JP4690128B2 - 計器 - Google Patents

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本発明は、自動車等に搭載される計器に関し、特に、奥行き感及び立体感を有する表示部を有する計器に関する。
自動車等に搭載される計器においては、奥行き感や立体感をだすために、文字板の周縁部に装飾用のリング意匠が印刷されたり、装飾用のリング部材が取り付けられたりしていることが多い。図5は、この種の従来の計器を示す断面図である。図6は、図5の計器の要部を示す斜視図である。
図5に示すように、この種の計器9は、各種電子部品を搭載する基板91、基板91に搭載される指針用光源92a、文字板用光源92b、装飾用光源92c、ケース93、ケース93の一部に支持されて速度やエンジン回転数等を示す意匠94aが形成された文字板94、文字板94の裏面に取り付けられる拡散板96、意匠94aを指示する指針97、所定の計測値に応じて指針97を回転させるムーブメント98、計器9の前面に取り付けられる見返し99、及び、図示しない表ガラス等を含んで基本構成される。また、指針97には指針キャップ97bが被せられ、指針軸97aには、ムーブメント98の回転軸98aが挿通されている。
このような基本構成の計器9に奥行き感や立体感をだすために、文字板94の周縁部近傍にはリング状の斜面部941及び平面部942が設けられている。そして、斜面部941は、図6に示すように、外側に向かって徐々に濃淡が変化する装飾用のリング意匠が印刷されている。また、斜面部941を周回するように、リング状の導光体95が取り付けられている。なお、斜面部941には、エンジン回転数を示す意匠94aに対応する目盛りを示す意匠94bも形成されている。
そして、装飾用光源92cからの光R9は、導光体95に導光されて、出射光R9′として斜面部941に出射される。これによって、斜面部941に印刷された濃淡を有するリング意匠が光輝して、文字板94及び計器9に奥行き感や立体感が付加される。なお、指針用光源92a及び文字板用光源92bによって、それぞれ、指針97及び文字板94上の意匠94aも周知のように照明される。
なお、上述の計器は下記特許文献1にて詳細に記載されている。
特許第3526036号公報
ところが、上記従来の計器9の計器によると、文字板94の斜面部941に上述のような濃淡が変化する特殊な着色を施さなければならない。したがって、奥行き感や立体感をだすために、特殊な着色剤や着色工程が必要となる。補足すると、目盛りを示す意匠94bを中抜き或いは別色で着色しつつ、濃淡が変化する特殊な意匠を形成しなければならない。
よって本発明は、上述した現状に鑑み、特殊な着色剤や着色工程を要することなく、計器の表示部に奥行き感をだすことができる計器を提供することを課題としている。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の計器は、光源と、外側に向かうにつれて徐々に低くなるようなリング状の斜面部を有する表示部と、前記光源からの光を導光し前記斜面部に向けて出射する導光体と、を有する計器において、前記導光体は、前記斜面部に対向する部位が出射部になっており、前記出射部の断面は、前記斜面部の照明にリング状の濃淡又は明暗が発生するように、曲線的な凹状、凸状又は凹凸状になっている、ことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、導光体は、斜面部に対向する部位が出射部になっており、出射部の断面は、斜面部の照明にリング状の濃淡又は明暗が発生するように、曲線的な凹状、凸状又は凹凸状になっている。このため、斜面部自体に特殊な着色をすることなく、斜面部の照明にリング状の濃淡が発生する。
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の計器は、請求項1記載の計器において、前記斜面部には前記導光体からの出射光とは異なる色で光輝する意匠が形成されており、前記出射部における前記意匠に対応する部位は遮光されている、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、斜面部には導光体からの出射光とは異なる色で光輝する意匠が形成されており、出射部における意匠に対応する部位は遮光されている。よって、意匠の光輝色が出射部からの光で濁ることがない。
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の計器は、請求項1又は請求項2記載の計器において、前記導光体における前記出射部に連接される外側面には反射層が形成されている、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、導光体における出射部に連接される外側面には反射層が形成されているので、出射効率がより向上する。
請求項1記載の発明によれば、導光体は、斜面部に対向する部位が出射部になっており、出射部の断面は、斜面部の照明にリング状の濃淡又は明暗が発生するように、曲線的な凹状、凸状又は凹凸状になっている。このため、斜面部自体に特殊な着色をすることなく、斜面部の照明にリング状の濃淡又は明暗、すなわち、グラデーションが発生する。したがって、特殊な着色剤や着色工程を要することなく、計器の表示部に奥行き感や立体感をだすことができる。
請求項2記載の発明によれば、斜面部には導光体からの出射光とは異なる色で光輝する意匠が形成されており、出射部における意匠に対応する部位は遮光されている。よって、意匠の光輝色が出射部からの光で濁ることがない。したがって、特殊な着色剤や着色工程を要することなく、斜面部の立体感及び意匠をより明確にすることができる。
請求項3記載の発明によれば、導光体における出射部に連接される外側面には反射層が形成されているので、出射効率がより向上する。したがって、特殊な着色剤や着色工程を要することなく、斜面部の立体感を更に明確にすることができる。或いは、省光源にすることも可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る計器の要部及び作用を示す断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る計器の要部及び作用を示す斜視図である。図3(A)は、図1及び図2の文字板の目盛り部周辺を示す正面図であり、図3(B)は、図3(A)のXX線断面図である。
この実施形態の計器は、例えば、アナログ式の自動車用の速度計やエンジン回転計等に適用される。装飾用の濃淡発生に関する構成以外の基本的な構成は、図5で示した計器と同様となるので重複説明は省略する。図1に示すように、実施形態の計器1は、各種電子部品を搭載する基板11、基板11に搭載される青色光源12b、白色光源12w、ケース13、ケース13の一部に支持されて速度やエンジン回転数等を示す意匠である数字部14aが形成された文字板14(請求項の表示部に対応)、導光体15、数字部14aを指示する指針(不図示)、所定の計測値に応じて指針を回転させるムーブメント(不図示)、計器1の前面に取り付けられる見返し16を含んで構成される。なお、文字板14の前面に取り付けられる表ガラスや文字板14の裏面に取り付けられる拡散板等も実際には計器1に含まれるが、本発明の主旨を理解するためには、不要であるのでここでは省略している。
基板11に実装される青色光源12b及び白色光源12wはそれぞれ、青色光RB及び白色光RWを出射する発光ダイオードが用いられる。なお、各光源の色合いは、装飾条件や目盛り色に応じて適宜、変更可能である。ケース13は、この計器1の基本外形を構成するものであり、例えば、黒色又は白色の樹脂製である。
文字板14は、例えば、ポリカーボネイト製の透明生地の円盤状のシートであり、数字部14aを示す意匠を中抜きにして、黒色のベース色で着色されている。数字部14aには、例えば、薄い青色、白色等の印刷を施してもよい。文字板14にはまた、導光体15を固定するための固定孔や指針の回転軸部が挿通される図示しない指針軸孔も設けられている。
特に、文字板14の周縁部近傍には、図6に類似した外側に向けて徐々に低くなるようなリング状の斜面部14bが形成されている。斜面部14bの最低部位はリング状の底面部14cに連接され、更にこの底面部14cはリング状に隆起した隆起平面に連接されている。この隆起平面は、導光体15を支持及び固定するのに有効となる。
文字板14の斜面部14bは装飾用の着色は施されておらず、数字部14aに対応したバー状の複数の目盛り部14b2のみが形成されている。目盛り部14b2は、透過色になるように中抜き印刷されている。詳しくは、図3(A)に示すように、文字板14における表面には、遮光のための黒色部14b4及び灰色部14b5が形成されている。目盛り部14b2の輪郭を明確にするため、黒色部14b4と灰色部14b5とがややずれるように形成されている。
また、図3(B)に示すように、文字板14における目盛り部14b2の裏面には、桃色部14b3が形成されている。桃色部14b3は、各目盛り部14b2をカバーするように、目盛り部14b2よりも広めに該目盛り部14b2に対応して複数箇所、形成されている。このような構成によって、白色光源12wからの白色光RWが照射されると、目盛り部14b2は明確な輪郭を有する桃色に照明されることになる。また、後述するが、灰色部14b5には青色系の濃淡が発生する。なお、桃色部14b3は、赤色系のみならず、斜面部の色調と異なれば他色であってもよい。
導光体15は、例えば、プラスティック製でリング状をしており、青色光源12bに対向する部位は入射部15aとなっており、斜面部14bに対向する部位は出射部15bとなっている。入射部15aは平面的であるが、出射部15bの断面は、斜面部14bの輝度が外側に向かうにつれて徐々に変化するように、曲線的な凹凸状になっている。詳しくは、出射部15bの断面は、凸状部15b1と凹状部15b2が連続するような凹凸状になっている。なお、出射部15bの断面は、斜面部14bの輝度が外側に向かうにつれて徐々に変化するのであれば、凹状又は凸状であってもよい。これらの作用については後述する。
また、導光体15の出射部15bは、斜面部14bの目盛部14b2に対応する部位が遮光されている。すなわち、出射部15bには、各目盛部14b2にそれぞれ対応する複数のバー状の遮光部15dが形成されている。この作用については後述する。また、導光体15は、文字板14の隆起平面に対向する部位に固定用の凸起15cが設けられている。導光体15は、プラスティック製であるので、凸起15cを溶着することによって容易且つ確実に導光体15を固定できる。
更に、導光体15は、前面側(運転手の視点側)の外側面に、白色部17w(請求項の反射層に対応)及び銀色部17sからなる着色層17が形成されている。これらは、光源12bから出射される青色光RBを外部に漏らすことなく且つ導光体15の内部で反射させて、効率的に利用するのに役立つ。
続いて、図1〜図3に図4を加えて、計器1に係る作用及び効果について説明する。図1〜図3は上述した通りであり、図4(A)は、本発明の一実施形態の計器によって生成される濃淡を有する照明を説明するための図であり、図4(B)は、図4(A)の部分拡大図である。
図1及び図2に示すように、青色光源12bからの青色は入射部15aに入り、導光体15の内壁に反射されながら導光体15内を出射部15bの方向に進行していく。そして、出射部15bの凸状部15b1からの出射光は斜面部14bの狭い範囲を照射し、出射部15bの凹状部15b2からの出射光は斜面部14bの広い範囲を照射する。このため、凸状部15b1からの光で照射される斜面部14bの狭い範囲における輝度は、凹状部15b2からの光で照射される斜面部14bの広い範囲における輝度よりも高くなる。なお、底面部14cは照射されないようになっている。
したがって、図4(A)及び図4(B)に示すように、斜面部14bの内側(数字部14aに近い方)は濃い青色系になり、その外側は淡い青色系になる。すなわち、斜面部14bに青色系の濃淡が発生する。特に、徐々に濃淡が変化するように、斜面部14bの角度、すなわち、斜面部14bと出射部15bとの距離を調整することがより好ましい。また、銀色部17sによって、運転手の視点側からは、リング状の導光体17は光輝しているように見えることはない。これによって、上記濃淡をより引き立たせることができる。更に、図3で説明したように、灰色部14b5によって、斜面部14bの青色の濃淡が非常に鮮やかになる。
また、出射部15bには、桃色で光輝する目盛部14b2にそれぞれ対応する複数のバー状の遮光部15dが形成されている。これら遮光部15dによって、出射部15bからの青色光で目盛部14b2の桃色が混濁することがない。したがって、目盛部14b2が桃色で明確に視認される。更に、図3で説明したように、黒色部14b4によって、目盛部14b2の輪郭も明瞭になっている。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、特殊な着色剤や着色工程を要することなく、計器の表示部に奥行き感をだすことができる計器を提供することができる。
なお、本発明は、速度計やタコメータのみならず水温計や燃料計等にも適用可能である。また、本発明は、アナログ式計器のみならず、ディジタル式計器にも適用可能である。また、斜面部14bは、文字板14とは別体に形成するようにしてもよい。更に、出射部15bの断面は、凹凸状のみならず、凸状や場合によっては凹状であってもよい。この場合には、出射部15bの表面形状を微調整したり、斜面部14bの角度、すなわち、斜面部14bと出射部15bとの距離を調整することによって、斜面部14bに濃淡を発生させることができる。
本発明の一実施形態に係る計器の要部及び作用を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る計器の要部及び作用を示す斜視図である。 図3(A)は、図1及び図2の文字板の目盛り部周辺を示す正面図であり、図3(B)は、図3(A)のXX線断面図である。 図4(A)は、本発明の一実施形態の計器によって生成される濃淡を有する照明を説明するための図であり、図4(B)は、図4(A)の部分拡大図である。 この種の従来の計器を示す断面図である。 図5の計器の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 計器
11 基板
12b 青色光源(光源)
12w 白色光源
13 ケース
14 文字板(表示部)
14a 数字部
14b2 目盛部(意匠)
14b3 桃色部
14b 斜面部
15 導光体
15b 出射部
15b1 凸状部
15b2 凹状部
15d 遮光部
16 見返し
17w 白色部(反射層)

Claims (3)

  1. 光源と、
    外側に向かうにつれて徐々に低くなるようなリング状の斜面部を有する表示部と、
    前記光源からの光を導光し前記斜面部に向けて出射する導光体と、
    を有する計器において、
    前記導光体は、前記斜面部に対向する部位が出射部になっており、
    前記出射部の断面は、前記斜面部の照明にリング状の濃淡又は明暗が発生するように、曲線的な凹状、凸状又は凹凸状になっている、
    ことを特徴とする計器。
  2. 請求項1記載の計器において、
    前記斜面部には、前記導光体からの出射光とは異なる色で光輝する意匠が形成されており、
    前記出射部は、前記意匠に対応する部位が遮光されている、
    ことを特徴とする計器。
  3. 請求項1又は請求項2記載の計器において、
    前記導光体は、前記出射部に連接される外側面に反射層が形成されている、
    ことを特徴とする計器。
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