JP2001179974A - 静電アクチュエータ、その製造方法及びインクジェットヘッド - Google Patents

静電アクチュエータ、その製造方法及びインクジェットヘッド

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JP2001179974A
JP2001179974A JP37530199A JP37530199A JP2001179974A JP 2001179974 A JP2001179974 A JP 2001179974A JP 37530199 A JP37530199 A JP 37530199A JP 37530199 A JP37530199 A JP 37530199A JP 2001179974 A JP2001179974 A JP 2001179974A
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groove
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sealing
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Hiroshi Komatsu
洋 小松
Takeshi Miyashita
剛 宮下
Shigemitsu Komatsu
茂光 小松
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電駆動式のインクジェットヘッドにおける
振動板部分と対向電極の隙間を封止している封止機構を
コンパクトに構成すること。 【解決手段】 静電駆動式のインクジェットヘッド21
において、対向電極32が底面に形成されている溝31
の外部連通口部分31bは封止用接着剤33によって封
止されている。接着剤33は、電極ガラス基板24に開
けた封止剤注入孔42から封止剤注入溝41を通って封
止剤排出孔43から排出され、封止剤注入溝41を流れ
る間に、そこに連通している細い各溝31に毛細管力に
よって浸透して充填される。溝31の外部連通口部分3
1bに対して外側から接着剤を塗布していた従来の方法
とは異なり、接着剤の塗布代等が不要となるので、当該
封止機構をコンパクト化でき、その分、インクジェット
ヘッド21の寸法を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド等の駆動機構として用いられている静電アクチュエ
ータおよびその製造方法、並びに、静電アクチュエータ
をインク吐出用の駆動機構として用いている静電駆動式
のインクジェットヘッドおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】更に詳しくは、本発明は、対向電極間のギ
ャップを気密封止する部分がコンパクトな構造とされて
いると共に封止作業の機械化を図るのに適した構造とさ
れた静電アクチュエータおよびその製造方法、並びに、
静電駆動式のインクジェットヘッドおよびその製造方法
に関するものである。
【0003】
【従来の技術】静電アクチュエータをインク液滴吐出用
の駆動機構として採用している静電駆動式のインクジェ
ットヘッドは、例えば、本出願人により、特開平−09
248909号公報において提案されている。図2は、
この形式の静電駆動式のインクジェットヘッドの平面図
および断面図である。
【0004】図2に示すように、静電駆動式のインクジ
ェットヘッド1は、シリコン製のキャビティ基板3を挟
み、その上下に、シリコン製のノズル基板2および電極
ガラス基板4を積層した構成となっており、その前端面
1aには多数個のインクノズル5が開口している。
【0005】ノズル基板2およびキャビティ基板3の間
には、共通インク室6、インクオリフィス7を介して共
通インク室6に連通しているインク圧力室8、および各
インク圧力室8にそれぞれ連通しているインクノズル5
が区画形成されている。共通インク室6には、インク供
給孔9を介して外部からインクが供給される。各インク
圧力室8の底面部分は面外方向に振動可能な振動板部分
10(共通電極)となっている。
【0006】電極ガラス基板4におけるキャビティ基板
3との合わせ面4aには、各振動板部分10に対向する
位置に細長い一定深さの溝11が形成されている。この
溝11は、キャビティ基板後端面3bの位置まで延びて
いる。電極ガラス基板4の後端部分はキャビティ基板3
の後端面3bよりも後方に突出しており、その露出面4
cは溝11の底面に連続する平面とされている。よっ
て、キャビティ基板後端面3bの位置において溝11の
外部連通口部分11bが露出している。
【0007】この溝11の底面には、振動板部分10に
対向しているITOなどからなる個別電極12が形成さ
れ、この個別電極12は一定の間隔で振動板部分10の
表面に対向している。個別電極12は溝底面および露出
面4cに沿って電極ガラス基板4の後端面4bまで形成
されており、その後端部分が、外部配線接続用の電極端
子部分12aとされている。
【0008】溝11は、電極ガラス基板4の合わせ面4
aにキャビティ基板3の合わせ面3aを重ね合わせるこ
とにより、キャビティ基板後端面3bの位置に形成され
た外部連通口部分11bを除き密閉状態となっている。
また、この外部連通口部分11bも外側から充填された
封止用の接着剤13によって封止され、これにより、振
動板部分10と個別電極12の隙間部分は密閉空間とさ
れている。
【0009】導電性のあるキャビティ基板3と外部に引
き出されている電極端子部分12aとの間に電圧を印加
すると、振動板部分10と電極膜12の間に静電気力が
発生し、振動板部分10が面外方向に変位する。よっ
て、印加する電圧により、振動板部分10を繰り返し振
動させることができ、この結果、インク圧力室8の容積
変化が起こり、インクノズル5からインク液滴が吐出す
る。かかる駆動原理は公知であるので、これ以上の説明
は省略する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、振動板部分1
0と個別電極12の隙間は、上記のように、その外部連
通口部分11bにエポキシ樹脂系等の接着剤13を充填
することにより封止されている。
【0011】しかし、このような封止構造は次のような
解決すべき課題がある。すなわち、従来では、図2に示
すように、キャビティ基板3の後端面3bに沿って、接
着剤13を一定幅で線状に塗布して、各溝11内に接着
剤を毛細管力によって浸透させて溝11を封止してい
る。この方法では、塗布した接着剤13が、ノズル基板
2の後端面2aに接することの無いようにするために、
キャビティ基板3の後端面3bからノズル基板2の後端
面2aまでの間には所定の逃げ代(接着剤乗り上げ代)
L1を設ける必要がある。また、接着剤13がノズル基
板2の後端面2aまで到達してしまうと、ノズル基板2
とキャビティ基板3の接合時に、ノズル基板2の破損あ
るいは接合不良を引き起こすおそれがある。
【0012】更に、電極ガラス基板4におけるキャビテ
ィ基板3の後端面3bからの突出長さとしては、キャビ
ティ基板後端面3bに盛られた接着剤の塗り代L2と、
電極端子部分12aを外部配線に接続するために必要な
接続代L3とが必要である。
【0013】しかしながら、溝11を封止するために実
際に必要とされる接着剤充填部分は、Lとして示してあ
る溝11内に充填されている所定長さの接着剤部分のみ
である。従って、図示の例においては、少なくとも長さ
Laで示す部分は、無駄な長さである。
【0014】この部分は、インクジェットヘッド1のイ
ンク吐出特性等に影響を及ぼす部分ではないので、この
部分を削除あるいは短くできれば、仕様変更を伴うこと
なくインクジェットヘッドの寸法を小さくできる。この
結果、同一寸法の半導体ウエハ1枚当たりのインクジェ
ットヘッドの取り個数を増加させることができ、製造価
格の低減に有効となる。
【0015】次に、従来のような溝の封止構造では、キ
ャビティ基板3の後端面3bに沿って、経時変化の激し
いエポキシ樹脂系の高粘度接着剤を、所定の長さに渡っ
て、定量的に塗布する必要がある。塗布量が適切でない
と、塗布した接着剤がノズル基板2の側に接着してしま
う、外部配線用の電極端子部分12aを覆ってしまう等
の弊害が発生する。このために、接着剤塗布作業を手作
業によらず自動化することが困難である。
【0016】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
静電アクチュエータおよび当該アクチュエータをインク
吐出用の駆動機構として採用している静電駆動式インク
ジェットヘッドにおいて、その振動板部分と対向電極の
隙間を封止する部分をコンパクト化できるようにするこ
とにある。
【0017】また、本発明の課題は、静電アクチュエー
タおよび当該アクチュエータをインク吐出用の駆動機構
として採用している静電駆動式インクジェットヘッドに
おいて、その振動板板部分と対向電極の隙間の封止構造
を、その封止作業を自動化するのに適したものとするこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、第1の基板と、この第1の基板に重ね
合わされた第2の基板と、前記第1の基板に形成されて
いる第1の電極として機能する振動板部分と、前記第2
の基板における前記振動板部分に対向している面に形成
された溝と、この溝の底面に形成された第2の電極と、
前記第1および第2の基板の合わせ面から外部に露出し
ている前記溝の外部連通口部分と、この外部連通口を封
止している封止剤とを有する静電アクチュエータにおい
て、前記第2の基板における前記溝に対応している部分
に形成された封止剤注入孔を有し、この封止剤注入孔の
一端開口は前記溝に連通し、他端開口は当該第2の基板
における合わせ面とは反対側の面に露出しており、当該
封止剤注入孔を介して注入した封止剤が毛細管力により
前記溝内に充填されて硬化することにより、当該溝の前
記外部連通口部分が封止されていることを特徴としてい
る。
【0019】ここで、前記振動板部分、前記溝および前
記第2の電極からなる部分が、前記第1および第2の基
板の合わせ面に沿って複数配列されている場合には、各
溝に連通するように、封止剤注入溝を前記第1の基板に
おける合わせ面に形成しておき、前記封止剤注入孔の一
端開口を当該封止剤注入溝に連通させ、ここから接着剤
を注入して、封止剤注入溝を介して各溝内に封止剤を充
填すればよい。
【0020】また、封止剤の充填効率を高めるために
は、前記第2の基板に封止剤排出孔を形成し、この封止
剤排出孔の一端を前記封止剤注入溝に連通させておくこ
とが望ましい。
【0021】このように構成した本発明の静電アクチュ
エータでは、第2の基板に開けた封止剤注入孔から封止
剤を注入して、溝内に充填している。よって、従来のよ
うに、第1の基板の端面に接着剤を盛り付ける場合とは
異なり、封止のために必要となる溝内の封止剤充填長さ
寸法以外に基板外部に設ける必要のあった封止剤塗布代
が不要となる。よって、その分、静電アクチュエータの
寸法を低減できる。
【0022】また、封止剤を封止剤注入孔に注入すれば
よいので、従来のように基板外部に接着剤を塗布する場
合とは異なり、不要部分への封止剤の流出等について考
慮する必要がないので、封止作業の自動化が容易にな
る。
【0023】ここにおいて、前記の封止剤注入溝に充填
された封止剤は、熱履歴を加えると、母材であるシリコ
ン、ガラスとの線膨張率の差に起因して、静電アクチュ
エータが作り込まれている半導体ウエハに割れが発生す
るおそれがある。このような弊害を回避するためには、
前記封止剤注入孔から封止剤を注入した後に、前記封止
剤注入溝に注入されている封止剤を加圧あるいは吸引す
ることにより、当該封止剤注入溝から排出することが望
ましい。
【0024】また、封止剤注入孔から前記封止剤注入溝
に封止剤を注入する際に、封止剤が周囲に漏れ出ると、
漏れ出た封止剤を除去するための作業が必要となる。こ
の弊害を回避するためには、前記封止剤注入孔に当該封
止剤注入溝に充填するのに必要な量の封止剤を注入し、
当該封止剤注入孔をシールして加圧あるいは当該封止剤
排出孔をシールして吸引することにより封止剤を当該封
止剤注入溝に注入することが望ましい。
【0025】次に、本発明は上記構成の静電アクチュエ
ータをインク吐出用駆動機構として採用している静電駆
動式のインクジェットヘッドにおいて、第1の基板と、
この第1の基板に重ね合わされた第2の基板と、前記第
1の基板に形成されている第1の対向電極として機能す
る振動板部分と、前記第2の基板における前記振動板部
分に対向している面に形成された溝と、この溝の底面に
形成された第2の電極と、前記第1および第2の基板の
合わせ面から外部に露出している前記溝の外部連通口部
分と、この外部連通口を封止している封止剤とを有し、
前記振動板部分の振動により容積変化するインク圧力室
に連通しているインクノズルからインク液滴が吐出され
るようになっており、さらに、前記第2の基板に形成さ
れた封止剤注入孔を有し、この封止剤注入孔の一端開口
は前記溝に連通し、他端開口は外部に連通しており、当
該封止剤注入孔を介して注入した封止剤が毛細管力によ
り前記溝内に充填されて硬化することにより、当該溝の
前記外部連通口部分が封止されていることを特徴として
いる。
【0026】この場合においても、前記振動板部分、前
記溝および前記第2の電極からなる部分が、前記第1お
よび第2の基板の合わせ面に沿って複数配列されてお
り、各溝に連通する封止剤注入溝が前記第1の基板にお
ける合わせ面に形成されており、前記封止剤注入孔の一
端開口は当該封止剤注入溝に連通している構成を採用す
ることができる。
【0027】また、前記第2の基板に形成した封止剤排
出孔を有し、この封止剤排出孔の一端は前記封止剤注入
溝に連通し、他端は外部に開口している構成を採用する
ことができる。
【0028】さらに、前記封止剤注入孔から封止剤を注
入した後に、前記封止剤注入溝に注入されている封止剤
を加圧あるいは吸引することにより、当該封止剤注入溝
から排出することが望ましい。
【0029】また、前記封止剤注入孔に当該封止剤注入
溝に充填するのに必要な量の封止剤を注入し、当該封止
剤注入孔をシールして加圧あるいは当該封止剤排出孔を
シールしてから吸引することにより封止剤を溝内に注入
することが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
適用した静電駆動式のインクジェットヘッドの一例を説
明する。
【0031】図1(a)、(b)および(c)は、本発
明を適用した静電駆動式のインクジェットヘッドの一例
を示す裏面図、b―b線に沿った縦断面図、およびc−
c線に沿った横断面図である。本例のインクジェットヘ
ッド21は、シリコン製のキャビティ基板23を挟み、
その上下に、シリコン製のノズル基板22および電極ガ
ラス基板24を積層した構成となっている。また、その
前端面21aには多数個のインクノズル25が開口して
いる。
【0032】ノズル基板22およびキャビティ基板23
の間には、共通インク室26、インクオリフィス27を
介して共通インク室26に連通しているインク圧力室2
8、および各インク圧力室28にそれぞれ連通している
インクノズル25が区画形成されている。共通インク室
26には、不図示のインク供給孔を介して外部からイン
クが供給される。各インク圧力室28の底面部分は面外
方向に振動可能な振動板部分30となっている。
【0033】電極ガラス基板24におけるキャビティ基
板23との合わせ面24aには、各振動板部分30に対
向する位置に細長い一定深さの溝31が形成されてい
る。この溝31は、キャビティ基板後端面23bの位置
まで延びている。電極ガラス基板24の後端部分はキャ
ビティ基板23の後端面23bよりも後方に突出してお
り、その露出面24cは溝31の底面に連続する平面と
されている。よって、キャビティ基板後端面23bの位
置において溝31の外部連通口部分31bが露出してい
る。
【0034】この溝31の底面には、振動板部分30に
対向しているITOなどからなる個別電極32が形成さ
れ、この個別電極32は一定の間隔で振動板部分30の
表面に対向している。個別電極32は溝底面および露出
面24cに沿って電極ガラス基板2の後端面24bまで
形成されており、その後端部分が、外部配線接続用の電
極端子部分32aとされている。
【0035】溝31は、電極ガラス基板24の合わせ面
24aにキャビティ基板23の合わせ面23aを重ね合
わせることにより、キャビティ基板後端面23bの位置
に形成された外部連通口部分31bを除き密閉状態とな
っている。また、この外部連通口部分31bも封止用の
接着剤33によって封止され、これにより、振動板部分
30と対向電極32の隙間部分は密閉空間とされてい
る。
【0036】ここで、本例における溝31の外部連通口
部分31bの封止構造について詳細に説明する。まず、
キャビティ基板23におけるガラス基板との合わせ面2
3aには封止剤注入溝41がエッチングにより形成され
ている。この封止剤注入溝41は、溝31の外部連通口
部分31bよりも内側の位置において、各溝31に対し
て直交する方向に延び、各溝31に連通している。図1
(a)、(c)から分かるように、この封止剤注入溝4
1の両端41L、41Rは、両側に位置している溝31
L、31Rよりも更に外側に延びている。
【0037】キャビティ基板23に接合されている電極
ガラス基板24には、その両端部分に、それぞれ、当該
基板24を厚さ方向に貫通している封止剤注入孔42お
よび封止剤排出孔43が形成されている。封止剤注入孔
42は、電極ガラス基板24の裏面24dの側に露出し
ている大径の外部連通口42aと、封止剤注入溝41の
一端41Lに連通している小径の連通口42bとを備え
ている。同様に、封止剤排出孔43は、電極ガラス基板
24の裏面24dの側に露出している大径の外部連通口
43aと、封止剤注入溝41の一端41Rに連通してい
る小径の連通口43bとを備えている。
【0038】封止用の接着剤33は次のように充填され
る。まず、キャビティ基板23と電極ガラス基板24を
例えば陽極接合により接合した後に、電極ガラス基板2
4に形成した封止剤注入孔42の外部連通口42aから
ディスペンサにより接着剤33を圧入する。封止剤注入
孔42に注入された接着剤33は、封止剤注入溝41内
を他端側の封止剤排出孔43に向けて流れる。
【0039】封止剤注入溝41は細い溝31に連通して
いるので、毛細管力によって、接着剤33は各溝31内
に浸透して、それらの中に充填される。接着剤33の流
れが封止剤注入溝41の他端41Rに達して、そこに連
通している封止剤排出孔43に入り込むまで接着剤33
の注入を行なう。
【0040】封止剤注入孔42の側でエアによる加圧動
作あるいは、封止剤排出孔43の側で、接着剤吸引動作
を行い、封止剤注入溝41内の接着剤を除去する。封止
剤注入溝41に接着剤が残留していると、当該接着剤
と、シリコン製のキャビティ基板23および電極ガラス
基板24とは熱膨張率が異なっているので、熱履歴によ
って、基板に割れが発生するおそれがある。従って、封
止剤注入溝41から接着剤を除去することは、このよう
な弊害を回避するために望ましいことである。
【0041】また、毛細管力によって各溝31内に入り
込む接着剤33は微量であるので、封止剤注入孔42か
らの接着剤圧入動作と、封止剤排出孔43からの接着剤
排出動作とを平行して行うことも可能である。このよう
にすれば、各溝31に対する接着剤33の充填作業のサ
イクルタイムを短縮できるので好ましい。
【0042】このように構成した本例の静電駆動式のイ
ンクジェットヘッド21においては、各溝31の外部連
通口部分31bが開口しているキャビティ基板後端面2
3bの部分に接着剤を塗布することにより、当該外部連
通口部分31bを封止している従来の封止構造に比べ
て、接着剤の盛り付け(図2のL2)、ノズル基板逃げ
代(図2のL1)が不要となるので、その分、インクジ
ェットヘッド21の長さを短くできる。この結果、同一
寸法の半導体ウエハからのインクジェットヘッドの取り
個数を増加させることができる。よって、インクジェッ
トヘッドの製造コストを低減することができる。
【0043】また、従来のように一定の幅で定量ずつ接
着剤を塗布する場合とは異なり、単に、封止剤注入孔4
2に接着剤を注入するだけでよいので、その作業の機械
化(自動化)も容易に実現可能である。
【0044】ここで、封止用の接着剤の粘度が高い場合
や、封止剤注入工程のサイクルタイム短縮を図るために
は、ディスペンサによる加圧力を大きくして接着剤を注
入する必要がある。しかし、接着剤注入用の加圧力を大
きくすると、封止剤注入孔から接着剤が漏れる(溢れ
る)おそれがある。漏れた接着剤はその周囲に付着して
しまうので、その除去作業を行う必要があるが、このよ
うな接着剤の除去作業は非常に時間が掛る。
【0045】封止剤注入孔から接着剤が漏れないように
するためには、例えば、封止剤注入孔42の内周と密接
するゴム等の弾性材を設けたディスペンサを使用すれば
よい。この場合、封止剤注入孔に封止用接着剤を注入
し、注入の圧力を上げたとしても、弾性材が内周と密接
しているため封止用接着剤は漏れることがない。
【0046】また、同様に、封止剤排出孔43の内周と
密接させる吸引治具や封止材回収治具を用いてもよい。
吸引治具を使用する場合、ディスペンサを封止材注入孔
42から外し、封止材排出孔43に吸引治具を取り付け
て吸引し、接着剤注入溝41、封止剤注入孔42、封止
剤排出孔43の封止用接着剤を排出孔43の周囲に封止
用接着剤を漏らすことなく除去することができる。
【0047】封止材回収治具の場合も同様で、排出孔4
3に密接する治具を取り付けた後、封止材注入孔42か
らエアーを送り込むことにより、接着剤注入溝41、封
止剤注入孔42、封止剤排出孔43の封止用接着剤を排
出孔43の周囲に封止用接着剤を漏らすことなく除去す
ることができる。この場合、エアーを送る封止材注入孔
42側も封止用接着剤が漏れないようにすることは勿論
である。
【0048】(その他の実施の形態)なお、上記の例
は、静電駆動式のインクジェットヘッドに対して本発明
を適用したものである。しかし、本発明は、インクジェ
ットヘッド以外の静電アクチュエータ、例えば、静電駆
動式のセンサに対しても同様に適用することができる。
【0049】また、上記の例では、封止剤注入孔と封止
剤排出孔を備えているが、封止剤注入孔のみを備えた構
成を採用することも可能である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、第1
および第2の基板の間に形成されている溝に連通する封
止剤注入孔を形成し、ここから封止剤を注入して、毛細
管力によって溝内に封止剤を充填することにより、溝を
封止するようにしている。従って、本発明によれば、従
来のように封止剤を塗布する場合に比べて、封止剤塗布
代等が不要となり、アクチュエータ特性に変動を来すこ
となく、その寸法を小さくすることができる。また、封
止剤を封止剤注入孔に注入する作業は、定量ずつ封止剤
を一定幅で塗布する作業に比べて、簡単に機械化(自動
化)できるという利点もある。
【0051】また、本発明では、封止剤注入孔に加え
て、封止剤排出孔を設けているので、封止剤の注入を効
率良く行うことができる。
【0052】更に、本発明では、封止剤注入孔および封
止剤注入溝を介して封止対象の溝内に封止剤を充填した
後は、封止剤注入溝内に残留している封止剤を外部に排
出除去するようにしている。よって、このような残留接
着剤と、第1および第2の基板の熱膨張率の違いに起因
して、基板が破損してしまうことを防止できる。
【0053】更にまた、本発明では、封止剤注入孔内に
封止剤注入溝を充填するのに必要な微量の封止用接着剤
を注入し、シール性の良好な加圧治具によって加圧する
ことで封止剤の注入を行うようにしているので、封止剤
が封止剤注入孔から漏れ出て周囲に付着硬化してしまう
ことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した静電駆動式のインクジェット
ヘッドを示す裏面図、b−b線で切断した部分の縦断面
図、c−c線で切断した部分の横断面図である。
【図2】従来のインクジェットヘッドを示す平面図およ
び縦断面図である。
【符号の説明】
21 静電駆動式のインクジェットヘッド 22 ノズル基板 23 キャビティ基板 23a 電極ガラス基板との合わせ面 23b キャビティ基板の後端面 24 電極ガラス基板 24a キャビティ基板との合わせ面 24b 電極ガラス基板の後端面 24c 電極ガラス基板の露出面 25 インクノズル 26 共通インク室 27 インクオリフィス 28 インク圧力室 30 振動板部分 31 溝 31b 溝の外部連通口部分 32 ITO電極 32a 電極端子部分 33 封止用の接着剤 41 接着剤注入溝 41L、41R 封止剤注入溝の端部 42 封止剤注入孔 43 封止剤排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 茂光 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 佐藤 和彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF34 AF93 AG54 AP02 AP14 AP25 BA05 BA14 BA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と、この第1の基板に重ね合
    わされた第2の基板と、前記第1の基板に形成されてい
    る第1の電極として機能する振動板部分と、前記第2の
    基板における前記振動板部分に対向している面に形成さ
    れた溝と、この溝の底面に形成された第2の電極と、前
    記第1および第2の基板の合わせ面から外部に露出して
    いる前記溝の外部連通口部分と、この外部連通口を封止
    している封止剤とを有する静電アクチュエータにおい
    て、 前記第2の基板に形成された封止剤注入孔を有し、この
    封止剤注入孔の一端開口は前記溝に連通し、他端開口は
    外部に連通しており、 当該封止剤注入孔を介して注入した封止剤が毛細管力に
    より前記溝内に充填されて硬化することにより、当該溝
    の前記外部連通口部分が封止されていることを特徴とす
    る静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記振動板部分、前記溝および前記第2の電極からなる
    部分が、前記第1および第2の基板の合わせ面に沿って
    複数配列されており、 各溝に連通する封止剤注入溝が前記第1の基板における
    合わせ面に形成されており、 前記封止剤注入孔の一端開口は当該封止剤注入溝に連通
    していることを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記第2の基板に形成した封止剤排出孔を有し、 この封止剤排出孔の一端は前記封止剤注入溝に連通し、
    他端は外部に開口していることを特徴とする静電アクチ
    ュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3に記載の静電アクチュ
    エータの製造方法であって、 前記封止剤注入孔から封止剤を注入した後に、前記封止
    剤注入溝に注入されている封止剤を加圧あるいは吸引す
    ることにより、当該封止剤注入溝から排出することを特
    徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3に記載の静電アクチュ
    エータの製造方法であって、 前記封止剤注入孔に封止剤を注入し、当該封止剤注入孔
    をシールして加圧あるいは前記封止剤排出孔をシールし
    て吸引することにより、封止剤注入溝部の封止剤充填及
    び排出することを特徴とする静電アクチュエータの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 第1の基板と、この第1の基板に重ね合
    わされた第2の基板と、前記第1の基板に形成されてい
    る第1の電極として機能する振動板部分と、前記第2の
    基板における前記振動板部分に対向している面に形成さ
    れた溝と、この溝の底面に形成された第2の電極と、前
    記第1および第2の基板の合わせ面から外部に露出して
    いる前記溝の外部連通口部分と、この外部連通口を封止
    している封止剤とを有し、前記振動板部分の振動により
    容積変化するインク圧力室に連通しているインクノズル
    からインク液滴が吐出される静電駆動式インクジェット
    ヘッドにおいて、 前記第2の基板に形成された封止剤注入孔を有し、この
    封止剤注入孔の一端開口は前記溝に連通し、他端開口は
    外部に連通しており、 当該封止剤注入孔を介して注入した封止剤が毛細管力に
    より前記溝内に充填されて硬化することにより、当該溝
    の前記外部連通口部分が封止されていることを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記振動板部分、前記溝および前記第2の電極からなる
    部分が、前記第1および第2の基板の合わせ面に沿って
    複数配列されており、 各溝に連通する封止剤注入溝が前記第1の基板における
    合わせ面に形成されており、 前記封止剤注入孔の一端開口は当該封止剤注入溝に連通
    していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記第2の基板に形成した封止剤排出孔を有し、 この封止剤排出孔の一端は前記封止剤注入溝に連通し、
    他端は外部に開口していることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のインクジェッ
    トヘッドの製造方法であって、 前記封止剤注入孔から封止剤を注入した後に、前記封止
    剤注入溝に注入されている封止剤を加圧あるいは吸引す
    ることにより、当該封止剤注入溝から排出することを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7または8に記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法であって、 前記封止剤注入孔に封止剤を注入し、当該封止剤注入孔
    をシールして加圧あるいは前記封止剤排出孔をシールし
    てから吸引することにより、封止剤注入溝部の封止剤充
    填及び排出することを特徴とするインクジェットヘッド
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534172A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 エージェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ 微小電気機械装置
CN100420575C (zh) * 2004-12-27 2008-09-24 精工爱普生株式会社 静电驱动器、液滴喷头、液滴喷出装置以及静电设备
US7530670B2 (en) 2004-12-27 2009-05-12 Seiko Epson Corporation Electrostatic actuator, droplet discharging head, droplet discharging apparatus, electrostatic device, and method of manufacturing these

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