッチピストン2の外周筒部の端部に形成された押圧鍔部が、多板クラッチ6と軸方向に対向されており、クラッチピストン2の加圧室S1側の端面には、シールリップ21,22と連続したゴム状弾性材料からなる緩衝体23が突設されている。
すなわち、この油圧クラッチは、油通路12を介して加圧室S1に作動油(ATF)の油圧を印加することによって、クラッチピストン2がリターンスプリング5を圧縮しながらクラッチシリンダ1の作動空間S内を図4における下方へ軸方向変位し、多板クラッチ6におけるドライブプレート61とドリブンプレート62を押し付けて摩擦係合させる。このため、多板クラッチ6が接続状態となり、不図示の駆動軸の駆動トルクが、クラッチシリンダ1から多板クラッチ6及びクラッチハブ7を介して不図示の従動軸へ伝達される。
また、この接続状態から、加圧室S1の油圧を開放すると、クラッチピストン2は、圧縮されたリターンスプリング5の付勢力によって、クラッチシリンダ1内を図4における上方へ復帰移動して、多板クラッチ6におけるドライブプレート61とドリブンプレート62の摩擦係合状態を解除し、これによって、駆動軸から従動軸への駆動力伝達を遮断する。
ここで、クラッチシリンダ1及びクラッチピストン2は、駆動軸と共に軸心Oの周りに回転しているので、加圧室S1内に導入された作動油は遠心力によって外周側へ押し付けられる。したがって加圧室S1内には、このような遠心力による油圧(以下、遠心油圧という)が発生し、この遠心油圧は、リターンスプリング5によるクラッチピストン2の復帰動作を妨げるように作用する。しかし、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間には平衡油室S2が画成されているので、油通路13を介してこの平衡油室S2内に供給された作動油にも同様に遠心油圧が発生する。このため、クラッチピストン2の軸方向両側で遠心油圧がほぼ均衡するので、クラッチピストン2の復帰動作によるクラッチの切断を円滑に行うことができる。
また、キャンセルプレート3を平衡油室S2と反対側から支持するスナップリング4は、図5に示されるように円周方向一箇所で分割された略C字形をなすため、高速回転時には遠心力によって拡径変形し、最悪の場合はクラッチシリンダ1の内周部1aに形成された環状溝11から脱落してしまう懸念がある。したがって、このようなスナップリング4の拡径変形を規制するため、キャンセルプレート3の内周部には、スナップリング4の外周を包囲するように、複数の拡径規制突起32が打ち出し形成されている。(例えば特許文献1参照)。
特開2001−241467号公報
しなしながら、この種の油圧クラッチでは、クラッチが接続される際に、その衝撃によって、クラッチシリンダ1及び駆動軸とキャンセルプレート3が瞬間的に相対回転し、これに伴って、キャンセルプレート3とスナップリング4の間にも、僅かな相対回転を生じることがある。
そして、このような相対回転によって、図5に示されるスナップリング4の一方の分割端部4bと拡径規制突起32の端部32aがほぼ同一の位相上に位置した状態で、スナップリング4が遠心力によって拡径変形すると、スナップリング4の両分割端部4a,4b間の加工上の段差や変形等に起因して、前記一方の分割端部4bが、図5に一点鎖線で示されるように拡径規制突起32の端部32aに引っ掛かり、更なる相対回転によって拡径規制突起32に乗り上がり、環状溝11から脱落するおそれがあった。そしてこの場合、キャンセルプレート3の脱落によって平衡油室S2の機能が損なわれるばかりか、リターンスプリング5及びクラッチピストン2も脱落して、油圧クラッチが動作できなくなるといった事態を引き起こすことになる。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、スナップリングとキャンセルプレートとの相対回転に起因して、スナップリングの分割端部が、キャンセルプレートに形成された拡径規制突起に引っ掛かって、スナップリングが脱落するのを防止することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るキャンセルプレートの支持構造は、クラッチピストンを加圧室側へ付勢するリターンスプリングを支持すると共に、前記クラッチピストンとの間に前記加圧室の遠心油圧と対抗する遠心油圧を発生させる平衡油室を画成するキャンセルプレートの内周部が、スナップリングを介して駆動軸側に前記平衡油室と反対側から支持され、前記キャンセルプレートに、前記スナップリングの拡径変形を規制する複数の拡径規制突起が形成され、前記スナップリングに、円周方向に隣り合う前記拡径規制突起の間に挿入される回り止め突起が形成され、この回り止め突起が、前記スナップリングの分割端部間の中間から、前記拡径規制突起の位相間隔又はその倍数に相当する位相間隔をもって形成されており、前記回り止め突起の幅が、前記分割端部間の対向隙間よりも大きいことを特徴とする。
上記構成において、キャンセルプレートの内周部を支持するスナップリングは、遠心力による拡径変形がキャンセルプレートに形成された拡径規制突起によって規制される。また、スナップリングに形成された回り止め突起が、円周方向に隣り合う拡径規制突起の間に挿入されることによって、キャンセルプレートとスナップリングの相対回転が規制され、スナップリングの分割端部が、拡径規制突起に引っ掛かるのを防止できる。
また、回り止め突起が、スナップリングの分割端部間の中間から、キャンセルプレートの拡径規制突起の位相間隔又はその倍数に相当する位相間隔をもって形成されており、この回り止め突起の幅が、スナップリングの分割端部間の対向隙間よりも大きいことを特徴としており、これによって、スナップリングの分割端部が拡径規制突起に引っ掛かるのを一層確実に防止できる。
なお、ここでいう「拡径規制突起の位相間隔」とは、各拡径規制突起の互いに対応する部位間の角度(軸心を中心とする角度)のことである。また、「回り止め突起が、スナップリングの分割端部間の中間から、キャンセルプレートの拡径規制突起の位相間隔又はその倍数に相当する位相間隔をもって形成されている」とは、例えば拡径規制突起が90度間隔で形成されている場合は、回り止め突起が、スナップリングの分割端部間の中間から90度又は180度離れた位相上に形成されるということである。
請求項1の発明に係るキャンセルプレートの支持構造によれば、キャンセルプレートとスナップリングの相対回転が規制されるので、スナップリングの分割端部が、キャンセルプレートに形成された拡径規制突起に引っ掛かることがなく、このため、スナップリングの脱落、ひいてはキャンセルプレート、リターンスプリング及びクラッチピストンの脱落といった事態の発生を、有効に防止することができる。
図1は、本発明に係るキャンセルプレートの支持構造の好ましい実施の形態を、自動車の油圧クラッチの一部と共にその軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図2は、図1のキャンセルプレート及びスナップリングを、図1における下方から見た矢視図である。
図1に示される油圧クラッチは、基本的には先に説明した図4と同様の構造を有するものである。すなわち図1における参照符号1は軸心Oを中心とする環状の作動空間Sを有するクラッチシリンダ、参照符号2は、前記作動空間S内に軸方向移動可能に配置されてクラッチシリンダ1との間に加圧室S1を画成する環状のクラッチピストン、参照符号3は、このクラッチピストン2に対する加圧室S1と反対側に平衡油室S2を画成するキャンセルプレート、参照符号5は、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号6は多板クラッチ、参照符号10は、クラッチシリンダ1の内周部1aに形成された環状溝11に嵌着されて、キャンセルプレート3の内周部を支持するスナップリングである。
クラッチシリンダ1は、不図示の駆動軸に取り付けられており、請求項1に記載された「駆動軸側」に相当するものである。クラッチシリンダ1の内周部1aには、先に説明した環状溝11が形成され、加圧室S1に作動油(ATF)の油圧を導入するための油通路12と、平衡油室S2に臨む油通路13が開設されている。
クラッチピストン2は、鋼板などの金属板の打ち抜きプレス成形等によって製作されたものであって、内周筒部2aと、その加圧室S1側の端部から径方向に延びる端盤部2bと、その外周端から内周筒部2aと同心的に延びる外周筒部2cと、更にこの外周筒部2cのキャンセルプレート3側の端部に形成された押圧鍔部2dを有し、軸心Oを通る平面で切断した断面形状が略コ字形をなす。
クラッチピストン2における内周筒部2aのキャンセルプレート3側の端部には、加圧室S1側へ向けて突出し、内周部がクラッチシリンダ1の内周部1aと摺動可能に密接されるゴム状弾性材料からなるシールリップ21を一体に有し、外周筒部2cの加圧室S1側の端部に、加圧室S1側へ向けて突出し、外周縁がクラッチシリンダ1の外周部1bと摺動可能に密接されるゴム状弾性材料からなるシールリップ22を一体に有し、端盤部2bにおける加圧室S1側の面には、シールリップ21,22と連続したゴム状弾性材料からなる膜部24に形成された緩衝体23が、円周方向所定間隔で突設されている。
シールリップ21,22、緩衝体23及び膜部24は、所定のゴム加硫成形用金型内に、予め加硫接着剤を塗布したクラッチピストン2をセットし、型閉じによってクラッチピストン2と前記金型の内面との間に画成される環状のキャビティ内に未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時にクラッチピストン2に加硫接着したものである。
キャンセルプレート3は、鋼板などの金属板の打ち抜きプレス成形等によって製作されたものであって、外周部には、平衡油室S2側へ向けて突出し、外周縁がクラッチピストン2の外周筒部2cの内周面と摺動可能に密接されるゴム状弾性材料からなるシールリップ31が一体に設けられ、内周部には、このキャンセルプレート3を支持するスナップリング10が遠心力によって拡径変形するのを規制するための、複数の拡径規制突起32が、円周方向に並んで打ち出し形成されている。図示の形態では、拡径規制突起32は、90度の位相間隔(例えば円周方向一端面32a,32a間の角度が90度)で4個設けられており、それぞれ軸心Oを中心とする円弧状に形成されている。
シールリップ31は、所定のゴム加硫成形用金型内に、予め加硫接着剤を塗布したキャンセルプレート3をセットし、型閉じによってキャンセルプレート3と前記金型の内面との間に画成される環状のキャビティ内に未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時にキャンセルプレート3に加硫接着したものである。
キャンセルプレート3の内周部を平衡油室S2と反対側から支持するスナップリング10は、図2に示されるように、円周方向一箇所で分割された形状(略C字形)をなすものであり、その分割部で互いに対向する分割端部101,102を不図示の治具で強制的に開きながら、クラッチシリンダ1の内周部1aに形成された環状溝11に嵌着したものである。このスナップリング10における分割端部101,102間の中間位置に対する180度対称位置には、外周側へ突出した回り止め突起103が形成されている。
回り止め突起103は、キャンセルプレート3における円周方向に隣り合う拡径規制突起32,32間に挿入可能な大きさであって、その幅Wは、装着状態におけるスナップリング10の分割端部101,102間の対向隙間Gよりも大きいものとなっている。回り止め突起103の両側面103a,103bと、拡径規制突起32の円周方向両端面32a,32bは、共に平面状に形成されており、すなわちキャンセルプレート3とスナップリング10に相対回転を生じた場合には、回り止め突起103と拡径規制突起32が、平面同士で接触するようになっている。
多板クラッチ6は、クラッチシリンダ1の外周部1bに軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート61と、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ7に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート62が軸方向交互に配置された構造を有する。また、クラッチピストン2の押圧鍔部2dが、多板クラッチ6と軸方向に対向されている。
以上の構成において、図1に示される油圧クラッチは、加圧室S1への作動油の加圧供給による油圧の印加及びこの油圧の開放によって、クラッチピストン2がクラッチシリンダ1の作動空間S内を軸方向変位して、多板クラッチ6を接続動作あるいは遮断動作させるものである。
詳しくは、加圧室S1が加圧されると、クラッチピストン2がリターンスプリング5を圧縮しながら図1における下方へ変位し、多板クラッチ6のドライブプレート61とドリブンプレート62とを摩擦係合させる。このため、不図示の駆動軸からの駆動力が、クラッチシリンダ1、このクラッチシリンダ1に係合されたドライブプレート61、ドリブンプレート62、及びこのドリブンプレート62と係合されたクラッチハブ7を介して、不図示の従動軸へ伝達される。
また、このクラッチ接続状態から、加圧室S1の油圧を開放すると、圧縮されたリターンスプリング5の反発力によって、クラッチピストン2が加圧室S1の容積を縮小させるように図1における上方へ変位するので、多板クラッチ6のドライブプレート61とドリブンプレート62の摩擦係合が解除され、駆動軸から従動軸への駆動力の伝達が遮断される。
ここで、クラッチシリンダ1、クラッチピストン2及びキャンセルプレート3などは、不図示の駆動軸と共にその軸心Oの周りに回転しているので、加圧室S1内に導入された作動油には遠心力による遠心油圧が発生し、この遠心油圧は、リターンスプリング5による加圧室S1の容積を縮小させる方向へのクラッチピストン2の復帰移動を妨げるように作用する。しかし、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間に画成された平衡油室S2内に、油通路13を通じて供給され充填された作動油にも、同様に遠心油圧が発生しており、この遠心油圧は、加圧室S1内の遠心油圧によるクラッチピストン2の平衡油室S2側への移動力を相殺するので、リターンスプリング5によるクラッチピストン2の復帰移動(クラッチの切断動作)が円滑に行われる。
ここで、キャンセルプレート3の内周部を支持するスナップリング10は、高速回転時には遠心力によって拡径変形しようとするが、このスナップリング10を外周側から取り囲むようにキャンセルプレート3に形成された複数の拡径規制突起32が、スナップリング10の拡径変形を、環状溝11に対するスナップリング4の掛合代(環状溝11の溝深さ)よりも小さく規制する。このため、スナップリング4が大きく拡径して環状溝11から脱落することはない。
また、クラッチが接続される際には、その衝撃によって、クラッチシリンダ1(駆動軸)とクラッチピストン2及びキャンセルプレート3が瞬間的に相対回転することがあるが、これに伴うキャンセルプレート3とスナップリング10の相対回転は、回り止め突起103が、その円周方向両側にある拡径規制突起32,32のうち一方と接触することによって規制される。
そして、回り止め突起103は、スナップリング10の分割端部101,102間の中間から、拡径規制突起32の位置の位相間隔(90度)の2倍である180度の位相間隔をもって形成され、かつW>Gであるため、例えば図2における回り止め突起103の一側面103aが、拡径規制突起32の一端面32aに接触しても、これと180度対称位置にある拡径規制突起32の一端面32aに対して、スナップリング10の分割端部102は円周方向にずれた位置にあるので、引っ掛かることはない。同様に、例えば図2における回り止め突起103の他側面103bが、拡径規制突起32の他端面32bに接触しても、これと180度対称位置にある拡径規制突起32の他端面32bに対して、スナップリング10の分割端部101は円周方向にずれた位置にあるので、引っ掛かることはない。
したがって、スナップリング10とキャンセルプレート3の相対回転によって、スナップリング10の分割端部101又は102が拡径規制突起32に引っ掛かって乗り上げ、拡径されて、環状溝11からスナップリング10が脱落するのを防止することができる。ひいては、スナップリング10の脱落によってキャンセルプレート3、リターンスプリング5及びクラッチピストン2が脱落して、自動変速機が動作できなくなるといった重大な事態が発生するのを、確実に防止することができる。
なお、図示の形態においては、拡径規制突起32が90度の位相間隔をもって円周方向に4個設けられているため、回り止め突起103は、必ずしも図2のように、スナップリング10の分割端部101,102間の中間から180度の位置に設けられる必要はない。図3は、回り止め突起103の位置変更例を示すものである。
すなわち図3に示されるスナップリング10は、回り止め突起103が、分割端部101,102間の中間から、拡径規制突起32の位相間隔と同じ90度の位相間隔をもって形成されている。また、図2と同様、回り止め突起103は円周方向に隣り合う拡径規制突起32,32間に挿入可能な大きさであって、幅Wは、装着状態におけるスナップリング10の分割端部101,102間の対向隙間Gよりも大きいものとなっている。
したがってこの場合も、例えば図3における回り止め突起103の一側面103aが、拡径規制突起32の一端面32aに接触しても、これと90度対称位置にある拡径規制突起32の一端面32aに、スナップリング10の分割端部102が引っ掛かることはない。同様に、例えば図3における回り止め突起103の他側面103bが、拡径規制突起32の他端面32bに接触しても、これと90度対称位置にある拡径規制突起32の他端面32bに、スナップリング10の分割端部101が引っ掛かることはない。
本発明に係るキャンセルプレートの支持構造の好ましい実施の形態を、自動車の油圧クラッチの一部と共にその軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 図1のキャンセルプレート及びスナップリングを、図1における下方から見た矢視図である。 回り止め突起の位置変更例を、図1における下方から見た矢視図である。 従来技術によるキャンセルプレートの支持構造を、自動車の油圧クラッチの一部と共にその軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 従来技術における不具合発生の要因を説明するための図である。
符号の説明
1 クラッチシリンダ
11 環状溝
12,13 油通路
2 クラッチピストン
21,22,31 シールリップ
23 緩衝体
24 膜部
3 キャンセルプレート
32 拡径規制突起
32a,32b 端面
5 リターンスプリング
6 多板クラッチ
61 ドライブプレート
62 ドリブンプレート
7 クラッチハブ
10 スナップリング
101,102 分割端部
103 回り止め突起
103a,103b 側面
G 対向隙間
S 作動空間
S1 加圧室
S2 平衡油室
W 幅

Claims (1)

  1. クラッチピストン(2)を加圧室(S1)側へ付勢するリターンスプリング(5)を支持すると共に、前記クラッチピストン(2)との間に前記加圧室(S1)の遠心油圧と対抗する遠心油圧を発生させる平衡油室(S2)を画成するキャンセルプレート(3)の内周部が、スナップリング(10)を介して駆動軸側に前記平衡油室(S2)と反対側から支持され、前記キャンセルプレート(3)に、前記スナップリング(10)の拡径変形を規制する複数の拡径規制突起(32)が形成され、前記スナップリング(10)に、円周方向に隣り合う前記拡径規制突起(32,32)の間に挿入される回り止め突起(103)が形成され、この回り止め突起(103)が、前記スナップリング(10)の分割端部(101,102)間の中間から、前記拡径規制突起(32,32,…)の位相間隔又はその倍数に相当する位相間隔をもって形成されており、前記回り止め突起(103)の幅(W)が、前記分割端部(101,102)間の対向隙間(G)よりも大きいことを特徴とするキャンセルプレートの支持構造。
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