JP2004314396A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルの目詰まり、インク吐出不良などの起きない、応答性と印字品質に優れたインクジェットヘッドを提案すること。
【解決手段】インクジェットヘッドの共通インク室6から複数の個別インク室5にインクを供給するインク供給口部9の共通インク室6側に、深さの浅い共通インク室16を設け、この深さの浅い共通インク室16は単一流路部70、74と、この単一流路部分の途中位置に形成された複数の柱状突起77からなる分流路部分とを備え、各分流路の矩形断面の対角線長さはインクノズル8のノズル径よりも小さい寸法としてある。インクノズルに目詰まりを起こす惧れのある大きさの異物は各分流路で捕捉される。インク供給口部9の単一流路部分70と柱状突起76の形成された分流路部分では音響抵抗およびイナータンスが異なるので、インクジェットヘッドの応答性および印字品質が共に改善される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク液滴を記録媒体上に吐出して印刷を行うインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットヘッドとしては、インクを貯留しているインク室の容積変動により、インク室に連通しているインクノズルからインク液滴を吐出させる形式のものが知られている。この形式のインクジェットヘッドには圧電式および静電駆動式のものがある。圧電式のインクジェットヘッドでは、振動板と圧電素子からなる振動系を備え、静電駆動式のものでは対向電極間に発生する静電気力により振動する振動板からなる振動系を備えている。
【0003】
このような振動系を備えたインクジェットヘッドの特性は、そのイナータンス、音響容量、音響抵抗を用いて電気的等価回路として表すことができる。例えば、特許文献1又は2には、圧電式のインクジェットヘッドの電気的等価回路が開示されている。一般に、長さおよび断面形状が同一の場合には、そのインク流路の音響抵抗およびイナータンスは一義的に決まり、音響抵抗を小さくすると、イナータンスも小さくなる。
【0004】
ここで、インクジェットヘッドは一般に多数のインクノズルを備えており、各インクノズルがそれぞれ連通している個別インク室にインクを供給するために、外部からインクを共通インク室に一旦供給し、この共通インク室から各個別インク室に対してそれぞれインク供給口部を介してインクを供給するようしている。この場合、インクジェットヘッドの応答性を改善するためには、インク通路、特に共通インク室と各個別インク室を連通しているインク供給口部の音響抵抗を小さくすることが望ましい。しかし、音響抵抗を小さくすると、イナータンスも小さくなる。イナータンスが小さいと、インク吐出後の共通インク室の圧力振動が吐出インクのインクスピードに影響を及ぼし、所望の印字品質を満足するインクスピードを得ることができないので、印字品質が低下してしまう。
【0005】
そこで、本願人は、参考文献3において、インクジェットヘッドの応答性の改善と印字品質の改善を両立させるために、共通インク室と各個別インク室を連通しているインク供給口部に、単一流路部分と、断面積が小さい複数の分流路からなる分流路部分を形成する構成を提案している。このように、音響抵抗およびイナータンスが異なる部分をインク供給路に形成することにより、応答速度が速く、良好な印字品質を確保可能なインクジェットヘッドを得ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭58−5269号公報、
【特許文献2】
特開昭61−141566号公報
【特許文献3】
特開2001−96738号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、インクノズルのノズル径よりも大きな異物が、共通インク室から個別インク室内にインクと共に進入した場合にはインクノズルに目詰まりが発生する惧れがある。そこで、これらの間を連通しているインク供給口部などにおいてノズル径よりも大きな異物を捕捉できるようにする必要がある。このためには、上記の公開公報に開示されている単一流路部分と分流路部分を備えたインク供給路において、分流路部分を形成している各分流路の断面積を小さくして異物通過を阻止できるようにすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、分流路の断面積を小さくすると、音響抵抗が大きくなってイナータンスが小さくなる傾向にあるため、インクジェットヘッドの応答性、および印字品質が低下してしまう。
【0009】
また、上述の音響抵抗とイナータンスの変化を最低限に押さえる形状の設計を行うと、分流路部分においてインク通路断面積が急激に絞られるので、当該分流路部分の手前にインクの淀み領域が形成されてしまい、ここが気泡溜まりとなる惧れがある。例えば、インクの初期充填時あるいはインクカートリッジ交換時におけるインク充填時には、気泡を抱き込んだインクが供給される可能性が高く、インクに含まれている気泡がインク供給路の手前部分(共通インク室側の位置)に溜まり易い。気泡が溜まると、共通インク室から個別インク室へのインク供給が阻害され、インクノズルがインク液滴の吐出不良あるいは吐出不能状態に陥り、印字品質が低下してしまう。
【0010】
また、上述のように、インク供給路において、分流路部分を形成している各分流路の断面積を小さくして異物通過を阻止できるように構成した場合、インク供給口部に異物が残留すると、インクが共通インク室から個別インク室に供給される時に、その異物によってインクの供給不足が発生し、インクノズルがインク液滴の吐出不良あるいは吐出不能状態に陥り、印字品質が低下してしまう惧れがある。
【0011】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、インク供給口部と共通インク室の構造を工夫することにより、応答性および印字品質の両立を図ると共に、インクノズルの目詰まりの原因となる異物を捕捉でき、しかも、インク供給不足によるインク液滴の吐出不良・不能が発生しないようにしたインクジェットヘッドを提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、共通インク室と、個別インク室と、この個別インク室に連通しているインクノズルと、前記共通インク室から前記個別インク室にインクを供給するための、単一流路部分と、複数の分流路部分とを備えたインク供給口部を有し、前記個別インク室の容積変動により前記インクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、前記共通インク室は深さの異なる流路部分から成り、深さの浅い流路部分は、単一流路部分と、この単一流路部分の途中位置に形成された複数の分流路からなる分流路部分を備え、各分流路の断面は矩形であり、当該矩形断面の対角線長さは、前期インクノズルのノズル径よりも小さい寸法とされていることを特徴としている。
【0013】
上記構成により、この共通インク室、インク供給口部を備えたインクジェットヘッドでは、共通インク室からインク供給口部を介して個別インク室に流入するインクに混入している異物のうち、インクノズルに目詰まりを起こす惧れのある大きさのものは、共通インク室に形成された各分流路を通過できず、ここで捕捉される。よって、インクノズルの目詰まりを防止できる。
【0014】
また、異物を捕捉する分流路部分が共通インク室部に形成されているため、前記分流路部分は、インク供給口部毎の個別の音響抵抗、イナータンスには影響を与えない。従って、インク供給口部の形状は、共通インク室からインク供給路を介して個別インク室に流入するインクに混入している異物の大きさを考慮することなく決定できるため、複雑な形状にしなくとも最適な音響抵抗、イナータンスを得ることが可能となり、インクジェットヘッドの応答性、印字品質を改善することができる。
【0015】
さらに、異物を捕捉する分流路部分が共通インク室部に形成されているため、分流路部に流れ込むインクの流れに淀みが発生し、分流路部の手前部分(深い共通インク室側)に気泡が滞留したとしても、また、インクに混入している異物が捕捉されたとしても、個別インク室へのインクの供給は、近傍の分流路部からインク供給口部を通って可能となるため、インクの供給不足によるインクノズルのインク液滴の吐出不良、不能が引き起こされることを防止できる。
【0016】
次に本発明は、前記共通インク室に形成されるインク流路断面が小さな分流路部分では、各分流路がインク流れ方向に対して斜めに配列されている。各分流路を斜めに配列すると、同一幅の部分により多くの分流路を形成できる。このように分流路部分でのインク流路断面積を大きく取れるので、上述と同様に、深さの深い単一流路部の共通インク室から当該分流路部、インク供給口部を経由して個別インク室に流れ込むインクに混入している異物のうち、インクノズルに目詰まりを起こす惧れのある大きさのもが、ここで捕捉でき、捕捉された異物によるインクの供給不足も確実に防止できる。さらに、分流路部に流れ込むインクの流れに淀みが発生し、分流路部の手前部分(深い共通インク室側)に気泡が滞留したとしても、インクの供給不足によるインクノズルのインク液滴の吐出不良、不能が引き起こされることをより確実に防止できる。
【0017】
一方、本発明は、対向電極の間に電圧を印加することにより発生する静電気力によって、前記個別インク室に容積変動を発生さる静電アクチュエータを備えたインクジェットヘッドに適用することができる。
【0018】
また、本発明は、表面に異方性エッチングまたはICPプラズマエッチングによって加工された複数の凹部を備えた第1および第2の半導体基板が相互に接合され、これらの半導体基板の間に、前記共通インク室、前記個別インク室および前記インク供給口部が形成されたインクジェットヘッドに適用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本例のインクジェットヘッドの断面図である。本例のインクジェットヘッドは3枚のノズル基板1、キャビティ基板2、電極基板3を順に積層した3層構造をしている。
【0020】
中間のキャビティ基板2は、例えばシリコン基板であり、その表面に一端から平行に等しい間隔で形成された複数本の、底壁が薄肉で、面外方向(図において上下方向)に弾性変位可能な振動板4として機能する個別インク室5と、1つの共通インク室6とがエッチングによって形成されている。また、キャビティ基板2の上面には共通電極7が形成されている。
【0021】
キャビティ基板2の上側に接合されるノズル基板1は、キャビティ基板2と同様に例えばシリコン基板であり、個別インク室5の上面部分には各個別インク室に対応してインクノズル8が個別インク室5の先端部付近に形成されており、各インクノズル8は対応する個別インク室5に連通している。また、個別インク室5と共通インク室6の中間部分の上面には、共通インク室6を各個別インク室5に連通させているインク供給口部9としての溝、および深さの浅い共通インク室16としての溝がICPプラズマエッチングによる異方性エッチングによって形成されている。
【0022】
キャビティ基板2の下側に接合される電極基板3は、例えばホウ珪酸ガラスからなり、その上面には各振動板4に対峙する位置に、浅くエッチングされた凹部10が形成されている。この凹部10の底面には、振動板4に対峙する個別電極11が形成されている。また、インク取入れ口12が設けられており、キャビティ基板2を接合したときに、共通インク室6の下側にくるように配置されている。インクは外部のインクタンク(図示せず)からインク供給チューブ(図示せず)を介してインク取入れ口12に供給され、共通インク室6、深さの浅い共通インク室16、インク供給口部9、個別インク室5を満たしている。
【0023】
上記3枚の基板を順に接合し、電極基板3に設けた凹部10を樹脂などの封止材13を用いて外気から気密封止してインクジェットヘッドの形状が出来上がる。
【0024】
各個別電極11の端部は電極端子14となっており、この電極端子14と共通電極7に、ドライバICが搭載されたFPC(フレキシブルプリント基板)ケーブル(図示せず)が接続される。
【0025】
個別電極11と振動板4の間隔は1μm以下の寸法に保持されており、ドライバICから各電極端子14と共通電極7との間に駆動電圧パルスを印加することによって、振動板4が静電気力によって個別電極11の方へ弾性変形して撓み、個別電極11の表面に当接する。この時、個別インク室5の容積が増加するため、インクが共通インク室6から深さの浅い共通インク室16、インク供給口部9を通って個別インク室5に流入する。
【0026】
次に、駆動電圧パルスをオフすることによって静電気力が解除され、振動板4はそのバネ力によって元の位置に戻る。この復元動作によって個別インク室5の容積が急激に減少し、それに伴って個別インク室5内の内圧が急激に上昇し、個別インク室内の一部のインクがインクノズル8から図1の上方へ向けてインク液滴(図示せず)として吐出される。さらに振動板4がバネ力の反動で再び個別電極11側に撓むことによって、再びインクが共通インク室6から深さの浅い共通インク室16、インク供給口部9を通って個別インク室5に供給される。
【0027】
図2は、本発明のインクジェットヘッドのインク供給口部9、および深さの浅い共通インク室16が形成されている部分を部分的に拡大した平面図であり、図3は図2のs−s線で切断した部分断面図である。
【0028】
図3に示すように、個別インク室5と共通インク室6はキャビティ基板2の表面に異方性エッチングを施すことにより形成された凹部によって規定されており、異方性エッチングによって残ったこれら共通インク室6および個別インク室5の間を仕切っている仕切り壁部20は台形の断面形状となっている。この仕切り壁部20はほぼ平行四辺形をした上面20aを備え、その両側辺20b、20cからは、共通インク室6の側に傾斜している傾斜面20e、および個別インク室5の側に傾斜している傾斜面20dが延びている。側辺20cは共通インク室6のインク供給路側の開口縁部であり、側辺20bは個別インク室5のインク供給路側の開口縁部分である。また、傾斜面20eと共通インク室6の底面6aは入り隅20fで交差し、傾斜面20dと個別インク室5の底面5aは入り隅20gで交差している。
【0029】
ノズル基板1におけるキャビティ基板2との合わせ面には、図2において2点鎖線で示すように、各仕切り壁部20に対峙している部分を浅く矩形状にエッチングすることにより、溝部70が形成されている。この溝部70は、各仕切り壁部20の上面20aの両側辺20b、20cからそれぞれ共通インク室6の側、および個別インク室5の側に延びている。この溝部70の底面71と、仕切り壁部20の上面20aの間に、ほぼ個別インク室5と同一幅のインク供給路口部9、および深さの浅い共通インク室16が形成されている。
【0030】
このインク供給口部9における個別インク室5側の縁72は、仕切り壁部20の辺20bよりも個別インク室5の側にせり出した位置にある。従って、この縁72と仕切り壁部20の辺20bとにより区画される連通部73を介して、インク供給口部9は個別インク室5に連通している。
【0031】
一方、深さの浅い共通インク室16における共通インク室6の側は、共通インク室6の形状に対応した形状となるように形成された溝部74に連続している。従って、深さの浅い共通インク室16は、仕切り壁部20の辺20cと溝部74の底面74aとにより区画されている連通部75を介して、共通インク室6に連通している。
【0032】
ここで、深さの浅い共通インク室16の途中位置には、さらに深さの浅い単一流路部78が形成されていて、その途中位置に長円形断面の柱状突起77が、インク流れ方向に直交する方向に等間隔で複数本形成されている。
【0033】
また、インク供給口部9の途中位置には、長円形断面の柱状突起76が、インク流れ方向に直交する方向に等間隔で3個形成されている。
【0034】
これらのさらに深さの浅い単一流路部78、柱状突起77、柱状突起76は、ノズル基板1に溝部70、74を形成する際に島状に残したものである。
【0035】
インク取入れ口(図示せず)から、共通インク室6に供給されたインクは、縁20cの側に形成された溝部74、連通部75、深さの浅い共通インク室16、さらに深さの浅い単一流路部78を通って柱状突起77の形成位置で複数本の分流路とされ、インク供給口部9の側の、さらに深さの浅い単一流路部78において再び単一流路とされ、溝部70を通ってインク供給口部9に入り、個別インク室毎に複数本に分割される。
【0036】
インク供給口部9に入って個別インク室毎に分割されたインクは、溝部分70の単一流路部を通って柱状突起76の形成位置で4つの分流路とされ、個別インク室側の連通部73の側において再び単一流路とされている。
【0037】
このインク供給口部9では、柱状突起76によりインク通路断面積が小さくなっている部分は音響抵抗の増加に寄与する部分であり、それ以外の部分はインク通路断面積が大きいので、イナータンスの増加に寄与する部分である。
【0038】
一方、深さの浅い共通インク室16部では、さらに深さの浅い単一流路部78、柱状突起77が存在するが、インク供給口部9の手前側の各個別インク室毎に複数本に分割される前であるので、音響抵抗、イナータンスにはほとんど寄与しない部分である。
【0039】
ここで、柱状突起77が形成されている各分流路部の矩形断面の対角線長さは、インクノズル8のノズル径よりも小さい寸法としてある。
【0040】
本例のインクジェットヘッドを用いて実験を行ったところ、単一流路部分70および柱状突起76が形成されている部分の分流路の深さ、幅などを適切に設定することにより、インクジェットヘッドの応答速度を高め、しかも良好な印字品質を得るために必要なインク吐出スピードを確保可能なことが確認された。
【0041】
また、柱状突起77が形成されている部分の各分流路矩形断面の対角線長さがインクノズル8のノズル径よりも小さいので、インクノズル8の目詰まりの原因となるような大きさの異物は、当該深さの浅い共通インク室16において捕捉され、インク供給口部9、個別インク室5の側に侵入することが阻止される。よって、インクノズル8の目詰まりを防止できる。
【0042】
さらに、異物を捕捉する分流路部分が深さの浅い共通インク室16部に形成されているため、柱状突起77が形成されている部分の分流路部に流れ込むインクの流れに淀みが発生し、分流路部の手前部分(共通インク室6側)に気泡が滞留したとしても、また、インクに混入している異物が捕捉されたとしても、インク供給口部9、個別インク室5へのインクの供給は、近傍の分流路部から可能となるため、インクの供給不足によるインクノズル8のインク液滴の吐出不良、不能が引き起こされることを防止できる。
【0043】
次に本発明の他の実施の形態を図4にて説明する。この図に於いては、上述の実施の形態の図2と対応するものであり、同一の機能を有するものに同符号を付している。
【0044】
図4はキャビティ基板2における深さの浅い共通インク室16、インク供給口部9が形成されている部分を部分的に拡大した平面図である。
【0045】
本例では、深さの浅い共通インク室16の柱状突起77が形成されている部分の各分流路、およびさらに深さの浅い単一流路部79の配列方向を、矢印Aで示すインクの流れ方向に対して傾斜(図にθで示す)した方向としてある。また、各分流路の矩形断面の対角線長さを、インクノズル8のノズル径よりも小さい寸法としてある。
【0046】
各分流路を斜めに配列すると、同一幅の部分により多くの分流路を形成できる。このように分流路部分でのインク流路断面積を大きく取れるので、第一の実施例と同様に、深さの深い単一流路部の共通インク室6から当該分流路部を経由してインク供給口部9、個別インク室5に流れ込むインクに混入している異物のうち、インクノズル8に目詰まりを起こす惧れのある大きさのもが、ここで捕捉でき、捕捉された異物によるインクの供給不足も確実に防止できる。さらに、分流路部に流れ込むインクの流れに淀みが発生し、分流路部の手前部分(共通インク室6側)に気泡が滞留したとしても、インクの供給不足によるインクノズル8のインク液滴の吐出不良、不能が引き起こされることをより確実に防止できる。
【0047】
なお、上記の例では、柱状突起76、77の形成された分流路部分を矩形断面としてあるが、それ以外の断面形状にすることも可能である。同様に、柱状突起76、77は長円形断面であるが、円形、楕円形や菱形、流線型などの断面形状にすることも可能である。さらに、これらの突起の個数、すなわち、分流路の数は、ここに実施例に応じて設定されるべき性質のものであり、上記の各実施例に限定されるものではない。
【0048】
また、上述の各例は、インク液滴を基板上面に設けたノズル孔から吐出させるフェイスイジェクトタイプを示したが、基板の端部に設けたノズル孔から吐出させるエッジイジェクトタイプでも適用可能である。
【0049】
また、上述の各例は静電駆動式のインクジェットヘッドに関するものであるが、圧電式のインクジェットヘッドにも適用可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェットヘッドでは、共通インク室と個別インク室を連通しているインク供給口部に、音響抵抗およびイナータンスが異なる部分を形成してある。また、共通インク室のインク供給口部側に、矩形断面の対角線長さがインクノズルのノズル径よりも小さな分流路を複数備えた分流路部分を形成してある。
【0051】
従って、本発明によれば、インクジェットヘッドの応答性および印字品質を双方ともに改善することができると共に、異物混入に起因するインクノズルの目詰まりを防止でき、しかも、気泡滞留に起因するインク吐出不良・不能を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの断面図である。
【図2】図1に示すインクジェットヘッドのインク供給口部を説明するための部分平面図である。
【図3】図1に示すインクジェットヘッドのインク供給口部を説明するための部分断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の説明図であり、図2に対応した部分平面図である。
【符号の説明】
1・・ノズル基板
2・・キャビティ基板
3・・電極基板
4・・振動板
5・・個別インク室
5a・・個別インク室の底面
6・・共通インク室
6a・・共通インク室の底面
7・・共通電極
8・・インクノズル
9・・インク供給口部
10・・凹部
11・・個別電極
12・・インク取入れ口
13・・封止材
14・・電極端子
16・・深さの浅い共通インク室
20・・仕切り壁部
20a・・仕切り壁部の上面
20b、20c・・仕切り壁部の辺(開口縁部)
20d、20e・・仕切り壁部の傾斜面
20f、20g・・入り隅
70、74・・溝部
71、74a・・溝部底面
72・・縁
73、75・・連通部
76、77・・柱状突起
78、79・・さらに深さの浅い共通インク室

Claims (4)

  1. 共通インク室と、個別インク室と、この個別インク室に連通しているインクノズルと、前記共通インク室から前記個別インク室にインクを供給するための、単一流路部分と、複数の分流路部分とを備えたインク供給口部を有し、前記個別インク室の容積変動により前記インクノズルからインク液滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
    前記共通インク室は深さの異なる流路部分から成り、深さの浅い流路部分は、単一流路部分と、この単一流路部分の途中位置に形成された複数の分流路からなる分流路部分を備え、各分流路の断面は矩形であり、当該矩形断面の対角線長さは、前期インクノズルのノズル径よりも小さい寸法とされていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記共通インク室に形成される複数の分流路部分の配列方向は、インクの流れに対して傾斜した方向であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1または2の項において、
    対向電極の間に電圧を印加することにより発生する静電気力によって、前記個別インク室に容積変動を発生させて、前記インクノズルからインク液滴を吐出させることを特徴とする静電駆動式のインクジェットヘッド。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
    表面に異方性エッチングまたはICPプラズマエッチングによって加工された複数の凹部を備えた第1および第2の半導体基板が相互に接合され、これらの半導体基板の間に、前記共通インク室、前記個別インク室および前記インク供給路が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
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