JP4683980B2 - エレベータ用ガイドレール - Google Patents
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Description
従来の一般的なエレベータ用ガイドレールの接続構造では、2本のガイドレール部材の端部を連接部材としての継目板により接続するもので、2本のガイドレール部材の背面をねじ締結している。また、2本のガイドレール部材にはそれぞれ接続のための案内として「ほぞ」のオス部やメス部を設けている。
このガイドレールの接続部は、かごやつり合い錘が通過する際の振動や騒音の発生原因になり易い部分であり、接続部分に段差を生じないことが要求される。そのため、これまでに接続部の芯合わせに関して様々な方策が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
ところが、従来のエレベータ用ガイドレールにあっては、ガイドレール部材間の接続部の強度が不足するという問題があった。
より具体的には、地震などによってガイドレール部材の接続部分にガイドレール部材の案内部分側から継目板の方向に向かう曲げモーメントが作用した場合に、継目板やガイドレール部材の背板が曲がったり、接続ボルトが伸びるなどしてガイドレールの間隔が広がり、かごやつり合い錘が円滑に走行できなくなる可能性があった。
この問題を解決するためには、継目板を大きくする、締結ボルトを大きくする、締結ボルトの数を増やす、またはそれぞれの材質を強度の高いものに変更するなどの手法がある。あるいはガイドレール部材自体を大きくするか、ガイドレール部材の材質を高強度のものに変更する場合も考えられる。
しかしながら、継目板や締結ボルトを大きくする、数を増やすという手段をとると、部材の重量が増えるので、ガイドレール部材やその他の支持部材にかかる負荷が増加する上、据付作業の難易度も高くなる。また、何れの方策もコストアップにつながるため、製造者にとっては好ましくない。さらに、構成部材の寸法増加はエレベータの設置空間の増加を意味し、建築物の使用可能な空間を減らしてしまうため、建築物の所有者や使用者にとっても受け入れられにくい。
このような継目構造にすれば、レールの接続部の強度を比較的容易に向上させることができる。
しかしながら、エレベータにおいては、ガイドレール部材の側面を案内面として使い、ガイドシューやガイドローラーでガイドレール部材の案内面を挟んでかごを移動させるのが一般的である。したがって、従来のガイドレール部材の側面に継目板を設けると、ガイドシューやガイドローラーと干渉するという別の問題が生じる。この干渉を避けるためには、ガイドシューやガイドローラーをガイドレール部材の背板から遠方に配置しなければならず、システム構成の拡大につながり、望ましい構造とはなり得ない。
この発明による実施の形態1を図1について説明する。図1は実施の形態1におけるエレベータ用ガイドレールの構成を示す分解斜視図である。
さらに、図1ではガイドレール部材1の案内部分1aの一部8が背面部分1bの端面よりも突き出し、ガイドレール部材2の案内部分2aの一部9が背面部分2bの端面よりも引込んだ形状をなし、大小2種類の突き出し部8と同じく大小2種類の引込み部9がそれぞれ噛み合う構成となっている。
なお、ガイドレール部材1の突出し部8およびガイドレール部材2の引込み部9がレールの案内部1aおよび2aの上端を除く位置に形成されている。
さらに、ガイドレール部材1および2を引張強さ700MPa以上のいわゆる高強度鋼で構成することにより、ガイドレール部材1および2の寸法、より具体的には断面積を小さくでき、したがって部材の軽量化を図ることができる効果がある。例えば、JIS規格のT89材をT75材にサイズダウンすればおよそ30%の軽量化となる。
この発明による実施の形態2を図2について説明する。図2は実施の形態2におけるエレベータ用ガイドレールの構成を示す分解斜視図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
これに対して、この実施の形態2では、図2に示すように、ガイドレール部材1の突出し部8およびガイドレール2部の引込み部9のガイドレール部材1,2の長手方向に平行な合わせ面PSにそれぞれ小突部8aおよび9aを設け、2本のガイドレール部材1,2を鍵状に噛み合う構成にする。
この発明による実施の形態3を図3について説明する。図3は実施の形態3における
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1および実施の形態2における構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
ガイドレール部材1の突出部8およびガイドレール部材2の引込み部9の噛み合いにおける合わせ面PSの加工が穴あけ加工のみとなるので、より簡便にガイドレール部材同士の間隔が広がる力に対する抵抗力を得ることができる。また、棒状連結具10は、「ほぞ」4および5に代わって芯合わせの役割を持たせることもできる。
この発明による実施の形態4を図4について説明する。図4は実施の形態3における
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1から実施の形態3までにおける構成と同一の構成内容を具備し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
(1)2本のガイドレール部材1,2と、継目板3と、2本のガイドレール部材1,2の板状背面部分1b,2bに設けられた締結用の孔7を通して継目板3の締結用の孔6にボルト等でガイドレール部材1,2を締結するエレベータ用ガイドレールにおいて、一方のガイドレール部材1における案内部分1aの一部が背面部分1bの端面よりも突き出し、他方のガイドレール部材2における案内部分2aの一部が背面部分2bの端面よりも引込んだ形状をなし、2本のガイドレール部材1,2を継目板3に締結したときに、少なくとも1対以上の位置でガイドレール部材同士が互いに噛み合うように構成し、かつ、その噛み合い部をガイドレール部材1,2の案内面の上端を除く位置に設けたことを特徴とするエレベータ用ガイドレール。
(効果)
この構成により、従来と同一の材料、同一の大きさでより高強度のガイドレール接続構造を得ることができる。また、従来と同一の大きさであるので、既存のエレベータに対しても容易に交換でき、耐震性能を向上させることができるという効果もある。
(2)2本のガイドレール部材1,2と、継目板3と、2本のガイドレール部材1,2の板状背面部分1b,2bに設けられた締結用の孔7を通して継目板3の締結用の孔6にボルト等でガイドレール部材1,2を締結するエレベータ用ガイドレールにおいて、一方のガイドレール部材1における案内部分1aの一部が背面部分1bの端面よりも突き出し、他方のガイドレール部材2における案内部分2aの一部が背面部分2bの端面よりも引込んだ形状をなし、一方のガイドレール部材1における突出し部および他方のガイドレール部材2における引込み部のガイドレール部材1,2の長手方向に平行な合わせ面PSにそれぞれ互いに噛み合う小突部8a,9aを設けたことを特徴とするエレベータ用ガイドレール。
(効果)
この構成により、ガイドレール部材の噛み合い代が大きく取れないような場合であっても、高強度のガイドレール接続構造を得ることができる。
(3)2本のガイドレール部材1,2と、継目板3と、2本のガイドレール部材1,2の板状背面部分に設けられた締結用の孔7を通して継目板3の締結用の孔6にボルト等でガイドレール部材1,2を締結するエレベータ用ガイドレールにおいて、一方のガイドレール部材1における案内部分1aの一部が背面部分1bの端面よりも突き出し、他方のガイドレール部材2における案内部分2aの一部が背面部分2aの端面よりも引込んだ形状をなし、一方のガイドレール部材1における突出部8および他方のガイドレール部材2における引込み部9のガイドレール部材1,2の長手方向に平行な合わせ面PSにそれぞれ連結孔8b,9bを設け、棒状連結部具10を二つの孔8b,9bの嵌め込む構成としたことを特徴とするエレベータ用ガイドレール。
(効果)
この構成により、より簡便にガイドレール部材同士の間隔が広がる力に対する抵抗力を得ることができる。
(4)2本のガイドレール部材1,2と、継目板3と、2本のガイドレール部材1,2の板状背面部分1b,2bに設けられた締結用の孔7を通して継目板3の締結用の孔6にボルト等でガイドレール部材1,2を締結するエレベータ用ガイドレールにおいて、2本のガイドレール部材1,2における板状背面部分1b,2bの端部に少なくとも1対以上の突出部18aと引込み部17bをそれぞれ設け、一方のガイドレール1または2の突出部18aと他方のガイドレール2または1の引込み部17bがそれぞれ噛み合うような構成としたことを特徴とするエレベータ用ガイドレール。
(効果)
この構成により、ガイドレール部材の案内部分に全く変更を加えることなく、継目板と垂直方向への変形を抑制することができる。
(5)ガイドレール部材1,2、および/あるいは、継目板3を引張強さ700MPa以上のいわゆる高強度鋼で構成したことを特徴とする前記(1)項から(4)項までに記載のエレベータ用ガイドレール。
(効果)
この構成により、ガイドレールを構成する部材の寸法を小さくし、システムの軽量化を可能とする。
Claims (1)
- 板状の背面部分と前記背面部分から前記背面部分と垂直方向に突設される案内部分とを有する第1のガイドレール部材、板状の背面部分と前記背面部分から前記背面部分と垂直方向に突設される案内部分とを有する第2のガイドレール部材、前記第1および第2のガイドレール部材の端部と当接して締結具により締結され前記第1および第2のガイドレール部材の端部を互いに連結する連接部材を備え、前記第1および第2のガイドレール部材の端部における前記背面部分と前記連接部材との当接面と垂直方向の相対的移動を阻止する係合部を前記第1および第2のガイドレール部材の端部における前記背面部分にそれぞれ設けたことを特徴とするエレベータ用ガイドレール。
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