JPH0731348U - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH0731348U
JPH0731348U JP6326093U JP6326093U JPH0731348U JP H0731348 U JPH0731348 U JP H0731348U JP 6326093 U JP6326093 U JP 6326093U JP 6326093 U JP6326093 U JP 6326093U JP H0731348 U JPH0731348 U JP H0731348U
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grooves
groove
lid
substrate
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計介 木川
正 三ッ橋
三剛 長島
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Citizen Watch Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数の溝103を形成し圧電材料よりなる基
板101に、インク供給手段を備えた蓋120を接合
し、隔壁105を圧電変形させることによってインクを
圧縮してノズル孔132からインク滴を吐出するインク
ジェットヘッドは、蓋120はインク導入パイプ140
と、共通溝124と、溝103の開口部を封止する櫛状
封止部材150とを備え、蓋120はカーボンファイバ
ーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂材料により一体成型
し、熱硬化型接着剤135により基板101に接着す
る。 【効果】 熱硬化性エポキシ樹脂は従来のプラスッチッ
ク材と異なり線膨張係数が低いので、一体成型した蓋を
隔壁上に熱硬化型接着剤でしっかり着けることができる
ので、性能を保持しつつ製造コストの低減ができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はインクジェットヘッドの構成に関し、さらに詳しくはせん断モードを 利用した圧電式インクジェットヘッドの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電材の基板の上面に複数の溝を設け、この基板の上面に蓋が接着し、インク を充填した溝の隔壁の圧電変形を利用してインクを圧縮し、ノズル孔よりインク 滴を印字用紙に吐出して印字を行うインクジェットヘッドが、たとえば特開平4 −30725号公報に記載されている。
【0003】 このようなインクジェットヘッド基板に蓋を接着するには、スクリーン印刷に よる作業能率の向上と、信頼性の上との理由から熱硬化型接着剤を用いることが 望ましい。
【0004】 しかしながら、このためには100℃以上に加熱して接着した後、常温に復帰 させることとなる。このため、従来は接着後の反りを防止するために、基板の材 料である圧電材に比べて線膨張係数の差の少ない材料が蓋の材料として選択され ている。
【0005】 基板の圧電材はPZTなどの圧電セラミックスを使用しており、この圧電セラ ミックスの線膨張係数は2.9×10ー6/℃程度であり、蓋の材料はこれに近い 線膨張係数を有するものとしてガラス、セラミックス、42Ni板などが用いら れてきた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
これらに代えて、蓋の材料としてプラスチック材を使用することができれば、 複雑な形状に一体成型することができる。このため、蓋に外部からのインク取り 込み手段や、複数の溝へのインク供給手段や、この複数の溝の封止手段などを設 ける上で有利である。
【0007】 しかしながら、プラスチック材の線膨張係数は従来、たとえばポリサルホン樹 脂の線膨張係数が56×10ー6/℃であるように圧電材の線膨張係数、たとえば PZTの場合は2.9×10ー6/℃に比較して格段に高い。このため、図23に 示すようにプラスチック材よりなる蓋2を、圧電材よりなる基板1の溝の隔壁3 の上に、熱硬化型接着剤4により接着すると隔壁3は加熱接着後常温に戻すと、 線膨張係数の差により、蓋2の収縮する方向に倒れる。
【0008】 これによって生ずる過大な初期応力のため、反りが発生したり、隔壁3の圧電 変形を阻害し、インクの吐出不良を起こす。
【0009】 このため、従来はプラスチック材料よりなる蓋を圧電材よりなる基板に熱硬化 型接着剤により接着し、正常に動作するインクジェットヘッドを組み立てること ができず、インクジェットヘッドの製造コストの低減が阻害されるという課題が ある。
【0010】 この課題を解決するため、本考案の目的は、複数の溝を有する圧電材の基板の 上にプラスチック材料により成型された蓋が接着され、しかも動作の確実なイン クジェットヘッドを、低い製造コストにおいて実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案のインクジェットヘッドは、下記記載の構 成を採用する。
【0012】 本考案のインクジェットヘッドにおいては、複数の溝を有する圧電材料よりな る基板に、溝の全数または一部にインクを供給するインク供給手段を有する蓋を 接着し、溝間の隔壁を圧電変形することによって溝に供給されたインクを圧縮し て、溝の端部に設けるノズル孔よりインク滴を吐出し印字を行うインクジェット ヘッドは、蓋をカーボンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂により構成 し、熱硬化型接着剤により基板に蓋を接着する。
【0013】
【作用】
蓋はカーボンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂により成型され、外 部からのインク取り込み手段と、複数の溝へのインク供給手段や、複数の溝の封 止手段などを一体として備えることができる。さらに、従来のプラスチック材に 比較して線膨張係数が大幅に低下し、圧電材料よりなる基板の線膨張係数に近づ くので、熱硬化型接着剤により、前述のような隔壁の接着不良などを起こすこと ない。
【0014】 このため、蓋と基板を接着し、正常に動作するインクジェットヘッドを実現す ることができる。
【0015】
【実施例】
以下図面を用いて本考案の実施例におけるインクジェットヘッドの構成を説明 する。
【0016】
【実施例1】 本考案の第1の実施例を図面を参照して説明する。図1と図2は本発明の第1 の実施例におけるインクジェットヘッドの構成を示す斜視図である。図1はイン クジェットヘッドの全体構造を示す斜視図であり、図2はインクジェットヘッド の蓋を下面から見た構造を示す斜視図である。
【0017】 図1に示すように、基板101に蓋120を熱硬化型接着剤135により接着 する。基板101の一方の端部にはノズル孔132を有するノズル板130をさ らに接着する。
【0018】 基板101のPZTなどの圧電セラミックスの板の上に等間隔で、平行に複数 の溝103と隔壁105とを形成している。基板101は段部110を有してい る。
【0019】 図4は、ノズル板を取付ける面と反対側の基板101の端面を示す断面図であ る。図4に示すように、溝103の内面に形成した駆動電極108と段部110 の浅い溝の内面とに形成した端子電極115は、お互いに導通するように形成す る。さらに図5に示すように、端子電極115に異方性導電膜160を介してフ イルム状のプリント配線基板165の外部電極167を圧接し、端子電極115 と外部電極とを導通する。
【0020】 図2は蓋120をその下面120bから見た斜視図である。蓋120は、図1 と図2とに示すように、インク導入パイプ140と、蓋120の下面120bに 設ける櫛状封止部材150と、インク導入パイプ140と連通し複数の溝103 にインクを供給する共通溝124とを備え、これらが一体としてカーボンファイ バーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂材により成型される。
【0021】 蓋120の下面120bで隔壁105と接着する部分と、櫛状封止部材150 とのそれぞれに、スクリーン印刷法や浸漬法などによって熱硬化型接着剤を形成 する。その後、櫛状封止部材150を基板101の溝103にさし込むようにし て、治具を用いて、蓋120を基板101に圧接して100℃〜130℃の温度 に加熱して、基板101と蓋120とを接着する。
【0022】 つぎに、溝103を形成した基板101と蓋120との端面を研摩加工する。 その後、この端面にノズル板130を、熱硬化型接着剤を用いて接着する。基板 101に対するノズル板130の接着は、加圧方向の互いに直交する2個の加圧 治具の加圧力を適切に選択することにより、基板101に対する蓋120の接着 と同時に行うこともできる。
【0023】 ノズル板130の材料は特に限定しないが、プラスチック材を用い、所定の孔 径のノズル孔132を備えた状態で成型できれば有利である。
【0024】 図3は、図1に示す本発明の実施例のインクジェットヘッドを溝103に沿っ て垂直に切断した状態を示す断面図である。
【0025】 図3に示すように、インク導入パイプ140から共通溝124を経て溝103 に供給されるインク117は、櫛状封止部材150により溝103の後部の開口 部を塞がれているので、インク117の外部への流出が阻止される。つぎに本発 明の実施例の作用につき説明する。
【0026】 図6と図7と図8は、図3のC−C線における断面を示し、溝103に垂直な 断面を示す断面図である。図中の矢印は圧電材料の分極方向を示す。図6は隔壁 の動作を示し初期状態を示す断面図であり、図7は隔壁の動作を示しインク吸引 状態を示す断面図であり、図8は隔壁の動作を示しインク圧縮状態を示す断面図 である。
【0027】 本発明の実施例における基板101に熱硬化型接着剤135を用いて接合する 蓋120は、前述のようにカーボンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂 により成型する。熱硬化性エポキシ樹脂の線膨張係数は10.6×10ー6/℃程 度であり、PZTの線膨張係数2.9×10ー6/℃との差は7.7×10ー6/℃ となる。
【0028】 一方、従来のプラスチック材料の線膨張係数はすでに述べたように56×10 ー6 /℃程度であり、PZTの線膨張係数との差は53.1×10ー6/℃となって いる。
【0029】 したがって、本発明の実施例における蓋120と基板101との線膨張係数の 差は、従来のプラスッチック材料の蓋を用いた場合の14.5%に減少する。し たがって、線膨張係数の差に起因する接着後の隔壁105の倒れの量は、減少さ せることができる。
【0030】 この結果、隔壁105の倒れによる前述のインクの吐出不良や、隔壁の接着不 良や、導通不良は実質的に起こらなくなり、インクジェットヘッドは下記のよう に正常な印字動作を行うことができる。
【0031】 図6に示すように、基板101は溝103の中央から下の部分が下部基板部材 101b、上の部分が上部基板部材101cとなっている。
【0032】 ここで下部基板部材101bは図中上向きに分極され、上部基板部材101c は下向きに分極されている。溝103には前述のようにしてインクが充填されて いる。
【0033】 図7に示すように、注目する溝103の内壁の駆動電極108とその両隣の溝 103L、103Rのそれぞれの内壁の駆動電極108L,108Rとの間に駆 動電極108のほうが高電位となるように、駆動電圧170を加える。このこと により溝103の両側の隔壁に、図7に示すような斜め方向の電界が作用する。
【0034】 ここで圧電材料の性質から溝103の両側の隔壁は、外側に向けて変形して溝 103の容積を拡大する。
【0035】 さらに図8に示すように、駆動電圧170を図7と逆向きに加えることにより 溝103の容積は減少する。この図7、図8に示す手段を用いて、溝103の容 積を急激に減少させることにより、ノズル孔132からインク滴を吐出し、印字 を行うことができる。
【0036】 以上説明した本発明の実施例によれば、インクジェットヘッドを構成する要素 のうち複数の要素を一体として型により成型できる。このため、部品製作と組立 が容易となり、従来よりも低い製造コストにおいて、正常に印字動作を行うイン クジェットヘッドを実現することができる。
【0037】
【実施例2】 本考案の第2の実施例につき図面を参照して説明する。図9は本発明の実施例 のインクジェットヘッドの構造を示す斜視図である。
【0038】 図9に示すように、基板101に蓋220を熱硬化型接着剤135により接着 する。基板101の端部にはノズル孔232を有するノズル板230をさらに接 着する。
【0039】 ノズル孔232は、第1の実施例の場合と異なり、すべての溝に対応しては形 成していない。すなわちノズル孔232は、後述するダミー溝である溝に対して は設けられてはなく、インクを充填し、インクを吐出する溝に対してのみ、ノズ ル孔232を設けている。
【0040】 基板101の構造は、溝103の数が増加しかつ奇数個となった点を除き、第 1の実施例と同じである。
【0041】 蓋220の下面から見た状態を図10の斜視図に示す。図9と図10に示すよ うに、蓋220はインク導入パイプ140と、蓋220の下面に設けた第1の櫛 状封止部材250と、第2の櫛状封止部材255と、インク導入パイプ140と 連通し複数の溝103にインクを供給する共通溝124と、蓋220を上面から 下面に貫通する複数の通気孔260とを備え、これらが一体としてカーボンファ イバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂材料により成型する。
【0042】 第1の櫛状封止部材250は基板101の端から奇数番目の溝103cに挿入 されるように設けられ、第2の封止部材255は奇数番目の溝103cと偶数番 目の溝103dよりなるすべての溝に挿入するよう設ける。
【0043】 また複数の通気孔260は、奇数番目の溝103cに連通するように設けてい る。
【0044】 蓋220の下面で隔壁105と接着される部分と、第1の櫛状封止部材250 と、第2の櫛状封止部材255とに、第1の実施例と同様にして熱硬化型接着剤 を形成する。その後、第1の櫛状封止部材250を、基板101の奇数番目の溝 103cに挿入し、第2の櫛状封止部材255をすべての溝103に挿入するよ うにして、第1の実施例と同様にして、基板101と蓋220とを接着する。ノ ズル板230も第1の実施例と同様にして、基板101と蓋220との端面に接 着する。
【0045】 図11は、本発明の第2の実施例におけるインクジェットヘッドの偶数番目の 溝103dに沿った垂直断面を示す断面図である。この図11に示すように、イ ンク導入パイプ140から導入されたインク117は、蓋220に形成した共通 溝124を介し流入し、偶数番目の溝103dはインクを充填する溝となる。
【0046】 この第2の櫛状封止部材255は、すべての溝103の後方の開口部を塞ぎ、 外部へのインクの流出を阻止する。図12は奇数番目の溝103cに沿った垂直 断面を示す断面図である。図12に示すように、第1の櫛状封止部材250に阻 止されてインクは流入せず、蓋220に形成した通気孔260から空気が入り込 んで、ダミー溝である溝となっている。
【0047】 つぎに本考案の第2の実施例の作用を説明する。図13と図14は、図12の D−D線における断面を示し、溝103に垂直な断面を示す。図13は隔壁の動 作を示し初期状態を示す断面図であり、図14は隔壁の動作を示しインク圧縮状 態を示す断面図である。
【0048】 本発明の第2の実施例も、第1の実施例と同様にカーボンファイバーを混入し た熱硬化性エポキシ樹脂によって蓋220を構成している。このため、接着後の 隔壁105の倒れの量も少なく、インクジェットヘッドは下記ごとくして正常な 印字動作を行うことができる。
【0049】 図14に示すように、インクを充填する溝103dの内壁の駆動電極108d と、その駆動電極108dの両側のダミー溝である溝103cの内壁の駆動電極 108cとの間に、ダミー溝である溝の駆動電極108cが高電位となるように 駆動電圧170を印加する。すると、インクを充填する溝103dの両側の隔壁 105は内側に向けて変形し、インクを充填する溝103dの容積を縮小する。
【0050】 この動作を急速に行うことにより、ノズル孔232からインク滴を吐出し印字 を行うことができる。
【0051】 つぎに図13に示すように、駆動電圧を除去し放電スイッチ270を閉じ、非 駆動状態とし、インクを充填する溝103dの両側の隔壁105をもとの状態に 復帰させて、つぎの印字ができるようにする。
【0052】 この復帰を急速にするとオーバーシュートにより、隔壁が外方に変形し隣接す る溝の体積を縮小する。このため、第1の実施例のようにインクを充填する溝同 士が隣合っている場合には、隣接する溝のノズルから不測のインク滴が飛び出す 現象、すなわちクロストークを生ずる。第1の実施例の図7のように、印字のと きと逆方向に駆動電圧を加えて隔壁を外方に変形する場合も、この変形を急速に 行えばクロストークを生ずる。
【0053】 この場合、クロストークを防止するには放電回路の抵抗Rを選択して復帰の時 間をある程度確保する必要があり、印字速度を上げるのに限界がある。
【0054】 しかし本発明の第2の実施例の場合は、インクを充填した溝同士が直接隣合わ せになることがない。このため、印字の後、隔壁を急速に復帰させてオーバーシ ュートにより隔壁がインクを充填する溝の外方に変形して隣接するダミー溝であ る溝の容積が変化しても、ダミー溝である溝の反対側の隔壁は変形しない。した がって、ダミー溝である溝の反対側に隣接する他のインクを充填する溝の容積は 変わらず、クロストークを生ずることはない。
【0055】 したがって本発明の第2の実施例のインクジェットヘッドは、第1の実施例の ものより高速の印字ができるとともに、第1の実施例のものと同様の長所を有す る。
【0056】
【実施例3】 本考案の第3の実施例につき図面を参照して説明する。図15は本発明の実施 例におけるインクジェットヘッドの構成を示斜視図である。
【0057】 蓋320は、共通のインク溜380と、共通のインク溜め380と基板101 のインクを充填する溝103dとを連通する複数のインク供給孔330と、下面 に設けるインクを充填する溝103dの開口部を封止をする櫛状封止部材350 とを設ける。そして蓋320は、カーボンファイバーを混入した熱硬化性エポキ シ樹脂材により一体として成型で形成する。さらに第2の実施例と同様な構成の 基板101に対して、蓋320を熱硬化型接着剤135により接着する。
【0058】 図16は蓋320を下面から見た斜視図である。図16に示すように、櫛状封 止部材350は蓋320の下面320bから突出しており、インク供給孔330 の出口に接するようにして設けられる。
【0059】 基板101のインクを充填する溝103dに櫛状封止部材350を挿入するよ うにして、蓋320の接着を行う。
【0060】 蓋320の上面にはインク導入孔311を有する上板312を接着する。さら にノズル孔232を有するノズル板230を、基板101と蓋320との端面に 接着する。
【0061】 図17は本発明の第3の実施例のインクジェットヘッドのインクを充填する溝 103dに沿った垂直断面を示す断面図である。
【0062】 インク導入孔311からインク溜め380に導入されたインクは、インク供給 孔330を介してインクを充填する溝103dに流入する。
【0063】 インクを充填する溝103dは、櫛状封止部材350によって、インク供給孔 330の外周部330aに接した位置で封止する。これによりインクを充填する 溝103dの後端部における気泡溜まりをなくすことができる。
【0064】 図18は、インクを充填しないダミー溝である溝103cに沿った垂直断面を 示す断面図である。ダミー溝である溝103cには、インク溜め380からの通 孔は連通していないのでインクは供給されない。またさらに溝103dの開口端 103c1はなんら封止されることなく、ダミー溝である溝103cは大気と連 通している。
【0065】 本考案の第3の実施例のインクジェットヘッドは、第2の実施例と全く同様に して高速で正常な印字動作を行うことがきる。部品点数は上板320が1点増え るが、前述のように気泡溜まりをなくすことにより気泡の発生を防ぎ、印字動作 の信頼性をさらに向上することができる。
【0066】 これまで述べてきた実施例においては、いずれも櫛状封止部材を蓋と一体で成 型するものに限られていたが、本考案はこれに限らない。すなわち、蓋には封止 部材を設けることなく、たとえば図19、図20に示すような、独立した封止部 材410の櫛歯415、あるいは独立した他の封止部材420の櫛歯425を基 板に蓋を接着した後に、封止すべき溝の開口部に挿入して行うなど別途封止を行 ってもよい。
【0067】 またさらに本考案のインクジェットヘッドは、図5または図13に示すような 隔壁105が2層である場合に限らず、図21、図22に示すような1層構造の 場合も同様の効果を有する。
【0068】 図21は、隔壁が1層構造の場合の溝に垂直な断面を示す断面図である。隔壁 105は矢印の方向に分極されている。熱硬化型接着剤135でカーボンファイ バーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂材よりなる蓋220を隔壁105の上に接 着しても、接着後の隔壁105の倒れは僅かであり、以下のようにして正常な印 字印字動作を行うことができる。
【0069】 図22に示すように、インクを充填する溝103dの駆動電極108dと、隣 合うダミー溝である溝103cの駆動電極108cとの間に、駆動電極108c が高電位となるように駆動電圧170を印加する。すると、インクを充填する溝 103dの両側の隔壁105は内方に変形して、インクを充填する溝103dの 容積を縮小し、ノズル孔232からインク滴を吐出する。以下、第2の実施例と 同様にして、高速印字を正常に行うことができる。
【0070】 以上の実施例においてはカーボンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂 材よりなる蓋を熱硬化型接着剤により基板に接着してなる構造に限定して述べて きたが、本考案はこれらに限られるものではない。すなわち、第1、第2、ある いは第3の実施例に示すようなインク供給手段や、封止手段や、通気手段などを 通常のプラスチック材料などで一体成型し、常温で硬化する接着材を用いて接着 してなる構造においても、 本考案の目的である製造コストの低減が図れるもので あり、本考案の範疇に属するものである。
【0071】
【考案の効果】
以上の説明であきらかな本考案によれば、複数の溝を備えた圧電材よりなる基 板の上にインク供給手段を備えた蓋を接合し、圧電変形により溝間の隔壁を変形 し、インクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、正常な印字動作を維持し つつ、製造コストを従来よりも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの全体構造を示す斜視図である。
【図2】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの蓋を下面から見た構造を示す斜視図である。
【図3】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を示す断面図である。
【図4】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの基板の電極構造を示す側面図である。
【図5】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの端子電極と外部電極との接続構造を示す側面図
である。
【図6】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの溝の隔壁の動作を示し初期状態を示す断面図で
ある。
【図7】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの溝の隔壁の動作を示しインク吸引状態を示す断
面図である。
【図8】本考案の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの溝の隔壁の動作を示しインク圧縮状態を示す断
面図である。
【図9】本考案の第2の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を示す斜視図である。
【図10】本考案の第2の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの蓋を下面から見た構造を示す斜視図である。
【図11】本考案の第2の実施例におけるインクジェッ
トヘッドのインクを充填する溝に沿った垂直断面構造を
示す断面図である。
【図12】本考案の第2の実施例におけるインクジェッ
トヘッドのダミー溝である溝に沿った垂直断面構造を示
す断面図である。
【図13】本考案の第2の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの溝の隔壁の動作を示し初期状態を示す断面図
である。
【図14】本考案の第2の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの溝の隔壁の動作を示しインク圧縮状態を示す
断面図である。
【図15】本考案の第3の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの全体構造を示す斜視図である。
【図16】本考案の第3の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの蓋を下面から見た構造を示す斜視図である。
【図17】本考案の第3の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの構造を示しインクを充填する溝に沿った垂直
断面を示す断面図である。
【図18】本考案の第3の実施例におけるインクジェッ
トヘッドの構造を示しはダミー溝である溝に沿った垂直
断面を示す断面図である。
【図19】本考案の他の実施例における蓋とは独立した
封止部材を示す斜視図である。
【図20】本考案の他の実施例における蓋とは独立した
封止部材を示す斜視図である。
【図21】本考案のその他の実施例におけるインクジェ
ットヘッドの隔壁の動作を示し初期状態を示す断面図で
ある。
【図22】本考案のその他の実施例におけるインクジェ
ットヘッドの隔壁の動作を示しインク圧縮状態を示す断
面図である。
【図23】従来のインクジェットヘッドにおいて、隔壁
上に熱硬化型接着材によりプラスッチク材の蓋を接着し
たときの隔壁の倒れを示す断面図である。
【符号の説明】
101 基板 103 溝 108 駆動電極 120 蓋 124 共通溝 130 ノズル板 132 ノズル孔 135 熱硬化型接着剤 140 インク導入パイプ 150 櫛状封止部材

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の溝を有する圧電材料よりなる基板
    に、溝の全数または一部にインクを供給するインク供給
    手段を有する蓋を接着し、溝間の隔壁を圧電変形するこ
    とにより溝に供給されたインクを圧縮して、溝の端部に
    設けるノズル孔よりインク滴を吐出し印字を行うインク
    ジェットヘッドは、蓋をカーボンファイバーを混入した
    熱硬化性エポキシ樹脂により構成し、熱硬化型接着剤に
    より基板に蓋を接着することを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  2. 【請求項2】 蓋は、外部からインクを取り込むインク
    導入パイプと、基板に形成した複数の溝にインクを供給
    する共通溝と、基板の複数の溝の開口部を封止する櫛状
    封止部材とを備え、蓋はカーボンファイバーを混入した
    熱硬化性エポキシ樹脂により一体成型することを特徴と
    する請求項1に記載するインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 蓋は、外部よりインクを取り込むインク
    導入パイプと、基板に形成した複数の溝にインクを供給
    する共通溝と、基板の複数の溝の開口部を封止する第1
    の櫛状封止部材と、複数の溝のうちのダミー溝となる溝
    と共通溝の連通を阻止する第2の櫛状封止部材と、ダミ
    ー溝である溝と大気を連通する通気孔とを備え、カーボ
    ンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂により一
    体成型することを特徴とする請求項1に記載するインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 蓋は、共通のインク溜めと、インク溜め
    に連通しインクを吐出するインクを充填する溝に個別に
    インクを供給する複数のインク供給孔と、インクを充填
    する溝の開口部を封止する櫛状封止部材とを備え、カー
    ボンファイバーを混入した熱硬化性エポキシ樹脂により
    一体成型し、インク溜めは蓋の上面に接合される別体の
    上板に設けるインク導入孔により外部よりインクを供給
    することを特徴とする請求項1に記載するインクジェッ
    トヘッド。
  5. 【請求項5】 複数の溝を有する圧電材料よりなる基板
    に、溝の全数または一部にインクを供給するインク供給
    手段を有する蓋を接着し、溝間の隔壁を圧電変形するこ
    とによって溝に供給されたインクを圧縮して、溝の端部
    に設けるノズル孔よりインク滴を吐出し印字を行うイン
    クジェットヘッドは、蓋は外部からインクを取り込むイ
    ンク導入パイプと、基板の複数の溝にインクを供給する
    共通溝と、基板の複数の溝の開口部を封止する櫛状封止
    部材とを備え、蓋はプラスチック材により一体成型する
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 複数の溝を有する圧電材料よりなる基板
    に、溝の全数または一部にインクをインク供給手段を有
    する蓋を接着し、溝間の隔壁を圧電変形することにより
    溝に供給されたインクを圧縮して、溝の端部に設けるノ
    ズル孔よりインク滴を吐出し印字を行うインクジェット
    ヘッドは、蓋は外部よりインクを取り込むインク導入パ
    イプと、基板の複数の溝にインクを供給する共通溝と、
    基板の複数の溝の開口部を封止する第1の櫛状封止部材
    と、複数の溝のうちのダミー溝となる溝と共通溝の連通
    を阻止する第2の櫛状封止部材と、ダミー溝である溝と
    大気を連通する通気孔とを備え、プラスチック材により
    一体成型することを特徴とするインクジェットヘッド。
JP6326093U 1993-11-25 1993-11-25 インクジェットヘッド Pending JPH0731348U (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015024628A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 エスアイアイ・プリンテック株式会社 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

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