JP4682623B2 - 静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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本発明は、静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置
の製造方法及び静電アクチュエータを搭載したデバイスの製造方法に関し、特にキャビテ
ィ基材とガラス基材を陽極接合した後の加工プロセスにおいて、キャビティ基材の割れを
低減することができる静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴
吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法に関する。
静電駆動方式の液滴吐出ヘッドでは、アクチュエータの高密度化が求められている。こ
のような液滴吐出ヘッドでは、隔壁クロストーク対策のためキャビティ基材として例えば
200μm以下のシリコン基材を使用する必要があり、このため加工中に割れや欠けが発
生して歩留りが低下するという問題があった。また、薄いキャビティ基材では大口径化も
難しくなり、取り個数の増加が見込めない。これらの問題を解決するために、キャビティ
基材をガラス基材に陽極接合した後に各部の加工を行うプロセスが考えられてきた。
例えば、従来のインクジェットヘッドの製造方法では、振動板等が形成されるキャビテ
ィ基材と個別電極等が形成されるガラス基材を陽極接合し、キャビティ基材をエッチング
して振動板及びコンタクト部を薄くする等の処理を行っていた(例えば、特許文献1参照
)。
特開2001−63072号公報(図1、図7)
しかしながら、従来のインクジェットヘッドの製造方法では、陽極接合の際に、キャビ
ティ基材とガラス基材の界面でガラスが電気化学的に分解されて酸素が発生することがあ
り、ガラス溝による気密室内は加圧された状態となる。そのため、後にエッチングにより
振動板等や板厚の薄い部分を形成する際にあるいは形成後に、キャビティ基材に割れが生
ずる場合があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、キャビティ基材等の基材
ガラス基材等の基材とを陽極接合した後に加工を施す際にキャビティ基材等の基材の薄板
部に割れが生じることがない静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法
、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法を提供するものである。
本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、振動板が形成される第1の基材と、振
動板に対向配置される個別電極が形成された第2の基材とを陽極接合する工程を有し、陽
極接合工程を第1の基材と第2の基材とによって形成される空間を大気に連通させた状態
で行うようにしたものである。陽極接合時に例えばガラス溝による気密室内が加圧状態に
なることがないので、第1の基材の割れを低減することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、陽極接合工程時に空間を大気に
連通させる大気連通部を陽極接合工程後に封止するようにしたものである。陽極接合時に
大気に開放した大気連通部を封止することにより、本来の静電アクチュエータとして機能
を持たせることができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部を封止した後に、第
1の基材の厚みを減らして少なくとも振動板を形成するようにしたものである。陽極接合
後に流路形成するプロセスの効果によって、基板の大口径化が可能となるので、一枚の基
板から多くの静電アクチュエータを取出すことができ、生産性を向上させることができる
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部の封止を前記接合工
程の後、所定時間経過後に行うようにしたものである。アクチュエータ内部の圧力を大気
圧と十分に平衡にできるので、第1の基材の割れを確実に低減することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部を第2の基材又は第
1の基材に設けたものである。アクチュエータ内部の圧力を第2の基材又は第1の基材に
設けた大気連通部により大気圧と十分に平衡にできるので、陽極接合後に例えばウエット
エッチングによって流路形成を行う場合にも、第1の基材の割れを低減することができる
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部の連通穴をエポキシ
樹脂により封止するようにしたものである。大気連通部の連通穴をエポキシ樹脂により封
止するようにしたので、アルカリ溶液に対して耐性がある。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、エポキシ樹脂による封止をシリ
ンジによる注入またはポッティングによって行うようにしたものである。エポキシ樹脂に
よる封止を確実に行うことができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部の連通穴をエポキシ
樹脂により封止した後、エポキシ樹脂の表面に耐薬品性のある材料をスパッタにより成膜
するようにしたものである。パターニング時のレジスト剥離に硫酸を使用するが、エポキ
シ樹脂はこの硫酸に対して耐性が低い。しかしながら、耐薬品性の高い材料でエポキシ樹
脂をカバーしているので、エポキシ樹脂を保護することができる。また、スパッタにより
成膜するので、エポキシ樹脂の炭化を防ぐことができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、耐薬品性のある材料として、S
iO2 、SiON、SiN及びAu/Crの少なくとも一つを用いるものである。パタ
ーニング時のレジスト剥離に硫酸を使用するが、エポキシ樹脂はこの硫酸に対して耐性が
低い。しかしながら、耐薬品性の高い材料あるSiO2 、SiON、SiN及びAu/
Crによってエポキシ樹脂をカバーしているので、エポキシ樹脂を保護することができる
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、大気連通部の連通穴をサンドブ
ラスト又はドリルを用いて形成するようにしたものである。大気連通部の連通穴を確実に
形成させることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記の静電アクチュエータの製造方法によ
り静電アクチュエータを製造する工程を含むようにしたものである。製造工程中に第1の
基板が割れたりすることがなく、吐出性能が高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。ま
た、陽極接合後に流路形成するプロセスの効果によって、基板の大口径化が可能となるの
で、一枚の基板から多くの液滴吐出ヘッドを取出すことができ、生産性を向上させること
ができる。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法により液滴
吐出ヘッドを製造する工程を含むようにしたものである。製造工程中に第1の基材が割れ
たりすることがなく、吐出性能が高い液滴吐出装置を得ることができる。
本発明に係るデバイスの製造方法は、上記の静電アクチュエータの製造方法により静電
アクチュエータを製造する工程を含むものである。製造工程中に第1の基材が割れたりす
ることがなく、性能の良いデバイスを得ることができる。
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図であり、一部を
断面図で示している。また、図2は、図1に示すインクジェットヘッドを組み立てた状態
の縦断面図である。なお、図1及び図2に示すインクジェットヘッドは、ノズル基板の表
面側に設けられたノズル孔から液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものであり、
また静電気力により駆動される静電駆動方式のものである。図に示すように、インクジェ
ットヘッドは、主に、キャビティ基板(第1の基板)1、ガラス基板(電極基板、第2の
基板)10、及びノズル基板(第3の基板)20によって構成されている。キャビティ基
板1の一方の面にはガラス基板10が接合されており、他方の面にはノズル基板20が接
合されている。キャビティ基板1は例えば単結晶シリコンからなり、底壁を振動板2とす
る吐出室3となる凹部3aと、各々の吐出室3に液滴を供給するためのリザーバ4となる
凹部4aが形成されている。
キャビティ基板1に接合されるガラス基板10は例えばホウ珪酸ガラスからなり、キャ
ビティ基板1とガラス基板10は陽極接合によって接合してある。ガラス基板10には個
別電極11を形成するための凹部12が形成され、振動板2と個別電極11がギャップG
を介して対向配置されている。この凹部12は、内部に個別電極11の駆動部11a、リ
ード部11b及び端子部11cを形成できるように、これらの形状に類似したやや大きめ
の形状に構成されている。個別電極11は、凹部12の内部にITO(Indium T
in Oxide)をスパッタし、電極パターンを形成する。なお、上記のギャップGの
空間は封止部材18によって密閉されている。
ガラス基板10に設けた凹部12は連通凹部13によって互いに連通しており、また凹
部12には大気連通路14がつながり、その端部には大気連通穴15が形成されている。
大気連通部はこれらの大気連通路14及び大気連通穴15によって構成されており、個別
電極11が形成されている少なくとも1つの凹部12と連通している。こうして大気連通
部によって、キャビティ基材1aとガラス基材10aを陽極接合する際に発生する酸素を
大気開放するようにしてある。なお、上記の説明において、大気連通部はガラス基材10
a側にこれを貫通させるようにして設けたが、キャビティ基材1a側に設けて外部と連通
させるようにしてもよい。
ガラス基板10の端子部11c側は電極取出し部16となっており、この電極取出し部
16に位置する複数の凹部12の間には、後に示す製造工程においてキャビティ基材1a
と接合する隔壁17が設けられ、これによってキャビティ基材1aの電極取出し部16と
対向する部分を補強するようにしている。電極取出し部16の部分はキャビティ基板1と
接合されておらず、個別電極11の端子部11cが露出した状態となっており、この端子
部11cとFPC(Flexible Printed Circuit、図示せず)等
を接続して、個別電極11が外部電源(図示せず)と電気的に接続されている。
キャビティ基材1aに接合されるノズル基材20aにはシリコン基材を用い、ノズル基
材20aの表面に個々の吐出室3と連通するノズル孔21を設け、さらに、吐出室3とリ
ザーバ4を連通するオリフィス5となる細溝5aを設ける。なお、本実施の形態1では、
ノズル孔21は2段ノズルとなっており、インクの流れの整流作用によってインクの直進
性を向上させるようにしてある。
次に、図1、図2に示すインクジェットヘッドの動作について説明する。個別電極11
に、発信回路(図示せず)によって24V程度までのパルス電圧を印加し、個別電極11
がプラスに帯電すると、対応する振動板2はマイナスに帯電し、振動板2は静電気力によ
って個別電極11側に吸引されて撓む。次に、パルス電圧をオフにすると、振動板2にか
けられた静電気力がなくなり、振動板2は復元する。このとき、吐出室3内部の圧力が急
激に上昇し、ノズル孔21からインクが吐出される。そして、再びパルス電圧が印加され
、振動板2が個別電極11側に撓むことにより、インクがリザーバ4よりオリフィス5を
通じて吐出室3内に補給される。なお、キャビティ基板1と発信回路との接続は、ドライ
エッチングによりキャビティ基材1aの一部に開けられた共通電極(図示せず)で行われ
る。また、インクジェットヘッドのリザーバ4へのインクの供給は、ガラス基板10及び
キャビティ基板1に形成された液滴供給口30から行われる。
図3、図4及び図5は、図1及び図2に示したインクジェットヘッドの製造工程を示し
た縦断面図で、吐出室3の長手方向の断面を示したものである。まず、図3(a)に示す
ガラス基板10となるガラス基材10aを、図3(b)に示すように、金・クロムのエッ
チングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより、溝部である凹部12
を形成する。この際、同時に、各凹部12を連通する連通凹部13及び大気連通路14を
形成する。このとき、電極取出し部16に位置する凹部12間には隔壁17が形成される
図3(c)に示すように、凹部12の内部に、スパッタによってITOからなる個別電
極11を形成する。
図3(d)に示すように、サンドブラストやドリル等を用いて、ガラス基材10aの大
気連通路14の端部に大気連通穴15を貫通させる。さらに、ドリル等を用い、ガラス基
材10aにインク供給口30となる穴部30aを形成する。この時点では、穴部30aは
ガラス基材10aを貫通しないように形成する。
次に、図3(e)に示すように、例えば面方位が(110)で酸素濃度の低いキャビテ
ィ基板1となるキャビティ基材1aの両面を鏡面研磨する。それから、キャビティ基材1
aの表面に付着している微小粒子及び金属を除去するために、アンモニア水と過酸化水素
水の混合液による洗浄と、塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄とのコンビネーション
洗浄を行う。
図3(f)に示すように、吐出室3等が形成される側の反対面に絶縁膜であるボロンド
ープ層6を形成する。具体的には、キャビティ基材1aをB2O3を主成分とする固体の
拡散源に対向させて石英ボートにセットし、この石英ボートを縦型炉に入れる。そして縦
型炉の内部を、所定温度の窒素雰囲気にして一定時間保持し、キャビティ基板1aにボロ
ンを拡散させて、ボロンドープ層6を形成する。その後、ボロンドープ層6の表面にO2
プラズマ処理を施してボロンドープ層6の表面をクリーニングする。
次に、図4(g)に示すように、図3(f)に示したキャビティ基材1aと、図3(d
)に示したガラス基材10aを、例えば360℃に加熱し、キャビティ基材1aに陽極、
ガラス基材10aに負極を接続して800Vの電圧を印加し、陽極接合を行う。
図4(h)に示すように、アルカリ溶液に耐性のあるエポキシ樹脂31を使用して、大
気連通穴15を封止する。この封止は、シリンジによる注入や、ポッティングによって行
う。次に、エポキシ樹脂31の表面に硫酸等に対する耐薬品性のあるSiO2 、SiO
N、SiN、Au/Crといった材料をスパッタにより成膜し、エポキシ樹脂31を保護
する。これは、パターニング時のレジスト剥離に硫酸を使用するが、エポキシ樹脂31は
硫酸に対して耐性が低いので、SiO2 等、耐薬品性の高い材料でエポキシ樹脂31を
覆い保護するものである。その後のアルカリ溶液によるウエットエッチングによってSi
O2 等が消失しても、エポキシ樹脂31の耐性が高いため、大気連通部の気密封止を保
持することができる。SiO2 等による保護にスパッタを使用するのは、CVD等、高
熱のかかるプロセスにエポキシ樹脂31を通すと、エポキシ樹脂31が炭化してしまうた
めである。
なお、陽極接合をしてからエポキシ樹脂31等によって大気連通穴15を封止するまで
は、アクチュエータ内部の圧力を大気圧と平衡にするため、十分な時間をおくことが望ま
しい。
こうして、キャビティ基材1aとガラス基材10aを陽極接合し、エポキシ樹脂31等
によって大気連通穴15を封止した後、キャビティ基材1aに流路となる凹部の形成を行
う。
まず、図4(h)に示すキャビティ基材1aのボロンドープ層6と反対側の全面に、プ
ラズマCVDによってTEOS膜を形成する(図示せず)。このTEOS膜は、後の水酸
化カリウム水溶液によるエッチングの際のエッチングマスクとなる。このTEOS膜に、
図4(i)に示す吐出室3となる凹部3a、リザーバ4となる凹部4a及び電極取出し部
16に対向する部分を形成するためのレジストをパターニングし、緩衝フッ酸溶液によっ
て吐出室3となる凹部3aの部分、リザーバ4となる凹部4aの部分及び電極取出し部1
6に対向する部分のTEOS膜をエッチング除去する。
その後、キャビティ基材1aを35重量%の水酸化カリウム水溶液で、吐出室3となる
凹部3aの部分及び電極取出し部16と対向する部分を、エッチングして薄板化する。こ
のとき、リザーバ4となる凹部4aの部分は、TEOS膜をハーフエッチングすることに
よりエッチングを遅らせている。さらに、キャビティ基材1aを3重量%の水酸化カリウ
ム水溶液でエッチングし、吐出室3となる凹部3a及び電極取出し部16と対向する部分
において、エッチングを続ける。
これにより、図4(i)に示すように、吐出室3となる凹部3a、リザーバ4となる凹
部4a、及び電極取出し部16に対向する部分が形成される。上記のように、2種類の濃
度の異なる水酸化カリウム水溶液を使用してエッチングを行うことにより、吐出室3の底
壁である振動板2の面荒れを抑えることができ、インクジェットヘッドの吐出性能を安定
化することができる。
なお、上記の構成において、ガラス基材10aの電極取出し部16には隔壁17が設け
られており、キャビティ基材1aと接合されているため、薄板化されたキャビティ基材1
aの電極取出し部16と対向する部分の面積が大きい場合でも、この部分の割れを防止す
ることができる。キャビティ基材1aのエッチングが終了した後に、接合基板をフッ酸水
溶液でエッチングして、キャビティ基材1aに形成されたTEOS膜を除去する。
次に、ガラス基材10aのインク供給口30となる穴部30aにレーザ加工を施し、イ
ンク供給口30がガラス基材10aを貫通するようにする。
図4(j)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)によ
って、キャビティ基材1aの電極取出し部16に対向する部分を除去する。このRIEは
ドライエッチングの一種であり、例えば出力200W、圧力40Pa(0.3Torr)
、CF4流量30cm3/分(30sccm)の条件で、シリコンマスクを用いて60分
行う。この条件では、キャビティ基材1aの電極取出し部16に対向する部分をきれいに
除去することができ、ITOからなる個別電極11の端子部11cにダメージを与えるこ
となくエッチングすることができる。また、すべての凹部12が予め大気開放されている
ため、キャビティ基材1aの電極取出し部16に対向する部分に、開口の際の衝撃でクラ
ックが発生するのを防止することができる。次に、キャビティ基材1aに機械加工又はレ
ーザー加工を行って、インク供給口30aをリザーバ4となる凹部4aまで貫通させる。
図5(k)に示すように、アクチュエータの気密封止を行う。すなわち、水等の液体が
浸入しないように、エポキシ樹脂からなる封止材32を電極取出し部16の部分に塗布し
て、ギャップGの空間を封止する。なお、封止材32を塗布する工程の後には、TEOS
膜の形成等の接合基板が温度上昇する製造工程がないため、封止材32として有機材料を
使用することができ、封止が容易となる。
図5(l)に示すように、例えばシリコンからなるノズル基板20を、エポキシ系接着
剤でキャビティ基材1aに接合する。なお、ノズル基板20は、キャビティ基材1aに接
する前に、オリフィス5となる細溝5aやノズル孔21が形成されている。
図5(m)に示すように、ガラス基材10aの電極取出し部16の部分をダイシングす
る。すなわち、ウェハ上に複数形成したヘッドチップをダイシングにより分割し、分割時
に、端子部11c側のチップ端部のガラス凸部を消失させる。そして、個々のインクジェ
ットヘッドを切り出してインクジェットヘッドが完成する。インクジェットヘッドが完成
した状態では、キャビティ基材1aはキャビティ基板1となり、ガラス基材10aはガラ
ス基板10となる。
こうして、電極取出し部16において、端子部11cとFPC(図示せず)を接続する
ことにより、個別電極11が外部電源(図示せず)と電気的に接続される。端子部11c
とFPCを接続するときは、FPCに異方性導電接着剤を塗布して、熱圧着により個別電
極11の端子部11cと接続する。
本実施の形態1によれば、陽極接合時にアクチュエータ内が大気開放されているため、
アクチュエータ内の加圧によるキャビティ基材1aの割れを防止することができ、生産性
が向上する。また、陽極接合後に流路形成するプロセスの効果によって基板の大口径化が
可能となるので、一枚の基板から多くのインクジェットヘッドを取出すことができ、生産
性を向上させることができる。
実施形態2.
図6は、実施形態1の製造方法で得られたインクジェットヘッドを搭載したインクジェ
ットプリンタ100である。
実施の形態1に示す製造方法で得られたインクジェットヘッドは、割れがなく、生産性
が向上し、インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタ100は吐出性能が
高い。
実施形態3.
実施の形態1に示した静電アクチュエータはインクジェットヘッドのみに適用されるも
のではなく、液滴を種々に変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタ、有機E
L表示装置の発光部分、生体液体の吐出等に適用することができる。即ち、また、液晶カ
ラーフィルタ製造装置、有機EL表示装置、バイオチップ製造装置等にも応用することが
できる。また、実施の形態1に示した静電アクチュエータは、光スイッチ等のデバイスに
適用することができる。
本発明に係る静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装
置の製造方法及びデバイスの製造方法は、本発明の実施形態に限定されるものではなく、
本発明の思想の範囲内において変形することができる。
本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの分解斜視図。 図1に示すインクジェットヘッドが組み立てられた状態の縦断面図。 図1及び図2に示すインクジェットヘッドの製造工程を示した縦断面図。 図3の続きの製造工程を示す縦断面図。 図4の続きの製造工程を示す縦断面図。 本発明の実施の形態2に係る実施形態1の製造方法で得られたインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタを示した斜視図。
符号の説明
1 キャビティ基板(第1の基板)、1a キャビティ基材(第1の基材)、2 振動
板、3 吐出室、3a 吐出室となる凹部、4 リザーバ、4a リザーバとなる凹部、
5 オリフィス、5a オリフィスとなる細溝、10 ガラス基板(第2の基板)、10
a ガラス基材(第2の基材)、11 個別電極、12 凹部、14 大気連通路(大気
連通部の大気連通路)、15 大気連通穴(大気連通部の大気連通穴)、16 電極取出
し部、20 ノズル基板(第3の基板)、20a ノズル基材(第3の基材)、21 ノ
ズル孔、31 エポキシ樹脂、100 インクジェットプリンタ。

Claims (12)

  1. 振動板が形成される第1の基材と、前記振動板に対向配置される個別電極が形成された
    第2の基材とを陽極接合する工程を有し、該陽極接合工程を前記第1の基材と第2の基材
    とによって形成される空間を大気に連通させた状態で行い、前記陽極接合工程時に前記空間を大気に連通させる大気連通部を前記陽極接合工程後に封止することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  2. 前記大気連通部を封止した後に、前記第1の基材の厚みを減らして少なくとも前記振動
    板を形成することを特徴とする請求項記載の静電アクチュエータの製造方法。
  3. 前記大気連通部の封止を前記陽極接合工程の後、所定時間経過後に行うことを特徴とす
    る請求項1または2記載の静電アクチュエータの製造方法。
  4. 前記大気連通部を前記第2又は第1の基材に設けたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
  5. 前記大気連通部の連通穴をエポキシ樹脂により封止することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
  6. 前記エポキシ樹脂による封止をシリンジによる注入またはポッティングによって行うこ
    とを特徴とする請求項記載の静電アクチュエータの製造方法。
  7. 前記大気連通部の連通穴をエポキシ樹脂により封止した後、該エポキシ樹脂の表面に耐
    薬品性ある材料をスパッタにより成膜することを特徴とする請求項または記載の静電
    アクチュエータの製造方法。
  8. 前記耐薬品性のある材料として、SiO2 、SiON、SiN及びAu/Crの少な
    くとも一つを用いることを特徴とする請求項記載の静電アクチュエータの製造方法。
  9. 前記大気連通部の連通穴をサンドブラスト又はドリルを用いて形成することを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法により静電アクチュ
    エータを製造する工程を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 請求項10に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法により液滴吐出ヘッドを製造する工程を
    含むことを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法により静電アクチュエータを製造する工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
JP2005004838A 2005-01-12 2005-01-12 静電アクチュエータの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 Expired - Fee Related JP4682623B2 (ja)

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