JP4688153B2 - 隠蔽性スクラッチ印刷物およびその製造方法 - Google Patents

隠蔽性スクラッチ印刷物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、隠蔽性スクラッチ印刷物、及びその製造方法に関する。
隠蔽性スクラッチ印刷物は、印刷基材の所定領域に機密情報データが印刷され、その機密情報上に剥離層を介して隠蔽性スクラッチ層が設けられたものであり、例えばインスタント抽選券やスピート籤、また、ID情報やパスワードの配付に用いられる媒体におけるID情報やパスワード等の表示部を隠蔽する手段、また、クイズや問題の解答に用いられる媒体における解答を隠蔽する手段等として利用されており、ユーザーが隠蔽性スクラッチ層をコインや爪などにより擦って剥離することによって剥離層の下に形成されている機密情報を確認する印刷物として利用されている。
隠蔽性スクラッチカードにおいては、隠蔽性スクラッチ層が流通段階における印刷物同士の擦れや、印刷物の取扱における衝撃、摩擦などによって容易に剥離してはならない所謂「密着性」が要請される反面、ユーザーがコインや爪などにより容易にスクラッチできると共に「削りカス」が微粉状となると爪の間に入ったり周囲を汚すという問題があることから削りカスが微粉状に飛散せず、一定の塊となることが要請される。
従来、削りカスが微粉状に飛散せず、一定の塊となることを目的として、ゴム系樹脂からなるインキにより隠蔽性スクラッチ印刷物が形成され、コインや爪等で容易に剥離できるものが知られているが(特許文献1、2)、粘着テープと接触すると容易に剥離したり、また、スクラッチ印刷物相互の接触での擦れに弱く、使用前に機密情報データが表出するといった問題がある。また、有機溶剤を使用する場合には、一般的には消防法や労働安全衛生法(以下、労安法)等の基準を満たす必要があり、排気設備や防爆装置等の設備の設置が義務付けられており、製造上の負担が大きい。また、近年、環境問題に関する意識の向上もあり、揮発性有機物質規制(以下、VOC規制)や特定化学物質の環境への排出量把握等及び管理の改善の促進に関する法律(以下、PRTR法)等の法規制の整備が行われ、スクラッチ印刷物製造時の使用溶剤に対する考慮が要請される状況にある。
また、隠蔽性スクラッチ印刷物において水性エマルジョンインキを使用することが提案され、各種の法規制に準拠した高価な設備と管理体制を要せず、また、環境保全に係わる負荷が少ないものとでき、且つ臭いが少なく衛生的なインキが知られているが(特許文献3)、水性インキのために常温ではインキの乾燥性が遅く、製造上に課題を有するものである。
特開2002−210870 特開2003−200682 特開2002−187388
本発明は、隠蔽性スクラッチ層の密着性と、隠蔽性スクラッチ層のスクラッチに際しての剥離性に優れると共に削りカスが粉末状とならずに塊状となる物性(以下、「スクラッチ性」という)を両立させる隠蔽性スクラッチ印刷物、および、隠蔽性スクラッチ印刷物を容易に製造しうる製造方法の提供を課題とする。
本発明の隠蔽性スクラッチ印刷物は、印刷基材上に、少なくとも情報層と、該情報層の上方に形成された剥離層と、該剥離層面に形成された第1隠蔽性スクラッチ層と、該第1隠蔽性スクラッチ層面に形成された粘着層と、該粘着層面に形成された第2隠蔽性スクラッチ層からなる隠蔽性スクラッチ印刷物において、前記粘着層が、少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキにより形成されたものであることを特徴とする。
本発明の隠蔽性スクラッチ印刷物の粘着層における単官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸の炭素数8〜23の直鎖または分岐鎖アルキルエステルであることを特徴とする。
本発明の隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法は、少なくとも情報層を形成した印刷基材における情報層の上方に、
(1) 活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して剥離層を形成する工程、
(2) 該剥離層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して第1隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
(3) 該第1隠蔽性スクラッチ層面に、少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して粘着層を形成する工程、
(4) 該粘着層面に活性エネギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して第2隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
を順次実施することを特徴とする。
本発明の隠蔽性スクラッチ印刷物は、その層構成中に設けられる粘着層を少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するインキにより形成するものであり、印刷基材に対して隠蔽性スクラッチ層を密着させると共に、削り動作に際しては、隠蔽性スクラッチ層をスムーズにスクラッチでき、また、削りカスを一定の塊径の削りカスとでき、微粉状に飛散せず、衛生的にも優れるものとできる。また、他の層構成を活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するインキにより形成すれば、各種の法規制に準拠した高価な設備と管理体制を要せず、また、環境保全に係わる負荷が少なく、また、乾燥設備等を要しないで製造できる隠蔽性スクラッチ印刷物とできる。
また、本発明の隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法は、剥離層、粘着層、隠蔽性スクラッチ層を共に有機溶剤を含有しない活性エネルギー線硬化型樹脂インキを使用して層形成するものであるので、同じ製造工程で形成することができ、隠蔽性スクラッチ印刷物を容易に製造しうるものである。
本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物の基本構成について図1により説明する。図中、1は印刷基材、2は情報層、3は剥離層、4は粘着層、5は隠蔽性スクラッチ層である。
印刷基材1としては、上質紙、コート紙などの紙類、合成紙、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフイルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ボリアクリルフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。
情報層2は、機密情報データ層であり、活性エネルギー線硬化型樹脂インキを使用して印刷により設けてもよく、また、インクジェットインキを使用してインクジェットプリンターにより可変機密情報データを印字することにより形成されてもよい。
剥離層3は、溶剤型の剥離層形成用インキや活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキを使用して形成するとよい。
溶剤型の剥離層形成用インキとしては、例えばポリウレタンアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやポリエチレンワックス等のワックスを5質量%以下添加したインキが例示され、スクリーン印刷法、グラビア印刷法あるいはアロニックスローラを介して印刷するフレキソ印刷法で全面あるいは部分塗布して剥離層を形成するとよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキとしては、例えば(A)エポキシアクリレートと(B)単官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能(メタ)アクリレートと(C)スチレンアクリル系樹脂と(D)シリコーンアクリレートおよび/またはシリコーンオイルと光重合開始剤とからなる無溶剤の剥離層形成用インキが例示される。以下、(メタ)アクリレートとはアクリレートおよびメタクリレートの双方を意味する。
(A)成分としては、エポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化したアクリロイル基を有するビスフェノール型、ノボラック型、脂環系等のエポキシアクリレートであり、重量平均分子量が400〜1,000ものが例示され、好ましくは、重量平均分子量400〜1,000のビスフェノールA型エポキシアクリレートである。
(B)成分における単官能(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、またはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、またはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、好ましくはエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートである。
(C)成分としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド誘導体の少なくとも1種とスチレンとの共重合体であり、好ましくは、メチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートから選ばれる少なくとも1種とスチレンとの共重合体で、好ましくは重量平均分子量10,000〜30,000のものである。
(D)成分であるシリコーンオイルは剥離性を目的として含有され、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイルおよびフッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが例示される。
また、シリコーンアクリレートとしては、例えばγ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルエトキシシラン、γーメタクロキシプロピルトリヒドロキシシラン等、構造中にアルコキシシラン構造およびアクリル構造を有するものが例示される。また、アクリロイル基を有するシリコーンで紫外線で硬化するシリコーンアクリレート、例えば1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコンアクリレートも例示される。
光重合開始剤は、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−l,2−ジフェニルエタノン、ベンジルジメチルケタル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−ジメトキシ−1−フェニルプロパンー1−オンなどが挙げられ、好ましくは4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフエノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体である。
剥離層形成用インキとするには、(A)成分の含有量が1〜20質量%、好ましくは5〜10質量%、(B)成分の含有量が50〜90質量%、好ましくは60〜80質量%、(C)成分の含有量が1〜20質量%、好ましくは5〜10質量%、(D)成分を0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、光重合開始剤の含有量が2〜10質量%、好ましくは4〜8質量%の含有割合となるよう混合するとよい。なお、上記の組成においては、活性エネルギー線として紫外線とする場合を例示したが、電子線を使用する場合には光重合開始剤は不要である。また、剥離層形成用インキ層に対する紫外線の照射条件としては、照射積算光量1〜1000mJ/cm2 、好ましくは10〜500mJ/cm2 とするとよい。
剥離層形成用インキにおける(D)成分の含有量が10質量%を超える場合には、得られる剥離層上に形成される隠蔽性スクラッチ層の密着性が低下して、スクラッチ印刷物の長期保管や取り扱いにおいて隠蔽性スクラッチ層が剥離したり、キズが付き易くなり剥離層の下側に印刷されている機密情報データの保持ができない。一方、(D)成分の含有量が0.1質量%未満の場合には、剥離層上に形成される隠蔽性スクラッチ層の密着性が強過ぎてスクラッチ層をコインや爪などで擦って剥離層の下側に印刷されている機密情報データを開示する時にスムースなスクラッチ剥離性が得られない。また、(D)成分として1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコンアクリレートを使用する場合には0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%とするとよく、その数値範囲の限定理由は上記と同様である。剥離層は活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するインキを使用して形成されるとよく、後述する隠蔽性スクラッチ層の形成工程と同一の製造設備を使用して形成できるので、製造上好ましい。
剥離層3の膜厚としては、0.1〜200μm、好ましくは0.5〜100μmである。
次に、粘着層4について説明する。粘着層は、ウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂を使用して形成する。

ウレタン(メタ)アクリレートは、ジオール成分とポリイソシアネート成分とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物の3種を反応させることにより得られる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール等が例示される。ジオール成分としては、ポリオレフィン系ポリオール及びその水素添加物が好ましく、特に1,2−ポリブタジエンジオール、1,4−ポリブタジエンジオール、またはこれらの水素添加物が好ましい。
ポリイソシアネート成分としては、例えば芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等のジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、4−ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
反応に際しては、ジオールとポリイソシアネートをk:k+1(モル比)(kは1以上の整数)の反応モル比で反応させた後、更に、反応物における未反応イソシアート基に対して水酸基含有(メタ)アクリレートを1:2の反応モル比として反応させるとよい。反応においては、ジブチルチンジラウレート等の触媒を用いることが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートは、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリルカルビトール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、またはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数8〜23の直鎖または分岐鎖アルキルエステルであり、隠蔽性スクラッチ層との密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を有するものとできる。特に、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、より好ましくはこれらの混合物が例示される。
活性エネルギー線硬化型樹脂における単官能(メタ)アクリレートの含有量は、20〜80質量%、好ましくは30〜60質量%である。単官能(メタ)アクリレートの含有量が20質量%より少ないと皮膜が柔らかくなりすぎるという問題があり、また、80質量%より多いと皮膜が脆くなりやすいという問題がある。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系光重合開始剤とフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を混合して使用するとよい。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等の単独、または2種以上添加される。
フォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−n−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド等の単独、または2種以上添加される。
活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対し、ベンゾフェノン系光重合開始剤とフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との合計配合量は、0.1〜10質量部とするとよい。合計配合量が0.1重量部未満であると、重合を十分に完結させることが難しくなり、得られる隠蔽性スクラッチ層にモノマーが残存し、モノマーの臭いが残る。一方、10質量部より多いと、開始剤の分散臭が発生したり、生成ポリマーの低分子量化が起こるので好ましくない。また、ベンゾフェノン系光重合開始剤:フォスフィンオキサイド系光重合開始剤(質量比)=1:10〜10:1である。
更に、光重合開始剤の助剤としてトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することもできる。
粘着層形成用インキ層に対する紫外線の照射条件としては、照射積算光量1〜1000mJ/cm2 、好ましくは10〜500mJ/cm2 である。なお、上記の組成においては、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合を例示したが、電子線を使用する場合には光重合開始剤は不要である。
粘着層は、膜厚としては1〜500μm、好ましくは1〜300μmとするとよい。
次に、隠蔽性スクラッチ層5について説明する。隠蔽性スクラッチ層としては、溶剤型インキや活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するインキを使用して形成されるとよい。
溶剤型インキとしては、例えばポリウレタンアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤として隠蔽顔料を添加したインキが例示され、スクリーン印刷法、グラビア印刷法あるいはアロニックスローラを介して印刷するフレキソ印刷法で全面あるいは部分塗布して隠蔽性スクラッチ層を形成するとよい。
また、活性エネルギー線硬化型樹脂を含有するインキとしては、その活性エネルギー線硬化型樹脂の種類には特に限定されないが、粘着層と同様、ウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートとを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂と隠蔽顔料を含有した隠蔽性スクラッチ層形成用インキを使用して形成してもよい。
隠蔽顔料は情報層(機密情報データ層)を隠蔽できる顔料であれば特に限定するものではないが、好ましくはカーボンブラック、アルミニウム粉、蒸着アルミニウム粉、アルミペーストから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。アルミペーストは脂肪酸等で表面処理したアルミニウム微粉末を沸点の高いミネラルスピリットやアルコール等の炭化水素溶剤を使用してペースト状としたものである。
隠蔽性スクラッチ層形成用インキにおける活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量は10〜90質量%、好ましくは40〜60質量%とするとよく、また、隠蔽顔料の含有量は3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%とするとよい。隠蔽顔料の活性エネルギー線硬化型樹脂に対する配合割合が多すぎると、隠蔽性スクラッチ層の剥離層への密着性が低下する危険性がある。一方、上記顔料の配合割合が少なすぎると隠蔽性が低下し、また、隠蔽性スクラッチ層をコインなどで削る際に、剥離性が低下して削りにくくなる。隠蔽性スクラッチ層形成用インキ層に対する紫外線の照射条件としては、照射積算光量1〜1000mJ/cm2 、好ましくは10〜500mJ/cm2 である。なお、上記の組成においては、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合を例示したが、電子線を使用する場合には光重合開始剤は不要である。
隠蔽性スクラッチ層は、一層でもよいが、隠蔽性を確保するために同一材料からなる二層以上の複数層、また、黒隠蔽層とアルミペーストを含有する所謂「銀隠蔽層」の積層構造等の二層以上の複数層としてもよい。隠蔽性スクラッチ層は、隠蔽性とスクラッチ性との観点から膜厚としては1〜500μm、好ましくは1〜300μmとするとよい。
また、本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物には、隠蔽性スクラッチ層の密着性とスクラッチ性に影響を与えない限りにおいて、図4に示すように機能層11〜19を適宜に設けることができる。図中、11は彩紋印刷層、12はアンカー層、13は保護層、14は白隠蔽層、15は絵柄印刷層、16はオーバーコート層(OP層)、17はワンポイント蛍光印刷層、18はカード裏面における文字印刷層、19は蛍光印刷層であり、図1と同一符号は同一内容を示す。
図4において、彩紋印刷層11は偽造防止用の彩文状パターンなどの細かい細線パターンであり、また、アンカー層12は、印刷基材上に印刷されている彩紋印刷層11(偽造防止印刷層)の紫外線劣化防止と、該アンカー層12上に印刷される情報層(可変機密情報データ層)との密着性を向上させることを目的とする。また、保護層13は、情報層(可変機密情報データ層)を保護する機能と、保護層上に設けられる剥離層との良好な密着性を得ることを目的とする。また、白隠蔽層14は、隠蔽性スクラッチ層の上に密着性とレベリング性が良い白色隠蔽層を形成し、白隠蔽層上に印刷される絵柄印刷層15用インキの印刷適性と、印刷物の外観を向上させることを目的として設けられる。また、絵柄印刷層15、絵柄印刷層の保護を目的とするオーバーコート層(OP層)16、また、偽造防止を目的として蛍光印刷層17を設けてもよい。また、基材1裏面には、文字印刷層18、また、偽造防止を目的として蛍光印刷層19を設けてもよい。
本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物においては、粘着層4と共に、剥離層3、隠蔽性スクラッチ層5、白隠蔽層14、絵柄印刷層15、OP層16、蛍光印刷層17、文字印刷層18、蛍光印刷層19の各層を活性エネルギー線硬化型樹脂を使用して形成すると、同一製造装置が使用でき、製造性に優れると共に、各種の法規制に準拠した高価な設備と管理体制を要せず、また、環境保全に係わる負荷が少ないものとでき、且つ臭いが少なく衛生的なスクラッチ印刷物とできる。
本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物における各層の印刷手段としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷が例示されるが、剥離層、粘着層、隠蔽性スクラッチ層の印刷に際しては、スクリーン印刷、フレキソ印刷が好ましい。スクリーン印刷は、厚盛りの印刷が容易にできる利点があり、また、フレキソ印刷は、アニロックスロールを介してインキを感光性樹脂版における凸部に付着させ、印刷基材に転写する「フレキソ印刷機」を使用するものであり、インキ粘度にあまり影響されない利点がある。
本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物は、少なくとも情報層を形成した印刷基材における情報層の上方に、少なくとも
(1) 活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して剥離層を形成する工程、
(2) 剥離層面に少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して粘着層を形成する工程
(3) 粘着層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して隠蔽性スクラッチ層を形成する工程
をの各工程を順次実施することにより製造される。
本発明の第1の隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法においては、剥離層、粘着層、隠蔽性スクラッチ層の3層を共に活性エネルギー線硬化型のインキにより形成することにより、溶剤型インキを使用する製造方法に比して、乾燥設備や防爆設備を不要とでき、また、同じ製造工程で形成することができるために製造性に優れるという利点がある。
次に、本発明の第2の隠蔽性スクラッチ印刷物の基本構成について図2により説明する。図中、図1と同一符号は同一内容を示す。
本発明の第2の隠蔽性スクラッチ印刷物は、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物における剥離層3、粘着層4、隠蔽性スクラッチ層5の積層順序を剥離層3/隠蔽性スクラッチ層5/粘着層4の順としたものである。
剥離層3、隠蔽性スクラッチ層5、粘着層4としては、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物と同様に形成されるが、隠蔽性スクラッチ層5上に粘着層4を設けることにより上方に設けられる層との密着性に優れるものとできる。また、隠蔽性スクラッチ層5は、好ましくは少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキにより形成するとよく、剥離層3に対する密着性とスクラッチに際しての剥離性に優れるものとできる。
また、第2の隠蔽性スクラッチ印刷物においては、図4に示す態様において、必要に応じて、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物と同様に彩文印刷層11が設けられ、また、粘着層4上には、白隠蔽層14以降の各層が同様に積層されるとよい。
本発明の第2の隠蔽性スクラッチ印刷物は、少なくとも情報層を形成した印刷基材における情報層の上方に、少なくとも
(1) 活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して剥離層を形成する工程、
(2) 剥離層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
(3) 隠蔽性スクラッチ層面に少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して粘着層を形成する工程
の各工程を順次実施することにより製造される。
本発明の第2の隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法においては、剥離層、隠蔽性スクラッチ層、粘着層の3層を共に活性エネルギー線硬化型のインキにより形成することにより、溶剤型インキを使用する製造方法に比して、乾燥設備や防爆設備を不要とでき、また、同じ製造工程で形成することができるために製造性に優れるという利点がある。
次に、本発明の第3の隠蔽性スクラッチ印刷物の基本構成について図3により説明する。図中、5′は第1の隠蔽性スクラッチ層、5″は第2の隠蔽性スクラッチ層を示し、図1と同一符号は同一内容を示す。
本発明の第3の隠蔽性スクラッチ印刷物は、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物における剥離層3、粘着層4、隠蔽性スクラッチ層5の積層順序を剥離層3/第1の隠蔽性スクラッチ層5′/粘着層4/第2の隠蔽性スクラッチ層5″の順としたものである。
剥離層3、第1、第2の隠蔽性スクラッチ層5′、5″、粘着層4としては、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物と同様に形成されるが、隠蔽性スクラッチ層を第1、第2の隠蔽性スクラッチ層5′、5″と複数層とすることにより隠蔽性を確保することができ、また、黒隠蔽層とアルミペーストを含有する所謂「銀隠蔽層」と、その隠蔽機能を相違させることができる。また、第1の隠蔽性スクラッチ層5′は、好ましくは少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキにより形成するとよく、剥離層3に対する密着性とスクラッチに際しての剥離性に優れるものとできる。
また、第3の隠蔽性スクラッチ印刷物においては、図4に示す態様において、必要に応じて、第1の隠蔽性スクラッチ印刷物と同様に彩文印刷層11が設けられ、また、第2の隠蔽性スクラッチ層5″上には、白隠蔽層14以降の各層が同様に積層されるとよい。
本発明の第3の隠蔽性スクラッチ印刷物は、少なくとも情報層を形成した印刷基材における情報層の上方に、少なくとも
(1) 活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して剥離層を形成する工程、
(2) 剥離層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷して第1隠蔽性スクラッチ層を形成する工程
(3) 第1隠蔽性スクラッチ層面に、少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して粘着層を形成する工程、
(4) 粘着層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して第2隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
の各工程を順次実施することにより製造される。
本発明の第3の隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法においては、剥離層、第1の隠蔽性スクラッチ層、粘着層、第2の隠蔽性スクラッチ層の4層を共に活性エネルギー線硬化型のインキにより形成することにより、溶剤型インキを使用する製造方法に比して、乾燥設備や防爆設備を不要とでき、また、同じ製造工程で形成することができるために製造性に優れるという利点がある。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。実施例で使用する粘着層形成用インキ、剥離層形成用インキ、隠蔽性スクラッチ層形成用インキの組成は次の通りである。なお、「部」および「%」とあるのは質量基準である。
(1) 粘着層形成用インキ
・ ポリブタジエン骨格のウレタンアクリレート 1) ・・ 50部
・ ラウリルアクリレート ・・ 45部
・ イソステアリルアクリレート ・・ 5部
・ 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
・・ 4部
・ o−ベンゾイル安息香酸メチル ・・ 1部
1) トリレンジイソシアネート38g(0.22モル)、平均分子量約2400の1,2−水添ポリブタジエンジオール462g(0.19モル)とヒドロキシプロピルアクリレート7.8g(0.06モル)との反応により得られるウレタンアクリレート。
(2) 剥離層形成用インキ
下記の或分を均一に混合分散して剥離層3形成用インキを調製した。
・ ビスフェノールA型エポキシアクリレート(重量平均分子量500)
・・ 10.0部
・ エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート ・・ 72.0部
・ スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合樹脂(重量平均分子量15,000) ・・ 10.0部
・ 1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコーンアクリレート
・・ 1.0部
・ 光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) ・・ 6.0部
・ ポリエチレンワックス ・・ 1.0部。
(3) 隠蔽性スクラッチ層形成用インキ
・ ポリブタジエン骨格のウレタンアクリレート 1) ・・ 50部
・ ラウリルアクリレート ・・ 45部
・ イソステアリルアクリレート ・・ 5部
・ 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
・・ 4部
・ o−ベンゾイル安息香酸メチル ・・ 1部
・ アルミペースト(アルミ純分60%、アルミ粉平均粒径15μm、40%はMFG系溶剤) ・・ 45部。
1) 粘着層で記載。
(実施例1)
上質紙表面に、彩紋印刷層、アンカー層、情報層、保護層を順次形成した後、保護層上に上記の剥離層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの剥離層を形成した。
次いで、剥離層表面に、上記の粘着層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの粘着層を形成した。
次いで、粘着層表面に上記の隠蔽性スクラッチ層用インキをフレキソ印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚5μmの隠蔽性スクラッチ層(隠蔽性顔料の含有量は18質量%)を形成した後、白隠蔽層、絵柄印刷層、OP層、蛍光印刷層を順次形成した。印刷基材裏面には、文字印刷層、蛍光印刷層を形成し、本発明のスクラッチカードを得た。
(実施例2)
上質紙表面に、彩紋印刷層、アンカー層、情報層、保護層を順次形成した後、保護層上に上記の剥離層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの剥離層を形成した。
次いで、剥離層表面に、上記の隠蔽性スクラッチ層用インキをフレキソ印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚5μmの隠蔽性スクラッチ層(隠蔽性顔料の含有量は18質量%)を形成した。
次いで、隠蔽性スクラッチ層表面に上記の粘着層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの粘着層を形成した後、白隠蔽層、絵柄印刷層、OP層、蛍光印刷層を順次形成した。印刷基材裏面には、文字印刷層、蛍光印刷層を形成し、本発明のスクラッチカードを得た。
(実施例3)
上質紙表面に、彩紋印刷層、アンカー層、情報層、保護層を順次形成した後、保護層上に上記の剥離層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの剥離層を形成した。
次いで、剥離層表面に、上記の隠蔽性スクラッチ層用インキをフレキソ印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚5μmの隠蔽性スクラッチ層(隠蔽性顔料の含有量は18質量%)を形成した。
さらに、隠蔽性スクラッチ層表面に上記の粘着層形成用インキをフレキソ印刷により印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚3μmの粘着層を形成した。
次いで、粘着層表面に、上記の隠蔽性スクラッチ層用インキをフレキソ印刷し、照射積算光量30mJ/cm2 で紫外線を照射して、膜厚5μmの隠蔽性スクラッチ層(隠蔽性顔料の含有量は18質量%)を形成した後、白隠蔽層、絵柄印刷層、OP層、蛍光印刷層を順次形成した。印刷基材裏面には、文字印刷層、蛍光印刷層を形成し、本発明のスクラッチカードを得た。
(比較例1)
実施例1における隠蔽性スクラッチ層形成用インキに代えて、下記の隠蔽性スクラッチ層形成用インキを使用し、隠蔽性スクラッチ層(隠蔽性顔料の含有量が18質量%)とした以外は、実施例1と同一の方法でスクラッチカードを得た。
(隠蔽性スクラッチ層形成用インキ)
・ エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート ・・ 34部
・ トリメチロールプロパントリアクリレート ・・ 13部
・ 多官能ポリエステルアクリレート(オリゴマー) ・・ 8部
・ ビスフェノールA型エポキシアクリレート(重量平均分子量500)
・・ 16部
・ ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン ・・ 2部
・ 2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン ・・ 5部
・ アルミペースト(アルミ純分60%、アルミ粉平均粒径15μm、40%はMFG系溶剤) ・・ 34部
・ ポリエチレンワックス ・・ 2部。
実施例1〜3、比較例1で得たスクラツチ印刷物のスクラッチ性、剥離層との密着性を下記の方法で評価した。
(スクラッチ性)
スクラッチ印刷物のコインで擦り、スクラッチ性を下記の評価方法で評価した。
○: スムースにスクラッチでき、削りカスの塊の大きさを光学顕微鏡で観察し、殆どの塊が2〜4mmの大きさである。
×: 削りカスの殆どが粒径20〜200μm程度であり、微粉末状である。
(剥離層との密着性)
スクラッチ印刷物表面に市販の粘着テープを指で擦って密着させ、密着後45度の角度で急激に剥離し、隠蔽性スクラッチ層の剥離層に対する密着性を下記の評価方法で評価した。
○: 剥離層との密着性が良好である。
×: 剥離層との密着性がやや落ちる。
(隠蔽性)
○: 隠蔽性に優れ、表面から情報が読取ることができない。
×: 隠蔽性に劣り、表面から情報が読取り可能である。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0004688153
表から明らかなように、本発明のスクラッチ印刷物は、スクラッチ性、密着性共に優れ、また、スクラッチに際しては、隠蔽性スクラッチ層の粘着性により殆どの削りカスが2〜4mmの大きさの塊状とできることがわかる。しかしながら、比較例1は、活性エネルギー線硬化型樹脂としてウレタン(メタ)アクリレートを含有しないと、スクラッチに際して削りカスが微粉状となることがわかる。
本発明のスクラッチ印刷物は、流通段階における印刷物同士の擦れや印刷物の取扱における衝撃、摩擦などによって容易に剥離せず、また、ユーザーがコインや爪などにより容易にスクラッチできると共に、隠蔽性スクラッチ層の粘着性により殆どの削りカスが2〜4mmの大きさの塊状とできるので、「削りカス」が微粉状となって爪の間に入ったり周囲を汚すという問題のないものとでき、スピード籤、抽選券等への利用に適したものである。
図1は、本発明の第1のスクラッチ印刷物における基本構成を示す断面図である。 図2は、本発明の第2のスクラッチ印刷物における基本構成を示す断面図である。 図1は、本発明の第3のスクラッチ印刷物における基本構成を示す断面図である。 図2は、図1の基本構成に加えて、スクラッチ印刷物として適宜に付加される機能層を説明するための図である。
符号の説明
1は印刷基材、2は情報層、3は剥離層、4は粘着層、5、5′、5″は隠蔽性スクラッチ層、11は彩紋印刷層、12はアンカー層、13は保護層、14は白隠蔽層、15は絵柄印刷層、16はオーバーコート層(OP層)、17は蛍光印刷層、18は文字印刷層、19は蛍光印刷層である。

Claims (3)

  1. 印刷基材上に、少なくとも情報層と、該情報層の上方に形成された剥離層と、該剥離層面に形成された第1隠蔽性スクラッチ層と、該第1隠蔽性スクラッチ層面に形成された粘着層と、該粘着層面に形成された第2隠蔽性スクラッチ層からなる隠蔽性スクラッチ印刷物において、前記粘着層が、少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキにより形成されたものであることを特徴とする隠蔽性スクラッチ印刷物。
  2. 粘着層における単官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸の炭素数8〜23の直鎖または分岐鎖アルキルエステルであることを特徴とする請求項1記載の隠蔽性スクラッチ印刷物。
  3. 少なくとも情報層を形成した印刷基材における情報層の上方に、
    (1) 活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する剥離層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して剥離層を形成する工程、
    (2) 該剥離層面に活性エネルギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して第1隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
    (3) 該第1隠蔽性スクラッチ層面に、少なくともウレタン(メタ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートからなる活性エネギー線硬化型樹脂を含有する粘着層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して粘着層を形成する工程、
    (4) 該粘着層面に活性エネギー線硬化型樹脂を含有する隠蔽性スクラッチ層形成用インキをフレキソ印刷機またはシルクスクリーン印刷を使用して印刷し、活性エネルギー線を照射して第2隠蔽性スクラッチ層を形成する工程、
    を順次実施することを特徴とする隠蔽性スクラッチ印刷物の製造方法。
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