JP4688057B2 - ボールねじ機構 - Google Patents

ボールねじ機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4688057B2
JP4688057B2 JP2004260775A JP2004260775A JP4688057B2 JP 4688057 B2 JP4688057 B2 JP 4688057B2 JP 2004260775 A JP2004260775 A JP 2004260775A JP 2004260775 A JP2004260775 A JP 2004260775A JP 4688057 B2 JP4688057 B2 JP 4688057B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
ball
screw shaft
screw
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004260775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005121216A (ja
JP2005121216A5 (ja
Inventor
大作 川田
明男 酒井
伸吾 齋藤
山下  智史
橋本  浩司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2004260775A priority Critical patent/JP4688057B2/ja
Publication of JP2005121216A publication Critical patent/JP2005121216A/ja
Publication of JP2005121216A5 publication Critical patent/JP2005121216A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4688057B2 publication Critical patent/JP4688057B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、一般産業用機械に組付けられたり、或いは自動車に使用されたりするボールねじ機構に関するものである。
近年、車両等の省力化が進み、例えば自動車のトランスミッションやパーキングブレーキなどを手動でなく、電動モータの力により行うシステムが開発されている。そのような用途に用いる電動アクチュエータには、電動モータから伝達される回転運動を高効率で軸線方向運動に変換するために、ボールねじ機構が用いられる場合がある。
しかるに、通常ボールねじ機構は、ねじ軸と、ナットと、ボールとからなる。ここで、ねじ軸に形成された雄ねじ溝がねじ軸全長にわたっていると、ねじ軸とナットが軸線方向に勢いよく相対移動してオーバーストロークしたときなど、ねじ軸からナットが脱落する恐れがある。これに対し、特許文献1には、雄ねじ溝の両端を切り上げることで、ボールが転送する転走路を縮径し、オーバーストローク時にも、ねじ軸とナットとの分離防止を図ることができるボールねじ機構が開示されている。また、ナットが突き当たる冠状ストッパをねじ軸の両端部に取付けるものもある。
特開平9−133195号公報
しかしながら、特許文献1に記載のボールねじ機構では、雄ねじ溝を切り上がり形状に加工するために、どうしても不完全ねじ部が長くなってしまうという問題がある。また、ねじ溝を転造で成形する場合には、ねじ軸の長さ(ねじ溝の形成長さ)及びねじ溝の切り上がり形状に応じた転造ロールをねじ軸の種類分だけ用意する必要があり、コスト高を招く。
また、冠状ストッパをねじ軸の両端部に取付けるタイプでは、冠状ストッパ自身がコスト高の原因となると共に、冠状ストッパ自体の抜け止めも必要となる。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、低コストでありながら、ねじ軸とナットとの分離防止を図ることができるボールねじ機構を提供することを目的とする。
第1の本発明のボールねじ機構は、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
前記ねじ軸の所定部位と反対側に、前記ねじ軸の雄ねじ溝形状に緊密に接触する治具をあてがいながら、前記ねじ軸の所定部位における前記雄ねじ溝に隣接する山部を前記ねじ軸の径方向に押圧して塑性変形して、前記雄ねじ溝の幅を狭くしたことを特徴とする。
第2の本発明のボールねじ機構は、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
前記ナットの所定部位において、前記雌ねじ溝に隣接する山部を塑性変形して、前記雌ねじ溝の幅を狭くし、
前記ナットは、前記雌ねじ溝の所定部位以外の部位が熱処理され、前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、前記所定部位が塑性変形されることを特徴とする。
第3の本発明のボールねじ機構は、
外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
前記ねじ軸を前記ナットに組み付けた後に、前記ナットの内周面より半径方向内方にある前記ねじ軸の端面に、くぼみを形成する塑性変形を行うことによって、前記ナットの内周面より半径方向外方に延在するようにし、
前記ナットの内径をD、前記ねじ軸端面の塑性変形前の外径をd、前記ねじ軸端面の塑性変形後の外径をd’としたときに、d’>D>dが成立することを特徴とする。
第1の本発明のボールねじ機構によれば、ボールが転動するねじ軸上の雄ねじ溝に隣接する山部を塑性変形して当該雄ねじ溝の幅を狭くしたことにより、ボールは幅狭のねじ溝を通過することができず、その結果、ナット及びねじ軸の軸方向ヘの移動を規制することができるので、両者の抜け止め対策となる。
前記山部を前記ねじ軸の径方向に押圧して塑性変形することで、極めて容易にナット及びねじ軸の抜け止め対策を施すことができ、コストの低廉化が可能となる。
更に、前記ナットには、前記ボールの循環路が形成されており、前記ねじ軸は、前記雄ねじ溝の所定部位以外の部位が熱処理されているので、それにより前記ボールの転動時の摩耗を抑制できると共に、熱処理されていない前記雄ねじ溝の端部を塑性変形することで、割れや欠けなどが生じることなく適切な塑性変形が可能となり、オーバーストローク時のねじ軸とナットの分離を防止できる。このような塑性変形は、前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、行うことができる。
第2の本発明のボールねじ機構によれば、ボールが転動するナット上の雌ねじ溝に隣接する山部を塑性変形して当該雌ねじ溝の幅を狭くしたことにより、ボールは幅狭のねじ溝を通過することができず、その結果、ナット及びねじ軸の軸方向ヘの移動を規制することができるので、両者の抜け止め対策となる。
前記山部を前記ねじ軸の径方向に押圧して塑性変形することで、極めて容易にナット及びねじ軸の抜け止め対策を施すことができ、コストの低廉化が可能となる。
前記ねじ軸には、前記ボールの循環路が形成されており、前記ナットは、前記雌ねじ溝の所定部位以外の部位が熱処理されているので、それにより前記ボールの転動時の摩耗を抑制できると共に、熱処理されていない前記雌ねじ溝の端部を塑性変形することで、割れや欠けなどが生じることなく適切な塑性変形が可能となり、オーバーストローク時のねじ軸とナットの分離を防止できる。このような塑性変形は、前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、行うことができる。
前記ボールねじ機構は、治具を用いて組み付けられると好ましい。
第3の本発明のボールねじ機構において、前記ねじ軸を前記ナットに組み付けた後に、前記ナットの内周面より半径方向内方にある前記ねじ軸の所定部位に対して塑性変形を行うことによって、前記ナットの内周面より半径方向外方に延在するようにしたので、オーバーストローク時のねじ軸とナットの分離を防止できる。尚、塑性変形を行うねじ軸の一部には、熱処理を施さないことが望ましい。
前記ねじ軸の端面にくぼみを形成することによって、前記塑性変形が行われていると好ましい。
前記くぼみは、前記端面の全周もしくは一部に形成されていると好ましい。
前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、前記塑性変形が行われると好ましい。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態であるボールねじ機構の側面図であり、図2は、図1に示すボールねじ機構のボールねじの矢印IIで示す部分を拡大して示す図である。
図1において、不図示の電動モータに連結されるねじ軸1は、図示左方端部を軸受5によって不図示のハウジングに対して片持ち状態に支持され、その軸受5より更に左方端部にモータ等の回転駆動源を接続する。ねじ軸1の外周面には、雄ねじ溝1aが形成されている。軸線方向にのみ移動可能となるように支持された略円筒状のナット2は、ねじ軸1を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝2a(図1で不図示)を形成している。複数のボール3(図1にて不図示)が、対向する両ねじ溝間に形成された螺旋状の転走路内を転動自在となるように配置されている。ナット2には、ボール3の循環用のチューブ4が設けられている。
本実施の形態の動作を説明すると、不図示の電動モータからの動力がねじ軸1に伝達されると、転走路を転動し且つチューブ4を介して循環するボール3により、回転運動がナット2の軸線方向運動に効率よく変換され、ナット2に連結された不図示の被駆動部材を軸線方向に移動させることができる。
ところで、このボールねじ機構では、スぺースの関係から、ねじ軸1の図示右方端部までナット2を移動させるようになっている。しかるに、単に、ねじ軸1の端部までねじ溝を形成しただけでは、例えば図4に示すようにボール3はねじ溝内を転動し続けて、その端部から脱落してしまう。例えば、この実施形態の場合、前記ねじ軸1の右方端部を下方にして当該ねじ軸1の左方端部を持つと、ナット2の自重によってボール3が転動し、それに伴ってナット2が回転しながら、やがてねじ軸1の右方端部から抜け落ちてしまう。一方、組み付け時には、ねじ軸端部をボール3が通過できるようにする必要がある。これについて説明する。
図1に示すボールねじ機構の組立方法を説明する。ボール3の挿入は、例えば、図3に示すようなボール挿入治具10を用いて行う。このボール挿入治具10は、内孔部を縦向きにして位置決めされるナット2に対して相対的に上下方向に離接自在となり、ナット2の内孔部内に挿入可能なボール挿入ノズル11と、ナット2の外周部を保持可能なガイド筒12を備えている。
ガイド筒12には、不図示の位相合せピン等が設けられており、ナット2の係合孔に係合することで、ナット2とボール挿入ノズル11の位相を整合させるようにしている。
ボール挿入部11の外径は、ねじ軸1の雄ねじ溝1aの小径部に略等しい径とされるとともに、その下端には、ねじ軸1の上端に係脱自在に嵌合する係合突起部15が設けられている。
又、ボール挿入ノズル11には、ボール供給路16が設けられている。そしてこのボール供給路16は、ボール挿入ノズル11の上面に開口する入口からボール3の供給を受け、中間側面に開口する出口から送り出すことが出来るように構成され、上方の入口には不図示のフィーダ部が接続されている。尚、ボール挿入治具10は複数のボール供給路16…を備えており、各ボール供給路16…をそれぞれのボール循環路に配置することにより、複数のボール循環路にボールを同時に供給することができる。
例えば、3つのボール循環路を備えたナット2を従来の方法で組付けると、先ず第1のリターンピース取付孔から第1のボール循環路にボールを供給し、次に第2のリターンピース取付孔から第2のボール循環路にボールを供給し、次いで第3のリターンピース取付孔から第3のボール循環路にボールを供給するという工程を順次繰返す必要がある。このため、組付けに時間がかかるという不具合がある。しかし、かかるボール挿入治具によれば第1、第2、第3のボール循環路に同時にボールを供給することができるので、ねじ軸1の組付け時間を短縮することができる。
又、各ボール供給路16に対応して各挿入ロッド17を設けており、この挿入ロッド17を所定数のボール3の供給を受けた各ボール供給路16内に上方から挿入して、一定ストローク降下させるようにしている。
かかるボール挿入治具10は、例えば上方から接近してそのボール挿入ノズル11をナット2の内孔に挿入させ、位相合せピン13によってナット2の位相を合せた後、ナット2内周のボール循環路に所定数のボール3を供給する。
ボール3の挿入が終えると、上方から挿入ロッド17を降下させて確実なボール挿入を図った後、下方から垂直姿勢のねじ軸1を回転させながら上昇させ、その上端部を係合突起部15に係合させる。そしてそのままねじ軸1を回転させながら上昇させると、ボール挿入治具10はこれに押されて上動し、ナット2と離脱し始める。
一方、ねじ軸1とナット2は螺合を始め、この間ボール3は循環路に保持されたままである。つまり、同時に組み付けが完了する。以上のような方法によって、チューブ4を固着した後でもボール3の挿入は可能である。
ここで、ボール挿入ノズル11からねじ軸1へとナット2を螺合移動させるためには、図2(a)に示すように、雄ねじ溝1aの端部が、ボール3の通過を許容する形状になっている必要がある。一方、ナットが一旦ねじ軸1側へと移動した後に、雄ねじ溝1aの端部が、ボール3の通過を許容する形状になっていると、オーバーストローク時にナット2がねじ軸1から脱落する恐れがある。
そこで、本実施の形態においては、ナット2をねじ軸1へと螺合移動させた後に、図2(b)に示すように、ねじ軸1の雄ねじ溝1a間を、それに隣接して延在する山部1bを、所定部位として雄ねじ溝1aの端部もしくはその近傍において、カシメ治具CJを用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる。この際、押圧される反対側の雄ねじ溝1aの形状が変形しないように、当該ねじ溝形状に緊密に接触する治具を、カシメ治具CJと反対方向からあてがい、これにより押圧力を分散するのが望ましい。
かかる塑性変形により、雄ねじ溝1aの端部は変形して狭くなり、図2(c)に示すようにボール3の通過が不能となる。それによりオーバーストローク時にナット2がねじ軸1から脱落する恐れを回避できる。また、雄ねじ溝1aに隣接する山部1bをねじ軸1の径方向に押圧して塑性変形させるだけであるので、極めて容易にねじ軸1とナット2との抜け止め対策を施すことができる。勿論、従来のように冠状ストッパ等の別部材を取付ける必要も、それを制作する必要もないし、或いはボール溝の切り上がり部のためにねじ軸を軸方向に長くする必要もない。
尚、ねじ軸1の熱処理は、カシメ治具CJを用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位を除き、雄ねじ溝1aの全体(図1で示す部位H)にわたるようにすることで、その摩耗を抑制できる。一方、図2(c)に示す、カシメ治具CJを用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位については、熱処理を施さないことで、塑性変形を容易に行わせることができる。カシメ治具CJを用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる部位については、防炭処理を施すことが好ましい。
図4は、第2の実施の形態にかかるボールねじ機構の正面図であり、図5は、その断面図である。本実施の形態においては、ボール3の循環路をナット2ではなく、ねじ軸1側に設けている(符号4)。本実施の形態においては、ナット2の所定部位としての雌ねじ溝2aの端部もしくはその近傍(図5のC)における全周もしくは全周の一部で、雌ねじ溝2aに隣接する山部を半径方向内方から押圧して塑性変形させれば、雌ねじ溝2aの端部は変形して狭くなり、ボール3の通過が不能となる。それによりオーバーストローク時にナット2がねじ軸1から脱落する恐れを回避できる。尚、本実施の形態においても、ボール3の装填は、図3に示すような治具を用いて行うと好ましい。
更に、ナット2の熱処理は、カシメ治具を用いて半径方向内方から押圧し塑性変形させる所定部位を除き、雌ねじ2aの全体(図4で示す部位H)にわたるようにすることで、その摩耗を抑制できる。一方、図4に示す、カシメ治具を用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位については、熱処理を施さないことで、塑性変形を容易に行わせることができる。カシメ治具を用いて半径方向内方から押圧し塑性変形させる部位については、防炭処理を施すことが好ましい。
なお、山部の塑性変形は、必ずしも当該山部をねじ軸1もしくはナット2の径方向に押圧して行う必要はなく、例えばねじ溝端部の山部を軸方向に押圧してもねじ溝の幅を狭くすることは可能である。しかしながら、そのようにすると、ねじ軸又はナットにたわみや歪みが生じやすくなるので注意が必要である。
また、本発明は、前記チューブ式循環ボールねじ機構以外にも、例えばコマ式(デフレクター式)やエンドキャップ式など、種々のボールねじ機構に適用可能である。
図6は、第3の実施の形態であるボールねじ機構の断面図であり、図7は、図6に示すボールねじ機構のボールねじの部分断面図である。
図6において、不図示の電動モータに連結されるナット102は、回転のみ可能となるように軸受105で、不図示のハウジングに対して支持されている。なと102の内周面には、雌ねじ溝102aが形成されている。軸線方向にのみ移動可能となるように支持されたねじ軸101は、ナット102に包囲されるように配置され且つ図6で右側の外周面にのみ雄ねじ溝101aを形成している。複数のボール103が、対向する両ねじ溝間に形成された螺旋状の転走路内を転動自在となるように配置されている。ナット102には、ボール103の循環用のコマ(不図示)が設けられており、それを抑えるためのスリーブ107がナット102の外周に配置され、止め輪108により固定されている。
本実施の形態の動作を説明すると、不図示の電動モータからの動力がナット102に伝達されると、転走路を転動し且つコマを介して循環するボール103により、回転運動がねじ軸101の軸線方向運動に効率よく変換され、ねじ軸101に連結された不図示の被駆動部材を軸線方向に移動させることができる。
ところで、本実施の形態のように、ねじ軸101が図6で右半分にしか雄ねじ溝101aを形成していない場合、螺合した状態で、ねじ軸101がナット102の端部からはみ出さないため、第1の実施の形態のように、雄ねじ溝101aの端部を、半径方向外方からカシメて塑性変形させることができない。
そこで、本実施の形態では、所定部位としてのねじ軸101の端部を軸線方向からカシメることで、その端部の塑性変形を行っている。より具体的には、まず、図7(a)に示すように、ねじ軸101の端面に周溝状の凹部101bを鍛造などで形成しておく。このときのねじ軸101の外径をdとし、ナット102の内径をD(図6)とすると、D>dであるため、ナット102内にねじ軸101を挿入することができる。
更に、ねじ軸101をナット102に組み付けた後、不図示の治具をナット102内へ挿入して、図7(b)に示すように、凹部101bの矢印C部を全周もしくは全周の一部で、軸線方向から押圧して塑性変形させる。このとき、凹部101bが形成されているため、薄肉となった部位に比較的小さな力で大きな塑性変形を生じさせることができる。かかる塑性変形によって、図7(b)に示すように、ねじ軸101の端部外径がd’となるが、ナット102の内径Dに対して、d’>Dなる関係が成立すれば、ナット102の内周面より外方に延在することとなり、従って両者の分離防止を図れ、オーバーストローク時にナット102からねじ軸101が脱落する恐れを回避できる。
尚、ねじ軸101の熱処理は、治具を用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位を除き、雄ねじ溝101aの全体(図7(a)で示す部位H)にわたるようにすることで、摩耗を抑制できる。一方、治具を用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位(すなわち雄ねじ溝101aの端面)については、熱処理を施さないことで、塑性変形を容易に行わせることができる。かかる部位については、防炭処理を施すことが好ましい。
図8は、第4の実施の形態にかかるボールねじ機構のボールねじの部分断面図である。図8においては、雄ねじ溝は簡略化して図示している。本実施の形態においては、まず、図8(a)に示すように、ねじ軸201の端部に小円筒部201cを形成し、その端面に周溝状の凹部201bを鍛造などで形成しておく。このときの小円筒部201cの外径をdとする。
更に、ねじ軸201を不図示のナットに組み付けた後、図8(b)に示すように、凹部201bの矢印C部を全周もしくは全周の一部で、軸線方向から押圧して塑性変形させる。このとき、凹部201bが形成されているため、薄肉となった部位に比較的小さな力で大きな塑性変形を生じさせることができる。かかる塑性変形によって、小円筒部201cの最大外径d’がナットの内径より大きくなれば、オーバーストローク時にナットからねじ軸101が脱落する恐れを回避できる。
尚、ねじ軸201の熱処理は、治具を用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位を除き、雄ねじ溝の全体(図8(a)で示す部位H)にわたるようにすることで、摩耗を抑制できる。一方、治具を用いて半径方向外方から押圧し塑性変形させる所定部位(すなわち小円筒部201c)については、熱処理を施さないことで、塑性変形を容易に行わせることができる。小円筒部201cについては、防炭処理を施すことが好ましい。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
本実施の形態であるボールねじ機構の側面図である。 図1に示すボールねじ機構のボールねじの矢印IIで示す部分を拡大して示す図である。 ボール挿入治具10の断面図である。 第2の実施の形態にかかるボールねじ機構の正面図である。 第2の実施の形態にかかるボールねじ機構の断面図である。 第3の実施の形態であるボールねじ機構の断面図であり、(a)はナット挿入前の状態を示し、(b)はカシメ後の状態を示す。 図6に示すボールねじ機構のボールねじの部分断面図である。 第4の実施の形態にかかるボールねじ機構のボールねじの部分断面図であり、(a)はナット挿入前の状態を示し、(b)はカシメ後の状態を示す。
符号の説明
1、101、201 ねじ軸
2、102 ナット
3、103 ボール
4 チューブ
5、105,106 軸受
107 スリーブ
108 止め輪

Claims (10)

  1. 外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
    前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
    対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
    前記ねじ軸の所定部位と反対側に、前記ねじ軸の雄ねじ溝形状に緊密に接触する治具をあてがいながら、前記ねじ軸の所定部位における前記雄ねじ溝に隣接する山部を前記ねじ軸の径方向に押圧して塑性変形して、前記雄ねじ溝の幅を狭くしたことを特徴とするボールねじ機構。
  2. 前記ナットには、前記ボールの循環路が形成されており、前記ねじ軸は、前記雄ねじ溝の所定部位以外の部位が熱処理され、前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、前記所定部位が塑性変形されたことを特徴とする請求項に記載のボールねじ機構。
  3. 外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
    前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
    対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
    前記ナットの所定部位において、前記雌ねじ溝に隣接する山部を塑性変形して、前記雌ねじ溝の幅を狭くし、
    前記ナットは、前記雌ねじ溝の所定部位以外の部位が熱処理され、前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、前記所定部位が塑性変形されることを特徴とするボールねじ機構。
  4. 前記山部を前記ナットの径方向に押圧して塑性変形したことを特徴とする請求項に記載のボールねじ機構。
  5. 前記山部を前記ナットの軸方向に押圧して塑性変形したことを特徴とする請求項に記載のボールねじ機構。
  6. 前記ねじ軸には、前記ボールの循環路が形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のボールねじ機構。
  7. 前記ボールねじ機構は、治具を用いて組み付けられることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のボールねじ機構。
  8. 外周面に雄ねじ溝を形成したねじ軸と、
    前記ねじ軸を包囲するように配置され且つ内周面に雌ねじ溝を形成したナットと、
    対向する両ねじ溝間に形成された転走路に沿って転動自在に配置された複数のボールと、を有し、
    前記ねじ軸を前記ナットに組み付けた後に、前記ナットの内周面より半径方向内方にある前記ねじ軸の端面に、くぼみを形成する塑性変形を行うことによって、前記ナットの内周面より半径方向外方に延在するようにし、
    前記ナットの内径をD、前記ねじ軸端面の塑性変形前の外径をd、前記ねじ軸端面の塑性変形後の外径をd’としたときに、d’>D>dが成立することを特徴とするボールねじ機構。
  9. 前記くぼみは、前記端面の全周もしくは一部に形成されていることを特徴とする請求項に記載のボールねじ機構。
  10. 前記ねじ軸を前記ナットに組み付け、且つ前記ボールを前記転走路内に装填した後、前記塑性変形が行われることを特徴とする請求項8又は9に記載のボールねじ機構。
JP2004260775A 2003-09-24 2004-09-08 ボールねじ機構 Active JP4688057B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004260775A JP4688057B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-08 ボールねじ機構

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003331453 2003-09-24
JP2003331453 2003-09-24
JP2004260775A JP4688057B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-08 ボールねじ機構

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005121216A JP2005121216A (ja) 2005-05-12
JP2005121216A5 JP2005121216A5 (ja) 2007-10-18
JP4688057B2 true JP4688057B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=34621924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004260775A Active JP4688057B2 (ja) 2003-09-24 2004-09-08 ボールねじ機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4688057B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4812589B2 (ja) * 2006-10-19 2011-11-09 Ntn株式会社 ボールねじナットの抜け止め装置及びその方法
JP4895329B2 (ja) * 2007-01-12 2012-03-14 日本精工株式会社 ボールねじ機構
JP4998252B2 (ja) * 2007-12-25 2012-08-15 株式会社ジェイテクト ボールねじ
JP5012564B2 (ja) * 2008-02-28 2012-08-29 日本精工株式会社 ボールねじ機構
JP6302301B2 (ja) * 2014-03-14 2018-03-28 Ntn株式会社 ボールねじおよびその製造方法
WO2021049430A1 (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 日本精工株式会社 転造ねじ及び転造ねじの製造方法
JP7302721B2 (ja) * 2020-01-22 2023-07-04 日本精工株式会社 ボールねじの製造方法及び仮ナット

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5429265U (ja) * 1977-07-29 1979-02-26
JPS6238735A (ja) * 1985-08-13 1987-02-19 Sannohashi Seisakusho:Kk ねじ部に平面部を有するボルトの製造方法
JPH0459530U (ja) * 1990-09-28 1992-05-21
JPH08132166A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Sannohashi:Kk ねじ部に平面部を有するボルトの製造方法及びボルト
JPH09177925A (ja) * 1995-12-26 1997-07-11 Thk Kk 伸縮継手
JPH11267982A (ja) * 1998-03-23 1999-10-05 Honda Motor Co Ltd ボールねじの組替え治具
JPH11315817A (ja) * 1998-05-08 1999-11-16 Mitsui Wood Syst Inc ラグスクリューボルト及び植込用ナット
JP2001074023A (ja) * 1999-09-02 2001-03-23 Kaieitechno Co Ltd コンクリート製品用アンカーボルトのねじ山潰し機
JP2001295022A (ja) * 2000-04-12 2001-10-26 Toshiba Henden Kiki Technology Kk 部分浸炭焼入れ処理方法
JP2004036682A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Nissan Motor Co Ltd アースナット、アースナットの生産方法およびアースナットを用いるアース方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5429265U (ja) * 1977-07-29 1979-02-26
JPS6238735A (ja) * 1985-08-13 1987-02-19 Sannohashi Seisakusho:Kk ねじ部に平面部を有するボルトの製造方法
JPH0459530U (ja) * 1990-09-28 1992-05-21
JPH08132166A (ja) * 1994-11-10 1996-05-28 Sannohashi:Kk ねじ部に平面部を有するボルトの製造方法及びボルト
JPH09177925A (ja) * 1995-12-26 1997-07-11 Thk Kk 伸縮継手
JPH11267982A (ja) * 1998-03-23 1999-10-05 Honda Motor Co Ltd ボールねじの組替え治具
JPH11315817A (ja) * 1998-05-08 1999-11-16 Mitsui Wood Syst Inc ラグスクリューボルト及び植込用ナット
JP2001074023A (ja) * 1999-09-02 2001-03-23 Kaieitechno Co Ltd コンクリート製品用アンカーボルトのねじ山潰し機
JP2001295022A (ja) * 2000-04-12 2001-10-26 Toshiba Henden Kiki Technology Kk 部分浸炭焼入れ処理方法
JP2004036682A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Nissan Motor Co Ltd アースナット、アースナットの生産方法およびアースナットを用いるアース方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005121216A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7900358B2 (en) Method of manufacturing rolling bearing device for wheel
WO2009139137A1 (ja) 車輪用軸受装置の加工方法
JP4688057B2 (ja) ボールねじ機構
US9180734B2 (en) Machining tool for vehicle hub unit and vehicle hub unit
JP2008281063A (ja) ボールねじ機構
JP2007211793A (ja) ボールねじ軸の支持構造
KR20120087922A (ko) 샤프트 드라이브용 나사 샤프트의 제조 방법, 상기 나사 샤프트를 포함하는 롤러 스크루 드라이브, 및 상기 롤러 스크루 드라이브의 용도
JP4604634B2 (ja) 転がり軸受装置とその製造方法
JP2001280360A (ja) 等速自在継手の外側継手部材
KR102639868B1 (ko) 요동 스웨이징 장치, 허브 유닛 베어링의 제조 방법 및 차량의 제조 방법
JP2005233358A (ja) ボールねじ軸の支持構造
JP6222197B2 (ja) 転がり軸受ユニットの製造方法及び製造装置、車両の製造方法
EP3486000A1 (en) Method and apparatus for manufacturing bearing unit for supporting wheel and method for manufacturing vehicle
JP4114368B2 (ja) 駆動輪用転がり軸受ユニットの製造方法
JP4775629B2 (ja) ボールねじ機構
JP4239249B2 (ja) 軸受装置の製造方法
JP2006105388A (ja) ボールねじ機構の製造方法
JP2017067254A5 (ja)
JP5533108B2 (ja) ボールねじ装置
JP4716244B2 (ja) ボールねじ機構
JP2007333125A (ja) ボールねじの支持構造
EP2634013B1 (en) Wheel support device
JP2007182989A (ja) ボールねじ機構
JP4888681B2 (ja) ボールねじ機構
JP4811784B2 (ja) ボールねじ機構及びボールねじ機構の組み付け方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070830

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4688057

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110206

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3