JP4701935B2 - 液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
これにより、ボロンが二重に拡散された部分が後のウェットエッチング工程において薄膜とされても、その薄膜は高濃度にボロンが拡散された層からなり、しかも他のボロンドープ層部分より厚く形成されるため、その部分からの割れに起因する歩留まり低下を低減することができる。
電極取出し口となる部分は最終的に開口した状態とされるが、電極基板の電極とシリコン基板とのギャップに液滴などを浸入させずにそれを行うことが必要となる。そのために、ドライエッチングやレーザ加工は好適な方法である。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドを分解して表した図である。図1はフェイス吐出型の液滴吐出ヘッドを表している。図1に示すように、この液滴吐出ヘッドは、キャビティプレート1、ガラス基板2、ノズルプレート3の3つの基板が積層されてなる。
キャビティプレート1は、例えば厚さ約50μmで、110面方位のシリコン単結晶基板(以下、単にシリコン基板という)から構成されている。キャビティプレート1には、吐出される前の液滴が保持される複数の吐出室5、各吐出室5に供給する液体をためておく各吐出室に共通のリザーバ7などの流路が形成されている。なお、吐出室5の底面を構成する底壁は振動板4として作用する。
また、キャビティプレート1には、キャビティプレート1の通電部として共通電極19が設けられている。
なお、個別電極8の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を材料に用いてもよい。本実施の形態においては、透明であるので放電したかどうかの確認が行い易い等の理由でITOを用いることとする。
また、ガラス基板2には、リザーバ7と連通して外部タンク(図示せず)からリザーバ7への流路となるインク供給口13も設けられている。
なお、ここではノズル孔12を有するノズルプレート3を上面とし、ガラス基板2を下面として説明するが、実際には、ノズルプレート3の方がガラス基板2よりも下面となって用いられることが多い。
また、ギャップGに、異物、水分(水蒸気)等が浸入しないように、ギャップGを外気から遮断し、密閉する封止材26がギャップGの端部に設けられている。
次に、酸素及び水蒸気雰囲気中において、1075℃の温度条件で4時間酸化することで、シリコン基板41の両面に約1.2μmのSiO2膜41Aを成膜する。SiO2膜41Aは後の工程で行うボロンの選択拡散のためのマスクとなる。
(c)シリコン基板41の両面にレジストを塗布し、ボロンを選択拡散させたい部分(この例では電極取出し口25となる部分)のSiO2膜41Aを除去すべくレジストパターニングを施し、ふっ酸水溶液でエッチングして、SiO2膜41Aをパターニングする。その後、シリコン基板41からレジストを剥離する。
なお、この工程においてボロンを選択拡散させる部分は、電極取出し口25に限られるものではなく、後の工程でウェットエッチングにより薄膜が形成される部分のうちの所望の部分にボロンを選択拡散させることができる。
この工程での処理により、先に選択拡散した電極取出し口25となる部分のボロン濃度は他の部分に比べて濃くなり、しかもその部分はシリコン基板41のより内部へボロンが拡散された状態となる。
なお、この研削工程及び加工変質層除去工程においては、大気開放穴28から液体がギャップに入り込まないように、片面保護治具、テープ等を用いて大気開放穴28を塞ぎ、ギャップを保護する。
なお、上記のドライエッチングに代えて、機械的加工やレーザ加工により、電極取出し口25となる部分の残留シリコンを除去することも可能である。ただし、シリコンの破片等の異物の発生を防ぐことができるという観点からは、ドライエッチングやレーザ加工による方が機械的加工より好ましい。
(u)最後に、ダイシングライン27に沿ってダイシングを行い、個々の液滴吐出ヘッドに切断し、液滴吐出ヘッドが完成する。ここで、陽極接合時には短絡していた各個別電極8はそれぞれ分断され、ノズル毎に独立する。また、大気開放穴28及びそこに連通するガラス溝も切断される。
また、電極取出し口25となる部分のような大面積にわたって薄膜が形成される部分にのみ選択的にボロンを高濃度に一次拡散した後、シリコン基板41のボロン一次拡散面側の全面にさらにボロンを高濃度に拡散するため、振動板を高精度に形成しつつ、所定部分の薄膜の強度を上げ、薄膜部の割れを防止することができる。
さらに、電極取出し口25となる部分を機械的に割るのではなく、ドライエッチング法を用いて電極取出し口25となる部分の開口を行うようにしたので、破片等の異物が発生することなく、異物付着によるノズルプレート3とキャビティプレート1との接着不良、封止材26を用いた際のギャップ封止不良等を防ぐことができる。また、TEOSを用いたプラズマCVD、スパッタリングにより、液体保護膜15を成膜するようにしたので、低温で緻密な成膜を行うことができる。
さらに、電極取出し口25となる部分をドライエッチングする際、開口位置を高精度に作製することができるSiO2膜をマスクに用いたので、電極取出し口25となる部分だけを高精度にドライエッチングすることができる。
また、シリコン基板41とガラス基板2との陽極接合の際、あらかじめガラス基板2に大気開放穴28を設け、ギャップの密閉状態を防ぐようにしたので、陽極接合時にギャップ部分に発生した気体によりシリコン基板41を加圧して、薄膜化した部分から割れるのを防ぐことができる。そして、ウェットエッチングが行われる前に大気開放穴28を塞ぐようにしたので、大気開放穴28からのエッチャントの浸入を防ぐことができる。
なお、上記に示した液滴吐出ヘッドの製造方法は一例であり、そこで使用した温度、圧力、時間、厚みなどの値は上記に説明したものに限られるものではない。
図6は上述の実施の形態で製造した液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置の概略構成図である。図6の液滴吐出装置はインクジェット方式による印刷を目的とするプリンタである。図6において、被印刷物であるプリント紙100が支持されるドラム101と、プリント紙100にインクを吐出し、記録を行う液滴吐出ヘッド102とで主に構成される。また、図示していないが、液滴吐出ヘッド102にインクを供給するためのインク供給手段がある。プリント紙110は、ドラム101の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ103により、ドラム101に圧着して保持される。そして、送りネジ104がドラム101の軸方向に平行に設けられ、液滴吐出ヘッド102が保持されている。送りネジ104が回転することによって液滴吐出ヘッド102がドラム101の軸方向に移動するようになっている。
Claims (5)
- 個別電極となる複数の電極及び前記複数の電極を外部の機器に接続する複数の電極端子が形成された電極基板と、液体を貯えて吐出させる吐出室となる複数の凹部が少なくとも形成されるシリコン基板とを、前記電極と前記吐出室の底面となる部分をギャップを介して対向させて接合する接合工程と、
前記電極基板と接合された前記シリコン基板に、少なくとも前記凹部を含む液体流路および前記電極端子に対応した電極取出し口となる部分をウェットエッチングを利用して形成するウェットエッチング工程と、を備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
前記電極基板と接合される前の前記シリコン基板に対して、前記ウェットエッチング工程において薄膜が形成される部分のうち、所定の薄膜形成予定部分にのみ選択的にボロンを拡散し、その後さらに該シリコン基板のボロンが拡散された側の全面にボロンを拡散し、
前記シリコン基板に対して選択的にボロンを拡散する部分を、前記電極取出し口となる部分とすることを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記シリコン基板に対して選択的にボロンを拡散するため、SiO2 膜をマスクとして利用することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ウェットエッチング工程では、ボロン拡散により形成されたボロンドープ層によるエッチングストップが作用するまで、前記シリコン基板をエッチングすることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ウェットエッチングの終了後、前記シリコン基板の前記電極取出し口となる部分に残ったボロンドープ層を含む薄膜を、ドライエッチングにより除去することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ウェットエッチングの終了後、前記シリコン基板の前記電極取出し口となる部分に残ったボロンドープ層を含む薄膜を、レーザ加工により除去することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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