JP4694824B2 - 自動車のインストルメントパネル取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のインストルメントパネル取付構造に関する。詳しくは、インストルメントパネルに自動車の後方向への所定の荷重が作用した時に、この負荷にかかるエネルギを吸収することのできる自動車のインストルメントパネル取付構造に関する。
例えば、歩行者がボンネットタイプの自動車と衝突事故を起こすと、ボンネット部分の形状や衝突時の速度によっても異なるが、先ず、車両との1次衝突により主に下半身部位に損傷を被り、その後に跳ね上げられるなどして、ボンネット上部やフロントガラス等の箇所に2次衝突して損傷を被る。また、その後には、路面に投げ出されるなどで3次衝突をして更なる損傷を被ることもある。
具体的には、1次衝突では、フロントグリル等の比較的低位から身体に衝撃を受けることになり、2次衝突では、1次衝突の作用を受けてフロントガラスやピラー等の箇所に頭部や顔面(その他、肩部や背中部)を打付けることがある。詳しくは、2次衝突では、1次衝突の作用により転倒方向に傾く歩行者の身体を、衝突面で受止めるような態様となることが多いため、歩行者は比較的大きな衝撃エネルギを受ける。したがって、その衝撃力により、フロントガラスを突き破って運転席前のインストルメントパネルの上面に衝突することがある。
ここで、インストルメントパネルは、カウルインナーパネルに形成されたフランジ等の所定の取付け箇所にビス止めされて固定されているものや、後記特許文献1に開示されているように、取外し等の組付け性を向上させるためにこれら(カウルインナーパネルとインストルメントパネル)の取付け部分を嵌込み構造にしたものがある。その他にも、車両衝突時における乗員の前方向への衝突を緩和するために、インストルメントパネル部分が前方向荷重に対して変形するようにしたもの(衝撃吸収構造)もある。
特開2002−12059号公報
しかしながら、上述した従来の技術(インストルメントパネルの取付構造)のものに対して、歩行者がフロントガラスを突き破ってインストルメントパネルの上面に衝突した場合、フロントガラスの破壊に伴うエネルギ吸収によりある程度の衝撃エネルギは緩和されるものの、歩行者は、車両(カウルインナーパネル)に剛固定されたインストルメントパネルによって、衝撃力を受ける場合がある。
すなわち、従来のインストルメントパネルは、カウルインナーパネルにビス止めされるなどして剛固定されているため、このような衝撃力を受けても変形(大変形)や変位(大変位)を伴わない。よって、歩行者がこのような剛体に対して衝突した場合には、その衝撃エネルギがほとんど吸収されず、その代わりに歩行者に衝撃力がそのまま加えられることとなる。
また、インストルメントパネルを嵌込み構造にしたもの(特許文献1に開示されているもの)は、専ら組付性を向上させるための構造であって、組付け後の支持剛性をむしろ高めるようにして、インストルメントパネルが抜け外れることのないようにしている。
ここで、歩行者がインストルメントパネルの上面に衝突した場合には、インストルメントパネルを自動車の後方側に変位させるような衝撃荷重が作用する。すなわち、インストルメントパネルとカウルインナーパネルとの取付部に対して引張り方向の力を作用させる。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、インストルメントパネルの取付け強度を確保しつつ、インストルメントパネルに自動車の後方向への所定の荷重が作用した時に、この荷重を吸収できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の自動車のインストルメントパネル取付構造は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、自動車の室内前部に配設されるインストルメントパネルがカウルインナーパネルに装着されて取付けられる自動車のインストルメントパネル取付構造である。カウルインナーパネルには、インストルメントパネルに設けられた樹脂製の取付部位を車両前方側への挿し込みによって装着することのできる樹脂製の被取付部位が設けられている。取付部位は、被取付部位に挿込まれることにより、被取付部位を高さ方向の両側から挟み込み、かつ、被取付部位を下方側から挟み込む支持片上に突出形成された係合爪を被取付部位の下面部に形成された係合溝内に弾性的に入り込ませた状態として双方の樹脂弾性によって被取付部位と互いに弾性的に係合して抜け止めされた状態となり、この弾性係合力によってインストルメントパネルをカウルインナーパネルに抜け止め可能に取付けた状態に保持する保持力を発揮させる構成となっている。この取付部位と被取付部位とが互いに弾性的に係合した状態は、これらの弾性係合力を超える強い力で取付部位を被取付部位から外す所定の荷重がインストルメントパネルにかけられることにより、取付部位が係合爪と係合溝との係合部位を支点にその被取付部位を挟み込んでいる挟持形状を開かせるように移動して係合爪が係合溝の下方側へと外し出されて被取付部位から抜き外されるようになっている。
ここで、インストルメントパネルに上記所定の荷重が作用する場合としては、例えば、自動車の対歩行者との衝突後の2次衝突時において、衝突した歩行者がフロントガラスを突き破ってインストルメントパネルの上面に衝突する場合などが挙げられる。
この第1の発明によれば、インストルメントパネルは、その樹脂製の取付部位をカウルインナーパネルに設けられた樹脂製の被取付部位に挿し込んで装着することにより、これらが互いの樹脂弾性によって互いに係合して抜け止めされた状態となって、カウルインナーパネルに取付けられた状態となる。そして、この取付けられた状態で、インストルメントパネルに上記所定の荷重がかられることにより、取付部位が係合爪と係合溝との係合部位を支点にその被取付部位を挟み込んでいる挟持形状を開かせるように移動して係合爪が係合溝の下方側へと外し出されて被取付部位から抜き外される。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、インストルメントパネルに設けられた樹脂製の取付部位をカウルインナーパネルに設けられた樹脂製の被取付部位に挿し込むことでこれらを弾性的に係合させて抜け止め可能に装着した状態としインストルメントパネルをカウルインナーパネルに取り付けた状態に保持する保持力を発揮させることのできる構成とし、かつ、取付部位が被取付部位との係合から外されるような大荷重(所定の荷重)が入力された時には、取付部位を、係合爪と係合溝との係合部位を支点にその被取付部位を挟み込んでいる挟持形状を開かせる態様で移動させて、係合爪を係合溝の下方側へと外し出して被取付部位から抜き外すことができる。このように、インストルメントパネルのカウルインナーパネルへの取付け強度を確保しつつ、インストルメントパネルに所定の荷重がかけられた際には、取付部位を被取付部位の下方側へ抜き外す態様でインストルメントパネルをカウルインナーパネルから取り外せるようにして入力荷重のエネルギ吸収を好適に行うことができる構成を簡単な構成によって具現化することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、本発明の実施例1の自動車のインストルメントパネル取付構造について図1〜図3に基づいて説明する。図1は自動車のインストルメントパネル取付構造を示す車室前部の縦断側面図、図2はクリップ10の斜視図、図3はホルダー20の装着面形状を示す部分拡大斜視図である。なお、図2に示すクリップ10、及び図3に示すホルダー20は、構造を明確に図示するため図1に対して異なる向きに画かれている。
本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造は、図1に良く示されるように、自動車の車室前部のフロントガラス3の下部に配設されるインストルメントパネル1(以下、インパネ1とする)がカウルインナーパネル2(以下、カウルパネル2とする)に対して取付けられる構造である。詳しくは、カウルパネル2に取付けられるインパネ1は、例えば、歩行者との2次衝突などにより、自動車の後方向への所定の荷重の作用を受けると、インパネ1がカウルパネル2に対して相対的に後方移動するような構成になっている。より詳しくは、インパネ1が所定の荷重の作用を受けた際に、これらの装着構造を構成しているホルダー20及びクリップ10が摩擦摺動を伴いながら抜き外れる方向に相対移動し、全体としてインパネ1を後方移動させるようにしている。すなわち、この装着構造によって、所定の荷重に伴うエネルギを内部的に減衰させる(摩擦摺動抵抗によって減衰させる)というエネルギ吸収構造を構成している。
次に、具体的な構成について述べると、インパネ1には、この前側下部(自動車の前側下部)に形成されたブラケット1aの先端に樹脂製のホルダー20が固定されている。また、一方で、カウルパネル2に形成されたフランジ部2cには、このホルダー20を装着可能に形成された樹脂製のクリップ10が掛着される。ここで、ホルダー20が本発明の取付部位に相当し、クリップ10が本発明の被取付部位に相当する。以下、インストルメントパネル取付構造についての詳細な構成を説明する。
先ず、インパネ1は、その前端部位がカウルパネル2に配設されたクッション材4に載置されて支持状態とされ、更に、その下部に形成されたブラケット1aがビス等の締結部材によりホルダー20の固定部22に固定される。そして、インパネ1は、固定したホルダー20を後述するカウルパネル2に掛着されるクリップ10に装着することにより、カウルパネル2に対して取付けられるようになっている。
次に、カウルパネル2は、ダッシュアッパーパネル2aとダッシュロアーパネル2bとによって構成されている。そして、ダッシュアッパーパネル2aとダッシュロアーパネル2bとが当接する部位には、これらが接合状態で自動車の後方側に向けて折曲げられたフランジ部2cが形成されている。また、このフランジ部2cには、クリップ10の係止爪12bを係止するための係止孔2dが設けられている。
次に、カウルパネル2のフランジ部2cに掛着される樹脂製のクリップ10(本発明の被取付部位に相当する)は、図2に良く示されるように、フランジ部2c(図1参照)に掛着される掛着部12と、ホルダー20を装着するための被装着部11と、によって構成されている。詳しくは、掛着部12は、フランジ部2cを上下方向から挟持するよう対向配置された挟持片12aと、この挟持片12aが内向する側に一体的に形成された係止爪12bと、からなる。また、挟持片12aは、対向配置された離間寸法が先端に行くに従って狭くなるように(先端に向けてフランジ部2cの肉厚よりも狭くなるように)形成されており、先端部分が断面く字状に拡開された形状とされている。一方、被装着部11は、ホルダー20への装着面となる軸片11aと、後述するホルダー20の係合爪21dに係合する係合溝11b(図1参照)と、からなる。ここで、被装着部11(軸片11a及び係合溝11b)が本発明における装着面形状に相当する。
したがって、このような構成を備えるクリップ10をフランジ部2cに掛着するには、図1に良く示されるように、掛着部12の挟持片12aの断面く字状に拡開された先端部分をフランジ部2cに向けて挿入し、そして、掛着部12の係止爪12bをフランジ部2cの係止孔2dに合わせるようにすればよい。これにより、掛着部12は、挟持片12aの断面く字状の先端部分がフランジ部2cの肉厚によって弾性的に拡開されてフランジ部2cに挿入され、更に、係止爪12bが係止孔2dに嵌まり込むことにより係止される。このとき、弾性的に拡開された状態の挟持片12aは、その復元力によって係止爪12bを係止孔2dに嵌め込む方向に附勢する。したがって、係止爪12bの係止力が安定して作用するため、クリップ10はフランジ部2cの前後方向(自動車の前後方向)に対して抜け外れない一体的な状態となる。すなわち、クリップ10がカウルパネル2に前後方向に対して一体的に配設された状態となる。
次に、インパネ1に固定される樹脂製のホルダー20(本発明の取付部位に相当する)は、図1及び図3に良く示されるように、インパネ1のブラケット1a(図1参照)にビス等の締結部材によって固定される固定部22(図1参照)と、ホルダー20をクリップ10の被装着部11(図2参照)に装着するための装着部21と、によって構成されている。詳しくは、装着部21は、全体として断面コ字状に形成されており、ホルダー20をクリップ10に挿込む際の挿込み方向を案内する案内片21aと、クリップ10を下方向から支持する支持片21bと、挿込んだクリップ10を受け止める受止片21cと、によって断面コ字状を構成している。ここで、案内片21a、支持片21b、及び受止片21cが本発明の装着面形状に相当する。
また、図3に良く示されるように、装着部21には、挿込んだクリップ10の係合溝11bに係合して抜止め方向に係合力を付与する係合爪21dが形成されている。この係合爪21dは、クリップ10を挿込む操作によってクリップ10の係合溝11b(図1参照)に係合した係合状態となる。ここで、係合爪21dが本発明の係合突起に相当し、かつ、装着面形状に相当するものである。
したがって、このような構成を備えるホルダー20をクリップ10に装着するには、ホルダー20の装着部21のコ字内にクリップ10(カウルパネル2に掛着された状態のクリップ10)の被装着部11を挿入する。詳しくは、ホルダー20の案内片21aと支持片21bとの間にクリップ10の軸片11aを挟み込むようにして挿入する。そして、クリップ10の軸片11aがホルダー20の受止片21cに当接するまで挿入すると、クリップ10の係合溝11bが係合爪21dに係合して抜止め方向の係合力を作用させる。
このようにしてホルダー20をクリップ10に装着することにより、インパネ1がカウルパネル2に取付けられる。
以上のように本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造が構成されている。なお、これらの装着構造は、複数設けられてインパネ1をカウルパネル2に取付けるようになっている。
続いて、自動車のインストルメントパネル取付構造の使用方法について説明する。
先ず、カウルパネル2に取付けられた状態のインパネ1に所定の荷重が作用すると、これらの装着構造を構成しているクリップ10とホルダー20との間に抜き外し方向(クリップ10とホルダー20とが前後方向に相対移動する方向)の附勢力が作用する。ここで、クリップ10とホルダー20は、これらの装着面形状を構成するクリップ10の被装着部11やホルダー20の装着部21及び係止爪12bによって、抜止め方向の係合力を作用させている。
しかしながら、上記所定の荷重による附勢力の作用を受けると、クリップ10及びホルダー20は、この係合力に抗して互いに前後方向(抜き外れる方向)に相対移動する方向に作用力を受ける。この際、両者の間には、上記係合力に抗した抵抗力が付与される。すなわち、この附勢により、係止爪12bを始めとした装着構造全体に弾性変形等を伴う抜止め方向の係合力が作用するため、クリップ10及びホルダー20が相対移動しようとすると、この両者の間には係合力に抗した抵抗力が付与される。そして、この抵抗力による作用が、所定の荷重に伴うエネルギを蓄積する機構として作用する。その後、所定の荷重の大きさによっては、両者の間に作用する係合力を超えてクリップ10の被装着部11がホルダー20の係合爪21dを抜けて装着部21から抜き外れる。この際、クリップ10の被装着部11がホルダー20の係合爪12bから抜外れることにより、係止爪12bを始めとした装着構造全体の弾性変形に伴って蓄積されたエネルギが開放される。すなわち、所定の荷重にかかるエネルギが内部的に吸収されることとなる。また、クリップ10の被装着部11がホルダー20の係合爪21dに対して相対移動を伴なうため、両者の間には摩擦摺動抵抗が作用してエネルギ吸収が行われる。そして、両者の係合状態が解除され、インパネ1がカウルパネル2から取外される。このとき、インパネ1がカウルパネル2に対して相対的に後方移動する挙動に伴って、所定の荷重にかかるエネルギが内部的に吸収されることとなる。
このように、本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造は、クリップ10の係止爪12bを始めとした装着構造により、装着状態を保持するための係合力を作用させているため、インパネ1がカウルパネル2に対して一定の取付け強度を有して取付けられる。また、インパネ1が自動車の後方向への所定の荷重の作用を受けると、装着構造を構成しているホルダー20及びクリップ10がこの作用力に抗して弾性変形を伴い、エネルギを蓄積する。そして、ホルダー20とクリップ10との係合状態が解除されることによりこのエネルギが開放されるため、所定の荷重を伴なうエネルギを内部的に減衰させることができる。また、この際、ホルダー20とクリップ10との相対移動に伴なって両者の間に摩擦摺動抵抗が付与される。更に、インパネ1がカウルパネル2に対して相対的に後方移動する。したがって、このインパネ1の相対移動や装着構造の摩擦摺動抵抗によって、所定の荷重に伴うエネルギを内部的に吸収させることができる。よって、インパネ1に対して、例えば歩行者との2次衝突に伴う衝撃エネルギが作用した場合に、この衝撃エネルギを吸収することにより緩衝させる効果が期待できる。
また、装着構造を構成するホルダー20及びクリップ10が樹脂製であるため、これらが相対移動する際の接触抵抗が安定する。したがって、摩擦摺動抵抗が安定的に付与される。
更に、装着状態を保持するための係合力を係合爪21dによって付与するようにしているため、この係合爪21dの突出量を変化させることによって、かかるエネルギ吸収特性を調整して使用することができる。
続いて、本発明の実施例2の自動車のインストルメントパネル取付構造について図4〜図6に基づいて説明する。図4は自動車のインストルメントパネル取付構造を示す車室前部の縦断側面図、図5はソケット50の装着面形状を示す拡大斜視図、図6はピン機構60の部分拡大斜視図である。なお、図5に示すソケット50、及び図6に示すソケット60は、構造を明確に図示するため図4に対して異なる向きに画かれている。
また、本実施例においては、実施例1の自動車のインストルメントパネル取付構造と同様の構成及び作用を奏する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、相異する箇所について詳しく説明することにする。
本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造は、図4に良く示されるように、カウルインナーパネル2(以下、カウルパネル2とする)に取付状態とされたインストルメントパネル1(以下、インパネ1とする)が、例えば歩行者との2次衝突などによって自動車の後方向に所定の荷重の作用を受けたときに、このインパネ1がカウルパネル2に対して相対的に後方移動するように構成されている。詳しくは、インパネ1及びカウルパネル2はソケット50及びピン機構60を介して取付けられた状態となっている。そして、インパネ1が上記した所定の荷重の作用を受けると、ソケット50及びピン機構60が摩擦摺動を伴いながら相対的に抜き外れる方向に移動するようになっている。これにより、インパネ1は、全体としてカウルパネル2に対して相対的に後方移動する。すなわち、この装着構造によって、所定の荷重に伴うエネルギを内部的に減衰させる(摩擦摺動抵抗によって減衰させる)エネルギ吸収構造を構成している。
具体的には、図4に良く示されるように、インパネ1には、この前方下部(自動車の前方下部)に形成されたブラケット1aの先端に樹脂製のピン機構60が固定されている。また、カウルパネル2に形成された挿込孔2eには、樹脂製のソケット50が掛着された状態で固定されている。
詳しくは、樹脂製のピン機構60は、図6に良く示されるように、先端にピン61が突出した構成とされており、その根元側がインパネ1のブラケット1aに対してビス等の締結部材によって締結されて固定されている。また、ピン61は、後述するソケット50の被装着部51(図5参照)に対して挿入することにより装着状態となる構成とされている。したがって、ピン機構60を固定状態のインパネ1は、ソケット50を固定状態のカウルパネル2に対してピン61をソケット50の被装着部51に挿入することにより取付状態とすることができる。
ここで、ピン機構60が本発明の取付部位に相当し、ソケット50が本発明の被取付部位に相当する。また、ピン61が本発明の装着部に相当し、かつ、装着面形状に相当するものである。
次に、樹脂製のソケット50は、図5に良く示されるように、挿込まれたピン機構60のピン61(図4参照)を装着状態で保持可能な被装着部51とカウルパネル2に形成された挿込孔2eに掛着可能な掛着部52と、を有して構成されている。
詳しくは、被装着部51は、ピン61を挿入案内する形状の案内片51aと、挿込まれたピン61を受止める受止片51b(図4参照)と、を有している。また、案内片51aの周面には、切欠き部53が複数形成されている。この被装着部51は、その装着面形状によって、挿込まれたピン61に係合して抜止め方向に係合力を作用させる。また、この装着状態は、案内片51aの周面に形成された切欠き部53によって、適度(所定の荷重以上の作用を受けなければ抜け外れることがない程度)に弛緩された状態とされている。ここで、被装着部51(案内片51a及び受止片51b)及び切欠き部53が本発明における装着面形状に相当する。
また、掛着部52は、幅長方向(挿入方向に垂直な方向)に弾性的に拡開或いは収縮変形可能な翼形状の係止爪52aを有している。したがって、ソケット50をカウルパネル2の挿込孔2eに挿込むと、掛着部52の係止爪52aが挿込孔2eの大きさ形状によって弾性的に窄められ、挿込まれた後に復元(拡開)して挿込孔2eに係止するように作用する。これにより、掛着部52の係止爪52aの係止力が安定して作用するため、ソケット50は挿込孔2eの前後方向(自動車の前後方向)に対して抜け外れない一体的な状態となる。すなわち、ソケット50がカウルパネル2に前後方向に対して一体的に配設された状態となる。
以上のように本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造が構成されている。なお、これらの装着構造は、インパネ1をカウルパネル2に取付ける部位に複数設けられている。
続いて、自動車のインストルメントパネル取付構造の使用方法について説明する。
先ず、カウルパネル2に取付けられた状態のインパネ1に所定の荷重が作用すると、これらの装着構造を構成しているピン機構60とソケット50との間に抜き外し方向(ピン機構60とソケット50とが前後方向に相対移動する方向)の附勢力が作用する。ここで、ピン機構60とソケット50は、これらの装着面形状を構成するピン機構60のピン61やソケット50の被装着部51(案内片51a及び受止片51b)によって、抜止め方向の係合力を作用させている。なお、ソケット50の被装着部51に形成された切欠き部53によって、両者の係合状態は適度に弛緩された状態とされている。
しかしながら、上記所定の荷重による附勢力の作用を受けると、ピン機構60及びソケット50は、この係合力に抗して互いに前後方向(抜き外れる方向)に相対移動する。この際、両者の間には、上記係合力に抗した摩擦摺動抵抗が付与される。すなわち、この附勢により、被装着部51を始めとした装着構造全体に弾性変形等を伴う抜止め方向の係合力が作用するため、ピン機構60及びソケット50が相対移動することにより、この両者の間には係合力に抗した摩擦摺動抵抗が付与される。そして、この摩擦摺動抵抗が、所定の荷重に伴うエネルギを減衰させるダンパー機構として作用し、したがって、このエネルギが装着構造によって内部的に吸収されることになる。その後、所定の荷重の大きさによっては、ピン機構60のピン61がソケット50の被装着部51から抜き外れることにより両者の係合状態が解除され、インパネ1がカウルパネル2から取外される。すなわち、インパネ1がカウルパネル2に対して相対的に後方移動する挙動に伴って、所定の荷重にかかるエネルギが内部的に吸収されることとなる。
このように、本実施例の自動車のインストルメントパネル取付構造は、ソケット50に設けられた切欠き部53によって、ソケット50及びピン機構60の装着状態を適度に弛緩している。したがって、例えば、既成の従来品に切欠き部53を設ける(形成される切欠き部53の大きさを変化させる)といった簡単な構造によって、かかるエネルギ吸収特性を調整して使用することができる。
以上、本発明の実施形態を2つの実施例について説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。
例えば、第1実施例及び第2実施例においては、インストルメントパネルに取付けられる取付部位(実施例1においてはホルダー20、実施例2についてはピン機構60)及びカウルインナーパネルに掛着される被取付部位(実施例1においてはクリップ10。実施例2においてはソケット50)が共に樹脂製とされたものを示したが、このうち一方側のみが樹脂製とされた構成のものであっても構わない。
実施例1における自動車のインストルメントパネル取付構造を示す車室前部の縦断側面図である。 クリップの斜視図である。 ホルダーの装着面形状を示す部分拡大斜視図である。 実施例2における自動車のインストルメントパネル取付構造を示す車室前部の縦断側面図である。 ソケットの装着面形状を示す拡大斜視図である。 ピン機構の部分拡大斜視図である。
符号の説明
1 インストルメントパネル
1a ブラケット
2 カウルインナーパネル
2a ダッシュアッパーパネル
2b ダッシュロアーパネル
2c フランジ部
2d 係止孔
2e 挿込孔
3 フロントガラス
4 クッション材
10 クリップ(被取付部位)
11 被装着部(装着面形状)
11a 軸片(装着面形状)
11b 係合溝(装着面形状)
12 掛着部
12a 挟持片
12b 係止爪
20 ホルダー(取付部位)
21 装着部
21a 案内片(装着面形状)
21b 支持片(装着面形状)
21c 受止片(装着面形状)
21d 係合爪(係合突起,装着面形状)
22 固定部
50 ソケット(被取付部位)
51 被装着部(装着面形状)
51a 案内片(装着面形状)
51b 受止片(装着面形状)
52 掛着部
52a 係止爪
53 切欠き部(装着面形状)
60 ピン機構(取付部位)
61 ピン(装着部、装着面形状)

Claims (1)

  1. 自動車の室内前部に配設されるインストルメントパネルがカウルインナーパネルに装着されて取付けられる自動車のインストルメントパネル取付構造であって、
    前記カウルインナーパネルには、前記インストルメントパネルに設けられた樹脂製の取付部位を車両前方側への挿し込みによって装着することのできる樹脂製の被取付部位が設けられており、
    前記取付部位は、前記被取付部位に挿込まれることにより、該被取付部位を高さ方向の両側から挟み込み、かつ、該被取付部位を下方側から挟み込む支持片上に突出形成された係合爪を前記被取付部位の下面部に形成された係合溝内に弾性的に入り込ませた状態として双方の樹脂弾性によって前記被取付部位と互いに弾性的に係合して抜け止めされた状態となり、この弾性係合力によって前記インストルメントパネルをカウルインナーパネルに抜け止め可能に取付けた状態に保持する保持力を発揮させる構成となっており、
    当該取付部位と被取付部位とが互いに弾性的に係合した状態は、これらの弾性係合力を超える強い力で前記取付部位を前記被取付部位から外す所定の荷重が前記インストルメントパネルにかけられることにより、前記取付部位が前記係合爪と前記係合溝との係合部位を支点にその前記被取付部位を挟み込んでいる挟持形状を開かせるように移動して前記係合爪を前記係合溝の下方側へと外し出して前記被取付部位から抜き外されるようになっていることを特徴とする自動車のインストルメントパネル取付構造
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