JP2007223108A - 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まり低下を防止できる液滴吐出ヘッドの製造技術を提案する。
【解決手段】電極基板2と接合される前のシリコン基板1の電極基板2との接合面のうち、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分と平面的に見て重なる領域に、ボロンを選択的に拡散して選択拡散領域28を形成し、その後さらにシリコン基板1のボロンが拡散された側の全面にボロンを拡散するようにし、そして選択拡散領域28が形成されたシリコン基板1を陽極接合工程で電極基板2と接合することにより選択拡散領域28の輪郭部分に残存形成される溝部29を封止し、溝部29を介してギャップGが大気に連通するのを防止する。
【選択図】図2

Description

本発明はインクやその他の液体を吐出する液滴吐出装置に用いられる液滴吐出ヘッドの製造方法、その方法により製造した液滴吐出ヘッド、そのヘッドを搭載した液滴吐出装置に関する。
液滴吐出を実現するヘッドとして、吐出前の液体を貯えて吐出させる吐出室(圧力室ともいう)を設け、吐出室の底面を構成する底壁を振動板とし、この振動板に対向配置した個別電極を利用して該振動板を撓ませて吐出室内の圧力を高め、液体を加圧することで吐出室と連通するノズル孔から液滴を吐出させるものがある。このような液滴吐出ヘッドを製造する方法として、個別電極となる複数の電極が形成されたガラス基板に流路形成前のシリコン基板を接合した後、該シリコン基板を薄板化し、且つ吐出室等の流路を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1または特許文献2参照)。
特開2004−82572号公報 特開2004−306444号公報
個別電極となる複数の電極が形成されたガラス基板に流路形成前のシリコン基板を接合した後、該シリコン基板に吐出室等の流路を形成する方法では、それらの電極を外部機器に接続するための電極取出し口もシリコン基板に形成される。この電極取出し口となる部分は、振動板となる個々の吐出室底面よりも面積が大きい。したがって、加工途中で吐出室底面(振動板)と同等の厚さまでエッチングされてしまうと、この部分の剛性が非常に弱くなってしまい、機械的な振動や、個別電極とシリコン基板とのギャップ内に挟まった異物が押し上げる力等によって、その部分が割れる場合がある。特にギャップ内に気体が発生すると、成膜等、真空チャンバ内での工程を行う場合には、ギャップ内外の気圧差が大きくなるため割れやすくなる。そのため、割れた際の破片等の異物がギャップに混入したり、後の工程でエッチャント等の液体がギャップに浸入するおそれがある。しかし、電極取出し口のような貫通穴が形成されることになる部分に対して、途中でウェットエッチングを全く行わないのでは、後の工程でそれらの部分を除去するのに時間がかかりすぎてしまう。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、個別電極となる複数の電極が形成されたガラス基板に流路形成前のシリコン基板を接合した後、シリコン基板に吐出室等の流路及び電極取出し口を形成する方法において、電極取出し口などのように大きな面積にわたって薄膜が形成される部分の加工方法を改善し、薄膜割れに起因する歩留まり低下を防止できる、液滴吐出ヘッドの製造方法、その方法で製造された液滴吐出ヘッド及びそのヘッドを搭載した液滴吐出装置を提案するものである。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、個別電極となる複数の電極が形成された電極基板と、液体を貯えて吐出させる吐出室となる複数の凹部が少なくとも形成されるシリコン基板とを、電極と吐出室の底面となる部分をギャップを介して対向させて陽極接合する陽極接合工程と、電極基板と接合されたシリコン基板に、少なくとも凹部を含む液体流路、ギャップを封止するための封止用貫通穴となる部分及び電極を外部の機器と接続するための電極取出し口となる部分をウェットエッチングを利用して形成するウェットエッチング工程と、ウェットエッチング工程終了後、シリコン基板の電極取出し口となる部分と封止用貫通穴となる部分に残った薄膜部を除去して貫通させる貫通工程と、シリコン基板の封止用貫通穴を利用してギャップを封止する封止工程とを有し、電極基板と接合される前のシリコン基板の電極基板との接合面のうち、電極取出し口となる部分及び封止用貫通穴となる部分と平面的に見て重なる領域に、ボロンを選択的に拡散して選択拡散領域を形成し、その後さらにシリコン基板のボロンが拡散された側の全面にボロンを拡散するようにし、そして、前記選択拡散領域が形成されたシリコン基板を前記陽極接合工程で電極基板と接合することにより選択拡散領域の輪郭部分に残存形成される溝部を封止し、該溝部を介してギャップが大気に連通するのを防止するようにしたものである。
これにより、ボロンが二重に拡散された部分が後のウェットエッチング工程において薄膜とされても、その薄膜は高濃度にボロンが拡散された層からなり、しかも他のボロンドープ層部分より厚く形成されるため、その部分からの割れに起因する歩留まり低下を低減することができる。また、選択拡散領域の輪郭部分に残存形成される溝部を封止するようにしたので、ギャップが大気と連通している経路を確実に封止することができる。したがって、電極に水分が付着して、静電吸引力及び静電反発力が低下するといった不都合を防止でき、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、選択拡散領域の輪郭部分の溝部が封止用貫通穴と交差する部分で大気に連通するように、封止用貫通穴と選択拡散領域とが十字状に交差するように両者の位置関係を設定し封止用貫通穴を利用した封止工程を行うことにより、交差部分の封止も同時に行えるようにしたものである。
これにより、製造工程を簡略化することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、シリコン基板において、選択拡散領域を各ヘッドチップ毎に設けたものである。
これにより、後工程のエッチングの際に、仮に1ヘッド内のギャップにエッチング液が侵入しても、選択拡散領域の輪郭部分の溝部を介して隣接ヘッドにエッチング液が侵入することがない。よって、歩留まり良く生産性が向上する。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、シリコン基板に対して選択的にボロンを拡散して選択拡散領域を形成するに際し、SiO2 膜をマスクとして利用するものである。
SiO2 膜はシリコン基板に容易に形成でき、しかもボロンの拡散マスクとして十分な機能を有しているため、マスクとしてSiO2 膜を用いることが好ましい。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記の何れかの液滴吐出ヘッドの製造方法によって製造されたものである。
これにより、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
これにより、信頼性の高い液滴吐出装置を得ることができる。
実施の形態1
図1は本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドを分解して表した図である。図1はフェイス吐出型の液滴吐出ヘッドを表している。図1に示すように、この液滴吐出ヘッドは、キャビティプレート1、ガラス基板2、ノズルプレート3の3つの基板が積層されてなる。
キャビティプレート1は、例えば厚さ約50μmで、110面方位のシリコン単結晶基板(以下、単にシリコン基板という)から構成されている。キャビティプレート1には、吐出される前の液滴が保持される複数の吐出室5、各吐出室5に供給する液体をためておく各吐出室5に共通のリザーバ7などの流路が形成されている。なお、吐出室5の底面を構成する底壁は振動板4として作用する。また、キャビティプレート1には更に、後述するように封止材26をリード部10の直上部分に堆積し、封止部を形成するための封止用貫通穴27が形成されている。
また、キャビティプレート1の下面(ガラス基板2と対向する面)には、絶縁膜となるTEOS膜(Tetraethyl orthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシランを用いてできるSiO2 膜をいう)14を、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて0.1μm程度成膜している。これは、液滴吐出ヘッドを駆動させた時の絶縁膜破壊及び短絡を防止するためである。さらに、キャビティプレート1の上面(ノズルプレート3と対向する面)には、液体保護膜15となるSiO2 膜(TEOS膜を含む)を、プラズマCVD法又はスパッタリング法により成膜している。これはインク等の液体によって流路が腐食するのを防ぐためである。また、液体保護膜15の応力とキャビティプレート1の下面に成膜したTEOS膜14の応力とを相殺させ、振動板4の反りを小さくすることができる効果も期待できる。
また、キャビティプレート1には、キャビティプレート1の通電部として共通電極19が設けられている。
第2の基板となるガラス基板2(電極基板ともいう)は、厚さ約1mmであり、図1で見るとキャビティプレート1の下面に接合される基板である。本実施の形態では、ガラス基板2となるガラスとして、ホウ珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いることにする。ガラス基板2には、キャビティプレート1に形成される各吐出室5に合わせて、エッチングにより深さ約0.2μmの凹部9が設けられる。そして、凹部9の内側に、個別電極8、リード部10及び電極端子11からなる複数の電極を設ける。リード部10は個別電極8と電極端子11を繋ぐ部分であり、電極端子11は個別電極8を外部機器(例えば電源)に接続する際などに利用される部分である。なお、特に区別する必要がない場合は、個別電極8、リード部10及び電極端子11を合わせて個別電極(又は電極)9として説明する。
本実施の形態では、個別電極8の材料として酸化錫を不純物としてドープした透明のITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)を用い、例えばスパッタ法を用いて0.1μmの厚さで凹部9内側に形成するものとする。その際、後述するように、個別電極8とガラス基板2に接合するシリコン基板とを等電位にするための接点(以下、等電位接点という)となるITOパターン24も個別電極8と同時に成膜しておく。
なお、個別電極8の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を材料に用いてもよい。本実施の形態においては、電極間ギャップ内の検査が行いやすいことなどの理由でITOを用いることとする。
また、ガラス基板2には、リザーバ7と連通して外部タンク(図示せず)からリザーバ7への流路となるインク供給口13も設けられている。
振動板4と個別電極8との間には、後述する図2に示すように、振動板4の振動空間として機能するギャップGが構成されるが、その幅は凹部9の深さ、個別電極8及び振動板4(TEOS膜14)の厚さにより決まる。ギャップGの幅は液滴吐出ヘッドの吐出特性に大きく影響するため、厳格な精度管理が行われる。
ノズルプレート3は、例えば厚さ約180μmのシリコン基板で構成され、ガラス基板2とは反対の面(図1の場合には上面)で、キャビティプレート1と接合されている。図1から見て、ノズルプレート3の上面には、吐出室5で加圧されたインク等の液体を液滴として吐出するノズル孔12が形成されている。また、キャビティプレート1のリザーバ7に対応する部分には、リザーバ7内の液体の圧力変動を吸収するためのダイヤフラム18が形成されている。さらに、ノズルプレート3の下面には、吐出室5とリザーバ7とを連通させるオリフィス6も形成されている。
なお、ここではノズル孔12を有するノズルプレート3を上面とし、ガラス基板2を下面として説明するが、実際には、ノズルプレート3の方がガラス基板2よりも下面となって用いられることが多い。
図2は図1の右半分の液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図で、図2(a)は吐出室5を長手方向に割断した部分の断面図、図2(b)は、キャビティプレート1に形成される溝部29と封止用貫通穴27との位置関係を示す平面図で、図2(a)のノズルプレート3を外した状態の液滴吐出ヘッドの平面図である。吐出室5は吐出前の液体を溜めておき、吐出室5の底壁を構成する振動板4を撓ませることにより、吐出室5内の圧力を高めて、液滴をノズル孔12から吐出させる作用を果たす。本実施の形態で振動板4は、高濃度のボロン(B)をシリコン基板に拡散したボロンドープ層から構成している。
キャビティプレート1の共通電極19は、ワイヤ23を介して発振回路22に接続されている。また、ガラス基板2の電極端子11も、ワイヤ23を介して発振回路22に接続されている。なお、キャビティプレート1の電極端子11と対応する部分には、電極取出し口25が貫通形成されており、その電極取出し口25から電極端子11が引き出されるようになっている。発振回路22は、例えば24kHzで発振し、個別電極8に0Vと30Vのパルス電位を印加して電荷の供給及び停止を行う。すなわち、発振回路22が発振駆動することで、例えば個別電極8に電荷を供給して正に帯電させ、振動板4を相対的に負に帯電させると、静電気力により個別電極8に引き寄せられて撓む。これにより吐出室5の容積は広がる。そして電荷供給を止めると振動板4は元に戻るが、そのときの吐出室5の容積も元に戻るから、その圧力により差分の液滴20が吐出する。この液滴20が例えば記録対象となる記録紙21に着弾することによって印刷等の記録が行われる。なお、このような方法は引き打ちと呼ばれるものであるが、バネ等を用いて液滴を吐出する押し打ちと呼ばれる方法もある。
また、ギャップGの端部には、ギャップGに、異物、水分(水蒸気)等が浸入しないように、ギャップGを外気から遮断し、密閉する封止材26が設けられ封止部を形成している。この封止部は、キャビティプレート1に形成された封止用貫通穴27を介して例えばCVD(Chemical Vapor Deposition :化学的気相法)、スパッタ、蒸着などの方法により、封止材26を堆積することにより形成されるものである。封止材26には、酸化シリコンの他に、例えばAl23(酸化アルミニウム(アルミナ))、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、Ta25(五酸化タンタル)、DLC(Diamond Like Carbon )、ポリパラキシリレン(polypalaxylylene)、PDMS(polydimethylsiloxane:シリコーンゴムの一種)、エポキシ樹脂などの無機または有機化合物など、分子量が比較的小さく、蒸着、スパッタなどにより堆積させることができ、水分を通さない物質を用いることができる。
なお、本例では、封止用貫通穴27と電極取出し口25とを別々の貫通穴としているが、一つの貫通穴としても良い。本例のように、封止用貫通穴27を電極取出し口25を分けた構成とした場合には、所望の箇所だけに封止材26を選択的に堆積などさせて封止し、必要箇所だけを効率よく封止部として形成できる利点がある。
ここで、本例では、キャビティプレート1において電極取出し口25となる部分を薄板化する過程で、電極取出し口25となる部分に割れが発生するのを防止するために、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分と平面的に重なる領域に、選択的にボロンを高濃度に拡散してエッチングストップが作用するようにしている。その選択拡散領域28は、図2(b)中において一点鎖線で囲まれた領域である。次の図3に、選択拡散領域28の全体の輪郭を示す。
図3(a)は、キャビティプレート1となるシリコンウエハ全体の平面図で、選択拡散領域28の全体の輪郭を示している。また、図3(b)は、シリコンウエハとガラス基板とが接合された状態の断面図を示している。
図3に示すように、選択拡散領域28はヘッドチップ毎に設けられている。選択拡散領域28の輪郭部分のうち、隣接するヘッドに接する辺28’は、隣接ヘッドを区分けしているガラス隔壁2a上に形成するようにしている。このように形成することで、製造途中のエッチング工程時に、仮に1ヘッド内のアクチュエータ部にエッチング液が侵入しても、選択拡散領域28の輪郭部の溝部29を介して隣接ヘッドにエッチング液が侵入することはない。よって、歩留まり良く生産性を向上させることが可能となる。
図2の説明に戻る。選択拡散領域28の輪郭部分には、キャビティプレート1と電極基板2との陽極接合の際に、溝部29が形成される。溝部29の形成過程の詳細については以下の製造方法の説明において説明するが、この溝部29は、キャビティプレート1に貫通穴(電極取出し口25及び封止用貫通穴27)を形成した際に大気と連通し、ギャップGを大気と連通させてしまう。したがって、溝部29も封止する必要がある。そこで、本例では、封止材26でギャップGの端部を封止すると共に、溝部29も封止するようにしている。
図4(a)はガラス基板2を上面から見た図、図4(b)は、図4(a)のA−A断面図で、等電位接点部分の断面を示している。通常、液滴吐出ヘッドはウェハ単位で作られ、最終的に各液滴吐出ヘッド(ヘッドチップ)に切り離される。本実施の形態では、等電位接点を各ヘッドチップに独立して設け、それを利用して陽極接合時にキャビティプレート1と個別電極8との間を等電位に保つようにする。等電位接点となる部分については、ガラス基板2に凹部9を形成する際、エッチングせず残しておく。そして、その上に、導電性であるITO0.1μmを個別電極8とともに成膜し、ITOパターン24を形成する。したがって、等電位接点は、ガラス基板2表面よりもITOパターン24の分だけ0.1μm突出していることとなる。一方、キャビティプレート1においては、等電位接点に対応する部分のTEOS膜(0.1μm)を取り除き、キャビティプレート1の主となる材料であるシリコン基板(ボロンドープ層)を露出する窓を形成する。この窓を介してシリコン基板とITOパターン24とを接触させることで、陽極接合時において、ITOパターン24と電気的に接続されている個別電極8とシリコン基板との等電位を確保する。
大気開放穴31はこの液滴吐出ヘッドの外部と凹部9とを連通させ、陽極接合によって形成される前述したギャップGが密閉された状態になるのを防ぐためのものである。たとえば、陽極接合時等、各基板への加熱等による酸素等の気体発生によってギャップG内が加圧されるのを防ぐためのものである。なお、この大気開放穴31は、サンドブラスト法や切削加工等により形成する。また大気開放穴31は、最終的にはダイシングにより液滴吐出ヘッドと切り離されるので、完成した液滴吐出ヘッドには残らない。
ダイシングライン30は、ウェハに一体形成された複数の液滴吐出ヘッドを切り離す際のラインである。したがって、図4においてダイシングライン30よりも右側及び上側にある部分は、完成した液滴吐出ヘッドには残らない。なお、図4の液滴吐出ヘッドでは、個別電極8等の部材を5つしか記載していないが、実際には1つの液滴吐出ヘッドには多くのノズル孔12が存在し、その数に応じた個別電極8が形成されている。
図5〜図7は実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を表す図である。以下、これらの図5〜図7に示す工程に沿って上記液滴吐出ヘッドの製造方法を説明する。
(a)ここではガラス基板2を作製する。まず約1mmのガラス基板を用意し、その一方の面に対し、個別電極8の形状パターンに合わせて0.2μmの深さの凹部9を形成する。等電位接点となる部分については、図4(b)に示したように、エッチングを行わずに残しておく。ここで、等電位接点の形状については、キャビティプレート1のシリコン基板と個別電極8とを接触させて等電位にすることができればその形状は問わない。凹部9及び等電位接点の形成後、例えばスパッタリング法を用いて、0.1μmの厚さの個別電極8及びITOパターン24を同時に形成する。最後にインク供給口13及び大気開放穴31をサンドブラスト法または切削加工により形成する。これにより、ガラス基板2が作製される。
(b)一方で、ガラス基板2に接合されてキャビティプレート1となるシリコン基板41を準備する。表面が(110)面方位の酸素濃度の低いシリコン基板41の片面(ガラス基板2との接合面側となる)を鏡面研磨し、220μmの厚みのシリコン基板41を作製する。
次に、酸素及び水蒸気雰囲気中において、1075℃の温度条件で4時間酸化することで、シリコン基板41の両面に約1.2μmのSiO2膜41Aを成膜する。SiO2膜41Aは後の工程で行うボロンの選択拡散のためのマスクとなる。
シリコン基板41の両面にレジストを塗布し、ボロンを選択拡散させたい部分(電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分と平面的に重なる領域(図2(b)及び後述の図8(a)参照)であり、以下、選択拡散領域という)28のSiO2膜41Aを除去すべくレジストパターニングを施し、ふっ酸水溶液でエッチングして、SiO2膜41Aをパターニングする。その後、シリコン基板41からレジストを剥離する。
(c)次に、シリコン基板41のボロンドープ層42を形成する面を、B23を主成分とする固体の拡散源に対向させて石英ボートにセットする。さらに縦型炉に石英ボートをセットして、炉内を窒素雰囲気にし、温度を1100℃に上昇させて6時間保持することで、ボロンをシリコン基板41中に拡散させ、選択拡散領域28にボロンドープ層42を形成する。このとき、ボロンドープ層42の表面にはボロン化合物42aが形成される。
ここでボロンドープ層42の形成工程においては、炉へのシリコン基板41(石英ボート)の投入温度を800℃とし、さらにシリコン基板41の取出し温度も800℃とする。これにより、シリコン基板41内の酸素による酸素欠陥の成長速度が速い領域(600℃から800℃)をすばやく通過させることができるため、酸素欠陥の発生を抑えることができる。なおこの時、シリコン基板41の拡散面と反対面にはSiO2膜41Aが残っているため、ボロンが反対面に回り込んでも、SiO2膜41Aがマスクとなって反対面にボロンが拡散されることが無い。
(d)ボロン化合物42aを除去するために、まず、酸素及び水蒸気雰囲気中、600℃の条件で1時間30分酸化し、ボロン化合物42aを、ふっ酸水溶液によるエッチングが可能なB23+SiO2膜42bに化学変化させる。
(e)そして、シリコン基板41のボロンを選択拡散した面と反対面にレジスト(図示せず)を塗布し、シリコン基板41をふっ酸水溶液に10分間浸す。これにより、選択拡散領域28のB23+SiO2膜42b及び拡散面側のSiO2膜41Aがエッチング除去される。その後、シリコン基板41からレジストを剥離する。
この際、選択拡散領域28のB23+SiO2 膜42bが除去されることにより、選択拡散領域28には、約35nm程度の深さの凹部28aが形成される。
(f)続いて、工程(d)と同様に、シリコン基板41のボロンドープ層42が形成された面をB23を主成分とする固体の拡散源に対向させて石英ボートにセットする。縦型炉に石英ボートをセットし、炉内を窒素雰囲気にし、温度を1050℃に上昇させ、そのまま温度を7時間保持し、ボロンをシリコン基板41中に拡散させ、今度は拡散面側全面にボロンドープ層42を形成する。このボロンドープ工程では、シリコン基板の投入温度を800℃とし、シリコン基板の取出し温度も800℃とする。これにより、酸素欠陥の成長速度が速い領域(600℃から800℃)をすばやく通過することができるため、酸素欠陥の発生を抑えることができる。この時、拡散面と反対面にはSiO2膜41Aが残っているため、ボロンが反対面に回り込んでも、SiO2膜がマスクとなって反対面に拡散されることが無い。
この工程での処理により、先に選択拡散した電極取出し口25となる部分のボロン濃度は他の部分に比べて濃くなり、しかもその部分はシリコン基板41のより内部へボロンが拡散された状態となる。
ここでもボロンドープ層42の表面にはボロン化合物が形成されるが(図示なし)、酸素及び水蒸気雰囲気中、600℃の条件で1時間30分酸化することで、ふっ酸水溶液によるエッチングが可能なB23+SiO2に化学変化させることができる。
(g)そして、シリコン基板をふっ酸水溶液に10分間浸す。すると、拡散面のB23+SiO2膜及び反対面のSiO2膜がエッチング除去される。なお、この場合は、ボロン拡散はシリコン基板41の全面に対して行われるため、工程(e)のような凹部28aが形成されることはない。
(h)続いて、ボロンドープ層42を形成した面に、プラズマCVD法により、TEOS膜(絶縁膜)14を、成膜時の処理温度は360℃、高周波出力は250W、圧力は66.7Pa(0.5Torr)、ガス流量はTEOS流量100cm3 /min(100sccm)、酸素流量1000cm3 /min(1000sccm)の条件で0.1μm成膜する。さらに、成膜したTEOS膜14の表面にレジストを塗布し、等電位接点においてシリコンを露出させる窓を作り込むためのレジストパターニング(図示せず)を施す。そして、ふっ酸水溶液でウェットエッチングを行って、図4(b)に示すようにTEOS膜14をパターニングし窓を形成する。その後、レジストを剥離する。
(i)続いて、シリコン基板41とガラス基板2を360℃に加熱した後、ガラス基板2に負極、シリコン基板41に正極を接続して、800Vの電圧を印加して陽極接合を行う。この陽極接合の際、シリコン基板41の選択拡散領域28の凹部28aは、その凹み量が極めて少ないことから、ガラス基板2に引き寄せられ、凹部28aの底面部分がガラス基板に2に接合される。これにより選択拡散領域28の輪郭部分に、幅約1μm以下の隙間の溝部29が残存形成される。
なお、陽極接合時に、シリコン基板41とガラス基板2の界面において、ガラスが電気化学的に分解され酸素が気体となって発生する場合がある。また加熱によって表面に吸着していたガス(気体)が発生する場合もある。しかしながら、これらの気体は大気開放穴31から逃げるため、ギャップG内が正圧になることは無い。
(j)次に、シリコン基板41のガラス基板2との接合面とは反対側の面に対し、TEOSによるエッチングマスク(以下、TEOSエッチングマスクという)43をプラズマCVD法により成膜する。成膜条件としては、例えば、成膜時の処理温度は360℃、高周波出力は700W、圧力は33.3Pa(0.25Torr)、ガス流量はTEOS流量100cm3 /min(100sccm)、酸素流量1000cm3 /min(1000sccm)の条件で1.0μm成膜する。
さらに、TEOSエッチングマスク43にレジストパターニングを施し、ふっ酸水溶液中に浸して、吐出室5、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分のTEOSエッチングマスク43が無くなるまで、その部分をエッチングする。その後レジストを剥離する。なお、特開2004−306444号公報にあるように、エッチングした場合に貫通穴となる部分の中央部にシリコンの島が残るように、TEOSエッチングマスク43に対してレジストパターニングを施してもよい。
(k)続いて、リザーバ7となる部分のTEOSエッチングマスク43をエッチングするため、レジストパターニングを施す。そして、ふっ酸水溶液でそれらの部分のTEOSエッチングマスク43を0.7μmだけエッチングしてリザーバ7をパターニングする。これによりリザーバ7となる部分に残っているTEOSエッチングマスク43の厚みは0.3μmとなる。このようにするのは、最終的にリザーバ7の底面に厚みを持たせ、リザーバ7の剛性を高めるためである。なお、ここでは、TEOSエッチングマスク43の残留厚みを0.3μmとしたが、所望するリザーバ7の深さによって、この厚みは調整する。この後、レジストを剥離する。
(l)次に、接合済み基板を35wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、吐出室5、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分の厚みが約10μmになるまでウェットエッチングを行う。このとき、リザーバ7の部分はマスクされておりエッチングがまだ始まっていない。
(m)続いて、ふっ酸水溶液に接合済み基板を浸して、リザーバ7となる部分のTEOSエッチングマスク43を除去する。
さらに、接合済み基板を3wt%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層42によりエッチングストップが十分効いたものと判断するまでエッチングを続ける。このように、2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水溶液を用いたエッチングを行うことによって、形成される振動板4の面荒れを抑制し、振動板4の厚み精度を0.80±0.05μm以下にすることができる。その結果、液滴吐出ヘッドの吐出性能を安定化することができる。
ここで、エッチングストップについて簡単に説明しておく。アルカリ性水溶液でシリコン基板の異方性ウェットエッチングを行った場合、高濃度(約5×1019atoms・cm-3以上)のボロンをドーパントとした領域では極端にエッチングレートが小さくなる。そのため、振動板4や電極取出し口25、封止用貫通穴27の部分に必要な厚さのボロンドープ層を形成しておけば、ウェットエッチングにより、それらの厚さを精度よく形成することができる。なお、エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、その状態のときにシリコンのエッチングが終了したものとする。
この例の場合、選択拡散領域28はボロンドープ層42が二重に形成された状態となるため、その部分が高濃度で他より厚いボロン拡散層となる。このため、エッチングストップが振動板4の部分に比べて早く効き始め、結果として選択拡散領域28の膜厚が5μmとなることと、ボロンの拡散効果によりその部分の強度が増す。このため、選択拡散領域28内の電極取出し口25及び封止用貫通穴27を最終的に開口する前に、その薄膜の割れが低減されて歩留まりが向上する。
また、この工程(m)でリザーバ7となる部分もエッチングされてリザーバ7が形成される。
(n)ウェットエッチングを終了すると、接合済み基板をふっ酸水溶液に浸し、シリコン基板41表面のTEOSエッチングマスク43を剥離する。
(o)次に、シリコン基板41の電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分の残留シリコンを除去するために、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分が開口したシリコンマスク(図示せず)を接合済み基板のシリコン基板41側の表面に取り付ける。そして、例えば、RFパワー200W、圧力40Pa(0.3Torr)、CF4 流量30cm3 /min(30sccm)の条件で、RIEドライエッチング(異方性ドライエッチング)を1時間行い、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分のみにプラズマを当てて開口する。この開口により、個別電極8とシリコン基板41とのギャップGも大気開放される。
また、選択拡散領域28の輪郭部分に形成された溝部29も、シリコン基板41に封止用貫通穴27が形成されることによって大気に開放される。
なお、上記のドライエッチングに代えて、機械的加工やレーザ加工により、電極取出し口25となる部分の残留シリコンを除去することも可能である。ただし、シリコンの破片等の異物の発生を防ぐことができるという観点からは、ドライエッチングやレーザ加工による方が機械的加工より好ましい。
また、ガラス基板2のインク供給口13となる孔部からレーザ加工を施してシリコン基板41のリザーバ7となる凹部の底部を貫通させて、インク供給口13を形成する。
(p)次に、封止用貫通穴27に対応する部分が開口したシリコンマスク(図示せず)を接合済み基板のシリコン基板41側の表面に取り付ける。そして、シリコンマスクの開口及びシリコン基板41の封止用貫通穴27を介してプラズマCVD法により封止材26を堆積してギャップGの端部を封止する。ここで、この封止に際し、選択拡散領域28の輪郭部分に形成された溝部29も封止する。なお、本例では、ギャップGの端部を封止するのと同時に溝部29の封止も行えるように、選択拡散領域28と封止用貫通穴27との位置関係が設定されている。すなわち、選択拡散領域28と封止用貫通穴27とが十字状に交差(図2(b)参照)するようにし、選択拡散領域28の輪郭部分の溝部29が封止用貫通穴27と交差する部分で大気に連通するようにする。これにより、封止用貫通穴27を利用してギャップGの端部を封止することにより、前記交差部分も封止でき、引いてはギャップGを封止することができる。
なお、封止部は、プラズマCVD法等を用いた封止材26の堆積による方法に限られたものではなく、例えばエポキシ樹脂からなる封止材26を封止用貫通穴27の端部に沿って流し込んで形成するようにしても良い。
(q)その後、ノズル孔12があらかじめ形成されたノズルプレート3を例えば、エポキシ系接着剤により、接合済み基板のキャビティプレート1側に接着する。
(r)最後に、ダイシングライン30に沿ってダイシングを行い、個々の液滴吐出ヘッドに切断し、液滴吐出ヘッドが完成する。ここで、陽極接合時には短絡していた各個別電極8はそれぞれ分断され、ノズル毎に独立する。また、大気開放穴31及びそこに連通するガラス溝も切断される。
以上のような方法によれば、ガラス基板2とシリコン基板41を接合した後に、接合されたシリコン基板41に対して吐出室5等の各流路を形成するため、取り扱いが容易で、基板の割れも低減することができ、且つ基板の大口径化が可能となる。大口径化が可能となれば、一枚の基板から多くの液滴吐出ヘッドを取出すことができるため、生産性を向上させることができる。
また、電極取出し口25となる部分や封止用貫通穴27となる部分のような大面積にわたって薄膜が形成される部分と平面的に重なる領域に選択的にボロンを高濃度に一次拡散した後、シリコン基板41のボロン一次拡散面側の全面にさらにボロンを高濃度に拡散するため、振動板4を高精度に形成しつつ、電極取出し口25となる部分や封止用貫通穴27となる部分に残る薄膜の強度を上げ、薄膜部の割れを防止することができる。
また、選択拡散領域28の輪郭部分に形成される溝部29を封止材26によって封止するようにしたので、ギャップGを確実に封止することができ、湿気や塵埃等がギャップGへ侵入するのを防止することができ、液滴吐出ヘッドの信頼性を高く保持することができる。
また、ギャップGの端部を封止するのと同時に、溝部29も封止するようにしたので、製造工程を簡略化することができる。
また、選択拡散領域28を各ヘッドチップ毎に設けたので、後工程のエッチングの際に、仮に1ヘッド内のギャップにエッチング液が侵入しても、選択拡散領域28の輪郭部分の溝部29を介して隣接ヘッドにエッチング液が侵入することがない。よって、歩留まり良く生産性を向上させることが可能となる。
また、シリコン基板41に対して選択的にボロンを拡散させるマスクとしてSiO2 膜を利用することで、そのマスクの形成も簡単に行える。
さらに、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分を機械的に割るのではなく、ドライエッチング法を用いてこれらの部分の開口を行うようにしたので、破片等の異物が発生することなく、異物付着によるノズルプレート3とキャビティプレート1との接着不良、封止材26を用いた際のギャップ封止不良等を防ぐことができる。
さらに、電極取出し口25となる部分及び封止用貫通穴27となる部分をドライエッチングする際、開口位置を高精度に作製することができるSiO2膜をマスクに用いたので、電極取出し口25となる部分だけを高精度にドライエッチングすることができる。
また、シリコン基板41とガラス基板2との陽極接合の際、あらかじめガラス基板2に大気開放穴31を設け、ギャップの密閉状態を防ぐようにしたので、陽極接合時にギャップ部分に発生した気体によりシリコン基板41を加圧して、薄膜化した部分から割れるのを防ぐことができる。
なお、本例では、電極取出し口25と封止用貫通穴27とを独立して設けた例を図示して説明したが、一つの貫通穴で形成するようにしてもよい。
また、上記に示した液滴吐出ヘッドの製造方法は一例であり、そこで使用した温度、圧力、時間、厚みなどの値は上記に説明したものに限られるものではない。
実施の形態2
図9は上述の実施の形態で製造した液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置の概略構成図である。図9の液滴吐出装置はインクジェット方式による印刷を目的とするプリンタである。図9において、被印刷物であるプリント紙110が支持されるドラム101と、プリント紙110にインクを吐出し、記録を行う液滴吐出ヘッド102とで主に構成される。また、図示していないが、液滴吐出ヘッド102にインクを供給するためのインク供給手段がある。プリント紙110は、ドラム101の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ103により、ドラム101に圧着して保持される。そして、送りネジ104がドラム101の軸方向に平行に設けられ、液滴吐出ヘッド102が保持されている。送りネジ104が回転することによって液滴吐出ヘッド102がドラム101の軸方向に移動するようになっている。
一方、ドラム101は、ベルト105等を介してモータ106により回転駆動される。また、プリント制御手段107は、印画データ及び制御信号に基づいて送りネジ104、モータ106を駆動させ、また、ここでは図示していないが、発振駆動回路を駆動させて振動板4を振動させ、制御をしながらプリント紙110に印刷を行わせる。
ここでは液体をインクとしてプリント紙110に吐出するようにしているが、液滴吐出ヘッドから吐出する液体はインクに限定されない。例えば、カラーフィルタとなる基板に吐出させる用途においては、カラーフィルタ用の顔料を含む液体、有機EL等の表示基板に吐出させる用途においては、発光素子となる化合物を含む液体、基板上に配線する用途においては、例えば導電性金属を含む液体を、それぞれの装置において設けられた液滴吐出ヘッドから吐出させるようにしてもよい。また、液滴吐出ヘッドをディスペンサとし、生体分子のマイクロアレイとなる基板に吐出する用途に用いる場合では、DNA(Deoxyribo Nucleic Acids:デオキシリボ核酸)、他の核酸(例えば、Ribo Nucleic Acid:リボ核酸、Peptide Nucleic Acids:ペプチド核酸等)タンパク質等のプローブを含む液体を吐出させるようにしてもよい。その他、布等の染料の吐出等にも利用することができる。
実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解図。 吐出室の部分を長手方向に割断した部分の断面図(a)、キャビティプレートに形成される溝部と封止位置との関係を示す平面図(b)。 選択拡散領域の全体の輪郭を示すウエハ全体の平面図(a)、シリコンウエハとガラス基板とが接合された状態の断面図(b)。 図1の液滴吐出ヘッドを構成するガラス基板を上面から見た図(a)、等電位接点部分の部分断面図(b)。 実施の形態1の液滴吐出ヘッドの製造工程図。 図5に続く液滴吐出ヘッドの製造工程図。 図6に続く液滴吐出ヘッドの製造工程図。 実施の形態1の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置の概略構成図。
符号の説明
1 キャビティプレート、2 ガラス基板(電極基板)、3 ノズルプレート、4 振動板、5 吐出室、6 オリフィス、7 リザーバ、8 個別電極、9 凹部、10 リード部、11 電極端子、12 ノズル孔、13 インク供給口、14 TEOS膜、15 液体保護膜、18 ダイヤフラム、19 共通電極、24 ITOパターン、25 電極取出し口、26 封止材、27 封止用貫通穴、28 選択拡散領域、29 溝部、31 大気開放穴、41A SiO2膜、42a ボロン化合物、42b B23+SiO2膜、43 エッチングマスク、102 液滴吐出ヘッド。

Claims (6)

  1. 個別電極となる複数の電極が形成された電極基板と、液体を貯えて吐出させる吐出室となる複数の凹部が少なくとも形成されるシリコン基板とを、前記電極と前記吐出室の底面となる部分をギャップを介して対向させて陽極接合する陽極接合工程と、
    前記電極基板と接合されたシリコン基板に、少なくとも凹部を含む液体流路、前記ギャップを封止するための封止用貫通穴となる部分及び前記電極を外部の機器と接続するための電極取出し口となる部分をウェットエッチングを利用して形成するウェットエッチング工程と、
    ウェットエッチング工程終了後、前記シリコン基板の電極取出し口となる部分と封止用貫通穴となる部分に残った薄膜部を除去して貫通させる貫通工程と、
    前記シリコン基板の前記封止用貫通穴を利用して前記ギャップを封止する封止工程とを有し、
    前記電極基板と接合される前のシリコン基板の前記電極基板との接合面のうち、電極取出し口となる部分及び封止用貫通穴となる部分と平面的に見て重なる領域に、ボロンを選択的に拡散して選択拡散領域を形成し、その後さらに前記シリコン基板のボロンが拡散された側の全面にボロンを拡散するようにし、そして、前記選択拡散領域が形成されたシリコン基板を前記陽極接合工程で前記電極基板と接合することにより前記選択拡散領域の輪郭部分に残存形成される溝部を封止し、該溝部を介してギャップが大気に連通するのを防止するようにしたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記選択拡散領域の輪郭部分の前記溝部が前記封止用貫通穴と交差する部分で大気に連通するように、前記封止用貫通穴と前記選択拡散領域とが十字状に交差するように両者の位置関係を設定し、前記封止用貫通穴を利用した前記封止工程を行うことにより、前記交差部分の封止も同時に行えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記シリコン基板において、前記選択拡散領域を各ヘッドチップ毎に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記シリコン基板に対して選択的にボロンを拡散して前記選択拡散領域を形成するに際し、SiO2 膜をマスクとして利用することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法によって製造された液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項5記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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