JP4685877B2 - 微結晶粒の方位分布測定方法及びその装置 - Google Patents

微結晶粒の方位分布測定方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば超電導線材として利用される、YBCO膜(層)などの微結晶粒について、その結晶粒の方位分布を測定するための微結晶粒の方位分布測定方法及びその装置に関し、特に、金属テープ上に成長させた上記の微結晶粒を、その線材の製造工程において連続的に測定することが可能な微結晶粒の方位分布測定方法及びその装置に関する。
超伝導は、電気的抵抗を完全に零(0)にすることから、現在そして将来において、例えば、MRIやリニアモータカーなどに代表される製品において応用される省エネのための技術であり、各種の材料が開発され、研究されている。また、かかる超伝導は、その主な応用分野としては、上記の特性からコイル機器がほとんどであり、そのため、超伝導材料は線材、即ち、超電導線材として製造されることが望まれており、例えば以下のような種々の製造方法が既に提案され、実用化されている。
特開2005−129529号公報 山田穣 「異方性を利用した超電導線材の製作プロセス」マテリアルインテグレーション Vol.18No.2(2005) 平成13年5月14日発表の新聞発表記事 「高特性超電導線材で20倍の製造速度を達成−10mY系超電導線材で実証−」(株)フジクラ 材料技術研究所、中部電力(株)電力技術研究所、(財)国際超電導産業技術研究センター超電導工学研究所 平成13年5月14日発表の新聞発表記事 「高温超電導線材(YBCO)で世界記録を達成−長さ×電流値8335A・m(45.8m長で臨界電流値182A)で大幅に記録更新−」、(財)国際超電導産業技術研究センター
即ち、特に、上記の非特許文献1〜3によれば、Y系超伝導線材の製造方法として、多結晶ハステロイ金属テープの表面上に、酸化物の中間層などを介して、YBCO層をPLD(Pulsed Laser Deposition)などでエピタキシャル成長させ、もって、超電導線材を製造する方法が既に知られている。
その際、金属テープの表面上に成長された超伝導材は、その結晶粒の方位が全長にわたって揃っている状態で、はじめて、その性能が発揮できることとなる。そのため、この超伝導材の結晶粒の高配向状態が、上記金属テープの全域で保たれているか否かを、特に、その製造工程において、インライン又はオンライン(In-line(on-line))測定することが強く望まれている。
ところで、従来、成長した微結晶粒が高配向状態であるかどうかの測定は、超電導物質への適用に限らず、その評価あるいは分析の手法として、X線回折計により、例えば、ロッキングカーブ測定や極点図測定を行なうことにより実現することが一般的である。しかしながら、かかるX線回折手法による測定は、通常、測定試料から試験片を切り出し、この切り出した測定用のサンプルに対し、例えば、実験室に設置された通常のX線回折装置を用いて検査・測定を行なうのが一般的であった。即ち、従来の技術では、テープの表面上などに成長した微結晶粒が配向状態のX線回折計による測定については、インライン又はオンラインでの検査は未だ実現されておらず、そのため、試験片に切り出した測定用のサンプルに対してオフライン(off-line)で検査・測定しているのが実状であり、これは破壊検査となっていた。
また、従来の手法により、X線回折計をライン上に取り付けることも考えられる。例えば、残留応力測定装置や、文化財用X線回折装置のような形態であり、これらは、X線源、ゴニオメータ、及び、検出器が一体となった構造であり、これを、例えば、上記した超電導線材製造ラインの一部に取り付けることも可能である。しかしながら、上述したX線回折装置の形態では、装置を製造ラインの一部に取り付けたとしても、その測定においては、角度を変えながらX線回折強度を一点一点測定することが必要であり、そのため、測定時間が長くかかるという問題があり、これでは、インライン又はオンラインでの検査方法としての実用化することは難しかった。
そこで、本発明では、上述した従来技術における問題点に鑑み、即ち、上述した金属テープの表面上に成長された超伝導材などを含め、製造工程において連続的に供給される微結晶粒について、当該成長された微結晶粒の方位分布をインライン又はオンラインで検査することを可能とする方法、更には、その方法を実現するための装置を提供することをその目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明によれば、まず、連続的に移動される測定試料における微結晶粒の方位測定を行なう微結晶粒の方位分布測定方法であって、単色化したX線をX線ビームに形成し、当該形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像をその回折方向において積分して極点図を取得し、当該得られた極点図の回折方向での広がりのうち少なくとも一方を指標として、連続的に移動される前記測定試料における微結晶粒の方位分布測定を行なう微結晶粒の方位分布測定方法が提案されている。
また、本発明によれば、やはり上述の目的を達成するため、X線を発生するX線発生装置と、当該X線発生装置からのX線を単色化して所定のX線ビームに形成し、測定試料の表面に対して入射する光学系と、当該光学系から入射したX線ビームの回折X線を検出する2次元X線検出器とを備えた微結晶粒の方位分布測定装置において、前記測定試料は連続的に移動されると共に、前記光学系は前記形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、更に、前記2次元X線検出器は、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を積分して極点図を取得し、かつ、当該得られた極点図の回折方向での広がりのうち少なくとも一方を指標として、連続的に移動される前記測定試料における微結晶粒の方位測定を行なう手段を備えている微結晶粒の方位分布測定装置が提供される。
なお、本発明では、上記に記載した微結晶粒の方位分布測定方法、又は、その方位分布測定装置において、前記光学系は、前記X線ビームの所定の傾斜角を0°〜90°の範囲で設定可能であり、又は、前記X線ビームを前記所定の入射角を中心にして移動することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射する手段を備えていることが好ましく、更に、前記入射手段は、スウィング機構を備え、又は、前記X線ビームを所定の発散角を有するX線を利用することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射する手段を備えてもよい。その場合、前記入射手段を、例えば、湾曲結晶モノクロメータにより構成してもよく、又は、前記X線発生装置は線状のX線源を備え、かつ、前記入射手段は所定の発散角を有するX線を形成することによってもよい。
また、本発明によれば、上記に記載した微結晶粒の方位分布測定方法、又は、その方位分布測定装置を、連続的に移動される前記測定試料に対して、複数のチャンネルに配置することも可能である。以下の実施の形態にも示すように、例えば、00l反射とhkl反射を用いた2つのチャンネルで極点図を得ることが可能である。そして、上記に記載した微結晶粒の方位分布測定方法、又は、その方位分布測定装置は、テープ状の部材の表面に成長された微結晶粒の方位分布測定を行なうために使用することが好ましく、特に、超電導線材であるYBCOの微結晶粒の方位分布測定をオンライン又はインラインで行なうために使用することが好ましい。
以上に述べたように、本発明になる微結晶粒の方位分布測定方法、又は、その方位分布測定装置によれば、従来の方法では時間のかかる微結晶粒の方位分布測定を、短時間で実行可能とすることにより、例えば、上述した金属テープの表面上に成長された超伝導材などを含め、製造工程において連続的に供給される微結晶粒について、インライン又はオンラインで、その方位分布測定を実現することが可能となるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施の形態になる微結晶粒の方位分布測定方法及びそのための装置ついて、添付の図面を参照しながらその詳細を説明する。
まず、本発明になる微結晶粒の方位分布測定方法の原理、即ち、結晶粒の配向状態について説明する。添付の図1(a)は、回折条件を示すEwaldの作図である。図において、AはEwald球の中心、Oは逆格子の原点である。また、図のベクトルk0は入射X線を、ベクトルkは回折X線を、そして、ベクトルVは長さが1/dの逆格子ベクトルを示す(図1(b)を参照)。ここで、dは注目した格子面の面間隔である。また、A点は実空間で試料位置であり、ω軸の周りに回転調整できる。ω軸を回転すると、逆格子空間では、極点球は(1/d球で示した)その原点Oを中心にω軸と平行な軸の周りに回転することになる。
ここで、試料が単結晶の場合を考える。試料の結晶の方位を調整し、図1(b)に示すように、符号Rで示した逆格子点がEwald球と接触し、k−k0=Vの条件を満足するとき、回折が生じる。そこで、回折角2θ方向にX線フィルムを置き、写真撮影をすれば、当該逆格子点に対応する回折スポットが撮影されることとなる(図1(a)を参照)。なお、この時の回折スポットの位置を、図における符号DSで示す。
これに対し、試料が無配向の多結晶の場合には、結晶粒の方位はランダム(at random)に分布する。従って、各結晶粒の逆格子点は半径1/dの極点球上に一様に、万遍なく分布することになる。そして、このような状態では、Ewald球と極点球の交わった部分(図に点線MRで示す部分)で回折条件を満足し、そのため、実空間での試料位置Aより半頂角が2θの直円錐の母線に沿って回折線を生じる。即ち、上記と同様に写真撮影をすれば、所謂、デバイリング(Debye ring:デバイ環)DRが撮影される。
ところで、上述したデバイリングに沿ったX線強度は、試料が無配向の場合は一様な強度分布を示すが、しかしながら、試料の結晶粒の方位分布に偏りがある場合には、このデバイリングに沿ったX線強度は一様ではなく、強度分布を持つことになる。なお、このように、結晶粒の方位分布に偏りがある状態は、配向を持つと言ったり、又は、選択配向(preferred orientation)を持つと言ったり、あるいは、組織(texture)を持つと言ったりする。
次に、添付の図2は、ここで問題にしている結晶粒の高配向状態を示す模式図である。なお、この状態は、上記図1(a)及び(b)に示した単結晶の場合における逆格子点Rの広がりと解釈することが出来る。その実態は、ほぼ方位は揃っているが、しかしながら、僅かに方位分布を有する微結晶粒の集合体であり、そのため、このような逆格子点は、図にR’で示すように、所定の広がりを持つ。なお、上述したように、金属テープの表面に成長したYBCO膜の微結晶粒は、この図2に示す状態となっている。なお、この時に得られる回折X線の形状は、上記デバイ環DRの一部で太さの異なる線状の像(図の太い部分)Lになる。これは、回折線が生じる領域が、上記Ewald球と逆格子点の広がりとが一致する部分であることによる。
更に、試料のω回転(上記図1(a))を施すと、極点球もO点を中心に回転(ロール)するので、添付の図3(a)〜(c)に示すように、Ewald球と逆格子点の広がりとが一致する部分も変化する。即ち、ω回転により、Ewald球と広がりをもった逆格子点とが一致する部分が変化し、それに伴い、得られる回折線像(デバイリングの太い部分L)も変化する。
一方、上記の方位測定方法により配向状況が測定される微結晶粒Sとして、例えば、超電動線材であるYBCOについて、その結晶格子及びその配向状況を添付の図4に示す。このYBCO膜(層)の結晶系は、所謂、斜方晶であるが、その2つの軸の格子定数が極めて接近しており、そのため、正方晶で近似することが出来る。なお、その時のa、b軸の格子定数は、3.8〜3.9オングストロームであり、また、そのc軸は11.7オングストローム程度である。なお、この図4では、金属テープ上の結晶粒の一個だけを示したものであり、そして、この結晶粒のa軸又はb軸は、上記金属テープの長手方向又は幅方向と平行に配向しており、また、そのc軸は上記金属テープの表面の法線方向に一致している。すなわち、配向状況が測定される超電動線材は、このような方位の微結晶粒が集合した構造になっている。
次に、上記方位分布測定方法により配向状況を測定するための、本発明になる微結晶粒の方位分布測定装置について、添付の図5〜図7を参照しながら、その詳細構成について説明する。この図において、符号Sは、例えば、1m/hour程度の速度で連続的に供給される微結晶粒、例えば、超電動線材であり、図示しないPLDなどの製膜工程において、多結晶ハステロイの金属テープMTの表面(この例では、上側表面)に酸化物の中間層などを介してYBCO層をエピタキシャル成長させて製造される。
この方位分布測定装置は、まず、添付の図6(a)にも示すように、基台(ベース)50の上に、図のY方向に移動可能に移動可能なY方向移動機構51を取り付け、更に、このY方向移動機構51の上に、外形略「C」字状のχ角傾斜機構52を備えている。なお、上記の金属テープMTの表面に形成された微結晶粒である測定試料Sは、上記外形略「C」字状のχ角傾斜機構52の略中央部において、図示しない供給リールから搬入され、一対のローラ53、53を介して、やはり図示しない供給リールへ搬出される(即ち、図のX方向に供給される)と共に、これらローラ53、53の間には、試料ステージ54が設けられている。
更に、上記外形略「C」字状のχ角傾斜機構52の上方には、外形略「L」字状の保持部(サポート)55を介して、やはり外形略「C」字状に形成された半円弧のステージ(サーキュラーステージ)56が設けられており、そして、このサーキュラーステージ56上には、以下に説明するX線発生装置100と2次元X線検出器200が、それぞれ、自在に設定可能に取り付けられている。これにより、本装置では、傾斜角χを、0°〜90°の広い範囲内において、自在に、設定することが可能となっている。なお、図中の符号140は、後にも説明するが、上記X線発生装置100を揺動(スウィング)するための駆動機構を示している。
また、添付の図6(b)は、上記方位分布測定装置のχ(カイ)角傾斜機構52によるχ角回転設定の一例を示しており、この図からも明らかなように、このχ角傾斜機構52により、上記X線発生装置100(2次元X線検出器200をも含む)を、試料Sの走行方向(図では、X軸)に垂直な面(Y−Z平面)内において、所望の角度(姿勢)に設定可能となっている。
そして、上記の方位分布測定装置では、添付の図5又は図7にも明らかなように、上述したように連続的に供給される測定試料Sである超電動線材の表面(この例では、上側表面)に対向した位置に、X線発生装置100を備えており、このX線発生装置100は、点状のX線源110より発生したX線を、例えば、その先端にφ0.1〜0.5mm程度のピンホールを備えたコリメータ120を介して平行化して細く絞り、測定試料Sの表面に照射する。なお、このX線源としては、Cuターゲットなどが用いられる。このX線発生装置100は、そのX線出口にKβカットフィルタ130を配置して、擬似的に、試料に照射するX線をKα線に単色化する、即ち、特性X線(固有X線)の発生源を構成している。
なお、このX線発生装置100は、所謂、スウィング機構140により、揺動(スウィング)可能に取り付けられている(即ち、図にも明らかなように、試料Sの表面上におけるX線の照射位置を中心として、その回転方向に移動可能)。このスウィング機構140は、より具体的には、図示しないアーク状のウォームホイールを挟持する回転板を備えており、上記特性X線の発生源であるX線発生装置100とコリメータ120とは、この回転板上に固定されている。また、この回転板には、やはり図示しないが、ウォーム軸と共に、駆動モータが取り付けられており、この駆動モータの回動に伴うウォーム軸の回転により、θ(X線の入射角度=ブラッグ角)を中心として、その周囲に−Δω/2〜+Δω/2(Δω:数度程度)の範囲で連続的にスキャンすることが可能となっている(図に矢印で示す)。
そして、このX線発生装置100は、例えば、その位置を回動することにより、図に破線で示すように、試料Sに対するX線の照射点を中心にして、紙面に垂直な回転軸の周りに回転可能となっている。換言すれば、X線の入射角は、狙った極(反射面)に対するブラッグ角θを中心にしてΔωだけ、連続的にスキャンすることが可能である。なお、この時、スキャンの開始時点(θ‐Δω/2)でX線シャッタが開き、その後、Δω分だけスキャンした終時時点(θ+Δω/2)で、X線シャッタを閉じる。
一方、平均の入射角θの方向に対して2θ方向には、例えば、X線冷却CCDのような、2次元X線検出器200が固定されて取り付けられて、もって、測定試料Sからの回折X線を待ち受ける。即ち、高感度の二次検出器200が、上記コリメータ120から出射した特性X線が試料Sの測定面上で反射されて得られる像を捕らえるように、すなわち、その計測面に対する法線が、やはり、上記試料Sの測定面に対して等角度θを形成するように配置されている。
また、図5中の符号90は、コントロールPC(CPU)を示しており、その一部には、例えばハードディスクドライブ等の記憶装置を備えており、当該記憶装置に本装置の各部の制御や測定を実行するための各種のソフトウェアを格納しており、又は、得られた画像や計測結果等をその一部に格納することも可能である。また、このコントロールPC90は、上記高感度2次検出器200により得られた反射像を操作者に表示するためのディスプレイ装置92、更には、キーボード93やマウス94等の入力装置、そして、図示しないが、プリンター等の出力装置を備えている。加えて、このコントロールPC90は、上記X線発生装置100をスキャンするスウィング機構の駆動モータの回転をも制御している。
なお、添付の図8には、上記高感度2次検出器200の具体的構成の一例が示されている。すなわち、この検出器200は、そのX線入射側には、入射X線により発光するシンチレータ61、シンチレータ上に得られた回折像を増倍するI.I(イメージ・インテンシファイヤー)62が設けられており、さらに、このI.Iで増倍された光が、その後方に配置されたカップリングレンズ63により二次元(例えば、20mm×20mm程度の面状)のCCD装置64上に入射結像され、電気信号に変換される。なお、この図7において、符号65は、上記I.Iの電源を示しており、上記図5で示したコントロールPC(CPU)90により構成されている。そして、CPU画像取り込みボード66と共に、例えば、上記図5の記憶装置91内に格納されているコントロールソフトウェアを利用して、上記CCD上に形成された画像を取り込み、同時に、そのディスプレイ装置92上に取り込んだ画像を表示する。
このように、上記2次元X線検出器200は、X線検出素子を平面に配置した構造から、検出した回折X線の位置情報を有する。そして、上記の期間(即ち、スキャンの開始点から終了点までの期間)、この2次元のX線検出器200により、試料Sからの回折X線像を撮影(積分)する。なお、これにより得られた画像は、極点図となる。
次に、上記にその構成を説明した方位測定装置により、上記図4にその例を示したYBCO膜(層)の結晶配向について、実際に測定を実施する場合の装置について、より具体的に説明する。
上記にも述べたように、測定試料であるYBCO微結晶は、そのc軸において強い配向を示している。そこで、ロッキングカーブ測定によるc軸配向の検査には、00l反射を利用する。特に、その5次の反射である005反射が強い強度を持つことから、これを利用し、具体的には、CuKα線を用いて回折角(2θ)を約38.5°に設定する。即ち、X線発生装置100を、その出力X線が試料Sに対してブラッグ角(θ≒19.3°)で照射する位置に固定し、他方、上記2次元X線検出器200を回折角(2θ≒38.5°)の位置に固定する。そして、X線発生装置100を、ブラッグ角θを中心として、そのω角を前後に±数度(Δω/2)の範囲で移動しながら、上記2次元X線検出器200によって回折X線の強度を計測する。なお、この時、上記X線発生装置100及び2次元X線検出器200は、上記図7にも示すように、連続的に供給される試料Sの進行方向(長手方向:X軸)に沿い、かつ、その表面に垂直な赤道面ESの上に配置される。
上記のようにして2次元X線検出器200上に得られた測定結果の一例(ディスプレイ装置92上に得られた画像の写真)を、添付の図9(a)に示す。即ち、この写真からも明らかなように、試料SであるYBCO微結晶は、その微結晶粒に方位分布があるため、Δω、Δχ方向に像の広がりをもつ極点図が得られる。なお、ここでχ方向とは、上記図6に示す試料Sの進行方向(長手方向)であるX軸を中心とした回転方向である。なお、この撮影は、カメラ長Lc(試料とフィルム間の距離)を225mmに設定して行った。
これに対し、比較のため、上記と同様にして、Siの単結晶を試料Sとして撮影した反射像(この例では、220反射像)は、図9(b)に示すように、2次元X線検出器200上に得られる像は、広がりのない点状の像となる(なお、実際の広がりは、コリメータサイズと発散角による広がりのみである)。
上記の結果から、上述した微結晶粒の方位測定装置を、金属テープMTの供給ラインの近傍に配置して上述した方位測定方法を実行することによれば、その表面に成長されて連続的に供給される試料S、即ち、超電動線材であるYBCOの微結晶について、その配向状況を、インライン又はオンライン(In-line(on-line))で、連続的に測定することが可能となる。
なお、2次元X線検出器200上に得られた測定画像は、上述したように、Δω、Δχ方向に像の広がりをもつ極点図となる。そして、次の計算からも明らかなように、横方向の広がり(Δω)は、上記入射X線のスキャン角である、ωの広がり(Δω)であることが分かる。
Δω=arctan(W/Lc)=arctan(6.33/225)=1.6° …(1)
一方、縦方向の広がりVと、χ角の広がりであるΔχとの関係は、少し複雑になるが、次式で得られる。
Δχ=arccos(sinδ・sqrt(1/2(1−cosδcos2θ))) …(2)
ここで、δ=arctan(V/Lc)、Lcはカメラ長、2θは回折角である。また、式中のsqrtは平方根を意味する記号である。
このように、ω角方向の一定範囲のスキャンだけで、試料からの回折X線のω軸回転方向での広がり(Δω)と共に、χ軸回転方向での広がり(Δχ)とが、一挙に、極点図として得られ、そして、この得られる回折像(極点図)の上下左右の方向の広がり(Δω、Δχ)を調べることによって、逆格子点の広がり=配向の状態=方位分布を把握することができる。換言すれば、その配向状態を観察することが望まれている超電動線材であるYBCO微結晶の配向状況を、インライン又はオンライン(In-line(on-line))で観測することが可能となる。なお、上記の極点図を取得する時間は、使用するX線源のパワーや使用する2次元X線検出器の感度によるが、零点数秒から十数秒程度であり、このことからも、上述したように1m/hour程度で連続的に供給される超電動線材については、これを連続的に測定するのには十分であることが分る。
また、上記のように2次元X線検出器200上に得られた測定画像から、金属テープ上に成長して連側的に得られる超電動線材の配向状況を観察する場合、一例として、超電動線材として用いるのに許容可能な配向状態のYBCO微結晶について、上記の方法で測定し、又は、演算によって、その広がりの許容範囲を予め得ておき、その後、上記2次元X線検出器200上に得られる測定画像と比較することによれば、簡単に、インライン又はオンラインで、その要否を検査することが可能となる。なお、その場合、予め得られた広がりの許容範囲は、例えば、上記図5の記憶装置91内に格納しておき、そして、上記CCD装置64上に入射結像されて電気信号に変換されて取り込まれた画像に基づいて、コントロールPC(CPU)90により、ソフトウェアを利用して比較判定することが可能である。そして、その結果(例えば、広がりが許容範囲を超えた場合には、そのことを警告する内容)を、上記図5のディスプレイ装置92上に表示することも可能である。
なお、以上の説明は、測定すべき試料Sのc軸の配向(上記図4を参照)を監視するための手順を述べたに過ぎない。即ち、超電動線材としてのYBCO微結晶は、そのc軸と直交するa軸又はb軸が、必ずしも、金属テープの長手方向または幅方向に揃っているとは限らない。そこで、このc軸の配向だけでなく、a軸又はb軸の配向をも確認する場合には、上記した001以外の反射、即ち、hkl反射を用いて極点図を測定すればよい。
上記した001以外の反射について、その少なくとも一つを調べる場合には、例えば、103反射を回折ベクトルにとれば良い。なお、この103反射は、回折角(2θ)が32.5°であり、そして、添付の図10に示すように、c軸からの傾き(χ軸の回転方向)が45.1°である。そこで、この場合、添付の図10に示すように、その面上にX線発生装置100及び2次元X線検出器200が配置される赤道面ESを、図10のZ軸に対しχ=45.1°に設定し、上記と同様にして、103反射の極点図を測定する。
図11は、その測定配置を示す図である。即ち、45.1°傾けた赤道面ES上で、X線の入射角と出射角とがθになるよう設定する。その後、X線の入射角を、赤道面内でθを中心にして、Δωだけ連続的にスキャンする。このスキャンの開始点でX線シャッタが開き、そして、Δω分だけスキャンした後、X線シャッタを閉じる。この間、出射角θの方向に固定した2次元検出器(X線冷却CCD)200で積分する。得られた画像は、103極点図となる。
上記の例では、超電導線材の走行方向を、X軸方向と一致させた場合についてのみ説明した。しかしながら、上述したように、YBCO微結晶の場合、その結晶の対称性から、上記図11のZ軸の周りに90°毎に位置する4方向においても、やはり、等価な反射が得られる。そのため、超電導線材の走行方向を、上記X軸及びZ軸に垂直な軸方向、即ち、Y軸方向に設定することも可能である。又、c軸配向を監視する図5及び図7に示した測定配置は、赤道面ESは、金属テープMTの面に垂直な軸(Z軸)の周りで回転の自由度を持つ。即ち、X線発生装置100及び2次元X線検出器200をその面上に配置する赤道面ESは、テープの長手方向(X軸)と直角に配置してもよいし、任意の角度に配置しても良い。
なお、金属テープMTの表面上に成長させた超電動線材であるYBCO微結晶粒の配向状態を監視するためには、上述したように、そのc軸配向を監視するために、5次の反射である005反射を監視するための装置の測定配置(上記図7を参照:以下、005チャンネルと言う)と、上記したように等価な反射が得られるa、b軸配向を監視するための103チャンネル(上記図11を参照)との、2つのチャンネルに、X線発生装置100と2次元X線検出器200から構成される方位測定装置を配置することが好ましい。
しかし、上記の103極点図には、hklのl成分が含まれることから、a軸、b軸配向だけでなく、実際には、c軸配向の影響も現れる。すなわち、微結晶粒において、そのa、b軸及びc軸の方位に分布があると、この103極点図にも広がりを生ずる。従って、この103チャンネルの1つのチャンネルだけの監視でも、微結晶粒の各軸の配向を監視することも可能であろう。これは、特に、YBCO微結晶粒では、a軸、b軸及びc軸を回転軸として方位分布を生ずることはあっても、回折べクトル103を回転軸として方位分布が生ずることは考え難いからである。
更に、金属テープMTの表面上に成長させた超電動線材であるYBCO微結晶粒の200又は020(200,020)反射について述べる。添付の図12に示すように、この200,020反射は、a軸又はb軸に対してほぼ平行又は直交しており、添付の図14に示すように、c軸(Z軸)からの傾き(χ軸の回転方向)は略90°である。また、格子定数であるd値は、1.93オングストローム程度であり、また、そのブラッグ角(θ≒23.6°)、回折角(2θ≒47.2°)であることから、X線発生装置100を、これらの条件を満たす位置に固定する。なお、この場合、本例では、添付の図15にも示すように、X線発生装置100からのX線が試料Sの表面に対してすれすれに入射させるよう、傾斜角χを89°程度、好ましくは、89.5°に設定した(即ち、本装置では、傾斜角χを、0°〜90°の範囲内で設定可能である)。上記の結果、2次元X線検出器200上には、添付の図13に示すような測定結果(ディスプレイ装置92上に得られた画像の写真)が得られた。
即ち、この場合においても、上記と同様に、ω角方向の一定範囲のスキャン(但し、この場合には+Δωのスキャン)だけで、試料からの回折X線のω軸回転方向での広がり(Δω)と共に、χ軸回転方向での広がり(但し、この場合には、Δχ/2)とが極点図として得られ、そして、この得られる回折像(極点図)の上下左右の方向の広がり(Δω、Δχ/2)を調べることによって、逆格子点の広がり=配向の状態=方位分布を把握することができる。
続いて、上記の方法を更に発展させた方法について、以下に説明する。なお、この方法は、一本のX線入射ビームのスキャンにより、同時に、2つの反射を起こさせるものである。そして、それぞれの反射を2次元検出器で検出し、もって、2つの極の極点図を、同時に、得るというものである。なお、この方法では、2つの極点図を同時に監視することができる。
なお、このこの配置では、回折角がある程度高くないと、回折X線が上半球(即ち、図1のベクトルkのZ成分が正)に出て来ない場合がある。ところで、金属テープMTの表面上に成長させた超電動線材であるYBCO微結晶粒では、その回折角が68.7°であり、その強度もある程度高い108反射が利用できる。即ち、図16(a)及び(b)に示すように、この108反射も、上記の103反射と同様に、c軸の周りに4箇所、回転対称に等価な反射(108、018、−108、0−18)が存在する。また、この108反射がZ軸となす角は約20.8°である。
そこで、図17に示すように、超電導線材テープの面法線方向をZ軸、長手方向または幅方向をX軸、又は、Y軸に一致させる。そして、入射X線をXZ平面内において、X軸よりωの角度を、37.1°付近を中心にして、上記と同様にして、Δωだけスキャンすると、108の2つの回折ベクトル方向において反射が起こる。なお、この図では、対向する018と0−18とが示されている。これらはXZ平面上に張るベクトルであり、Z軸とのなす角はいずれも約20.8°である。即ち、これらの回折は赤道面(XZ平面)で起こるのではなく、赤道面の上下方向に起きる。そこで、これらの方向に固定された2次元X線検出器200、200により、それぞれ、その回折線像を積分撮影する。このようにして、一本のX線入射ビームのスキャンにより2つの極点図、即ち、上記の例では、018と0−18の極点図が同時に得られる。
なお、上記の回折線の方向は、計算により次のように求めることが出来る。まず、一つの表現法としては、図18に示すEwaldの作図では、回折線の方向は2θコーンの母線に沿っており、赤道面より上下方向にα角=25.5°だけ振れる。もう一つの表現として、回折線の方向は、上記図17に示すように、μ=29.5°、ν=23.6°方向に起きる。なお、この角度μは、回折線のXY平面への投影線とX軸のなす角、角度νは、回折線のXY平面からの仰角である。そこで、これらの方向に2個の2次元X線検出器200、200を、XZ平面上に、鏡面対称に配置すれば良い。
なお、上述した実施の形態では、X線発生装置100をスウィング機構140を利用して揺動(スウィング)することにより、点状のX線源110により発生したX線を、θ(X線の入射角度=ブラッグ角)を中心として、その周囲に−Δω/2〜+Δω/2(Δω:数度程度)の範囲で、連続的にスキャンする構造についてのみ説明した。しかしながら、本発明は、かかる構成のみに限定されるものではない。
例えば、添付の図19に示すように、上記の構成とは異なり、湾曲結晶モノクロメータ105を用いた入射光学系の構造を示している。この湾曲結晶モノクロメータを用いた入射光学系では、図からも明らかなように、X線発生装置100の点状のX線源110から照射された所定の発散角のX線を、その表面が湾曲された湾曲結晶モノクロメータ105上に照射され、所定の波長のX線成分だけが反射されると共に、その湾曲表面の働きにより収束される。そこで、この入射光学系では、この湾曲結晶モノクロメータ105により形成される特性X線の収束点に試料を配置する。なお、図において、符号106は、特性X線の幅(照射野)を制限するための幅制限スリットである。
すなわち、上記の湾曲結晶モノクロメータを用いた入射光学系によれば、上記の図からも明らかなように、常に、試料に照射する上記特性X線を、Δω角だけスウィングしているのと等価であり、そのため、上記の例とは異なり、スウィング機構による入射光学系のスウィング動作は不要となり、特に、計測時間の短縮化には好適である。なお、この例では、X線源は0.1mm程度であり、その収束点の大きさも同程度である。また、0.1〜0.2mm程度の幅制限スリット106を用いて試料の上のX線照射野を制限している。加えて、上記湾曲結晶は、例えば、α−Quartz、Ge、Si等によって作成される。また、かかる湾曲結晶モノクロメータによれば、4°程度までの発散角のものが製作可能である。或いは、上記に代え、ガラスのテーパキャピラリを利用して構造とすることも考えられる。
又は、添付の図20に示すように、線状のX線源110’を備えたX線発生装置100を用いることにより、所定の発散角のX線を得ることも可能である。例えば、線状の通常の封入型X線管を使用した場合、ロングファインフォーカスでは、見かけのサイズが0.04mm×12mm、ブロードフォーカスでは、0.2mm×12mmのフォーカスサイズが得られる。これらのX線管球を用いることにより、F=12mmとすることが出来る。この場合、X線源よりMの位置に、供給される試料S、即ち、超電動線材であるYBCOの微結晶が配置されるように、X線発生装置100を固定する。また、その際、試料面の直上には、例えば、ナイフエッジ150を配置する。これは、コリメータにおけるピンホールスリットの役目と同様であり、X線の照射幅を決めるためのものである。
また、試料面とエッジとの間の隙間は、例えば、0.1mmから0.5mm程度とする。更に、X線源と試料との間には、円錐状の金属筒からなるX線導入パス160を設ける。これは、不要なX線を、出来る限り、外部へ漏らさないための防護筒を形成する。また、この円錐状筒の試料方向に狭まっている出口は、照射X線の幅を制限するための、所謂、幅制限スリット161になっている。なお、この例では、図の紙面に垂直な方向での幅を制限し、もって、X線の照射の高さを決定している。具体的には、上記ナイフエッジ150の隙間と同様に、0.1mmから0.5mm程度の隙間を設ける。かかる状態において、M=150mmに設定すると、X線の収束角Δωとして、4.5°程度の角度を取ることが可能である。なお、上記において、入射X線の中心の入射角ωを目的の反射の入射角に一致させると、回折X線が生じ、この回折X線の方向に固定された図示しない2次元X線検出器により、回折像が撮影される。この場合も、上記の湾曲結晶モノクロメータを使用した場合と同様に、ω角のスイングは不要である。
このように、X線源を移動することによって照射X線をブラッグ角を中心としてその周囲に所定の範囲で連続的にスキャンする構造に代え、収束角Δωを有するX線を利用することによっても、上記に説明したと同様に、2次元X線検出器200上に積分撮影して極点図が得られる。そして、その得られた極点図(例えば、モニター上に得られた画像)から、そのΔω、Δχ方向の像の広がりを観察することにより、超電動線材であるYBCOの微結晶について、その配向状況を、インライン又はオンライン(In-line(on-line))で、連続的に測定することが可能となる。即ち、収束角Δωを有するX線を試料Sの測定面に所定の角度θで入射し、その反射(回折)X線を2次元X線検出器200上に積分撮影することにより、回折X線のω軸回転方向での広がり(Δω)と共に、χ軸回転方向での広がり(Δχ)とが、一挙に、極点図として得られる。そして、この得られる回折像(極点図)の上下方向の広がり(Δω、Δχ)を調べることによって、逆格子点の広がり=配向の状態=方位分布を把握することができる。換言すれば、超電動線材であるYBCO微結晶の配向状況を、インライン又はオンライン(In-line(on-line))で観測することが可能となる。
以上の説明では、上述した方位測定装置の構造、特に、X線の発生源の構造から、金属テープMT上に成長され、その長手方向に移動しながら連続的に供給される、数mmから十数mmの幅を持ったYBCOの微結晶である試料Sに対し、その一部(例えば、中央部)にのみX線が照射されて生じる回折X線を2次元X線検出器200によって受光し、その結果得られる極点図の広がりの変化を監視するものである。しかしながら、かかる試料Sに対し、その幅方向の一部だけではなく、更に、幅方向の複数の点で、金属テープMT上に成長されたYBCO微結晶の配向の状態を測定して監視することが考えられる。かかる場合、例えば、X線の照射野を幅方向に移動しながら、所謂、マッピングすることが考えられる。しかしながら、その場合、測定系の試料幅方向の平行移動機構を備えた装置構成が必要となってしまい、機構が複雑となってしまい、実現が困難である。
そこで、測定すべき試料の幅方向での平行移動機構なしに、当該試料を、その幅方向を一括して監視することを可能とする他の実施の形態について、以下に説明する。即ち、添付の図21に示すように、例えば、上記図5のコリメータ120の先端に取り付けた1つのピンホールの代わりに、細長隙のスリットを備えた、又は、複数のピンホールを配列したコリメータを用いる。即ち、ωスキャン方向は幅狭のままにして幅を大きくし、もって、試料Sの幅方向全域又は所望の範囲に渡ってX線が照射されるようにする。なお、図示の例では、X線パスの出口幅制限スリット(コリメータ先端の細長隙のスリット)を、図の紙面に垂直な方向において延長して形成し、試料Sの幅方向の全域にX線が照射されるようにしている。また、図中の符号210は、2次元X線検出器200の受光面である。
上述した他の実施の形態になる方位測定装置の構造により観察されるX線像の一例が、添付の図22に示されている。即ち、2次元X線検出器200の受光面210上には、上記図8に示した極点図が、連続的に、又は、複数Δχ方向に重畳した画像が得られる(図22(a)を参照)。なお、この図示の場合、Δχ方向の幅の広がりは観察できないが、しかしながら、Δω方向の情報(幅の広がり)は保存されているので、このΔωの幅によりYBCO微結晶の配向状態を監視することが可能である。例えば、図22(b)に示すように、複数の検出ライン(図の破線)を設定し、当該検出ライン上でのロッキングカーブを得、その半値幅が予め設定した閾値を越えるか否かによって、金属テープMT上に成長されたYBCO微結晶の配向状態の良否を判定することが可能となる。
又は、図示しないが、複数のピンホールを配列したコリメータを用い、かつ、これらピンホールの間の距離を、微結晶粒の方位分布により広がる極点図の幅を考慮した値に設定することにより、試料Sの幅方向の全域において、Δχ方向及びΔω方向の情報(幅の広がり)を備えた画像を得ることも可能である。
以上に詳細に述べたように、発明の微結晶粒の方位分布測定方法及びその装置によれば、従来の方法では時間のかかる微結晶粒の方位測定を、短時間で実行可能とすることにより、例えば、上述した金属テープの表面上に成長された超伝導材などを含め、製造工程において連続的に供給される微結晶粒について、インライン又はオンラインで、その方位分布測定を実現することが可能となった。
本発明の微結晶粒の方位分布測定を実現する回折条件を説明するためのEwaldの作図とその一部拡大図である。 Ewald球上における微結晶粒の集合体による逆格子点の状態を説明する図である。 試料をω回転した場合のEwald球と逆格子点の広がりの変化を示す図である。 本発明の方位分布測定方法により配向状況が測定される微結晶粒、即ち、超電動線材であるYBCOの結晶格子及びその配向状況を示す図である。 上記方位分布測定方法を実施するための方位分布測定装置について、その概略構造を示すブロック図である。 上記方位分布測定装置の詳細構造と、そのχ角回転設定の一例を示す図である。 上記方位分布測定装置について、特に、そのX線発生装置と2次検出器の試料に対する配置の一例を示す斜視図である。 上記方位分布測定装置における2次検出器の具体的構成の一例を示す図である。 上記方位分布測定装置における2次元X線検出器により得られる、方位分布のある微結晶粒による像と、比較のためのSi単結晶をにより得られる像を示す図である。 上記方位測定装置により検出されるYBCOの103反射の配置を説明するための、ステレオ投影図を含む図である。 上記103反射による極点図を測定するための方位分布測定装置における配置を示す図である。 上記方位測定装置により検出されるYBCOの200,020反射の配置を説明するための、ステレオ投影図を含む図である。 上記2次元X線検出器により得られる、200,020反射の方位分布のある微結晶粒による像を示す図である。 上記200,020反射による極点図を測定するための方位分布測定装置における配置を示す図である。 上記200,020反射の方位分布のある微結晶粒への入射角を説明する図である。 上記方位分布測定装置により検出されるYBCOの108反射の配置を説明するための、ステレオ投影図を含む図である。 上記108反射による極点図を測定するための方位測定装置における配置を示す図である。 上記108反射の回折線の方向を示す一つの表現法であるEwaldの作図による説明図である。 上記方位分布測定装置におけるスウィング機構を備えたX線発生装置に代えて、湾曲結晶モノクロメータを用いた入射光学系の構造を示す図である。 上記方位分布測定装置におけるスウィング機構を備えたX線発生装置に代えて、線状のX線源を備えたX線発生装置用いる構造を示す図である 試料の幅方向の複数の点でYBCO微結晶の配向の状態を測定して監視するための方位分布測定装置の一例を示す図である。 上記図21の方位分布測定装置により観察される像の一例を示す図である。
符号の説明
100…X線発生装置
110…X線源
120…コリメータ
130…Kβカットフィルタ
140…スウィング機構
200…2次元X線検出器
210…2次元X線検出器の受光面
MT…金属テープ
S…測定試料(YBCO膜(層)の微結晶粒)

Claims (17)

  1. 連続的に移動される測定試料における微結晶粒の方位分布測定を行なう微結晶粒の方位分布測定方法であって、単色化したX線をX線ビームに形成し、当該形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像をその回折方向において積分して極点図を取得し、当該得られた極点図の回折方向での広がりのうち少なくとも一方を指標として、連続的に移動される前記測定試料における微結晶粒の方位分布測定を行なうことを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  2. 請求項1に記載した方位分布測定方法において、前記X線ビームの所定の傾斜角を0°〜90°の範囲で設定可能であり、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射することを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  3. 請求項1に記載した方位分布測定方法において、前記X線ビームを前記所定の入射角を中心にして移動することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射することを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  4. 請求項1に記載した方位分布測定方法において、前記X線ビームを所定の発散角を有するX線を利用することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射することを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  5. 請求項1に記載した方位分布測定方法を、連続的に移動される前記測定試料の移動方向に対して、複数のチャンネルで実行することにより、前記測定試料における微結晶粒の方位分布測定を行なうことを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  6. 請求項1に記載した方位分布測定方法により微結晶粒の方位分布測定を行なう前記測定試料は、テープ状の部材の表面に成長された微結晶粒であることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  7. 請求項5に記載した方位分布測定方法により微結晶粒の方位分布測定を行なう前記測定試料は、超電導線材であるYBCOの微結晶粒であることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定方法。
  8. X線を発生するX線発生装置と、当該X線発生装置からのX線を単色化して所定のX線ビームに形成し、測定試料の表面に対して入射する光学系と、当該光学系から入射したX線ビームの回折X線を検出する2次元X線検出器とを備えた微結晶粒の方位分布測定装置において、前記測定試料は連続的に移動されると共に、前記光学系は前記形成したX線ビームを前記測定試料の表面に対し、所定の入射角を中心にした所定の角度幅で入射し、更に、前記2次元X線検出器は、当該所定の角度幅で入射したX線の回折像を積分して極点図を取得し、かつ、当該得られた極点図の回折方向での広がりの少なくとも一方を指標として、連続的に移動される前記測定試料における微結晶粒の方位測定を行なう手段を備えていることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  9. 請求項8に記載した方位分布測定装置において、前記X線ビームの所定の傾斜角を0°〜90°の範囲で設定可能であり、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射することを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  10. 請求項8に記載した方位分布測定装置において、前記光学系は、前記X線ビームを前記所定の入射角を中心にして移動することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射する手段を備えていることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  11. 請求項9に記載した方位分布測定装置において、前記入射手段は、スウィング機構を備えていることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  12. 請求項8に記載した方位分布測定装置において、前記光学系は、前記X線ビームを所定の発散角を有するX線を利用することにより、前記測定試料の表面に対して前記所定の角度幅で入射する手段を備えていることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  13. 請求項12に記載した方位分布測定装置において、前記入射手段は、湾曲結晶モノクロメータを備えていることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  14. 請求項12に記載した方位分布測定装置において、前記X線発生装置は線状のX線源を備え、かつ、前記入射手段は所定の発散角を有するX線を形成することを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  15. 請求項8に記載した方位分布測定装置を、連続的に移動される前記測定試料に対して、複数のチャンネルに配置したことを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  16. 請求項8に記載した方位分布測定装置により微結晶粒の方位分布測定を行なう前記測定試料は、テープ状の部材の表面に成長された微結晶粒であることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
  17. 請求項8に記載した方位分布測定装置により微結晶粒の方位分布測定を行なう前記測定試料は、超電導線材であるYBCOの微結晶粒であることを特徴とする微結晶粒の方位分布測定装置。
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