JP4695795B2 - 撮像装置及び撮像方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線画像をデジタル値として取得する撮像装置及び撮像方法に係わり、特に散乱線を除去するグリッドを移動させつつ被写体のX線撮影を行う撮像装置及び撮像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線撮影では、被写体内で散乱したX線が画像に大きな影響を与える。この散乱X線を効率良く除去するために、撮影面に平行に散乱X線除去手段(以下、グリッドと記す)を使用し、X線画像のコントラストの向上に役立てている。グリッドは、鉛箔がX線発生源の焦点に対して集束するか、または撮影面に垂直になるように配置されている構造を持ち、X線焦点から被写体を通過して直線的に入射してくるX線は透過し易く、被写体により散乱されて斜めに入射してくるX線は鉛箔により遮蔽される機能を持つ。従来からのフィルム/スクリーン系によるX線撮影では、グリッドの鉛箔の周波数を通常(グリッドがないと仮定した場合)のX線画像の有する周波数成分より高くして、グリッドによってX線画像にできる縞目を目立たなくしたり、またグリッドを撮影面に平行に移動させることによりX線画像に生じる縞目のコントラストを減じてフィルム上では縞目が見えないようにして撮影されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近時では、X線を蛍光体によってX線の強度に比例した可視光に変換し、それを光電変換素子を用いて電気信号に変換し、電気信号をAD変換器でデジタル変換するX線デジタル撮像装置や、X線を直接吸収しX線の強度に比例した電荷分布を検知して電気信号に変換して、電気信号をAD変換器でデジタル変換するX線デジタル撮像装置などが使用されはじめている。
【0004】
これらのX線デジタル撮像装置は、従来のフィルム/スクリーン系よりもX線吸収率が高い。また、X線デジタル撮像装置で得られたX線画像には、画像の粒状性を劣化させるフィルムの構造モトルがない。更に、デジタル値として得られているX線画像はフィルムの決まった階調で出力する必要はなく、画像モニターなどで階調を自由に変えてX線画像を見ることができる。また、画像処理で周波数解析等を行って画質を改善することができる。
【0005】
上記のような利点をもつX線デジタル撮像装置では、散乱線除去のためのグリッドを用いた撮影において、従来のフィルム/スクリーン系では気にならなかった問題が発生する。以下にその問題を説明する。
【0006】
従来のフィルム/スクリーン系での撮影では、散乱線の除去を行う縞目状鉛箔のピッチ(以下、グリッド密度と記す)を通常のX線画像のもつ周波数成分より高くすることでグリッドの縞目を目立たなくしていた。しかしながら、X線デジタル撮像装置においてはX線を電気信号として検出するセンサーの画素ピッチとグリッド密度の違いにより、X線画像にモアレが生じる。このモアレの周波数は、画素とグリッド網目との周期が一致する周波数であり、通常のX線画像の持つ周波数成分であるため、グリッドのモアレは非常に目立つ。
【0007】
従って、上記のモアレを除去することが必要となる。その一つの方法として、グリッドを単に移動させることにより、当該グリッドによってX線画像に生じるモアレを減じていた。しかしながら、最近の技術の進歩により、X線デジタル撮像装置では、従来の撮像装置よりもX線の吸収率及び解像度が良い。また、画像モニターで自由に階調を変化させることができるため、従来よりもX線画像上でより細かなグリッドのモアレの像が問題となる。
【0008】
そこで本発明は、上述の問題を解決し、画像上に現れる散乱X線除去手段(グリッド)のモアレが目立たないようにグリッドを駆動して、良好なX線撮影を実現する撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体にX線を照射するX線照射手段と、X線デジタル画像を取得するX線画像取得手段と、前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段と、前記散乱X線除去手段を撮影面内で移動させる機能を有し、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを制御する移動制御手段と、前記移動制御手段による前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを取得するために、X線強度を時系列に測定するX線タイミング取得手段とを含む。
【0010】
本発明の撮像装置は、被写体にX線を照射するX線照射手段と、X線デジタル画像を取得するX線画像取得手段と、前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段と、前記散乱X線除去手段を撮影面内で移動させる機能を有し、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを制御する移動制御手段とを含み、前記X線照射手段によるX線の照射は前記散乱X線除去手段の移動中に行われ、X線の照射が前記散乱X線除去手段の有効部分で行われるように当該散乱X線除去手段の位置を測定する位置測定手段を更に含む
【0012】
本発明の撮像装置の一態様では、前記移動制御手段は、前記X線画像取得手段の前面で前記散乱X線除去手段を往復運動させ、回転運動を前記往復運動に変換するリンク機構を更に含む。
【0013】
本発明の撮像装置の一態様では、前記移動制御手段は、前記散乱X線除去手段の移動制御をするに際し、折り返しの期間近傍までの移動区間と折り返しの期間以外の移動区間とで移動制御を異ならしめる。
【0014】
本発明の撮像装置の一態様では、前記X線タイミング取得手段により前記X線照射手段が起動されてから、実際にX線が照射されるまでの遅延時間を測定する遅延時間測定手段を更に含む。
【0015】
本発明の撮像装置の一態様では、前記散乱X線除去手段の移動の折り返し時にX線照射強度を検知するX線タイミング収得手段と、前記散乱X線除去手段の移動の折り返しを検知する折り返し位置測定手段とを更に含む。
【0016】
本発明の撮像方法は、被写体にX線を照射し、X線デジタル画像を取得する撮像方法において、前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段を撮影面内で移動させるに際して、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを取得するために、X線強度を時系列に測定して、当該移動のタイミングを制御する。
本発明の撮像方法は、被写体にX線を照射し、X線デジタル画像を取得する撮像方法において、前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段を撮影面内で移動させるに際して、当該移動のタイミングを制御し、X線の照射は前記散乱X線除去手段の移動中に行われ、X線の照射が前記散乱X線除去手段の有効部分で行われるように当該散乱X線除去手段の位置を測定する
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を図面とを参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施形態のX線デジタル撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
同図において、X線照射手段110から被写体120にX線が照射され、被写体120から透過してきたX線が移動するグリッド130を通してセンサ部140に入射する。センサ部140に入射したX線は電気信号として検出される。電気信号として検出されたX線画像はデジタル値に変換されて画像処理手段190にて画像処理により画質を改善して画像表示、保存手段200にて画像表示または保存される。撮影制御部180は、X線照射ボタン210が押されたときにグリッド130とセンサ部140を制御し、X線とタイミングを合わせる機能を有する。
【0029】
この一連の過程において、X線がX線照射手段110から被写体120に照射される場合、グリッド130の移動とセンサ部140の駆動は照射されるX線とのタイミングをみてなされる。
【0030】
以下、グリッド130の移動とセンサ部140の駆動のタイミングを制御する撮影制御部180と、グリッド130を撮影面内で移動させる機能を有し、当該移動を制御するグリッド移動制御手段170とについて詳しく説明する。
【0031】
グリッド移動制御手段170では、グリッド130の移動は、例えばパルスモーターの回転運動を直線往復運動に変換するリンク機構によりなされる。このとき最も簡単なグリッド130の駆動をグリッド130のセンサ部140に対する位置(縦軸)と時間(横軸)の関係として図2に示す。
【0032】
グリッド130の位置は、センサ部140のセンサの中心線に対するグリッド130の中心線の位置を表わしている。X線照射手段110からセンサ部140のセンサを見て、センサ部140のセンサの中心線に対しグリッド130の中心線が右側にあるときはグリッド130の位置(縦軸の値)は正の値で、左側にあるときはグリッド130の位置(縦軸の値)は負の値である。この様子を図3に示す。同図は、グリッド130の位置が−30mmの場合を表している。図2に表わしたグリッドの駆動の例によれば、グリッド130は、時刻0(パルスモーターを使用する場合にはパルスモーターの回転開始時)で、センサの中心に対して右側30mmのところから動き出し、30mm×cos(ωt)の動作をしながら、200msでセンサの中心に対して左側30mmのところで折り返して、400msで元のセンサの中心に対して右側30mmのところに戻る駆動をする。
【0033】
上記のような例のグリッド駆動の場合、図2から分かるように、グリッド130はセンサの前面で振動の動きをする。この場合、振動の端では、グリッド130は一時止まって逆方向に動き出す。グリッド130の縞目のコントラストが目立たないようにするためには、図2のグリッド位置が0の付近のとき(グリッド130が速く移動しているとき)に、X線が照射されるようにタイミングをとれば良い。これを達成するためにグリッド移動制御手段170には、グリッドの位置を判定するグリッド位置測定手段175が備わっている。グリッド位置測定手段175の例としては図9に示すように、パルスモーターの回転軸に切り欠きを持った円盤を備えており、切り欠きを通してLEDの発光を検知する方法で先ず初期位置を決定し、パルスモーターのパルス数を計数することにより回転角度を決定してグリッド130の位置を測定する構成等がある。
【0034】
グリッド130の移動、センサの駆動及びX線のタイミングを取るために、X線照射手段110(例えばX線発生装置)において、X線照射ボタン210が押されたときから実際にX線が照射されるまでの遅延時間を測定することが必要である。そのため、センサ部140にはX線タイミング取得手段160が備わっている。X線タイミング取得手段160は、X線照射ボタン210が押されたときから時系列にX線強度を測定する機能を有する。X線画像取得手段150が、時系列にX線強度を測定する機能を有する場合にはX線タイミング取得手段160はなくても良い。X線画像取得手段150を使って遅延時間を測定すれば良い。またX線タイミング取得手段160はセンサ部140ではなく、X線照射手段110に備わっている場合もある。
【0035】
図4に基づき、より詳しくグリッドの移動とセンサの駆動とX線のタイミングについて説明する。
先ず初めに、X線照射ボタン210がONになってからセンサ部ではX線信号の蓄積を開始する。蓄積はX線タイミング取得手段160より取得されるX線強度がなくなるまで続く。一方、X線発生装置ではX線照射ボタン210がONになってから、実際にX線が照射されるまで個々のX線発生装置特有の遅延が存在する。この遅延をX線タイミング取得手段160を用いて測定し、センサ部の蓄積開始時間を決める。
【0036】
更に、図2、図4にある移動グリッドの有効部分がX線の照射をカバーするように、グリッド移動のタイミングを合わせる。
【0037】
次に、図4に示した移動グリッドの有効部分について詳しく説明する。
グリッド縞目はX線デジタル画像において図5のように現れる。図5のようなグリッド縞目を含むX線画像の周波数分析を行うと図6のような結果となる。ここで用いた周波数分析手法は図5における個々の画素の濃度値(ピクセル値)のパワースペクトルである。グリッド縞目のコントラストのX線デジタル画像における強弱は、図6に示すパワースペクトルのピーク値で表わされる。グリッドがセンサ画素に対して静止していれば、グリッド縞目のパワースペクトルのピーク値は強く現れ、X線デジタル画像上でグリッド縞目が強く認識される。このグリッド縞目のコントラストを落とすために、グリッドをセンサ画素に対して移動させる。グリッドの鉛箔をセンサ画素に対して10本以上移動させるとグリッド縞目のコントラストはかなり落ちる。従って、X線照射はグリッドがある程度の移動速度になったときからX線を照射開始し、少なくともグリッドの鉛箔が10本以上移動する時間X線を照射し続けると良い。
【0038】
また、図2に示すように単振動移動でのグリッド移動の折り返しでは、グリッドの移動速度が遅くなり、グリッド縞目のコントラストが強くなる。従って、グリッドが折り返しに来る前までにX線照射が終了するようにグリッドを移動させる方が良い。
【0039】
以上の説明において、グリッドの移動過程でグリッド縞目のコントラストを小さくするために、X線照射をどこから開始した後どこで終了するのか、適した区間が存在することが分かる。以下、この区間を移動グリッドの有効部分と呼ぶことにする。
以下、短いX線照射時間に対応したグリッドの移動方法と長いX線照射時間に対応したグリッドの移動方法について述べる。
【0040】
図7に短いX線照射時間に対応した移動グリッドの有効部分を示す。
X線胸部撮影では、特に3〜5msという短いX線照射時間の撮影が要求される。グリッドの鉛箔はX線発生装置のX線焦点に合焦するように並べられているので、このように短いX線照射時間の撮影では、図7、図3のグリッドの位置が0mm付近でグリッドが移動している間にX線照射した方が良い。このような数10ms以内の誤差範囲内でグリッドの移動とセンサの駆動とX線照射のタイミングを合わせるためには、撮影以前にX線発生装置の遅延を測定するためにX線タイミング取得手段160が必要である。
【0041】
更にグリッドの移動は、図4に示すように、X線照射ボタンが押されて短い時間内にX線照射ができるようにグリッドの有効部分が所定の位置にくるようにグリッドを移動させなくてはならない。そのためには、グリッドの開始位置は単振動運動の端のみではなく、単振動運動の中心近くにした方が良い。これを達成するためには、グリッドの開始位置を測定することができるグリッド位置測定手段が必要である。
【0042】
図8に長いX線照射時間に対応した移動グリッドの有効部分を示す。
長いX線照射時間の場合、図7に示す折り返し部分でX線を照射するとX線デジタル画像にグリッドの鉛箔の縞Hがより強く現れる。通常のX線照射時間の場合には、折り返し部分を使わないような、移動グリッドの有効部分が図7に示すようなグリッドの移動方法が良い。しかし、撮影の種類によっては、X線の照射時間が予測できなくて、折り返し部分にX線照射がある場合や長いX線照射時間の撮影で折り返し部分にX線照射しなくてはならない場合に備えて、図8に示すように最初の折り返しの手前までは遅い単振動をさせ、折り返しの手前からそれまでより速い周期でグリッドを単振動させる方法が良い。なぜならば、遅い単振動でX線を長く照射することで、折り返し時に画像に蓄積されるグリッド縞目のコントラストを小さくすることができるからである。
【0043】
その結果、グリッド縞目のコントラストの大きさに対応しているパワースペクトルに対するグリッド網目のパワースペクトルのピーク値を、前記のグリッド移動速度可変の場合とグリッド移動速度一定の場合で比べたとき、グリッド移動速度可変の場合のピーク値が明らかに小さくなることを確認できる。このグリッド移動速度可変を達成する場合、グリッド位置測定手段と、グリッドの移動速度を途中で変えることができるグリッド移動制御手段が必要である。例えば、パルスモーターを備えたグリッド移動制御手段であれば、グリッドの移動位置をモーターの回転に対応するパルス数で測定することにより、グリッド位置測定手段が得られ、グリッドの移動速度も途中で変えることができる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のX線デジタル撮像装置及び撮像方法によれば、画像上に現れるグリッドのモアレが目立たないようにグリッドを駆動して、良好なX線撮影を実現することができる。
【0045】
なお、本発明によるX線デジタル撮像装置を構成する各手段、及び撮像方法を構成する各手順は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明の実施形態に含まれる。
【0046】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、上記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の有線回線や無線回線等)を用いることができる。
【0047】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
【0048】
例えば、図10は、一般的なパーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図10において、1200はコンピュータPCである。PC1200は、CPU1201を備え、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、あるいはフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0049】
上記PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、本実施形態の手段1〜5等の各手段の機能や、ステップ1〜5等の手順が実現される。
【0050】
1203はRAMで、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
【0051】
1206はCRTコントローラ(CRTC)で、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。
【0052】
1208はネットワークインタフエースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、あるいは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
【0053】
【発明の効果】
請求項1,8に記載の発明によれば、散乱X線除去手段の移動のタイミングを制御する移動制御手段を設けることにより、散乱X線除去手段の移動とX線画像取得手段のセンサの駆動のタイミングを合わせ、グリッドモアレを可及的に目立たなくし、優れたX線画像を得ることが可能となる。
【0054】
請求項2,9に記載の発明によれば、X線強度を時系列に測定するX線タイミング取得手段を設けたことにより、X線の照射を時系列に測定し、X線死生装置のボタンを押してからX線発生までの応答時間を測定することが可能となる。また、X線照射時にグリッドの移動が折り返しを含んでいるかどうか判定し、必要なら画像処理をほどこしグリッド縞目を除去して、良好なX線画像を取得できる。
【0055】
請求項3,10に記載の発明によれば、X線照射が散乱X線除去手段の有効部分で行われるように散乱X線除去手段の位置を測定するグリッド位置測定手段を設けたことにより、グリッドモアレの更に目立たない画像を取得できる。
【0056】
請求項4,11に記載の発明によれば、回転運動を前記往復運動に変換するリンク機構を設けることにより、回転角度を測定することでグリッドの位置を測定することを可能にする。
【0057】
請求項5,12に記載の発明によれば、移動制御手段により散乱X線除去手段の移動速度を変えることにより、X線照射時間が長い撮影時でも、グリッド縞目の目立たない画像を取得できる。
【0058】
請求項6,13に記載の発明によれば、移動する散乱X線除去手段とX線画像取得手段のセンサの相対位置が最適なタイミングでX線照射することができ、グリッド縞目の日立たない画像を取得できる。
【0059】
請求項7,14に記載の発明によれば、散乱X線除去手段の移動の折り返し時にX線照射があったことを検知して、ユーザーにX線画像にグリッドのモアレがあることを知らせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるX線デジタル撮影装置及びX線デジタル撮影方法の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の最も基本的なグリッドの移動方法で時系列のグリッド位置を示す特性図である。
【図3】本発明の実施形態のグリッドの移動方法でセンサ部中心に対するグリッド中心位置を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態のX線とセンサ部駆動とグリッドの移動のタイミング制御を示す特性図である。
【図5】X線デジタル画像に現れるグリッドの鉛箔の縞目を表わした模式図である。
【図6】X線デジタル画像におけるグリッドの鉛箔の縞目成分とX線量子ノイズの関係を示す特性図である。
【図7】X線照射時間が比較的短い場合のグリッドの移動方法とX線の照射タイミングを示した特性図である。
【図8】X線照射時間が比較的長い場合のグリッドの移動方法とX線の照射タイミングを示した特性図である。
【図9】グリッド位置測定手段の1例を示した模式図である。
【図10】一般的なパーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。
【符号の説明】
110 X線照射手段
120 被写体
130 グリッド
140 センサ部
150 X線画像取得手段
160 X線タイミング取得手段
170 グリッド移動制御手段
175 グリッド位置測定手段
180 撮影制御部
190 画像処理手段
200 画像表示保存手段
210 X線照射ボタン

Claims (8)

  1. 被写体にX線を照射するX線照射手段と、
    X線デジタル画像を取得するX線画像取得手段と、
    前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段と、
    前記散乱X線除去手段を撮影面内で移動させる機能を有し、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを制御する移動制御手段と
    前記移動制御手段による前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを取得するために、X線強度を時系列に測定するX線タイミング取得手段と
    を含むことを特徴とする撮像装置。
  2. 被写体にX線を照射するX線照射手段と、
    X線デジタル画像を取得するX線画像取得手段と、
    前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段と、
    前記散乱X線除去手段を撮影面内で移動させる機能を有し、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを制御する移動制御手段と
    を含み、
    前記X線照射手段によるX線の照射は前記散乱X線除去手段の移動中に行われ、X線の照射が前記散乱X線除去手段の有効部分で行われるように当該散乱X線除去手段の位置を測定する位置測定手段を更に含むことを特徴とする撮像装置。
  3. 前記移動制御手段は、前記X線画像取得手段の前面で前記散乱X線除去手段を往復運動させ、回転運動を前記往復運動に変換するリンク機構を更に含むことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  4. 前記移動制御手段は、前記散乱X線除去手段の移動制御をするに際し、折り返しの期間近傍までの移動区間と折り返しの期間以外の移動区間とで移動制御を異ならしめることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  5. 前記X線タイミング取得手段により前記X線照射手段が起動されてから、実際にX線が照射されるまでの遅延時間を測定する遅延時間測定手段を更に含むことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  6. 前記散乱X線除去手段の移動の折り返し時にX線照射強度を検知するX線タイミング収得手段と、前記散乱X線除去手段の移動の折り返しを検知する折り返し位置測定手段とを更に含むことを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  7. 被写体にX線を照射し、X線デジタル画像を取得する撮像方法において、
    前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段を撮影面内で移動させるに際して、前記散乱X線除去手段の移動のタイミングを取得するために、X線強度を時系列に測定して、当該移動のタイミングを制御することを特徴とする撮像方法。
  8. 被写体にX線を照射し、X線デジタル画像を取得する撮像方法において、
    前記被写体内で発生した散乱X線を除去する散乱X線除去手段を撮影面内で移動させるに際して、当該移動のタイミングを制御し、X線の照射は前記散乱X線除去手段の移動中に行われ、X線の照射が前記散乱X線除去手段の有効部分で行われるように当該散乱X線除去手段の位置を測定することを特徴とする撮像方法。
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