JP4692214B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射装置に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)を搭載しており、この記録ヘッドに対してインクカートリッジからインク(液体)を供給するようにしている。そして、インクカートリッジから記録ヘッドに供給されたインクを記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することにより、ターゲットとしての記録媒体に印刷を施すようになっている。
ところで、近年、記録媒体の上端から下端まで、及び左端から右端までの全ての領域に印刷を施す、所謂、「縁無し印刷」の技術が知られている。この縁無し印刷は、例えば、デジタルカメラで撮影した写真画像データを印刷する際に広く好まれている。そこで、こうした縁無し印刷を行う場合に、例えば特許文献1に記載されるような縁無し印刷技法を用いるプリンタが提案されている。
特許文献1に記載されるプリンタでは、縁無し印刷を行う際に、記録媒体としての印刷用紙よりも左右幅及び上下幅が共に大きく設定されたベースシート上に予め印刷用紙を接着した縁無し印刷専用媒体が入力トレイにセットされる。そして、その縁無し印刷専用媒体が縁無し印刷を経て出力トレイに排送された後において、ベースシート上から印刷用紙を剥がすようにしている。この構成によれば、縁無し印刷時に、印刷用紙からはみ出して噴射されたインクは、ベースシート上に着弾するため、プリンタ内の他の機構を汚染することなく、縁無し印刷を行うことができる。
特開2001−158162号公報
しかし、特許文献1に記載の縁無し印刷技法を用いるプリンタでは、縁無し印刷を行う度毎に、予めベースシート上に印刷用紙が接着されてなる縁無し印刷専用媒体をセットしなければならず、この縁無し印刷専用媒体と通常印刷用の印刷用紙とを交換セットする作業が非常に煩雑であるという問題があった。さらに、縁無し印刷の終了後には、縁無し印刷専用媒体において接着状態にある印刷済みの印刷用紙をベースシート上からわざわざ剥がさなければならず、後処理も面倒であり非効率的であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、余白無し噴射(縁無し印刷)を簡便に且つ効率的に行うことができる液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記ターゲットを、当該ターゲットが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容するターゲット収容部と、前記ターゲットのサイズより大きく形成される液体受容シートを、当該液体受容シートが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容する液体受容シート収容部と、前記液体噴射ヘッドが前記ターゲットの縁に余白無く噴射を行う余白無し噴射時には、前記ターゲット収容部から供給されるターゲット及び前記液体受容シート収容部から供給される液体受容シートを、当該液体受容シートにおける前記液体噴射ヘッドのノズル形成面側に前記ターゲットを重ねた状態にして、当該ターゲットが前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置へ搬送する搬送機構と、前記液体受容シートの搬送経路の途中に設けられ、前記余白無し噴射後に、前記液体受容シートと該液体受容シート上に重ねられた状態にある前記ターゲットとを分離するセパレータと、備え、前記セパレータは、前記液体受容シートの搬送経路の途中に搬送方向と直交する水平軸を中心に上下方向への揺動可能に設けられた揺動片で構成され、当該揺動片の先端が下方側へ揺動した場合に、前記液体受容シートの搬送方向先端部が前記ターゲットから離間するように下方へ押し曲げられる
この構成によれば、液体噴射ヘッドがターゲットの縁に余白なく噴射を行う余白無し噴射時において、ターゲットの縁からはみ出して噴射された液体は液体受容シートに受容される。このため、余白無し噴射時に、液体噴射装置内の他の機構を液体で汚染することがない。また、液体受容シート上に予めターゲットが接着された縁無し印刷専用媒体を通常印刷用の印刷用紙と交換セットしたり、余白無し噴射後において液体受容シートからターゲットをわざわざ剥がしたりする後処理が必要ないため、余白無し噴射を簡便に且つ効率的に行うことができる。また、液体噴射後において重ねられた状態で搬送されてきた液体受容シートとターゲットとをセパレータによって自動的に分離することができる。また、セパレータを下方側へ揺動させるという簡単な動作によって確実かつ容易に液体受容シートとターゲットとを分離することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記液体受容シートの搬送経路は、余白無し噴射後の前記液体受容シートを、前記液体噴射位置から前記セパレータの配設位置を経由して前記液体受容シート収容部へ戻し搬送するように構成されている。
この構成によれば、液体受容シートを繰り返し使用することができ、効率的である。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記ターゲットを、当該ターゲットが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容するターゲット収容部と、前記ターゲットのサイズより大きく形成される液体受容シートを、当該液体受容シートが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容する液体受容シート収容部と、前記液体噴射ヘッドが前記ターゲットの縁に余白無く噴射を行う余白無し噴射時には、前記ターゲット収容部から供給されるターゲット及び前記液体受容シート収容部から供給される液体受容シートを、当該液体受容シートにおける前記液体噴射ヘッドのノズル形成面側に前記ターゲットを重ねた状態にして、当該ターゲットが前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置へ搬送する搬送機構と、前記液体受容シートの搬送経路の途中に設けられ、前記余白無し噴射後に、前記液体受容シートと該液体受容シート上に重ねられた状態にある前記ターゲットとを分離するセパレータと、備え、前記液体受容シートの搬送経路は、余白無し噴射後の前記液体受容シートを、前記液体噴射位置から前記セパレータの配設位置を経由して前記液体受容シート収容部へ戻し搬送するように構成されている。
この構成によれば、液体噴射ヘッドがターゲットの縁に余白なく噴射を行う余白無し噴射時において、ターゲットの縁からはみ出して噴射された液体は液体受容シートに受容される。このため、余白無し噴射時に、液体噴射装置内の他の機構を液体で汚染することがない。また、液体受容シート上に予めターゲットが接着された縁無し印刷専用媒体を通常印刷用の印刷用紙と交換セットしたり、余白無し噴射後において液体受容シートからターゲットをわざわざ剥がしたりする後処理が必要ないため、余白無し噴射を簡便に且つ効率的に行うことができる。また、液体噴射後において重ねられた状態で搬送されてきた液体受容シートとターゲットとをセパレータによって自動的に分離することができる。また、液体受容シートを繰り返し使用することができ、効率的である。
本発明の液体噴射装置における前記搬送機構は、前記ターゲット収容部から前記ターゲットを前記液体噴射位置側に向けて搬送するターゲット搬送機構と、前記液体受容シート収容部から前記液体受容シートを前記液体噴射位置側へ搬送する液体受容シート搬送機構とを含み、当該液体受容シート搬送機構における前記液体受容シートの搬送経路の途中に前記ターゲット搬送機構における前記ターゲットの搬送経路が上方から合流するように構成されている。
この構成によれば、ターゲット搬送機構と液体受容シート搬送機構との合流部位において、液体受容シート搬送機構により搬送されてきた液体受容シート上にターゲット搬送機構により搬送されてきたターゲットを上方から重ね合わせることが可能となる。
本発明の液体噴射装置は、前記余白無し噴射時に、前記液体受容シート搬送機構により搬送される液体受容シートが前記液体受容シートの搬送経路と前記ターゲットの搬送経路とが合流する合流部位を通過した後に時間差をおいて前記ターゲット搬送機構により搬送されるターゲットが前記合流部位に至るように、前記ターゲット搬送機構及び前記液体受容シート搬送機構の駆動状態を制御する制御手段を更に備えた。
この構成によれば、両搬送機構の合流部位に先ず液体受容シートが搬送され、それに時間差をおいてターゲットが搬送されるため、液体噴射位置に向けて搬送される液体受容シートの搬送方向先端がターゲットの搬送方向先端よりも搬送方向側にずれて位置することになる。そして、液体受容シート上にターゲットが良好な重ね合わせ態様で自動的に位置決めされる。
発明の液体噴射装置における前記液体受容シート搬送機構は、前記液体受容シートを搬送する搬送ベルトを有し、当該搬送ベルトは、前記ターゲットを前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置を通過させて搬送する際に兼用されている。
この構成によれば、液体受容シート搬送機構における搬送ベルトが通常印刷時においてターゲットをノズル形成面に対向する液体噴射位置を通過させて搬送する際に兼用されるため、装置構成を簡単にできる。
本発明の液体噴射装置における前記液体受容シート搬送機構は、前記液体受容シートを前記搬送ベルトに帯電吸着させた状態で搬送する。
この構成によれば、液体受容シートを搬送ベルトに貼り付ける(保持させる)及び取り外す装置構成を容易に実現できるとともに、装置構成をコンパクトにできる。
本発明の液体噴射装置における前記液体噴射ヘッドは、前記液体噴射ノズルが前記ターゲットの搬送方向と交差する方向に沿った前記ターゲットの液体噴射領域の全幅に亘って形成されている。
この構成によれば、一般に大型の、所謂、フルラインタイプの液体噴射ヘッドを備える液体噴射装置において、余白無し噴射を簡便に且つ効率的に行うことができる
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)10は、略箱状をなす本体ケース11を備えているとともに、この本体ケース11内の略中央には、ターゲットとしての用紙Pにインク(液体)を噴射する記録ヘッド12(液体噴射ヘッド)が固設されている。
記録ヘッド12の下面には、複数のノズル13が用紙Pの搬送方向(図1において矢印で示すX方向)と交差する方向に沿った用紙Pの印刷領域の全幅に亘って多数形成されている。すなわち、本実施形態のプリンタ10は、用紙Pの搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジの下面に記録ヘッド12が配置されるタイプではなく、このようなタイプのプリンタと比較して高速印刷が可能な所謂フルラインヘッドタイプのプリンタ10として構成されている。
また、本実施形態のプリンタ10では、ターゲットとしての用紙Pに対して余白無く全面に亘って印刷を行う縁無し印刷が可能とされている。そして、記録ヘッド12には、それぞれ異なる色のインクを貯留する複数のインクカートリッジ(図示略)が接続され、印刷中に、これらのインクカートリッジに貯留されたインクが所定圧に圧力調整された状態で、随時、記録ヘッド12に供給されるようになっている。
本体ケース11内において、記録ヘッド12の下方には、用紙Pを搬送するための用紙搬送機構(ターゲット搬送機構)14と、液体受容シートとしてのベースシートTを搬送するためのベースシート搬送機構(液体受容シート搬送機構)15とが配設されている。ここで、ベースシートTとは、縁無し印刷時に、用紙Pからはみ出して吐出されたインクを受容するためのシートであり、例えば、PET等の化学繊維の不織布で構成され、体積効率が10〜1010Ω/cmの材質であることが好ましい。また、用紙搬送機構14とベースシート搬送機構15とで、本発明の搬送機構が構成されている。
用紙搬送機構14は、複数の用紙Pを積層状態で収容する給紙トレイ21と、印刷後の用紙Pを収容する排紙トレイ22と、給紙された用紙Pを記録ヘッド12のノズル形成面16の真下(ノズル形成面に対向する液体噴射位置)を通過させて搬送するための搬送ベルト23とを含んで構成されている。搬送ベルト23は、印刷開始後に駆動される駆動ローラ24(搬送ローラ)と、この駆動ローラ24と同一高さ位置で該駆動ローラ24に従動して回転する従動ローラ25(搬送ローラ)と、駆動ローラ24と従動ローラ25との中間位置の下方に位置するテンションローラ26とにテンションを加えられた状態で張架されている。駆動ローラ24と従動ローラ25及びテンションローラ26は、これらの3つのローラ24,25,26に搬送ベルト23が張架された際に、該搬送ベルト23が三角形状をなすように配置されている。
さらに、駆動ローラ24と従動ローラ25との間には複数(本実施形態では4つ)の補助搬送ローラ27が配置され、搬送ベルト23は、駆動ローラ24と従動ローラ25との間において各補助搬送ローラ27により下方から水平に支持されたベルト部分の上面がメイン搬送路28として構成されている。このメイン搬送路28の上方であって記録ヘッド12よりも給紙トレイ21側となる位置には、印字開始検出センサ29が設けられている。印字開始検出センサ29は、この印字開始検出センサ29が設けられている位置から記録ヘッド12のノズル形成面16の真下となる印刷位置まで用紙P(もしくはベースシートT)を搬送する際の送り量をカウントする開始ポイントを得るために使用される。
また、給紙トレイ21と搬送ベルト23との間には、給紙トレイ21からメイン搬送路28の一端側(図1における右端側である従動ローラ25側)までの間において用紙Pを案内するための第1ガイド板31が設けられている。そして、給紙トレイ21の上部には給紙トレイ21の最上部に収容された用紙Pを取り出すためのピックアップローラ32が設けられていると共に、給紙トレイ21と第1ガイド板31との接続部分には、摩擦により重畳してピックアップされた用紙Pを確実に一枚だけ送るための分離ローラ対33が設けられている。
さらに、第1ガイド板31の上方位置には、分離ローラ対33を通過してきた用紙Pを検知する紙端検出センサ34、及び、用紙Pを第1ガイド板31上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動される紙ゲートローラ対35が設けられている。そして、ピックアップローラ32、分離ローラ対33、紙ゲートローラ対35がそれぞれ用紙Pをメイン搬送路28側へ送り出す方向(図1において矢印で示す方向)に回転することで、給紙トレイ21に収容された用紙Pがメイン搬送路28上へ供給されるようになっている。
さらに、搬送ベルト23と排紙トレイ22の間には、メイン搬送路28の他端側(図1における左端側である駆動ローラ24側)から排紙トレイ22までの間において用紙Pを案内するため、及び、ベースシートTをヒータ47側へ給送するためのセパレータとして断面楔状をない揺動片36が設けられている。この揺動片36は、用紙搬送方向(図1において矢印で示すX方向)の下流側となる基端側(図1では左端側)が前記X方向と直交する水平軸36aに対して回転自在に支持されている。すなわち、揺動片36は、先細りに形成された先端が上下方向へ揺動することにより、図1に実線で示す水平態様と図1に破線で示す斜状態様とを選択的に取りうるようになっている。
また、揺動片36と排紙トレイ22との間には、印刷を終えた用紙Pを排紙トレイ22へ排出するための排紙ローラ対37が設けられている。そして、揺動片36が水平態様を取った場合には、メイン搬送路28と排紙ローラ対37との間が揺動片36の上面36bを介して直線的に接続されるようになっている。従って、揺動片36が水平態様を取った状態において、搬送ベルト23及び排紙ローラ対37が回転した場合には、印刷後の用紙Pがメイン搬送路28から揺動片36の上面36b及び排紙ローラ対37を経由して排紙トレイ22に排出されるようになっている。
さらに、従動ローラ25には帯電ローラ38が互いの周面の間に搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されると共に、駆動ローラ24には徐電ローラ39が互いの周面の間に搬送ベルト23を挟み込んで回転するように対応配置されている。したがって、帯電ローラ38によって搬送ベルト23はベースシートTの支持面となる表面全体がマイナス電荷に変化するため、ベースシートTが搬送ベルト23のメイン搬送路28上に吸着保持されるようになっている。
また、用紙搬送機構14におけるテンションローラ26の下方位置には、複数(例えば、100枚)のベースシートTを積層状態で収容するベースシートトレイ41が、ベースシートTの取り出し側となる一端側(図1における右端側)を上方に傾斜させた状態で配置されている。このようにベースシートトレイ41を傾斜させて配置することで、ベースシートトレイ41からのベースシートTの取り出しをスムーズに行うことができる。そして、このベースシートトレイ41の一端側から前記メイン搬送路28を経由してベースシートトレイ41の他端側(図1における左端側)に至るまでの間がベースシート搬送機構15におけるベースシートTの搬送経路として構成されている。この搬送経路は、ベースシートTを前述したメイン搬送路28における給紙トレイ21側の端部(図1における右端部)から記録ヘッド12のノズル形成面16の真下を通過させてメイン搬送路28における排紙トレイ22側の端部(図1における左端部)まで搬送するための搬送ベルト23(メイン搬送路28部分)を含んで構成されている。
すなわち、上記用紙搬送機構14における搬送ベルト23が、ベースシート搬送機構15における搬送経路の一部を構成する搬送ベルト23としても兼用されている。そして、この搬送ベルト23を含んで構成されるベースシート搬送機構15におけるベースシートTの搬送経路の途中位置、具体的には前記メイン搬送路28における給紙トレイ21側の端部と対応する位置を合流部位28aとして、用紙搬送機構14における用紙Pの搬送経路がベースシート搬送機構15に上方から合流する構成とされている。従って、本実施形態では、前記メイン搬送路28が、用紙P及びベースシートTをベースシートT上に用紙Pを重ねた状態で記録ヘッド12のノズル形成面16の真下へと搬送する共通の搬送路として構成されている。
図1に示すように、ベースシートトレイ41の一端側(図1における右端側)には、ベースシートトレイ41からメイン搬送路28までベースシートTを案内するための緩やかに湾曲する第2ガイド板42が設けられている。この第2ガイド板42は、ベースシートTの案内方向と交差する方向にベースシートTの幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。また、ベースシートトレイ41の一端側下部(図1において右下隅)には、積層状態で収容された各ベースシートTのうち、ベースシートトレイ41の最下部に収容された最下層のベースシートTを第2ガイド板42側へ取り出すためのベースシート給送ローラ43が設けられている。
さらに、第2ガイド板42の側方位置(具体的には、一対の帯状板片間の側方位置)には、ベースシートTを検知するベースシート端検出センサ44、及び、ベースシートTを第2ガイド板42上からメイン搬送路28へ送り出す際に駆動されるベースシートゲートローラ対45が設けられている。そして、ベースシート給送ローラ43、ベースシートゲートローラ対45がそれぞれベースシートTをメイン搬送路28側へ送り出す方向(図1において矢印で示す方向)に回転することで、ベースシートトレイ41に収容されたベースシートTがメイン搬送路28上へ前記合流部位28aを通過して供給されるようになっている。
一方、ベースシートトレイ41の他端側(図1における左端側)には、メイン搬送路28における排紙トレイ22側の端部(図1における左端部)からベースシートトレイ41までベースシートTを案内するための一部湾曲形状をなす第3ガイド板46が設けられている。この第3ガイド板46も、前記第2ガイド板42と同様に、ベースシートTの案内方向と交差する方向にベースシートTの幅寸法よりも少し短い間隔寸法をおいて平行に配置された一対の帯状板片にて構成されている。なお、この第3ガイド板46は揺動片36の下面36cを介してメイン搬送路28と接続されることになる。
さらに、第3ガイド板46におけるベースシートTの搬送路の途中には、縁無し印刷後のベースシートTをベースシートトレイ41側へ搬送するためのベースシート搬送ローラ対48が設けられている。また、このベースシート搬送ローラ対48とベースシートトレイ41との間には、当該ベースシート搬送ローラ対48を通過したベースシートTに受容されたインクを除去するためのヒータ47が設けられている。そして、ベースシート搬送ローラ対48の間をベースシートTが通過して、インクを受容した面がヒータ47と対向状態となった場合に、ベースシートTに吸収されているインクがヒータ47により乾燥されて除去されるようになっている。
また、第3ガイド板46のベースシートトレイ41側となる端部には、ヒータ47でインクが除去されたベースシートTを再びベースシートトレイ41へ排送するためのベースシート排送ローラ対51が設けられている。したがって、搬送ベルト23、ベースシート搬送ローラ対48、及びベースシート排送ローラ対51が回転することによって、縁無し印刷によりインクを受容したベースシートTは、揺動片36の下面36cに案内されてベースシートトレイ41側へと戻し搬送される。そして、その戻し搬送される途中で、ベースシートTは、ヒータ47を介してインクが除去され、ベースシートトレイ41の最上部(積層された複数のベースシートTの最上層となる位置)に排送されるようになっている。
すなわち、ベースシートトレイ41の最下部に収容された最下層のベースシートTがベースシート給送ローラ43によってベースシートトレイ41から取り出され、そのベースシートTが、記録ヘッド12のノズル形成面16に対向する位置を通過した後、再び、ベースシートトレイ41の最上部(最上層となる位置)まで戻し搬送されるようになっている。なお、本実施形態では、ベースシートトレイ41におけるベースシートTの収容位置及び給紙トレイ21における用紙Pの収容位置が非液体噴射位置に相当し、搬送ベルト23のメイン搬送路28上における記録ヘッド12のノズル形成面16に対向する位置が液体噴射位置に相当する。また、本実施形態において、ベースシートTに受容されたインクを確実に除去するために、ベースシート搬送ローラ対48とベースシート排送ローラ対51の回転速度を遅く設定し、ヒータ47の前をベースシートTがゆっくりと通過するようにしてもよい。
次に、上記プリンタ10の電気的構成について図2を参照して説明する。
図2に示すように、プリンタ10には制御部61(図1では、簡単のため省略してある。)が設けられている。この制御部61は、制御手段としてのCPU62を備えており、CPU62にはROM63及びRAM64が接続されている。ROM63には、用紙P及びベースシートTにインクを噴射(吐出)する際に記録ヘッド12及び前記各搬送機構14,15等を制御するために実行される制御プログラム等が記憶されている。また、RAM64には、プリンタ10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各センサから検出された信号等)が記憶管理されるようになっている。
また、制御部61の入力側には、紙端検出センサ34、ベースシート端検出センサ44、印字開始検出センサ29が電気的に接続されている。さらに、制御部61の出力側には、ピックアップローラ32、分離ローラ対33、紙ゲートローラ対35、駆動ローラ24、排紙ローラ対37、ベースシート給送ローラ43、ベースシートゲートローラ対45、ベースシート搬送ローラ対48、ベースシート排送ローラ対51、及び揺動片36がそれぞれ電気的に接続されている。そして、これらの出力側に接続された各機構(駆動ローラ24等)をCPU62が入力側の各センサ34,44,29の検出信号等に基づいて駆動制御するようになっている。
そこで次に、制御部61のCPU62により実行される縁無し印刷処理制御の詳細について、図3〜図6に示すフローチャートを参照して説明する。
図3は、給紙待機処理を示すフローチャートである。この処理は、印刷時に、1枚の用紙Pがメイン搬送路28へ送られる毎に、逐次、紙ゲートローラ対35の位置にて次の用紙Pを待機させておくために実行される処理である。
図3に示すように、縁無し印刷が開始されると、まず、CPU62は、ピックアップローラ32及び分離ローラ対33を回転させる(ステップ10、以下、ステップを「S」と略す。)。これにより、給紙トレイ21の最上部に収容された1枚の用紙Pが取り出され、第1ガイド板31上に搬送される。次いで、紙端検出センサ34からの信号がONか否か、すなわち、紙端検出センサ34が用紙Pを検出したか否かが判断される(S11)。紙端検出センサ34からの信号がONでない(OFFである)と判断される場合(S11:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、紙端検出センサ34からの信号がONである場合(S11:YES)には、用紙Pが紙ゲートローラ対35の近傍まで搬送されていることを示しており、これが確認されるとピックアップローラ32及び分離ローラ対33の回転が停止される(S12)。
次に、紙端検出センサ34からの信号がOFFか否か、すなわち、用紙Pがメイン搬送路28側に送られたか否かが判断される(S13)。紙端検出センサ34からの信号がOFFでない(ONである)と判断される場合(S13:NO)、CPU62はOFF信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、紙端検出センサ34からの信号がOFFである場合(S13:YES)には、用紙Pが紙ゲートローラ対35を通過してメイン搬送路28側へ搬送されたことを示しており、これが確認されると印刷終了か否かが判断される(S14)。印刷が終了したと判断された場合(S14:YES)、CPU62は給紙待機処理を終了する。なお、印刷が終了していないと判断された場合(S14:NO)、CPU62は再びピックアップローラ32、分離ローラ対33を回転し(S10)、印刷が終了したと判断されるまで上記各処理(S10〜S14)を繰り返し行う。
図4は、ベースシート搬送待機処理を示すフローチャートである。この処理は、上記給紙待機処理と同様に、逐次、ベースシートゲートローラ対45の位置にて次のベースシートTを待機させておくために実行される処理である。
図4に示すように、縁無し印刷が開始されると、まず、CPU62は、ベースシート給送ローラ43を回転させる(ステップ20)。これにより、ベースシートトレイ41の最下部に収容された最下層の1枚のベースシートTが取り出され、第2ガイド板42上に搬送される。次いで、ベースシート端検出センサ44からの信号がONか否か、すなわち、ベースシート端検出センサ44がベースシートTを検出したか否かが判断される(S21)。ベースシート端検出センサ44からの信号がONでない(OFFである)場合(S21:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、ベースシート端検出センサ44からの信号がONである場合(S21:YES)には、ベースシートTがベースシートゲートローラ対45の近傍まで搬送されていることを示しており、これが確認されるとベースシート給送ローラ43の回転が停止される(S22)。
次に、ベースシート端検出センサ44からの信号がOFFか否か、すなわち、ベースシートTがメイン搬送路28側に送られたか否かが判断される(S23)。ベースシート端検出センサ44からの信号がOFFでない(ONである)場合(S23:NO)、CPU62はOFF信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、ベースシート端検出センサ44からの信号がOFFである場合(S23:YES)には、ベースシートTがベースシートゲートローラ対45を通過してメイン搬送路28側へ搬送されたことを示しており、これが確認されると印刷終了か否かが判断される(S24)。印刷が終了したと判断された場合(S24:YES)、CPU62はベースシート搬送待機処理を終了する。なお、印刷が終了していないと判断された場合には、CPU62は再びベースシート給送ローラ43を回転し(S20)、印刷が終了したと判断されるまで上記各処理(S20〜S24)を繰り返し行う。
本実施形態では、上記給紙待機処理とベースシート搬送待機処理が実行され、印刷中、用紙P及びベースシートTが各々対応する紙ゲートローラ対35及びベースシートゲートローラ対45の近傍にて待機している前提のもとで、次に説明する縁無し印刷処理が実行される。図5、図6は、縁無し印刷処理を示すフローチャートである。つまり、本実施形態では、給紙待機処理(図3)、ベースシート搬送待機処理(図4)、縁無し印刷処理(図5、図6)の各処理が、縁無し印刷が開始されると同時に実行されるものである。
図5に示すように、縁無し印刷が開始されると、CPU62は、駆動ローラ24を回転させ(S30)、次に、ベースシートゲートローラ対45、ベースシート搬送ローラ対48、ベースシート排送ローラ対51を回転させる(S31)。ベースシートゲートローラ対45が回転されることで、上記ベースシート待機処理によってベースシートゲートローラ対45まで搬送されて待機状態にあるベースシートTが、メイン搬送路28へ搬送される。そして、次に、時間差カウンタ値がアップしたか否かが判断される(S32)。ここで、時間差カウンタ値とは、ベースシートTを用紙Pより僅かに先にメイン搬送路28へ送り込んで、図7に示すように、ベースシートTの搬送方向先端縁T1と用紙Pの搬送方向先端縁P1とが僅かにずれてベースシートTの搬送方向先端部T2に用紙Pが重ねられないスペースを確保するとともに、ベースシートT上の略中央に用紙Pが配置されるように調整するためのものである。また、時間差カウンタ値は、ベースシート端検出センサ44が設けられている位置からメイン搬送路28までベースシートTを送り込む際にCPU62によりカウントされるカウント量を意味する。この時間差カウンタ値は、縁無し印刷開始に際して、印刷データに応じて予めCPU62によって算出され、RAM64に記憶されている。
時間差カウンタ値がアップしていない場合(S32:NO)、CPU62は時間差カウンタ値がアップするまでこの判断を繰り返し行う。時間差カウンタ値がアップしたと判断された場合(S32:YES)には、ベースシートTの搬送方向先端部T2が合流部位28aを越えてメイン搬送路28上に差しかかっていることを示しており、これが確認されると次いで、紙ゲートローラ対35が回転される(S33)。紙ゲートローラ対35が回転されることで、上記給紙待機処理によって紙ゲートローラ対35まで搬送されて待機状態にある用紙Pが、メイン搬送路28へと搬送される。
そして次に、メイン搬送路28上の印字開始検出センサ29からの信号がONか否か、すなわち、印字開始検出センサ29が用紙P(ベースシートT)を検出したか否かが判断される(S34)。印字開始検出センサ29からの信号がONでない(OFFである)場合(S34:NO)、CPU62はON信号を検出するまでこの判断を繰り返し行う。一方、印字開始検出センサ29からの信号がONである場合(S34:YES)には、用紙P(ベースシートT)がメイン搬送路28上の記録ヘッド12の手前まで搬送されていることを示しており、これが確認されると紙ゲートローラ対35及びベースシートゲートローラ対45の回転が停止される(S35)。
次に、第1給紙カウンタ値がアップしたか否かが判断される(S36)。ここで、第1給紙カウンタ値とは、印字開始検出センサ29が設けられている位置から印刷位置まで用紙P(ベースシートT)を送り込む際にCPU62によりカウントされるカウント量を意味する。この第1給紙カウンタ値は、印刷開始に際して、印刷データに応じて予めCPU62によって算出され、RAM64に記憶されている。第1給紙カウンタ値がアップしていない場合(S36:NO)、CPU62は第1給紙カウンタ値がアップするまでこの判断を繰り返し行う。
第1給紙カウンタ値がアップしたと判断された場合(S36:YES)には、用紙P(ベースシートT)が記録ヘッド12に対向する印刷位置(液体噴射位置)まで搬送されていることを示しており、これが確認されると、水平態様にある揺動片36が斜状態様となるように先端側が上方へ揺動制御される(S37)。その後、記録ヘッド12のノズル13からインクが吐出されて印刷が行われる(S38)。
次いで、第2給紙カウンタ値がアップしたか否かが判断される(S39)。ここで、第2給紙カウンタ値とは、印刷位置から揺動片36まで用紙P(ベースシートT)を送り込む際にCPU62によりカウントされるカウント量を意味する。この第2給紙カウンタ値は、印刷開始に際して、印刷データに応じて予めCPUによって算出され、RAMに記憶されている。第2給紙カウンタ値がアップしていない場合(S39:NO)、CPU62は第2給紙カウンタ値がアップするまでこの判断を繰り返し行う。第2給紙カウンタ値がアップしたと判断された場合(S39:YES)には、用紙P(ベースシートT)が揺動片36のすぐ手前まで搬送されていることを示しており、これが確認されると、斜状態様にある揺動片36が水平態様となるように先端側が下方へ揺動制御される(S40)。
そして、揺動片36が下方へ揺動制御された後には、印刷が終了したか否かが判断される(S41)。印刷が終了していないと判断された場合(S41:NO)には、ベースシートゲートローラ対45が回転されて(S42)、時間差カウンタ値がアップしたか否かの判断(S32)に戻り、これ以降、印刷が終了となるまで引き続き印刷処理(S32〜S41)が繰り返される。一方、印刷が終了したと判断された場合(S44:YES)には、駆動ローラ24、ベースシート搬送ローラ対48、ベースシート排送ローラ対51がそれぞれ停止されて(S43)処理を終了する。
次に、以上のように構成されたプリンタ10における作用に関して、特に縁無し印刷が実行される場合の作用に着目して以下説明する。
さて、縁無し印刷が開始されると、給紙待機処理及びベースシート搬送待機処理により用紙P及びベースシートTが各々対応する紙ゲートローラ対35及びベースシートゲートローラ対45の近傍に待機している前提のもとで、先ず、ベースシートTがメイン搬送路28へと搬送される。そして、ベースシートTの搬送方向先端部T2が合流部位28aを越えてメイン搬送路28上に差しかかると、次に、用紙Pがメイン搬送路28へと搬送される。
すると、メイン搬送路28上へはベースシートTが先に搬送されているため、用紙Pは合流部位28aを越えたところでベースシートT上に重ねられることになる。このとき、図7に示すように、ベースシートTの搬送方向先端縁T1と用紙Pの搬送方向先端縁P1とが僅かにずれて、用紙PはベースシートT上の略中央に載置される。すなわち、搬送ベルト23における合流部位28aにおいて、搬送ベルト23に帯電吸着したベースシートTに用紙Pが重ねられて、以後、ベースシートTと用紙Pは一体となってメイン搬送路28上を搬送される。
そして、ベースシートTと用紙PがベースシートT上に用紙Pが重ねられた状態で記録ヘッド12のノズル形成面16と対向する位置まで搬送された時点で縁無し印刷(インク吐出)が実行される。このとき、縁無し印刷により用紙Pの外縁よりはみ出して吐出されたインクはベースシートT上に着弾して吸収される。縁無し印刷を終えたベースシートTは、そのままメイン搬送路28上を揺動片36のある下流側へと搬送される。
次に、用紙Pを略中央に載置したベースシートTがメイン搬送路28上を揺動片36のある位置まで搬送されてくると、その時点で斜状態様となっていた揺動片36が下方へと揺動する。そして、図8(a),(b)に示すように、まず、ベースシートTの搬送方向先端部T2(用紙Pが重ねられていない部分)が、揺動片36の下方へ揺動する先端(図8における右端)36dによって下方(トレイ41側)へ押し曲げられる。なお、図8では、図面理解の便宜のため、揺動片36、用紙P、ベースシートT、第3ガイド板46以外の部材については図示を省略してある。
そして、下方へ揺動された揺動片36が水平態様になると、ベースシートTは用紙Pから徐々に離間して、図8(c)に示すように、揺動片36の下面36cに案内されて第3ガイド板46側へ搬送される。一方、用紙Pは、揺動片36の上面36b上を搬送され、排紙ローラ対37側へ搬送されることになる。すなわち、図8(b),(c)に示すように(図1において実線で示すように)、水平態様となった揺動片36は、水平方向に沿う上面36bが用紙Pの搬送路の一部となる一方、搬送方向前下がりの斜面状をなす下面36cは、ベースシートTの搬送路の一部となる。
その結果、ベースシートTは、揺動片36の上面36b上を搬送されることなく、用紙Pとは分離して、揺動片36の下面36cに沿って第3ガイド板46側へと搬送される。一方、排紙ローラ対37側へ搬送された用紙Pは排紙トレイ22に排出される。そして、第3ガイド板46側へと搬送されたベースシートTは、ヒータ47の近傍を通過することで、ベースシートTに受容したインクが除去された後、再び、ベースシートトレイ41に回収される。
なお、本実施形態において縁無し印刷以外の作用として、ベースシート搬送機構15のみを駆動させて、ベースシートT上にノズルチェック用の印字を行い、印字状態を把握(視認)することで、ノズル13にインク等が固着した際におけるインクの噴出方向の狂いを検出することも可能である。また、縁無し印刷ではなく通常の印刷を行う場合には、用紙搬送機構14のみを駆動させることになる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、記録ヘッド12が用紙Pの縁に余白なく噴射を行う縁無し印刷において、用紙Pの外縁からはみ出して噴射されたインクは、その用紙Pに対して記録ヘッド12のノズル形成面16とは反対側(下方側)に位置して当該用紙Pを略中央に載置しているベースシートTに受容される。このため、縁無し印刷時に、本体ケース11内の他の機構を液体で汚染することがない。また、用紙PとベースシートTは、ほぼ同じ高さでノズル形成面16に対向する位置まで搬送されるため、用紙Pからはみ出して噴射されたインクが空気抵抗で速度が遅くなり、ミストとなることがない。また、予め、ベースシートTを用紙Pに接着してセットしておいたり、印刷後にベースシートTから用紙Pをわざわざ剥がしたりする後処理の必要がないため、縁無し印刷を簡便に且つ効率的に行うことができる。
(2)上記実施形態では、ベースシート搬送機構15における搬送ベルト23が用紙Pをノズル形成面16に対向する位置を通過させて搬送する際に兼用されるため、装置構成を簡単にできる。
(3)上記実施形態では、搬送ベルト23のメイン搬送路28(合流部位28a)に、まず先にベースシートTが搬送され、それに時間差をおいて用紙Pが搬送される。このため、合流部位28aにおいてベースシートT上に用紙Pを上方から重ね合わせることが可能となる。また、ベースシートTの搬送方向先端部T2に用紙Pが重ねられないスペースが確保されることで、ベースシートT上の略中央に用紙Pを自動的に位置決めすることができる。
(4)上記実施形態では、揺動片36を揺動させるという簡単な動作によって、縁無し印刷後のベースシートTと用紙Pとを自動的に分離することができる。さらに、揺動片36は楔形状をなしており、揺動後の揺動片36の上面36bが水平面となることで用紙Pを円滑に案内して排紙トレイ22側へ搬送することができる。同様に、ベースシートTを揺動後の揺動片36の下面36cによって円滑に案内してベースシートトレイ41側へと搬送することができる。
(5)上記実施形態では、縁無し印刷時にベースシートTに受容されたインクをヒータ47によって除去するようにしているため、ベースシートトレイ41へはインクが除去されたベースシートTが出戻り搬送される。よって、ベースシートトレイ41内を汚染することもなく、さらにベースシートトレイ41から搬送されるベースシートTは常にインクを含んでいないものとなる。このようにして、ベースシートTを繰り返し使用することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・ 上記実施形態におけるセパレータとしての揺動片36は設けなくても良い。この場合、例えば、縁無し印刷後、ベースシートT上に用紙Pを重ねた状態のまま排紙トレイ22へ排送して、その後、手作業等でベースシートTから用紙Pを分離するようにしてもよい。また、揺動片36の形状は、断面楔形状に限定されるものではなく、その他、種々の形状が可能である。揺動片36の先端36dが下方側へ揺動した場合に、ベースシートTの搬送方向先端部T2をベースシートTが用紙Pから離間するように下方へ押し曲げる構成であれば、上記効果(4)と同様の効果を奏すことができる。
・ 上記実施形態において、ベースシートトレイ41に収容された全てのベースシートTを1回ずつ使用した後、さらに2回目に使用する際には、前回の時間差カウンタ値を所定値増減させて、1回目とは異なる相対位置関係でベースシートT上に用紙Pが重ねられるように構成してもよい。この場合、ベースシートTにおいて1回目とは異なる部分にインクが吐出されるため、仮にヒータ47によって完全にインクを除去することができなかった場合であってもインクの吸収率が低下することなく確実にインクをベースシートTによって受容することができる。
・ 上記実施形態において、ベースシートTと用紙Pとを略同時にメイン搬送路28(合流部位28a)へ搬送し、ベースシートT上に用紙Pを重ねた後に、ベースシートTの略中央に用紙Pが位置するように位置調整する構成としてもよい。
・ 上記実施形態において、ベースシートTは、フラッシング時にノズル13から噴射されたインクを受容するためのフラッシングシートとして兼用してもよい。この場合、フラッシング時には、上記実施形態におけるベースシート搬送機構15(本別例においてはフラッシングシート搬送機構となる。)を駆動させて、用紙Pをメイン搬送路28へ送ることなくフラッシングシートのみを搬送することでフラッシング処理を実行することができる。
・ 上記実施形態におけるヒータ47は設けなくても良い。または、ヒータ47に換えて、挟圧ローラや送風機等の他のインク除去機構を設ける構成としてもよい。
・ 上記各実施形態において、フルラインヘッドタイプではないプリンタに本発明を適用することもできる。
・ 上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ10について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体もインクに限られず、他の液体に応用してもよい。
本実施形態のインクジェット式プリンタの全体概略構成図。 プリンタの電気的構成を示すブロック図。 給紙待機処理を示すフローチャート。 ベースシート搬送待機処理を示すフローチャート。 縁無し印刷処理を示すフローチャート。 縁無し印刷処理を示すフローチャート。 ベースシート上に用紙が配置された態様を示す平面図。 (a)〜(c)は、用紙とベースシートが搬送されてきた際の揺動片の動作を示すとともに、用紙とベースシートの分離態様を説明する模式図。
符号の説明
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、12…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、13…液体噴射ノズルとしてのノズル、14…ターゲット搬送機構としての用紙搬送機構、15…液体受容シート搬送機構としてのベースシート搬送機構、16…ノズル形成面、21…ターゲット収容部としての給紙トレイ、23…搬送ベルト、28…メイン搬送路、28a…合流部位、36…セパレータとしての揺動片、36a…水平軸、36d…セパレータとしての揺動片の先端、41…液体受容シート収容部としてのベースシートトレイ、62…制御手段としてのCPU、P…ターゲットとしての用紙、T…液体受容シートとしてのベースシート、P1…用紙の搬送方向先端縁、T1…ベースシートの搬送方向先端縁、T2…搬送方向先端部。

Claims (8)

  1. 液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記ターゲットを、当該ターゲットが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容するターゲット収容部と、
    前記ターゲットのサイズより大きく形成される液体受容シートを、当該液体受容シートが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容する液体受容シート収容部と、
    前記液体噴射ヘッドが前記ターゲットの縁に余白無く噴射を行う余白無し噴射時には、前記ターゲット収容部から供給されるターゲット及び前記液体受容シート収容部から供給される液体受容シートを、当該液体受容シートにおける前記液体噴射ヘッドのノズル形成面側に前記ターゲットを重ねた状態にして、当該ターゲットが前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置へ搬送する搬送機構と
    前記液体受容シートの搬送経路の途中に設けられ、前記余白無し噴射後に、前記液体受容シートと該液体受容シート上に重ねられた状態にある前記ターゲットとを分離するセパレータと、備え、
    前記セパレータは、前記液体受容シートの搬送経路の途中に搬送方向と直交する水平軸を中心に上下方向への揺動可能に設けられた揺動片で構成され、当該揺動片の先端が下方側へ揺動した場合に、前記液体受容シートの搬送方向先端部が前記ターゲットから離間するように下方へ押し曲げられることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記液体受容シートの搬送経路は、余白無し噴射後の前記液体受容シートを、前記液体噴射位置から前記セパレータの配設位置を経由して前記液体受容シート収容部へ戻し搬送するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 液体噴射ノズルからターゲットに液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記ターゲットを、当該ターゲットが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容するターゲット収容部と、
    前記ターゲットのサイズより大きく形成される液体受容シートを、当該液体受容シートが前記液体噴射ヘッドのノズル形成面に対向しない非液体噴射位置において収容する液体受容シート収容部と、
    前記液体噴射ヘッドが前記ターゲットの縁に余白無く噴射を行う余白無し噴射時には、前記ターゲット収容部から供給されるターゲット及び前記液体受容シート収容部から供給される液体受容シートを、当該液体受容シートにおける前記液体噴射ヘッドのノズル形成面側に前記ターゲットを重ねた状態にして、当該ターゲットが前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置へ搬送する搬送機構と、
    前記液体受容シートの搬送経路の途中に設けられ、前記余白無し噴射後に、前記液体受容シートと該液体受容シート上に重ねられた状態にある前記ターゲットとを分離するセパレータと、備え、
    前記液体受容シートの搬送経路は、余白無し噴射後の前記液体受容シートを、前記液体噴射位置から前記セパレータの配設位置を経由して前記液体受容シート収容部へ戻し搬送するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 前記搬送機構は、前記ターゲット収容部から前記ターゲットを前記液体噴射位置側に向けて搬送するターゲット搬送機構と、前記液体受容シート収容部から前記液体受容シートを前記液体噴射位置側へ搬送する液体受容シート搬送機構とを含み、当該液体受容シート搬送機構における前記液体受容シートの搬送経路の途中に前記ターゲット搬送機構における前記ターゲットの搬送経路が上方から合流するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記余白無し噴射時に、前記液体受容シート搬送機構により搬送される液体受容シートが前記液体受容シートの搬送経路と前記ターゲットの搬送経路とが合流する合流部位を通過した後に、時間差をおいて前記ターゲット搬送機構により搬送されるターゲットが前記合流部位に至るように、前記ターゲット搬送機構及び前記液体受容シート搬送機構の駆動状態を制御する制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体受容シート搬送機構は、前記液体受容シートを搬送する搬送ベルトを有し、当該搬送ベルトは、前記ターゲットを前記ノズル形成面に対向する液体噴射位置を通過させて搬送する際に兼用されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記液体受容シート搬送機構は、前記液体受容シートを前記搬送ベルトに帯電吸着させた状態で搬送することを特徴とする請求項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記液体噴射ヘッドは、前記液体噴射ノズルが前記ターゲットの搬送方向と交差する方向に沿った前記ターゲットの液体噴射領域の全幅に亘って形成されていることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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