JP4683800B2 - 杭頭処理具および杭頭処理方法 - Google Patents

杭頭処理具および杭頭処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、場所打杭の杭頭処理具および杭頭処理方法に関し、より詳細には、場所打杭の杭頭処理の際に発生する建設廃棄物を減少させることができ、場所打杭の杭頭に固定することを可能とする杭頭処理具および杭頭処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、基礎杭の埋設工事において主として場所打コンクリート杭工法により施工されている。この場所打コンクリート杭工法は、地中の所定位置までアースドリルやロータリー式ボーリング機などを用いて掘削孔を形成し、複数の杭主筋を篭状に組み立てた鉄筋篭を掘削孔内に配設し、トレミー管を挿入してコンクリートの打設を行う工法である。一般には、打設したコンクリートは、鉄筋篭の杭頭部分を超える余盛部分を形成する。さらに、この余盛部分の上部に土砂礫を敷設して打設したコンクリートの養生を行う。養生後、掘削することにより土砂礫を取り除き、固まった余盛コンクリートをはつり取って鉄筋篭の杭頭部分を露出させる。この露出した杭主筋を基礎として建物などの基礎工事を施工する。
【0003】
従来、上述した余盛コンクリートのはつり工事は、騒音、振動、粉塵などを発生させるといった問題があり、またはつり工事中に杭頭部分を損傷させるといった問題も生じていた。また、余盛コンクリートに使用するコンクリートのコストやはつり工事にかかるコストなどコスト増大の原因ともなっていた。さらに、はつり工事によりはつった部分を水平面とすることは困難であり、基準墨出しなどの精度を向上させることが困難であった。
【0004】
そこで、上述したはつり工事を減少させ、杭頭部分の損傷を防止する杭頭処理具や杭頭処理方法が提案されている。
【0005】
特開昭58−153816号公報に開示の杭頭鉄筋キャップは、トレミー管が挿通可能な貫通孔が設けられ、貫通孔を中心として二重構造となっており、上下に環状の天板および底板が設けられた構造とされている。また、底板には、杭主筋を挿通するための杭筋貫通穴が設けられ、杭筋貫通穴を介して連結ボルトを螺入し、連結ボルトにスリーブジョイントを連結することによりキャップと鉄筋篭とが連結されている。
【0006】
また、特開平8−209686号公報に開示の杭頭処理具は、上述した杭頭鉄筋キャップと同様、トレミー管が挿通可能な内円筒が設けられ、内円筒はその周囲に設けられる外円筒により二重構造とされている。また、内円筒および外円筒の上部には天板、下部には底板が設けられ、底板には杭頭部分を収容するための杭筋貫通穴が穿設されている。また、特開平8−209686号公報に開示の杭頭処理具は、鉄筋篭に係止するためのチェーンや係止線材が用いられている。
【0007】
特開昭58−153816号公報に開示の杭頭鉄筋キャップは、余盛コンクリートが少なくて済むが、杭主筋を所定高さまで延長しなければならず、杭主筋の延長はスリーブジョイントを介して行われるため、強度上に問題があった。また、特開平8−209686号公報に開示の杭頭処理具は、上述したコンクリート打設の際に上方へ押し上げようとする力に対して係止線材やチェーンが用いられているが、コンクリート打設後に係止線材やチェーンを取り除くと、その後地下水などによりコンクリートが固まる前に押し上げられるといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題に鑑み、余盛コンクリートを減少させることによりはつり工事などで発生する騒音、振動、粉塵を低減させ、はつり工事などに伴う墨出し精度の低下を抑制し、杭主筋に固定させることにより杭主筋に杭頭処理具設置用の支持部を設けることがなく、コンクリート打設の際の上方へ押し上げようとする力に対しても抑制することができる杭頭処理具および杭頭処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の杭頭処理具および杭頭処理方法を用いることで解決される。本発明の請求項1の発明によれば、トレミー管が挿通可能な中空部材と、
前記中空部材の周囲を取り囲むように離間して配設される枠部材と、
前記中空部材の一端と前記枠部材の一端とに連結可能とされ、前記中空部材に前記トレミー管を挿通させるための上部開口が設けられた天板と、
前記中空部材の他端と前記枠部材の他端とに連結可能とされ、前記中空部材から前記トレミー管を掘削孔内に挿通させるための下部開口と、前記掘削孔に配設された複数の杭主筋を挿通させるための複数の杭筋貫通穴と、前記杭筋貫通穴に挿通された前記杭主筋に挟持可能な挟持手段とが設けられた底板とを備え、
前記複数の杭筋貫通穴に挿通された複数の前記杭主筋は、前記中空部材と、前記枠部材と、前記天板と、前記底板とにより包囲された間に配設される杭頭処理具が提供される。
【0010】
本発明の請求項2の発明によれば、前記中空部材、前記枠部材、前記天板および前記底板は、それぞれ複数に分離可能とされていることを特徴とする杭頭処理具が提供される。
【0011】
本発明の請求項3の発明によれば、前記中空部材、前記枠部材、前記天板および前記底板は、それぞれボルトを用いて連結する杭頭処理具が提供される。
【0012】
本発明の請求項4の発明によれば、前記挟持手段は、前記杭筋貫通穴に挿通させた前記杭主筋に圧接させるようにして挟持させることを特徴とする杭頭処理具が提供される。
【0013】
本発明の請求項5の発明によれば、前記底板は、前記掘削孔の断面積に応じて作製され、前記杭筋貫通穴は、前記杭主筋の本数、径、配置に応じて穿設される杭頭処理具が提供される。
【0014】
本発明の請求項6の発明によれば、トレミー管が挿通可能な中空部材と、前記中空部材の周囲を取り囲むように離間して配設される枠部材と、前記中空部材の一端と前記枠部材の一端とに連結可能とされ、前記中空部材に前記トレミー管を挿通させるための上部開口が設けられた天板と、前記中空部材の他端と前記枠部材の他端とに連結可能とされ、前記中空部材から前記トレミー管を掘削孔内に挿通させるための下部開口と、前記掘削孔に配設された複数の杭主筋を挿通させるための複数の杭筋貫通穴と、前記杭筋貫通穴に挿通された前記杭主筋に挟持可能な挟持手段が設けられた底板とを備える杭頭処理具を用いる杭頭処理方法であって、
前記掘削孔内に配設された前記複数の杭主筋の杭頭に前記底板を配設して前記挟持手段により前記杭主筋に挟持させ、前記底板上に前記中空部材と前記枠部材とを連結し、さらに前記天板を前記中空部材と前記枠部材との上側に連結する工程と、
前記天板の前記上部開口、前記中空部材および前記底板の前記下部開口を通して前記複数の杭主筋が配設された前記掘削孔内に前記トレミー管を挿通させ、前記天板に至るまでコンクリートを打設する工程と、
養生後、前記天板と前記枠部材とを連結したままで、前記中空部材と前記底板とを連結したままで順に取り外す工程とを含む杭頭処理方法が提供される。
【0015】
本発明の請求項7の発明によれば、さらに、前記底板を前記掘削孔の断面積に応じて作製し、前記杭筋貫通穴を前記杭主筋の本数、径、配置に応じて穿設する工程を含む杭頭処理方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明するが、本発明は後述する実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の杭頭処理具を掘削孔に挿設したところを示した図である。図1に示す掘削孔1は、基礎工事を行う地盤2を地下方向にアースドリルやロータリー式ボーリング機などを使用して掘削することにより形成される。また、掘削孔1には、複数の杭主筋により形成される鉄筋篭3が挿設され、鉄筋篭3の上端部の所定長さの杭主筋を残してコンクリートが打設される。上端部の杭主筋、すなわち杭頭は、後に行われる基礎工事の際に使用される。図1においては、鉄筋篭3の杭頭を収容するように杭頭処理具4が配設されている。図1に示す杭頭処理具4は、後に行われる基礎工事までの間、鉄筋篭3の杭頭が露出されたままで放置され、露出した杭頭が破損しないように保護するとともに、コンクリート打設後のはつり工事を軽減するために用いられる。
【0017】
図1に示す実施の形態では、鉄筋篭3が掘削孔1に挿設され、鉄筋篭3の上部に杭頭処理具4が配設された後、掘削孔1にコンクリートが打設される。本発明においては、鉄筋篭3の上部に予め杭頭処理具4を配設したものを掘削孔1に挿設することもできる。この場合には、杭頭処理具4に吊り下げ用の取っ手などが設けられる。図1に示す杭頭処理具4は、コンクリート打設用のトレミー管が挿入できるように中空とされていて、掘削孔1に挿設可能な大きさとされている。
また、図1に示す杭頭処理具4は、底部が杭天場となるようにコンクリートが打設される。図1に示す実施の形態では、杭頭処理具4に設けられたトレミー管を挿通させるための中空部分に余盛コンクリートを打設する。こうすることにより、コンクリート打設後、杭頭処理具4の底面部に生成するスライム等の堆積層を杭頭処理具4の中空部分に生成させることができる。中空部分に生成した堆積層は、後に容易に除去することができる。また、杭頭処理具4の底面は、平坦とされているため、コンクリートを打設した基礎地盤が平坦面となり、基準墨出しの精度を向上させることができる。
【0018】
図2は、本発明の杭頭処理具4を示した図である。図2に示す杭頭処理具4は、掘削孔内にコンクリートを打設するために使用されるトレミー管を挿通させることができる中空部材5と、中空部材5の周囲を取り囲むように離間して配設される枠部材6とが設けられている。また、杭頭処理具4は、中空部材5の一端と枠部材6の一端とに連結可能とされていて、中空部材5にトレミー管を挿通させるための上部開口7が設けられた天板8と、中空部材5の他端と枠部材6の他端とに連結可能とされていて、中空部材5からトレミー管を掘削孔内に挿通させるための下部開口と、図1に示す掘削孔1に配設された鉄筋篭3に用いられる複数の杭主筋を挿通させるための複数の杭筋貫通穴と、杭筋貫通穴に挿通された杭主筋に挟持可能な挟持手段が設けられた底板とが設けられている。図2に示す杭頭処理具4は、図1に示す鉄筋篭3に用いられる複数の杭主筋の杭頭を保護するように複数の杭筋貫通穴に挿通された複数の杭頭が中空部材5と離間した枠部材6との間に配設されるようになっている。
【0019】
図2に示す杭頭処理具4は、図1に示す鉄筋篭3の形状、使用する杭主筋の本数、径により底板の大きさ、杭筋貫通穴を穿設する位置や大きさを決定することができる。本発明においては、底板を基礎工事の現場において作製することができる。また、本発明においては、図1に示す掘削孔1の径に応じた大きさの底板とすることができる。こうすることにより、底板と図1に示す掘削孔1の壁面との間を通り抜けてコンクリートが打設されることが少なくなり、この部分のはつり工事が容易となる。
【0020】
また、図2に示す杭頭処理具4は、中空部材5、枠部材6、天板8および底板をボルトによりそれぞれ締結させることができる。中空部材5、枠部材6、天板8および底板は、所定位置にねじ切りされたボルト穴が設けられている。本発明においては、ナットを用いて締結されるようになっていても良い。また、図2に示す杭頭処理具4は、中空部材5、枠部材6、天板8および底板をさらに4つに分離可能とされている。本発明においては、4つに分離可能とされていることにより持ち運びが容易となっている。
【0021】
図2に示す中空部材5は、所定長さの中空円筒とされており、中空部分はコンクリート打設用のトレミー管が挿通可能とされている。本発明においては、トレミー管が挿通可能な最も小さい径とするのが好ましい。こうすることで、中空部材5内に打設されるコンクリート量を低減させることができ、養生後のこの部分の除去作業を少なくすることができる。本発明において中空部材5は、円筒形でなくても、中空とされ、その中空部分にトレミー管を挿通させることができるのであればいかなる形状とされていても良い。また、中空部材5のトレミー管の挿通方向への長さは、杭頭長さにより決定することができる。図2において中空部材5と枠部材6とは、上記挿通方向の長さが同じとされ、底板の杭筋貫通穴に挿通された杭頭が中空部材5と枠部材6と天板8と底板とにより包囲されるようになっている。また、図2に示す中空部材5の両端には、天板8と底板とにボルトといった締結手段を用いて連結できるように所定位置にボルト穴を備えるフランジ部が設けられている。
【0022】
図2に示す枠部材6は、中空部材5の周囲を取り囲むように離間して設けられるとともに、底板に設けられた杭筋貫通穴に挿通された杭頭を包囲するように設けられる。また、図2においては、枠部材6も円筒形とされていて、中空部材5と枠部材6により二重構造となっている。また、枠部材6は、4つに分離可能とされた枠部材6を外周部分で連結できるように縁部9が設けられている。本発明においては、上述したように中空部材5の周囲を取り囲み、かつ杭頭を包囲するように設けられ、掘削孔1に挿設可能であれば円筒形でなくてもいかなる形状であっても良い。また、図2に示す枠部材6の両端にも、上記中空部材5と同様に、天板8と底板とにボルトといった締結手段を用いて連結できるようにフランジ部が設けられている。
【0023】
図2に示す天板8は、中空部材5および枠部材6の一端と連結可能とされていて、連結した場合、中空部材5の中空部分に連続するように上部開口7が設けられている。上部開口7は、中空部材5の中空部分の断面と同じ形状、大きさとされていて、天板8と中空部材5とを連結した場合、上部開口7を通して中空部材5にトレミー管が挿入できるようになっている。また、図2に示す実施の形態では、天板8は円形とされていて、天板8の内縁部および外縁部下側面と中空部材5および枠部材6の一端に設けられる上記フランジ部とを隣接させ、ボルトを用いて連結できるようになっている。
【0024】
本発明において中空部材5、枠部材6、天板8および底板は、鋳鉄やステンレス鋼、アルミニウムといった金属材料を用いて作製することができる。また、本発明においては、底板を基礎工事現場において使用する鉄筋篭や掘削孔の断面の大きさに応じて作製することができる。上述したように杭頭が中空部材5、枠部材6および天板8により包囲される間に配設することができるのであれば、底板のみを作製することで、別の基礎工事現場においても転用して使用することができる。さらに、持ち運びやコンクリート打設後の杭頭処理具4の取り外しを容易にするために4つに分離可能とされているが、本発明においては、いかなる数に分離されても良い。また、中空部材5、枠部材6、天板8および底板は、ボルト以外にも針金などを用いて連結させることができる。
【0025】
図3は、本発明の杭頭処理具4に用いる底板を示した図である。図3(a)は、底板10の上面を示した図である。図3(a)では、図2に示す中空部材5および枠部材6の他端と連結可能とするためのボルト穴11が複数設けられている。図2に示す中空部材5と連結した場合、図2に示す中空部材5の中空部分に連続するような位置に下部開口12が設けられている。図3(a)に示す下部開口12は、図2に示す上部開口7と同じ形状、大きさとされていて、底板10と図2に示す中空部材5とを連結した場合、図2に示す中空部材5に挿入したトレミー管を下部開口12を通して掘削孔内へ挿入できるようになっている。図3(a)では、下部開口12の周囲にボルト穴11が設けられていて、図2に示す中空部材5と連結できるようになっている。
【0026】
また、図3(a)に示す底板10は、図2に示す天板8と同じ円形とされていて、底板10の外縁部と図2に示す枠部材6の他端とが連結されるようにボルト穴が設けられている。また、底板10には、図1に示す鉄筋篭3に使用される複数の杭主筋の杭頭を保護するために、杭頭を挿通させるための複数の杭筋貫通穴13が設けられている。さらに、底板10の上面には、所定位置に挿通された杭頭に底板10を連結させるための挟持手段14が設けられている。
【0027】
図3(a)に示す挟持手段14は、杭筋貫通穴13を挿通させた杭頭15を両側から挟むようにして固定できるようになっている。図3(a)に示す実施の形態では、底板10の上面に杭頭15を挟むことができる挟持部材14aが設けられている。挟持部材14aは、杭頭15の周りを囲むように設けられ、ねじ部材16を用いて圧接させることにより固定することができるようになっている。図3(a)に示す実施の形態では、杭頭15の周囲にゴム部材17を設け、ねじ部材16を締結により挟持部材14aを杭頭15に圧接させて固定している。杭頭15と挟持部材14aとの間にゴム部材17を設けることにより、より強固に固定することが可能である。本発明においては、挟持手段14は、いかなる数設けられていても良い。また、本発明においては、上述したスライム等により押し上げられるのを防止することができ、杭頭15に圧接させて支持することができるものであればいかなる形状のものでも用いることができる。さらに、挟持手段14は、底板10に限らず、図2に示す中空部材5、枠部材6または天板8に設けられていても良い。
【0028】
図3(b)は、底板10の側面図である。図3(b)には、底板10の上面に複数の挟持手段14が設けられている。図3(b)に示す挟持手段14は、図2に示す杭頭処理具4を図1に示す鉄筋篭3に固定するために用いることができる。こうすることにより、図2に示す杭頭処理具4は、図1に示す鉄筋篭3に支持部を設けることなく固定することができ、コンクリート打設の際に地下水や掘削孔壁の崩壊防止のために注入された安定剤などがスライム等を含んで押し上げられる際の共上がりを抑止させることができる。これらスライム等は、押し上げられて図2に示す中空部材5内に集められることとなる。
【0029】
図3(c)は、底板10の底面を示した図である。図3(c)には、図3(a)に示す上面から貫通するボルト穴11が複数示されている。また、図3(c)に示す底板10は、図2に示す中空部材5と連結した場合、図2に示す中空部材5の中空部分に連続するような位置に下部開口12が設けられている。さらに、図3(c)に示す底板10は、下部開口12の周囲にも図3(a)に示す上面から貫通するボルト穴11が設けられていて、図2に示す中空部材5と連結できるようになっている。また、図3(c)に示す底板10の底面は、平坦とされていて、コンクリートを打設した場合に基礎地盤を平坦面とすることができる。
【0030】
以下、図4〜図9を用いて本発明の杭頭処理具4を用いた杭頭処理方法について詳細に説明する。図4は、本発明の杭頭処理具4を鉄筋篭3に配設し、トレミー管を挿入してコンクリートの打設を行っているところを示した図である。図4に示す掘削孔1は、上述したようにアースドリル、ロータリー式ボーリング機などを使用して所定深さまで掘削することにより形成される。次に、掘削孔1内に予め外部で組み立てた鉄筋篭3を配設する。鉄筋篭3は、複数の杭主筋を円形に並べ、所定深さ方向ごとに鉄筋材を溶接して篭状としたものである。この鉄筋篭3の上部の杭頭に本発明の杭頭処理具4が配設される。図4に示す実施の形態では、クレーンなどを使用して本発明の杭頭処理具4が配設された鉄筋篭3を掘削孔1内に挿設する。図4に示す実施の形態では、杭頭処理具4が掘削孔1の内壁に隣接するように配設されている。
【0031】
図4に示す杭頭処理具4は、まず、底板10および中空部材5をボルトで連結したものを鉄筋篭3の杭頭に挿通させるように配置し、挟持手段14によって固定する。その後、底板10と枠部材6を、続いて天板8と中空部材5および枠部材6の一端とをボルトを用いて連結する。底板10のみが掘削孔1の断面を覆う大きさとされ、枠部材6および天板8と掘削孔1との間に充分な隙間がある場合には、まず底板10のみを配設し、挟持手段14の配設後に中空部材5、枠部材6および天板8を個別に、またはそれぞれを連結したものを予め配設された底板10に連結することができる。
【0032】
次に、天板8の上部開口7、中空部材5の中空部分、底板10の下部開口12を通して掘削孔1にトレミー管18が挿入され、掘削孔1の底部から地表面方向へ向けてコンクリートが打設される。図4に示すトレミー管18は、シュートまたはポンプ車のホースから供給される生コンクリートを受けるために、上部がじょうご形状とされている。また、図4に示すトレミー管18は、所定量のコンクリートを掘削孔1内に打設するごとに持ち上げられ、杭頭処理具4の天板8と同じ高さまでコンクリートを打設する。
【0033】
図5は、コンクリートを打設し、養生後、杭頭処理具4を取り除く第1の段階を示した図である。図5に示す杭頭処理具4の上部には、打設したコンクリートの養生のために土砂礫などが敷き詰められ、その上にシートが敷設されることにより養生される。養生後、敷設されたシートは、取り除かれ、土砂礫を掘削すると図5に示す状態となる。
【0034】
図6は、杭頭処理具4を取り除く第2の段階を示した図である。図6に示す実施の形態では、杭頭処理具4の周りの地盤2が掘削されている。本発明においては、地盤2を掘削するのにショベルなどを使用することができる。また、本発明においては、底板10および中空部材5から天板8および枠部材6を取り外すことができる隙間があれば、周りの地盤2を掘削しなくても良い。
【0035】
図7は、杭頭処理具4を取り除く第3の段階を示した図である。図7に示す実施の形態では、天板8と中空部材5とを連結するボルト19bと、枠部材6と底板10とを連結するボルト19cとを外すことにより天板8と枠部材6とが取り除かれている。本発明においては、天板8を取り外し、その後枠部材6を取り外すようにしても良い。また、杭頭処理具4の周りを掘削することなく取り外す場合には、枠部材6と底板10とを連結するボルト19cを枠部材6と中空部材5との間となる位置に設けることにより、天板8を取り外した後に枠部材6を取り外すことができる。
【0036】
図8は、杭頭処理具4を取り除く第4の段階を示した図である。図8は、図7に示す中空部材5と底板10とが取り外された図が示されている。図7に示すボルト19dは締結したままで、中空部材5および底板10を上方へ移動させて取り除くことができる。この場合、予め底板10上に設けられた挟持手段14の図3に示すねじ部材16をゆるめて杭頭15との連結を開放しておく。中空部材5と底板10とを取り除くことにより、図8に示すように中空部材5の中空部分の形状をしたコンクリート残留部20が残る。
【0037】
図9は、杭頭処理具4を取り除いて残ったコンクリート残留部20を除去してできた基礎地盤を示した図である。図8に示す残ったコンクリート残留部20は、せり矢などを使用して亀裂を起こさせ、吊り上げるなどして移動させて除去することができる。さらに、除去部分は、グラインダ仕上げを行うことで略水平面とすることができる。このようにしてできた基礎地盤は、略水平面となるので基準墨出しの精度を向上させることができる。
【0038】
本発明の杭頭処理具4は、使用する鉄筋篭によって再利用することが可能である。鉄筋篭に使用される杭主筋が中空部材と枠部材との間に配設できるのであれば、再利用が可能である。この場合、基礎工事現場において各杭主筋の径、配置、掘削孔の径に応じて底板を作製する。作製した底板は、再利用する天板に連結された中空部材と枠部材とにボルトを用いて連結される。
【0039】
【発明の効果】
したがって、本発明の杭頭処理具および杭頭処理方法により、余盛コンクリートを減少させることができ、はつり工事で発生する騒音、振動、粉塵を低減させることが可能となる。また、本発明の杭頭処理具および杭頭処理方法を用いることにより、墨出し精度を向上させることができ、杭主筋に固定させることにより杭主筋に杭頭処理具設置用の支持部を設けることがなく、コンクリート打設の際のスライムなどによる上方へ押し上げようとする力に対しても抑制することが可能となる。さらに、本発明は、底板を基礎工事現場において作製してその他の部材の再利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の杭頭処理具を掘削孔に挿設したところを示した図。
【図2】 本発明の杭頭処理具を示した図。
【図3】 本発明の杭頭処理具に用いる底板を示した図。
【図4】 本発明の杭頭処理具を鉄筋篭に配設し、トレミー管を挿通させて掘削孔内にコンクリートを打設しているところを示した図。
【図5】 コンクリートを打設し、養生後、本発明の杭頭処理具を取り除く第1の段階を示した図。
【図6】 本発明の杭頭処理具を取り除く第2の段階を示した図。
【図7】 本発明の杭頭処理具を取り除く第3の段階を示した図。
【図8】 本発明の杭頭処理具を取り除く第4の段階を示した図。
【図9】 本発明の杭頭処理具を取り除いて残ったコンクリート残留部を除去してできた基礎地盤を示した図。
【符号の説明】
1…掘削孔
2…地盤
3…鉄筋篭
4…杭頭処理具
5…中空部材
6…枠部材
7…上部開口
8…天板
9…縁部
10…底板
11…ボルト穴
12…下部開口
13…杭筋貫通穴
14…挟持手段
14a…挟持部材
15…杭頭
16…ねじ部材
17…ゴム部材
18…トレミー管
19a、19b、19c、19d…ボルト
20…コンクリート残留部

Claims (7)

  1. トレミー管が挿通可能な中空部材と、
    前記中空部材の周囲を取り囲むように離間して配設される枠部材と、
    前記中空部材の一端と前記枠部材の一端とに連結可能とされ、前記中空部材に前記トレミー管を挿通させるための上部開口が設けられた天板と、
    前記中空部材の他端と前記枠部材の他端とに連結可能とされ、前記中空部材から前記トレミー管を掘削孔内に挿通させるための下部開口と、前記掘削孔に配設された複数の杭主筋を挿通させるための複数の杭筋貫通穴と、前記杭筋貫通穴に挿通された前記杭主筋に挟持可能な挟持手段とが設けられた底板とを備え、
    前記複数の杭筋貫通穴に挿通された複数の前記杭主筋は、前記中空部材と、前記枠部材と、前記天板と、前記底板とにより包囲された間に配設され
    前記上部開口、前記中空部材および前記底板の前記下部開口を通して前記掘削孔内に前記トレミー管を挿通させ、前記天板に至るまでコンクリートを打設し、養生後、前記天板および前記枠部材、前記中空部材および前記挟持手段により前記杭主筋に挟持された前記底板が順に取り外される、杭頭処理具。
  2. 前記中空部材、前記枠部材、前記天板および前記底板は、それぞれ複数に分離可能とされていることを特徴とする、請求項1に記載の杭頭処理具。
  3. 前記中空部材、前記枠部材、前記天板および前記底板は、それぞれボルトを用いて連結する、請求項1または2に記載の杭頭処理具。
  4. 前記挟持手段は、前記杭筋貫通穴に挿通させた前記杭主筋に圧接させるようにして挟持させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の杭頭処理具。
  5. 前記底板は、前記掘削孔の断面積に応じて作製され、前記杭筋貫通穴は、前記杭主筋の本数、径、配置に応じて穿設される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の杭頭処理具。
  6. トレミー管が挿通可能な中空部材と、前記中空部材の周囲に取り囲むように離間して配設される枠部材と、前記中空部材の一端と前記枠部材の一端とに連結可能とされ、前記中空部材に前記トレミー管を挿通させるための上部開口が設けられた天板と、前記中空部材の他端と前記枠部材の他端とに連結可能とされ、前記中空部材から前記トレミー管を掘削孔内に挿通させるための下部開口と、前記掘削孔に配設された複数の杭主筋を挿通させるための複数の杭筋貫通穴と、前記杭筋貫通穴に挿通された前記杭主筋に挟持可能な挟持手段が設けられた底板とを備える杭頭処理具を用いる杭頭処理方法であって、
    前記掘削孔内に配設された前記複数の杭主筋の杭頭に前記底板を配設して前記挟持手段により前記杭主筋に挟持させ、前記底板上に前記中空部材と前記枠部材とを連結し、さらに前記天板を前記中空部材と前記枠部材との上側に連結する工程と、
    前記天板の前記上部開口、前記中空部材および前記底板の前記下部開口を通して前記複数の杭主筋が配設された前記掘削孔内に前記トレミー管を挿通させ、前記天板に至るまでコンクリートを打設する工程と、
    養生後、前記天板と前記枠部材とを連結したままで、前記中空部材と前記底板とを連結したままで順に取り外す工程とを含む、杭頭処理方法。
  7. さらに、前記底板を前記掘削孔の断面積に応じて作製し、前記杭筋貫通穴を前記杭主筋の本数、径、配置に応じて穿設する工程を含む、請求項6に記載の杭頭処理方法。
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