JP3814702B2 - 紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線または電子線の照射により反応硬化し、水なし平版印刷において耐地汚れ性が良好で、かつ印刷適性に優れた水なし平版印刷用インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックシート、表面処理紙等の非吸収性素材にオフセット印刷を行う場合、インキの硬化が瞬間的に行われる紫外線または電子線硬化型インキを用いる場合が多いが、そのオフセット印刷では一般的な紙を使用した場合に比べ湿し水の調節が難しいことが知られる。また食品パッケージ等にも紫外線または電子線硬化型インキが応用されることは多いが、オフセット印刷では湿し水を使用することから、湿し水の成分の一部が印刷後重ねた印刷物表面から食品に直接接触する裏面に裏移りする可能性がある。かかる理由から最近数年間、紫外線または電子線硬化型インキを水なし平版印刷へ応用しようとする検討が進みつつある。
【0003】
現在実用化されている水なし平版印刷法は、版材非画線部分にシリコーンゴム層を有する版を用いるものであり、従来の紫外線または電子線硬化型インキでは充分に非画線部分と反発することが難しく、地汚れが発生し易かった。この地汚れの発生を止めるためには温度を下げる、またはインキのタック・内部凝集力を高い設定とすることが必要で、このような措置をとった場合、表面強度の弱い被印刷体の場合はピッキングが発生してしまい、表面強度が強い場合でも着肉不良などのトラブルが発生する場合が多い。
【0004】
この点を改良するために、従来の紫外線または電子線硬化型インキに有機シリコーン化合物{以下の先行技術では有機シリコーン化合物とは低極性、液状のシリコーンオイル、シリコーン(メタ)アクリレート、シリコーン界面活性剤、シリコーン変性樹脂等を指している}を添加する方法が知られている。(特開昭57−49073、57−60394、64−31879、64−38486)
【0005】
更に詳しくは、平均分子量3000以上のウレタンアクリレート樹脂と、酸価100以上、軟化点60〜140℃の高酸価樹脂および(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキに、ポリエーテル系親水基を側鎖又は末端に有するHLB8〜12のノニオン型シリコーン界面活性剤を添加することが望ましいことが記載されている。(特開平3−252472)
【0006】
又、高沸点溶剤、石油系溶剤、油性インキ用ワニス成分を添加する方法(特開昭63−280782、特開平1−115974、特開平2−28273)、HLB10〜16の非イオン界面活性剤を添加する方法(特開平2−238066)、ワックスを添加する方法(特開平2−255777)、炭素数12以上の酸で変性されたアクリレートエステルを添加する方法(特開平3−39373)、シリコーンゴム膨潤度が10%以上のアクリレートモノマーを添加する方法(特開平3−207770)、特定の架橋剤を添加する方法(特開平4−293980)、特定の架橋構造を有する樹脂成分を用いる方法(特開昭61−239982、64−40581)がある。
【0007】
しかしこれらの方法においては、紫外線または電子線硬化型インキに必須のラジカル重合成分との相溶性が悪く、貯蔵安定性もしくは印刷中の経時安定性に問題があったり、そうでなくとも紫外線または電子線での硬化速度あるいは硬化皮膜の表面強度を低下させる、接着性を低下させる、異臭があるなどのいずれかが問題となる場合が多く、より高性能のインキの開発が望まれてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来インキの問題点を解決するためになされたものであり、その目的は通常の平版印刷に用いられている紫外線または電子線硬化型インキと同等以上の印刷適性、硬化性及び硬化皮膜品質を維持しながら、特に耐地汚れ性に優れ且つ印刷中の経時安定性、貯蔵安定性等にも優れた紫外線又は電子線硬化型水なし平版印刷用インキを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した課題を解決しようとするものであり、特定の有機シリコーン化合物を添加した紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキに関する。本発明者らは、鋭意検討を続けていく中で、より高い耐地汚れ性を示す特定の有機シリコーン化合物を見い出し、それがシリコーンゴム層への拡散性に関わる他の物理特性に特徴づけられることを解明した。更には、特定の飽和ポリエステル及びアクリレートモノマーとの組み合わせがインキとして特に相応しいことを見出した。
【0010】
有機シリコーン化合物に求められるその物理特性上の特徴とは粘度、密度及び溶解性である。即ち、本発明の第一の構成は、粘度が200mPa・s以下(25℃)、且つ、密度が1.03g/ml以下であり、プロポキシレーテッドネオペンチルグリコールジアクリレート(化学式1)に溶解し、且つその溶解性が5重量%未満である有機シリコーン化合物(A)を0.1〜5.0重量%含有することを特徴とする紫外線または電子線硬化型水なし平版用インキである。
【0011】
(化学式1)
【0012】
更に、本発明の第二の構成は、前記した有機シリコーン化合物(A)とともに、更に、一塩基酸30モル%以上と多価アルコールを必須とし、必要により多塩基酸を用いて得られる飽和ポリエステル(B)を10〜40重量%、2官能以上であって、且つ、粘度が1〜30mPa・s(25℃)の範囲にある(メタ)アクリレートモノマー類(C)を3〜20重量%含有することを特徴とする紫外線または電子線硬化型水なし平版用インキである。
【0013】
【発明の実施の形態】
地汚れ防止を目的として本発明で使用する有機シリコーン化合物としては、ジメチル又は一部置換されたアルキルポリシロキサン骨格を有し、主鎖の一部又は側鎖にポリエーテル、ポリエステル、水酸基、カルボキシル基、アクリル酸エステル基を有する変性シリコーンオイル、変性シリコーンアクリレート等が好ましく用いられる。
【0014】
有機シリコーン化合物の粘度は200mPa・s以下(25℃)の範囲にあることが必要であり、150mPa・s以下であることがより望ましい。密度は1.03g/ml以下の範囲にあることが必要であり、1.00g/ml以下であることがより望ましい。これら二つの物理特性のどちら一方の条件が欠けても耐地汚れ性は悪くなり、両方を満足することが必要である。
【0015】
粘度、密度に加えて、地汚れ防止を目的とした有機シリコーン化合物は、水なし平版非画線部上にWFBLを瞬時に形成するために、紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキ中に不安定に溶存することが必要である。これを簡易に確認するには、例えば、WFBL形成を容易にするためにインキに添加される低粘度モノマー成分への有機シリコーン化合物の溶解性を確認すれば良い。即ち、粘度及び密度が前述の好適な範囲にある任意の有機シリコーン化合物について、その1重量部及び5重量部をプロポキシレーテッドネオペンチルグリコールジアクリレート(以後PONPGDAと略す)99重量部及び95重量部にそれぞれ溶解せしめたときに1重量部の場合には透明・均一であり、5重量部の場合には分離もしくは白濁することを確認すれば良い。多量に加えても溶解可能な場合、もしくはごく少量でも分離もしくは白濁するような場合には、当該有機シリコーン化合物を加えたインキの耐地汚れ性はそれ程向上しない。
【0016】
このように、粘度及び密度が好適な範囲にあり、かつPONPGDAに適度に溶解する当該有機シリコーン化合物は、インキ全体を100重量%とした場合に、0.1〜5重量%なる範囲で使用するが、0.1〜3重量%の範囲での使用がより望ましい。0.1重量%未満となる場合には、実際上、地汚れ防止の効果を確認できない。他方、5重量%を超える場合には、インキの流動性の阻害、印刷時の着肉不良の発生原因、又は、紫外線又は電子線で硬化させた印刷面の後加工(即ち、ビニル貼り、PP貼り等のフィルムラミネーション、紫外線又は電子線で硬化される被覆剤加工等)での接着不良等の弊害が顕著となる。
【0017】
これまで述べてきたように、効果の高い有機シリコーン化合物を使用することで紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキの耐地汚れ性は格段に向上するが、前述の通り、多量に使用するほど弊害が発生することは言うまでもない。換言すれば、地汚れの防止を考慮した有機シリコーン化合物の使用はできるだけ少量にとどめるべきであり、そのためにビヒクル、とりわけ使用されるプレポリマー・樹脂などの成分の選択が重要となる。
【0018】
本発明で用いられる当該飽和ポリエステル(B)が充分な性能を得るためには、2,000〜50,000、より好ましくは5,000〜45,000の重量平均分子量が必要となる。重量平均分子量が2,000未満の場合には、耐地汚れ性が劣ることとなり、一方50,000を越える場合には、モノマーとの相溶性や他の樹脂成分との相溶性が著しく不足し、必要なレオロジー性能が得られなくなる。
【0019】
また、当該飽和ポリエステル(B)は該一塩基酸を30モル%以上、好ましくは35〜70モル%なる範囲内で使用して得られる形のものである。一塩基酸の使用割合が30モル%未満となる場合には、バルキーな構造を取りにくくなり、耐地汚れ性が劣ることとなる。他方、一塩基酸が80モル%を超えて余りに多量に用いられる場合にはインキの流動性が低くなり好ましくない。
【0020】
更に当該飽和ポリエステル(B)の酸価として0.1〜80、より好ましくは2〜50なる範囲が適切である。80を超えるようになると耐地汚れ性に強く影響するし、0.1未満での酸価の制御は極めて困難である。
【0021】
本発明において当該飽和ポリエステルを構成する、前記した一塩基酸として使用出来る、特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、アビエチン酸、安息香酸、パラターシャリーブチル安息香酸、またはカプロン酸等であり、使用する多塩基酸として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、テレフタル酸、イソフタル酸、(無水)フタル酸、(無水)トリメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸等であるが、これらの酸類は単独使用でも2種以上の併用でも良い。
【0022】
他方、本発明において当該飽和ポリエステルを構成する、前記した多価アルコールとして用いられる特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール,1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール又はトリプロピレングリコール等をはじめ、更には、平均分子量が200〜4,000なる範囲のテトラメチレングリコール、或いは1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド乃至はプロピレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド乃至はプロピレンオイサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはソルビトール等である。これらの多価アルコール類は単独使用でも2種以上の併用でも良い。
【0023】
本発明の紫外線又は電子線硬化型水なし平版印刷用インキを製造する場合は、以上のようにして得られる飽和ポリエステル(B)を、2官能以上の多官能(メタ)アクリレート類に溶解せしめた形で用いても良い。このとき2官能以上の多官能(メタ)アクリレート類の添加量は20〜80重量%であることが望ましい。また、その溶解温度は80〜160℃なる範囲内にあることが望ましいが、当該(メタ)アクリレート類の分解または熱重合温度以下で行うことは、勿論である。
【0024】
飽和ポリエステル(B)を溶解せしめる前記した(メタ)アクリレート類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドグリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げられる。これらの(メタ)アクリレート類は単独使用でも2種以上の併用でも良い。
【0025】
本発明で用いられる低粘度の(メタ)アクリレートモノマー(C)は、粘度範囲1〜30mPa・s(25℃)の(メタ)アクリレートモノマーであり、インキ全体を100重量%とした場合に、インキ中に3〜20重量%の範囲で含まれることが望ましく、より望ましくは5〜15重量%である。当該(メタ)アクリレートモノマー(C)が3%未満で使用される時は、水なし平版の非画線部シリコーンゴム層に拡散、浸透はするもののWFBLを形成するに充分な量が供給されないため、その効果が薄く、逆に20重量%を超える範囲で使用した場合には、インキ系全体の有する(メタ)アクリロイル基数が少なくなるため、必要とする硬化性速度を保持することが難しくなる。
【0026】
この目的として用いられる(メタ)アクリレートモノマー(C)としては2官能以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが適当である。単官能のものを用いても充分な耐地汚れ性は得られるが、硬化性を損なう結果となり相応しくない。当該低粘度モノマーとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシレーテッドネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】
本発明におけるその他のインキ構成成分としては、従来の紫外線または電子線硬化型インキに用いられる材料を適宜用いることが可能である。その一例を以下に示す。
・有機顔料、無機顔料、無機体質顔料等の着色剤、粘度調製剤、増量剤
・ハイドロキノン等、インキの経時変化を防止するための熱重合禁止剤
・硬化したインキ皮膜の強度、滑り性等を向上させるための各種ワックス、 シリコーンオイル類
・紫外線硬化性型インキの場合、紫外線硬化性を付与するための光重合開始剤、増感剤
・インキの硬化速度を調節するための重合性モノマー、重合性オリゴマー等
・インキの基材に対する接着性を調節するための重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合性プレポリマー、及び樹脂等である。
【0028】
但し、これらの成分を用いる際、本発明におけるインキのレオロジー特性が損なわれないよう充分に配慮することは勿論である。
【0029】
本発明のインキは例えば、東レ(株)製水なし平版を用いた平版印刷により、板紙、コート紙、アルミフォイル紙、塩ビフィルム、処理PETフィルム等の印刷素材上に良好な画像を形成することができる。この時、地汚れのない画像を得るためには、その印刷速度に応じて版温度を一定値以下に調節することが重要である。形成された画像を、インキが紫外線硬化型であれば紫外線を、インキが電子線硬化型であれば電子線を、照射することで瞬間的に硬化乾燥して、耐摩擦性、耐傷つき性、耐溶剤性等に優れた印刷物を得ることができる。
【0030】
標準的な紫外線硬化条件は、出力80〜160W/cmの高圧水銀又はメタルハライド灯を有する紫外線照射装置により、1灯あたり5〜40m/分のライン速度である。電子線硬化の場合は、例えば岩崎電気(株)製エレクトロカーテン電子線照射装置であれば500ppm以下の酸素濃度雰囲気で1〜6メガラッドの照射が望ましい。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、具体的に説明するが、これらの例は、本発明の一実施様態であり、従って本発明がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0032】
粘度、密度、PONPGDA溶解性の異なる有機シリコーン化合物(SI−1、SI−2、SI−3、SI−4)を選択し、表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に於ける略号(*1)〜(*4)は以下を示す。
(*1)
SI−1:テ・ゴールドシュミット(株)製シリコーンアクリレート;RAD2500
SI−2:日本ユニカー(株)製シリコーン界面活性剤;L−7602
SI−3:ダイセルユーシービー(株)製シリコーンジアクリレート;エベクリル350
SI−4:信越化学工業(株)製シリコーンオイル;KS−66
(*2)各メーカ−公表値。
(*3)京都電子工業(株)製DA−300にて測定。
(*4)PONPGDA99重量部(及び95重量部)/各有機シリコーン化合物1重量部(及び5重量部)を混合して溶液状態を一日後に確認。
【0035】
(ワニスVA−1の調製)
ネオペンチルグリコールの20部、トリメチロールプロパンの300部、アジピン酸の20部、イソフタル酸の360部および安息香酸の300部を、不活性ガス雰囲気下、220℃で5時間の間加熱して、固形分酸価が18で、かつ、重量平均分子量が30,000なる、ポリエステルを得た。ついで、このポリエステルの55部をGPTAの45部に溶解して、140℃で2時間加熱攪拌することによって、目的とする樹脂組成物(VA−1)を得た。
【0036】
(ワニスVA−2の調製)
ネオペンチルグリコールの20部、ペンタエリスリトールの240部、アジピン酸の25部、イソフタル酸の225部および安息香酸の490部を、不活性ガス雰囲気下、220℃で6時間の間加熱して、固形分酸価が13で、かつ、重量平均分子量が25,500なる、ポリエステルを得た。ついで、このポリエステルの55部をGPTAの45部に溶解して、140℃で2時間加熱攪拌することによって、目的とする樹脂組成物(VA−2)を得た。
【0037】
(ワニスVA−3の調製)
ネオペンチルグリコールの25部、トリメチロールプロパンの330部、アジピン酸の25部、イソフタル酸の470部および安息香酸の155部を、不活性ガス雰囲気下、220℃で5時間の間加熱して、固形分酸価が20で、かつ、重量平均分子量が20,000なる、ポリエステルを得た。ついで、このポリエステルの55部をGPTAの45部に溶解して、140℃で2時間加熱攪拌することによって、樹脂組成物(VA−3)を得た。
【0038】
(ワニスVA−4の調製)
「ダップK」(ダイソー(株)製のジアリルフタレート樹脂の45部をGPTAの55部に溶解して、130℃で加熱して溶解することによって、樹脂組成物(VA−4)を得た。
【0039】
下記の表2に示される組成を有する混合物を、三本ロールミルにて混練して、各種紫外線または電子線硬化型水なし平版印刷用インキを得た。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に於ける略号(*5)〜(*8)は以下を表す。
(*5)顔料:大日本インキ化学工業(株)製SYMULER CARMINE6B233
(*6)開始剤
:光重合開始剤、チバガイギー製IRUGACURE 651 4部
:大東化学製パラジメチルアミノアセトフェノン 2部
(*7)モノマー1:ダイセル・ユーシービー(株)製OTA480(プロポキシレーテッドグリセリントリアクリレート、粘度:90cps、25℃)
(*8)モノマー2:サンノプコ(株)製フォトマー4127SN(ネオペンチルグリコールジアクリレート、粘度:14〜20cps、25℃)
【0042】
得られたインキの各種特性を下記の表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
表中のインコメーター値、スプレッドメーター値、光沢度はJIS−K−5701平版インキおよび凸版インキに準じて測定した。なおすべてのインキのインコメーター値は12±0.5の範囲以内に調整されたものである。表中のC.T.I.とはCriticalToningIndexの略で、水なし平版刷版の開発者である東レが提唱する耐地汚れ性の指標であり、一定条件下での水なし印刷時に、版非画線部に地汚れが発生する最低温度を示すものである。従って、このC.T.I.が高い値を示すほど、地汚れを発生しにくいインキとなる。実施例1〜4は比較例1〜4に比較してC.T.I.が高く、明らかに耐地汚れ性に優れていることが分かる。
【0045】
(実機試験)
実施例1のインキと東レ水なし平版を用い、マン・ローランド社製枚葉印刷機R−700(UVランプ:120W/cmメタルハライド灯2灯、水銀灯1灯)によりコートボール紙上に水なし平版印刷を行った。版温度29℃、印刷速度8000枚/時にて印刷。耐地汚れ性に優れ、安定な水なし平版印刷が可能であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係わる紫外線又は電子線硬化型水なし平版印刷用インキは通常の平版印刷に用いられている紫外線または電子線硬化型インキと同等以上の印刷適性、硬化性及び硬化皮膜品質を維持しながら、特に耐地汚れ性に優れ且つ印刷中の経時安定性、貯蔵安定性等にも優れている。
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