JPH11267982A - ボールねじの組替え治具 - Google Patents

ボールねじの組替え治具

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JPH11267982A
JPH11267982A JP7390998A JP7390998A JPH11267982A JP H11267982 A JPH11267982 A JP H11267982A JP 7390998 A JP7390998 A JP 7390998A JP 7390998 A JP7390998 A JP 7390998A JP H11267982 A JPH11267982 A JP H11267982A
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秀範 倉橋
Takeshi Kuribayashi
剛 栗林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールねじの列ごとのボールの交換やねじ軸
の交換が容易に行え効率的な組替え作業ができる簡単な
構造の組替え治具を供する。 【解決手段】 ねじ軸にボールを介してナットが螺合す
るボールねじの組替え治具において、円柱体2と同円柱
体2に回動自在に嵌合する外筒12とからなり、円柱体2
は、一端面の端面開口から軸方向にボール通路5,6,
7,8が穿孔され所定先端位置で屈曲して外周面に周面
開口5a,6a,7a,8aが形成され、前記外筒12
は、ボールねじのねじ溝の小径部に略等しい外径を有
し、円柱体2に対して所定相対回動位置でボール通路
5,6,7,8の周面開口5a,6a,7a,8aに合
致する孔15,16,17,18が、周壁の所定位置に形成され
たボールねじの組替え治具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじの組替
え治具に関する。
【0002】
【従来の技術】ボールねじは、ねじ軸にボールを介して
ナットが螺合される構造のもので、デフレクタをナット
に固着した状態で組立てを行うデフレクタ組込み型ボー
ルねじの場合、ナットに嵌入されたボール挿入治具によ
りナットの内面のねじ溝の循環路にボールが内側から挿
入され、ボールを残したままボール挿入治具をナットか
ら抜くのと連続してねじ軸を螺入して組立てを行う。
【0003】こうして組立てられるボールねじの精度を
確保するため、ねじ軸のねじ溝の測定データに基づいて
ナットを研削加工した上で、最適クリアランスを得られ
るボール径を選択するようにしていた。
【0004】しかし諸々の測定誤差や3次元的な加工バ
ラツキ等によってボール径の選択調整限界を越えてしま
う場合があり、前記したように組立てられたボールねじ
の品質保証測定を行うと、きつすぎて円滑な動きができ
なかったり、逆にガタが生じている場合がある。
【0005】このように満足する組付け精度の得られな
いボールねじは、結局ねじ軸,ナット,ボールに分解し
てそれぞれ別個に新たなボールねじの構成部品として利
用するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】デフレクタ式ボールね
じは、複数列のボール循環路がねじ軸とナットとの間に
形成されており、各列の循環路に挿入されるボールに各
列ごとに若干径の異なるボールを使用する場合があり、
ボールねじを分解したとき、これら径の異なるボールが
混じり合ってしまい、再使用するためには再度ボールを
1個ごと測定し直さなければならない面倒がある。
【0007】またある列のボールだけを交換したいよう
な場合でも、列ごとにボールを抜き取ることができず結
局全部分解することになり、ボールねじの組替え作業が
面倒である。
【0008】さらにねじ軸だけの交換で必要な組付け精
度が得られそうな場合でも、ボールねじを分解した後
は、再び最初から組立てを行わなければならず、組替え
作業が効率的に行えない。
【0009】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的とする処は、ボールねじの列ごとのボールの交
換やねじ軸の交換が容易に行え効率的な組替え作業がで
きる簡単な構造の組替え治具を供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明は、ねじ軸にボールを介して
ナットが螺合するボールねじの組替え治具において、円
柱体と同円柱体に回動自在に嵌合する外筒とからなり、
前記円柱体は、一端面の端面開口から軸方向にボール通
路が穿孔され所定先端位置で屈曲して外周面に周面開口
が形成され、前記外筒は、ボールねじのねじ溝の小径部
に略等しい外径を有し、前記円柱体に対して所定相対回
動位置で前記ボール通路の周面開口に合致する孔が、周
壁の所定位置に形成されたボールねじの組替え治具とし
た。
【0011】端面開口を下に向けた姿勢の該組替え治具
の上端にねじ軸を連結して、ねじ軸に螺合したナットを
回転させながら下降して組替え治具の外筒に嵌挿する
と、ナットの内面のねじ溝に挿入されたボールはボール
ねじのねじ溝の小径部に略等しい外径を有する外筒で保
持された状態となるので、外筒を円柱体に対して回動し
て所定回動位置に一致させると外筒の孔が円柱体の周面
開口と合致し、ねじ溝に挿入されたボールが外筒の孔か
ら周面開口に入り、ボール通路を通って端面開口から外
へ落下して1つの循環路をなすねじ溝にあったボールを
全て抜き取ることができる。
【0012】この状態で新たなボールを逆のルートを通
ってナットのねじ溝に挿入することが可能であり、挿入
後ナットを元のねじ軸に螺入すれば、ボールだけの交換
を円滑に速やかに行うことができる。
【0013】さらに端面開口を下に向けた姿勢の該組替
え治具の上端にねじ軸を連結して、ねじ軸に螺合したナ
ットを回転させながら下降して組替え治具の外筒に嵌挿
すると、ナットの内面のねじ溝に挿入されたボールはボ
ールねじのねじ溝の小径部に略等しい外径を有する外筒
で保持されるので、この状態でフリーとなったねじ軸を
新たなねじ軸に交換し、再びナットを上昇させて新たな
ねじ軸に螺合させることができる。
【0014】このようにボールねじのねじ軸だけを交換
することが、簡単な作業で効率良く行うことができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載のボ
ールねじの組替え治具において、前記円柱体には、前記
ボール通路が周方向に間隔を存して複数本穿孔され、各
ボール通路の先端の前記周面開口は軸方向に互いに異な
る位置にあり、前記外筒には、複数の前記孔が前記ボー
ル通路の各周面開口と同じ軸方向位置にそれぞれ対応し
て形成されたことを特徴とする。
【0016】デフレクタ式ボールねじが、ねじ軸とナッ
トとの間に介装されるボールの循環路を複数列備えてい
る場合に、ねじ軸の代わりに該組替え治具をナットに嵌
挿し各列の循環路に対応する軸方向位置に円柱体の周面
開口と外筒の孔をそれぞれ対応させ、外筒を回動して1
つの孔を円柱体の1つの周面開口に合わせると対応する
ナットのボール循環路のボールが外筒の孔から周面開口
に入り、ボール通路を通って端面開口から外へ落下して
1つの循環路のねじ溝にあったボールを全て抜き取るこ
とができ、また外筒を回動して別の孔を別の周面開口に
合わせると別の循環路のボールを抜き取ることができ
る。
【0017】このように複数列の循環路を有するデフレ
クタ式ボールねじの場合に、各列の循環路を列ごとにボ
ールを抜き取ることができ、また列ごとに新たなボール
を逆のルートを通ってナットのねじ溝に挿入することが
可能であり、ボールだけの交換を簡単に行うことができ
る。
【0018】複数列の循環路に挿入されているボールが
列ごとに若干径が異なる場合、列ごとにボールを抜き取
ることができるので、分解時に径の異なるボールが混じ
り合うことを回避して分別回収することができ、再度ボ
ール径を測定することなくすぐに再使用に供することが
でき作業効率を向上させることができる。
【0019】請求項3記載の発明は、請求項1または請
求項2記載のボールねじの組替え治具において、前記円
柱体の前記端面開口を有する端部にフランジが形成さ
れ、他端部に前記外筒の外径と同径の抜止部材がねじ止
めされて設けられ、前記円柱体に回動自在に嵌合する前
記外筒が、前記フランジと前記抜止部材とで両側から軸
方向に関して位置決めされることを特徴とする。
【0020】ボールねじの組替え治具において円柱体に
外筒を軸方向位置を固定して回動自在に嵌合することが
簡単な構造で構成することができる。抜止部材が円柱体
にねじ止めされるので、ねじを緩め抜止部材を取れば外
筒を円柱体から取り外すことができ、円柱体だけを用い
てナットのねじ溝の循環路にボールを挿入することも可
能であり、複数列の循環路があっても同時に各列の循環
路にボールを挿入することができる。
【0021】請求項4記載の発明は、請求項3記載のボ
ールねじの組替え治具において、前記抜止部材には、同
軸にねじ軸を係合連結する係合手段が形成されたことを
特徴とする。
【0022】係合手段により抜止部材に係合してねじ軸
を同軸に連結することが、確実にかつ容易にでき、組替
え作業を効率良く行うことができる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4までのいずれかの項記載のボールねじの組替え治具
において、前記円柱体の端面開口を有する端部に同軸に
トルク測定手段を連結できる連結手段を備えたことを特
徴とする。
【0024】連結手段を介して円柱体にトルク測定手段
を連結することで、該ボールねじの組替え治具を用いて
組立てられたボールねじの作動トルクを速やかにかつ簡
単に測定して組替えの必要があるか否かを簡易的に判断
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図10に図示し説明する。本実施の形
態に係るボールねじの組替え治具1の斜視図を図1に図
示し、その分解斜視図を図2に、縦断面図を図3に、下
面図を図4にそれぞれ図示する。
【0026】組替え治具1は、主要構成部品として円柱
体2と外筒12からなる。円柱体2は、その一端部に円環
状のフランジ3が形成され、円柱体2の同フランジ3側
端面2aには、図3および図4に図示するように中心部
に突起4が突出しており、他端面は図2に示すように周
縁部を残して内側に底の浅い凹部2bが形成され、その
凹部2bの中心部に有底のボルト穴2cが形成されてい
る。
【0027】円柱体2には、中心軸の周りに互いに90
度の間隔を存して軸方向に指向した4本のボール通路
5,6,7,8が穿孔されており、各ボール通路5,
6,7,8は、フランジ3側の突起4の周りの端面2a
に端面開口5a,6a,7a,8aを形成している。
【0028】各ボール通路5,6,7,8は、端面開口
5a,6a,7a,8aから軸方向へそれぞれ所定長さ
順次延びて斜め遠心方向に屈曲して円柱体2の外周面2
dに貫通して周面開口5b,6b,7b,8bを形成し
ている。
【0029】この周面開口5b,6b,7b,8bは、
周方向には互いに90度の間隔を有し、軸方向には順次
等間隔の所定位置にあり、ボールねじ50のナット52の内
面に形成されるねじ溝のボール53が循環する4列の循環
路に各周面開口5b,6b,7b,8bが対応する位置
関係にある。
【0030】フランジ3の外周面の上縁部に軸中心にし
て周面開口5b,6b,7b,8bに対応する各周方向
位置に三角形状の指標95 ,96 ,97 ,9 8が刻設さ
れている。
【0031】一方外筒12は、内径が円柱体2の外径より
僅かに大きく、外径がボールねじ50のねじ軸51のねじ溝
の小径に略等しい薄肉の円筒であり、一端にフランジ13
が設けられている。フランジ13は、円柱体2のフランジ
3と同じ外径で略同じ厚みを有する円環状をなしてい
る。
【0032】外筒12の周壁に軸方向に指向して1列に4
つの円孔15,16,17,18が軸方向所定位置に設けられて
おり、各円孔15,16,17,18のフランジ13の端面からの
軸方向距離は、円柱体2のフランジ3の端面2aと反対
の面からの周面開口5b,6b,7b,8bまでの軸方
向距離とそれぞれ等しい。フランジ13の外周面はしぼ加
工が施され、その下縁部に軸中心にして1列の円孔15,
16,17,18に対応する周方向位置に三角形状の指標19が
刻設されている。
【0033】円柱体2を外筒12内に挿入して円柱体2の
フランジ3に外筒12のフランジ13を当接すると、円柱体
2に対して外筒12が回動自在に嵌合するが、このように
嵌合した状態で外筒12を回動し、外筒12側の指標19を円
柱体2側の4つの指標95 ,96 ,97 ,98 のいずれ
かに合わせると、円孔15,16,17,18のいずれかの1つ
が対応する周面開口5b,6b,7b,8bの1つと合
致する。
【0034】例えば円柱体2に対して外筒12を回動して
指標19を指標95 に合わせると、外筒12の円孔15が円柱
体2の周面開口5bと合致し、ボール通路5が円孔15を
介して外筒12の外方に抜ける。
【0035】このように円柱体2に外筒12を嵌合した
後、抜止部材21が円柱体2の端部にボルト23により固着
される。抜止部材21は、外径が外筒12の外径と等しく、
一端面に円柱体2の凹部2bに係合する凸部21bが突出
し(図3参照)、中心部に段部を介してボルト孔21cが
穿設されている。
【0036】抜止部材21の他端面には、周縁部21dの対
向する部分が軸方向に突出した突起22,22が設けられて
いる。突起22は、ボールねじ50のねじ軸51の端部の係合
溝に係合して連結する手段として用いられる。
【0037】かかる抜止部材21が円柱体2の端部に、凹
部2bと凸部21bを係合させてあてがわれ、ボルト23を
ボルト孔21,ボルト穴2cに螺合して固着する。すると
円柱体2に嵌合された外筒12は、抜止部材21により抜け
止めされると同時に、円柱体2に対して周方向の回動を
自在としてフランジ3と抜止部材21により両側を規制さ
れて軸方向の位置決めがなされる。
【0038】こうして簡単な構造のボールねじの組替え
治具1が組付け構成される。この組替え治具1を図5に
示すように支持台30に支持させて使用する。支持台30
は、基台31の上にねじ軸51より長尺の一対の支柱32,32
が立設され、支柱32,32の上端面にさらにガイド棒32
a,32aが鉛直上方に突設されている。
【0039】この左右の支柱32,32に架設される昇降支
持板34は、両端をガイド棒32a,32aに貫通されて支柱
32,32の上端面との間にスプリング33,33を介して昇降
自在に支持される。この昇降支持板34の中央部にナット
52の外径よりいくらか大きい内径の円筒状のナット保持
部材35が上下を貫通するようにして固着されており、同
ナット保持部材35の一方の開口端部にナット52を締付け
保持するチャック36が備えられている。
【0040】また支柱32,32の途中の高さに水平板37が
架設されており、同水平板37の中央部は貫通孔37aが形
成されており、水平板37の下面で貫通孔37aの両側に一
対のシリンダ38,38が下方に垂設され、両シリンダ38,
38の下方に突出したシリンダロッド38a,38aの下端に
昇降板39が固着されている。この昇降板39の中央に円錐
突起40が突設されている。
【0041】以上の支持台30および組替え治具1で組立
ておよび組替えを行うボールねじ50は、ねじ溝に4列の
ボールの循環路があるデフレクタ式ボールねじであり、
4個のデフレクタはボール53の挿入前に予めナット52に
組み込まれ、ボール53はナット52の内側から挿入する。
【0042】いま図5に示すようにボールねじ50のデフ
レクタを組み込んだナット52をナット保持部材35のチャ
ック36により保持し、本組替え治具1を抜止部材21を下
にしてナット52に上から嵌入する。
【0043】そしてボールねじ50のねじ軸51を水平板37
の貫通孔37aに縦方向に貫通させ、下端を下方位置にあ
る昇降板39の突起40に回転自在に支持させ、上端の係合
部を前記上方の組替え治具1の抜止部材21の突起22に係
合してねじ軸51の上に組替え治具1を鉛直方向に同軸に
連結する。
【0044】シリンダ38,38を駆動してねじ軸51とその
上に連結された組替え治具1を昇降してナット52に対す
る組替え治具1の相対的位置を調節すると、外筒12の4
つの円孔15,16,17,18をナット52の内面のねじ溝の4
列の循環路と軸方向位置で一致させることができる。
【0045】この状態で円柱体2に対して外筒12を回動
して外筒12の指標19を円柱体2の指標95 ,96
7 ,98 の1つ、例えば指標95 に合わせると、円柱
体2の上に向いた端面2aに開口した端面開口5aから
延びるボール通路5が周面開口5b,円孔15を介してナ
ット52のねじ溝の1列の循環路に連通するので、端面開
口5aから適切なボール径のボール53を順次入れてロッ
ドで押し込むようにして循環路にボール53を挿入するこ
とができる。
【0046】次ぎに外筒12を回動して外筒12の指標19を
円柱体2の指標96 に合わせれば、前記と同様にして次
ぎの列の循環路にボール53を挿入することができ、この
ようにして4列の循環路に順次ボール53の挿入ができ
る。
【0047】ナット52のねじ溝にボール53の挿入を終え
た後、シリンダ38,38を駆動してねじ軸51とその上に連
結された組替え治具1を上昇させ、ねじ軸51を回転させ
ながらねじ軸51をボール53を介してナット52に螺合して
組替え治具1に代わってねじ軸51を挿入しボールねじ50
を組立てることができる。
【0048】このボールねじ50の組立てを含むボールね
じ50の適合製造手順および組替えの手順を図6のフロー
チャートに示し、同図ステップに従い以下説明する。ま
ずねじ軸51のねじ溝を転造加工し(ステップ1)、熱処
理したのち、ねじ溝のBCD(ねじ軸と理論的接触点で
接触する球の中心を包含する円筒径)とリードを測定す
る(ステップ2)。
【0049】このねじ軸51の測定データに基づいてナッ
ト52の研削加工が行われる(ステップ3)。高い精度の
加工が期待できないねじ軸51を先に加工成形し、その測
定データをもとに精密加工できるナット52の研削加工す
ることで、ねじ軸51に適合したナット52を製造し組み合
わせることが可能である。
【0050】そして研削加工したナット52を熱処理して
ねじ溝のBCD,リードを測定する(ステップ4)。こ
のナット52の測定データと前記ねじ軸51の測定データを
もとに誤差を吸収する最適ボール径のボール53を選択し
(ステップ5)、前記したように組替え治具1を利用し
てボールねじ50の組立てを行う(ステップ6)。
【0051】そして組立てられたボールねじ50のバック
ラッシュ測定やフリクション測定等の品質保証測定を行
い(ステップ7)、良品か否かを判別する(ステップ
8)。良品ならば払出し(ステップ9)、良品でなけれ
ばステップ10に飛んで組替え作業に入る。
【0052】ステップ10では諸々の測定誤差や3次元
的な加工バラツキ等によってボール径の選択調整限界す
なわち想定した調整範囲を越えているか否かを判別し、
調整範囲内にあればステップ11に進み、新たな最適ボ
ール53を選択し、ボール53の交換を行う(ステップ1
2)。
【0053】またステップ10で調整範囲を越えていれ
ばステップ13に飛んで、新たな最適ねじ軸51を選択
し、ねじ軸51の交換を行う(ステップ14)。このねじ
軸51の交換と前記ボール53の交換における組み替え作業
は、図7および図8に示すように組替え治具1を使用し
て行う。
【0054】すなわち昇降支持板34を図5に示す状態と
は上下反対にして支柱32,32の上端のガイド棒32a,32
aに嵌装させ、ナット保持部材35の下端に中空円板状の
底板41を固定し、組替え治具1を円柱体2のフランジ3
を下にして底板41に載せ垂直に立てる。
【0055】円柱体2の端面2aの周縁フランジ3部分
が底板41に支持され、中央の4つの端面開口5a,6
a,8a,9aは底板41の中空部に対応して下方に開口
している。なお組替え治具1の上端の抜止部材21にはそ
の突起22を使用して前記した組立て時に同軸に係合され
たボールねじ50のねじ軸51が、連結されている(図7参
照)。
【0056】かかる状態からナット52をねじ軸51に対し
て回転しながら下降して、ねじ軸51からから抜き、下方
に連結された組替え治具1の外筒12に嵌装させ、図8に
示すようにナット52を所定高さ位置でチャック36が掴む
ように保持する。
【0057】このチャック36がナット36を保持する前の
状態でねじ軸51の交換ができ、新たなねじ軸51を組替え
治具1の抜止部材21に連結して再びナット52を上昇さ
せ、ねじ軸51に螺合すれば、ステップ14のボールねじ
50のねじ軸51だけの交換ができる。
【0058】また図8に示す状態で、組替え治具1の外
筒12を円柱体2に対して相対的に回動して外筒12の指標
19を円柱体2の指標95 ,96 ,97 ,98 の所定の1
つ、例えば指標96 に合わせると、図9に示すように
外筒12の円孔16が円柱体2の周面開口6bと合致し、下
方に延びるボール通路6と連通するので、ナット52のね
じ溝の下から第2列の循環路に挿入されていたボール53
がボール通路6に流れ出し端面開口6aから落下して抜
き取ることができる。
【0059】外筒12を円柱体2に対して相対的に回動し
て外筒12の指標19を円柱体2の指標95 に一致させれ
ば、図9に示すように第1列の循環路からボール53を
抜き取ることができ、同様に図9は第3列の循環路、
図9は第4列の循環路からそれぞれ独立にボール53を
抜き取ることができる。
【0060】このようにナット52のねじ溝の各循環路の
うち所要の循環路のボール53を選択的に抜き取ることが
簡単にできる。必要ならば全列の循環路から全てのボー
ル53を抜き取ることができる。そして再び図5に示すよ
うにセットして新たなボール53を所要の循環路に挿入す
ることができ、ボールの交換を行う(ステップ12)。
【0061】以上のようにボール53の交換(ステップ1
2)またはねじ軸51の交換(ステップ12)が行われボ
ールねじ50が新たに組立てられると、ステップ15に進
み、ボールねじ50の簡易的なトルク測定が行われる。こ
のトルク測定においても組替え治具1が利用される。
【0062】すなわち図10に図示するようにボールね
じ50をシリンダ38,38により適当な高さ上昇させた昇降
板39の円錐状をした突起40にボールねじ50のねじ軸51を
回転自在に立設し、ねじ軸51に螺合したナット52をナッ
ト保持部材35のチャック36が保持する。
【0063】そしてねじ軸51の上端には突起21を介して
組替え治具1が連結しているので、、この組替え治具1
の上端の円筒体1の端面2aに突出した突起4にトルク
メータ45の作動部を嵌着して取り付ける。
【0064】ナット52は、ナット保持部材35に保持され
て回転を規制されているが、昇降板39とともに昇降可能
であり、かつスプリング33,33を介して支持されてお
り、ナット52の多少の上下変動があってもナット52およ
びナット保持部材35,昇降支持板34の荷重がねじ軸51と
の螺合部分に影響することを極力避けている。この状態
でトルクメータ45の本体部を回転すると、トルクメータ
45の作動部と一体に組替え治具1を介してねじ軸51が回
転する。
【0065】ねじ軸51は、回転を規制されたナット52と
の間でボール53を介して回転し、ナット52は前記したよ
うに上下方向の荷重がねじ軸51に影響を与えることなく
移動するので、ねじ軸51と一体の作動部にはボールねじ
50の螺合による摩擦力が抵抗として働き、トルクメータ
45の本体部との間で相対的な回転変位が生じ、この回転
変位からトルクメータ45はボールねじ50のトルクを簡易
的に測定することができる。
【0066】こうして再組立てされたボールねじ50のト
ルクが測定されると(ステップ15)、ステップ16で
トルク測定値が所定範囲内にあるか否かを判別し、所定
範囲内にあればステップ7に戻って本格的に品質保証測
定を行って、良品と判断されれば(ステップ8)、払い
出される(ステップ9)。
【0067】ステップ16でトルク測定値が所定範囲内
にないと判別されたときは、ステップ17に進み、ボー
ルねじ50は分解される。分解に際しては、図7に示すよ
うに支持台30に組替え治具1を介してボールねじ50を連
結支持し、図8に示すようにナット52を下降してねじ軸
51から組替え治具1に移し、ねじ軸51を外し、次いで前
記したようにナット52のねじ溝の4列の循環路に挿入さ
れていたボール53を、列ごとに分けて抜き取ることがで
きる。
【0068】こうしてボールねじ50を構成するねじ軸5
1,ナット52,ボール53を別々に回収するのはもとよ
り、ボール53は循環路の列ごとに分けて分別回収するこ
とができる(ステップ18)。
【0069】したがって1ボールねじ50において、循環
路に挿入されるボール53が列ごとにボール径が僅かに異
なる場合に、列ごとに分別回収できるので、径の異なる
ボール53が混じり合って再度ボール径を測り直さなけれ
ばならないようなことは避けることができ、すぐに再使
用に供することができる。
【0070】なおボールねじ50の組立てにおいて、組替
え治具1の円柱体2は、外筒12がなくともナット52内に
嵌挿されると、ナット52のねじ溝に挿入されたボール53
をその周面で保持することができる外径を有しいるの
で、外筒12を外した円柱体2を図5の組替え治具1のよ
うに使用すれば上面となる端面2aの4つの端面開口5
a,6a,7a,8aから同時にボールを押し込んでナ
ット52の4列の循環路に挿入することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る組替え治具の斜視
図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】同組替え治具の縦断面図である。
【図4】同下面図である。
【図5】組立て作業時の支持台,組替え治具,ボールね
じの一部断面とした側面図である。
【図6】ボールねじの適合製造手順および組替えの手順
を示すフローチャートである。
【図7】ボールねじの組替えの1過程を示す一部断面と
した側面図である。
【図8】ボールねじの組替えのさらに進んだ1過程を示
す一部断面とした側面図である。
【図9】ナットのねじ溝の循環路に挿入されたボールを
循環路の列ごとに抜き取る状態を示す組替え治具の断面
図と下面図を列ごとに示した図である。
【図10】トルク測定時の支持台,組替え治具,ボール
ねじの一部断面とした側面図である。
【符号の説明】
1…組替え治具、2…円柱体、3…フランジ、4…突
起、5,6,7,8…ボール通路、95 ,96 ,97
8 …指標、12…外筒、13…フランジ、15,16,17,18
…円孔、19…指標、21…抜止部材、22…突起、23…ボル
ト、30…支持台、31…基台、32…支柱、33…スプリン
グ、34…昇降支持板、35…ナット保持部材、36…チャッ
ク、37…水平板、38…シリンダ、39…昇降板、40…突
起、41…底板、45…トルクメータ、50…ボールねじ、51
…ねじ軸、52…ナット、53…ボール。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸にボールを介してナットが螺合す
    るボールねじの組替え治具において、 円柱体と同円柱体に回動自在に嵌合する外筒とからな
    り、 前記円柱体は、一端面の端面開口から軸方向にボール通
    路が穿孔され所定先端位置で屈曲して外周面に周面開口
    が形成され、 前記外筒は、ボールねじのねじ溝の小径部に略等しい外
    径を有し、前記円柱体に対して所定相対回動位置で前記
    ボール通路の周面開口に合致する孔が、周壁の所定位置
    に形成されたことを特徴とするボールねじの組替え治
    具。
  2. 【請求項2】 前記円柱体には、前記ボール通路が周方
    向に間隔を存して複数本穿孔され、各ボール通路の先端
    の前記周面開口は軸方向に互いに異なる位置にあり、 前記外筒には、複数の前記孔が前記ボール通路の各周面
    開口と同じ軸方向位置にそれぞれ対応して形成されたこ
    とを特徴とする請求項1記載のボールねじの組替え治
    具。
  3. 【請求項3】 前記円柱体は、前記端面開口を有する端
    部にフランジが形成され、他端部に前記外筒の外径と同
    径の抜止部材がねじ止めされて設けられ、 前記円柱体に回動自在に嵌合する前記外筒は、前記フラ
    ンジと前記抜止部材とで両側から軸方向の位置決めがな
    されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    ボールねじの組替え治具。
  4. 【請求項4】 前記抜止部材には、同軸にねじ軸を係合
    連結する係合手段が形成されたことを特徴とする請求項
    3記載のボールねじの組替え治具。
  5. 【請求項5】 前記円柱体の端面開口を有する端部に同
    軸にトルク測定手段を連結できる連結手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの項
    記載のボールねじの組替え治具。
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