JP4689729B2 - 自動二輪車用灯火装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車等に適用される車両用灯火装置に関し、特にレンズ内面の曇りを防止する技術に関する。
従来、ハイビームランプ及びロービームを上下に配してなる上下二灯式の車両用灯火装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これは、ハウジング本体に各ランプ用のレンズを有するレンズボディを装着してランプハウジングとし、該ランプハウジング内に個別のバルブ及びリフレクタを配置してその上部及び下部に各ランプを構成することで、各ランプが個別にランプハウジングを備える場合と比べて部品点数の増加を抑えたものである。
ところで、車両用灯火装置において、ハウジング本体にレンズを有するレンズボディを装着してランプハウジングとし、該ランプハウジング内にバルブ等を配置してランプを構成するような場合、ランプハウジング内部の水分の蒸発に起因するレンズ内面の曇りを防止するべく、該ランプハウジングに通気孔を設けると共に該通気孔外部に通気管を連設したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
特許第3447451号公報 特許第3335228号公報
しかしながら、上記前者の構成では、各ランプに対応するレンズが単一のレンズボディで構成されることとなり、各レンズの個別形状ひいては各ランプの個別形状を強調できず、当該灯火装置のデザイン自由度の向上が困難であるという問題がある。
特に、各リフレクタをその反射面が配光用の複数のカット面からなるマルチリフレクタとし、各レンズをレンズカットが施されないクリアレンズとするようなヘッドライトは、リフレクタ面の輝きが強調されるものであるので、一層のデザイン自由度の向上が望まれる。
さらに、マルチリフレクタとクリアレンズとを組み合わせたランプは、そのレンズ内面の曇りも比較的目立つので、該レンズ内面近傍における換気性能の確保も重要となる。
そのために通気孔を大型化したりその数を増やしたりすると、通気孔の設計が困難になったり、ランプハウジング外部に突出するように通気管を設けたりすれば、ハウジング構造が複雑化するという課題がある。
そこでこの発明は、部品点数の増加を抑えた上で各ランプの個別形状を強調できる車両用灯火装置を提供すると共に、通気孔の設計を困難にすることなくレンズ内面近傍の換気性能を確保して、ランプの意匠性を一層強調できる車両用灯火装置を提供し、かつハウジング構造を簡易なままとしてレンズ内面の曇りを防止できる車両用灯火装置を提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、ランプ(151,152)を左右に一対設けると共に、該各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)近傍に該レンズ内面の曇りを防止するべく通気孔(181,182)を設けた自動二輪車(101)の灯火装置において、
前記自動二輪車(101)の車体前部にはフロントカウル(138)が装着され、このフロントカウル(138)の前部内側に前記各ランプ(151,152)が配設され、
前記フロントカウル(138)のカウル前壁部(139)には、前記各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)をそれぞれ露出させる左右開口(142,143)が設けられ、前記カウル前壁部(139)における前記左右開口(142,143)の間には、上下に延びるランプ間横断部(145)が設けられ、前記通気孔(181,182)は、前記各ランプ(151,152)のレンズ間に臨むように、前記各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)からハウジング本体(157,158)側に延びる外周壁部(178,179)の内側部にそれぞれ設けられ、該各通気孔(181,182)には、車幅方向内側に向けて突出する通気バルブ(183,184)がそれぞれ設けられ、
前記各通気孔(181,182)及び通気バルブ(183,184)は、前記ランプ間横断部(145)の後方に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記各ランプ(151,152)のハウジング本体(157,158)は、連結壁部(173)を介して互いに連結され、前後方向で前記連結壁部(173)と前記ランプ間横断部(145)との間に、前記各通気孔(181,182)及び各通気バルブ(183,184)が配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記各通気バルブは、対応する通気孔に連なる流路(例えば実施例のノズル内流路185)を形成するべく車幅方向内側に延びるノズル(例えば実施例のノズル186)を備え、該ノズルの先端部にスペーサ(例えば実施例のスペーサ187)及びキャップ(例えば実施例のキャップ188)を装着してラビリンス構造を形成すると共に、前記ノズルの先端開口に既存の透湿防水シート(例えば実施例の透湿防水シート189)を装着したことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、バルブ(例えば実施例のバルブ266)及び反射板(例えば実施例のリフレクタ268)を収容するランプハウジング(例えば実施例のランプハウジング262)と、該ランプハウジングの前面に設けられる前記レンズとを有し、前記ランプハウジングの内部に調湿部材(例えば実施例の調湿部材294,295)を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記調湿部材を、前記ランプハウジングのバルブ取り付け孔(例えば実施例のバルブ取り付け孔291)に設けたことを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記調湿部材をシート状とし、該調湿部材を前記ランプハウジングの内部に貼り付けたことを特徴とする。
請求項1〜3に記載した発明によれば、レンズから離間したハウジング本体に通気孔を設ける場合と比べて、該通気孔の設計を困難にすることなくレンズ内面近傍の換気性能を確保できる。また、各ランプのレンズにそれぞれ通気孔を設ける場合には各通気孔の仕様を同一にできると共に、通気孔に通気管等を連設する場合にはそのレイアウト性を高めることができる。しかも、各ランプがランプハウジングを共有する場合には、一つの通気孔で各レンズ内面の曇りを防止することが可能である。このように、各ランプのレンズ内面近傍の換気性能を確保してレンズ内面の曇りを効果的に防止しランプの意匠性を一層強調できる共に通気孔の設計を容易にできる。
また、前記各ランプの内側部のそれぞれに通気バルブを設け、該通気バルブから延びるノズルの先端部にラビリンス構造を形成すると共に、前記ノズルの先端開口に透湿防水シートを装着することで、外部からの水の浸入を前記ラビリンス構造及び透湿防水シートを介して防止した上で、各ランプの灯室内の湿気を外部に放出することができる。

請求項4に記載した発明によれば、ランプハウジング内部の任意の位置に調湿部材を設けることのみで、ハウジング構造を複雑化させることなく、ランプハウジング内部の水分の蒸発に起因するレンズ内面の曇りを良好に防止できる。すなわち、ハウジング構造を簡易なままとし小型軽量化を図った上で、レンズ内面の曇りを良好に防止できる。
請求項5に記載した発明によれば、調湿部材の交換が容易になると共に、ランプハウジング外部から調湿部材が見え難くなる。すなわち、メンテナンスを容易にして曇り止め効果を良好に維持できると共に、灯火器の外観を良好に維持できる。
請求項6に記載した発明によれば、調湿部材のランプハウジング内での配置自由度が高まると共に、ランプハウジングのサイズや重量が抑えられる。すなわち、レンズ内面の曇りをより効果的に防止できると共に、ランプハウジングの小型軽量化を図ることができる。
この発明の第一実施例における自動二輪車の側面図である。 図1に示す自動二輪車の正面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図4に示す自動二輪車の正面図である。 図4,5に示す自動二輪車のヘッドランプ装置の正面図である。 図6に示すヘッドランプ装置の上面図である。 図6におけるB−B線に沿う断面図である。 この発明の第三実施例におけるヘッドランプ装置の正面図である。 図9に示すヘッドランプ装置の上面図である。 図9におけるC−C断面図である。 図9におけるD−D断面図である。 図12における要部拡大図である。 図9〜13に示すヘッドランプ装置後部の分解斜視図である。 上記第三実施例の応用例としての自動車の斜視図である。 図15におけるE−E断面図である。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
まず、この発明の第一実施例(参考例)について説明する。
図1に示すように、自動二輪車(車両)1の前輪2を軸支する左右のフロントフォーク3はステアリングステム4を介して車体フレーム5の前端部に設けられたヘッドパイプ6に操舵可能に枢支され、後輪7を軸支するスイングアーム8はその前端部が車体フレーム5の中間部に設けられた左右のピボット部9に揺動可能に枢支される。車体フレーム5は、ヘッドパイプ6から左右に分岐して延びる一対のメインフレーム10及びダウンチューブ11が、それぞれ各ピボット部9近傍で結合されてなる所謂ダブルクレードル型とされる。これら各メインフレーム10及びダウンチューブ11で囲まれた車体中央部には、自動二輪車1の原動機である水冷式並列四気筒型のエンジン12が搭載される。各メインフレーム10の上部後側には左右のシートレール13の前端部がそれぞれ結合され、各シートレール13の略中間部にはピボット部9近傍から斜め上後方に向けて延びる左右のサイドパイプ14の上端部がそれぞれ結合される。各サイドパイプ14及びシートレール13の結合部とスイングアーム8との間には、これらに渡る左右のリアクッション15が配設される。
エンジン12のシリンダ部16はクランクケース17上にやや前傾した状態で配設される。シリンダ部16の後部には各気筒に対応するスロットルボディ18の下流側が接続され、各スロットルボディ18の上流側はエアクリーナケース19に接続される。シリンダ部16の前部には各気筒に対応する排気管20が接続され、これら各排気管20がクランクケース17の前方及び下方を通過しつつ一本にまとめられて、車体後部右側に配設されたサイレンサ21に接続される。エンジン12の前方には、各排気管20を挟んでエンジン12冷却用のラジエータ22が配設される。
各メインフレーム10にはこれらを上方から跨ぐ燃料タンク23が支持され、各シートレール13の前部にはこれらを上方から跨ぐシート24が支持される。各ピボット部9近傍には左右のステップ25がそれぞれ取り付けられ、各フロントフォーク3の上部には左右のハンドル26がそれぞれ取り付けられる。各フロントフォーク3の下部にはそれぞれブレーキキャリパ28が取り付けられ、前輪2のハブ部には各ブレーキキャリパ28に対応する左右のブレーキロータ29がそれぞれ取り付けられて、左右のフロントディスクブレーキ30が構成される。なお、後輪7の右側には、フロントディスクブレーキ30と同様の構成を有する不図示のリアディスクブレーキが配設される。
後輪7の左側にはドリブンスプロケット31が配設され、このドリブンスプロケット31とエンジン12の後部左側に配設されるドライブスプロケット32とにドライブチェーン33が無端状に掛け回されて、エンジン12の駆動力を後輪7に伝達可能である。
車体フレーム5前部には、ヘッドパイプ6の周囲を覆う風防としてのフロントカウル(カウリング)38が装着され、車体フレーム5下部には、各ダウンチューブ11の下部に渡ってエンジン12下部を下方から覆うアンダーカウル35が装着され、車体フレーム5中央両側部には、各メインフレーム10の上部後側を側方から覆うサイドカバー36が装着され、車体フレーム5後部には、各シートレール13の後部を上方から跨ぐように覆うリアカウル37が装着される。
図2を併せて参照して説明すると、フロントカウル38は、そのカウル前壁部39の上部が透明樹脂板(ポリカーボネイト等)からなるスクリーン41により構成されるもので、このようなフロントカウル38の前部内側に、上下二灯式のヘッドランプ装置(車両用灯火装置)50が配設される。
ヘッドランプ装置50は、単一のランプハウジング51の上部にハイビームランプ52を、下部にロービームランプ53をそれぞれ構成してなるもので、このようなヘッドランプ装置50が、ランプハウジング51に設けられた複数(四つ)の固定部54及び不図示の支持ステー等を介して、フロントカウル38と共に車体フレーム5に固定される(図2参照)。
ランプハウジング51は、正面視で略方形状をなす箱型のもので、その前壁部(以下、ランプ前壁部という)55には、その上部に正面視丸形をなすハイビームランプ52用のレンズ(以下、上部レンズという)56が設けられ、かつ該レンズ56の下方にこれに対して上下方向に狭く左右方向に幅広なロービームランプ53用のレンズ(以下、下部レンズという)57が設けられる。
一方、カウル前壁部39には、上記各レンズ56,57とほぼ同一形状をなす上部開口42及び下部開口43がそれぞれ設けられ、ヘッドランプ装置50は、フロントカウル38内側より各レンズ56,57を各開口42,43から車両前方に向けて露出させるようにして配置され、この状態でフロントカウル38と共に車体フレーム5に固定される。
ハイビームランプ52用の上部レンズ56は、正面視でフロントカウル38の略中央に位置するように配置される。また、ロービームランプ53用の下部レンズ57は、上部レンズ56と同様に車幅方向中央部において車体中心面に対して左右対称となるように配置される。なお、下部レンズ57の両側端部59は、斜め上外側に正面視で略三角形状をなしてつり上がるように設けられ、該両側端部59がロービームランプ53と連設されるポジションランプ用のレンズを構成している。
図3に示すように、ヘッドランプ装置50は、車両前方に向けて開口するハウジング本体61と、その開口を覆うように取り付けられるレンズボディ62とを主としてランプハウジング51とし、該ランプハウジング51が形成する灯室63内に各ランプ52,53に対応する上部及び下部バルブ64,65、並びに上部及び下部リフレクタ66,67が配置されてなる。前記ランプ前壁部55はレンズボディ62が形成しており、該ランプ前壁部55に上部レンズ56及び下部レンズ57がそれぞれ形成されている。
フロントカウル38のカウル前壁部39は、上方に位置するほど後方に位置するように傾斜し、かつ斜め上前方に向けて凸状となるように湾曲して設けられる。また、ランプ前壁部55は、カウル前壁部39に沿うようにしてこれと同様に傾斜しかつ湾曲して設けられる。そして、ランプ前壁部55が、カウル前壁部39の裏面側に不図示のシール部材等を介して当接するようになっている。
このようなランプ前壁部55のカウル前壁部39との重合部分に対し、各レンズ56,57は、その前面がカウル前壁部39の前面とほぼ面一となるように前方に突出するように形成される。換言すれば、ランプ前壁部55のカウル前壁部39との重合部分は、各レンズ56,57に対して後方に変化するように形成される。
レンズボディ62には、ランプ前壁部55の外周縁部から概ね後方に向けて延びるレンズ外周壁部68が全周に渡って設けられ、このレンズ外周壁部68の後端縁部がハウジング本体61の開口周縁部に全周に渡って水密に接合されることで、レンズボディ62とハウジング本体61とが一体的に結合される。
ここで、ランプハウジング51においては、各バルブ64,65及びリフレクタ66,67とこれらに対応する各レンズ56,57との前後方向での距離が概ね同一となるように、ランプハウジング51上部に位置するハイビームランプ52用の上部バルブ64及び上部リフレクタ66は、ランプハウジング51下部に位置するロービームランプ53用の下部バルブ65及び下部リフレクタ67に対して後方に位置するように配置される。また、このような各バルブ64,65及びリフレクタ66,67の配置に対応して、ハウジング本体61は、その後壁部68の上部が下部に対して後方に位置するように段差状に変化して設けられる。
ハウジング本体61の後壁部68の上部及び下部には、灯室63内への各バルブ64,65の出し入れ及び該各バルブ64,65の後部口金への給電コネクタの着脱を可能とするための上部及び下部作業孔71,72がそれぞれ形成される。なお、各作業孔71,72には、灯室63内への水の浸入を防止するための上部及び下部防水キャップ73,74がそれぞれ装着される。
各リフレクタ66,67は、概ね前方に向けて開口する椀状をなすもので、それぞれの中央部にはバルブ挿通孔が形成されると共に、該中央部後側には、対応する各バルブ64,65の係止フランジに係合して該各バルブ64,65を保持可能な上部及び下部係止部75,76が設けられる。各リフレクタ66,67には、その外周縁部から概ね前方に向けて延びる上部及び下部外周壁部77,78がそれぞれ全周に渡って設けられる。上部外周壁部77の下側部と下部外周壁部78の上側部とは、これらの前端縁部において連続して設けられ、これをもって各リフレクタ66,67が一体のリフレクタボディ79として構成される。
各外周壁部77,78は、レンズボディ62とハウジング本体61との接合部を覆う位置まで延びて該接合部がランプハウジング51外部から見えないように隠すと共に、各ランプ52,53の照射光が他方のランプのレンズから漏れることを抑える遮蔽部を形成している。なお、ランプハウジング51には不図示の光軸調整機構が設けられ、該ランプハウジング51に対してリフレクタボディ79を傾動させることによる光軸調整を可能としている。
ここで、図2を併せて参照して説明すると、カウル前壁部39における上部開口42及び下部開口43の間には、各開口42,43を形成したことにより切り残されてなるランプ間横断部44が設けられ、このランプ間横断部44が、ランプ前壁部55における各ランプ52,53間の部位(カウル前壁部39との重合部分)を覆うことで、例えば各レンズ56,57に跨る単一の開口より各レンズ56,57を露出させるような場合と比べて、各レンズ56,57の個別形状を強調できるようになっている。
各リフレクタ66,67は、その反射面が配光用の複数のカット面からなる所謂マルチリフレクタとされ、各レンズ56,57は、レンズカットが施されない所謂クリアレンズとされる。すなわち、各ランプ52,53におけるバルブ光は、各リフレクタ66,67の反射面で反射し配光された後、対応する各レンズ56,57を透過して車両前方に照射される。
上部レンズ56は、上部リフレクタ66の正面となる位置よりも下方にずれるように設けられ、その結果、カウル前壁部39が上部リフレクタ66の上部と正面視で一部ラップすることとなり、バルブ光の斜め上前方への配光を抑えた上で車両前方を照射可能としている。また、下部レンズ57は、概ね下部バルブの正面となる位置からランプ前壁部55の下端縁近傍に至る範囲に渡って設けられ、その結果、カウル前壁部39(ランプ間横断部44)が下部リフレクタ67の概ね上半分と正面視でラップすることとなり、バルブ光の斜め上前方への配光を大幅に抑えた上で車両前方を照射可能としている。
以上説明したように、上記第一実施例におけるヘッドランプ装置50は、ハイビームランプ52及びロービームランプ53を上下に配置したものであって、ハイビームランプ52を上部に、ロービームランプ53を下部にそれぞれ配置すると共に、該各ランプ52,53間をフロントカウル38の一部(ランプ間横断部44)で覆ったものである。
この構成によれば、各ランプ52,53が個別にランプハウジング51を備える場合と比べて部品点数の増加を抑えると共に、ハイビームランプ52とロービームランプ53とが独立した外観を得ることが可能となる。すなわち、部品点数の増加を抑えた上で、各ランプ52,53の個別形状を強調してデザイン自由度を向上できる。
ここで、ハイビームランプ52が上部に、ロービームランプ53が下部にそれぞれ配置されることは、ハイビームランプ52で遠方を照射する、あるいはロービームランプ53で路面を照射する場合に有利となり、各ランプ52,53に適した照射を行うことができる。
また、上記ヘッドランプ装置50においては、ロービームランプ53用の下部レンズ57を上下方向で狭く左右方向で幅広にしたことで、ロービーム時における照射光の上下方向への広がりを抑えた上で車両前方の路面を左右方向で広範囲に照射できると共に、ハイビームランプ52用の上部レンズ56をフロントカウル38の中央部に配置すると共に正面視丸形としたことで、ハイビームランプ52の照射光を遠方に向けて配光し易くなる。
すなわち、ロービーム時及びハイビーム時に適した照射範囲を容易に設定できる。
次に、この発明の第二実施例について説明する。
図4に示すように、自動二輪車(車両)101の前輪102を軸支するフロントフォーク103はステアリングステム104を介して車体フレーム105の前端部に設けられたヘッドパイプ106に操舵可能に枢支される。ヘッドパイプ106からは車体フレーム105のメインフレーム107が斜め下後方に延び、その後端部が下方に屈曲してピポットプレート108に連なる。また、メインフレーム107の後部には斜め上後方に延びるシートフレーム109の前端部が接続される。
ピボットプレート108にはピボット軸111を介してスイングアーム113の基端部がスイング可能に取り付けられ、このスイングアーム113の先端部には後輪112が軸支される。スイングアーム113の基端側の上部にはクッションユニット114の上端部が取り付けられ、このクッションユニット114の下端部がリンク機構115を介してピボット軸111よりも下位置でピボットプレート108に連結される。
メインフレーム107の上方には燃料タンクカバー117が、メインフレーム107の下方には水冷式直列四気筒型のエンジン118が各々搭載される。また、燃料タンクカバー117の後方には運転者用のシート119及び後部搭乗者用のピリオンシート120が設けられる。ピボットプレート108の後部には運転者用のステップ121が取り付けられ、シートフレーム109の下部には後部搭乗者用のステップ122が取り付けられる。
燃料タンクカバー117の内側には、その前部にエアクリーナケース134が、後部に燃料タンク本体117aがそれぞれ配設される。
フロントフォーク103の上端部にはハンドル123が取り付けられる。また、フロントフォーク103の下端部にはキャリパブラケットを介してブレーキキャリパ124が取り付けられ、前輪102のハブ部にはブレーキキャリパ124に対応するブレーキディスク125が取り付けられて、自動二輪車101のフロントディスクブレーキ126が構成される。なお、後輪112の右側には、フロントディスクブレーキ126と同様の構成を有する不図示のリアディスクブレーキが設けられる。後輪112の左側にはリアスプロケット129が取り付けられ、このリアスプロケット129とエンジン118の後部左側に配設されたドライブスプロケット130とにドライブチェーン131が掛け回されて、エンジン118の駆動力が後輪112に伝達される。
エンジン118のシリンダヘッドの後部には各気筒に対応するスロットルボディ133の下流側が接続され、各スロットルボディ133の上流側は前記エアクリーナケース134に接続される。シリンダヘッドの前部には各気筒に対応する排気管127が接続され、これら各排気管127がエンジン118のクランクケースの前方及び下方を通過しつつ一本にまとめられた後にシートフレーム109近傍まで取り回され、シートフレーム109に支持されたサイレンサ134に接続される。エンジン118の前方には、各排気管127を挟んでエンジン118冷却用のラジエータ128が配設される。
車体後部には、シートフレーム109周辺を覆うリアカウル135が装着され、車体中央部には、エンジン118及びラジエータ128周辺を覆うセンターカウル137が装着される。そして、車体前部には、ヘッドパイプ106周辺を覆うフロントカウル(カウリング)138が装着される。
図5を併せて参照して説明すると、フロントカウル138は、そのカウル前壁部139の上部が透明樹脂板(ポリカーボネイト等)からなるスクリーン141により構成されるもので、このようなフロントカウル138の前部内側に、左右二灯式のヘッドランプ装置(車両用灯火装置)150が配設される。
ヘッドランプ装置150は、車体中心面に対して振り分け配置される右ヘッドランプ151及び左ヘッドランプ152と、これらの間の上方に配置されるポジションランプ153とを有してなる。カウル前壁部139には、各ランプ151,152,153のレンズ154,155,156に対応する開口142,143,144がそれぞれ設けられる。
ヘッドランプ装置150は、フロントカウル138内側より各レンズ154,155,156を対応する開口142,143,144から車両前方に向けて露出させるようにして配置され、この状態でフロントカウル138と共に車体フレーム105に固定される。
各ヘッドランプ151,152用の右及び左レンズ154,155は、正面視で上下方向に狭く左右方向に幅広で、かつ車幅方向外側に位置するほどつり上がる変形四角形状とされるもので、その内側縁部は、各レンズ154,155が最も近接する内側端部から斜め外側上方に向けて延びて該各レンズ154,155の上縁部に連なり、該上縁部は斜め上外側に向けて延びて該各レンズ154,155の外側縁部の上端部に連なる、また、各レンズ154,155の下縁部は、前記内側端部から斜め上外側に向けて延びて前記外側縁部の下端部に連なり、該外側縁部は斜め外側上方に向けて延びて前記上縁部の外側部に連なる。このような形状の各レンズ154,155とほぼ同一形状をなす右及び左開口142,143が、カウル前壁部139にそれぞれ形成される。
一方、ポジションランプ153用の中央レンズ156は、正面視で下縁部が下方に向けて凸状となるように湾曲すると共に上縁部が上方に向けて凸状となるように湾曲してなる略木の葉状とされる。ここで、スクリーン141は、その下縁形状が正面視で略V字を描くように設けられ、このようなスクリーン141の下端部が切り欠かれることで、中央レンズ156とほぼ同一形状をなす中央開口144がカウル前壁部139に形成される。
図6,7に示すように、各ヘッドランプ151,152は、それぞれ車両前方に向けて開口する右及び左ハウジング本体157,158と、その開口を覆うように取り付けられる右及び左レンズボディ159,160とを主とする右及び左ランプハウジング161,162を有し、これら各ランプハウジング161,162が個別に形成する右及び左灯室163,164内にそれぞれ右及び左バルブ165,166並びに右及び左リフレクタ167,168が配置されてなる。なお、各ヘッドランプ151,152は車体中心面に対して左右勝手違い対称の構成を有している。
また、ポジションランプ153も同様に、車両前方に向けて開口する中央ハウジング本体169と、その開口を覆うように取り付けられる中央レンズボディ170とを主とする中央ランプハウジング171を有し、この中央ランプハウジング171が形成する中央灯室172内に不図示のバルブ及びリフレクタが配置されてなる。なお、ポジションランプ153は、車幅方向中央部において車体中心面に対して左右対称となるように設けられている。
各ランプ151,152,153のハウジング本体157,158,169は、ヘッドランプ装置150の略中央においてこれらに跨るように設けられた連結壁部173を介して連結されることで、一体のハウジングボディ174として構成される。このようなハウジングボディ174には複数の固定部175が設けられ、該固定部175及び不図示の支持ステー等を介して、ヘッドランプ装置150がフロントカウル138と共に車体フレーム105に固定される。
各ヘッドランプ151,152のレンズ154,155は、上面視で車幅方向外側に位置するほど後方に位置するように傾斜して設けられる。一方、各ハウジング本体157,158の右及び左後壁部176,177は、概ね車幅方向と平行に設けられる。これにより、各ヘッドランプ151,152の灯室163,164は、その車幅方向内側におけるレンズ154又は155から後壁部176又は177までの距離が、車幅方向外側におけるレンズ154又は155から後壁部176又は177までの距離よりも長くされている。なお、ポジションランプ153のレンズ156は、上面視で前方に向けて凸状となるように湾曲して設けられる。
各ヘッドランプ151,152のレンズボディ159,160には、そのレンズ154,155の外周縁部から概ね後方に向けて延びる右及び左外周壁部178,179が全周に渡って設けられ、各外周壁部178,179の後端縁部が対応するハウジング本体157,158の開口周縁部に全周に渡って水密に接合されることで、各レンズボディ159,160とハウジング本体157,158とが一体的に結合される。
図5,8を併せて参照して説明すると、カウル前壁部139における右及び左開口142,143の間には、各開口142,143を形成したことにより切り残されてなるランプ間横断部145が設けられる。そして、各ヘッドランプ151,152間には、前後方向では連結壁部173とランプ間横断部145とで挟まれ、左右方向では各レンズボディ159,160の外周壁部178,179の内側部により挟まれてなる中央空間部146が形成される。
そして、各レンズボディ159,160の外周壁部178,179の内側部であってそのレンズ154,155の近傍となる部位には、該各レンズ154,155内面の曇りを防止するべく対応する灯室163,164内を換気可能とする右及び左通気孔181,182がそれぞれ設けられると共に、該各通気孔181,182から車幅方向内側(中央空間部146内)に向けて突出する右及び左通気バルブ183,184がそれぞれ設けられる。なお、中央空間部146内には、不図示の各種リレー等の電子・電気部品が配設されている。
図8に示すように、各通気バルブ183,184は車体中心面に対して左右勝手違い対称をなすもので、通気孔181又は182に連なる流路(以下、ノズル内流路という)185を形成するべく車幅方向内側に延びるノズル186を、対応する外周壁部178又は179に一体形成し、該ノズル186の先端部にスペーサ187及びキャップ188を装着してラビリンス構造を形成すると共に、ノズル186の先端開口に既存の透湿防水シート189を装着してなるものである。
スペーサ187は円管状のもので、その外周部には径方向外側に向けて厚さを増加させてなる肉厚部191が設けられ、かつ該肉厚部191の一部を軸線方向に沿うように切り欠いてなる溝部192が設けられる。このようなスペーサ187が、その内面をノズル186の外面に密接させるようにして該ノズル186の先端部に嵌合装着される。
一方、キャップ188は有底円筒状のもので、その開口を車幅方向外側に向けた状態で、外周部内面をスペーサ187の肉厚部191外面に密接させるようにして、該スペーサ187を介してノズル186の先端部に嵌合装着される。キャップ188の底部内面側には適宜段差部193が形成され、該段差部193がノズル186及びスペーサ187の先端に先当たりすることで、キャップ188の底部内面とノズル186及びスペーサ187の先端との間に底部間隙部194が形成される。
底部間隙部194は、スペーサ187の溝部192とキャップ188の外周部とで形成される外周流路195を介して中央空間部146(外気)と連通する。このような底部間隙部194、外周流路195、及びノズル内流路185により、各通気孔181,182から外気に至るまでの間にラビリンス構造が形成される。しかも、底部間隙部194とノズル内流路185との間には前記透湿防水シート189が介設されている。したがって、各灯室163,164内の湿気を外部に放出すると共に、外部からの水の浸入をラビリンス構造及び透湿防水シート189を介して防止することが可能とされている。
以上説明したように、上記第二実施例におけるヘッドランプ装置150においては、各ヘッドランプ151,152のレンズ154,155近傍に、該各レンズ154,155内面の曇りを防止するべく通気孔181,182を設けたことで、各レンズ154,155から離間したハウジング本体157,158に通気孔を設ける場合と比べて、該通気孔の設計を困難にすることなく、各レンズ154,155内面近傍の換気性能を向上できるため、各レンズ154,155内面の曇りを効果的に防止できる。
また、上記ヘッドランプ装置150においては、各ヘッドランプ151,152を左右に一対設けると共に、該各ヘッドランプ151,152のレンズ154,155間の間隙内(中央空間部146内)に臨むように通気孔181,182を設けたことで、各ヘッドランプ151,152のレンズ154,155にそれぞれ設けられる通気孔181,182の仕様を同一にできると共に、各通気孔181,182に通気バルブ183,184を連設する場合のレイアウト性を高めることができる。すなわち、各ヘッドランプ151,152のレンズ154,155内面近傍の換気性能を向上させると共に各通気孔181,182の設計を容易にできる。
次に、この発明の第三実施例について説明する。
この実施例におけるヘッドランプ装置250(図9,10参照)は、上記第二実施例におけるヘッドランプ装置150に対し、各通気孔181,182及び通気バルブ183,184を無くす一方、後述する調湿部材294,295を設けた点で異なるもので、図4,5を援用して説明すると、上記ヘッドランプ装置150に代わり、フロントカウル138の前部内側に配設されるものである。
図9,10に示すように、ヘッドランプ装置(車両用灯火装置)250は、車体中心面に対して振り分け配置される右及び左のヘッドランプ251,252と、これらの間の上方に配置されるポジションランプ253とを有してなり、これら各ランプ251,252,253のレンズ254,255,256に対応する開口142,143,144が、カウル前壁部139にそれぞれ設けられる(図4参照)。ヘッドランプ装置250は、フロントカウル138内側より各レンズ254,255,256を対応する開口142,143,144から車両前方に向けて露出させるようにして配置され、この状態でフロントカウル138と共に車体フレーム105に固定される。
各ヘッドランプ251,252用のレンズ254,255は、正面視で上下方向に狭く左右方向に幅広で、かつ車幅方向外側に位置するほどつり上がる変形四角形状とされる。
このような形状の各レンズ254,255とほぼ同一形状をなすように、右及び左の開口142,143がカウル前壁部139にそれぞれ形成される(図4参照)。
一方、ポジションランプ253用のレンズ256は、正面視で略木の葉状とされる。ここで、スクリーン141は、その下縁形状が正面視で略V字を描くように設けられ、このようなスクリーン141の下端部が略への字状に切り欠かれることで、レンズ256とほぼ同一形状をなす開口144がカウル前壁部139に形成される(図4参照)。
各ヘッドランプ251,252は、それぞれ車両前方に向けて開口するハウジング本体257,258と、その開口を覆うように取り付けられるレンズボディ259,260とを主とするランプハウジング261,262を有し、これら各ランプハウジング261,262が個別に形成する灯室263,264内に、それぞれバルブ265,266並びにリフレクタ(反射板)267,268が収容される。なお、各ヘッドランプ251,252は、車体中心面に対して左右勝手違い対称の構成を有している。
また、ポジションランプ253も同様に、車両前方に向けて開口するハウジング本体269と、その開口を覆うように取り付けられるレンズボディ270とを主とするランプハウジング271を有し、このランプハウジング271が形成する灯室272内に、不図示のバルブ及びリフレクタが収容される。なお、ポジションランプ253は、車幅方向中央部において車体中心面に対して左右対称となるように設けられている。
各ランプ251,252,253のハウジング本体257,258,269は、ヘッドランプ装置250の略中央においてこれらに跨るように設けられた連結壁部273を介して連結されることで、一体のハウジングボディ274として構成される。このようなハウジングボディ274には複数の固定部275が設けられ、該固定部275及び不図示の支持ステー等を介して、ヘッドランプ装置250がフロントカウル138と共に車体フレーム5に固定される。
以下、図11,12を参照してヘッドランプ装置250における左側のヘッドランプ252について説明するが、右側のヘッドランプ251については左右勝手違いの構成を有するものとしてその説明は省略する。
ヘッドランプ252におけるレンズ255は、ボックス状をなすランプハウジング262の前壁部(レンズボディ260の前壁部)276の一部として構成される。該前壁部276は、フロントカウル138のカウル前壁部139に沿うように設けられるもので、車体上面視では車幅方向外側に位置するほど後方に位置するように傾斜し、車体側面視では上方に位置するほど後方に位置するように傾斜して設けられる。
これにより、ランプハウジング262は、その右側(車幅方向内側)における前壁部276から後壁部(ハウジング本体258の後壁部)277までの距離が、右側(車幅方向外側)における前壁部276から後壁部277までの距離よりも長くされると共に、下側における前壁部276から後壁部277までの距離が、上側における前壁部276から後壁部277までの距離よりも長くされる。このような前壁部276の下部左側に偏るようにレンズ255が設けられている。すなわち、前壁部276は、カウル前壁部139の開口143から露出するレンズ255と、カウル前壁部139に重なる重合部278とで構成される。なお、符号279は、前記重合部278とカウル前壁部139との間に配される緩衝部材を示す。
ヘッドランプ252のレンズ255は、その前面がカウル前壁部139の前面とほぼ面一となるように、前記重合部278に対して前方に突出するように設けられる。換言すれば、前記重合部278は、レンズ255に対して後方に変化するように設けられる。
レンズボディ260の前壁部276の外縁部からは、その全周に渡ってレンズ外周壁部281が後方に向けて延出される。一方、ハウジング本体258の後壁部277の外縁部からは、その全周に渡ってハウジング外周壁部282が前方に向けて延出される。そして、レンズ外周壁部281の後縁部とハウジング外周壁部282の前縁部とが全周に渡って水密に接合されることで、レンズボディ260とハウジング本体258とが一体的に結合される。
バルブ266は、例えば通常のH4バルブであり、灯室264内におけるハウジング本体258の後壁部277寄りの上下方向略中央であって、左右方向では右寄り(車幅方向中央寄り)となる部位に配置される。該バルブ266の後部口金には、メインハーネス283のカプラ283aとの接続用のバルブソケット284が装着される。
リフレクタ268は、車両前方に向けて開口する椀状のもので、バルブ光の配光を行う配光部285と、レンズボディ260とハウジング本体258との接合部を覆う位置まで延びるエクステンション部286とを有する。
ここで、リフレクタ268は、その配光部285における反射面が複数のカット面からなる所謂マルチリフレクタとされる。一方、レンズ255は、レンズカットが施されない所謂クリアレンズとされる。
すなわち、リフレクタ268の反射面で反射することで配光がなされたバルブ光は、レンズ255を単に透過して車両前方に向けて照射される。なお、符号287は、リフレクタ268に取り付けられて主に上方への配光を抑えるシェードを示す。
リフレクタ268の後端部には、その配光部285の前方にバルブ266を臨ませるためのバルブ挿通孔288が設けられると共に、バルブ266の係止フランジに係合してこれを保持する係止部289が設けられる。
図13,14を併せて参照して説明すると、ハウジング本体258の後壁部277には、灯室264内へのバルブ266の出し入れ等を行うためのバルブ取り付け孔291が設けられる。該バルブ取り付け孔291は、作業を容易にするべく比較的大型に形成されるもので、車体正面視においてバルブ266を中心とした円形とされる。このバルブ取り付け孔291の周縁部には、後方に向けて突出するカラー部292が全周に渡って設けられる。
ここで、該カラー部292には、その後方から環状のガイドリング293が着脱可能に取り付けられる。該ガイドリング293は、カラー部292の内周側に後方から嵌合する(又は螺合する)円筒状のもので、その後端部には前方への移動を規制するフランジ状のストッパ部293aが設けられる。このようなガイドリング293を介して、バルブ取り付け孔291に後述する調湿部材294が設けられるようになっている。
カラー部292及びガイドリング293には、バルブ取り付け孔291を水密に閉塞するべく、これとほぼ同径の円形をなすエンドキャップ296が装着される。該エンドキャップ296は、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等の弾性部材からなるもので、その円周方向と直交する断面形状が略一定となるように設けられる。具体的には、エンドキャップ296は、カラー部292及びガイドリング293にこれらを挟み込むように嵌合する外周縁部297と、バルブソケット284の外周に嵌合する円筒状の内周縁部298と、これら内外周縁部297に渡る薄肉のダイヤフラム部299とを有してなる。
外周縁部297は、前記断面形状において、前方に向けて開放すると共にその内周側に対して外周側が前方に向けて長く設けられることで略J字形状をなすものである。なお、外周縁部297の内側には、カラー部292又はガイドリング293に密接するリップが適宜設けられる。また、ハウジング本体258の後壁部277には、外周縁部297及びカラー部292と共にラビリンス構造を形成するべく、カラー部292の外周側にこれと一定の隙を有する短カラー部292aが設けられる。
ここで、ガイドリング293の内周側であって灯室264内に臨む部位には、例えばその全周に渡ってシート状の調湿部材294が設けられる。具体的には、調湿部材294は、例えばポリアクリル酸ナトリウム塩を主としてなるシート状のもので、該調湿部材294が、ガイドリング293の内周側に貼付されている。
またここで、前記調湿部材294と同様の調湿部材295が、ランプハウジング262の下壁部277aの上面側(灯室264内側)にも貼付されている(図11参照)。このとき、該調湿部材295はリフレクタ268の後方に配置されており、前記調湿部材294と同様、ランプハウジング262の外部からは見えないようになっている。
以上説明したように、上記第三実施例におけるヘッドランプ252(ヘッドランプ装置250)は、バルブ266及びリフレクタ268を収容するランプハウジング262と、該ランプハウジング262の前面に設けられるレンズ255とを有するものであって、ランプハウジング262の内部に調湿部材294,295を設けたものである。
この構成によれば、ランプハウジング262内部の任意の位置に調湿部材294,295を設けることのみで、ハウジング構造を複雑化させることなく簡易なままとし、該ランプハウジング262の小型軽量化を図った上で、ランプハウジング262内部の水分の蒸発に起因するレンズ255内面の曇りを良好に防止できる。
また、調湿部材294を、ランプハウジング262のバルブ取り付け孔291に設けたことで、調湿部材294の交換を容易にできると共に、ランプハウジング262外部から調湿部材294を見え難くできる。すなわち、メンテナンスを容易にして曇り止め効果を良好に維持できると共に、ヘッドランプ252の外観を良好に維持できる。
さらに、調湿部材294,295をシート状とし、該調湿部材294,295をランプハウジング262の内部に貼り付けたことで、調湿部材294,295のランプハウジング262内での配置自由度を高めることができると共に、ランプハウジング262のサイズや重量を抑えることができる。すなわち、レンズ255内面の曇りをより効果的に防止できると共に、ランプハウジング262の小型軽量化を図ることができる。
なお、上記第三実施例の応用例として、例えば図15,16に示すように、四輪の自動車301におけるヘッドランプ装置350にも適用可能である。
すなわち、自動車301の車体前部におけるエンジンルーム302の前方(車体前端部)両側に、前記ヘッドランプ252と同様の構成を有するヘッドランプ351を備えた右及び左のヘッドランプユニット350がそれぞれ設けられ、ヘッドランプ351におけるランプハウジング262の内部に、前記調湿部材294,295が設けられる構成であってもよい。なお、図16において、図11に示す上記第三実施例の構成に相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
このとき、調湿部材294がランプハウジング262におけるバルブ取り付け孔291にガイドリング293を介して設けられると共に、調湿部材295がランプハウジング262の下壁部277aに設けられる構成であってもよい。これにより、エンジンルーム302のレイアウト等の影響により車体左右でヘッドランプ351に温度差が生じ易いような場合でも、ヘッドランプ351のレンズ内面の曇り止め性能の均一化を図ることができる。換言すれば、適用車両に応じたレンズ内面の曇り止め性能を容易に得ることができる。
なお、この発明は上記各実施例に限られるものではなく、例えば第一実施例において、第二実施例と同様に各レンズ56,57近傍に通気孔(及び通気バルブ)を設けると共に、各レンズ56,57間の部位にランプ前壁部55及びランプ間横断部44で囲まれる空間部を形成し、該空間部内に臨むように前記通気孔(及び通気バルブ)設けることで、第二実施例と同様の作用効果を得ることができる。しかも、各ランプ52,53がランプハウジング51を共有していることで、一つの通気孔(及び通気バルブ)により各レンズ56,57内面の曇りを防止することが可能となり、構造の簡素化を図ることができる。
同様に、第二実施例において、各ヘッドランプ151,152がランプハウジングを共有する構成であれば、一つの通気孔で各レンズ154,155内面の曇りを防止することが可能となり、構造の簡素化を図ることができる。
また、第二実施例のヘッドランプ装置150に第三実施例の調湿部材294,295を設けたり、第三実施例のヘッドランプ装置250,350に第二実施例の通気孔181,182及び通気バルブ183,184を設けることももちろん可能である。
そして、上記実施例における構成は一例であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
150,250,350 ヘッドランプ装置(車両用灯火装置)
151,152,252,351 ヘッドランプ
154,155,255 レンズ
178,179 外周壁部
181,182 通気孔
183,184 通気バルブ
185 ノズル内流路
186 ノズル
187 スペーサ
188 キャップ
189 透湿防水シート
262 ランプハウジング
266 バルブ
268 リフレクタ(反射板)
291 バルブ取り付け孔
294,295 調湿部材

Claims (6)

  1. ランプ(151,152)を左右に一対設けると共に、該各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)近傍に該レンズ内面の曇りを防止するべく通気孔(181,182)を設けた自動二輪車(101)の灯火装置において、
    前記自動二輪車(101)の車体前部にはフロントカウル(138)が装着され、このフロントカウル(138)の前部内側に前記各ランプ(151,152)が配設され、
    前記フロントカウル(138)のカウル前壁部(139)には、前記各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)をそれぞれ露出させる左右開口(142,143)が設けられ、
    前記カウル前壁部(139)における前記左右開口(142,143)の間には、上下に延びるランプ間横断部(145)が設けられ、
    前記通気孔(181,182)は、前記各ランプ(151,152)のレンズ間に臨むように、前記各ランプ(151,152)のレンズ(154,155)からハウジング本体(157,158)側に延びる外周壁部(178,179)の内側部にそれぞれ設けられ、該各通気孔(181,182)には、車幅方向内側に向けて突出する通気バルブ(183,184)がそれぞれ設けられ、
    前記各通気孔(181,182)及び通気バルブ(183,184)は、前記ランプ間横断部(145)の後方に配置されることを特徴とする自動二輪車用灯火装置。
  2. 前記各ランプ(151,152)のハウジング本体(157,158)は、連結壁部(173)を介して互いに連結され、
    前後方向で前記連結壁部(173)と前記ランプ間横断部(145)との間に、前記各通気孔(181,182)及び各通気バルブ(183,184)が配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用灯火装置。
  3. 前記各通気バルブは、対応する通気孔に連なる流路(185)を形成するべく車幅方向内側に延びるノズル(186)を備え、該ノズルの先端部にスペーサ(187)及びキャップ(188)を装着してラビリンス構造を形成すると共に、前記ノズルの先端開口に既存の透湿防水シート(189)を装着したことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車用灯火装置。
  4. バルブ(266)及び反射板(268)を収容するランプハウジング(262)と、該ランプハウジングの前面に設けられる前記レンズとを有し、前記ランプハウジングの内部に調湿部材(294,295)を設けたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の自動二輪車用灯火装置。
  5. 前記調湿部材を、前記ランプハウジングのバルブ取り付け孔(291)に設けたことを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車用灯火装置。
  6. 前記調湿部材をシート状とし、該調湿部材を前記ランプハウジングの内部に貼り付けたことを特徴とする請求項4又は5に記載の自動二輪車用灯火装置。
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