JPH05148053A - セラミツクス−金属接合体 - Google Patents
セラミツクス−金属接合体Info
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- JPH05148053A JPH05148053A JP31699891A JP31699891A JPH05148053A JP H05148053 A JPH05148053 A JP H05148053A JP 31699891 A JP31699891 A JP 31699891A JP 31699891 A JP31699891 A JP 31699891A JP H05148053 A JPH05148053 A JP H05148053A
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Abstract
等の付加に対して高い信頼性が得られるセラミックス−
金属接合体を提供する。 【構成】 窒化物系セラミック部材と、Ti、ZrおよびNb
から選ばれた少なくとも1種の活性金属を含む Ag-Cu系
ろう材層を介して、窒化物系セラミックス基板に接合さ
れた金属部材とを具備するセラミックス−金属接合体で
ある。窒化物系セラミック部材側の接合界面には、ろう
材中の活性金属が偏析した層が 4μm 〜 7μm 程度の厚
さで連続して存在している。活性金属の偏析層は、活性
金属と窒化物系セラミックス部材中の窒素との反応物に
より主として構成されている。
Description
属部材との接合体に係り、特に耐冷熱サイクル特性に優
れたセラミックス−金属接合体に関する。
軽量でかつ高硬度を有する、電気絶縁性に優れる、耐熱
性や耐食性に優れる等という特徴を有しており、これら
の特徴を生かして構造用材料や電気部品用材料等として
利用されている。ところで、例えば窒化物系セラミック
ス材料を構造材として使用する場合、セラミックス材料
は本来脆性材料であるため、金属材料と接合して用いる
ことが一般的である。一方、窒化物系セラミックス材料
の高電気絶縁性という特性を利用して、電子部品の搭載
基板等として使用する際にも、電気回路の形成等を目的
として、金属と接合することが行われている。このよう
に、窒化物系セラミックス材料の実用化を考えた場合、
金属材料との接合が重要な技術となる。
と金属部材との接合方法としては、従来から、MoやW 等
の高融点金属を用いる方法や、IVa 族元素や Va 族元素
のような活性金属を用いる方法等が知られており、中で
も、高強度、高封着性、高信頼性等が得られることか
ら、活性金属法が多用されている。
素が窒化物系セラミックス材料に対して濡れやすく、反
応しやすいことを利用した接合法であり、具体的には活
性金属を添加したろう材を用いたろう付け法や、窒化物
系セラミックス部材と金属部材との間に活性金属の箔や
粉体を介在させ、加熱接合する方法(固相拡散接合)等
として利用されている。また、被接合体となる金属部材
として、活性金属を直接使用することも行われている。
一般的に、取扱い性や処理のしやすさ等から、CuとAgと
の共晶ろう材(Ag:72wt%)にTi等の活性金属を添加し、
これをセラミックス部材と金属部材との間に介在させ、
適当な温度で熱処理して接合する方法が多用されてい
る。
ラミックス部材と金属部材との接合部品には、高接合強
度が求められる一方、セラミックス材料の熱膨張率は金
属材料のそれに比べて小さいため、この熱膨張差に起因
する欠点の発生を抑制することが強く求められている。
すなわち、熱膨張率が大きく異なるセラミックス材料と
金属材料とを接合すると、接合後の冷却過程で熱膨張差
に起因する残留応力が生じ、外部応力との相乗によって
接合強度が大幅に低下したり、また接合後の冷却過程や
冷熱サイクルの付加によって応力の最大点からクラック
が発生したり、さらにはセラミックス材料が破壊される
等の問題を招いてしまう。
性金属ろう材を用いた接合方法では、比較的接合強度が
高い接合体は得られるものの、冷熱サイクル等の付加に
対して十分な信頼性を有する接合体を再現性よく得るま
でには至っていないのが現状である。例えば、窒化物系
セラミックス部材上に銅板等を活性金属ろう材を用いて
接合したものを、半導体素子等の搭載用基板として用い
ているが、近年の半導体素子の高集積化や大電力化によ
って、半導体素子からの放熱量は飛躍的に増大してお
り、搭載基板側への熱伝達量が増加していることから、
冷熱サイクル等に対する信頼性の向上が強く望まれてい
る。
になされたもので、高接合強度を満足すると共に、冷熱
サイクル等の付加に対して高い信頼性が得られるセラミ
ックス−金属接合体を提供することを目的としている。
クス−金属接合体は、窒化物系セラミック部材と、Ti、
ZrおよびNbから選ばれた少なくとも 1種の活性金属を含
む Ag-Cu系ろう材層を介して、前記窒化物系セラミック
ス基板に接合された金属部材とを具備するセラミックス
−金属接合体において、前記窒化物系セラミック部材側
の接合界面には、前記活性金属が偏析した層が連続して
存在することを特徴としている。
部材としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、サイア
ロン等が例示される。また、窒化物系セラミックス部材
自体の材料特性は、特に限定されるものではないが、特
に破壊靭性値KICが4.5MPa・m1/2 以上のものを用いる
ことが好ましい。本発明のセラミックス−金属接合体
は、ろう材層自体の構成によって、耐冷熱サイクル特性
や接合強度の向上を図ったものであるが、さらに破壊靭
性値KICが4.5MPa・m 1/2 以上の窒化物系セラミックス
部材を用いることにより、より一層耐冷熱サイクル特性
の向上を図ることができる。すなわち、窒化物系セラミ
ックス部材の破壊靭性値KICが4.5MPa・m1/2 以上であ
ると、冷熱サイクル等が接合体に付加された際に、窒化
物系セラミックス部材にクラックが生じることが抑制さ
れる。
属材料から適宜選択すればよく、例えば構造材料として
は、鋼材、耐熱合金、超硬合金等が例示され、また電子
部品材料としては、Cu、Cu合金、Ni、Ni合金、W 、Mo等
が例示される。
述したような窒化物系セラミックス部材と金属部材と
を、 Ag-Cuの共晶組成(72wt%Ag-28wt%Cu)もしくはその
近傍の組成を主とし、これにTi、ZrおよびNbから選ばれ
た少なくとも 1種の活性金属を適量配合した Ag-Cu系ろ
う材により接合したものである。
体においては、上記ろう材中の活性金属を窒化物系セラ
ミックス部材側の接合界面に偏析させており、この偏析
層は基本的には活性金属の窒化物により主として構成さ
れたものである。この活性金属の偏析層は、接合界面に
連続して形成されていることが重要であり、これにより
接合強度や耐冷熱サイクル特性の向上を図ることができ
る。
ろう材中の活性金属とセラミックス部材中の窒素との反
応による窒化物により主に構成されたものである。この
ような反応層を窒化物系セラミックス部材側の接合界面
に連続して形成することによって、安定して高接合強度
が得られると共に、活性金属の偏析層が応力緩和層とし
て機能するため、冷熱サイクル付加等によって窒化物系
セラミックス部材にクラックが生じることを抑制するこ
とができる。このクラックの抑制は、前述したように、
破壊靭性値KICが4.5MPa・m 1/2 以上の窒化物系セラミ
ックス部材を用いることによって一層効果的となる。
体は脆性材料であり、あまり層厚が厚くなると逆にクラ
ックの起点となる恐れがあるため、活性金属の偏析層の
厚さは 7μm 以下とすることが好ましい。また、層厚が
あまり薄いと一様に形成することが困難となるため、 4
μm 以上とすることが好ましい。よって、活性金属の偏
析層の厚さは、 4μm〜 7μm の範囲とすることが好ま
しい。なお、偏析層は接合界面に一様に連続して形成さ
れていればその機能を果たすため、均一であればその層
厚は 4μm 未満でもよい。
本来脆性材料であるため、上記偏析層を主に構成する化
合物を、セラミックス部材の他方の構成材料をさらに含
む複合化合物とすることによって、より一層耐冷熱サイ
クル特性を向上させることができる。例えば、セラミッ
クス部材が窒化アルミニウム焼結体であるとすると、活
性金属−アルミニウム−窒素の三元化合物とすることが
好ましい。このように、例えばアルミニウムを含有させ
ることによって化合物の延性が大きくり、偏析層がクラ
ックの起点となることを防止することができる。
述したように、 Ag-Cuの共晶組成もしくはその近傍の組
成を主とし、これにTi、ZrおよびNbから選ばれた少なく
とも2種の活性金属を適量配合したものである。上記活
性金属は、熱処理温度(接合温度)で活性化し、窒化物
系セラミックス部材と反応して例えば窒化物となり、接
合強度や耐冷熱サイクル特性の向上に寄与するものであ
る。ただし、あまり多量に添加すると、接合強度は増大
するものの、冷熱サイクルが付加された際にクラックの
発生原因となる恐れがあるため、10重量%未満とするこ
とが好ましい。一方、活性金属の配合量があまり少ない
と、十分な接合強度が得られないため、1重量%以上と
することが好ましい。また、ろう材の主体となる Ag-Cu
合金は、基本的には共晶組成を満足するものとするが、
全ろう材成分中のCu量が15重量%〜35重量%程度であれ
ば同様な効果を得ることができる。
えば以下のようにして製造される。まず、窒化物系セラ
ミックス部材と金属部材とを用意し、上述したような活
性金属を含む Ag-Cu系ろう材をペースト化したものを窒
化物系セラミックス部材側に塗布する。ここで、本発明
で規定するように、活性金属が偏析した層を窒化物系セ
ラミックス部材側の接合界面に一様に形成するには、ろ
う材ペーストを窒化物系セラミックス部材側に塗布する
ことが重要である。ろう材ペーストを金属部材側に塗布
したのでは、塗布したペースト層の表面に、接合工程ま
での間に微量な酸素が付着し、この酸素が活性金属が窒
化物系セラミックス部材側に移行することを妨げる。よ
って、活性金属が偏析した層を一様に形成することが困
難となる。従来法ではろう材ペーストを金属部材側に塗
布することが一般的であった。なお、上述した Ag-Cu系
ろう材の使用形態としては、Ag、Cuおよび活性金属を含
むペーストとして使用することが好ましいが、必ずしも
箔の積層体のような状態で使用することを除外するもの
ではない。
セラミックス部材と金属部材とを積層し、真空中または
窒素雰囲気のような不活性雰囲気にて、Ag-Cu共晶が形
成される温度で熱処理し、この共晶液相および活性金属
とセラミックス部材との反応等を利用して、窒化物系セ
ラミックス部材と金属部材とを接合する。
00℃程度で、接合時間(加熱時間)は 5分〜15分程度で
あるが、活性金属を窒化物系セラミックス部材に一様に
偏析させるためには、 830℃〜870℃程度で、 5分〜10
分程度とすることが好ましい。さらに、活性金属を偏析
させる条件としては、真空度を10-4rr以下に保持するこ
と等が挙げられる。
活性金属−アルミニウム−窒素等の複合化合物とするた
めには、高温でかつ比較的短時間で処理するか、あるい
は中温度以上で長時間処理することが好ましい。これら
のように、接合時の反応性を高めることによって、活性
金属と窒素とが反応した後、それにアルミニウム等が固
溶しやすくなり、複合化合物が形成されやすくなる。
状の窒化アルミニウム焼結体、および金属部材として厚
さ0.3mmtの銅板(無酸素銅)を用意した。一方、重量比
でAg:Cu:Ti=70.6:27.4:2.0のろう材を用意し、このろう
材に樹脂バインダおよび分散媒を適量加え、十分に混合
して接合用ペーストを作製した。
ミニウム焼結体1の一方の主面1aに、上記した接合用
ペースト2をスクリーン印刷し、乾燥させた後、接合用
ペースト2の塗布層上に銅板3を積層、配置した。この
後、上記積層物に対して 1×10-4Torr以下の真空中に
て、 850℃×10分(昇温速度:10℃/分、降温:炉冷)
の温度プロファイルで熱処理を施し、図1(b)に示す
ように、窒化アルミニウム焼結体1と銅板3とをろう材
層4を介して接合し、目的とするセラミックス−金属接
合体5を得た。
する以外は、同一条件でセラミックス−金属接合体を作
製した。
施例1と同様にして接合用ペーストを作製した。そし
て、この接合用ペーストを銅板側に塗布する以外は、実
施例1と同一条件でセラミックス−金属接合体を作製し
た。
た各セラミックス−金属接合体(窒化アルミニウム−
銅)の界面分析をEPMAにより行った。図2に実施例
1のEPMAによる分析結果を模式的に示す。また、図
3に比較例2のEPMAによる分析結果を模式的に示
す。図2から明らかなように、実施例1によるセラミッ
クス−金属接合体では、窒化アルミニウム側の接合界面
にTiが偏析した層が連続して形成されていることが分か
る。このTiの偏析層の厚さは、約 4.5μm であった。ま
た、このTiの偏析層は、 TiNにより主に構成されている
ことをX線回折によって確認した。一方、比較例2によ
るセラミックス−金属接合体では、図3に示すように、
窒化アルミニウム側の接合界面にTiが偏析した層が形成
されていたが、このTiの偏析層はとぎれている部分が存
在し、またその厚さは約 3μm であった。なお、比較例
1によるセラミックス−金属接合体は、Tiの偏析層の厚
さが約1.5μm とさらに薄く、形成状態も不連続であっ
た。
界面において、Tiの偏析層を中心とした10μm ×10μm
の面積の成分比をEPMAにより分析したところ、表1
に示すような結果が得られた。
金属接合体では、窒化アルミニウム側界面にTiが偏析し
ていることを裏付けている。
作製した各セラミックス−金属接合体の特性を以下のよ
うにして評価した。まず、各セラミックス−金属接合体
に対して冷熱サイクル試験(TCT) を施した。 TCTは-40
℃×30分+RT×10分+ 125℃×30分+RT×10分を 1サイ
クルとした。 TCT後の評価方法としては、銅板のピール
強度の測定とクラック有無を確認することにより行っ
た。 TCTサイクル数とピール強度およびクラック発生と
の関係を図4に示す。図4から明らかなように、実施例
1によるセラミックス−金属接合体は、初期の接合強度
が極めて大きいと共に、冷熱サイクルが印加された状態
においても強度低下が少なく、さらに TCTによるクラッ
クも 100サイクルまでは認められなかった。これに対し
て、比較例1および比較例2によるセラミックス−金属
接合体は、それぞれ初期の接合強度が低く、かつクラッ
クも50サイクル程度で発生しており、その後の強度低下
も大きいものであった。
0 ℃×30分と変更する以外は、実施例1と同一条件でセ
ラミックス−金属接合体を作製した。
をEPMAにより行ったところ、窒化アルミニウム側の
接合界面にTiが偏析した層が連続的に形成されている
(層厚は実施例1と同等)と共に、このTiの偏析層にAl
が拡散しており、 Ti-Al-N化合物が形成されていること
を確認した。なお、実施例1によるセラミックス−金属
接合体においても、Tiの偏析層にAlが拡散していること
が確認されたが、量的には実施例2によるセラミックス
−金属接合体の方が多かった。
合体の TCTによるクラック発生の有無を確認したとこ
ろ、300 サイクルまでクラックの発生は認められず、さ
らに耐冷熱サイクル特性に優れることが判明した。な
お、ピール強度の測定値は実施例1とほぼ同程度であっ
た。
1/2 、4.0MPa・m 1/2 の 3種類の窒化アルミニウム焼結
体を用意し、これらを各々用いて実施例1と同一条件
で、それぞれセラミックス−金属接合体(実施例3〜
5)を作製した。
のピール強度を測定すると共に、それぞれ実施例1と同
一条件の TCTを 100サイクル施し、それぞれ窒化アルミ
ニウム焼結体のファインクラックの有無を以下に示す方
法によって確認した。まず、銅板およびろう材層をエッ
チング除去し、窒化アルミニウム焼結体表面のファイン
クラックの有無を、蛍光浸透探傷(PT)検査で判定するこ
とによって行った。
ずれのセラミックス−金属接合体も実施例1とほぼ同程
度であったが、実施例3(AlN:KIC= 4.7MPa・ m1/2 )
のセラミックス−金属接合体では TCT 100サイクル後に
おいてもクラックは認められなかったのに対し、他のセ
ラミックス−金属接合体(実施例4、5)では微細なク
ラックが発生していた。
クス−金属接合体によれば、窒化物系セラミックス部材
側の接合界面に、反応層である活性金属の偏析層が適度
な層厚で連続して形成されているため、安定して高接合
強度が得られると共に、冷熱サイクルの付加等によって
窒化物系セラミックス部材にクラックが生じることを抑
制することができる。よって、高接合強度を有すると共
に、冷熱サイクルに対して優れた信頼性を示すセラミッ
クス−金属接合体を、再現性よく提供することが可能と
なる。
接合体の製造工程を示す図である。
合体の接合界面のEPMA分析結果を模式的に示す図で
ある。
属接合体の接合界面のEPMA分析結果を模式的に示す
図である。
合体の TCTサイクル数とピール強度との関係を従来例と
比較して示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 窒化物系セラミック部材と、Ti、Zrおよ
びNbから選ばれた少なくとも 1種の活性金属を含む Ag-
Cu系ろう材層を介して、前記窒化物系セラミックス基板
に接合された金属部材とを具備するセラミックス−金属
接合体において、 前記窒化物系セラミック部材側の接合界面には、前記活
性金属が偏析した層が連続して存在することを特徴とす
るセラミックス−金属接合体。 - 【請求項2】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
体において、 前記活性金属の偏析層の厚さは、 4μm 〜 7μm の範囲
であることを特徴とするセラミックス−金属接合体。 - 【請求項3】 請求項2記載のセラミックス−金属接合
体において、 前記活性金属の偏析層は、前記活性金属の窒化物から主
として構成されていることを特徴とするセラミックス−
金属接合体。 - 【請求項4】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
体において、 前記窒化物系セラミック部材は、窒化アルミニウム焼結
体からなり、かつ前記活性金属の偏析層は、前記活性金
属とアルミニウムと窒素との化合物を構成要素として含
むことを特徴とするセラミックス−金属接合体。 - 【請求項5】 請求項1記載のセラミックス−金属接合
体において、 前記窒化物系セラミック部材は、破壊靭性値KICが4.5M
Pa・m 1/2 以上であることを特徴とするセラミックス−
金属接合体。
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