JP3755144B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療用の放射線撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線画像を撮影する装置として、スクリーンとフィルムを密着させた構造を持つスクリーン・フィルム方式が知られている。この方式は、被写体を透過したX線がスクリーンによってエネルギーの低い光に変換され、この光によって感光されたフィルムを現像処理することにより、被写体の持つX線吸収特性をフィルム上に可視化する方法である。しかしながら、この方法は、画像情報を電気信号として得ることができない。フィルム上に担持された被写体の画像情報を電気信号として取り出すためには、フィルムデジタイザ等によって、フィルムを別途デジタイズする必要があり、大変手間がかかるという欠点がある。また、フィルムのラチチュードが狭いため、撮影の失敗でアンダー露光、オーバー露光になる危険性が高いという欠点を有する。
【0003】
被写体と透過したX線画像情報を直接デジタル信号として取り出すことのできる撮影装置としてCR(Computed Radiography)が良く知られている。この装置では、被写体を透過したX線のエネルギーが輝尽性蛍光体に一旦蓄積され、これをレーザ光で励起することにより蓄積されたX線エネルギーに比例した輝尽発光を出力させ、この輝尽発光をフォトマルチプライヤー等の光電変換素子で電気信号として取り出すことができる。この方法は、輝尽発光を読み出すのに時間がかかるという欠点がある。また、レーザ光を走査するための機構が必要となり、装置が高価となる他、機械部分の動作不良を招きやすいという欠点を有する。
【0004】
そこで、近年、フラットパネルディテクタ(FPD)と呼ばれる個体撮像素子が注目を浴びている。この方法は、X線エネルギーを直接電荷に変換し、この電荷をTFT等の読み出し素子によって電気信号として読み出す直接方式FPDと、X線エネルギーをシンチレータ等で光に変換し、この変換された光を光電変換素子で電荷に変換し、この電荷をTFT等の読み出し素子によって電気信号として読み出す間接方式FPDが知られている。また、CCDセンサやCMOSセンサを複数個並べて使用する画像分割型間接方式FPDも考えられる。この方法では、X線エネルギーをシンチレータ等で光に変換し、変換した光をレンズや光ファイバ等で複数個のCCDセンサやCMOSセンサ上に集光する。集光された光はセンサ内で光電変換され、電気信号として読み出される。何れの方式も、ディテクタ面上に集光された被写体情報は、これら光電変換素子や読み出し素子のピッチ(以後ディテクタピッチと呼ぶ)に従って空間的にサンプリングされた情報として読み出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すように、被写体101にX線102を爆射した場合、一部のX線103は、被写体101に吸収されるが、残りのX線は透過X線104として被写体101に吸収されることなくディテクタ108へ到達する。一方、被写体101を透過する透過X線103の他に、散乱線105とよばれるノイズ成分が被写体101より放出される。散乱線105は、透過X線104により運ばれてくる被写体101の画像情報のSN比やコントラストを低下させるため、通常グリッド109を使用することによって、散乱線成分をできるだけ除去する方法が取られている。
【0006】
グリッド109は、X線を吸収する物質をストライプ状に一定間隔で並べた構造をしている。散乱線105の内多くの散乱線106がグリッド109に吸収されてしまうため、ディテクタ108まで到達することができない。従って、ごくわずかの散乱線107のみがディテクタ108へ到達することができる。多くの散乱線106がディテクタ108へ到達しないため、得られる画像情報のSN比とコントラストは格段に向上する。
【0007】
グリッドには、移動グリッドと固定グリッドの2種類がある。移動グリッドとは、X線の爆射に同期させてグリッドをグリッド縞の方向と垂直方向に移動させることにより、画像中にグリッドの固定パターンを結像させないようにする手法である。この方法は、装置が大がかりとなるため、一部の専用機(胸部専用機など)には使われるが、ベッドサイドでのポータブル撮影などでは一般的に固定グリッドが使用される。固定グリッドとは、ディタクタに対してグリッドを固定した形で撮影を行なう方法で、グリッドを用いた撮影方法の中で最も簡便な方法である。固定グリッドを使用すると、ディテクタへ到達する被写体情報の中にグリッド縞の固定パターンが含まれることになる。
【0008】
グリッド縞の固定パターンを含んだ画像をデジタル化する際、サンプリング周波数とグリッド周波数の関係に応じて、エリアシングやビートが生じ、これがモアレ縞と呼ばれる実存しない縞模様となって現れることがある。
【0009】
図6はエリアシングによるモアレ縞を説明する図であり、グリッド201に対して一様なX線照射を行った場合の画像情報のデジタル化の様子を表している。周波数がfgのグリッド201を通過したX線の強度、すなわちディタクタへの入力画像情報の強度信号は202のごとく表され、グリッド周波数fgと同じ周波数を持つ波形となる。この強度信号202をディタクタピッチSで定まるサンプリング周波数がfs(fs=1/s)のサンプリング関数203でサンプリングを行った結果は、204で表されるような低い周波数の波形となってしまう。これをモアレ縞と呼びfg>fnの場合に生ずる現象である。ここでfnはサンプリング周波数fsによって定まるナイキスト周波数であり、fnとfsの間には、fn=fs/2の関係が成り立っている。
【0010】
図7はビートによるモアレ縞を説明する図であり、グリッドに対して一様なX線照射を行った場合の画像情報のデジタル化の様子を表している。周波数がfgのグリッド301を通過したX線の強度、すなわちディタクタへの入力画像情報の強度信号は302のごとく表され、グリッド周波数fgと同じ周波数を持つ波形となる。この強度信号302をディタクタピッチSで定まるサンプリング周波数がfs(fs=1/s)のサンプリング関数303でサンプリングを行った結果は、304で表されるような低い周波数の波形となってしまう。これをビートによるモアレ縞と呼びfg<fnでfg≒fsの場合に生ずる現象である。
【0011】
これらのモアレ縞は、被写体の画像情報に対するノイズとなり、医師の診断を著しく妨げる。モアレ縞を避けるためには、ナイキスト周波数fnに対して十分に周波数の低いグリッドを使用すれば良いが、低い周波数のグリッドは画像中に表れるグリッド縞の固定パターンが視覚上大変目立ちやすく、診断の妨げになる場合がある。また、モアレ縞を避ける別の方法としては、fg=fnなる周波数を持つグリッドを使用することが考えられるが、完璧にfg=fnなる周波数を持つグリッドを製造することは極めて困難で、製造誤差が必ず生じてしまい、これがモアレ縞の原因となってしまう。
【0012】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、固定グリッドを使用した場合でも、モアレ縞が現れない放射線撮影装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0014】
この発明は、放射線発生手段によって発生された放射線が被写体を透過することによって得られる被写体情報を、グリッドを介して2次元状に配置された放射線検出手段によって電気信号として取得する放射線撮影装置において、前記放射線検出手段における被写体情報のサンプリング過程のナイキスト周波数fnとグリッド周波数fgとの関係が、mを任意の正の整数として
{(2m−4/3)*fn}≦fg≦{(2m−2/3)*fn}
なる条件式を満足する関係である。ただし、m=1であり、fg≦fnである場合を除く。
【0017】
これらの発明について詳細に説明すると、図1はナイキスト周波数fnでサンプリングした場合の周波数を基準として、グリッド周波数fgの存在可能な範囲を分類した図である。まず、周波数帯域はナイキスト周波数fnをはさんで領域Aと領域Bに分類される。領域Aはナイキスト周波数fnに対してエリアシングを起こさない領域であり、領域Bはナイキスト周波数fnに対してエリアシングを起こす領域である。
【0018】
次に、領域Aは、ビートによりモアレ縞が生じない領域0とビートによるモアレ縞が生ずる領域1に分類される。領域0と領域1の境界の周波数はナイキスト周波数fnから所定帯域幅εだけ低周波側に移動した位置であり、我々の実験結果によってε=fn/3であることが判明した。従って、fg<2ε(=2fn/3)なる周波数を持つグリッドを使用すれば、モアレ縞が生じないことが分かる。
【0019】
次に、領域Aと領域Bを、ナイキスト周波数fnの奇数倍の周波数を用いて分類する。すなわち、mを正の整数としたときにfn、3fn、5fn・・・(2m−1)*fnなるナイキスト周波数の奇数倍の周波数の周辺に領域1、領域2・・・領域(2m−1)、領域(2m)なる領域を定義する。ここで、領域(2m−1)は、周波数帯域が{(2m−1)*fn−ε}〜{(2m−1)*fn}なる範囲を持つ領域であり、領域(2m)は周波数帯域が{(2m−1)*fn}〜{(2m−1)*fn+ε}となる範囲を持つ領域である。領域3、領域5・・・領域(2m−1)は、エリアシングにより、全て領域1の周波数帯域に折り返されるため、ナイキスト周波数fnのもとでは、全て領域1にある周波数として扱うことができる。また、領域2、領域4・・・領域(2m)なる周波数帯域も、エリアシングにより全て領域1の周波数帯域に折り返されるため、ナイキスト周波数fnのもとでは、全て領域1にある周波数として扱うことができる。
【0020】
言い換えれば、周波数は領域(2m−1)、領域(2m)の周波数帯域に存在するグリッドは、全て領域1の周波数帯域に存在するグリッドとして扱うことができる。
【0021】
次に、図2を用いて説明する。この例は、グリッド周波数fgが領域2に存在する場合の例である。501は、ディテクタによって検出された被写体画像情報の周波数特性(MIF特性)を表している。被写体の画像情報がディテクタピッチによって一意的に定まるナイキスト周波数fnでサンプリングされると、ナイキスト周波数fnに対して高周波数側に存在する被写体画像情報の周波数帯域503は、ナイキスト周波数fnに対して低周波に折り返される。折り返された周波数帯域を504の斜線部分で表す。これに伴い、サンプリング後の被写体画像情報の周波数特性は、501から502へと変化する。502は501の周波数特性に504の周波数特性を加算したものである。同様に、グリッド周波数fgもナイキスト周波数fnに対して折り返され、新たに擬似グリッド周波数fg’(fg’=2fn−fg)として認識される。fgが領域3、領域4、領域5・・・領域(2m−1)、領域(2m)にある場合も、同様にして、全て領域1に存在するグリッド周波数fg’として扱うことができる。
【0022】
擬似グリッド周波数fg’が領域1に属する場合、ビートによるモアレ縞が生ずることは先に述べた。そこで、505に示す様に周波数応答が、0周波数からfg’付近までの領域において、できるだけフラットな特性を持ち、かつfg’をできるだけ低減するようなデジタルフィルタをかけることで、擬似グリッド周波数fg’に起因するビート現象を低減し、モアレ縞を視認できないほど弱めることができる。このように、グリッド周波数が領域1、領域2、・・・領域(2m−1)、領域(2m)の範疇に入るようなグリッドを用いてナイキスト周波数がfnとなるようなサンプリングを行う。その後fg’を低減せしめるようなデジタルフィルタ505を施すことによって、モアレ縞の無い、良好な被写体画像を再生することが出来る。無論、fg’以上の周波数を低減するようなデジタルフィルタを使用しても良い。
【0023】
また、被写体の画像情報をディテクタでサンプリングして得られる電気信号は、強度信号であるのが一般的である。前述のデジタルフィルタ処理は、この強度信号に対して施しても良いが、強度信号を対数変換処理もしくは対数変換に匹敵する非線形変換処理した濃度換算信号に対して施すことが好ましい。そうすることによって画像を濃度換算情報として表示した際に、フィルタ処理によって生じるアーチファクトが対数変換処理や対数変換に匹敵する非線形変換処理によって強調されることを防ぐことができる。図8に強度信号Iをlog10の対数変換によって、濃度換算信号であるlog10(I)に変換する場合の一例を示す。また前述のデジタルフィルタ処理は、シンク関数等によるコンボリューションフィルタなどによって実現することができる。
【0024】
ここで、ε=fn/3を考慮すると、この発明で選択されるグリッド周波数fgとナイキスト周波数fnが{(2m−4/3)*fn}≦fg≦{(2m−2/3)*fn}なる条件式を満足しなくてはならないことが分かる。また、fg>fnなる周波数を持つグリッドとサンプリング周波数を使用する際には、サンプリング過程で折り返した擬似グリッド周波数fg’とナイキスト周波数fnが(2/3・fn)≦fg’≦fnなる関係を保つようなグリッド周波数fgとナイキスト周波数fnの組み合わせを使用しなくてはならないことが分かる。
【0025】
例えば、{(2m−4/3)*fn)}≦fg≦{(2m−2/3)*fn}の範疇以外のfgでかつfg>fnを満足するfg、すなわち、領域B内で、かつ領域2、3、・・・・、領域(2m−1)、領域(2m)に属さないfgを用いた場合、エリアシングで折り返した周波数fgが領域A内の領域1を除く範疇に存在してしまう。この場合、モアレの原因となるfg’を除去するためには、より低い周波数を除去しなくてはならない。また、一般にfgやfg’は、グリッドピッチの微妙な変化(誤差)に起因する帯域幅を持つため、モアレを低減するためにはこの帯域幅全体を低減する必要がある。
【0026】
一般に、被写体情報の持つ周波数特性は低周波ほど振幅が大きく、高周波になるに従って振幅が低下するため、被写体情報がたくさん含まれる低周波領域にこれら低減すべき周波数が存在しないようにしなければならない。画像の低周波領域を低減するようなフィルタ処理を行った場合、再生画像に悪影響を及ぼしたり、高い周波数がカットされたねぼけた画像が再生されてしまう。この発明では、この点も考慮されており、モアレ縞のない良好な被写体画像を再生できる構成となっている。
【0027】
この発明では、固定グリッドを使用しても、モアレ縞が現れない。また、固定グリッドの周波数(ピッチ)に所定の幅を持たせることができ、使用者の都合により、これらグリッド周波数を適宜選択することができる。また、本来モアレ縞を発生する高い周波数のグリッドも使用することができる。また、移動グリッドを使用しなくて済むため、装置サイズが小さくなり、かつ製造コストを低減することができる。また、グリッド周波数にある幅を持たせることができるため、グリッド周波数に製造上の誤差が生じても、モアレ縞を発生させることがない。
【0028】
また、この発明は、放射線発生手段によって発生された放射線が被写体を透過することによって得られる被写体情報を、2次元状に配置された放射線検出手段によって電気信号として取得する放射線撮影装置において、所定の周波数応答を低減せしめるフィルタ処理を施すフィルタ機能を有し、かつ前記フィルタ処理を施すか否かを選択する選択手段を有する。
【0029】
この発明の放射線撮影装置では、グリッドを使用する場合と使用しない場合が考えられるため、例えばグリッドを使用する場合はフィルタ処理を施し、グリッドを使用しない場合にはフィルタ処理を施さないようにすることが好ましい。これを実現するために、フィルタ処理を施すか否かの選択手段を設けた構成となっている。この発明では、モアレを低減させるためのフィルタ処理を選択的に行えるので、グリッドを使用しない場合は、フィルタ処理による高周波成分の劣化を防ぐことができる。
【0030】
また、この発明は、放射線発生手段によって発生された放射線が被写体を透過することによって得られる被写体情報を、グリッドを介して2次元状に配置された放射線検出手段によって電気信号として取得する放射線撮影装置において、使用するグリッドのピッチ情報もしくはグリッドピッチに基づいて導かれる周波数情報を記憶する記憶手段と、この記憶されたグリッドピッチ情報もしくはグリッドピッチに基づいて導かれる周波数情報に基づいて、取得された電気信号の所定の周波数を低減せしめるフィルタ処理を施す。
【0031】
この発明の放射線撮影装置では、使用するグリッドのピッチ情報もしくはグリッドピッチに基づいて導かれる周波数情報を記憶する記憶手段を設け、周波数情報に基づいて、取得された電気信号の所定の周波数を低減せしめるフィルタ処理を施すようにすれば、最適なフィルタ演算を施すことが可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の放射線撮影装置の一実施の形態を詳細に説明する。図3は放射線撮影装置の概略構成を示す図である。この実施の形態の放射線撮影装置に備えられる制御回路613は、この実施の形態内の全ての装置、回路を制御している。X線発生制御装置601でX線発生命令が出されると、X線源602により被写体603へ向けてX線が放射される。また、X線発生制御装置601のX線発生命令は、制御回路613へ入力され、X線の発生に同期してその他の回路が制御される。
【0033】
被写体603を透過したX線は、グリッド周波数がfgのグリッド604を透過することで散乱線線分を低減させる。ここで、グリッド周波数fgは、領域(2m−1)もしくは領域(2m)の周波数帯域に属する周波数であり、{(2m−4/3)*fg)}≦fn≦{(2m−2/3)*fn}なる条件式を満足するものである。
【0034】
グリッド604によって散乱線が低減された被写体603の画像情報は放射線検出手段605によって電気信号として検出される。放射線検出手段605は、直接方式FPD、間接方式FPD、画像分割型間接方式FPDの何れの方式でも良い。
【0035】
放射線検出手段605によって被写体画像情報が検出される際に、ディテクタピッチに応じたナイキスト周波数fnでサンプリングが施され、サンプリングされた被写体の画像情報がアナログ信号として読出回路606で読み出される。このサンプリング処理によって、領域(2m−1)もしくは領域(2m)の周波数帯域に属するグリッド周波数fg は領域1に属するfg’なる周波数を持つ擬似グリッド周波数として新たに認識される。
【0036】
読出回路606によって読み出されたアナログ電気信号は、A/D変換回路607によってデジタル信号に変換され、メモリ608に一時記憶される。メモリ608に一時記憶されたデジタル信号は信号処理回路609によって順次読み出され、信号処理回路609により前記領域1に属するグリッド周波数fg’を低減せしめるようなデジタルフィルタが施された後に、メモリ610内にその結果が順次保存される。
【0037】
信号処理回路609は、DSPやRISCchip等を用いたソフトウエア処理によっても実現可能であるし、またASICやフィルタ専用IC等を用いたハードウエア処理によっても実現可能である。また、デジタルフィルタ処理を施す前にデジタル信号(強度信号)は図8に示すような対数変換処理もしくは対数変換に匹敵する非線形変換処理によって濃度換算信号に変換されていることが好ましい。この濃度換算信号への変換処理は数値演算やLUT(Look Up Table)処理等によって容易に実行することができる。
【0038】
メモリ610に順次保存されたフィルタ処理後のデジタル信号は、I/F回路612を通じてホストコンピュータ614に転送される。ホストコンピュータ614に転送されたデジタル信号(画像データ)は、操作端末615による操作により、表示装置616に表示されたり、出力装置618に出力されたり、記憶装置617へ保存されたりする。また、ネットワーク619を通して、ネットワーク上に接続されているその他の装置へも出力される。
【0039】
この実施例では、フィルタ処理がホストコンピュータ614とは異なる信号処理回路609によって実施されているが、ホストコンピュータ614内でフィルタ処理を施してもよい。
【0040】
また、常にフィルタ処理を実施するのではなく、フィルタ処理を選択的に行うための選択手段を有しても良い。例えば、グリッドを使用した場合はフィルタ処理を行った方が好ましいが、グリッドを使用しない場合は、フィルタ処理を行わない方がより多くの周波数情報を再現でき、好ましい。このように、グリッドを使用したか否かに基づいてフィルタ処理を選択的に行うことができる。
【0041】
この場合、例えばホストコンピュータ614等の外部装置、例えば操作端末615からのグリッドのあるなしを使用者が通知できる通知手段を設けても良い。この場合、通知された内容(グリッドの有る無しに関する通知内容)は、次の通知があるまでは、所定の記憶媒体に記憶しておくと便利である。また、グリッドの有無を通知する際に、グリッド周波数fgを合わせて通知しても良い。この時、通知されたグリッド周波数fgに関わる情報を所定の記憶媒体に記憶しておくと便利である。グリッドの有無やグリッド周波数の通知方法としては、使用者が操作端末615の操作卓からキー入力する方法や、予め用意された選択画面中のメニューを選択する方法が考えられる。また、グリッドにグリッド周波数を示すバーコードを添付しておけば、バーコードリーダでグリッド周波数を読み込むことができるので、キー入力を行ったり、選択画面からメニューを選択したりする手間が省ける。
【0042】
また、グリッドのあるなしを自動的に判断する判断手段を有しても良い。例えば、グリッドを装着すると自動的にスイッチがONになる機構を設けることによってグリッドの有無の自動判別が可能である。また、グリッドを使用すると反応するセンサ等を用いても同様に実現可能である。また、画像処理によりグリッドの有無を判定し、複数のグリッド周波数fgが選択可能な場合は、選択されたグリッドの周波数fgを低減するのに最もふさわしいフィルタ係数もしくは選択されたグリッド周波数fgに基づいて計算された擬似グリッド周波数fg’を低減するのに最もふさわしいフィルタ係数を選択するようにする。
【0043】
グリッド周波数fgの値、もしくは、計算された擬似グリッド周波数fg’の値、もしくは、これらの値に匹敵する値を記憶手段に記憶しておく。フィルタ係数は、予め、幾つかのグリッド周波数fgもしくは疑似グリッド周波数fg’に対応した係数を複数用意しておき、選択されたグリッド周波数fgもしくは、計算された擬似グリッド周波数fg’の値等をもとにして最適な係数を選択する。これらフィルタ係数の値は、放射線読取装置内に記憶しておいても良いし、その都度ホストコンピュータ614から最適な係数をダウンロードするようにしても良い。
【0044】
また、グリッドの周波数fgを以下のような手段によって自動的に求めることもできる。まず、グリッドが装着された状態で、被写体無しのベタ画像を取得する。このベタ画像には、グリッド画像のみが写し込まれている。このグリッド画像の周波数を解析する周波数解析手段を用いれば、グリッド周波数を自動的に求めることができる。周波数解析手段は、ベタ画像内に写し込まれたグリッドストライプの濃度凹凸の距離を測定することで実現できる。また、グリッド画像をフーリエ変換し、パワースペクトル上の周波数のピーク位置を求めることでも実現できる。また、その他の信号解析手法を用いてもさしつかえない。
【0045】
被写体無しのベタ画像を取得する代わり、グリッドが装着された状態で、均一なX線吸収特性を持つ被写体の画像を取得することでも同様の周波数解析を行うことができる。また、X線吸収が既知の被写体であれば、いかなる被写体を用いても同様の周波数解析を容易に行うことができる。また、X線吸収が既知でない被写体の場合であっても、一定の周期を持つグリッドパターンであれば周波数解析手段によってグリッド周波数を求めることが可能である。このようにして求められるグリッド周波数は、fgもしくはfg’である。(fg≦fnの場合、求められるグリッド周波数はfgであり、fg>fnの場合、求められるグリッド周波数はfg’である)。しかしながら、グリッド周波数がわかれば、前述の実施例と同様の手法によって、グリッド周波数を低減するフィルタ処理を行うことができる。
【0046】
図4はフィルタ処理に使用されるフィルタ係数の一例を示す図である。この実施の形態は、フィルタ処理をシンク関数を用いたコンボリューション処理で行う例である。すなわち、所定の周波数以上の周波数帯域全体を低減するような場合を想定している。図4(a)はフィルタ処理で、より低周波側から周波数を低減させるためのシンク関数である。また、図4(b)は、より高周波側から周波数を低減させるためのシンク関数である。これらシンク関数は、ディテクタピッチと同じピッチでサンプリングされ、サンプリングされた係数が記憶される。記憶された係数は、フィルタ処理時に読み出され、被写体の画像情報とコンボリューション処理される。
【0047】
図9はグリッドのストライプ701に対してフィルタ処理を施す方向702の関係を示した図である。このようにフィルタ処理はグリッドストライプ701の方向に対して垂直方向に施される。
【0048】
【発明の効果】
前記したように、請求項1乃至請求項6に記載の発明では、固定グリッドを使用しても、モアレ縞が現れない。また、固定グリッドの周波数(ピッチ)に所定の幅を持たせることができ、使用者の都合により、これらグリッド周波数を適宜選択することができる。また、本来モアレ縞を発生する高い周波数のグリッドも使用することができる。また、移動グリッドを使用しなくて済むため、装置サイズが小さくなり、かつ製造コストを低減することができる。また、グリッド周波数にある幅を持たせることができるため、グリッド周波数に製造上の誤差が生じても、モアレ縞を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナイキスト周波数fnでサンプリングした場合の周波数を基準として、グリッド周波数fgの存在可能な範囲を分類した図である。
【図2】グリッド周波数fgが領域2に存在する場合のMTFとデジタルフィルタの例を示す図である。
【図3】放射線撮影装置の概略構成を示す図である。
【図4】フィルタ処理に使用されるフィルタ係数の一例を示す図である。
【図5】グリッドの散乱線除去機能を説明する図である。
【図6】エリアシングによるモアレ縞を説明する図である。
【図7】ビートによるモアレ縞を説明する図である。
【図8】強度信号を濃度換算情報に変換する一例を示す図である。
【図9】グリッドストライプとフィルタ処理の方向を説明する図である。
【符号の説明】
601 X線発生制御装置
602 X線源
603 被写体
604 グリッド
605 放射線検出手段
606 読出回路
607 A/D変換回路
608 メモリ
609 信号処理回路
610 メモリ
612 I/F回路
613 制御回路
614 ホストコンピュータ
615 操作端末
616 表示装置
617 記憶装置
618 出力装置
619 ネットワーク

Claims (6)

  1. 放射線発生手段によって発生された放射線が被写体を透過することによって得られる被写体情報を、グリッドを介して2次元状に配置された放射線検出手段によって電気信号として取得する放射線撮影装置において、
    前記放射線検出手段における被写体情報のサンプリング過程のナイキスト周波数fnとグリッド周波数fgとの関係が、mを任意の正の整数として
    {(2m−4/3)*fn}≦fg≦{(2m−2/3)*fn}
    なる条件式を満足する関係であることを特徴とする放射線撮影装置。
    ただし、m=1であり、fg≦fnである場合を除く。
  2. 前記放射線検出手段によって取得された電気信号に対して、前記条件式を満たすグリッド周波数fgがナイキスト周波数fnより大きい場合、少なくともグリッド周波数fgがナイキスト周波数fnで折り返したことによって生ずる擬似グリッド周波数fg’を低減せしめるようなフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記フィルタ処理が、前記放射線検出手段によって取得された電気信号を略対数変換した信号に対して施されるデジタルフィルタ処理であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記デジタルフィルタ処理で使用するフィルタ係数を格納する格納手段と、格納されたフィルタ係数をグリッド周波数fgに関連する情報に対応づけて読み出す読出手段を有することを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記フィルタ係数が、シンク関数によるコンボリューションフィルタ係数であることを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記フィルタ処理を施すか否かを選択する選択手段を有することを特徴とする前記請求項2または請求項3に記載の放射線撮影装置。
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