JP4234632B2 - スクラッチ印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、スクラッチ印刷物に関し、詳しくは、印刷基材の所定領域に剥離層と隠蔽性スクラッチ層を有するスクラッチ印刷物であり、密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を長期にわたり維持し、耐磨耗性、光劣化防止性を備えたスクラッチ印刷物に関する。
従来、印刷基材の所定領域に剥離層と剥離層上に形成された隠蔽性スクラッチ層を有し、機密情報データと、偽造防止印刷が施されたスクラッチ印刷物が知られている。これらの印刷物は、隠蔽性スクラッチ層をコインや爪などによって擦って剥離することによって剥離層の下に形成されている機密情報データを確認する印刷物として利用されている。さらに、上記の印刷物の所定領域には、印刷物が簡単に偽造されないように、目視では簡単に見分けがつかない蛍光パターン印刷層が施されている。
上記印刷物の剥離層と剥離層上に形成された隠蔽性スクラッチ層は、流通段階における印刷物同士の擦れや、印刷物の取扱における衝撃、摩擦などによって容易に剥離してはならず、また、剥離層上の隠蔽性スクラッチ層はコインや爪などによって擦って剥離することによって剥離層の下に形成されている機密情報データを確認する場合に、スムースなスクラッチ性による剥離が要求される。また、長期の印刷物の保管において、剥離層上から隠蔽性スクラッチ層が劣化しない温度、湿度などの外気条件や手脂などに対する耐性を有するスクラッチ層が要望される。このように、剥離層と隠蔽性スクラッチ層とが密着性を確保しながらスムースなスクラッチ性を長期にわたって維持させる必要がある。
従来、上記の隠蔽性スクラッチ層としては、SBR、NBRなどの合成ゴム系樹脂にアルミニウム粉などの顔料を混練したインキを使用している。これらのインキを使用したスクラッチ層は、スクラッチして剥離層面から隠蔽性スクラッチ層を剥離する時にスクラッチ被膜が粘りがあり、柔らかくまた剥離した被膜がばさばさした状態で削りカスが散らばるなど剥離性が悪く、かつコインなどで削った場合にコインなどに付着して削りにくいなどの問題がある。また、スクラッチ層の被膜が柔らかいために長期の印刷物の保管においてスクラッチ層にキズが付き易く、十分な機密情報データの隠蔽ができない。また、スクラッチ層上の印刷適性もよくない。
上記の様な課題を解決するために、スクラッチ隠蔽層付情報媒体(特許文献1)においてスクラッチ隠蔽層用のインキが提案されている。しかしながら、特許文献1に開示のインキは、スチレンアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を主成分としているために、剥離層との剥離性は易剥離性を示すが、逆に、剥離層との密着性が弱くなるために、流通段階における印刷物同士の擦れや、印刷物の取扱における衝撃、摩擦などによって容易に剥離する危険性がある。
特開2003−191672公報
従って、本発明の目的は、印刷基材の所定領域に剥離層と隠蔽性スクラッチ層を有するスクラッチ印刷物として、密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を長期にわたり維持し、耐摩擦性、光劣化が防止されるスクラッチ印刷物を提供することである。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、少なくとも印刷基材の所定領域に剥離層と該剥離層上に隠蔽性スクラッチ層とを有するスクラッチ印刷物において、前記剥離層が、エポキシアクリレート(以下「樹脂A」という)と、単官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能(メタ)アクリレート(以下「樹脂B」という)と、スチレンアクリル系樹脂(以下「樹脂C」という)と、光重合開始剤とを主成分とし、1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコーンアクリレート(以下「樹脂D」という)0.1〜5質量%を含有するインキを塗布し紫外線硬化により形成され、前記隠蔽性スクラッチ層が、酢酸ビニルを0〜85質量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「樹脂E」という)0〜0質量%と隠蔽顔料5〜0質量%とを含有するインキから形成されていることを特徴とするスクラッチ印刷物を提供する。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記の印刷物が、密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を長期にわたり維持し、また、耐摩擦性と光劣化防止性が優れたスクラッチ印刷物であることを見いだした。
本発明によれば、印刷基材の所定領域に特定のインキからなる剥離層と隠蔽性スクラッチ層を有するスクラッチ印刷物が、密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を長期にわたり維持し、耐摩擦性および偽造防止印刷層の光劣化が防止される耐久性の優れたスクラッチ印刷物が提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づける剥離層は、「樹脂A」と、「樹脂B」と、「樹脂C」と光重合開始剤とを主成分とし、該主成分に「樹脂D」0.1〜5質量%を含有するインキから形成されている。上記の「樹脂D」の含有量が上記上限を超える場合には、得られる剥離層上に形成される隠蔽性スクラッチ層の密着性が低下して、スクラッチ印刷物の長期保管や取扱において隠蔽性スクラッチ層が剥離したり、キズが付き易くなり剥離層の下側に印刷されている機密情報データの保持ができない。一方、「樹脂D」の含有量が上記下限未満の場合には、剥離層上に形成される隠蔽性スクラッチ層の密着性が強過ぎてスクラッチ層をコインや爪などで擦って剥離層の下側に印刷されている機密情報データを開示する時にスムースなスクラッチ剥離性が得られない。
上記の「樹脂A」は、公知のプレポリマーの「樹脂A」、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエステル化したアクリロイル基を有するビスフェノール型、ノボラック型、脂環系など、好ましくは重量平均分子量が400〜1,000の「樹脂A」が挙げられる。上記の「樹脂A」としては、例えば、重量平均分子量400〜1,000のビスフェノールA型の「樹脂A」などが挙げられる。
また、前記「樹脂B」において、上記の単官能(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよびメタクリレートの双方を意味する)としては、例えば、メチル−、エチル−、ブチル−、シクロヘキシル−、メトキシエチル−、ステアリル−、カルビトール−、グリシジル−、アリル−、イソオクチル−、2−ヒドロキシエチル−、2−ビロキシプロピル−、2−エチルヘキシル−、またはジメチルアミノエチル−(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記「樹脂B」において、上記の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ−、1,4−ブタンジオールジ−、1,6−ヘキサンジオールジ−、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ−、1,9−ノナンジオールジ−、トリメチロールプロパントリ−、ネオペンチルグリコールジ−、ペンタエリスリトールテトラ−、またはトリプロピレングリコールジ−(メタ)アクリレートなど、好ましくはエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ−(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、上記の「樹脂C」は、スチレンと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド誘導体などの共重合体である。好ましくは、スチレンとメチル−、ジメチルアミノエチル−、2−エチルヘキシル−アクリレートなどとの共重合体で、重量平均分子量10,000〜30,000のものが好ましく使用される。
また、上記の光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタノン、ベンジルジメチルケタル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−ジメトキシ−1−フェニルプロパン−1−オンなど、好ましくは4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体が挙げられる。
また、前記「樹脂D」としては、1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコンアクリレートが挙げられる。
前記インキは、構成成分である上記の「樹脂A」と、「樹脂B」と、「樹脂C」と光重合開始剤の各々を適宜に配合して、「樹脂D」を0.1〜5質量%添加して調製するが、好ましくは重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%と、「樹脂B」60〜80質量%と、重量平均分子量10,000〜30,000の「樹脂C」5〜20質量%と、「樹脂」0.5〜2質量%および光重合開始剤4〜8質量%を主成分として調製する。
また、本発明を特徴づける前記隠蔽性スクラッチ層は、酢酸ビニルを0〜85質量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「樹脂E」という)0〜0質量%を主成分とし、該主成分に隠蔽顔料を5〜0質量%含有するインキから形成されている。上記の酢酸ビニル量が多過ぎると隠蔽性スクラッチ層をコインなどで削る際に、剥離性が低下して削りにくく、一方、酢酸ビニル量が少な過ぎると、前記剥離層への密着性が低下して長期保管や、取扱において隠蔽性スクラッチ層がキズやコスレなどによって剥離して機密情報データが開示される危険性がある。
また、上記の隠蔽顔料は、機密情報データ層を隠蔽できる顔料であれば特に限定するものではないが、好ましくはカーボンブラック、アルミニウム粉、アルミペーストから選ばれる少なくとも1種であるものが挙げられる。該顔料の上記の「樹脂E」を主成分とする組成物に対する配合割合が、上記上限を超える場合には得られる隠蔽性スクラッチ層の剥離層への密着性が低下する。一方、上記顔料の配合割合が上記下限未満の場合には隠蔽性が低下する。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらに偽造防止印刷層を有することができる。上記の偽造防止印刷層は、「樹脂C」水溶液(固形分30〜40質量%)/スチレンマレイン酸樹脂(以下「樹脂G」という)水溶液(固形分30〜40質量%)混合物(質量比2〜8/8〜2)30〜50質量%および蛍光顔料または蛍光ペースト20〜60質量%を主成分とするインキから形成される。好ましくは「樹脂C」水溶液(固形分30質量%)/「樹脂G」水溶液(固形分30質量%)混合物(質量比4〜6/6〜4)30〜40質量%、蛍光顔料または蛍光ペースト45〜55質量%を含有しているインキから形成されている。上記のインキは、上記の「樹脂G」水溶液を「樹脂C」水溶液に配合することにより、偽造防止用の彩文状パターンなどの細かい細線パターンの印刷適性の向上する。上記の「樹脂G」の配合量が、上記上限を超えてもそれ以上の細線の印刷適性の向上は得られない。一方、「樹脂G」の配合量が上記下限未満の場合には、彩文状などの細かい細線パターンの印刷適性が低下する。なお、上記の偽造防止印刷層は、好ましくは彩文状パターンなどの印刷を剥離層の下側に印刷する。なお、上記の蛍光顔料または蛍光ペーストは、光の照射のみで発光する公知の蛍光顔料または蛍光ペーストが挙げられる。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらにアンカー層および保護層を有することができる。上記のアンカー層および保護層は、ガラス転移温度が15〜35℃、酸価が20〜50mgKOH/g、および平均粒子径が30〜100nmである「樹脂C」エマルジョン(固形分30〜40質量%)を30〜50質量%および紫外線吸収剤1〜10質量%を主成分とするインキから形成されている。なお、インキは、上記の紫外線吸収剤を含有しなくても使用することができる。
上記のアンカー層は、印刷基材上に印刷されている前記偽造防止印刷層の紫外線劣化防止と、該アンカー層上に印刷される可変機密情報データ層の密着性向上を目的としている。上記の「樹脂C」エマルジョンの配合量が多過ぎても、それ以上の耐摩擦性向上効果は得られない。一方、上記の配合量が少な過ぎると、耐摩擦性やアンカー層上に印刷される可変機密情報データ層の密着性が低下する。紫外線吸収剤の配合量が少な過ぎる場合には耐光強度が低下し、偽造防止印刷層の紫外線劣化防止効果が得られない。一方、多過ぎてもそれ以上の効果は得られない。
また、上記の保護層は、可変機密情報データ層を保護するための保護層の形成と、該保護層上に設けられる前記剥離層との良好な密着性を得ることを目的としている。上記の「樹脂C」エマルジョンの配合量が多過ぎる場合には、コーティング適性が低下する。一方、上記の配合量が少な過ぎる場合には十分な塗膜の厚みが得られず可変機密情報データ層を十分に保護することができない。また、上記のガラス転移温度が高すぎる場合および低過ぎる場合には、剥離層との密着性が低下する。また、酸価が高すぎる場合も剥離層との密着性が低下する。
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、p−アミノ安息香酸のエステル類などおよびそれらの混合物など、好ましくはベンゾトリアゾール系が挙げられる。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらに白隠蔽層を有することができる。該白隠蔽層は、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」3〜10質量%、「樹脂B」30〜50質量%、重量平均分子量10,000〜30,000の「樹脂C」5〜20質量%、酸化チタンを30〜50質量%および光重合開始剤4〜8質量%を含有するインキから形成されている。
上記の白隠蔽層は、前記隠蔽性スクラッチ層の上に密着性とレベリング性が良い白色隠蔽層を形成し、該層の上に印刷されるインキの印刷適性と、印刷物の外観を向上させることを目的として使用される。上記のインキは、有機溶剤中にインキ被膜成分を分散させたものに比べて、インキ中の溶剤蒸発に伴う粘度変化がなく均一な塗膜が形成されるために均一な白色の隠蔽層が形成される。上記の「樹脂A」および「樹脂C」の重量平均分子量が高すぎると、隠蔽性スクラッチ層へのレベリング性が低下して、その上に印刷されるインキの印刷適性が低下する。一方、重量平均分子量が低過ぎると、被膜形成性が低下する。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらにオーバーコート層(以下「OP層」という)を有することができる。該「OP層」は、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%および光重合開始剤4〜8質量%を含むインキから形成されている。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらに偽造防止印刷層を有することができる。該偽造防止印刷層は、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%、光重合開始剤4〜8質量%および蛍光体および/または蛍光増白剤1〜10質量%を主成分とするインキから形成されている。
また、本発明では、前記スクラッチ印刷物がさらに印刷基材の裏面に偽造防止印刷層を有することができる。該偽造防止印刷層は、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%、光重合開始剤4〜8質量%および芳香族系ヘテロ環誘導体1〜10質量%を含むインキから形成されている。
上記の「樹脂A」としては、前記公知の重量平均分子量が400〜1,000のプレポリマーの「樹脂A」など、好ましくはビスフェノールA型の「樹脂A」が挙げられる。
また、上記の「樹脂B」としては、前記メチル−、メトキシエチル−、1,3−ブタンジオールジ−、1,6−ヘキサンジオールジ−、トリメチロールプロパントリ−(メタ)アクリレートなど単官能および/または多官能(メタ)アクリレートなど、好ましくはエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ−アクリレートが挙げられる。
また、上記のOP層、偽造防止印刷層および印刷基材の裏面の偽造防止印刷層を形成するインキ中の「樹脂D」としては1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコーンアクリレートが挙げられる。なお、光重合開始剤としては、公知の紫外線重合開始剤など、好ましくはベンゾフェノン誘導体が挙げられる。
前記蛍光増白剤としては、公知の蛍光白色染料、例えば、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダソール誘導体、クマリン誘導体など、好ましくはベンゾオキザゾリルチオフェンが挙げられる。また、前記蛍光体としては、紫外線、X線、陰極線、放射線、赤外線、電場などの刺激方法によって蛍光を発する、例えば、有機蛍光染料、ハロリン酸カルシウム、ZnS、Zn2SiO4、アントラセン、テルフェニルなどが挙げられる。
また、本発明では、必要に応じて使用する前記インキ中に消泡剤を配合することができる。該消泡剤としては、例えば、シリコーン系、フッ化シリコーン、ポリアルキルビニルエーテル、ポリアクリル酸アルキル、高級脂肪酸金属セッケン、高級脂肪酸アシド、有機リン酸トリエステル、疎水性シリカなどが挙げられる。
本発明のスクラッチ印刷物の一例として、機密情報データと偽造防止印刷が施されたスクラッチ印刷例を挙げて説明する。上記の印刷は、通常の印刷手段である、オフセット印刷、フレキソ印刷、活版印刷、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷など、好ましくはフレキソ印刷によって印刷することができる。まず、フレキソ印刷によって、上質紙の表面に順次、偽造防止印刷層用インキを使用して彩文印刷模様の偽造防止印刷層を形成し、該印刷層上にアンカー層用インキを使用してアンカー層を形成し、次に公知のインクジェットインキを使用してインクジェットプリンターにて可変機密情報データを印刷して可変機密情報データ層を形成し、該データ層の全面に保護層用インキを使用して保護層を形成し、次に保護層の上に剥離層用インキを使用して紫外線を照射しながら剥離層を形成し、該剥離層上に隠蔽性スクラッチ層用インキを使用して隠蔽性スクラッチ層を形成し、次に、該スクラッチ層上に白隠蔽層用インキを使用して紫外線を照射しながら白隠蔽層を形成し、該白隠蔽層上に公知のフレキソインキにて適宜の絵柄印刷層を形成し、次に、OP層用インキを使用して紫外線を照射しながら「OP層」を形成し、該「OP層」上に偽造防止印刷層用インキを使用して紫外線を照射しながら偽造防止印刷層を形成した。次に、上記の印刷された上質紙の裏面に公知のフレキソインキにて文字印刷を形成し、該印刷面上に偽造防止印刷層用インキを使用して紫外線を照射しながら偽造防止印刷層を形成しスクラッチ印刷物を調製した。なお、上記の剥離層用インキを使用した剥離層および隠蔽性スクラッチ層用インキを使用した隠蔽性スクラッチ層の形成の組み合わせ以外は、上記のスクラッチ印刷例に限定されるものではない。
なお、前記印刷基材としては、上質紙、コート紙などの紙類、合成紙、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリアクリルフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」および「%」とあるのは質量基準である。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜1および比較例1〜11)
下記の成分を均一に混合分散して実施例のスクラッチ印刷物用のインキ(a〜i)および比較例のスクラッチ印刷物用のインキ(j〜q)を調製し、前記スクラッチ印刷物調製例に準じて、本発明のスクラッチ印刷物および比較例のスクラッチ印刷物を調製した。
[実施例1](インキa)剥離層用
下記の成分を均一に混合分散して剥離層用のインキaを調製した。
・「樹脂A」(重量平均分子量500、ビスフェノールA型の「樹脂A」)
10.0部
・「樹脂B」(エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート)
72.0部
・「樹脂C」(重量平均分子量15,000、スチレンとジメチルアミノエチル
メタクリレートとの共重合体) 10.0部
・シリコーンアクリレート(樹脂) 1.0部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) 6.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
[実施例2](インキb)隠蔽性スクラッチ層用
下記の成分を均一に混合分散して隠蔽性スクラッチ層用のインキbを調製した。
・「樹脂E」(酢酸ビニル量40〜85%) 20.0部
・酢酸エチル 28.0部
・ノルマルプロピルアセテート 24.0部
・ノルマルプロピルアルコール 8.0部
・アルミペースト 20.0部
[実施例3](インキc−1)偽造防止印刷層(A−1)用
下記の成分を均一に混合分散して偽造防止印刷層(A−1)用のインキc−1を調製した。
・「樹脂C」水溶液(固形分30質量%) 18.0部
・「樹脂G」水溶液(固形分30質量%) 18.0部
・水 9.0部
・プロピレングリコール 2.0部
・炭酸カルシウム 2.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・消泡剤(シリコーン系消泡剤) 0.1部
・蛍光カラーペースト 50.0部
[実施例4](インキc−2)偽造防止印刷層(A−2)用
下記の成分を均一に混合分散して偽造防止印刷層(A−2)用のインキc−2を調製した。
・「樹脂C」水溶液(固形分30質量%) 18.0部
・「樹脂G」水溶液(固形分30質量%) 18.0部
・水 9.0部
・プロピレングリコール 2.0部
・炭酸カルシウム 2.0部
・着色用有機顔料(ナフトール系赤) 5.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・消泡剤(シリコーン系消泡剤) 0.1部
・蛍光カラーペースト 45.0部
[実施例5](インキd)アンカー層(B)用
下記の成分を均一に混合分散してアンカー層(B)用のインキdを調製した。
・「樹脂C」エマルジョン(ガラス転移温度15〜35℃、酸価20〜50mg
KOH/g、平均粒子径30〜100nm、固形分40質量%) 40.0部
・水 50.9部
・イソプロピルアルコール 2.0部
・プロピレングリコール 1.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・消泡剤(シリコーン系消泡剤) 0.1部
・紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤) 5.0部
[実施例6](インキe−1)保護層(C−1)用
下記の成分を均一に混合分散して保護層(C−1)用のインキe−1を調製した。
・「樹脂C」エマルジョン(ガラス転移温度15〜35℃、酸価20〜50mg
KOH/g、平均粒子径30〜100nm、固形分40質量%) 40.0部
・水 55.9部
・イソプロピルアルコール 2.0部
・プロピレングリコール 1.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・消泡剤(シリコーン系消泡剤) 0.1部
[実施例7](インキe−2)保護層(C−2)用
下記の成分を均一に混合分散して保護層(C−2)用のインキe−2を調製した。
・「樹脂C」エマルジョン(ガラス転移温度15〜35℃、酸価20〜50mg
KOH/g、平均粒子径30〜100nm、固形分40質量%) 40.0部
・水 50.9部
・イソプロピルアルコール 2.0部
・プロピレングリコール 1.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤) 5.0部
・消泡剤(シリコーン系消泡剤) 0.1部
[実施例8](インキf)白隠蔽層(D)用
下記の成分を均一に混合分散して白隠蔽層(D)用のインキfを調製した。
・「樹脂A」(重量平均分子量500、ビスフェノールA型「樹脂A」)
5.0部
・「樹脂B」(1,9−ノナンジオールジアクリレート) 38.0部
・「樹脂C」(重量平均分子量15,000、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートとスチレンとの共重合体) 10.0部
・光重合開始剤(アセトフェノン系) 6.0部
・ポリエチレンワックス 1.0部
・酸化チタン 40.0部
[実施例9](インキg)「OP層」(E)用
下記の成分を均一に混合分散して「OP層」(E)用のインキgを調製した。
・「樹脂B」(エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート)
77.0部
・「樹脂A」(重量平均分子量500、ビスフェノールA型「樹脂A」)
13.0部
・「樹脂」(1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコーンアク
リレート) 2.0部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) 6.0部
・ポリエチレンワックス 2.0部
[実施例10](インキh−1)偽造防止印刷層(F−1)用
下記の成分を均一に混合分散して偽造防止印刷層(F−1)のインキh−1を調製した。
・「樹脂B」(エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート)
75.0部
・「樹脂A」(重量平均分子量500、ビスフェノールA型「樹脂A」)
10.0部
・シリコーンアクリレート(「樹脂」) 2.0部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) 6.0部
・ポリエチレンワックス 2.0部
・蛍光増白剤(ベンゾオキザゾリルチオフェン) 5.0部
[実施例1](インキi)偽造防止印刷層(G)用
実施例10における蛍光増白剤を蛍光体(芳香族系ヘテロ環誘導体)に替える以外は実施例10と同様にして印刷基材の裏面用の偽造防止印刷層(G)用のインキiを調製した。
[比較例1](インキj)隠蔽性スクラッチ層用
下記成分を均一に混合分散して隠蔽性スクラッチ層用の比較例のインキjを調製した。
・スチレンブタジエンゴム 10.0部
・酢酸エチル 38.0部
・ノルマルプロピルアセテート 24.0部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.0部
・アルミペースト 20.0部
[比較例2](インキk−1)偽造防止印刷層(R−1)用
実施例3における「樹脂G」水溶液を「樹脂C」エマルジョン(固形分50%)に替える以外は実施例3と同様にして比較例の偽造防止印刷層(R−1)用のインキk−1を調製した。
[比較例3](インキk−2)偽造防止印刷層(R−2)用
実施例4における「樹脂G」水溶液を「樹脂C」エマルジョン(固形分50%)に替える以外は実施例4と同様にして比較例の偽造防止印刷層(R−2)用のインキk−2を調製した。
[比較例4](インキl−1)アンカー層(S−1)用
実施例5における「樹脂C」エマルジョンの配合量を45.0部にし、紫外線吸収剤を配合しない以外は実施例5と同様にして比較例のアンカー層(S−1)用のインキl−1を調製した。
[比較例5](インキl−2)アンカー層(S−2)用
実施例5における「樹脂C」エマルジョンの配合量を20.0部にし、「樹脂C」水溶液(固形分30%)を25.0部配合し、紫外線吸収剤を配合しない以外は実施例5と同様にして比較例のアンカー層(S−2)用のインキl−2を調製した。
[比較例6](インキm−1)保護層(T−1)用
実施例6において、「樹脂C」エマルジョンをガラス転移温度90℃、酸価30mgKOH/gおよび固形分40%である「樹脂C」エマルジョンに替える以外は実施例6と同様にして比較例の保護層(T−1)用のインキm−1を調製した。
[比較例7](インキm−2)保護層(T−2)用
実施例6において、「樹脂C」エマルジョンをガラス転移温度0℃、酸価100mgKOH/gおよび固形分40%である「樹脂C」エマルジョンに替える以外は実施例6と同様にして比較例の保護層(T−2)用のインキm−2を調製した。
[比較例8](インキn)白隠蔽層(U)用
下記の成分を均一に混練して比較例の白隠蔽層(U)用のインキnを調製した。
・スチレンブタジエンゴム 10.0部
・酢酸エチル 30.0部
・ノルマルプロピルアセテート 20.0部
・ポリメチルアセテート 20.0部
・酸化チタン 35.0部
[比較例9](インキo)「OP層」(V)用
下記の成分を均一に混練して比較例の「OP層」(V)用のインキoを調製した。
・アクリレートモノマー(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)
75.0部
・ポリエステルアクリレート 17.0部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) 6.0部
・ポリエチレンワックス 2.0部
[比較例10](インキp)偽造防止印刷層(W)用
下記の成分を均一に混練して比較例の偽造防止印刷層(W)用のインキpを調製した。
・アクリレートモノマー(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)
70.0部
・ポリエステルアクリレート 17.0部
・光重合開始剤(ベンゾフェノン誘導体) 6.0部
・ポリエチレンワックス 2.0部
・蛍光増白剤(ベンゾオキザゾリルチオフェン) 5.0部
[比較例11](インキq)偽造防止印刷層(X)用
比較例10における蛍光増白剤を芳香族系ヘテロ環誘導体に替える以外は比較例10と同様にして比較例の印刷基材の裏面用の偽造防止印刷層(X)用のインキqを調製した。
上記で得られた各々のインキを使用して調製されたスクラッチ印刷物の隠蔽性スクラッチ層、偽造防止印刷層、アンカー層、保護層、白隠蔽層および「OP層」の物性に関して下記の方法で評価した。
[隠蔽性スクラッチ層]
隠蔽性スクラッチ層の剥離層への転移性、スクラッチ性、耐油性および耐熱性に関して下記の方法で測定し評価した。評価結果を表1に示す。
(剥離層への転移性)
上記の隠蔽性スクラッチ層の剥離層への転移性の状況を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:剥離層面に対してはじき現象などが認められず転移性良好である。
×:剥離層面に対してはじき現象が認められ転移性がよくない。
(スクラッチ性)
上記の剥離層上の隠蔽性スクラッチ層をコインで擦って剥離してスクラッチ性を下記の評価方法で評価した。
◎:スムースなスクラッチで容易に剥離できる。
△:スクラッチがやや重く剥離性が劣る。
×:スクラッチが重く剥離性が劣る。
(耐油性)
上記の剥離層上の隠蔽性スクラッチ層にサラダ油を滴下して24時間放置後の被膜の膨潤状況を下記の評価方法で評価した。
◎:被膜の膨潤がまったく認められない。
△:被膜の膨潤がやや認められる。
×:被膜の膨潤が認められる。
(耐熱性)
上記の剥離層上の隠蔽性スクラッチ層を70〜80℃の雰囲気下に24時間放置して、剥離層からの隠蔽性スクラッチ層の浮き現象を下記の評価方法で評価した。
◎:隠蔽性スクラッチ層の浮き現象がまったく認められない。
△:隠蔽性スクラッチ層の浮き現象がわずかに認められる。
×:隠蔽性スクラッチ層の浮き現象がかなり認められる。
[偽造防止印刷層]
偽造防止印刷層(A)および比較例の偽造防止印刷層(R)の網点再現性(画像再現性)、耐摩擦性、耐光強度および被膜の再溶解性を下記の評価方法で評価した。評価結果を表2に示す。
(網点再現性)
印刷基材上のインキの転移状態を下記の評価基準にて評価した。
評価点:
◎:網点再現性が良く、細線が忠実に再現できる。
×:網点再現性が不十分で、細線の再現性が良くない。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、偽造防止印刷層の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:偽造防止印刷層の絵柄に擦りがほとんど認められない。
△:偽造防止印刷層の絵柄にわずかに擦りが認められる。
×:偽造防止印刷層の絵柄にかなり擦りが認められる。
(耐光強度)
偽造防止印刷層をフェドメーターにて100時間照射して偽造防止印刷層の変色状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:変色がまったく認められない。
△:変色がわずかに認められる。
×:変色がかなり認められる。
(再溶解性)
インキタンク中およびインキローラー上に付着したインキ被膜の使用溶剤による再溶解性の状態を下記の評価基準にて評価した。
評価点:
◎:インキ溶剤に対する再溶解性が良好である。
×:インキ溶剤に対する再溶解性がやや劣る。
[アンカー層]
アンカー層(B)および比較例のアンカー層(S)の可変情報データ用インキの受理性と、耐摩擦性および耐光強度について下記の方法にて評価した。評価結果を表3に示す。
(インキ受理性)
アンカー層に対する可変情報データ用インキの受理性を下記の評価基準にて評価した。
評価点:
◎:印刷かすれ、印刷汚れなど認められず、安定した可変情報データ用インキの受理性を有する。
△:印刷かすれがわずかに認められ、安定した可変情報データ用インキの受理性がやや劣る。
×:印刷かすれ、印刷汚れなどがかなり認められ、安定した可変情報データ用インキの受理性が得られない。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、アンカー層の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:アンカー層で覆われた偽造防止印刷層に擦りが認められない。
△:アンカー層で覆われた偽造防止印刷層にわずかに擦りが認められる。
×:アンカー層で覆われた偽造防止印刷層にかなり擦りが認められる。
(耐光強度)
アンカー層が設けられた偽造防止印刷層をフェドメーターにて100時間照射して偽造防止印刷層の変色状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:変色がまったく認められない。
×:変色がわずかに認められる。
[保護層]
保護層(C)および比較例の保護層(T)の剥離層との密着性、耐摩擦性および耐光強度について下記の評価方法で評価した。評価結果を表4に示す。
(剥離層との密着性)
保護層に印刷された剥離層を市販のセロハンテープを指で擦って密着させ、密着後45度の角度で急激に剥離して保護層の剥離層への密着性を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:剥離層との密着性が良好である。
×:剥離層との密着性がやや落ちる。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、保護層の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:保護層で覆われた可変機密情報データ層に擦りが認められない。
×:保護層で覆われた可変機密情報データ層にわずかに擦りが認められる。
(耐光強度)
保護層面をフェドメーターにて100時間照射して偽造防止印刷層の変色状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:変色がまったく認められない。
△:変色がわずかに認められる。
×:変色がかなり認められる。
[白隠蔽層]
白隠蔽層(D)および比較例の白隠蔽層(U)用インキの安定性および隠蔽性スクラッチ層に対するインキのレベリング性につき下記の評価方法で評価した。評価結果を表5に示す。
(インキの安定性)
◎:印刷時に著しいインキの粘度上昇やゲル化などの変化がまったく認められない。
×:印刷時に粘度上昇やゲル化などの変化が認められる。
(レベリング性)
白隠蔽層の隠蔽性スクラッチ層に対するレベリング性を下記の評価方法で評価した。
◎:隠蔽性スクラッチ層に対してレベリング性が良好で、隠蔽性スクラッチ層を均一に全体を隠蔽することができる。
×:隠蔽性スクラッチ層に対してレベリング性にむらがあり、隠蔽性スクラッチ層を完全に隠蔽することができない。
[「OP層」]
「OP層」(E)および比較例の「OP層」(V)の耐摩擦性につき下記の評価方法で評価した。評価結果を表6に示す。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、「OP層」の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:「OP層」で覆われた絵柄層に擦りが認められない。
×:「OP層」で覆われた絵柄層に層にわずかに擦りが認められる。
[偽造防止印刷層]
偽造防止印刷層(F)および比較例の偽造防止印刷層(W)の耐摩擦性につき下記の評価方法で評価した。評価結果を表6に示す。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、偽造防止印刷層の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:偽造防止印刷層の絵柄に擦りがほとんど認められない。
×:偽造防止印刷層の絵柄にわずかに擦りが認められる。
[偽造防止印刷層]
印刷基材の裏面に印刷された偽造防止印刷層(G)および比較例の偽造防止印刷層(X)の耐摩擦性につき下記の評価方法で評価した。評価結果を表6に示す。
(耐摩擦性)
学振型摩擦計にて200gの過重をかけて500回擦り、偽造防止印刷層の磨耗状態を下記の評価方法で評価した。
評価点:
◎:偽造防止印刷層の絵柄に擦りがほとんど認められない。
×:偽造防止印刷層の絵柄にわずかに擦りが認められる。
Figure 0004234632
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上記の評価結果から、本発明のスクラッチ印刷物は、密着性を保持しながら、スムースなスクラッチ性を長期にわたり維持し、耐磨耗性、光劣化防止および耐熱性や耐油性などの性能が優れたスクラッチ印刷物を与えることが実証されている。
本発明によれば、本発明のスクラッチ印刷物は、密着性を確保しながらスムースなスクラッチ性を長期にわたって維持でき、また、耐光強度、耐摩擦性、印刷適性および耐久性が優れていることから、抽選券や各種ゲームカードなどの機密情報データと偽造防止が施されたスクラッチ印刷物として有効に使用することができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも印刷基材の所定領域に剥離層と該剥離層上に隠蔽性スクラッチ層とを有するスクラッチ印刷物において、前記剥離層が、エポキシアクリレート(以下「樹脂A」という)と、単官能(メタ)アクリレートおよび/または多官能(メタ)アクリレート(以下「樹脂B」という)と、スチレンアクリル系樹脂(以下「樹脂C」という)と、光重合開始剤とを主成分とし、1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコーンアクリレート(以下「樹脂D」という)0.1〜5質量%を含有するインキを塗布し紫外線硬化により形成され、前記隠蔽性スクラッチ層が、酢酸ビニルを0〜85質量%含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「樹脂E」という)0〜0質量%と隠蔽顔料5〜0質量%とを含有するインキから形成されていることを特徴とするスクラッチ印刷物。
  2. 前記剥離層用インキが、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%と、「樹脂B」60〜80質量%と、重量平均分子量10,000〜30,000の「樹脂C」5〜20質量%と、1分子当たり6〜8個のアクリロイル基を有するシリコンアクリレート(「樹脂D」)0.5〜2質量%および光重合開始剤を主成分とする請求項1に記載の印刷物。
  3. 前記隠蔽顔料が、カーボンブラック、アルミニウム粉およびアルミペーストから選ばれる少なくとも1種である請求項1またはに記載の印刷物。
  4. 前記スクラッチ印刷物がさらに偽造防止印刷層を有し、該印刷層が、「樹脂C」水溶液(固形分30〜40質量%)/スチレンマレイン酸樹脂(以下「樹脂G」という)水溶液(固形分30〜40質量%)混合物(質量比=2/8〜8/2)30〜50質量%および蛍光顔料または蛍光ペースト20〜60質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  5. 前記スクラッチ印刷物が、さらにアンカー層および保護層を有し、該アンカー層および保護層が、ガラス転移温度15〜35℃、酸価20〜50mgKOH/gおよび平均粒子径30〜100nmの「樹脂C」エマルジョン(固形分30〜40質量%)30〜50質量%および紫外線吸収剤1〜10質量%を含むインキから形成され、前記保護層がガラス転移温度15〜35℃、酸価20〜50mgKOH/gおよび平均粒子径30〜100nmの「樹脂C」エマルジョン(固形分30〜40質量%)30〜50質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  6. 前記スクラッチ印刷物がさらに白隠蔽層を有し、該白隠蔽層が、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」3〜10質量%、「樹脂B」30〜50質量%、重量平均分子量10,000〜30,000の「樹脂C」5〜20質量%、酸化チタン30〜50質量%および光重合開始剤4〜8質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  7. 前記スクラッチ印刷物がさらにオーバーコート層(以下「OP層」という)を有し、該「OP層」が、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%および光重合開始剤4〜8質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  8. 前記スクラッチ印刷物がさらに偽造防止印刷層を有し、該偽造防止印刷層が、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%、光重合開始剤4〜8質量%および蛍光体および/または蛍光増白剤1〜10質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
  9. 前記スクラッチ印刷物がさらに印刷基材の裏面に偽造防止印刷層を有し、該偽造防止印刷層が、重量平均分子量400〜1,000の「樹脂A」5〜20質量%、「樹脂B」60〜80質量%、「樹脂D」0.1〜5質量%、光重合開始剤4〜8質量%および芳香族系ヘテロ環誘導体1〜10質量%を含むインキから形成されている請求項1〜の何れか1項に記載の印刷物。
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