JP4685266B2 - ディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量の一酸化窒素と高濃度の酸素、さらに硫黄酸化物をも含有するディーゼルエンジン排ガスの脱硝処理に適用される窒素酸化物除去方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、船舶など近代の輸送機関に用いられてきたディーゼルエンジンから排出される排ガスには、多量の有害な窒素酸化物(NOx)が含有されており、地球環境破壊原因の一つであると考えられているため、排ガス中から窒素酸化物を除去することが望まれている。しかし、ディーゼルエンジン排ガスは低温、かつ高濃度の酸素、硫黄酸化物(SOx)をも含有するため、通常のガソリンエンジン排ガス用処理触媒の適用が難しいとされている。ディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、例えば、以下のような従来技術が知られている。
【0003】
特開平8−117558号公報には、二酸化窒素を生成する方法として、還元性物質、窒素酸化物及び過剰の酸素が存在する酸化雰囲気の排気ガス中の還元性物質を、還元性物質酸化触媒により酸化し、次いで、排気ガス中の窒素酸化物を窒素酸化物酸化触媒により二酸化窒素に変換する方法が記載されている。この方法では、排気ガス中の炭化水素等の還元性物質をあらかじめ除去することにより、Pt等の窒素酸化物酸化触媒が効率よくNOをNO2に酸化することができ、生成したNO2は反応性が高く、炭化水素等の還元剤による還元や活性炭/アルカリを含む吸収剤による吸収等での浄化処理がNOよりも容易になるとされている。
【0004】
また、特開平8−266868号公報には、燃焼排ガス中の窒素酸化物を炭化水素等を還元剤として窒素に還元する脱硝方法において、排ガスを酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化し、ついで、排ガス中に還元剤を添加するとともに、排ガスを脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を窒素に還元する方法及び装置が記載されている。この技術では、酸化触媒として、Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2、ゼオライトからなる群より選ばれた少なくとも1種の担体にPt、Pd、Ru、Co、Cu、Mnからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の化合物を含有させたものが用いられ、脱硝触媒として、Al2O3、SiO2、ZrO2、TiO2、ゼオライトからなる群より選ばれた少なくとも1種の担体にNi、Zn、Mn、In、Agからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の化合物を含有させたものが用いられる。また、複数層設けた脱硝触媒間に熱交換器を設けて、反応熱を回収するとともに排ガス温度を脱硝に適する温度範囲内に制御すること、さらに、排ガス流れ方向に対して2箇所以上で還元剤を添加することにより、還元剤の効率の低下、炭素の析出等の問題を解決することができるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平8−117558号公報の技術では、Pd、Pt、Rh等の貴金属を成分として含む窒素酸化物酸化触媒に第2成分を添加することは記載されておらず、しかも、実際のディーゼルエンジン排ガス中に含まれているSOxに対する耐久性については、全く言及されていない。また、地球温暖化防止の観点から、温室効果ガスとしてその排出が懸念されている亜酸化窒素(N2O)は、脱硝反応に付随して生じやすいが、それらについては全く記載されていない。さらに、これら全ての方法を実現する手段についても記載がない。また、酸化触媒から出た二酸化窒素等を含む排ガスに炭化水素等の還元剤を添加して還元触媒に導入する方法及び装置についても全く開示されていない。
【0006】
また、上記の特開平8−266868号公報の技術では、Pt、Pd、Ru、Co、Cu、Mnからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む酸化触媒に第2成分を添加することは記載されておらず、しかも、実際のディーゼルエンジン排ガス中に含まれているSOxに対する耐久性については、全く言及されていない。また、酸化触媒と還元触媒(脱硝触媒)の各々の性能を最大限に引き出す温度域での反応操作について、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような異なる温度域として操作することは記載されていない。また、地球温暖化防止の観点から、温室効果ガスとしてその排出が懸念されている亜酸化窒素(N2O)は、脱硝反応に付随して生じやすいが、それらについては全く記載されていない。また、外部熱源を利用した熱交換器による温度保持方法では、エネルギーコスト的に不利であると考えられる。
【0007】
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の目的は、微量の一酸化窒素と高濃度の酸素、さらに硫黄酸化物を含有するディーゼルエンジン排ガスを、前段の酸化触媒にて一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、前段と後段の間から炭化水素還元剤を導入し、後段の還元触媒にて窒素酸化物を窒素ガスへ効率的に転換することを組み合わせ、前段の酸化触媒にSOx被毒を低く抑えるための第2成分を添着させ、なおかつ、酸化触媒及び還元触媒の各々の操作温度域を各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域とすることにより、全体としての脱硝活性を大幅に向上させるだけでなく、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めることができ、しかも、一般の窒素酸化物除去反応に付随して生じやすい亜酸化窒素の発生がほとんどなく、かつ、きわめて少ない炭化水素還元剤の供給量で効率的に窒素ガスへの転換が行えるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法及び装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒にて一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、前段と後段の間から炭化水素還元剤を導入し、後段の還元触媒にて窒素酸化物を窒素ガスへ効率的に転換することを組み合わせた方法及び装置において、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行ったり、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度よりは低温にするために、酸化触媒から出た高温の排ガスを入口ガスと熱交換して冷却を行うことにより、外部熱源をほとんど又は全く利用することなく、酸化触媒及び還元触媒の各々の操作温度域を各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域にすることができるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法及び装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法は、ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、この排ガスに後段の還元触媒の上流側で炭化水素還元剤を添加し、ついで、排ガスを後段の還元触媒と接触させて、前段で生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに転換する窒素酸化物除去方法であって、前段の酸化触媒に硫黄被毒による触媒性能低下を抑える第2成分を添着させることにより、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるとともに、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域として操作するように構成されている。
【0010】
上記の本発明の方法において、酸化触媒としては、白金、金、銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム等の貴金属をイオン交換により担持したゼオライトを用いることが好ましい。また、酸化触媒に添着させる第2成分としては、ニッケル、コバルト、ストロンチウム等の金属を用いることが好ましい。また、還元触媒としては、インジウム、パラジウム、銀、カドミウム等の金属をイオン交換により担持したゼオライトを用いることが好ましい。
【0011】
また、上記の本発明の方法においては、酸化触媒における反応温度を400〜500℃前後の範囲とし、還元触媒における反応温度を200〜400℃前後の範囲とすることが好ましい。
また、上記の本発明の方法において、炭化水素還元剤としては、気体状メタン、エタン、プロパン、ヘキサン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ヘキセン等の不飽和炭化水素、液体状ガソリン、灯油、軽油、A重油、C重油等の鉱物油などを用いることができる。
【0012】
また、上記の本発明の方法においては、酸化触媒の上流側に加熱用熱交換器を設け、酸化触媒と還元触媒との間に冷却用熱交換器を設けて、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域として操作することができる(図2参照)。
また、上記の本発明の方法においては、酸化触媒の充填層を周囲から加熱し、還元触媒の充填層を周囲から冷却して、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域として操作することができる(図3参照)。
【0013】
また、本発明の方法は、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に冷却用熱交換器を設け、かつ、還元触媒から出た排ガスの流路内に酸化触媒を設置して、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うことを特徴としている(図4、図5参照)。
また、本発明の方法は、還元触媒から出た排ガスの流路内に酸化触媒を設置して、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うとともに、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に熱交換器を設置し、該熱交換器で酸化触媒に導入前の排ガスと熱交換して、酸化触媒から出た高温の排ガスの冷却を行い、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度より低温にすることを特徴としている(図6参照)。
【0014】
本発明の窒素酸化物除去装置は、ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填し、かつ、酸化触媒に全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるための第2成分を添着させた酸化反応手段と、酸化反応手段の上流に設けられた酸化触媒が最高活性を示す400〜500℃の温度域に温度調整するための加熱用熱交換器と、酸化反応手段の下流に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段と、還元反応手段の上流に設けられた還元触媒が最高活性を示す200〜400℃の温度域に温度調整するための冷却用熱交換器とを備えたことを特徴としている(図2参照)。
【0015】
また、本発明の装置は、ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填し、かつ、酸化触媒に全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるための第2成分を添着させた酸化反応手段と、酸化反応手段に装着された酸化触媒が最高活性を示す400〜500℃の温度域に温度調整するためのジャケット構造の加熱手段と、酸化反応手段の下流に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段と、還元反応手段に装着された還元触媒が最高活性を示す200〜400℃の温度域に温度調整するためのジャケット構造の冷却手段とを備えたことを特徴としている(図3参照)。
【0016】
また、本発明の装置は、ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填した酸化反応手段と、酸化反応手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段と、酸化反応手段と還元反応手段との間の排ガス流路に設けられた冷却用熱交換器とを備え、酸化触媒を充填した酸化反応手段が還元反応手段の下流の排ガス流路内に配置されており、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱が行われるようにしたことを特徴としている(図4、図5参照)。
【0017】
また、本発明の装置は、ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填した酸化反応手段と、酸化反応手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段とを備え、酸化触媒を充填した酸化反応手段が還元反応手段の下流の排ガス流路内に配置されており、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱が行われるようにし、かつ、酸化反応手段と還元反応手段との間の排ガス流路に熱交換器が設けられ、該熱交換器が酸化反応手段の上流の排ガス流路に設置されるようにして、酸化触媒から出た高温の排ガスが入口ガスと熱交換して冷却され、還元触媒に導入する排ガスの温度が酸化触媒の出口温度より低温になるようにしたことを特徴としている(図6参照)。
【0018】
これらの還元触媒で昇温された高温排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行う装置においては、酸化触媒に全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるための第2成分を添着させた酸化反応手段を適用することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
図1は、本発明のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法の概念を模式的に示しており、微量の一酸化窒素と高濃度の酸素、さらに硫黄酸化物を含有するディーゼルエンジン排ガスは、前段の酸化触媒10にて一酸化窒素が二酸化窒素に酸化され、後段の還元触媒12に導入される前に炭化水素還元剤が添加されて、還元触媒12にて生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物が窒素ガスに効率よく転換される。また、前段の酸化触媒10にSOx被毒を低く抑えるための第2成分を添着させることにより、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めることができる。
【0020】
低温、かつ高濃度の酸素、硫黄酸化物をも含有するディーゼルエンジン排ガスは、酸化触媒10において、又は酸化触媒10に導入される前に、酸化触媒10が最高活性を示す温度範囲である400〜500℃前後に昇温され、酸化触媒10からの出口ガスは、還元触媒12において、又は還元触媒12に導入される前に、還元触媒12が最高活性を示す温度範囲である200〜400℃前後、望ましくは300〜400℃前後に温度調整される。このように、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる操作温度域とする。
【0021】
図2は、本発明の実施の第1形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置の一例を示しており、酸化触媒、還元触媒それぞれの上流側に熱交換器を設置している。図2に示すように、ディーゼルエンジン排ガスを酸化触媒14に適した温度まで上昇させることを目的とした熱交換器16と、酸化触媒14から排出される出口ガスを還元触媒18に適した温度まで低下させることを目的とした熱交換器20を備えている。この場合、炭化水素還元剤は熱交換器20と還元触媒18の間から供給するが、還元剤の導入により出口ガス温度が還元触媒18に適した温度に低減されるならば、熱交換器20の使用は不要となる。また、還元剤の導入により出口ガス温度が下がりすぎる場合は、熱交換器20で排ガスの温度を上昇させる必要がある。
【0022】
本実施の形態で使用する酸化触媒としては、白金、金、銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム等の貴金属をイオン交換により担持したゼオライトを使用することができる。また、第2成分として、ニッケル、コバルト、ストロンチウム等の金属を酸化触媒に添着させる。これらの触媒は、粒状、ハニカム状、ハニカム担体にディップコートしたもののいずれでも使用可能である。
本実施の形態で使用する還元触媒としては、インジウム、パラジウム、銀、カドミウム等の金属をイオン交換により担持したゼオライトを使用することができる。これらの触媒は、粒状、ハニカム状、ハニカム担体にディップコートしたもののいずれでも使用可能である。
また、炭化水素還元剤としては、気体状メタン、エタン、プロパン、ヘキサン等の飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ヘキセン等の不飽和炭化水素、液体状ガソリン、灯油、軽油、A重油、C重油等の上記の炭化水素等を構成成分として含有する鉱物油などを使用することができる。
【0023】
図3は、本発明の実施の第2形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置の一例を示しており、酸化触媒にジャケット構造の熱交換器又はヒータ、還元触媒にジャケット構造の熱交換器又はクーラが装着されている。図3に示すように、ディーゼルエンジン排ガスを酸化触媒22に適した温度まで上昇させることを目的としたジャケット構造の熱交換器24と、酸化触媒22から排出される出口ガスを還元触媒26に適した温度まで低下させることを目的としたジャケット構造の熱交換器28を備えている。炭化水素還元剤は酸化触媒22と還元触媒26の間で添加される。この場合、還元剤の導入により出口ガス温度が還元触媒26に適した温度に低減されるならば、熱交換器28の使用は不要となる。また、還元剤の導入により出口ガス温度が下がりすぎる場合は、熱交換器28で排ガスの温度を上昇させる必要がある。使用する触媒、還元剤等は、実施の第1形態の場合と同様である。
【0024】
図4は、本発明の実施の第3形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置の一例を示しており、還元触媒の前に冷却用の熱交換器を設け、かつ、還元触媒から出た排ガスの流路内に酸化触媒を設置して、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うものである。図4に示すように、酸化触媒30の上流の排ガス流路32に三方切替コック34を設け、酸化触媒30の下流の排ガス流路36に三方切替コック38を設け、三方切替コック34、38の間にバイパス流路40を設ける。三方切替コック38の下流に熱交換器42、その下流に還元触媒44を備えており、炭化水素還元剤は還元触媒44の手前で添加される。還元触媒44の下流の排ガス流路46内に酸化触媒30を設置して熱交換が行えるようにする。なお、酸化触媒30に接続される排ガス流路32、36は排ガス流路46を貫通しており、互いの排ガスが混合されることはない。
【0025】
この装置では、まず、排ガスがバイパス流路40を経由して流路▲1▼を流れるように三方切替コック34、38を切り替え、還元触媒44にて排ガスの脱硝反応を行わせることにより、還元触媒44からの出口ガス温度を高温状態にして、排ガス流路46内に設置された酸化触媒30を加熱する。つぎに、酸化触媒30が排ガス酸化反応に十分な温度まで上昇した後、排ガスが流路▲2▼を流れるように三方切替コック34、38を切り替え、酸化触媒30と還元触媒44の組み合わせにより脱硝反応を行う。使用する触媒、還元剤等は、実施の第1形態の場合と同様である。
【0026】
図5は、本発明の実施の第4形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置の一例を示しており、還元触媒の前に冷却用の熱交換器を設け、かつ、還元触媒から出た排ガスの流路内に酸化触媒を設置して、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うものである。本実施の形態は、図4のように切替コックを必要とせず、還元触媒48からの出口ガスによる酸化触媒50の加熱と、酸化触媒50と還元触媒48の組み合わせによる脱硝反応を、排ガス導入と同時に行う方式である。
すなわち、図5に示すように、還元触媒48の下流の排ガス流路52内に酸化触媒50を設置して熱交換が行えるようにし、酸化触媒50の下流に熱交換器54、その下流に還元触媒48を備えており、炭化水素還元剤は還元触媒48の手前で添加されるように構成されている。他の構成及び作用等は、上述した実施の第3形態において排ガスが流路▲2▼を流れる場合と同様である。
【0027】
図6は、本発明の実施の第5形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置の一例を示しており、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行い、かつ、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度よりは低温にするために、酸化触媒から出た高温の排ガスを入口ガスと熱交換して冷却を行い、外部熱源と不要としたものである。図6に示すように、酸化触媒56を還元触媒58の下流の排ガス流路60内に設置し、酸化触媒56と還元触媒58の間の排ガス流路62に熱交換器64を設け、熱交換器64に酸化触媒56の上流の排ガス流路66が通るようにする。酸化触媒56は、還元触媒58での反応熱により昇温された高温排ガスで酸化反応に適した温度に加熱され、酸化触媒56からの出口ガスは、熱交換器64にて入口ガスを用いて冷却され、脱硝反応に適した温度となって還元触媒58に導入される。なお、炭化水素還元剤は還元触媒58の手前で添加される。使用する触媒、還元剤等は、実施の第1形態の場合と同様である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本実施例では、酸化触媒として白金触媒、第2成分としてニッケル、還元触媒としてインジウム触媒を使用した。
(1)白金担持ゼオライト触媒の調製
触媒種類は粒状、ハニカム状、ハニカム担体にディップコートしたもののいずれでもよいが、本実施例では粒状触媒を使用した。触媒の調製方法は以下のとおりである。
MFI型ゼオライト触媒を、所定濃度に溶解したテトラアンミンジクロロ白金一水和物([Pt(NH3)4]Cl2・H2O)水溶液中に攪拌混合し、白金金属種をイオン交換担持させた。これを一昼夜110℃で乾燥させた後、空気雰囲気下550℃で5時間焼成した。触媒の担持量は1wt%であった。
【0029】
(2)白金+ニッケル担持ゼオライト触媒の調製
触媒種類は粒状、ハニカム状、ハニカム担体にディップコートしたもののいずれでもよいが、本実施例では粒状触媒を使用した。触媒の調製方法は以下のとおりである。
MFI型ゼオライト触媒を、所定濃度に溶解したテトラアンミンジクロロ白金一水和物([Pt(NH3)4]Cl2・H2O)水溶液中に攪拌混合し、白金金属種をイオン交換担持させた。ついで、所定濃度に溶解した酢酸ニッケル四水和物((CH3COO)2Ni・4H2O)水溶液中に攪拌混合し、ニッケル金属種をイオン交換担持させた。これを一昼夜110℃で乾燥させた後、空気雰囲気下550℃で5時間焼成した。触媒の担持量は1wt%であった。
【0030】
(3)インジウム担持ゼオライト触媒の調製
触媒種類は粒状、ハニカム状、ハニカム担体にディップコートしたもののいずれでもよいが、本実施例では粒状触媒を使用した。触媒の調製方法は以下のとおりである。
MFI型ゼオライト触媒を、所定濃度に溶解した硝酸インジウム三水和物(In(NO3)3・3H2O)水溶液中に攪拌混合し、インジウム金属種をイオン交換担持させた。これを一昼夜110℃で乾燥させた後、空気雰囲気下550℃で5時間焼成した。触媒の担持量は1wt%であった。
【0031】
(4)試験装置、試験方法
図7に示す試験装置により脱硝性能評価を行った。反応ガスは標準ガスボンベより供給し、バランスガスはN2とした。水蒸気はマスフローによりコントロールされた蒸留水を蒸発器により完全に気化させて供給した。触媒は石英製の反応管に所定量を石英製ビーズを上下に挟み込む形で装填した。そして、前段の反応管68に酸化触媒、後段の反応管70に還元触媒を配した。それぞれの反応管には温度調整装置(ヒーター、クーラー)を設けた。ゼオライト触媒は粒径1.4〜2.8mmに整えたものを所定AV相当量(面積当たりの流量)装填した。炭化水素還元剤としてはプロピレンを使用し、プロピレンは前段の反応管68と後段の反応管70の間から供給した。脱硝反応後のガスは、冷却器により水分を除去し、NOx計、N2O計を用いてNOx、N2O濃度を測定した。NOx計、N2O計はそれぞれ化学発光式、赤外式である。評価項目は、導入したガス中の全NOx量に対する出口ガスの、▲1▼N2生成率、▲2▼N2O生成率、▲3▼NOx残存率、である。ガス条件等を下記の表1にまとめる。
【0032】
【表1】
【0033】
2段機能分割型複合触媒として、前段に白金+ニッケル担持ゼオライト触媒、後段にインジウム担持ゼオライト触媒を配したものを本発明の実施例とした。また、2段機能分割型複合触媒として、前段に白金担持ゼオライト触媒、後段にインジウム担持ゼオライト触媒を配したものを比較例とした。比較例における試験装置、試験方法は本発明の実施例と同様である。また、表1に示すように、反応温度は、前段の触媒を410℃、後段の触媒を390℃として試験を行った。これらの2種類の試験を実施し、比較検討を行った。
実施した試験の手順は、まず、SO2:0ppmのガスで脱硝反応を行い、各評価項目を計測した。次に、SO2:500ppmのガスを導入し、脱硝反応を行わせながら一晩経過後、各評価項目を計測した。また、SOx被毒試験後、バランスガスであるN2の流通下、触媒層温度500℃にて触媒再生を行い、その後、SO2:0ppmのガスで脱硝反応を行い、各評価項目を計測した。
【0034】
(5)試験結果
図8、図9に、SOx被毒前、SOx被毒後、触媒再生後のN2生成率、N2O生成率、NOx残存率の変化を示す。図8は本発明の実施例の結果であり、図9は比較例の結果である。いずれの脱硝試験においても、SOx被毒前は、高いN2生成率を示しており、亜酸化窒素(N2O)の発生もほとんどない。しかしながら、SOx被毒試験の結果からわかるように、本発明の実施例では、SO2導入量500ppmという非常に過酷な条件下でありながら、比較例の場合と比較して、SOx被毒後の触媒性能の劣化程度が低く抑えられていることがわかる。
また、図10にSOx被毒後のNOx除去率の経時変化を示す。図10の結果から、本発明の実施例の方が、SOx被毒による触媒性能の低下度合いが少ないことがわかる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1) 微量の一酸化窒素と高濃度の酸素、さらに硫黄酸化物をも含有するディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と後段の還元触媒で脱硝処理するに際し、前段の酸化触媒に硫黄被毒を低く抑えるための第2成分を添着させ、なおかつ、酸化触媒及び還元触媒の各々の操作温度域を各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域とすることにより、全体としての脱硝活性を大幅に向上させることは勿論のこと、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めることができ、触媒の耐久性が大幅に改善される。
(2) 前段の酸化触媒と後段の還元触媒との組み合わせにおいて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うことにより、エネルギーの有効利用ができ、コスト的にも有利になる。
(3) 前段の酸化触媒と後段の還元触媒との組み合わせにおいて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行い、かつ、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度より低温にするために、酸化触媒から出た高温の排ガスを入口ガスと熱交換して冷却を行うことにより、外部熱源が不要となり、エネルギーの有効利用とコスト低減が実現できる。
(4) 低温、かつ高濃度の酸素、硫黄酸化物を含有するディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物を、亜酸化窒素の発生がほとんどなく、効率的に窒素ガスに変換することができる。
(5) きわめて少ない量の炭化水素還元剤で効率的に窒素ガスへの転換が行えるので、炭化水素還元剤の消費量を極端に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法を実施する装置を模式的に示す概念構成図である。
【図2】本発明の実施の第1形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置を示す概略構成説明図である。
【図3】本発明の実施の第2形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置を示す概略構成説明図である。
【図4】本発明の実施の第3形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置を示す概略構成説明図である。
【図5】本発明の実施の第4形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置を示す概略構成説明図である。
【図6】本発明の実施の第5形態によるディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置を示す概略構成説明図である。
【図7】本発明の実施例で使用する試験装置を示す概略構成説明図である。
【図8】本発明の実施例におけるSOx被毒前、SOx被毒後、再生後での試験結果を示すグラフである。
【図9】比較例におけるSOx被毒前、SOx被毒後、再生後での試験結果を示すグラフである。
【図10】実施例及び比較例のSOx被毒後の経時変化に伴うNOx除去率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10、14、22、30、50、56 酸化触媒
12、18、26、44、48、58 還元触媒
16、20、42、54 熱交換器
24、28 ジャケット構造の熱交換器
32、36、46、52、60、62、66 排ガス流路
34、38 三方切替コック
40 バイパス流路
64 外部熱源を用いない熱交換器
68、70 反応管
Claims (14)
- ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、この排ガスに後段の還元触媒の上流側で炭化水素還元剤を添加し、ついで、排ガスを後段の還元触媒と接触させて、前段で生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに転換する窒素酸化物除去方法であって、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に冷却用熱交換器を設け、かつ、還元触媒から出た排ガスの流路内に前記酸化触媒を設置した流路部分を交差させて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行い、前段の酸化触媒に硫黄被毒による触媒性能低下を抑える第2成分を添着させることにより、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるとともに、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域として操作することを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、この排ガスに後段の還元触媒の上流側で炭化水素還元剤を添加し、ついで、排ガスを後段の還元触媒と接触させて、前段で生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに転換する窒素酸化物除去方法であって、還元触媒から出た排ガスの流路内に前記酸化触媒を設置した流路部分を交差させて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うとともに、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に熱交換器を設置し、該熱交換器で酸化触媒に導入前の排ガスと熱交換して、酸化触媒から出た高温の排ガスの冷却を行い、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度より低温にし、前段の酸化触媒に硫黄被毒による触媒性能低下を抑える第2成分を添着させることにより、全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるとともに、酸化触媒及び還元触媒における各々の反応温度を、酸化触媒の方が還元触媒よりも高くなるような各々の触媒が最高活性を示す異なる温度域として操作することを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 酸化触媒として、白金、金、銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選ばれる貴金属をイオン交換により担持したゼオライトを用い、酸化触媒に添着させる第2成分として、ニッケル、コバルト及びストロンチウムからなる群より選ばれる金属を用いる請求項1又は2記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 還元触媒として、インジウム、パラジウム、銀、カドミウムからなる群より選ばれる金属をイオン交換により担持したゼオライトを用いる請求項1、2又は3記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 酸化触媒における反応温度を400〜500℃の範囲とし、還元触媒における反応温度を200〜400℃の範囲とする請求項1〜4のいずれかに記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- 炭化水素還元剤として、メタン、エタン、プロパン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、ヘキセン、ガソリン、灯油、軽油、A重油及びC重油のいずれかを用いる請求項1〜5のいずれかに記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、この排ガスに後段の還元触媒の上流側で炭化水素還元剤を添加し、ついで、排ガスを後段の還元触媒と接触させて生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに転換する窒素酸化物除去方法であって、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に冷却用熱交換器を設け、かつ、還元触媒から出た排ガスの流路内に前記酸化触媒を設置した流路部分を交差させて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うことを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- ディーゼルエンジン排ガスを前段の酸化触媒と接触させて排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化した後、この排ガスに後段の還元触媒の上流側で炭化水素還元剤を添加し、ついで、排ガスを後段の還元触媒と接触させて生成した二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに転換する窒素酸化物除去方法であって、還元触媒から出た排ガスの流路内に前記酸化触媒を設置した流路部分を交差させて、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱を行うとともに、酸化触媒から出た排ガスが還元触媒へ流れる流路に熱交換器を設置し、該熱交換器で酸化触媒に導入前の排ガスと熱交換して、酸化触媒から出た高温の排ガスの冷却を行い、還元触媒に導入する排ガスの温度を酸化触媒の出口温度より低温にすることを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去方法。
- ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填した酸化反応手段と、酸化反応手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段と、酸化反応手段と還元反応手段との間の排ガス流路に設けられた冷却用熱交換器とを備え、酸化触媒を充填した前記酸化反応手段が還元反応手段の下流の排ガス流路内に配置されるように排ガス流路が交差しており、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱が行われるようにしたことを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
- ディーゼルエンジン排ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化するための酸化触媒を充填した酸化反応手段と、酸化反応手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガスに炭化水素還元剤を添加するための還元剤添加手段と、還元剤添加手段の下流の排ガス流路に設けられた排ガス中の二酸化窒素を含む窒素酸化物を窒素ガスに還元するための還元触媒を充填した還元反応手段とを備え、酸化触媒を充填した前記酸化反応手段が還元反応手段の下流の排ガス流路内に配置されるように排ガス流路が交差しており、還元触媒で昇温された高温の排ガスの熱を利用して酸化触媒の加熱が行われるようにし、かつ、酸化反応手段と還元反応手段との間の排ガス流路に熱交換器が設けられ、該熱交換器が酸化反応手段の上流の排ガス流路に設置されるようにして、酸化触媒から出た高温の排ガスが酸化触媒に導入前の排ガスと熱交換して冷却され、還元触媒に導入する排ガスの温度が酸化触媒の出口温度より低温になるようにしたことを特徴とするディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
- 酸化反応手段に充填した酸化触媒が、酸化触媒に全体の脱硝性能の硫黄被毒耐性を高めるための第2成分を添着させたものである請求項9又は10記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
- 酸化反応手段に充填した酸化触媒が、白金、金、銀、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選ばれる貴金属をイオン交換により担持したゼオライトであり、第2成分が、ニッケル、コバルト及びストロンチウムからなる群より選ばれる金属である請求項11記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
- 還元反応手段に充填した還元触媒が、インジウム、パラジウム、銀、カドミウムからなる群より選ばれる金属をイオン交換により担持したゼオライトである請求項9〜12のいずれかに記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
- 還元剤添加手段により排ガスに添加される炭化水素還元剤が、メタン、エタン、プロパン、ヘキサン、エチレン、プロピレン、ヘキセン、ガソリン、灯油、軽油、A重油及びC重油のいずれかである請求項9〜13のいずれかに記載のディーゼルエンジン排ガス中の窒素酸化物除去装置。
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