JP2002142468A - 静電アクチュエータおよびインクジェットヘッド - Google Patents

静電アクチュエータおよびインクジェットヘッド

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JP2002142468A JP2000333938A JP2000333938A JP2002142468A JP 2002142468 A JP2002142468 A JP 2002142468A JP 2000333938 A JP2000333938 A JP 2000333938A JP 2000333938 A JP2000333938 A JP 2000333938A JP 2002142468 A JP2002142468 A JP 2002142468A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 静電駆動式のインクジェットヘッドにおける
振動板部分と対向電極の隙間を封止するための気密封止
部分を適切かつコンパクトに構成すること。 【解決手段】 静電駆動式のインクジェットヘッドにお
いて、個別電極14を外部に引き出すための電極配線部
分15が形成されている電極引き出し用溝部分12は、
共通溝部分31と分岐溝部分32を備えており、共通溝
部分31には2本の電極配線部分15が並列配置されて
いる。この共通溝部分31に充填された封止用の接着剤
は、毛細管力で当該共通溝部分31を通って分岐溝部分
32に進行する。この分岐部分では溝断面積が増加する
ので、接着剤の進行が当該部分あるいはその近傍で止
る。この分岐部分を適切な位置に設けておけば、必要か
つ十分な封止代の気密封止部を形成でき、接着剤が個別
電極14が配置されている溝部分に侵入することもな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド等の駆動機構として用いられている静電アクチュエ
ータおよび、静電アクチュエータをインク吐出用の駆動
機構として用いている静電駆動式インクジェットヘッド
に関するものである。
【0002】更に詳しくは、本発明は、対向電極間のギ
ャップを形成している部分が適切な状態で気密封止され
ていると共に、当該気密封止部分がコンパクトに構成さ
れている静電アクチュエータおよび、静電駆動式インク
ジェットヘッドに関するものである。
【0003】
【従来の技術】静電アクチュエータをインク液滴吐出用
の駆動機構として採用している静電駆動式のインクジェ
ットヘッドは、例えば、本願人により、特開平5―50
601号公報において提案されている。
【0004】この形式のインクジェットヘッドは、イン
クノズルに連通しているインク流路の底面が面外方向に
弾性変形可能な振動板として形成され、この振動板に
は、一定の間隔でガラス基板が対向配置され、これら振
動板およびガラス基板にそれぞれ対向電極が配置された
構成となっている。対向電極間に電圧を印加すると、そ
れらの間に発生する静電気力によって、振動板は基板の
側に静電吸引されて振動する。この振動板の振動によっ
て発生するインク流路(インク圧力室)の内圧変動によ
って、インクノズルからインク液滴が吐出される。
【0005】ここで、対向電極の隙間部分が大気と連通
していると、対向電極間に発生する静電気の作用によっ
て大気中の塵埃や水分が隙間部分に侵入し、振動板がガ
ラス基板側に静電吸引されなくなる等の弊害が発生す
る。そこで、対向電極の隙間部分に連通している大気開
放側の通路にエポキシ樹脂等の封止剤を充填して、当該
隙間部分を気密封止するようにしている。
【0006】しかしながら、封止剤が対向電極の隙間部
分の中まで侵入してしまうと、振動板の振動特性等が悪
化するので、封止剤が対向電極の隙間部分に侵入しない
ようにする必要があると共に、封止剤の充填部分を振動
板から所定の距離以上離す必要がある。また、気密封止
を完全に行なうためには一定量以上の封止代を設ける必
要がある。さらには、各静電アクチュエータの動作特性
を一定にするためには、各静電アクチュエータ毎の封止
代を一定にする必要がある。
【0007】かかる点に鑑みて、本件出願人は、特開平
10―304685号公報において、各対向電極の隙間
部分に連通している通路に断面積の大きな封止剤溜り部
分を形成し、毛細管現象を利用して当該通路内に充填す
る封止剤の流れを、封止剤溜り部分で止めることによ
り、封止剤の封止代を一定にすると共に、対向電極の隙
間部分にまで封止剤が侵入しないようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、このように断
面積の大きな封止剤溜り部分を形成する方法では、その
分、封止剤による気密封止部分の寸法が大きくなる。こ
の結果、例えば、ラインインクジェットヘッドのように
多数の静電アクチュエータが配列されている場合には、
インクジェットヘッドの小型化にとって不利になる場合
がある。
【0009】本発明の課題は、封止剤による気密封止部
分を適切に形成できると共に、当該気密封止部分をコン
パクトに構成可能な静電アクチュエータ、および静電駆
動式インクジェットヘッドを提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の静電アクチュエータは、第1の基板と、
この第1の基板に重ね合わされた第2の基板と、前記第
1の基板に形成された第1の電極として機能する複数の
振動板部分と、前記第2の基板における各振動板部分に
対峙している表面部分に形成された電極配置用溝部分
と、この電極配置用溝部分に連続して前記第2の基板の
表面部分に形成された電極引き出し用溝部分と、この電
極引き出し用溝部分における前記第1および第2の基板
の合わせ面部分から外部に連通している外部連通口と、
各電極配置用溝部分の底面に形成された第2の電極と、
この第2の電極に連続して前記電極引き出し用溝部分の
底面に形成された電極配線部分と、この電極配線部分に
連続して前記外部連通口から外部に引き出されている電
極接続部分と、前記電極引き出し用溝部分に充填した封
入剤とを有し、少なくとも隣接する2本の前記電極引き
出し用溝部分は、少なくともそれらの一部分が共通溝部
分として形成されており、当該共通溝部分の底面には、
隣接する2本の前記電極配線部分におけるそれらの一部
分が並列配置されていることを特徴としている。
【0011】この構成の静電アクチュエータにおいて
は、前記電極引き出し用溝部分における前記共通溝部分
の断面積は、この共通溝部分から分岐して各電極配置用
溝部分につながっている分岐部分の断面積の合計に比べ
て小さくできる。従って、この分岐部分が封止剤溜り部
分として機能して、ここで封止剤の進行が遅くなり止
る。
【0012】よって、分岐部分を適切な位置に形成して
おけば、十分な封止剤封止代を確保でき、また、封止剤
による気密封止部分と振動板部分との間隔を適切な距離
にすることができ、さらには、各封止剤の封止代を一定
量とすることができる。
【0013】また、共通溝部分を分岐させることにより
封止剤溜り部分が形成されているので、通路に大断面積
の封止剤溜り部分を別途形成する場合に比べて、封止剤
による気密封止部分をコンパクトに構成できる。
【0014】これに加えて、共通溝部分に複数の電極引
き出し配線部分を形成しているので、各溝に1本ずつの
電極配線部分を形成する場合に比べて、電極配線部分を
形成するために必要な溝幅が狭くて済む。よって、静電
アクチュエータの小型化に有利である。
【0015】ここで、前記電極引き出し用溝部分を、前
記共通溝部分と、この共通溝部分から分岐して各電極配
置用溝部分につながっている分岐溝部分とを備えた構成
とすることができ、この場合には、前記共通溝部分の断
面積を、前記分岐溝部分の断面積の合計よりも小さくな
るように設定すればよい。
【0016】次に、本発明の静電駆動式のインクジェッ
トヘッドは、第1の基板と、この第1の基板に重ね合わ
された第2の基板と、前記第1の基板に形成された第1
の電極として機能する複数の振動板部分と、前記第2の
基板における各振動板部分に対峙している表面部分に形
成された電極配置用溝部分と、この電極配置用溝部分に
連続して前記第2の基板の表面部分に形成された電極引
き出し用溝部分と、この電極引き出し用溝部分における
前記第1および第2の基板の合わせ面部分から外部に連
通している外部連通口と、各電極配置用溝部分の底面に
形成された第2の電極と、この第2の電極に連続して前
記電極引き出し用溝部分の底面に形成された電極引き出
し用配線部分と、この電極引き出し用配線部分に連続し
て前記外部連通口から外部に引き出されている電極接続
部分と、前記電極引き出し用溝部分に充填した封止剤
と、前記の各振動板部分の振動により容積変化する複数
のインク圧力室と、各インク圧力室に連通している複数
のインクノズルとを有し、少なくとも隣接する2本の前
記電極引き出し用溝部分は、少なくともそれらの一部分
が共通溝部分として形成されており、当該共通溝部分の
底面には、隣接する2本の前記電極配線部分におけるそ
れらの一部分が並列配置されていることを特徴としてい
る。
【0017】ここで、前記電極引き出し用溝部分は、前
記共通溝部分と、この共通溝部分から分岐して各電極配
置用溝部分につながっている分岐溝部分とを備え、前記
共通溝部分の断面積が、前記分岐溝部分の断面積の合計
よりも小さくなるように設定される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を適用したインクジェットヘッドの実施例を説明する。
【0019】図1、図2および図3は、本発明を適用し
た静電駆動式のインクジェットヘッドの一例を示す平面
図、図1のII−II線に沿った縦断面図、および図1
のIII−III線に沿った横断面図である。本例のイ
ンクジェットヘッド1は、シリコン製のキャビティ基板
3を挟み、その上下に、シリコン製のノズル基板2およ
び電極ガラス基板4を積層した構成となっている。ま
た、その前端面1aには多数個のインクノズル5が開口
している。
【0020】ノズル基板2およびキャビティ基板3の間
には、共通インク室6、インクオリフィス7を介して共
通インク室6に連通しているインク圧力室8、および各
インク圧力室8にそれぞれ連通しているインクノズル5
が区画形成されている。共通インク室6には、不図示の
インク供給孔を介して外部からインクが供給される。各
インク圧力室8の底面部分は面外方向に振動可能な振動
板部分10となっている。
【0021】電極ガラス基板4におけるキャビティ基板
3との合わせ面4aには、各振動板部分10に対峙する
位置に細長い一定深さの電極配置用溝部分11が一定の
間隔で平行に形成されている。各電極配置用溝部分11
の後端には細幅で同一深さの電極引き出し用溝部分12
が連続しており、この電極引き出し用溝部分12は、キ
ャビティ基板後端面3bの位置まで延びている。電極ガ
ラス基板4の後端部分はキャビティ基板3の後端面3b
よりも後方に突出しており、その露出面4cは電極引き
出し用溝部分12の底面に連続する平面とされている。
従って、キャビティ基板後端面3bの位置において、電
極引き出し用溝部分12の外部連通口部分13が露出し
ている。
【0022】各電極配置用溝部分11の底面には、各振
動板部分10に対峙しているITOなどからなる個別電
極14が形成され、各個別電極14は一定の間隔で振動
板部分10に対峙している。個別電極14の一端は、細
幅の電極配線部分15として、電極引き出し用溝部分1
2の底面に沿って引き出されて、外部連通孔部分13か
ら露出面4cまで延びており、当該露出面4cにおいて
は、再び広幅の電極接続部分16として、電極ガラス基
板後端4dまで延びている。この電極接続部分16が、
外部配線接続用の電極端子部分とされる。
【0023】各電極配置用溝部分11および電極引き出
し用溝部分12は、電極ガラス基板4の合わせ面4aに
キャビティ基板3の合わせ面3aを重ね合わせることに
より、キャビティ基板後端面3bの位置に形成された外
部連通口部分13を除き密閉状態となっている。また、
この外部連通口部分13も封止用の接着剤17によって
封鎖されており、これにより、各振動板部分10と各個
別電極14の隙間部分は密閉空間とされている(気密封
止状態とされている)。
【0024】ここで、電極引き出し用溝部分12の外部
連通口部分13の気密封止構造について説明する。キャ
ビティ基板3におけるガラス基板4との合わせ面3aに
は、封止剤注入溝21がエッチングにより形成されてい
る。この封止剤注入溝21は、電極引き出し用溝部分1
2の外部連通口部分13よりも内側の位置において、各
電極引き出し用溝部分12に対して直交する方向に延
び、各溝部分12に連通している。図1および図3から
分かるように、この封止剤注入溝21の両端21L、2
1Rは、両側に位置している電極引き出し用溝部分より
も更に外側に延びている。
【0025】キャビティ基板3に接合されている電極ガ
ラス基板4には、その両端部分に、それぞれ、当該基板
4を厚さ方向に貫通している封止剤注入孔22および封
止剤排出孔23が形成されている。封止剤注入孔22
は、電極ガラス基板4の裏面4eの側に露出している大
径の外部連通口22aと、封止剤注入溝21の一端21
Rに連通している小径の連通口22bとを備えている。
同様に、封止剤排出孔23は、電極ガラス基板4の裏面
4eの側に露出している大径の外部連通口23aと、封
止剤注入溝21の一端21Lに連通している小径の連通
口23bとを備えている。
【0026】封止用の接着剤17は次のように充填され
る。まず、キャビティ基板3と電極ガラス基板4を例え
ば陽極接合により接合した後に、電極ガラス基板4に形
成した封止剤注入孔22の外部連通口22aからディス
ペンサにより接着剤17を圧入する。封止剤注入孔22
に注入された接着剤17は、封止剤注入溝21内を他端
側の封止剤排出孔23に向けて流れる。
【0027】封止剤注入溝21は細い電極引き出し用溝
部分12に連通しているので、毛細管力によって、接着
剤17は各溝部分12内に浸透して、それらの中に充填
される。接着剤17の流れが封止剤注入溝21の他端2
1Lに達して、そこに連通している封止剤排出孔23に
入り込むまで接着剤17の注入を行なう。
【0028】封止剤排出孔23の側では、接着剤吸引動
作を行い、封止剤注入溝21内の接着剤を吸引して除去
する。封止剤注入溝21に接着剤が残留していると、当
該接着剤と、シリコン製のキャビティ基板3および電極
ガラス基板4とは熱膨張率が異なっているので、熱履歴
によって、基板に割れが発生するおそれがある。従っ
て、封止剤注入溝21から接着剤を除去することは、こ
のような弊害を回避するために望ましいことである。
【0029】また、毛細管力によって各溝部分12内に
入り込む接着剤17は微量であるので、封止剤注入孔2
2からの接着剤圧入動作と、封止剤排出孔23からの接
着剤排出動作とを平行して行うことも可能である。この
ようにすれば、各溝部分12に対する接着剤17の充填
作業のサイクルタイムを短縮できるので好ましい。
【0030】ここで、図4を参照して、本例の電極引き
出し用溝部分12の構造について詳細に説明する。図4
は、電極ガラス基板4の合わせ面4aにおける端部分を
拡大して示す部分拡大平面図である。この図に示すよう
に、端部側の隣接する2本の電極引き出し用溝部分12
(1)、12(2)は、共通溝部分31と、この共通溝
部分31(1)の一端側から二股に分岐した分岐溝部分
32(1)および32(2)と、共通溝部分31(1)
の反対側の端から二股に分岐した分岐部分33(1)お
よび33(2)とを備えている。分岐溝部分32
(1)、32(2)は、各電極配置用溝部分11
(1)、11(2)につながっており、他方の分岐溝部
分33(1)、33(2)は外部通気口部分13
(1)、13(2)につながっている。
【0031】図5(a)に示すように、共通溝部分31
(1)には、各個別電極14(1)、14(2)につな
がっている電極配線部分15(1)、15(2)が並列
配置されており、これらの電極配線部分15(1)、1
5(2)はそれぞれ、電極接続部分16(1)、16
(2)につながっている。この共通溝部分31(1)の
溝幅寸法Laは、2本の電極配線部分15(1)、15
(2)の幅寸法L1と、これらの間に必要な幅寸法L3
と、各電極配線部分15(1)、15(2)と溝側面3
1a、31bとの間に必要な幅寸法L2との合計とな
る。これらの寸法は、電極に必要な電気的特性、配線パ
ターニング等の観点から設定されている。これに対し
て、図5(b)に示すように、分岐溝部分32(1)、
32(2)の溝幅寸法Lbは、幅寸法L1と、両側の幅
寸法L2の合計となる。
【0032】ここで、パターニングを行なうために必要
な幅寸法L2は、電極相互間の距離L3に比べて大き
い。よって、幅寸法Laは、2本の分岐溝部分32
(1)、32(2)の幅寸法の合計である2Lbよりも
小さい。共通溝部分31(1)および各分岐溝部分32
(1)、32(2)の溝深さは同一であるので、共通溝
部分31(1)の断面積は、分岐溝部分32(1)、3
2(2)の合計断面積よりも小さい。
【0033】従って、上記のように、接着剤注入溝21
から注入された接着剤が、毛細管力によって、共通溝部
分31(1)内に入り込み、ここを通って、分岐溝部分
32(1)、32(2)に到ると、この分岐部分におい
て溝断面積が大きくなるので、当該分岐部分の近傍にお
いて接着剤の進行が遅くなり止る。
【0034】なお、電極引き出し用溝部分12(2)に
隣接している2本の電極引き出し用溝部分12(3)、
12(4)も同様な構成とされている。また、これらに
隣接する3本の電極引き出し用溝部分12(5)ないし
12(7)では、これら3本の電極引き出し用溝部分が
共通溝部分を構成しており、ここに、3本の電極配線部
分が並列配置されている。残りの電極引き出し用溝部分
12についても、2本あるいは3本毎に共通溝部分が形
成され、これらの端部が2本あるいは3本に分岐して、
各電極配置用溝部分11につながっている。
【0035】このように、本例のインクジェットヘッド
1においては、振動板および個別電極の隙間部分を気密
封止するための接着剤17は、共通溝部分31から分岐
溝部分32に進行すると、溝断面積が増加するので、こ
の分岐部分において毛細管力による進行が遅くなり止
る。よって、接着剤が個別電極14が配置されている電
極配線用溝部分11に侵入することがない。また、分岐
部分を適切な位置に配置することにより、十分な長さの
封止代を確保でき、さらに、接着剤による各封止部分の
長さも一定にすることができる。
【0036】これに加えて、共通溝部分の溝幅は、個別
の分岐溝部分の溝幅の合計よりも狭いので、当該共通溝
部分を形成するために必要なスペース、換言すると、電
極配線部分15のパターニングに必要なスペースを少な
くできる。よって、インクジェットヘッドの小型化、あ
るいは高密度化に有利である。
【0037】(その他の実施の形態)なお、上記の例
は、静電駆動式のインクジェットヘッドに対して本発明
を適用したものである。しかし、本発明は、インクジェ
ットヘッド以外の静電アクチュエータ、例えば、静電駆
動式のセンサに対しても同様に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、対向
電極間(振動板部分と個別電極の間)の隙間部分を気密
封止するための封止剤を充填する溝部分として、複数の
電極が配列された共通溝部分と、この共通溝部分から分
岐した分岐溝部分とを備えたものを採用している。従っ
て、本発明によれば、共通溝部分から分岐溝部分への分
岐部において、溝断面積が増加するので、この部分にお
いて毛細管力による封止剤の進行を遅くし止めることが
できる。よって、この分岐部分の位置を適切に設定する
ことにより、目標とする気密封止部を形成することがで
きる。
【0039】また、共通溝部分の溝幅は、個別の溝部分
の溝幅合計よりも狭くできるので、電極引き出し部分の
所要スペースが少なくて済むので、インクジェットヘッ
ドの小型化、高密度化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した静電駆動式のインクジェット
ヘッドを示す平面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドをII−II線で
切断した部分を示す縦断面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドをIII−III
線で切断した部分を示す横断面図である。
【図4】図1のインクジェットヘッドにおける電極ガラ
ス基板表面に形成されている電極引き出し用溝部分を示
す部分拡大平面図である。
【図5】図4に示す電極引き出し用溝部分における共通
溝部分および分岐溝部分を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 静電駆動式のインクジェットヘッド 2 ノズル基板 3 キャビティ基板 3a 電極ガラス基板との合わせ面 3b キャビティ基板の後端面 4 電極ガラス基板 4a キャビティ基板との合わせ面 4b 電極ガラス基板の後端面 4c 電極ガラス基板の露出面 5 インクノズル 6 共通インク室 7 インクオリフィス 8 インク圧力室 10 振動板部分 11 電極配置用溝部分 12、12(1)、12(2)・・・ 電極引き出し用
溝部分 13 外部通気口部分 14、14(1)、14(2)・・・ 個別電極 15、15(1)、15(2)・・・ 電極配線部分 16、16(1)、16(2)・・・ 電極接続部分 31、31(1)31(2)・・・ 共通溝部分 32、32(1),32(2)・・・ 分岐溝部分 17 封止用の接着剤 21 接着剤注入溝 21L、21R 封止剤注入溝の端部 22 封止剤注入孔 23 封止剤排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 洋 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF35 AF99 AG54 AG91 BA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と、この第1の基板に重ね合
    わされた第2の基板と、前記第1の基板に形成された第
    1の電極として機能する複数の振動板部分と、前記第2
    の基板における各振動板部分に対峙している表面部分に
    形成された電極配置用溝部分と、この電極配置用溝部分
    に連続して前記第2の基板の表面部分に形成された電極
    引き出し用溝部分と、この電極引き出し用溝部分におけ
    る前記第1および第2の基板の合わせ面部分から外部に
    連通している外部連通口と、各電極配置用溝部分の底面
    に形成された第2の電極と、この第2の電極に連続して
    前記電極引き出し用溝部分の底面に形成された電極配線
    部分と、この電極配線部分に連続して前記外部連通口か
    ら外部に引き出されている電極接続部分と、前記電極引
    き出し用溝部分に充填した封止剤とを有し、 少なくとも隣接する2本の前記電極引き出し用溝部分
    は、少なくともそれらの一部分が共通溝部分として形成
    されており、当該共通溝部分の底面には、隣接する2本
    の前記電極配線部分におけるそれらの一部分が並列配置
    されていることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記電極引き出し用溝部分は、前記共通溝部分と、この
    共通溝部分から分岐して各電極配置用溝部分につながっ
    ている分岐溝部分とを備えており、 前記共通溝部分の断面積は、前記分岐溝部分の断面積の
    合計よりも小さいことを特徴とする静電アクチュエー
    タ。
  3. 【請求項3】 第1の基板と、この第1の基板に重ね合
    わされた第2の基板と、前記第1の基板に形成された第
    1の電極として機能する複数の振動板部分と、前記第2
    の基板における各振動板部分に対峙している表面部分に
    形成された電極配置用溝部分と、この電極配置用溝部分
    に連続して前記第2の基板の表面部分に形成された電極
    引き出し用溝部分と、この電極引き出し用溝部分におけ
    る前記第1および第2の基板の合わせ面部分から外部に
    連通している外部連通口と、各電極配置用溝部分の底面
    に形成された第2の電極と、この第2の電極に連続して
    前記電極引き出し用溝部分の底面に形成された電極引き
    出し用配線部分と、この電極引き出し用配線部分に連続
    して前記外部連通口から外部に引き出されている電極接
    続部分と、前記電極引き出し用溝部分に充填した封止剤
    と、前記の各振動板部分の振動により容積変化する複数
    のインク圧力室と、各インク圧力室に連通している複数
    のインクノズルとを有し、 少なくとも隣接する2本の前記電極引き出し用溝部分
    は、少なくともそれらの一部分が共通溝部分として形成
    されており、当該共通溝部分の底面には、隣接する2本
    の前記電極配線部分におけるそれらの一部分が並列配置
    されていることを特徴とする静電駆動式インクジェット
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記電極引き出し用溝部分は、前記共通溝部分と、この
    共通溝部分から分岐して各電極配置用溝部分につながっ
    ている分岐溝部分とを備えており、 前記共通溝部分の断面積は、前記分岐溝部分の断面積の
    合計よりも小さいことを特徴とする静電駆動式インクジ
    ェットヘッド。
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