JP4685144B2 - ユニット式建物の屋根構造 - Google Patents

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本発明は、ユニット式建物の屋根構造に関する。詳しくは、複数の箱状の建物ユニットを組み合わせて建築される建物本体の上に束を介して屋根パネルが支持されたユニット式建物の屋根構造に関する
従来より、住宅構造の一つとして、工場で製造した箱状の建物ユニットを、建築現場で複数組み合わせて建築されるユニット式建物が知られている。
たとえば、図6に示すように、複数の箱状の建物ユニット1を、建築現場で複数組み合わせて建物本体2を形成し、この建物本体2の上に束3を介して複数の屋根パネル4を支持したユニット式建物5が知られている。
この種のユニット式建物5を形成する建物ユニット1としては、図7に示すように、四隅の柱11の上下端に天井梁12および床梁13を連結した直方体状のフレーム14を有するものが一般的である。建物ユニット1のフレーム14には、天井梁12に小梁15を介して支持される天井面材16、床梁13に根太17を介して支持される床面材18および部屋を仕切る間仕切り壁などの内装材(図示省略)や、軽量気泡コンクリートなどで形成された外壁19などが工場で組み付けられる。
このような建物ユニットによれば、工場において、建物ユニットに対して内装材や外壁材の組付作業まで工場で行い、後は、建物ユニットの接合作業を行うだけで、建物が完成するため、建築現場での作業が大幅に削減され、建築工事を短期間で完成できるというメリットが得られる。
ところで、建物本体2の上に屋根パネル4を支持する場合、従来は、図8に示すように、建物ユニット1の柱11の真上に束3を立て、この束3に屋根パネル4を支持した構造である。
このようにすると、屋根パネル4の荷重は、束3を介して、柱11に直接伝達されるから、屋根パネル4の重みで建物ユニット1、とくに、天井梁12などが変形することがない。
建物本体を構成する建物ユニットについては、いろいろなバリエーションに対応するために、大きさの異なる複数種の建物ユニットが用意されているが、たとえば、図9に示すように、最上階を構成する建物ユニットの中に、幅寸法の異なる建物ユニット1A(短辺方向の寸法が通常の建物ユニット1の幅寸法より狭い建物ユニット)が含まれていると、棟の部分を支持する束3が建物ユニット1の柱の位置からずれてしまい、屋根パネル4の荷重を束3を介して柱11に直接伝達することができなくなる。
そこで、これを防ぐために、棟の部分を支持する束3が位置する天井梁12と床梁13との間に間柱6などを設けて補強することが考えられるが、このようにすると、標準的な建物ユニット1の構成とは異なるため、製造工程が増えて建物ユニットの製造効率が損なわれるという問題が残る。
本発明の目的は、寸法の異なる建物ユニットが含まれていても、間柱などの補強を行うことなく、屋根パネルの荷重を建物ユニットの柱に伝達することができるユニット式建物の屋根構造を提供することにある。
本発明は、複数の建物ユニットを組み合わせて建築される建物本体の上に束を介して屋根パネルが指示されたユニット式建物の屋根構造において、前記建物ユニットは、複数本の柱と、これら柱の上端間および下端間を連結する天上梁および床梁とを含むフレームを有し、かつ、全体として箱状に形成され、前記建物本体の上に、一辺が前記建物ユニットの隣接柱間に跨る長さを有し、その真下に位置する各建物ユニットの平面形状に対応した形状に形成されている平板状である小屋パネルが配置され、この小屋パネルの上に束を介して屋根パネルが配置されるとともに、前記平板状である小屋パネルによって小屋裏部屋の床が形成されていることを特徴とする。
本発明のユニット式建物の屋根構造によれば、寸法の異なる建物ユニットが含まれていても、間柱などの補強を行うことなく、屋根パネルの荷重を建物ユニットの柱に伝達することができ、よって、建物ユニットの製造効率を損ねることがない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のユニット式建物を妻側から見た図である。同ユニット式建物は、複数の建物ユニット1,1Aを組み合わせて建築される建物本体2と、この建物本体2の上に配置された小屋パネル21,21Aと、この小屋パネル21,21Aの上に束3を介して支持された複数の屋根パネル4とから構成されている。
ここで、建物本体2を構成する建物ユニットは、通常の建物ユニット1と、短辺方向(妻方向)の寸法が前記通常の建物ユニット1の短辺方向の寸法より短い(長辺方向および高さ方向の寸法は建物ユニット1と同じ)幅狭建物ユニット1Aとを含んで構成されている。つまり、建物本体2の妻側から見て、3つの建物ユニット1の間に1つの幅狭建物ユニット1Aを挟んで各階が構成され、これが1、2階に積層されて建物本体2が形成されている。なお、これらの建物ユニット1,1Aは、図2および図3に示すように、図7と同じ構成要素によって構成されている。
また、小屋パネル21,21Aは、一辺(短辺)が前記建物ユニット1,1Aの隣接する柱間、ここでは、建物ユニット1,1Aの短辺方向で隣接する柱間に跨る長さに形成されている。
具体的には、小屋パネル21は、図2に示すように、短辺が建物ユニット1の短辺方向で隣接する柱11間に跨る長さに、長辺が建物ユニット1の長辺方向で隣接する柱11間に跨る長さにそれぞれ形成されている。
小屋パネル21Aは、図3に示すように、短辺が建物ユニット1Aの短辺方向で隣接する柱11間に跨る長さに、長辺が建物ユニット1Aの長辺方向で隣接する柱11間に跨る長さにそれぞれ形成されている。
つまり、これらの小屋パネル21,21Aは、その真下に位置する各建物ユニット1,1Aの平面形状に対応した長方形に形成されている。
また、屋根パネル4は、幅寸法が建物ユニット1Aの長辺方向を複数に分割した幅寸法に、長さ寸法が棟から軒先に跨る長さ、つまり、矩形板状に形成され、複数の屋根パネル4の組み合わせによって切り妻屋根を構成している。
また、束3は、屋根パネル4の形状に応じて、小屋パネル21,21A上の任意の位置に配置されている。ここでは、2枚の屋根パネル4が合わさる棟部分を支持する束3と、各屋根パネル4の傾斜方向途中部分を支持する束3と、各屋根パネル4の軒先部分を支持する束3とが、その真下に位置する小屋パネル21上の位置に配置されている。
ここでは、小屋パネル21A上には、束が立てられていないが、屋根パネル4を、棟側の部分と軒側の部分、あるいは、それ以上に分割して構成した場合には、小屋パネル21A上に束を立ててもよい。
従って、第1実施形態によれば、建物本体2の上に、一辺が建物ユニット1,1Aの隣接する柱11間に跨る長さを有する小屋パネル21,21Aが配置され、この小屋パネル21の上に束3を介して屋根パネル4が配置されているから、屋根パネル4の荷重は、束3から小屋パネル21を介して建物ユニット1の柱11に伝達されるから、屋根パネル4の重みで建物ユニット1、とくに、天井梁12が変形することがない。従って、間柱などの補強を行う必要もないから、建物ユニットの製造効率を損ねることがない。
また、小屋パネル21,21Aは、その真下に位置する各建物ユニット1,1Aの平面形状に対応した形状に形成されているから、各建物ユニット1,1Aの上に載せた状態で輸送、組立てでき、輸送や組立が容易なうえ、小屋裏部屋を構成する場合にも、小屋パネル21,21Aを小屋裏部屋の床として利用できる利点がある。
なお、上記第1実施形態において、小屋パネル21,21Aは、隣接する少なくとも2つの建物ユニットに跨る大きさに形成されていてもよい。
このようにすれば、1つの小屋パネルで2つの建物ユニットを連結することができるから、特別に2つの建物ユニットを連結するための部材を設ける必要がなく、経済的に構成できる。
また、屋根パネル4を、平面視で建物本体2の最上階を構成する建物ユニット1,1Aの妻方向(短辺方向)の寸法に対応する長さを有する複数の屋根パネルに分割し、各分割屋根パネルを束を介して小屋パネル21,21A上に支持してもよい。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態のユニット式建物を妻側から見た図である。なお、同図の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態では、屋根パネルは、平面視で建物本体2の最上階を構成する建物ユニット1,1Aの妻方向(短辺方向)の寸法に対応して複数の屋根パネル4A,4B,4Cに分割され、この各分割屋根パネル4A,4B,4Cはその真下に対応する建物ユニット1,1Aの柱11の上に束3を介して支持されている。
前記分割屋根パネル4A,4B,4Cのうち、棟部を構成する分割屋根パネル4Cを除く分割屋根パネル4A、4Bは、一辺が平面視で対応する建物ユニット1,1Aの妻方向(短辺方向)の寸法に対応する長さを有する平板状に構成されている。
棟部を構成する分割屋根パネル4Cは、図5に示すように、妻側からみて途中で屈曲した「へ」の字状の一対の登り梁31,32を有している。これら一対の登り梁31,32間には複数の母屋材33および垂木34が掛け渡され、棟部を境として、一方の屈曲部間(図中左側)に第1の傾斜屋根部35が、他方の屈曲部間(図中右側)に第1の傾斜屋根部35とは反対側に傾斜する第2の傾斜屋根部36がそれぞれ形成されている。なお、37,38は、各傾斜屋根部35,36に跨って取り付けられる補強板である。
従って、第2実施形態によれば、屋根パネルを、平面視で建物本体2の最上階を構成する建物ユニット1,1Aの妻方向の寸法に対応して複数の屋根パネル4A,4B,4Cに分割され、この各分割屋根パネル4A,4B,4Cは対応する建物ユニット1,1Aの柱11の上に束3を介して支持されているから、各分割屋根パネル4A,4B,4Cを支持する束3を建物ユニット1,1Aの柱11の真上に設けることができる。
よって、分割屋根パネル4A,4B,4Cの荷重を、束3を介して建物ユニット1,1Aの柱11に直接伝達させることから、屋根パネル4A,4B,4Cの重みで建物ユニット1,1A、とくに、天井梁12が変形することがない。従って、間柱などの補強を行う必要もないから、建物ユニットの製造効率を損ねることがない。
また、分割屋根パネル4A,4B,4Cのうち、棟部を構成する分割屋根パネル4Cは、途中で屈曲した一対のへの字状の登り梁を含んで、第1の傾斜屋根部35および第2の傾斜屋根部36が形成されているから、つまり、第1の傾斜屋根部35および第2の傾斜屋根部36が十分な強度に構成されているから、これを束3を介して建物ユニット1,1Aの柱11の上に支持しても、十分な強度を備えた棟に構成できる。
なお、上記第2実施形態において、棟部を構成する分割屋根パネル4Cについては、上記構成に限らず、他の構成でもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、最上階を1つの幅狭建物ユニット1Aを含んで構成したが、これに限らず、2以上の幅狭建物ユニット1Aを含んで構成してもよく、あるいは、1または2以上の幅広建物ユニットを含んで建物本体を構成してもよい。
本発明の第1実施形態のユニット式建物を示す正面図である。 同上実施形態で用いる通常の建物ユニットとその上に配置される小屋パネルの分解斜視図である。 同上実施形態で用いる幅狭建物ユニットとその上に配置される小屋パネルの分解斜視図である。 本発明の第2実施形態のユニット式建物を示す正面図である。 同上実施形態で用いる分割屋根パネル(棟部屋根パネル)を示す分解斜視図である。 一般的なユニット式建物を示す斜視図である。 図6に用いられる建物ユニットを示す斜視図である。 図6のユニット式建物を妻側から見た図である。 幅狭建物ユニットを含んで建物本体を構成したときの束の位置を示す図である。
符号の説明
1 建物ユニット
1A 幅狭建物ユニット
2 建物本体
3 束
4 屋根パネル
4A,4B,4C 分割屋根パネル
5 ユニット式建物
11 柱
12 天井梁
13 床梁
14 フレーム
21 小屋パネル
21A 小屋パネル
31,32 登り梁
35 第1の傾斜屋根部
36 第2の傾斜屋根部

Claims (1)

  1. 複数の建物ユニットを組み合わせて建築される建物本体の上に束を介して屋根パネルが支持されたユニット式建物の屋根構造において、前記建物ユニットは、複数本の柱と、これら柱の上端間および下端間を連結する天井梁および床梁とを含むフレームを有し、かつ、全体として箱状に形成され、前記建物本体の上に、一辺が前記建物ユニットの隣接柱間に跨る長さを有し、その真下に位置する各建物ユニットの平面形状に対応した形状に形成されている平板状である小屋パネルが配置され、この小屋パネルの上に束を介して屋根パネルが配置されるとともに、前記平板状である小屋パネルによって小屋裏部屋の床が形成されていることを特徴とするユニット式建物の屋根構造
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