JP4684383B2 - 耐酸化層を有する高融点金属材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モリブデン等の高融点金属の表面に耐酸化層を有することによって,酸化雰囲気中の高温で使用される耐酸化層を有する高融点金属材料とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,元素周期律表のVa,VIa族に位置するニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンは、高融点金属の代表とされ、その中でもタングステンやモリブデンは高温で使用される加熱炉の発熱体、熱反射板、焼成用の坩堝、トレー,敷き板などの耐熱構造材料部材として使用されている。
【0003】
しかし,モリブデンは耐酸化性に乏しい。即ち、モリブデンにおいては空気中600℃で酸化が顕著になり,約700℃では生成したMoO3が昇華し始める。一酸化炭素中や一酸化炭素中では、それそれ1400℃および1200℃以上で顕著に酸化する。上記のような現象を克服するために種々の耐酸化膜をモリブデンの表面に生成,あるいは張り合わせることが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラズマ溶射法、CVDなどによって、モリブデンの表面に耐酸化性のセラミックス材料の薄膜を被覆しても、生成された被覆薄膜は比較的粗密であったりして、酸素が薄膜を通過して、基板であるモリブデンにまで到達してしまうという事態は解消されない。
【0005】
そこで、本発明の技術的課題は、高温においても耐酸化性を有するモリブデン材等の高融点金属材料とその製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐酸化性被膜を有するモリブデン又はモリブデン合金材等の高融点金属材料について鋭意検討した。その結果、モリブデン材料等の表面に窒素、炭素量のそれぞれの値は、表面よりも母材側が少なく、また、耐酸化層の厚さが5〜100μmの範囲ににあり、耐酸化層と母材金属の界面が喫状に結合されていることを見出だし、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
即ち、本発明によれば、モリブデン又はモリブデン合金からなる金属母材の表面に、モリブデンの炭化物及びモリブデンの窒化物を含有する耐酸化層、又は、モリブデンの炭窒化物を含有する耐酸化層を有することを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料が得られる。
【0008】
また、本発明によれば、前記耐酸化層を有する高融点金属材料において、前記耐酸化層の窒素及び炭素の含有量は、表面から前記金属母材に向かって次第に減少していることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料が得られる。
【0009】
また、本発明によれば、前記いずれかの耐酸化層を有する高融点金属材料において、前記耐酸化層と前記金属母材との界面は、楔状に結合されていることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、前記耐酸化層を有する高融点金属材料を製造する方法であって、前記金属母材の表面に炭素供給源を塗布し、窒素雰囲気中で加熱及び加圧処理することによって前記耐酸化層を形成することを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、前記耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法において、前記加熱処理は、1100〜1400℃の温度範囲内で行われることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法が得られる。
【0012】
さらに、本発明によれば、前記いずれかの耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法において、前記加圧処理は、1MPa以上の窒素雰囲気中で行われ、前記加熱及び加圧処理の時間は、10分以上であることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法が得られる。
【0013】
また、本発明において、母材金属と耐酸化性膜との界面の結合状態は楔形であることが、好ましい。その理由は、結合状態が平らなままでは、母材金属と耐酸化性膜との結合状態が弱く、楔型とすることによってより強固な結合となるからである。
【0014】
また、本発明において、加熱処理温度を1100〜1400℃未満と限定したのは、1100℃末満では、耐酸化性膜の生成が見られず、一方、1400℃以上の温度になると母材金属劣化が起こるためである。
【0015】
また、本発明において、加圧処理における窒素圧を1MPa以上としたのは、1MPa未満では表面に耐酸化性膜の形成が出来ないためである。
【0016】
さらに、本発明において、加熱及び加圧処理の時間を10分以上としたは、10分未満では表面に耐酸化性膜の形成が不十分であるためである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
厚さ3mmのモリブデンの板を酸洗浄により清浄化した後、カーボン粉末を有機溶剤で分散させたペーストを塗布し、乾燥後、下記表1に示した条件で表面に耐酸化被膜を生成させた。
【0019】
【表1】
【0020】
得られた硬質層の厚さを走査型電子顕微鏡(SEM)、組成をEPMAで測定、定量した結果および母材の組成分析を表2及び表3に示した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
次に、本発明の実施の形態により得られた本発明材6と比較材4の耐酸化試験を行った。条件としては、大気中400℃から800℃で各30分加熱、保持した後、試料片の状態および重量の変化を調べた。その結果を図1に示した。
【0024】
図1の結果から、曲線11で示される本発明材6の方が曲線11で示される比較材4よりも明らかに、耐酸化性に優れていることが分かる。
【0025】
以上説明した本発明の実施の形態においては、モリブデン材についてのみ説明下が、モリブデン合金においても、本発明が適用できることは明らかである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高温においても耐酸化性を有するモリブデン材等の高融点金属材料とその製造方法とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による本発明材6と比較材4の高温における耐酸化試験結果を示す図である。
【符号の説明】
11 本発明材6の耐酸化性を示す曲線
12 比較材4の耐酸化性を示す曲線
Claims (6)
- モリブデン又はモリブデン合金からなる金属母材の表面に、モリブデンの炭化物及びモリブデンの窒化物を含有する耐酸化層、又は、モリブデンの炭窒化物を含有する耐酸化層を有することを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料。
- 請求項1記載の耐酸化層を有する高融点金属材料において、前記耐酸化層の窒素及び炭素の含有量は、表面から前記金属母材に向かって次第に減少していることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料。
- 請求項1又は2記載の耐酸化層を有する高融点金属材料において、前記耐酸化層と前記金属母材との界面は、楔状に結合されていることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料。
- 請求項1記載の耐酸化層を有する高融点金属材料を製造する方法であって、前記金属母材の表面に炭素供給源を塗布し、窒素雰囲気中で加熱及び加圧処理することによって前記耐酸化層を形成することを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法。
- 請求項4記載の耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法において、前記加熱処理は、1100〜1400℃の温度範囲内で行われることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法。
- 請求項4又は5記載の耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法において、前記加圧処理は、1MPa以上の窒素雰囲気中で行われ、前記加熱及び加圧処理の時間は、10分以上であることを特徴とする耐酸化層を有する高融点金属材料の製造方法。
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